Gemini agentとは?Googleの統合AIエージェントの機能・Claude選択・Microsoft 365/Slack連携・提供状況【2026年10月】

この記事のポイント
Gemini agent(Gemini エージェント)は、Googleが2026年10月8日に発表した企業向けの統合AIエージェントです。コワーカーエージェント、Claudeを含むモデル選択、Microsoft 365・Slack連携、セキュリティ、未発表の料金と提供状況、Copilot・OpenAI dotsとの違いを公式情報から整理します。
Gemini agent(日本語の公式表記は「Gemini エージェント」)は、チャット・自律的なタスク実行・コード生成を1つにまとめた、Googleの企業向けAIエージェントです。2026年10月8日(米国時間)に発表されましたが、2026年10月9日時点では一部の企業に限った先行提供(early access)の段階です。料金・一般提供日・日本での提供時期は発表されていません。
発表の場は、Google Cloudのイベント「Gemini at Work 2026」です。Google CloudのCEOであるThomas Kurian氏が、公式ブログで「業務向けの新しい単一かつ汎用的なエージェント」と紹介しました。GoogleのエージェントがAnthropicのClaudeを使えるようになる点や、Microsoft 365・Slackの中からも呼び出せる点が話題になっています。
この記事でわかること
- Gemini agentの全体像と、Google Workspace内でできること
- 自分のメールアドレスを持つ「コワーカー エージェント」の仕組み
- Claudeを選べるモデル選択の中身と、公式情報どうしの食い違い
- Microsoft 365・Slackとの連携(呼び出す入口と、データの接続先)
- セキュリティ・費用管理の機能と、まだ公表されていないこと
- 今使えるもの・先行提供のもの・未発表のものの区別
- Microsoft Copilot(Autopilot)、OpenAI dots、Claude for Google Workspaceとの違い
- 名前が似たGoogle製品(Gemini Spark、Gemini Enterpriseなど)との違い
こんな方に向けた記事です
- Google WorkspaceやGemini Enterpriseを使っていて、Gemini agentを導入できるか知りたい情報システム・DX推進の担当者
- Microsoft CopilotやChatGPTのエージェントと比べて、どれを社内に入れるか考えている方
- 「Gemini agent」と検索したものの、似た名前のGoogle製品が多くて違いがわからない方

要点まとめ
- Gemini agentは、質問への回答・資料作成・画像や動画の生成・コードの実行を1つのエージェントと1つのAPIで扱う、企業向けのエージェント
- Workspace内で動くほか、メールアドレスやカレンダーを持つ「コワーカー エージェント」としてチームに加えられる。モデルはGeminiのほかClaudeも選べる(先行提供の範囲)
- 2026年10月9日時点で、バックグラウンドへの作業の委任、モバイル・デスクトップ版、Claudeなど他社モデルの選択は先行提供。料金と日本での提供時期は未発表
Gemini agentとは
Gemini agentは、Googleが「手順ではなく目的を渡す」AIとして作った、仕事用の汎用エージェントです。公式ブログ(日本語版)の説明は「質問への回答、ナレッジワークの処理、画像やメディアの作成、コードの記述と実行に対応し、すべてを単一のエージェントと単一の API で処理します」というものです。
これまでのAIアシスタントは「この表を要約して」「このメールに返信して」と、作業を一つずつ指示する使い方が中心でした。Gemini agentに「来週の発売イベントの準備資料をそろえて」といったゴールを伝えると、エージェントが計画を立て、必要なアプリを行き来し、完成物を返します。
項目 | 内容(2026年10月9日時点) |
|---|---|
名称 | Gemini agent(日本語公式表記「Gemini エージェント」) |
開発元 | Google(Google Cloud) |
発表 | 2026年10月8日(米国時間)、Gemini at Work 2026 |
提供状況 | 一部の企業向けの先行提供(公式は「early access」、報道では「private preview」) |
対象 | 企業・組織(個人のGoogleアカウント向けの提供は未発表) |
使える場所 | Web、iOS、Android、Windows、Mac、コマンドライン、Google Workspace内、Microsoft 365、Slack、API |
