AIツール2026年10月更新

Copilot in Excelの新スキル機能とは?2026年7月更新のブランドキット・Power BI連携・GPT-5.6/Claude Opus 5選択・自動保存撤廃を解説

公開日: 2026/10/06
Copilot in Excelの新スキル機能とは?2026年7月更新のブランドキット・Power BI連携・GPT-5.6/Claude Opus 5選択・自動保存撤廃を解説

この記事のポイント

Copilot in Excelのスキルは、繰り返す作業の手順をCopilotに覚えさせて@メンションで呼び出せる機能です。2026年7月更新で増えたブランドキット/テーマデザインスキル、Power BI連携、引用表示、GPT-5.6/Claude Opus 5の選択、自動保存必須の撤廃について、使える条件と注意点(スキルは英語表示のみ対応など)を表にまとめています。

Copilot in Excelの「スキル」は、繰り返し行う作業の手順をCopilotに持たせておき、@theme-design のような@メンションで呼び出す仕組みです。2026年7月の更新では、Microsoft製の書式スキル(ブランドキット/テーマデザイン)、Power BI連携、インライン引用、GPT-5.6とClaude Opus 5のモデル選択、自動保存(AutoSave)必須の撤廃が発表されました。ただし公式サポートによると、現時点でスキルは英語にのみ対応しており、Officeの表示言語を英語にしないと使えません。日本語環境で使う場合はここが一番の注意点です。

この記事でわかること

  • 2026年7月更新で追加・変更された7項目の中身と、それぞれの対応OS・展開状況
  • スキルの種類(Microsoft製・財務系・カスタム)と呼び出し方、SKILL.mdでの自作方法
  • GPT-5.6とClaude Opus 5の使い分けと、管理者側で必要な設定
  • 機能ごとに必要なライセンスと管理者設定、料金
  • Power BI連携や自動保存オフで使うときのセキュリティ上の注意点

この記事の対象読者: 社内でMicrosoft Copilot(旧Microsoft 365 Copilot)を使っている、または導入を検討している実務担当者・情報システム担当者。「7月更新で何が変わり、自分の環境で何が使えるのか」を判断したい方。

導入を判断するうえで、まず押さえておきたいのは次の3つです。

  • スキルは「毎回同じ指示を書く作業」をテンプレ化する機能。7月更新でブランドキット・テーマデザインの書式スキルが加わり、見た目の整形を一回の指示で頼めるようになった
  • Power BI連携、Claude Opus 5の利用、ブランドキットは管理者側の設定が前提。ライセンスを持っているだけでは使えないことがある
  • スキルは英語表示限定。日本語UIのままでは、モデル選択・Power BI連携・自動保存オフ対応は使えても、スキルは使えない

モデル選択の背景をもっと知りたい方は「Microsoft CopilotのClaude既定化・Opus 5追加・GPT-5.6優先モデル化まとめ」も参考になります。

なお、2026年8月中旬から9月にかけて「Microsoft 365 Copilot」は「Microsoft Copilot」に、「Microsoft 365 Copilot Chat」は「Microsoft Copilot Chat」に名称が変わりました。本記事では現在の名称を使い、7月当時の名称は必要に応じて併記します。名称変更に伴うセキュリティ・コンプライアンス・プライバシーの変更はないと公式は説明しています(出典: Microsoft Learn「License options for Microsoft Copilot」)。

2026年7月更新の全体像:Copilot関連は7項目+モデル選択

Microsoft Excel公式ブログ「What's New in Excel」のExcelアイコン画像

出典: Microsoft Excel Blog 公式

7月更新のCopilot関連の変更は、公式ブログ「What's New in Excel (July 2026)」(2026年7月28日公開)にまとまっています。スキル機能そのものは6月25日にInsiders向けに先行提供されていたもので、7月は「スキルの初登場」ではなく、書式系のMicrosoft製スキルの追加と提供範囲の拡大にあたります。

項目

何が変わったか

対象

展開状況(公式表記ベース)

