AIツール2026年8月更新

Microsoft Copilot Coworkとは?できること・料金(従量課金)・Claude Coworkとの違いを解説

公開日: 2026/05/10
更新日: 2026/08/11
Microsoft Copilot Coworkとは?できること・料金(従量課金)・Claude Coworkとの違いを解説

この記事のポイント

Microsoft Copilot Coworkとは、Microsoft 365内で複数ステップ業務を代行するエージェント型AI。GA後の料金(Copilot Credits従量課金)、できること・できないこと、E7やAgent 365との関係、セキュリティ論点を公式情報ベースで整理します。

Microsoft 365 Copilot Cowork(コパイロット コワーク)は、自然言語で指示するとMicrosoft 365の中でメール送信・会議設定・資料作成・組織内リサーチといった複数ステップの作業を最後までやり切る「エージェント型システム」です。 2026年6月16日に全世界で一般提供(GA)が開始され、現在はプレビュー機能ではなく、Microsoft 365 Copilotライセンス+使用量ベース課金(Copilot Credits)の組み合わせで正式に使えます。

Coworkをめぐる日本語の解説には、「Microsoft 365 E7(Frontier Suite)を買えば使える」「Agent 365が必須」といった誤解が広がっています。現時点の公式要件は「Microsoft 365 Copilotライセンスを持っていること」+「管理者が使用量ベース課金を有効化していること」の2点だけです。

この記事でわかること

  • Coworkの正体と、Copilot Chat・Copilot エージェントとの役割の違い
  • できること(13の組み込みスキル/自動実行/ブラウザ操作)と、公式が明記した「できないこと」
  • 料金の実像:Copilot Creditsの従量課金、タスクあたりの消費目安、上限設定
  • E7・Agent 365・Frontierプログラムとの正しい関係(誤解の訂正)
  • 情シス視点のセキュリティ論点(Purview対応可否・DLP未対応・プロンプトインジェクション対策)
  • 名前が似ている Claude Cowork(Anthropic)との違いと選び分け

想定読者: Microsoft 365 Copilotを導入済み/検討中の情シス・DX推進担当、コスト管理を任されている管理者、生成AIのガバナンス設計を担うセキュリティ担当者。

Microsoft Copilot Coworkとは

Microsoft 365 Copilot Cowork の画面イメージ

出典: Microsoft 365 Blog「Copilot Cowork: A new way of getting work done」

Coworkは、Microsoft 365 Copilotの中で動くエージェント型システム(agentic system)です。公式は「単一のエージェント」ではなく「複数のスキルとツールを束ねて動くシステム」と位置づけて説明しています。

依頼はチャットと同じく自然言語で行い、Coworkは「計画を立てる → Outlook・Teams・Word・Excel・PowerPoint・SharePoint/OneDriveを横断して実行する → 重要な操作の前に承認を求める → 成果物を提出する」という流れで進みます。処理はMicrosoft 365サービス境界内の一時的な隔離環境で実行され、タスク終了時に環境は破棄されます。クラウド側で動くため、端末を閉じても処理は継続します。

項目

内容

正式名称

Microsoft 365 Copilot Cowork

提供元

Microsoft

位置づけ

Microsoft 365 Copilot 内のエージェント型システム

提供状況

2026年6月16日に全世界で一般提供(GA)。3月30日〜6月16日はFrontier早期アクセスで提供

提供形態

Web(m365.cloud.microsoft)/デスクトップアプリ(Windows・Mac)/モバイルアプリ(iPhone・Android)/Outlook・Teams内

実行場所

Microsoft 365サービス境界内の一時的・隔離環境(タスク終了時に破棄)

前提ライセンス

Microsoft 365 Copilot ライセンス(単体販売はなし)

課金

使用量ベース課金(Copilot Credits)。管理者が有効化するまで誰も使えない

権限

ユーザー権限を継承。本人が見られないメール・ファイルにはCoworkもアクセスできない

承認モデル

送信・投稿・作成など影響のある操作は実行前に承認を要求(リスクレベル表示付き)

Copilot Chat との違い

同じMicrosoft 365 Copilotの中にありながら、Copilot ChatとCoworkは担当する仕事の粒度が違います。公式FAQでも次のように整理されています。