使えるモデル | Geminiファミリー(Argon・Flash・Omni・Gemma)、AnthropicのClaude(先行提供の範囲) |
料金 | 未発表 |
- 公式発表(英語): Welcome to Gemini at Work 2026: Introducing the Gemini agent
- 公式発表(日本語): Gemini at Work 2026 で Gemini エージェントを発表
AIエージェントという考え方そのものはAIエージェントとは、Geminiの全体像はGeminiとはで整理しています。
公式が示す6つの特徴
公式ブログは、Gemini agentの設計を次の6つで説明しています。
特徴 | 公式の説明(要約) |
|---|---|
1つにまとまったエージェント | チャット、自律的なタスク実行、コード生成が同じ画面でできる。定期実行や、何かが起きたときの自動実行にも対応 |
どこからでも使える | 各種端末、コマンドライン、Workspace、Microsoft 365、Slack。UIを持たない形でAPIから他社アプリに組み込むこともできる |
作業が続く | クラウドで動き、記憶や好みを端末間で共有する。ノートPCを閉じても作業は止まらない |
複数のエージェントを統括 | 作業ごとに一時的なサブエージェントを作り(それぞれ専用のIDを持つ)、数時間〜数日かかる手順を並行・順番に進める |
文脈を理解する | やりとりのたびに学ぶ。チームごとに「プロジェクト」を作り、使う文脈・スキル・ツールを絞り込める |
モデルを選べる | 作業ごとに適したモデルを選ぶ。難しい作業は精度を、簡単な作業はコストを優先する |
使い方は大きく2通りです。一つは自分専用のアシスタントとして使う形、もう一つはプロジェクトマネージャー役や財務アナリスト役のように、チームの一員として働かせる形です。
製品上の位置づけ
Gemini agentは単独で契約する新製品というより、既存の企業向けAIアプリ「Gemini Enterprise」やWorkspaceの一部プランに組み込まれる形で提供される見込みです(9to5Google、VentureBeatの報道)。製品ページの名前も「Gemini for Business: The Universal Work Agent」に変わり、「One universal agent for the way you work」と打ち出しています。
Gemini agentでできること

できることは「Workspaceの中で手伝う」「チームの一員として働く」「長い作業をまとめて任される」「社内データを分析する」の4つに分けると整理しやすくなります。
Google Workspaceの中で動く
Gemini agentは、Gmail・ドライブ・ドキュメント・スライド・スプレッドシート・Chat・カレンダーの中で直接動きます。別の画面に移らず、メールのスレッドやドキュメント、チャットスペースなど、作業しているその場で呼び出せます。9to5Googleによると、Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Chatでは「@Gemini」と書いて呼び出します。
日本語版の公式ブログは、Workspace内での役割を3つ挙げています。
役割 | 内容 | 公式の例 |
|---|---|---|
パーソナル アシスタント | カレンダー・チーム・プロジェクト・ドキュメントの関係をあらかじめ把握している | 「来週、いつもの地域イベント担当チームとの会議を設定して」と頼むと、名前やアドレスを入れなくても参加者を特定し、予定を確認して社外の参加者にも日程調整メールを送る |
プロアクティブな委任 | 任せられる作業を自分から提案する | 最後に届いたメールではなく、重要度の高いメールを理由つきで示す |
チームメンバー | コワーカー エージェントとしてチームに加わる | Chatスペースに追加したり、@メンションしたりして仕事を頼む |
9to5Googleは、上司からのスライド作成依頼を「任せられる作業」として示し、ワンクリックでGeminiに渡せる例も紹介しています。
コワーカー エージェント:メールアドレスを持つ「AIの同僚」
コワーカー エージェントは、数日にわたって決まった役割を持ち続けるエージェントです。普通のアシスタントと違い、エージェント自身のWorkspaceアカウントを持ちます。
@agents.company.comのような専用のメールアドレス- 自分のカレンダーとGoogle ドライブ(作業を保存する場所)
- 社内ディレクトリへの登録
作り方は、必要な役割を言葉で説明するだけです。同僚はChatスペースに追加したり、@メンションやドキュメントのコメントで仕事を頼んだりします。ドキュメントの版の履歴には、頼んだ人ではなくエージェントの名前で記録されます。
公式の例では、マーケティング担当者がチャットのグループでイベント担当のエージェントに発売準備の資料づくりを頼み、エージェントが完成した資料をそこに投稿します。
