Microsoft 365 Copilotエージェントとは?5種類の機能・Word/Excel/PowerPoint自律実行・料金を徹底解説

この記事のポイント
Microsoft 365 Copilotエージェントの5種類(Agent Mode・宣言型・カスタムエンジン・Agent 365・Scout)を網羅。2026年4月GA済みのWord/Excel/PowerPoint自律実行機能、料金・セキュリティ・始め方を公式情報で解説します。
Microsoft 365 Copilotのエージェントとは、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeアプリでAIが自律的に複数ステップの操作を実行する機能です。従来の「提案して承認を待つ」Copilotとは異なり、指示を受けると自分で考え、文書作成・データ分析・スライド編集を一気通貫で完了させます。
2026年4月22日にアプリ内Agent Modeが一般提供(GA)され、2026年6月2日のMicrosoft Build 2026では6月後半に新デフォルト機能として全展開されることが発表されました。本記事では、5種類のエージェントの違い・各アプリでのできること・料金・セキュリティ・始め方を公式情報をもとに整理します。

Microsoft 365 Copilotエージェントとは?通常Copilotとの違い
Microsoftの公式定義によると、エージェントとは「特定のドメイン(業務領域)向けにCopilotの機能を拡張するAIアシスタント」です。
通常のCopilot(提案型)との最大の違いは「実行するかどうか」です。
比較項目 | 通常のCopilot(提案型) | Copilotエージェント |
|---|---|---|
動作スタイル | 提案 → ユーザーが承認・修正 | 指示を受けて自律的に実行 |
操作範囲 | 1ステップの提案 | 複数ステップを連続実行 |
ファイルの変更 | 承認後に適用 | リアルタイムで直接編集 |
社内データ活用 | 参照して提案 | 参照して実行まで完遂 |
自動化の深度 | 浅い(提案レベル) | 深い(業務フローの自動化) |
エージェントは「ナレッジ(知識・データソース)」「アクション(業務プロセスの自動化)」「オーケストレーター(管理エンジン)」の3要素で動作します。Microsoftはこれを「提案するアシスタント」から「一緒に業務を進めるインテリジェントなコラボレーター」として位置付けています。
Copilotエージェント全5種類の一覧(2026年6月)
「Microsoft 365 Copilotエージェント」は現在5種類存在します。多くの解説記事でこれらが混在しているため、最初に整理します。
種類 | 概要 | 主な対象 | ステータス |
|---|---|---|---|
① Agent Mode(Word/Excel/PPT) | Officeアプリ内でファイルを自律作成・編集。AnthropicのAIモデル(Claude系)使用 | 個人・法人 全プラン | 2026年4月22日 GA |
② 宣言型エージェント | Copilotのオーケストレーター・モデルをそのまま利用し、指示・知識・アクションをカスタマイズ | M365 Copilotライセンス保有者 | 利用可能 |
③ カスタムエンジンエージェント | 独自モデル・オーケストレーターを使用する完全カスタム型。外部ホスティング必要 | 開発者・IT部門 | 利用可能 |
④ Microsoft Agent 365 | AIエージェントの統制・ガバナンス基盤($15/ユーザー/月) | エンタープライズIT管理者 | 2026年5月1日 GA |
⑤ Microsoft Scout(Autopilot) | Teams/Outlook/OneDrive/SharePoint横断で常時稼働する自律エージェント | 対象プラン(段階展開中) | 2026年6月発表 |
これらは「どれか1つを選ぶ」というものではなく、用途に応じて組み合わせます。たとえばAgent Mode(①)で日常の文書作成を自動化しつつ、Agent 365(④)でそのエージェントのガバナンスを管理する、という使い方が典型的なエンタープライズ構成です。
⚠️ 2種類の「エージェント体験」を使い分ける
Agent Mode(上記①)の中にも、アクセス方法と用途が異なる2種類の体験があります。混同しやすいため最初に整理します。
項目 | ① Copilot Chat内の Word/Excel/PPT Agents | ② アプリ内Agent Mode |
|---|---|---|
アクセス方法 | m365.cloud.microsoft のチャット画面 → エージェントメニュー | Word/Excel/PowerPoint アプリ内 → Copilotアイコン → モード選択 |