比較ポイント

Copilot Chat

Cowork

役割

下書き・要約・質問応答を即座に返す常時利用のAI

Microsoft 365を横断して作業を完遂するエージェント型AI

処理単位

単一ステップ・単一セッション

複数ステップ・複数ソース

所要時間

数秒〜数分

数分〜数時間(自律実行)

得意な場面

日次のキャッチアップ、Q&A、文章作成

受信箱・カレンダー整理、プロジェクト立ち上げ、会議準備

課金

Copilotライセンスの範囲内

ライセンス+Copilot Creditsの消費

「聞く・書かせる」のがChat、「やらせる」のがCoworkという役割分担になります。Word・Excel・PowerPoint内で動く既存のエージェント機能との住み分けは、Microsoft 365 Copilot エージェントとはで整理しています。

Claude Cowork(Anthropic)とは別のサービス

検索でもっとも混同されやすいのが、Anthropicが提供するClaude Coworkとの違いです。名前は似ていますが、提供元も動作環境も課金も別物です。

  • Microsoft 365 Copilot Cowork: Microsoftが提供。M365テナント内のクラウドで実行し、管理者が統制する。前提はM365 Copilotライセンス。
  • Claude Cowork: Anthropicが提供。2026年4月9日に全有料プランでGA済みで、ローカルPCのファイルやブラウザを扱う方向性。Pro/Max/Teamの各プラン内で利用する。

Coworkの基盤モデルにAnthropic Claudeが採用されているため余計に紛らわしいのですが、「Microsoft製品としてのCowork」と「Anthropic製品としてのCowork」は別サービスです。Anthropic側の詳細はClaude Coworkとはを参照してください。

Coworkでできること

Coworkの機能は、13種類の組み込みスキルと、それを補うカスタムスキル・プラグイン・自動実行で構成されています。

Copilot Cowork のスキル・連携・デバイス対応を示すMicrosoft公式ビジュアル

出典: Microsoft 365 Blog「Copilot Cowork is now generally available」

業務カテゴリ別の代表アクション

カテゴリ

Coworkに任せられること

コミュニケーション

メールの作成・返信・転送・送信、受信箱の仕分けと削除、HTMLニュースレター送信、Teamsのチャネル投稿・DM、関係者向けの連絡文作成

ドキュメント

Word・Excel・PowerPoint・PDFの新規作成と既存文書の編集、SharePoint/OneDriveのフォルダ作成・再整理

カレンダー・会議

自然言語での会議設定、予定の移動・重複解消、理由付きの辞退、会議準備、日次ブリーフィング作成

リサーチ

組織横断検索(Enterprise Search)、複数ソースを統合するディープリサーチ、SharePoint/OneDriveの探索

自動化

スケジュールプロンプト(定時実行)、イベント駆動タスク(条件に合うメール受信やTeamsの@メンションで起動)

画像

ChatGPT Images 2.0による画像生成(会話とOneDriveの出力フォルダに保存)

組み込みスキルは、Word/Excel/PowerPoint/PDF/Email/Scheduling/Calendar Management/Meetings/Daily Briefing/Enterprise Search/Communications/Deep Research/Adaptive Cards の13種類です。ユーザーはスキル名を意識せず、「来週の役員会向けに、直近3か月の受注データをまとめた資料を作って関係者に共有の下書きまで用意して」のように依頼するだけで、Cowork側が必要なスキルを選びます。

スケジュール実行とイベント駆動タスク

GA後に強化された点として、定時実行に加えて「きっかけで起動する」自動タスクが2026年7月に追加されました。

  • スケジュールプロンプト: 毎朝の受信箱トリアージ、週次の進捗まとめなど、時刻をトリガーに実行
  • イベント駆動タスク: 特定条件のメール受信、Teamsのメッセージや@メンションをトリガーに実行

自動タスクには、①作成者の権限で実行される、②共有系アクションは既定で承認を要求する(事前承認の設定も可能)、③レート制限とループ防止が入る、④統合監査ログに記録されPurviewポリシーが適用される、という安全策が公式に用意されています。