アクセスできる範囲について、公式は「コワーカー エージェントはユーザーではなく独自のアイデンティティとして機能し、共有された内容のみを閲覧できます」と説明しています。権限は、チームがすでに使っている共有設定やメンバー設定に従います。
サブエージェントで長い作業を進める
大きな仕事を任されると、Gemini agentは作業ごとに一時的なサブエージェントを作り、並行または順番に進めます。サブエージェントにもそれぞれ専用のIDが付くため、誰がどの操作をしたかを後から追えます。作業はクラウドで続くので、数時間〜数日かかる仕事でも、ノートPCを閉じたあとに止まることはありません。
スキルと4種類の記憶
スキルは、手順・知識・ワークフローをまとめた再利用できる指示書です。最初から使えるスキル集があり、チームや個人が自分たちのスキルを公開することもできます。Geminiは実行のたびに使うスキルを選び、使いながら改善します。
公式の説明では、記憶は次の4種類です。
記憶の種類 | 中身 |
|---|---|
セッション記憶 | 数日にわたる作業のあいだも、途中の状態を覚えておく |
意味記憶 | 文書ややりとりから作る知識のまとまり |
手続き記憶 | 仕事の進め方(自分で書いたスキルを含む) |
エピソード記憶 | 過去に何をしたか |
データ分析とBigQuery連携
データ分析では、自然な言葉で依頼するとPySparkのコード生成、ノートブック作成、モデルの学習、データパイプラインの修正まで行います。
- Knowledge Catalog:「純利益率」のような社内での定義を一度登録すると、すべてのエージェントが同じ定義で計算する。Databricks、dbt、LookML、SAPの指標定義も読み込める
- 定型レポート:BigQueryと連携したレポート作成スキルがあり、保存したレポートはトークン費用なしで再実行できる
- 他社クラウドのデータ:Amazon S3やAzure Data Lakeのデータも、従量制のデータ転送料なしで照会できる(Borderless Lakehouse)
業界別の版
金融と法務の業界向け版もプレビューとして発表されました。
- 金融:投資調査・与信分析・リスクモデル向け。FactSet、LSEG、S&P Global、SEC提出書類などのデータと、50以上の基本スキルを備え、信頼度スコアや出典を示す
- 法務:NetDocuments・iManageの案件ごとの権限や情報遮断(ethical wall)をそのまま引き継ぐ。HarveyやOnitと提携
- 政府・医療・小売:近日対応予定
Claudeも選べる:モデル選択の仕組み

出典: Anthropic 公式サイト
Gemini agentは、作業ごとに使うAIモデルを選びます。対象はGoogleのGeminiファミリーと、AnthropicのClaudeです。公式ブログ(日本語版)には「現時点では Google の Gemini モデル ファミリーや Anthropic の Claude モデル、将来的にはその他の主要なプライベート モデルおよびオープン モデルを横断してオーケストレーションを行う」とあります。
Geminiファミリーの4つのモデル
モデル | 公式が示す役割 |
|---|---|
Argon | 最先端の推論 |
Flash | 速さと大量処理 |
Omni | 画像・動画などのメディア生成 |
Gemma | 軽量・オープンウェイト。端末側(エッジ)での処理 |
難しい作業は高性能なモデルに回して精度を上げ、簡単な作業は軽いモデルに回して費用を抑える、というのが振り分けの狙いです。英語版のブログでは、この振り分けを「Smart Routing」と呼んでいます。
「Argon」は今回の公式ブログで名前が挙がったモデルで、一般公開モデルとしての仕様はまだ公表されていません。Googleの次世代モデルの動向はGemini 4とはで追っていますが、ArgonとGemini 4が同じものかどうかは公式には示されていません。
Claudeが使えるのは先行提供の範囲
Claudeの選択は、現時点では全顧客向けではありません。公式情報の書き方が揃っていない点に注意が必要です。
- 公式ブログ:「現時点では」GeminiとClaudeを横断して使うと書いている
- 製品ページのFAQ(「Which models can I use?」):今使えるのはGeminiモデルで、ほかのモデルは近日追加と書いている
- 製品ページの注記:他社モデルの選択(third-party model choice)は先行提供(early access)の機能で、「近く全顧客が使えるようになる」と書いている
このため、「Claudeは先行提供の範囲で選べる。一般の契約者が使えるのはこれから」と理解するのが安全です。どの作業がClaudeに回されるのか、Claudeのどのモデル(Opus、Sonnetなど)が使えるのかも公表されていません。