正式提供(GA)日 | 2026年2月末(全組織展開完了) | 2026年4月22日 |
主な用途 | チャットから指示してファイルを新規作成 | 開いているファイルを直接編集・作成 |
ファイルの扱い | 生成物はOneDriveに自動保存 | 作業中のファイルをリアルタイム編集 |
AIエンジン | Anthropicモデル(Claude系)専用 | Anthropicモデルを含むマルチエージェント |
必要ライセンス | Microsoft 365ユーザー(Anthropic有効テナント) | M365 Copilotアドオン / Personal / Family / Premium |
Work IQ(社内データ) | Copilotライセンスがある場合のみ利用可 | ライセンスに応じて利用可 |
- Copilot Chat内エージェント → 「チャット画面から新しいファイルを作りたい」
- アプリ内Agent Mode → 「今開いているWord文書・Excelシート・PPTスライドを直接AIに編集してもらいたい」

アプリ内Agent Mode:Word・Excel・PowerPointの自律実行(2026年4月22日 GA)

出典: Microsoft 365 Copilot Agents 公式サイト
2026年4月22日に正式提供(GA)されたアプリ内Agent Modeは、Word・Excel・PowerPointのアプリに組み込まれたエージェント機能です。Microsoft Build 2026(2026年6月2日)では、6月後半にAgent Modeが各アプリの新デフォルト機能として展開開始することが発表されました。
バックエンドのAIモデルにはAnthropicのClaudeが採用されています(2026年1月7日よりAnthropicがMicrosoftのサブプロセッサとして稼働開始)。この背景についてはClaude(Anthropic)がMicrosoft 365 Copilotのデフォルトモデルになった経緯で詳しく解説しています。
使い方の流れ
- Word・Excel・PowerPointのいずれかを開く
- ホームリボン右上のCopilotアイコンをクリック
- サイドパネルが開いたら「Agent Mode」を選択
- 自然言語で指示を入力(例:「このデータから売上推移グラフを作り、月次レポートにまとめて」)
- AIが進捗をリアルタイムで表示しながら作業を進める
ユーザーは途中で一時停止・変更の取り消しが可能で、主導権はユーザーが保持します。
Wordでのできること
機能 | 内容 |
|---|---|
文書の初回ドラフト作成 | テーマを指示するだけで共有可能レベルの文書を作成 |
改稿・文体調整 | フォーマル/カジュアルなど文体の一括変換 |
構造の再構成 | 章の並び替え・見出し階層の最適化 |
フォーマット変更 | 見出しスタイル・段落形式の一括適用 |
引用元の自動表示 | Web・Work IQの情報源を出典として明示(2026年3月〜) |
複数ステップの一括実行 | 「リサーチ→構成→執筆→書式設定」を連続実行 |
Excelでのできること
機能 | 内容 |
|---|---|
数式の挿入・修正 | 複雑なSUMIFS・VLOOKUPなども自然言語で指示 |
テーブル・ピボットの作成 | データ構造の分析とテーブル化 |
グラフ・ビジュアル生成 | 適切なチャートタイプを選択して自動作成 |
データ再構成 | レイアウト変更・データクリーニング |
Work IQの自動取り込み | メール・会議記録のデータを参照(2026年3月〜) |
ローカルワークブックの複数ステップ編集 | ファイル全体にまたがる連続操作(2026年3月〜) |
年次財務報告書の作成 | 予算比較・前年度比較分析付きで自律作成 |
GA前30日間のプレビューデータでは、Excelのエンゲージメントが+67%、新規ユーザー保持率が+50%、ユーザー満足度が+65%という数値がMicrosoftから発表されています。
PowerPointでのできること
機能 | 内容 |
|---|---|
新情報の追加・スライド更新 | 既存プレゼンに最新データを組み込む |
ブランドスタイルの維持 | 企業テンプレートを適用したまま編集 |
書式の全スライド一括標準化 | フォント・箇条書きスタイルを全ページに適用(2026年3月〜) |
組織アセットライブラリとの統合 | 承認済み画像・ロゴを自動使用 |
エグゼクティブブリーフ作成 | 例:7スライドのブリーフを新規作成 |
洗練されたプレゼンの自律作成 | テーマ指示だけで完成度の高いデッキを生成 |