主な前提条件

ブランドキットスキル

組織の色・フォント・ロゴを表やグラフに自動適用

Windows / Mac / Web

7月から段階展開。全顧客で使えるとは限らない

Brand Centerのブランドキット、有償Copilotライセンス、英語表示

テーマデザインスキル

Excelテーマ・配色・グラフスタイルをブック全体に適用

Windows / Mac / Web

7〜8月にかけて段階展開

英語表示

Power BI連携

Power BIのレポートデータを根拠に分析

Windows / Mac / Web

7〜8月にかけて段階展開

管理者が「Fabric data in Microsoft Copilot」を有効化

インライン引用

回答の根拠となった箇所へのリンクを表示

Windows / Mac / Web

改善が継続中

―

同期コネクター(GA)

CRMやチケットなど外部データをグリッドに取り込み分析

Windows / Mac / Web

一般提供

コネクターの設定

自動保存オフでの利用

AutoSaveがオフのクラウド保存ブックでもCopilotが使える

Windows / Mac

7〜8月にかけて段階展開

OneDrive / SharePoint保存

サポート記事の刷新

Copilot in Excelのヘルプを全面的に書き直し

―

公開済み

―

モデル選択

GPT-5.6とClaude Opus 5を選べる

Copilot in Excel

7月に追加

Claudeは管理者側でAnthropicの有効化が必要

展開時期は、Excelブログでは「展開中」、Microsoft 365 Copilotの7月ブログではテーマデザイン・Power BI・自動保存オフ対応を「8月に展開」と書いており、表記が揃っていません。7月発表、7〜8月にかけて順次展開と理解しておくのが安全です。10月時点で画面に出てこない場合は、テナントへの展開待ちか、管理者設定・表示言語のどちらかが原因であることが多いと考えられます。

Copilot in Excelの「スキル」とは

スキルは、公式サポートで「AIモデルの機能を拡張するもの。反復可能なタスクを完了するための情報をCopilot in Excelに与える」と定義されています(出典: Microsoft Support「Copilot in Excelでスキルを使用して反復可能なタスクを完了する」)。

ふつうのプロンプトは毎回指示を書き直す必要がありますが、スキルは「どう進めるか」の手順や参考資料をひとまとめにしておけるため、同じ品質の結果を繰り返し得やすくなります。公式も「同じ依頼を頻繁にするなら、その依頼をスキルにする」ことを勧めています。

スキルの種類

種類

作るのは誰か

例

保存場所

Microsoft製(書式系)

Microsoft

@brandkit、@theme-design

組み込み(Formattingフォルダ)

Microsoft製(可視化系)

Microsoft

@chart-design(8月に案内、既定では無効)

組み込み(Visualizationフォルダ)

Microsoft製(財務系)

Microsoft

@3-statements、@lbo-model、@comps-analysis、@merger-model、@unit-economics など23種

組み込み

カスタムスキル

ユーザー自身

月次レポート整形、社内フォーマットへの変換など

自分のOneDrive上のスキル用フォルダ

財務系スキルは、3表モデル、LBOモデル、類似会社比較、デューデリジェンスのチェックリスト、M&Aモデルなど、投資銀行やFP&Aの定型業務を想定したものが中心です(出典: Microsoft Support「Microsoft skills in Copilot in Excel」)。

呼び出し方と管理画面

使い方は2通りです。

  1. Copilotペインのメニューからスキルを選ぶ
  2. プロンプト欄で @スキル名 とメンションし、続けて依頼内容を書く(例: @theme-design Make this sheet a clean monthly report.)

