ビジネス活用2026年10月更新

Excel業務のシステム化の判断基準|残す範囲と費用・効果を段階別に比較

公開日: 2026/09/16
更新日: 2026/10/10
Excel業務のシステム化の判断基準|残す範囲と費用・効果を段階別に比較

この記事のポイント

Excel業務のシステム化は、複数部署が同じデータを更新し、別システムからの書き写しがある業務から検討します。7つの質問での判定、kintoneなど移し先の費用、PoC→本開発→運用の段階別の費用と、架空の作業記録による回収試算を解説。

Excel業務のシステム化は、複数の部署が同じデータを更新し、間違えると請求や顧客対応に響き、しかも別のシステムからの書き写しが毎日ある業務から検討するのが合理的です。反対に、1人で完結する分析用の表や形がよく変わる表は、Excelに残すのが合理的です。費用は段階ごとに分けて考えます。書き写しをなくすために既存システムへ機能やデータ連携を足す改修なら、100万円〜(税別)です。一方、PoC(小さく作って確かめる段階、300万円〜・税別)は続けるか止めるかを決めるための費用で、作業時間が減り始めるのは、その後の本開発・データ移行・並行稼働を終えてからです。

判断を難しくしている点は2つあります。1つは、「Excelはもう限界」という話の多くが、古いExcelを前提にしていることです。もう1つは、減らせる作業時間を時給で換算した金額を、そのまま「浮くお金」として回収を計算してしまうことです。この記事では、まず2026年時点のExcelで「できるようになったこと」と「いまもできないこと」をMicrosoftの公式情報で整理します。そのうえで、Excelに残すか移すかを分ける7つの質問、5つの移し先の費用、PoC→続けるか止めるかの判断→本開発・移行→運用という段階別の費用、架空の作業記録を使った回収の試算、当社が公開できる実績を順に紹介します。

Excel業務のどこで時間がかかり、事故が起きているか

「脱Excel」の取り組み状況を調査したITmediaキーマンズネットのロゴ

出典: キーマンズネット 公式サイト

まず、現場で何が起きているかを調査データで確認します。NTTデータビジネスブレインズが2026年7月に、営業事務の経験が3年以上ある221名に行ったインターネット調査の結果です(調査した会社は、プログラムを書かずにデータベースを作れるツールを提供しています)。

質問

当てはまると答えた割合

Excelやスプレッドシートを業務で使う

91.8%(ほぼ毎日48.4%+一部の業務で43.4%)

前任者が作った、中身の分からないマクロや関数に苦労した

64.2%

マニュアルのないファイルを使い続けている

62.1%

ファイルが重く、固まる・強制終了する・やり直しになる(月数回以上)

53.6%

Excel作業が原因の残業や持ち帰りがある(1か月あたり)

56.2%

改善したくてもできないと感じる

72.0%

かかっている時間の数字もあります。コピーと貼り付けによる書き写しや集計、表記ゆれの手直し、壊れた関数の修復、エラーの原因探しに使う時間は、1か月あたり「5〜10時間」が17.9%、「10時間以上」が4.3%でした。約5人に1人が、毎月5時間以上をExcelの手直しに使っていることになります。

一方で、ITmediaのキーマンズネットが2025年6月に行った調査(330件の回答)では、「脱Excel」に取り組んでいない会社が65.8%でした。サポートが終わったExcel 2013以前のバージョンを使っている割合は全体で6.1%、従業員100人以下の会社では14.3%です。2023年の別の調査(KUIX、従業員101名以上でExcelでデータを管理している1,287名)でも、約70%がExcelでのデータ管理に限界やデメリットを感じている一方、Excelから別の仕組みに移した(脱Excelをした)業務があると答えたのは24%にとどまっていました。

この2つの傾向を並べると、調査の回答者の多くはExcelで困っている一方で、システム化に踏み出したのは一部にとどまっています。理由の1つとして考えられるのは、対応の遅れというより、どの業務をExcelに残し、どこからを移すのか、その線が引けていないからです。現場では、次のような状況がよく起きています。