Copilot Chat内のWord/Excel/PPT Agents
Microsoft 365 Copilotアプリ(m365.cloud.microsoft)のチャット画面からアクセスするエージェントです。アプリ内Agent Modeとは異なり、テキストで説明するだけで新規ファイルをゼロから生成します。
使い方の流れ
m365.cloud.microsoftにアクセスし、Copilotチャット画面を開く- ツールメニューまたはエージェントナビゲーションから「Word Agent」「Excel Agent」「PowerPoint Agent」を選択
- 作りたいファイルの内容を自然言語で説明
- 必要に応じてAIが明確化のための質問を返す
- プレビューを確認して承認 → OneDriveに自動保存
AIエンジン: Anthropicモデル(Claude系)を専用使用
Copilotライセンスあり: Work IQ経由で社内のメール・会議・ファイルを自動参照
Copilotライセンスなし: Webグラウンディングと限定的なファイル添付のみ
保存先: OneDrive(組織テナント内に安全に保存)

出典: Microsoft 365 Copilot 公式サイト
Microsoft Agent 365:AIエージェントのガバナンス基盤(2026年5月1日 GA)

出典: Microsoft 365 Copilot Agents 公式サイト
2026年5月1日に一般提供(GA)されたMicrosoft Agent 365は、組織内で展開するAIエージェントを一元管理するための統制プレーンです。$15/ユーザー/月で提供されます。
Word/Excel/PPTエージェントなどを複数運用する組織向けの「エージェント管理ツール」として位置付けられており、主な機能は以下の通りです。
- エージェントの可視化と制御: 組織内で動作している全エージェントの一元管理
- セキュリティポリシーの適用: コンプライアンス・アクセス制限の一括設定
- Microsoft Purview統合: 秘密度ラベルやDLPポリシーとの連携
- エージェントのライフサイクル管理: 作成・展開・廃止の一元管理
詳細はMicrosoft Agent 365とは?エージェントガバナンス機能を解説を参照してください。
2026年6月 Build 2026最新発表:Agent Modeがデフォルト化・Microsoft Scout登場
2026年6月2日のMicrosoft Build 2026で、MicrosoftはCopilotをアジェンティックOS(自律実行型の基盤)として位置付ける方針を発表しました。
Agent Modeが6月後半に新デフォルト化
Word・Excel・PowerPointにおいてAgent Modeが新しいデフォルト機能として展開されます。現在は段階ロールアウト中で、2026年6月後半にかけて全ユーザーへの展開が予定されています。
Microsoft Scout(Autopilot)の登場
新機能Microsoft Scout(Autopilot)は、Teams・Outlook・OneDrive・SharePointを横断して常時稼働する自律エージェントです。Agent Modeが「特定アプリ内での作業実行」であるのに対し、Scoutは「複数アプリを自律的に横断しながら業務を進める」次世代エージェントとして発表されました。
Build 2026の詳細はMicrosoft Build 2026まとめ:CopilotのアジェンティックOS化と主要発表で解説しています。

できないこと・現時点の制約(2026年6月)
エージェント機能は強力ですが、現時点では以下の制約があります。
制約 | 詳細 |
|---|---|
プロアクティブな自動実行は不可(宣言型) | ユーザーが操作を開始した場合のみ反応。スケジュール設定による自動起動・トリガー実行は宣言型エージェントでは非対応 |
クロスアプリ操作は未対応 | WordとExcelを同時横断した操作(例:Excelのデータを読んでWord文書を更新)は現時点で不可 |
OneDrive保存が必須 | Word/Excel/PPT Agentsで生成したファイルはOneDriveへの保存が必須 |
テナント管理者の有効化が必要 | AnthropicモデルはMicrosoft 365管理センターでの有効化が必要。無効化するとAgent Mode自体が非表示になる |
EUデータ境界の対象外 | AnthropicモデルはEUデータ境界(EUDB)・国内処理コミットメントの対象外。EU/英国の組織はデータが欧州外で処理される点に注意 |
FedRAMP認定なし | 政府クラウド環境(GovCloud)では利用不可 |
日本語処理の精度 | 複雑なマルチステップ指示は英語の方が精度が高い傾向。重要文書では生成結果の確認を推奨 |