有効・無効の切り替えやカスタムスキルの確認は、Copilotペイン右上の「…」→「プラグイン & スキルの管理」(英語UIでは Manage plugins & skills)から行います。

日本語環境では「表示言語を英語」にする必要がある

日本の利用者にとって最大の制約がこれです。公式サポート(日本語版を含む)には、スキルは英語でのみサポートされ、Officeの表示言語を英語に設定する必要があると明記されています。日本語のニュース記事ではあまり触れられていないため、「アップデートしたのにスキルが出てこない」と感じる原因になりやすい点です。

表示言語を英語にすると、リボンやメニューもすべて英語になります。社内全体に展開する前に、まずは一部の担当者で試し、英語UIでの運用に無理がないかを確かめる進め方が現実的です。

ブランドキットスキル(@brandkit):社内ブランドの書式を一発で適用

ブランドキットスキルは、Microsoft 365のBrand Center(ブランドセンター)に登録された組織のブランドキットを使い、承認済みの色・フォント・ロゴを表やグラフに自動で当てるスキルです。手作業で書式を直さなくても、社外向け資料にそのまま使える見た目に整えられます。

呼び出し名は、公式のスキル一覧では @brandkit、Excelブログでは @brand-kit と表記が分かれています。画面の候補に出てくる表記に合わせて使ってください。

ブランドキットの3種類

種類

管理する人

使える範囲

Official

ブランドマネージャー

テナント全体

Shared

作成者

共有した相手のみ

Personal

作成者

作成者本人のみ

キットには、ロゴ、配色、タイポグラフィ、テンプレート、アイコン、データ可視化スタイル、写真のルール、ブランドボイスや用語などを含められます。Officialキットを編集できるのはブランドマネージャーだけで、IT管理者がブランドマネージャーに指定してから作成権限が付与されるまで最大24時間かかります(出典: Microsoft Support「Create and manage official Brand kits in Microsoft 365 Copilot app」)。

ライセンスについて、同サポート記事にはブランドキットの作成・管理に「Microsoft Copilot Premium license」が必要との記載があります。この表記が通常の有償Copilotライセンスを指すのか別のSKUなのかは、現時点で公式に明確な説明が見当たりません。導入前に、自社の契約で使えるかを管理者経由で確認しておくのが確実です。

7月にはPowerPointでも同じブランドキットの基盤を使ったブランド資産(ロゴ・アイコン・テーマ・フォント)の利用が始まっています。ExcelとPowerPointで同じキットを使えるため、資料全体の見た目を揃えやすくなります。

テーマデザインスキル(@theme-design):生データを読みやすいレポートに整える

テーマデザインスキルは、Excelテーマをブック全体に適用し、調和した配色、グラフのスタイル、レイアウトの整理まで行うスキルです。生データのシートを、要点が目に入りやすいレポートの体裁に変えたいときに使います。公式サポートの説明では、既存の数式・値・シート名・テーブル構造は維持したままテーマを当てるとされています。

ブランドキットとの違いは「どのデザインを当てるか」です。

比較項目

ブランドキット(@brandkit)

テーマデザイン(@theme-design)

基準となるデザイン

組織が定めたブランドガイドライン

Excelテーマ・Copilotが選ぶ配色

事前準備

Brand Centerでのキット登録が必要

特になし

向いている場面

社外提出資料、経営会議資料など、ブランド統一が求められるもの

社内共有用のレポート、分析結果の見栄えを整えたいとき

既定の状態

有効

有効

ブランドキットが未整備の会社でも、テーマデザインはすぐ試せます。まずテーマデザインで効果を確かめ、ブランド統一が必要な資料が多ければブランドキットの整備に進む、という順番が無駄がありません。

Power BI連携:ガバナンスされたデータを根拠に分析できる

ノートPCに表示された分析ダッシュボードのグラフ

Power BI連携(公式名称はPower BI grounding)は、組織で管理されているPower BIのレポートデータをCopilotに読み込ませ、Excel上で分析・要約・補助計算をさせる機能です。これまで必要だった「Power BIからエクスポートしてExcelに貼り、突き合わせる」作業を省けます。

使い方の流れ

公式サポート(英語版)に基づく手順は次のとおりです。日本語UIでのラベル名は環境により異なる可能性があります。

  1. Copilotのプロンプト欄で「+」を選ぶ
  2. 「Add work content(作業コンテンツの追加)」→「More(その他)」→「Power BI」を選ぶ
  3. 最近アクセスしたレポートから選ぶ(見つからない場合は検索)
  4. 「この四半期の地域別売上の傾向を要約して」のようにプロンプトを入力する