VentureBeatによると、管理者はエージェントが使えるモデルを制限でき、社外秘のデータを許可していないモデルに送ろうとする処理は止まります。
Claudeの特徴はClaudeとはで解説しています。GoogleとAnthropicの関係は、Google×Anthropicの400億ドル投資を読むと背景がつかめます。MicrosoftもCopilotにClaudeを載せており、「自社のAIに他社モデルを載せる」流れはClaude Opus 4.7がMicrosoft 365 Copilotの既定モデルにでも扱っています。
Microsoft 365・Slackとの連携
Microsoft 365とSlackとの連携には、「Gemini agentを呼び出す入口になる」という意味と、「データやツールの接続先になる」という意味の2つがあります。Google以外の業務ツールを使っている会社でも導入を考えられる点が、Gemini agentの特徴です。
入口として:Microsoft 365やSlackの中から呼び出す
公式ブログは、Gemini agentを使える場所としてWorkspaceと並べてMicrosoft 365とSlackを挙げています。メインの業務ツールがTeamsやSlackでも、そこから同じGemini agentに仕事を頼める、という意味です。
ただし、Microsoft 365側でアドインとして使うのか、Slackのアプリとして入れるのか、必要な権限は何かといった具体的な使い方は、2026年10月9日時点で公式に書かれていません。
接続先として:100以上のツールとつながる
公式ブログと製品ページで確認できた主な接続先は次のとおりです(製品ページでは「100以上」としています)。
分類 | 主な接続先 |
|---|---|
Workspace(Gmail・ドライブ・ドキュメントなど)、BigQuery | |
Microsoft | Microsoft Office、Outlook、Teams、OneDrive、Azure Data Lake |
コミュニケーション・ナレッジ | Slack、Confluence、Notion |
プロジェクト管理 | Jira、Linear、Monday、Asana、Smartsheet |
開発 | Git、GitHub、GitLab |
業務システム | Salesforce、HubSpot、ServiceNow、Docusign、Workday |
データ基盤 | Databricks、Snowflake、Postgres、Amazon S3 |
その他 | ローカルPCのファイル、社内外のMCPサーバー |
MCP(Model Context Protocol)に対応しているため、自社で作ったツールをMCPサーバーとして公開すれば、Gemini agentから使えます。社内向けのツール登録簿(registry)にツールを登録して、チームで共有することもできます。
Slack上で動くエージェントの例としては、Slack自身が提供するSlack Codeとはも参考になります。
セキュリティと管理機能
Googleは、エージェントの管理を「誰なのか」「何をしてよいか」「何をしたか」「何に絶対触れてはいけないか」の4つの問いで整理しています。ID・権限・監査などの機能は、最初から有効になっていると公式は説明しています。
機能 | 内容 |
|---|---|
エージェントのID | すべてのエージェントに暗号技術で証明されたIDを付け、従業員と同じように管理する。権限は必要最小限。ログやエージェントが起動した仮想マシンにもIDが残る |
権限 | セキュリティ管理者が承認する細かい役割(ロール)ごとのアクセス権。外部サービスへの接続はOAuthなどで本人の権限を引き継ぐ |
監査ログ | すべての操作を、人ではなくエージェントの名前で記録する。リアルタイムで監視できる |
Agent Sandbox | 独自のネットワーク境界を持つ隔離環境で作業を実行する |
Agent Gateway | エージェントへの入出力とエージェント同士の通信がすべて通る関所。全社のルール(例:「機密に分類された文書は開かない」)をここで適用する |
ID・Sandbox・Gatewayは、開発基盤側のGemini Enterprise Agent Platformで発表された仕組みと共通する考え方です。
データの扱い
製品ページのFAQでは、データについて次のように説明されています。
- データの持ち主は顧客
- プロンプト・出力・チューニングの内容を、Googleのモデルや他社顧客のモデルの学習に使わない
- 第三者に売らない、広告に使わない
- データをGoogleに移す必要はなく、元の場所に置いたまま、各ユーザーの既存の権限に従って検索の対象にする