Copilot Tuningは大企業限定 | M365 Copilot 5,000ライセンス以上の大企業向けFrontier段階での提供(一般提供時期は未定) |
生成コンテンツの確認は必須 | 数値計算や微妙な表現で誤りの可能性あり。共有前にユーザーが必ず確認・レビューすること |
料金・プラン(2026年6月時点)

出典: Microsoft 365 Copilot Adoption Hub 公式サイト
個人向けプラン
プラン | 月払い | エージェント機能 |
|---|---|---|
Microsoft 365 Personal | ¥2,130/月 | Word/Excel/PPTエージェント利用可(Work IQ除く) |
Microsoft 365 Family | ¥2,740/月 | Word/Excel/PPTエージェント利用可(Work IQ除く) |
Microsoft 365 Premium | ¥3,200/月 | 複雑なタスクを実行するエージェントもフル利用可 |
Personal・Familyプランではエージェントへのアクセス自体は可能ですが、Work IQによる社内データ連携は使えません。年払いプランも用意されており、最新価格はMicrosoft公式サイトでご確認ください。
法人向けプラン(2026年6月時点)
プラン | 年払い(/ユーザー/月) | 対象規模 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
Microsoft 365 Copilot Chat | 無料 | 対象M365ライセンス保有者 | 基本的なAIチャット。エージェントは従量課金 |
Microsoft 365 Copilot Business | ¥2,698(キャンペーン中、通常¥3,148) | 最大300ユーザー | Work IQ・アプリ内Copilot・エージェント作成機能 |
Microsoft 365 Copilot(フル版) | ¥4,497 | エンタープライズ | Work IQ・全アプリ・エージェント作成・Microsoft提供エージェント含む |
Microsoft Agent 365 | $15/ユーザー/月 | エンタープライズ | AIエージェントの統制・ガバナンス基盤(2026年5月1日 GA) |
⚠️ Copilot Business のキャンペーン価格(¥2,698)は2026年6月30日まで。7月1日以降は通常価格¥3,148に戻る予定です。
⚠️ 【重要】2026年7月1日から法人向け価格改定予定
Microsoftは2026年7月1日から法人向けプランの価格改定を予定しています。新規契約・更新から順次適用される予定です。導入を検討中の場合は、2026年6月30日までの契約が現在の価格で利用できる最後の機会になる可能性があります。最新情報はMicrosoft公式料金ページでご確認ください。
カスタムエージェント構築(Copilot Studio)
独自エージェントを構築して外部チャネルで公開・共有したい場合は、Copilot Studio(月額$200、約¥30,000)が必要です(25,000メッセージ含む)。M365 Copilot Business / フル版ユーザーは、Copilot Studio内でのエージェント作成・使用は追加料金不要の範囲内に含まれます。
セキュリティ・データ保護の仕組み
AnthropicがMicrosoftのサブプロセッサになったことの意味
Word/Excel/PPT AgentsではAnthropicのAIモデル(Claude系)が使われています。2026年1月7日より、AnthropicはMicrosoftの正式なサブプロセッサとして機能しており、以下の保護が適用されます。
- エンタープライズデータ保護の対象: Microsoft製品条款・Microsoft Data Protection Addendum(DPA)が適用
- 顧客著作権コミットメント: 生成コンテンツに関する著作権保護コミットメントが含まれる
- 秘密度ラベルの尊重: Microsoft Purviewの秘密度ラベルとコンプライアンスポリシーが完全に適用
- データの流れ: Microsoftがすべての検索を実行し、関連コンテキストのみをAnthropicモデルに渡す。ユーザーがアクセス権を持つデータのみが使用される
- LLMトレーニングへの不使用: ユーザーのプロンプト・応答・データはLLMのトレーニングに一切使用されない(公式に保証)
AnthropicとMicrosoftの連携の背景についてはClaude(Anthropic)がMicrosoft 365 Copilotのデフォルトモデルになった経緯で詳しく解説しています。