出典: Microsoft Support「Copilot in Excel with Power BI」

押さえておくべき3つの制約

  • 管理者設定が前提: 管理者が「Fabric data in Microsoft Copilot」を有効にしている場合にのみ、Power BIの選択肢が表示されます
  • 一度きりのスナップショット: 取り込んだデータは継続的に同期されません。最新の数値で分析したいときは、改めてレポートを添付し直す必要があります
  • 行レベルセキュリティ(RLS)は維持: Power BI側で設定されたRLSは尊重され、本来見られないデータは取り込まれません

実務上の注意として、RLSが効くのはデータを取り込むまでです。取り込んだ結果がExcelブックに残れば、そのブックを共有した相手にも見えます。これは公式が明記している注意点ではありませんが、Power BI上では閲覧者ごとに見える範囲が違っていたデータを、Excel経由で広く共有してしまわないよう運用ルールを決めておくべきです。

インライン引用と同期コネクター:回答の根拠と外部データを扱いやすく

インライン引用は、Copilotの回答の根拠となった「正確な箇所」へのリンクを表示する機能で、回答の検証をしやすくするのが目的です。社内データ、Web、Copilotコネクター経由のデータで引用の見え方を揃える取り組みは、公式でも「継続中(ongoing work)」とされています。9月には、Copilotが作った新しいシート・テーブル・範囲・グラフへ応答内のリンクから飛べる改善も入りました。

同期コネクター(synced connectors)は7月に一般提供(GA)になりました。作業項目、チケット、データベースの行、CRMのレコード、ドキュメントなどをグリッドに取り込み、自然言語で分析できます。公式は「一度接続すればMicrosoft 365全体で使える」と説明しており、既存のセキュリティ・コンプライアンス・権限設定は維持されます。

7月には金融系のCopilotコネクターも拡充され、FactSet、Morningstar、PitchBook、S&P Global、Fitch Solutions、Daloopa、Forrester、CB Insightsなどが加わりました(出典: Microsoft-built connectors gallery)。財務系スキルと組み合わせれば、外部の市場データを取り込んでモデルを組む流れをExcel内で完結させやすくなります。

GPT-5.6とClaude Opus 5の選び方

Anthropic社のAIモデルClaudeのロゴ

出典: Anthropic Claude 公式サイト

7月更新で、Copilot in ExcelではOpenAIのGPT-5.6とAnthropicのClaude Opus 5を選べるようになりました。迷ったら初期値の「Auto」のままで問題ありませんが、複雑な財務モデルやブックの作り込みを任せたい場面では、Opus 5を明示的に選ぶ価値があります。

公式の位置づけ比較

比較項目

GPT-5.6

Claude Opus 5

開発元

OpenAI

Anthropic

公式の説明(Excelブログ)

知識労働と多段階の推論に最適化。複雑な分析を少ない手作業で成果まで進める

より高品質なモデリングと完成度の高いブックで、複雑な分析を支援する

Copilotでの扱い

2026年7月9日にMicrosoft 365 Copilotの優先モデルに

2026年7月24〜25日ごろにモデルセレクターへ追加

管理者設定

特別な設定は不要

Anthropicを「Microsoftサブプロセッサー」として有効化している必要あり

合いそうな作業

調査・要約を含む分析、段階的に考える必要がある問い

財務モデルの構築、見た目まで整ったブックの作成

「合いそうな作業」の行は、公式の説明をもとにした編集部の整理です。実際の結果はデータや指示の書き方で変わるため、重要な作業では両方を試して比べるのが確実です。各モデルの詳細は「GPT-5.6とは」「Claude Opus 5とは」で解説しています。

「Auto」のままでよいケースと明示的に選ぶべきケース

モデルピッカーの初期値はAutoで、リクエストごとに適したモデルが自動で選ばれます。Autoのままだと、個々のプロンプトをどのモデルが処理したかはユーザー側から特定できません。また、7月以降はExcelの一部の定型的なプロンプトがMicrosoft自社のMAIモデルに振り分けられています(詳しくは「MicrosoftのMAIモデル切り替え」)。