Claudeを使ったときにデータがAnthropic側に渡るのか、渡る場合の保存期間や保存場所(データレジデンシー)は、まだ公表されていません。VentureBeatも、この点を不明点として挙げています。機密性の高いデータを扱う組織は、Claudeの利用を許可する前にこの点の回答を得ておく必要があります。
費用の上限と停止
費用の管理には、2026年8月27日に発表された仕組みが使えます(公式ブログ)。

- プロジェクトごとに月の支出上限を決められる。上限に達すると、そのプロジェクトのエージェントのAPI呼び出しが一時停止する(ほかの本番システムには影響しない)
- 再開はワンクリック。上限を超えた分を従量料金で続ける設定もできる
- 予算の50%・80%・100%でメール通知。急な支出増も検知する
- 部門ごとに費用を振り分けられる(chargeback)
- 1年契約で10%、3年契約で20%割引になるFlexible Savings Plansがある
導入前に決めておきたいこと
機能がそろっていても、運用ルールは会社側で決める必要があります。
- 共有設定の見直し:コワーカー エージェントは「共有されたものだけ」を見ます。逆に言えば、全社公開になっているドライブのフォルダは見えてしまいます。共有設定が雑な組織ほど、エージェントに見せすぎるおそれがあります
- 権限と予算の上限:エージェントごとに使ってよいツールと、プロジェクトごとの支出上限を先に決めておく
- 止め方と確認する人:作業が数時間〜数日続くため、誰が監査ログを見るのか、異常時に誰がどう止めるのかを決めておく
エージェントを試すだけなら設定画面で済みますが、自社の業務で動かす段階になると、人の承認を挟む場所、途中で止めたときの扱い、失敗した作業の再実行までを設計の範囲に入れる必要があります。この考え方はAIエージェントの試作を実業務で動かすにはで詳しく整理しています。
料金と提供状況
Gemini agent専用の料金は、2026年10月9日時点で発表されていません。Googleは一般提供が近づいた段階で詳しい料金を出すと説明しています(VentureBeat)。
今使えるもの・先行提供のもの・未発表のもの
区分 | 内容 |
|---|---|
発表済み(先行提供の企業で利用) | Gemini agent本体、Workspace内での動作、コワーカー エージェント、スキル、記憶、データ分析機能 |
先行提供(製品ページに明記) | 複数の手順をバックグラウンドに任せる機能、モバイル・デスクトップ版、他社モデル(Claude)の選択 |
プレビュー | 金融版、法務版 |
近日対応予定 | 政府・医療・小売向けの版 |
未発表 | Gemini agentの料金、一般提供日、提供地域、日本語での動作、個人向けプランへの提供 |
製品ページには「このページで紹介している機能のすべてが今すぐ使えるわけではない」という注記があります。公式は「early access」、9to5GoogleやCNBCは「private preview」と呼んでおり、同じ枠を指すのかは公表されていません。9to5Googleによると、Workspaceの一部のBusiness/Enterpriseプランの顧客には「近く」広く提供される予定です。
料金について報じられていること(公式未確認)
- 追加料金なし:VentureBeatは、Gemini Enterpriseが使える環境(既存のWorkspace Business/Enterpriseを含む)では追加料金がかからないと報じています
- 従量制が基本:Constellation Researchは、使った分だけ払う形が基本で、追加のアドオン商品にはしない方針と報じています。一般提供は10月末〜11月初めの見込みとも伝えています
いずれもGoogleの公式文書では確認できていません。コワーカー エージェントに別途ライセンス費がかかるのか、長時間の作業やサブエージェントにどれだけ費用がかかるのかもわかっていません。
既存のGemini Enterpriseのエディション
Gemini agentが組み込まれる見込みのGemini Enterpriseには、次のエディションがあります(公式ドキュメント)。
エディション | 利用人数 | 主な中身 |
|---|---|---|
Business | 1〜500ユーザー | 一部のコネクタ、権限に応じた検索、Deep Researchなど |
Standard | 1ユーザー以上 | 全コネクタ、Google検索によるグラウンディング、カスタムスキル、自社で作ったエージェントの利用 |
Plus | 1ユーザー以上 | Standardの全機能に加え、最新Geminiモデルへの優先アクセス |
Pay-as-you-go | 最低1シート | 従量制。請求書払いのCloud Billingアカウントが必要 |
Frontline | Standard/Plusが150ユーザー以上ある組織 | 現場従業員向け。カスタムスキルの作成不可などの制限あり |