プロンプトインジェクション(XPIA)対策
エージェントがサードパーティのデータ(メール・チケット等)を処理する際、攻撃者が悪意あるペイロードを仕込む「プロンプトインジェクション攻撃(XPIA)」のリスクがあります。Microsoftは公式ドキュメントで以下の対策を明示しています。
- 専用分類器による自動ブロック: XPIAを検知・ブロックする専用分類器を実装
- Purviewアクセス許可管理の徹底: 適切なアクセス権限の設定が最重要
- 暗号化済みコンテンツの除外: 暗号化されたコンテンツはエージェントのプログラムアクセスから除外可能
- 個人情報の入力回避: 個人情報をCopilotに入力しないことを公式が推奨
Copilot関連のセキュリティリスクについてはMicrosoft Copilot Coworkファイル流出脆弱性とセキュリティ対策も参考にしてください。
管理者向けコントロール
管理機能 | 内容 |
|---|---|
Anthropicモデルの有効化/無効化 | Microsoft 365管理センター → Copilot → Settings → AI Providers で管理 |
特定ユーザーへの限定展開 | 特定のユーザーグループのみに絞った展開が可能 |
宣言型エージェントの管理 | ポリシーベースのライフサイクル管理が可能 |
エージェントの権限設定 | 「統合アプリ」セクションでエージェントごとに権限・データアクセスを確認 |
⚠️ EU・英国組織への注意点
AnthropicモデルはEUデータ境界(EUDB)・国内処理コミットメントの対象外です。EU・英国に拠点を持つ組織では、データが欧州外で処理されることを考慮した上で利用判断が必要です。日本国内の組織では現時点でこの制約は直接問題になりませんが、グローバル展開している組織は確認が必要です。
エージェント構築の選び方(宣言型 vs カスタムエンジン)
Microsoft 365 Copilotでは、組織内で利用するカスタムエージェントを2つの方式で構築できます。
比較項目 | 宣言型エージェント | カスタムエンジンエージェント |
|---|---|---|
オーケストレーター | Copilotのものを共有 | 独自オーケストレーターを選択 |
モデル | Copilotの標準LLMを共有 | 独自モデル・外部モデルを選択可 |
ホスティング | 追加不要 | Azure等の外部ホスティングが必要 |
構築方法 | Copilot Studio / エージェントビルダー(ローコード) | コード主体の開発 |
プロアクティブ実行 | ❌ 不可(ユーザー操作が起点) | ✅ スケジュール実行・自動トリガー対応 |
コンプライアンス | M365のものを自動継承 | 自組織で確保が必要 |
複雑なワークフロー | 基本的な業務自動化向き | 複雑なビジネスロジックに対応 |
想定コスト | Copilot Businessに含まれる(範囲内) | 追加のAzureコスト+開発コスト |
宣言型エージェントは「社内FAQへの回答」「営業支援」「経費申請処理」など、ユーザーが会話を起点に動かす業務に適しています。追加コストなく始められ、Microsoft 365のセキュリティをそのまま継承できます。
カスタムエンジンエージェントは「深夜に自動でレポートを生成してSlackに送る」など、スケジュールベースの自律実行が必要な場合や、外部システムと複雑に連携したい場合に選択します。開発・運用コストは大きくなります。
最新アップデート履歴(2026年)
時期 | 内容 |
|---|---|
2026年1月7日 | AnthropicがMicrosoftサブプロセッサとして正式稼働。エンタープライズデータ保護が適用開始 |
2026年2月末 | Word/Excel/PowerPoint Agentsの全組織への展開完了 |
2026年3月 | Word:引用元の自動表示。Excel:Work IQによるメール・会議記録の自動取り込み、ローカルワークブック複数ステップ編集対応。PowerPoint:全スライド書式標準化機能。Copilot Tuningテンプレート(文書作成・文書検証・スタイル編集等)をエージェントビルダーに追加 |
2026年4月22日 | Agent Mode GA(正式提供) — Word・Excel・PowerPointのアプリ内でエージェントモードが標準機能として利用可能に |
2026年5月1日 | Microsoft Agent 365 GA($15/ユーザー/月) — AIエージェントの統制・ガバナンス基盤として一般提供開始 |
2026年6月2日 | Microsoft Build 2026 — CopilotをアジェンティックOSとして位置付け発表。Microsoft Scout(Autopilot)発表。Agent ModeがWord/Excel/PowerPointの新デフォルトとして6月後半にロールアウト予定 |