カスタムスキルとプラグイン

社内固有の手順はカスタムスキルとして保存できます。OneDriveの /Documents/Cowork/skills/{名前}/SKILL.md にYAMLフロントマター付きのMarkdownを置く方式で、上限は最大50個。セッション開始時に自動で検出されます。GA以降は「Customize」ページからガイド付きで作成したり、.md / .zip / .skill 形式でアップロード・共有したりできます。

外部システム連携はプラグインが担当します。Microsoft 365 App Store経由で導入し、GA時点でMicrosoft製(Dynamics 365 Customer Service/Sales/ERP、Fabric IQ)に加え、Jira、Salesforce、ServiceNow、SAP ERP、Workday HCM、Zendeskなどのパートナー製が並びます。2026年7月には、プラグインのツールがワークスペース内のファイルを入力として受け取れるようになりました。

注意: カスタムスキルはMicrosoftの検証を受けていません。出力の妥当性確認は利用者側の責任になります。

ローカルブラウザ操作

Web版のCoworkは、ユーザー端末のMicrosoft Edgeの隠しタブを使ってWebタスクを実行できます。既存のSSOやCookieをそのまま利用するため、資格情報が端末の外に出ない設計です。要件は次のとおりです。

  • 管理者が「Cowork Browsing」を有効化していること(既定はオフ
  • Web版のCoworkであること(デスクトップアプリ・モバイルアプリは非対応)
  • Edgeがインストール済みで、Edge 150 Stable 2(150.0.4078.83)以上であること
  • Coworkと同じ職場アカウントでEdgeにサインイン済み(InPrivate・ゲストは不可)
  • 初回利用時に会話内で同意すること

CAPTCHA・多要素認証・セッション切れが発生した場合は、タブを前面に出して人へ処理を引き継ぎます。組織のWebフィルタ、条件付きアクセス、ブラウザ管理ポリシー、Purview DLPはそのまま継承されます。なお、公式の更新情報では「Frontier」枠の記載と、テナント設定のみを要件とする記載が併存しているため、自社で使えるかは管理センターで確認するのが確実です。

Coworkの料金:ライセンス+従量課金の2階建て

Copilot Credits の従量課金コストを試算するイメージ

Coworkの費用は「①Microsoft 365 Copilotライセンス(固定費)+②Cowork実行分のCopilot Credits(従量課金)」の2階建てです。GAと同時に、2026年6月16日から使用量ベース課金が開始されました。

費用要素

内容

前提ライセンス

Microsoft 365 Copilot ライセンスが必須。Cowork単体の販売はない

ライセンス価格

米国で $30/ユーザー/月。日本の公式価格ページでは年間契約で月額4,497円/ユーザー(税抜・月払いは4,722円)と案内

Cowork利用分

使用量ベース課金(Copilot Credits)。従量(PAYG)でおよそ1クレジット=$0.01の水準

事前購入

Copilot Creditの事前購入プランや容量パック(例: $200/月で25,000クレジット)で単価を下げる選択肢あり

消費対象

モデル応答、ツール/スキル呼び出し、画像生成、ブラウザタスク

消費量の変動要因

使用モデル、組織コンテキストの取得量、ツール呼び出し回数、実行時間

有効化

管理者が使用量ベース課金を有効にしない限り、誰もCoworkを使えない(既定オフ)

クレジット単価や容量パックの数値は、Microsoftのライセンスガイドを解説したパートナー各社の情報で一致している水準です。契約形態によって変わるため、正式な見積もりは公式の「Copilot Credits ライセンスガイド」と自社の契約条件で確認してください。

タスクあたりのクレジット消費の目安

Coworkのコスト設計でいちばん読みにくいのが「1タスクいくらか」です。パートナーの試算では、おおむね次のレンジが報告されています。

タスクの重さ

クレジット目安

従量課金での概算

軽量

約100〜300

約$1〜3

カレンダー整理、メールのトリアージ

中量

約400〜700

約$4〜7

メールの文脈からプロジェクトボードを作成

重量

700以上

$7以上

引用付きのディープリサーチ、役員向けダッシュボード作成

この数値は公式が公表した金額ではなく、パートナー企業の試算です。実際の消費は依頼内容・モデル・取得するデータ量で大きく変動します。公式の「Cowork コスト見積もりツール(aka.ms/CustomerCoworkEstimator)」で自社条件を試算するのが確実です。