  • 基幹システムや販売管理システムから出したデータを、Excelの管理表に毎日書き写している
  • 同じ台帳のコピーが部署ごとにあり、どれが最新なのか分からない
  • 月末の集計マクロを作った担当者が異動や退職をして、誰も中身を直せない
  • 明細が増え続けて、ファイルを開くたび、保存するたびに待たされる
  • 入力ミスに気づくのが、請求書を出した後や、顧客に指摘された後になる

2026年のExcelでできるようになったこと・いまもできないこと

Excelの仕様やマクロの制限を公開しているMicrosoft Learnのロゴ

出典: Microsoft Learn 公式

線を引く前に、Excel自体の現状を正しく押さえておきます。「複数人で使えない」「履歴が残らない」をシステム化の理由に挙げる説明を見かけますが、これは古いExcelの話です。

できるようになったこと

機能

できること(Microsoft公式情報)

共同編集

複数の人が同じブックを同時に編集できる。以前の「共有ブック」機能は、制限が多かったため共同編集に置き換えられた

変更の表示

誰が、どのセルを、いつ、どう変えたかを、変更前の値まで確認できる。確認できるのは最大365日分

Copilot in Excel

AIに頼んで、表・グラフ・ピボットテーブル・数式を作れる。ブックを直接編集するモード、編集の前に計画を作るモード、チャットで質問するモードの3つがある

共同編集を使うには、Microsoft 365の契約があり、ファイルをOneDriveかSharePoint Online(Microsoftのクラウド上にある共有の保存場所)に保存する必要があります(出典:Microsoft サポート「Excel ブックの共同編集」)。

つまり2026年時点では、困りごとが「複数人で同時に編集したい」「変更の履歴を残したい」だけなら、システム化しなくても、Excelの保存場所と使い方を変えれば解決することがあります。ここを見落とすと、設定を変えれば済む課題に数百万円をかけることになります。

いまもできないこと(Excelの仕様上の壁)

一方で、Excelの仕様として動かせない制約もあります。この壁に当たっている業務は、使い方を工夫しても解決しません。

制約

内容

業務で起きること

行数の上限

1シートあたり1,048,576行×16,384列まで

明細が増え続ける業務では、いつか1つのシートに収まらなくなる

32ビット版のメモリ上限

Excelが使えるメモリの範囲が2GBまで(64ビット版はパソコンのメモリ次第)

大きなファイルほど動きが不安定になりやすい

ブラウザ版ではマクロが動かない

ブラウザで使うExcel for the webでは、VBAマクロ(Excelの作業を自動で行うプログラム)を作ることも、動かすことも、直すこともできない

Teamsやブラウザでの共有に切り替えると、マクロで回していた作業が止まる

インターネットから来たマクロは止まる

メールの添付ファイルなど、インターネット経由で受け取ったファイルのマクロは、Windows版Officeでは初めから動かない設定になっている(2022年2月に発表)

拠点や取引先から届いたマクロ付きのファイルが動かない

社内サーバーでは共同編集できない

自社で運用しているSharePointなど、Microsoftのクラウド以外に置いたブックは共同編集に対応していない

社内のファイルサーバーに置いたままでは、同時編集は使えない

出典:Microsoft サポート「Excel の仕様と制限」、Microsoft サポート「Excel for the web で VBA マクロを使用する」、Microsoft Learn「Macros from the internet are blocked by default in Office」

Copilotについても、Microsoftは「AIの提案には誤りや不正確な結果が含まれることがある」と注意しています。作業は速くなりますが、請求や在庫のように正しさが問われるデータを、確認の手順を決めないままAIに直接書き換えさせるのは避けたほうが安全です。

データ量の壁が、実際に大きな事故につながった例もあります。英国の公衆衛生庁では、2020年9月25日から10月2日までの新型コロナの陽性者、約1万6千件が接触追跡に回らない事態が起きました(AP通信配信・PBS NewsHour)。原因はExcelファイルの制限とされ、古いファイル形式(.xls)の行数の上限(65,536行)を超えた分が抜け落ちたと、複数の海外メディアが報じています。上限を超えたデータが、エラーで止まることなく抜け落ちてしまう場合があるという点は、覚えておいてください。