2026年後半(予定) | Outlook・Teams・OneNoteへのAgent Mode展開予定 |
2026年夏(予定) | WordでのAnthropicロール内モデルサポート追加(日本語精度の改善も見込み) |
こんな組織・用途に向いている
向いているケース
ケース | 理由 |
|---|---|
すでにMicrosoft 365を使っている組織 | 追加インフラ不要。既存の権限・セキュリティ設定のまま使える |
Word・Excel・PowerPointを日常業務の中心に使っている | Agent Modeが最大限に活かせる。習熟コストが最小 |
社内の文書・メール・会議記録を情報源にしたい | Work IQによって既存の社内データを即座にAIが参照できる |
セキュリティ・コンプライアンス要件が厳しい | Microsoftのエンタープライズデータ保護・Purview統合がそのまま適用される |
ローコードで社内エージェントを構築したい | Copilot Studioを使えばIT専門知識なしで業務特化エージェントを構築できる |
Office利用ライセンスとAIをまとめて管理したい | Copilot Business 1つで会議要約・文書作成・エージェント作成をカバー |
2026年6月末までに法人契約を検討している | キャンペーン価格¥2,698は6月末まで。7月の値上げ前に導入するとコスト面で有利 |
向いていないケース(他ツール検討を)
ケース | 代替検討 |
|---|---|
Google WorkspaceやSlackが主要環境 | Gemini for Google Workspace / ChatGPT Enterprise が統合面で有利 |
プログラミング支援・コードレビューが主な用途 | Claude・GitHub Copilot・Cursor の方が適している |
EU・英国の規制対象データを扱う | AnthropicモデルはEUデータ境界外のため、別の対応策が必要 |
スケジュール自動実行・無人ワークフローが必要 | カスタムエンジンエージェント(追加コスト)またはPower Automate + AIの組み合わせを検討 |
小規模個人利用でコストを最小化したい | PersonalプランはWork IQ不可。ChatGPT PlusやClaudeの方がコスト効率が高い場合も |
英語以外の複雑な指示への高精度対応が必須 | 重要な日本語文書は必ず生成結果の確認が必要。現時点では英語指示の方が精度が高い |
政府・行政機関(FedRAMP環境) | AnthropicモデルはFedRAMP未認定のため利用不可 |
他の主要AIツールとの使い分け
ツール | 強み | 使い分けの判断基準 |
|---|---|---|
Microsoft 365 Copilotエージェント | Officeアプリとの深い統合、社内データ連携、エンタープライズセキュリティ | Office文書の業務自動化・社内ナレッジ活用が中心の組織向け |
ChatGPT Enterprise | 汎用テキスト処理・プログラミング支援・柔軟なカスタマイズ | Officeに縛られず幅広い業務を汎用AIでカバーしたい場合 |
長文処理・分析・コーディング・自然な日本語 | Word/Excel以外でAIを使いたい場合・開発者向け | |
Gemini for Workspace | Google Docs・Sheets・Gmail との統合 | Google Workspaceユーザー向け |
Copilot Studio単体 | カスタムエージェント構築・外部API連携 | 独自ビジネスロジックのエージェントを社外向けに展開する場合 |
AIエージェントとは?の解説記事では、Microsoft 365以外のAIエージェントツールも含めた全体像を解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 現在Microsoft 365を使っているが、追加料金なしで使えますか?
現時点では、Word/Excel/PPT AgentsにアクセスするにはCopilotライセンスが必要です。法人向けは「Microsoft 365 Copilot Business」アドオン(¥2,698/ユーザー/月、2026年6月末まで)が必要となります。個人向けでは、Microsoft 365 PersonalやFamilyでもエージェントへのアクセス自体は一部可能ですが、Work IQによる社内データ連携は利用できません。
Q2. 管理者がAnthropicモデルを有効化していない場合はどうなりますか?