  • Autoで十分: 日常的な集計、数式の作成、簡単なグラフ化
  • 明示的に選ぶ: 社内ルールで利用モデルを限定している、結果の再現性を確保したい、複雑なモデルをOpus 5で作らせたい

Claudeが選べないときに確認すること

Claude Opus 5が選択肢に出てこない場合、多くは管理者設定が原因です。Microsoft Learnによると次のとおりです(出典: Copilot in Microsoft 365 apps with Anthropic models)。

  • AnthropicはMicrosoftのサブプロセッサーとして、Product TermsとDPA(データ保護補遺)の対象になっている
  • 以前の「Anthropicを独立処理者として扱う」設定は2026年5月1日に廃止された。サブプロセッサーとして有効化していないとAnthropicモデルは使えない
  • 設定場所: Microsoft 365管理センター →[Copilot]→[設定]→[すべて表示]→「Microsoftサブプロセッサーとして動作するAIプロバイダー」(AI管理者ロールが必要)
  • EU/EFTA/英国では、データ処理がEUデータ境界(EUDB)の外で行われる。これらの地域向けにWord/Excel/PowerPoint用の専用トグルがある

2026年9月時点の情報では、日本を含む商用クラウドでは既定で有効とされています。ただし社内のセキュリティポリシーで無効化している企業もあるため、使えない場合は情報システム部門に確認してください。

なお、9月の更新では「Claude Fable 5.1」「GPT-6 Astra」がCopilot CoworkとCopilot Studioで提供されていますが、Excel内での提供は公式ブログに記載がありません。Claude Opus 5.5などその後のモデルがExcelのピッカーに入っているかも、公式では確認できていないため、実際のモデルピッカーで確かめてください。後継モデルの情報は「Claude Opus 5.5とは」「Claude Fable 5.1とは」「GPT-6 Astraとは」にまとめています。

自動保存(AutoSave)必須の撤廃:オフでもCopilotが使える

Windows版とMac版のExcelでは、AutoSaveがオフでもクラウド保存されたブックならCopilotを使えるようになりました。以前はAutoSaveをオンにすることが利用条件だったため、「勝手に上書き保存されたくない」という理由でCopilotを使えずにいた人にとっては大きな変更です。

項目

7月更新前

7月更新後

AutoSaveの要否

オンが必須

オフでも利用可

対象のブック

OneDrive / SharePointに保存したブック

OneDrive / SharePointに保存したブック(ローカル保存ファイルの扱いは記載なし)

対象アプリ

―

Windows版・Mac版(Web版は元々自動保存が前提)

未保存の変更がある場合

―

Copilotが編集する前に、AutoSaveをオンにするよう促すリマインダーが出る(オンにせず続行も可能)

公式の表現は「より多くのクラウド保存ブックで使えるようになった」というもので、PC内に保存したファイルで使えるようになったとは書かれていません。ローカルファイルで使いたい場合は、現時点では対象外と考えておくのが無難です。

AutoSaveオフで続行すると、自分の未保存の変更とCopilotによる編集がブック内で混ざります。8月に追加された変更履歴(change history)スキルでは、人とAIの編集を区別して要約し、特定の編集だけを取り消せるため、オフで運用するならあわせて使うと安心です。

カスタムスキルの作り方(SKILL.md)

SKILL.md形式のAgent Skillsを公開するAnthropicのGitHubリポジトリ

出典: Anthropic GitHub(anthropics/skills)公式

カスタムスキルは、自分のOneDrive上のスキル用フォルダに、1スキル1フォルダで作成します。各フォルダには SKILL.md というファイルが必須です。形式はAnthropicのAgent Skillsと同じSKILL.mdのオープンな標準に沿っています。