ここまでをまとめると、2026年のExcelでシステム化の理由になるのは「複数人で使う」ことそのものではありません。Excelで越えにくい壁は、次の6つです。

  1. 会社として正しいとするデータを、1か所に決めること
  2. 行や項目ごとに、見せる人を分けること
  3. 誰が承認したかの記録を残すこと
  4. ほかのシステムと自動でデータをやり取りすること
  5. 増え続けるデータ量に耐えること
  6. 作った人がいなくなっても直せること

Excel業務をシステム化すべき境界線|7つの質問で判定する

対象のExcel業務について、次の7つの質問に答えてください。

質問

Excelに残してよい

システム化を検討する

① 誰が更新するか

1人、または同じ部署の少人数

複数の部署・拠点、社外の人が同じデータを更新する

② そのデータは何か

検討や分析のための、使い捨ての表

取引・顧客・在庫・契約など、会社として正しいとする元データ

③ 間違えたときの影響は

社内で直せば済む

請求・顧客対応・監査・安全に響く

④ ほかのシステムとのつながりは

Excelの中で完結している

別のシステムから出したデータの書き写しや二重入力が毎日ある

⑤ データの量は

数千行程度で、動作に問題がない

明細が年々増え、開くたび・保存するたびに待たされる、固まる

⑥ 直せる人はいるか

関数や手順を複数の人が理解している

作った人しか直せないマクロで回っている

⑦ 見せる範囲と承認の記録は

関係者全員が全部を見てよい

行や項目ごとに見せる人を分けたい。誰が承認したかを残す必要がある

「システム化を検討する」の列に当てはまった数で、移し先の目安が決まります。これは当社が相談を受けるときの考え方で、厳密な基準ではありません。

当てはまった数

移し先の目安

0〜1個

Excelに残す、またはExcelを整える(入力のルール設定、保存場所の変更による共同編集など)

2〜3個

既製のクラウドサービスやノーコードツールに移す、または繰り返しの作業だけを自動化する

4個以上

作る(開発・改修)ことも比べる対象に入れる

例外が1つあります。④の「書き写し・二重入力」が強く当てはまる場合は、当てはまった数に関係なく、「書き写している1か所だけを仕組みにする」方法を先に検討してください。 表そのものはExcelに残したまま、システムとシステムの間のデータの受け渡しだけを自動にする方法です。業務全体を作り直す場合と比べて、費用の桁が変わることがあります。

また、上場企業などでは、現場の部署が作ったExcelやマクロについて、計算式の誤り、ファイルの紛失や破損、どれが最新版か分からなくなる問題を、内部統制のリスクとして管理する考え方があります。③や⑦に当てはまる表は、監査の面からも見直しを求められやすい表です。

システム化しないほうがいいExcel業務

システムを売る側の記事ではあまり書かれませんが、システム化するとかえって損をする業務があります。

Excelに残したほうがいい業務

理由

担当者1人で完結し、ほかの人が触らない表

共有や権限の問題が起きないため、システム化してもほとんど効果が出ない

集計の切り口やレイアウトが毎回変わる、分析や検討のための表

システムは決まった形の入力と出力が得意。形が変わるたびに改修費がかかる

年に数回しか使わない、使い捨ての表

作る費用を取り戻せない

毎回例外の判断が必要で、ルールとして書き出せない業務

ルールが決まる前にシステムにすると、例外が出るたびに改修が必要になる

業務の流れ自体がまだ固まっていない、新しい事業の管理

まずExcelで回して型を作るほうが安い。型が固まってから移せばよい

また、システム化は「Excelをやめること」ではありません。システムに移すのは、会社として正しいとする元データの入力と保管です。システムから出力したデータをExcelで分析したり加工したりする使い方は、移行後も残るのが一般的です。

Excel業務の移し先は5つ|得意なことと費用を比較

Excel業務の移し先として検討されるノーコードツールkintoneのロゴ

出典: kintone 公式サイト

Excel業務の移し先は、「そのまま残す」か「開発する」かの二択ではありません。費用の小さい順に5つあります。ここでは、各サービスの公式の価格と、当社の公開価格で並べます(金額はすべて税別)。