公式ドキュメントには価格が載っていません。第三者サイトが金額を紹介していますが、サイトによって数字が違うため、実際の金額は営業窓口での見積もりで確認してください。なお、Google Workspace(Business Standardなど)とGemini Enterpriseは別の料金体系です。
製品ページでは、Gemini Enterprise Plusを30日間無料で試せると案内されています。ただし、先行提供中の機能(バックグラウンドへの委任、モバイル・デスクトップ版、Claudeの選択)がこの試用に含まれるかは書かれていません。
参考:日本企業の導入事例
公式ブログには、日本企業の事例も載っています。ただし、これらはGemini Enterprise全体での成果で、Gemini agentを使った成果ではありません。

企業 | 公式ブログの記載 |
|---|---|
SOMPO | 34,000人の従業員が1万以上のカスタムエージェントを利用。モデル開発が1週間から1日に |
NTTドコモ | 分析結果が出るまでの時間が2週間から即時に。年間45万時間を削減 |
日立 | 生産性が最大30%向上 |
アジア太平洋の導入企業として丸紅の名前も挙がっています。
Gemini agentの強みと弱み
強みは「1つのエージェントで、Google以外のツールも含めて仕事を回せること」、弱みは「まだ使える範囲が狭く、料金も見えないこと」です。
強み
- チャット・自律実行・コード生成を1つのエージェントでこなし、モードを使い分けなくてよい
- WorkspaceだけでなくMicrosoft 365やSlackからも呼び出せ、100以上のツールとMCPにつながる
- GeminiとClaudeを作業ごとに使い分けられる(先行提供の範囲)
- エージェントごとのID、監査ログ、Sandbox、Gateway、支出上限が最初からそろっている
- BigQueryやKnowledge Catalogと組み合わせると、社内の数字の定義を揃えたまま分析を任せられる
弱み・注意点
- 2026年10月9日時点では先行提供で、多くの企業はまだ使えない
- 料金・一般提供日・日本での提供時期・日本語での使い勝手が未発表
- Claudeを使ったときのデータの流れが公表されていない
- Microsoft 365・Slack側での具体的な使い方が未公表
- 長時間・複数アプリにまたがる作業の信頼性について、第三者の評価がまだない(VentureBeat)
- 名前が既存の個人向け機能と同じで紛らわしい(Forbesも「紛らわしい名前」と指摘)
Microsoft Copilot・OpenAI dots・Claude for Google Workspaceとの違い
2026年9〜10月は、各社が「常に動き続ける仕事用エージェント」を相次いで発表しました。Gemini agentの特徴は、Google以外の業務ツールの中からも呼べることと、他社(Anthropic)のモデルを使えることの2点です。
比較ポイント | Gemini agent(Google) | 新しいMicrosoft Copilot(Autopilot) | OpenAI dots | Claude for Google Workspace(Anthropic) |
|---|---|---|---|---|
発表 | 2026年10月8日 | 2026年9月25日 | 2026年9月29日 | 2026年10月6日 |
形 | 企業向けの統合エージェント | Microsoft 365 Copilotの常駐エージェント | ChatGPTの常時稼働エージェント | Docs・Sheets・Slidesのサイドバーで動くアドイン |
主な対象 | 企業(Gemini Enterprise・Workspace) | 企業(Microsoft 365 Copilot) | 個人の上位プランと法人の一部の席 | Claudeの有料プラン |
呼び出せる場所 | Workspace、Microsoft 365、Slack、各端末、API | Teams、Outlook、チャット、ドキュメント | ChatGPT、Slack、Teams | Googleドキュメント・スプレッドシート・スライド |
エージェント専用のID | あり(専用メール・カレンダー・ドライブ) | あり(独自のIDとワークスペース) | あり( | なし(利用者の操作を手伝う形) |
使えるモデル | Gemini、Claude(先行提供) | 複数社(GPT系・Claude系など) | OpenAIのモデル | Claude |
料金 | 未発表 | 月額ライセンス+Copilot Creditsの従量課金 | Pro 100(月100ドル)以上、Business Premium席など | Claudeの有料プランの範囲 |
提供状況(2026年10月9日時点) | 先行提供 | プライベートプレビュー | 順次提供中 | パブリックベータ |