Word/Excel/PPT Agents自体が利用できなくなります(エージェントメニューから非表示になります)。Microsoft 365管理センター → Copilot → Settings → AI Providersで、Anthropicをサブプロセッサとして有効化する操作が必要です。既存のMicrosoft 365テナントでは、管理者が明示的に有効化しない限り、このエージェント機能は使えません。
Q3. Agent Modeは既存の「提案型Copilot」と何が違いますか?
従来の提案型Copilotは「こんな内容はどうでしょう?」と提案し、ユーザーが「承認」するまで実際の編集は行いません。Agent Modeはユーザーの指示を受けると自動的に複数ステップを実行し、ファイルを直接編集します。進捗がリアルタイム表示されるため、何が実行されているかを確認しながら作業できます。ユーザーは途中で一時停止・取り消しが可能です。
Q4. 日本語での利用に問題はありますか?
日本語は対応していますが、複雑なマルチステップ指示では英語での指示の方が精度が高い傾向があります。重要な文書の生成については、日本語で出力された結果を必ず確認・修正することを推奨します。WordでのAnthropicロール内モデルのフルサポートは2026年夏予定のため、日本語精度の改善も今後見込まれます。
Q5. Microsoft Agent 365はすべての法人ユーザーに必要ですか?
Microsoft Agent 365($15/ユーザー/月)は、組織内で多数のAIエージェントを管理・ガバナンスする必要がある大企業向けです。Agent Modeや宣言型エージェントを少数使う場合は不要です。組織全体でエージェントのセキュリティポリシーを一元管理したい場合に検討してください。詳細はMicrosoft Agent 365とは?を参照してください。
Q6. 今後OutlookやTeamsでもAgent Modeは使えますか?
はい。Microsoftは2026年後半にOutlook・Teams・OneNoteへのAgent Mode展開を予定していると発表しています。現時点(2026年6月)ではWord・Excel・PowerPointの3アプリがGA済みで、6月後半にはこれらのアプリでAgent Modeがデフォルト機能になる予定です。
Q7. Copilot Tuningとはどんな機能ですか?
Copilot Tuning(2026年3月〜)は、組織のデータ・プロセス・基準に基づいてエージェントをノーコードでカスタマイズできる機能です。「文書作成」「文書検証」「スタイル編集」「専門家回答」などのテンプレートが用意されています。現時点ではM365 Copilot 5,000ライセンス以上の大企業向けFrontier段階での提供で、一般提供時期は未定です。
まとめ
Microsoft 365 Copilotエージェントのポイントを整理します。
2026年6月時点で押さえるべき5種類のエージェント:
- Agent Mode(Word/Excel/PPT):2026年4月22日GA。6月後半に新デフォルト化予定
- 宣言型エージェント:ローコードで業務特化エージェントを構築可能
- カスタムエンジンエージェント:プロコード開発、スケジュール自動実行対応
- Microsoft Agent 365:2026年5月1日GA。$15/ユーザー/月でエージェントガバナンスを提供
- Microsoft Scout:Build 2026発表。複数アプリを横断する常時稼働型エージェント
今すぐ利用判断するためのポイント:
- M365 Copilot Business のキャンペーン価格(¥2,698)は2026年6月30日まで。7月1日から価格改定予定
- テナント管理者がAnthropicサブプロセッサを有効化する必要がある
- EU/英国のデータ規制対象組織はデータ処理場所を事前確認すること
- Agent Modeのバックエンドにはアンソロピック(Claude)のモデルが使用されている
すでにMicrosoft 365を業務の中心に使っている組織にとって、Copilot Businessアドオンを追加するだけで高度なAIエージェント機能を導入できるという点で、現時点で最もコストパフォーマンスの高い選択肢の一つです。
AIエージェントの仕組みと活用法について、より広い視点で知りたい場合はAIエージェントとは?の解説記事もあわせてご覧ください。
この記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。
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