コスト構造は、1人あたり月額固定ではなく「使った分だけ」に変わります。全社に配ってから考えるのではなく、①一部部門でパイロット、②実消費を計測、③上限を決めて拡大、という順序が現実的です。

コスト管理:上限とアラートを先に設定する

管理者はMicrosoft 365管理センターの「コスト管理」ダッシュボードで、次を設定できます。

  • ユーザー単位・グループ単位のクレジット上限
  • 予算とアラート通知
  • ハードキャップ(上限到達で停止)

課金を有効化せずに「発見可能(discoverable)」だけをオンにすると、ユーザーはアプリ内から利用申請でき、管理者がポリシー・コスト・コンプライアンスの観点で個別承認する運用にできます。いきなり全社解放したくない組織はこの形が扱いやすいはずです。

よくある3つの誤解

日本語の解説記事で特に広がっている誤りを、公式要件に照らして整理します。

よくある記載

実際

「Microsoft 365 E7(Frontier Suite)を買えばCoworkが使い放題」

誤り。E7に含まれるM365 CopilotライセンスがCoworkの前提を満たすだけで、実行分は別途Copilot Creditsを消費する

「Agent 365($15/ユーザー/月)が必須。最低$45/月かかる」

誤り。Agent 365はCoworkの必須条件ではない。多数のエージェントを統制したい組織向けの統制レイヤー

「CoworkはFrontier限定のプレビュー機能」

誤り。2026年6月16日にGA済み。Frontierは早期アクセスプログラムであり、E7(Frontier Suite)とも別物

「Frontierプログラム(早期アクセス)」と「Frontier Suite(=Microsoft 365 E7という最上位スイート)」は名前が似ているだけの別概念です。E7は $99/ユーザー/月で2026年5月1日にGAし、E5+Microsoft 365 Copilot+Entra Suite+Microsoft Agent 365を束ねたSKUです。統制レイヤー側の詳細はMicrosoft Agent 365とはで解説しています。

選べるモデルと選び方

Coworkはタスクに応じてモデルを切り替えられます。既定はAutoで、通常はこれを使うのが公式の推奨に沿った運用です。

モデル

位置づけ

実務上の注意

Auto(既定)

タスクに応じてCoworkが自動選択

迷ったらこれ

Claude Sonnet 5

日常タスク向けの高速・効率モデル

Anthropicがサブプロセッサとして関与

Claude Opus 4.8

複雑な推論、多段分析、リサーチ、執筆

消費クレジットは増えやすい

GPT 5.5

汎用。長文や引用付き出力に強い

Azure AI Foundryでホスト

Claude Fable 5(プレビュー)

最難関タスク向け

既定オフ・管理者の有効化が必要。選択中はプロンプトと応答がモデル提供元に保持される

Sonnet + Opus Advisor

Sonnetが処理し、Opusが正確性・網羅性をレビュー

重要成果物の品質担保向け

特に注意すべきはFable 5(プレビュー)でデータ保持が発生する点です。機密情報を扱うテナントでは、有効化の可否を情シスとセキュリティで事前に合意しておくべき論点になります。管理者はMicrosoft 365管理センターのCopilot設定から、Anthropicモデルファミリ全体をオフにすることも可能です。

なお、Microsoftは自社モデル「Cowork 1」を「日常タスクを大幅に低コストで処理できるモデル」としてGA発表時に予告しています。2026年8月11日時点で提供開始は確認できていません。Microsoftが自社モデルへ比重を移す動きはMicrosoftがCopilotを自社AI「MAI」に切り替え、Anthropicモデル採用の背景はClaudeがMicrosoft 365 Copilotのデフォルトにで扱っています。

使い方の流れ

導入から実行までは、管理者側とユーザー側で作業が分かれます。

管理者側(ここを済ませないとユーザーは何もできません)

  1. Microsoft 365 Copilotライセンスの割り当てを確認する
  2. Microsoft 365管理センターで使用量ベース課金(Copilot Credits)を有効化する
  3. コスト管理ダッシュボードで上限・予算・アラートを設定する
  4. 必要に応じてモデル(Anthropicファミリ、Fable 5)とブラウザ操作の可否を設定する
  5. プラグインの配布範囲、自動タスクの承認ポリシーを決める