選び方の目安は次のとおりです。
自社の状況 | 候補 |
|---|---|
業務の中心がGoogle Workspaceで、Slackなど他社ツールも併用している | Gemini agent |
業務の中心がMicrosoft 365で、Entra IDやPurviewで統制している | Microsoft Copilot(Autopilot) |
部署や個人で、まずChatGPTの中で常時稼働エージェントを試したい | OpenAI dots |
Googleドキュメントなどの作業にClaudeを使いたいが、自律的に動くエージェントまでは要らない | Claude for Google Workspace |
GoogleがClaudeをエージェントに載せる一方で、AnthropicはGoogleのWorkspaceの中にClaudeを入れました。両社は競合しながら、お互いの製品の中に入り込む関係になっています。
各製品の詳細は、新しいMicrosoft Copilotとは、Copilot Coworkとは、OpenAI dotsとはで解説しています。Microsoft側のエージェント管理についてはMicrosoft Agent 365とはが参考になります。
名前が似たGoogle製品との違い
「Gemini agent」という名前は、これまで個人向けGeminiアプリの機能にも使われてきました。今回発表された企業向けのGemini agentとは別のものです。検索結果では両方の情報が混ざるため、次の表で見分けてください。

出典: Google 公式ブログ
名前 | 何か | 主な対象 | 今回のGemini agentとの関係 |
|---|---|---|---|
Gemini agent(今回発表) | 仕事用の統合エージェント | 企業 | この記事で解説している製品 |
Gemini Agent(Geminiアプリの機能) | 個人向けGeminiアプリの自律実行機能(旧Agent Mode)。2025年11月に発表 | 個人の上位プラン | 名前が同じだけの別機能 |
Gemini Spark | 個人向けの24時間稼働エージェント(Geminiアプリ内) | 個人(Google AI Pro/Ultra) | 個人向けの別製品 |
Gemini Enterprise | 企業向けのAIアプリ(2025年10月発表) | 企業 | Gemini agentが組み込まれる土台 |
Gemini Enterprise Agent Platform | エージェントを開発・運用する基盤(Vertex AIの後継) | 開発者・企業のIT部門 | 自社でエージェントを作るための基盤 |
個人で今すぐ使える常駐型のエージェントを探しているなら、Gemini Sparkとはのほうが目的に近いはずです。自社専用のエージェントを開発したい場合は、Gemini Enterprise Agent Platformとはを確認してください。
Gemini agentをおすすめの企業・まだ待つべき企業
今すぐ動くべきなのは、すでにGoogleの企業向けAIを契約している組織です。それ以外の組織は、料金と日本での提供時期が出てから判断しても遅くありません。
おすすめの企業
- Gemini EnterpriseやWorkspaceのBusiness/Enterpriseプランを契約していて、先行提供に申し込める組織
- Workspaceを中心にしつつ、SlackやMicrosoft 365、Salesforceなども併用していて、ツールをまたぐ作業が多い組織
- BigQueryに業務データがまとまっていて、定型レポートや分析を任せたい組織
- GeminiとClaudeを1か所で使い分けたい組織
- エージェントのID・監査ログ・支出上限を、全社の統制ルールの中で管理したい情報システム部門
まだ待つべき企業・おすすめしない人
- Googleの企業向けプランを使っておらず、料金を見てから比較したい組織
- 日本語での使い勝手や国内での提供を確認してから決めたい組織
- 機密データを扱い、Claude利用時のデータの流れや保存場所を確認できるまで使えない組織
- 共有設定が整理されておらず、エージェントに見せてよい範囲を決められていない組織
- 個人のGoogleアカウントで使いたい人(企業向けのため対象外。個人ならGemini Sparkを検討)
今のうちにできる準備
- 自社のGemini Enterprise・Workspaceの契約エディションを確認する
- ドライブや共有ドライブの共有設定を棚卸しする
- Google Cloudのプロジェクトに支出上限と予算アラートを設定する
- エージェントに任せたい業務を2〜3個に絞り、担当者と承認者を決めておく
- 先行提供の申し込み可否を、Googleの担当窓口や販売パートナーに問い合わせる
よくある質問
Gemini agentは個人のGoogleアカウントで使えますか?