移し先

費用の目安

得意なこと

越えられない壁

① Excelに残す

0円

1人や少人数での分析、形が変わる表

元データを1か所にまとめること、権限、承認の記録

② Excelを整える

設定の見直しは0円。AIを加えるならCopilot Businessが1ユーザー月3,148円(年契約)

共同編集、変更の確認、入力ルールによるミスの予防

行数の上限、ほかのシステムとの自動連携、作った人しか直せない問題

③ 既製サービス・ノーコードに移す

kintoneは1ユーザー月1,000〜1,800円(最小10ユーザー)。画面や項目の組み立てを外注するなら別に見積

台帳・申請・案件管理など、よくある業務の共有、権限、承認

自社独自の複雑な処理、外部とつなぐ窓口がないシステムとの連携

④ 繰り返しの作業だけ自動化する

自社で(AIを使って)作れば0円〜。外注するなら範囲を決めて見積

毎月決まった集計、書き写し、帳票づくり

元データが1か所にまとまるわけではない。作った人しか直せない問題が再発しやすい

⑤ 作る(開発・改修)

当社の場合、既存システムの改修100万円〜、PoC300万円〜、本開発は個別見積。稼働後は運用・保守の費用が別にかかる

独自の業務の流れ、複数システムとの連携、細かい権限

初期費用と保守費、発注する側の準備の手間

① Excelに残す(0円)

7つの質問にほとんど当てはまらない表は、そのまま残すのが正解です。無理にシステムにしても、入力の手間が増えるだけで得るものがありません。

② Excelを整える(0円〜)

お金をかけずにできることは、まだ残っているかもしれません。表を「テーブル」に変えて、入力できる値を選択肢に絞るだけで、表記ゆれの多くは入力の時点で防げます。ファイルをOneDriveかSharePoint Onlineに移せば、共同編集と変更の表示も使えます。

AIで作業を速くしたい場合は、Microsoft 365 Copilot Businessを追加します。価格は年契約で1ユーザー月3,148円(税別)で、2026年7月1日〜12月31日に年契約で申し込むと、初年度は月2,698円になります(対象のビジネス向けプランをすでに使っている場合に限るキャンペーン)。Copilot Businessだけでは使えず、対象となるMicrosoft 365のビジネス向けプランの契約が別に必要です。セットにした場合、Business Standardとの組み合わせで1ユーザー月3,523円相当(年契約・税別)です(出典:Microsoft 365 Copilot 価格、2026年10月確認)。CopilotでできることはMicrosoft 365 Copilotエージェントとはで解説しています。

注意したいのは、共有のためにブラウザ版のExcelに切り替える場合です。前述のとおり、ブラウザ版ではマクロが動きません。ブラウザ版向けの自動化の仕組み(Office スクリプト)もありますが、VBAのすべての機能に対応しているわけではありません。

③ 既製のクラウドサービス・ノーコードに移す

月額料金で使う既製のクラウドサービス(SaaS)や、プログラムを書かずに入力画面や項目を組み立てられるノーコードツールに、データを移す方法です。Excelからの移し先としてよく検討されるサービスの価格は、次のとおりです(2026年9月確認)。

サービス

月額(1ユーザーあたり)

主な条件

kintone ライト

1,000円(税別)

最小10ユーザー。外部サービスとの連携や拡張機能は使えない

kintone スタンダード

1,800円(税別)

最小10ユーザー。外部サービスとの連携や拡張機能が使える

Microsoft Power Apps Premium

2,998円(年払い・税別)

開発用の無料プランあり(本番の業務には使えない)

Google AppSheet

Starter 5ドル/Core 10ドル/Enterprise Plus 20ドル

Coreは多くの有料Google Workspaceプランに含まれる

kintoneは初期費用が無料で、1か月単位で契約でき、30日間の無料お試しもあります。スタンダードを20名で使うと、年43.2万円(税別)です。ほかのシステムとデータをつなぐ予定があるなら、ライトではなくスタンダード以上を選ぶ必要がある点に注意してください。