作成手順

  1. Copilotペインの「…」→「プラグイン & スキルの管理」→「カスタム スキル」を開き、スキルの保存先を確認する
  2. OneDrive上のスキル用フォルダの中に、スキル名のフォルダを作る(例: monthly-sales-report)
  3. そのフォルダに SKILL.md を置く。冒頭のfrontmatterに name と description、本文に手順を書く
  4. 必要に応じて scripts、references、assets フォルダを追加し、参考資料やテンプレートを入れる
  5. 「カスタム スキル」ダイアログで「更新(Refresh)」を押して反映させる。OneDrive側で追加・名前変更をしたときも同様

最小テンプレート例

スキルは英語のみの対応のため、本文も英語で書いておくのが無難です。

---
name: monthly-sales-report
description: Turns the raw monthly sales sheet into a management report. Use this when the user asks for the monthly sales report.
---

# Monthly sales report

1. Use the sheet named "Raw" as the source. Do not change its values or formulas.
2. Create a new sheet named "Report".
3. Summarize sales by region and by product category with a PivotTable.
4. Add a column chart comparing this month with the previous month.
5. Highlight regions whose sales dropped more than 10% month over month.
6. Apply the company theme and keep number formats as "#,##0".

description には「何をするスキルか」と「いつ使うか」を具体的に書くと、Copilotが適切な場面でスキルを選びやすくなります。手順は、人に業務を引き継ぐときのマニュアルと同じ粒度で書くのがコツです。

カスタムスキルの中でOffice.jsを使う機能は開発者プレビューの扱いと報じられており、業務の本番運用には向きません。また、パートナー企業製のスキルは2026年第3四半期に予定と報じられていましたが、提供状況は公式では確認できていません。

使える条件と料金

Copilot in Excel自体に個別の料金はなく、Microsoft Copilot(旧Microsoft 365 Copilot)のライセンスに含まれる機能です。

料金(2026年10月時点の公式情報)

プラン

価格

備考

Microsoft Copilot(Enterprise向けアドオン)

30ドル/ユーザー/月(年払い)。日本では4,497円(年払い)

対象のMicrosoft 365プランが別途必要

Microsoft 365 Copilot Business(アドオン、300ユーザー以下)

定価21ドル/ユーザー/月(年払い)。2026年7月1日〜12月31日は18ドルのキャンペーン価格(初年度の年契約のみ)。月払いは25.20ドル

Business Basic / Standard / Premiumなどが前提

Microsoft 365 Business Standard with Copilot

23.50ドル/ユーザー/月(年払い)。月払いは28.20ドル

セットプラン

Microsoft 365 Business Premium with Copilot

32.00ドル/ユーザー/月(年払い)。月払いは38.40ドル

セットプラン

Microsoft Copilot Chat

追加費用なし

対象のMicrosoft 365契約者向け。社内データを根拠にしたチャットには有償ライセンスが必要

出典: Microsoft Copilot 料金ページ、日本 Enterprise ページ。Business系の日本円価格は公式の日本向けページで確認してください。Copilotの刷新後のプラン全体像は「Microsoft Copilot刷新まとめ」で整理しています。

個人向けのMicrosoft 365 Personal / Family / Premiumで、スキル・Power BI連携・モデル選択が使えるかは、公式情報で確認できていません。

機能ごとの利用条件チェック表

機能

ライセンス

管理者設定

利用者側の条件

Microsoft製スキル(テーマデザインなど)

有償Copilotライセンス

特になし

Office表示言語を英語に

ブランドキットスキル

公式表記は「Microsoft Copilot Premium license」

Brand Centerでブランドマネージャー指定・キット公開

英語表示

カスタムスキル

有償Copilotライセンス

特になし(管理ポリシーの公式情報は未確認)

英語表示、OneDriveにSKILL.mdを配置

Power BI連携

有償Copilotライセンス

「Fabric data in Microsoft Copilot」を有効化

対象のPower BIレポートへのアクセス権

Claude Opus 5の選択

有償Copilotライセンス

Anthropicをサブプロセッサーとして有効化(日本は既定で有効とされる)

モデルピッカーで選択

自動保存オフでの利用

有償Copilotライセンス

特になし

Windows / Mac、クラウド保存ブック

チャット履歴(8月追加)