2026年10月9日時点では使えません。企業向けの製品で、Google AI ProやUltraなどの個人向けプランへの提供は発表されていません。個人で常駐型のエージェントを使いたい場合は、Geminiアプリの「Gemini Spark」が選択肢になります。
日本の企業はいつから使えますか?
一般提供日・提供地域・日本語対応はいずれも未発表です。日本語版の公式ブログは公開されていますが、日本での提供時期は書かれていません。一般提供を10月末〜11月初めとする報道(Constellation Research)がありますが、Googleの公式発表ではありません。
Workspaceを契約していれば追加料金なしで使えますか?
公式には決まっていません。VentureBeatは「Gemini Enterpriseが使える環境では追加料金なし」と報じていますが、Googleの公式文書では確認できていません。長時間の作業やサブエージェントの利用に従量課金がかかる可能性もあるため、料金の正式発表を待つのが安全です。
Claudeは自動で使われますか?
Gemini agentは作業ごとに適したモデルを選ぶ仕組みのため、Claudeが選ばれる場合があります。ただし、Claudeを含む他社モデルの選択は先行提供の機能です。管理者は使えるモデルを制限できると報じられているため、Claudeを使わせたくない組織は管理画面で外す運用になる見込みです。
入力したデータはAIの学習に使われますか?
製品ページのFAQでは、プロンプト・出力・チューニングの内容をGoogleや他社顧客のモデルの学習に使わないと明記されています。ただし、Claudeを使った場合にAnthropic側でデータがどう扱われるかは公表されていません。
コワーカー エージェントは何体まで作れますか?
作れる数の上限や、エージェントごとにWorkspaceのライセンスが追加で必要かどうかは公表されていません。メールアドレスやドライブを持つ仕組みのため、ライセンスとストレージの扱いは正式発表で確認が必要です。
自社で作ったエージェントやツールとつなげられますか?
つなげられます。Gemini agentは社内外のMCPサーバーに接続でき、社内のツール登録簿でツールを共有できます。エージェントそのものを一から作りたい場合は、開発基盤のGemini Enterprise Agent Platformを使う形になります。
まとめ
Gemini agentは、Googleが2026年10月8日に発表した企業向けの統合AIエージェントです。
- チャット・自律実行・コード生成を1つのエージェントで扱い、Workspace・Microsoft 365・Slack・各端末・APIから使える
- メールアドレスやカレンダーを持つ「コワーカー エージェント」をチームに加えられる
- GeminiファミリーとClaudeを作業ごとに使い分けるが、Claudeの選択は先行提供の範囲
- ID・監査ログ・Agent Sandbox・Agent Gateway・支出上限など、管理の仕組みが最初からそろっている
- 料金・一般提供日・日本での提供時期は未発表。Claude利用時のデータの扱いも公表されていない
今すぐ申し込めるのはGoogleの企業向けプランを契約している組織に限られます。それ以外の組織は、共有設定の見直しや任せたい業務の洗い出しを進めながら、料金と日本での提供時期の発表を待つのが現実的です。
このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します
開発について相談するこの記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。
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