ユーザー側

  1. Web(m365.cloud.microsoft)またはMicrosoft 365 Copilotアプリ/モバイルアプリでCoworkを開く
  2. 自然言語で依頼する(必要なファイルは添付。1ファイル200MB未満)
  3. Coworkが計画を提示し、実行を開始する
  4. 送信・投稿・作成などの操作前に表示される承認ダイアログを確認する
  5. 完成した成果物はOneDrive/SharePointに保存される

実行中は一時停止・即時停止・再開・キャンセルが可能で、接続が切れても自動で再接続して続きから再開します。入力は最大250,000文字まで対応し、タスク一覧は「Recent(進行中・要入力・完了・失敗)」と「Scheduled」で管理します。

Coworkにできないこと(公式に明記された制約)

導入設計で先に押さえるべきなのは、機能よりも制約です。公式ドキュメントの既知の制限をまとめます。

制約

内容

ローカルファイル

端末に保存されたファイルへのアクセス・編集は不可(対象はOneDrive/SharePoint上のファイル)

削除操作

OneDrive/SharePoint上のファイル・フォルダを削除できない

暗号化ファイル

ユーザーがアクセス権を持っていても、暗号化されたファイルは読めない

カスタムスキル

Microsoftの検証を受けていない。出力の確認は利用者責任

添付ファイル

1ファイル200MB未満

ブラウザ操作

Web版+Edgeのみ。デスクトップアプリ・モバイル・他ブラウザは不可

地域

Anthropicがサポートする国・地域でのみ利用可能。販売制限地域では使えない

権限

ユーザー権限を継承。本人がアクセスできないデータは扱えない

「ローカルPCのファイルをそのまま処理させたい」「不要ファイルの棚卸しまで任せたい」という用途は、現時点の仕様では成立しません。クラウド(OneDrive/SharePoint)にデータが載っていることが、Coworkで成果を出す前提条件になります。

セキュリティとガバナンス

Microsoft Learn の Copilot Cowork 公式ドキュメント

出典: Microsoft Learn「Copilot Cowork overview」

Purviewの対応状況(DLPは現時点で未対応)

情シスの意思決定に直結するのが、Microsoft Purviewでどこまで統制できるかです。Cowork向けの公式ドキュメントでは次のように整理されています。

Purview機能

Coworkでの対応

DSPM/DSPM for AI

対応

監査(Auditing)

対応

秘密度ラベル

対応(ラベル継承あり。最も優先度の高いラベルを表示)

ラベルなし暗号化

対応

インサイダーリスク管理

対応(Risky AI usageテンプレートでプロンプトインジェクションを検知)

コミュニケーションコンプライアンス

対応

eDiscovery

対応(会話全文・生成ファイル・スケジュールプロンプト・アップロードファイル)

データライフサイクル管理

対応(「Microsoft Copilot Experiences」で保持ポリシー)

データ分類

未対応

データ損失防止(DLP)

未対応(CoworkのAIインタラクションには適用されない)

コンプライアンスマネージャー

未対応

DLPが現時点でCoworkのAIインタラクションに適用されない点は、機密情報を扱う組織にとって最大の検討事項です。GA発表では「DLPはGA後に提供」と記載されているため、要件に含める場合は最新の対応状況を必ず確認してください。また、Coworkの対話は活動エクスプローラーには表示される一方、「Apps and agents」ダッシュボードと「AI observability」ページには表示されません。

監査イベントとしては、新規会話の開始、スキル・プラグインの追加/削除/共有、スケジュールプロンプトの実行、ブラウザタスクの開始、ファイルアップロード、CoworkによるOneDrive生成物の作成が記録されます。

プロンプトインジェクションへの警戒

2026年5月26日、セキュリティ企業PromptArmorが、Copilot Coworkに対する間接プロンプトインジェクションでMicrosoft 365上のファイルを外部に流出させ得る手法を公表しました。汚染されたスキルやワークフローの内容を通じてダウンロードリンクを生成させ、社内向けアクションとしての自動承認をすり抜けさせるという内容です。詳細はMicrosoft Copilot Cowork ファイル流出脆弱性まとめで扱っています。

Copilot系全体でも、Copilot Studioの間接プロンプトインジェクション(CVE-2026-21520)やEnterprise Searchの情報漏えい事案など、同種の報告が続いています。運用側でできる現実的な対策は次のとおりです。