商用Copilotライセンスが必要と公式明記

―

―

注意点とセキュリティ:導入前に確認したい5項目

7月更新で使える範囲は広がりましたが、データの扱いが変わる機能も含まれます。業務で使う前に、次の5点を社内で確認しておくことをおすすめします。

  1. Claude利用時のデータ処理先: Claude Opus 5を選ぶと、データはサブプロセッサーであるAnthropicで処理されます。EU/EFTA/英国の拠点ではEUDBの外で処理される点も含め、社内のデータ取り扱い規程と照らし合わせてください
  2. Power BIから取り込んだデータの共有範囲: RLSは取り込み時に効きますが、取り込んだ後のブックの共有範囲は利用者次第です。機密度の高いレポートをExcelに取り込む場合のルールを決めておきましょう
  3. カスタムスキルの管理: カスタムスキルは個人のOneDriveに保存されます。管理者向けのアップロード制御、監査、DLP、保持ポリシーに関する公式ガイドは現時点で見当たりません。業務手順や社外秘の情報をスキルに書き込む場合は注意が必要です
  4. AutoSaveオフ時の編集の混在: 未保存の自分の変更とCopilotの編集が混ざります。変更履歴スキルで確認・取り消しができる状態にしておくと安全です
  5. 学習利用の設定: Copilotに入力したデータの扱いについては「Copilotの学習利用オプトアウト」で確認できます

管理者向けには、7月にWebグラウンディングから最大1,000ドメインを除外する設定や、Purview DLPで外部メールの参照を制限する機能(パブリックプレビュー)も追加されています。

8月・9月の追加アップデートと名称変更

7月更新の後も、スキルとCopilot in Excelには機能追加が続いています。

時期

内容

2026年6月25日

スキル機能がInsiders向けに登場(財務系スキル中心、SKILL.mdによるカスタムスキル)

2026年7月9日

GPT-5.6がMicrosoft 365 Copilotの優先モデルに

2026年7月24〜25日

Claude Opus 5がモデルセレクターに追加

2026年7月28日

「What's New in Excel (July 2026)」公開。ブランドキット/テーマデザイン、Power BI連携、引用、自動保存オフ対応など

2026年8月

変更履歴スキル、チャット履歴、グラフ・ピボットテーブル用スキル(@chart-design)、Python in Excelスキル(Insiders)を追加(出典: What's New in Excel (August 2026))

2026年8月中旬〜9月

「Microsoft 365 Copilot」→「Microsoft Copilot」に名称変更。商用WebのURLも copilot.cloud.microsoft に

2026年9月

iPadで「Edit with Copilot」に対応。Frontierプログラムで新モデルを追加(出典: What's New in Excel (September 2026))

Copilot in Excelの各モードの対応状況は、Editモード・PlanモードがWindows / Mac / Web / iPad、ChatモードがそれらにiPhoneとAndroidを加えた環境です(出典: Get started with Copilot in Excel)。Word・PowerPointを含むエージェント機能全体については「Microsoft 365 Copilotのエージェント機能」、スキルやプラグインをアプリ横断で使うCowork側の仕組みは「Microsoft Copilot Coworkとは」で解説しています。

スキルと他の自動化手段の使い分け

スキルはExcelの作業をすべて置き換えるものではありません。毎回の結果が少しずつ違ってもよい「整形・分析・下書き」に向いており、毎回まったく同じ処理を正確に繰り返したい作業には、従来の手段のほうが合っています。

手段

得意なこと

苦手なこと

合う作業の例

Copilotの通常プロンプト

その場限りの質問・分析

同じ指示を何度も書く必要がある

単発の集計、数式の相談

Copilotスキル

手順が決まった作業を指示一つで再現

英語表示が必要、出力が毎回完全に同じとは限らない

月次レポートの整形、ブランドに沿った資料化

マクロ / VBA・Power Query

決まった処理を毎回同じ結果で実行

作成・保守に専門知識が必要

定型の集計・転記、データの前処理

業務システム化

多人数・大量データの処理、権限管理

開発コストと期間がかかる

Excelで限界を感じている基幹業務

集計の自動化そのものを進めたい場合は「Excel集計を自動化する方法」、Excel運用自体を見直したい場合は「Excel業務をシステム化する判断基準」も参考にしてください。