  • カスタムスキル・プラグインを「外部入力」として扱う(社内作成でもレビュー必須)
  • 「Always allow(毎回確認しない)」の適用範囲を安易に広げない
  • イベント駆動タスクの事前承認は、送信先・アクション種別を絞る
  • 統合監査ログとインサイダーリスク管理の「Risky AI usage」を有効化する
  • 秘密度ラベルの付与を徹底し、機密データの所在を明確にする

AIエージェント全般のリスク設計はAIエージェントのセキュリティ対策にまとめています。

Cowork・Copilot Chat・Claude Cowork の使い分け

Anthropic 公式サイト(Claude Cowork の提供元)

出典: Anthropic 公式サイト

似た役割の選択肢を並べると、判断はかなり単純になります。

比較ポイント

Copilot Chat

Copilot Cowork

Claude Cowork(Anthropic)

提供元

Microsoft

Microsoft

Anthropic

実行場所

M365クラウド

M365テナント内のクラウド(隔離環境)

利用者のローカル環境が中心

主な守備範囲

単発の作成・要約・Q&A

M365横断のマルチステップ業務

ローカルのファイル・ブラウザ操作を含む作業

管理者統制

M365の管理設定

課金有効化・コスト上限・モデル制御・監査

組織プラン側の管理機能

課金

Copilotライセンス内

ライセンス+Copilot Credits従量課金

Pro/Max/Teamの各プラン

向く組織

Copilotを配布済みの全社員

M365を業務基盤にし、統制下で自動化したい組織

M365中心ではないチーム、個人・少人数の裁量が大きい環境

Microsoftは自社検証として「Microsoft 365コネクタ経由のClaude Coworkと比べて平均30〜40%安価」と説明していますが、これはベンダー自身のテストであり条件も非公開です。コスト比較は自社のタスク内容で試算するのが妥当です。

こんな企業におすすめ

  • Microsoft 365 Copilotをすでに部門または全社で展開している
  • 受信箱整理・会議調整・定型資料作成のように、アプリをまたぐ反復業務の負荷が大きい
  • 管理者が上限やアラートを設定し、コストを計測しながら段階的に広げられる体制がある
  • 業務データがOneDrive/SharePoint上に整理されている
  • 監査ログ・秘密度ラベルなど、既存のMicrosoft 365ガバナンスを活かしたい

おすすめしない企業

  • Microsoft 365を主要な業務基盤にしていない(費用対効果が出にくい)
  • 重要データがローカルPCやMicrosoft外のストレージに散在している
  • DLPによる情報漏えい防止をAI利用の必須要件にしている(Coworkでは現時点で未対応)
  • 月額固定でコストを完全に固定したい(従量課金のため変動する)
  • Anthropicがサポートしない国・地域に従業員が分布している
  • カスタムスキルのレビュー体制を用意できない

導入前チェックリスト

情シス・管理者が着手前に確認しておくと、あとで詰まりません。

  1. Microsoft 365 Copilotライセンスの保有状況と割り当て範囲を確認したか
  2. 使用量ベース課金を有効にする範囲(全社か、パイロット部門か)を決めたか
  3. ユーザー/グループ単位のクレジット上限とハードキャップを設定したか
  4. 公式のコスト見積もりツールで、想定タスク量から月額レンジを試算したか
  5. Fable 5(データ保持あり)を有効化するかどうか、セキュリティ部門と合意したか
  6. ブラウザ操作を許可するか、許可する場合のEdgeバージョン要件を満たしているか
  7. DLPが未対応であることを踏まえ、機密データの取り扱いルールを決めたか
  8. カスタムスキル・プラグインの申請とレビューのフローを用意したか
  9. 自動タスク(スケジュール・イベント駆動)の承認ポリシーを定義したか
  10. 監査ログとインサイダーリスク管理の「Risky AI usage」を有効化したか

Coworkの主なアップデート

時期

内容

2026年3月9日

Copilot Cowork発表

2026年3月30日

Frontier早期アクセスプログラムで提供開始

2026年4月

カスタムスキル50個対応、入力上限を16,000→250,000文字に拡張、プラグイン提供開始

2026年5月

モバイルアプリ対応(iPhone/Android)

2026年6月16日

全世界でGA。Opus 4.8/Sonnet 5追加、Fable 5(プレビュー)、画像生成、ローカルブラウザ操作、Customizeページ、使用量ベース課金の開始

2026年7月

イベント駆動タスク追加、プラグインツールがワークスペース内ファイルを入力として利用可能に

2026年8月

公式ドキュメント群を更新。ブラウザ操作の最低Edgeバージョンを明記

GA発表によると、Frontierプレビューの3か月間でFortune 500の半数超が利用し、Accenture、Capital Group、Zurich Insuranceなどが顧客例として挙げられています。エンジニアリング部門の事例として「4,000ファイルの比較が数週間から数日に短縮」も紹介されています。

まとめ

Microsoft Copilot Coworkは、Microsoft 365の中で複数ステップの作業を最後までやり切るエージェント型システムで、2026年6月16日にGA済みです。導入判断の要点は3つに整理できます。

  1. 費用は2階建て。Microsoft 365 CopilotライセンスにCopilot Creditsの従量課金が乗る。管理者が課金を有効にしない限り誰も使えず、上限・予算・アラートを先に設計すべき
  2. E7もAgent 365も必須ではない。必要なのはM365 Copilotライセンスと課金の有効化だけ。Frontierプログラム(早期アクセス)とFrontier Suite(E7)は別物
  3. 制約とセキュリティを先に確認する。ローカルファイル不可・削除不可・Anthropicサポート地域限定に加え、PurviewのDLPが現時点で未対応である点は要件次第で採否を左右する

まずは一部門でパイロットを回し、実際のクレジット消費とタスクの成功率を計測してから展開範囲を広げるのが、費用も統制も破綻しにくい進め方です。エージェント型AI全体の位置づけを整理したい場合はAIエージェントとは、Microsoftのエージェント製品群を俯瞰したい場合はMicrosoft Scoutとはもあわせて参照してください。

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よくある質問

Q. Copilot Coworkはまだプレビューですか?

いいえ。2026年6月16日に全世界で一般提供(GA)が開始されています。それ以前のFrontier早期アクセス期間に利用していたテナントには、2026年7月1日までの課金猶予が設けられていました。

Q. Microsoft 365 Copilotのライセンスがあれば、追加費用なしで使えますか?

使えません。Coworkの実行分は使用量ベース課金(Copilot Credits)として別途発生します。加えて、管理者が課金を有効にしていないテナントでは、ライセンスがあってもCoworkは利用できません。

Q. コストが青天井にならないか心配です。

Microsoft 365管理センターのコスト管理ダッシュボードで、ユーザー単位・グループ単位の上限、予算、アラート、ハードキャップを設定できます。公式のコスト見積もりツールで想定タスク量から試算したうえで、上限を先に決めてから開放するのが安全です。

Q. 日本語で使えますか?

日本語のサポートページが用意され、日本語環境での利用が可能です。ただし対応言語の正式なリストは公式で明示されていないため、多言語での本格運用を前提にする場合は、実際のテナントで挙動を確認することをおすすめします。

Q. Coworkが勝手にメールを送ってしまうことはありますか?

送信・投稿・作成などの影響のある操作は、実行前に承認を求める設計です。中〜高リスクの操作にはリスクレベルが表示されます。ただし「毎回確認しない」設定を広く適用すると承認をすり抜ける余地が生じるため、適用範囲を限定する運用が推奨されます。

Q. Microsoft 365 E7(Frontier Suite)に切り替えればCoworkが安くなりますか?

E7はE5・Microsoft 365 Copilot・Entra Suite・Agent 365を束ねたスイート($99/ユーザー/月、2026年5月1日GA)で、ライセンス面での前提は満たせます。ただしCoworkの実行分はE7でも別途Copilot Creditsを消費するため、「E7にすればCoworkが使い放題になる」わけではありません。

Q. Claude Coworkとどちらを選ぶべきですか?

Microsoft 365を業務基盤にしていて、管理者統制と監査ログを効かせたいならCopilot Coworkです。M365中心ではない、あるいはローカル環境のファイルやブラウザを直接操作させたい場合はClaude Coworkが候補になります。両者は名前が似ているだけで、提供元も課金体系も別です。

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編集部

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