こんな人におすすめ / おすすめしない人

こんな人におすすめ

  • 毎月・毎週、同じ形式のレポートをExcelで作っている
  • 社外向け資料の色やフォントをブランドに合わせる手間を減らしたい
  • Power BIのデータを使った追加分析を、エクスポートなしでExcel上で済ませたい
  • 財務モデル、M&A、ポートフォリオ分析などの定型業務がある(財務系スキルが使える)
  • AutoSaveを理由にCopilotの利用を見送っていた
  • 英語UIでの操作に抵抗がない

おすすめしない人・慎重に検討したい人

  • Officeを日本語表示のまま使いたい(スキルは使えない。モデル選択やPower BI連携は対象)
  • 有償のCopilotライセンスがない、または個人向けプランのみで使いたい
  • 管理者設定(Fabricデータ、Anthropic、Brand Center)を自分で調整できず、情報システム部門の協力も得にくい
  • 毎回1円の誤差もなく同じ結果が必要な処理を任せたい(マクロやPower Queryのほうが向く)
  • Claudeなど外部AIプロバイダーでのデータ処理が社内規程で認められていない

よくある質問

日本語の表示言語のままスキルを使う方法はありますか?

現時点の公式サポートでは、スキルは英語のみ対応で、Officeの表示言語を英語にする必要があるとされています。日本語表示のまま使う方法は案内されていません。将来の対応言語拡大は公式発表を待つ必要があります。

Power BIのデータが更新されたら、Excel側も自動で変わりますか?

変わりません。Power BI連携で取り込むデータは一度きりのスナップショットです。最新の値で分析したいときは、Power BIレポートを添付し直してください。

「Power BI」の選択肢が出てきません。

管理者が「Fabric data in Microsoft Copilot」を有効にしていないと表示されません。テナントへの段階展開が終わっていない可能性もあります。まずは管理者に設定状況を確認してください。

Claude Opus 5を選ぶと、社外にデータが出ることになりますか?

AnthropicはMicrosoftのサブプロセッサーとして、Microsoftの製品条件とDPAの範囲内でデータを処理します。Microsoftとの契約の枠内ではありますが、処理自体はAnthropic側で行われます。EU/EFTA/英国ではEUデータ境界の外で処理される点も公式に明記されています。社内規程上の扱いは情報システム部門・法務と確認してください。

AutoSaveをオフにすれば、PCに保存したファイルでもCopilotが使えますか?

公式の説明はOneDriveやSharePointに保存したブックが対象で、ローカル保存ファイルについては書かれていません。ローカルファイルは対象外と考え、Copilotを使うブックはクラウドに保存しておくのが確実です。

作ったカスタムスキルを同僚と共有できますか?

公式サポートで確認できるのは、自分のOneDrive上のフォルダにスキルを置く方法までで、組織内での配布・共有の仕組みは明確に案内されていません。同じSKILL.mdを各自のスキル用フォルダに置けば同じ手順を使えますが、更新管理は手作業になります。

まとめ

Copilot in Excelのスキルは、繰り返す作業の手順をSKILL.mdやMicrosoft製スキルとしてCopilotに持たせ、@メンションで呼び出す機能です。2026年7月の更新では、ブランドキット・テーマデザインの書式スキル、Power BI連携、インライン引用、同期コネクターのGA、GPT-5.6とClaude Opus 5の選択、AutoSave必須の撤廃が発表され、7〜8月にかけて順次展開されました。

一方で、スキルは英語表示のみ対応、Power BI連携とClaudeの利用は管理者設定が前提、Power BIのデータはスナップショット、AutoSaveオフはクラウド保存ブックのみ、といった条件があります。まずは自分の環境で表示言語・ライセンス・管理者設定の3点を確認し、テーマデザインスキルや簡単なカスタムスキルから試してみるのが、無理のない始め方です。

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