ただし、月額料金だけで考えるのは危険です。入力画面や項目は自社で組み立てる必要があり、社内に担当者がいなければ外注します。その場合の費用は依頼する範囲で変わるので、見積に「画面や項目の組み立て」「データの移行」「操作の説明」「稼働後の変更」のどこまでが入っているかを確かめてください。ノーコードとAIの使い分けはノーコード自動化とAIエージェントの違いで詳しく比べています。

④ 繰り返しの作業だけ自動化する

データの持ち方は変えずに、毎月の集計や書き写しといった繰り返しの作業だけを自動にする方法です。いまはChatGPTやCopilotなどのAIに頼めば、マクロや集計の手順を担当者が自分で作れる範囲が広がっています。外注する場合の費用は範囲で変わるので、見積で確認してください。ほかに、パソコンの操作を記録して自動で繰り返すRPAツールや、AIに毎月の集計を任せる方法もあります。AIに任せる方法はExcel集計の自動化で解説しています。

この方法の弱点は、7つの質問の⑥「作った人しか直せない」状態を、新しい形で繰り返しやすいことです。マクロには前述のとおり、ブラウザ版で動かない、メールで届くと止まるといった制約もあります。注意点はRPAが失敗する原因とPower Automateの属人化でまとめています。

⑤ 作る(開発・既存システムの改修)

自社の業務に合わせて、システムを作る方法です。当社の場合、既存システムの改修は100万円〜、PoCは300万円〜、本開発は個別見積です(すべて税別。クラウド利用料などの実費は別)。稼働した後も、クラウド利用料・外部サービスの利用料・保守と変更対応の費用が続きます。作る費用と効果がいつ発生するかは、次の章で段階ごとに分けて見ます。

「作る」には、業務システムを丸ごと作るだけでなく、すでにあるシステムに機能やデータ連携を足して、Excelへの書き写しをなくすという選択肢も含まれます。7つの質問で④が当てはまる場合は、まずこちらから考えてください。

AIツールの普及で、社内でできることも増えました。ChatGPTやCopilot、Claudeなどを使えば、担当者が自分で作れる範囲が、マクロや集計の手順、CSVの変換、簡単な入力画面まで広がっています。そのうえで会社に頼む意味が残るのは、その会社に固有の部分です。基幹システムから出るデータの癖や過去データの表記ゆれ、誰に何を見せるかの権限、例外の扱い、正しく動いたかを確かめる検収の基準、稼働後に仕様を変えるときの責任の持ち方がこれに当たります。自社で試作を進め、本番で使う部分だけを任せる分け方もできます。規模別の費用の考え方は業務システム開発の費用相場で解説しています。

Excel業務のシステム化にかかる費用の目安|段階ごとに分ける

システム化の費用は1つの金額ではなく、性質の違う支出の積み重ねです。特に、PoCの費用と、本番で使い始めた後の効果を並べて「何か月で取り戻せるか」を計算すると、効果が始まる時期と、本開発・移行・運用の費用が抜け落ちます。段階ごとに分けると次のとおりです(金額はすべて税別)。

段階

何のための支出か

費用(税別)

作業時間は減り始めるか

既存システムの改修

書き写している箇所などを、機能の追加や他のシステムとのデータ連携で仕組みにする

当社は100万円〜。クラウド利用料などの実費は別

稼働し、並行稼働を終えた後から

PoC(小さく作って確かめる)

効果やデータの扱いが読めないときに、続けるか止めるかを決める

当社は300万円〜

原則まだ減らない(試す範囲で一部だけ)

続けるか止めるかの判断

PoCの結果から、本開発に進む・範囲を変える・止めるを決める

社内の検討時間

減らない。止めた場合、PoCの費用は「進めない判断」のための費用になる

本開発・データ移行

本番で使う仕組みを作り、過去データを整理して移す

個別見積(名寄せや移行の作業が含まれるか確認)

減らない

並行稼働

Excelと新しい仕組みを両方回して、結果を突き合わせる

現場の作業が一時的に増える

減らない(むしろ増える)

運用

クラウド利用料・外部サービスの利用料・保守・変更対応

毎月・毎年かかる。見積で別に確認

ここから減る

既製サービスに移す場合は、kintoneスタンダードを20名で使うと年43.2万円(税別。初期費用は無料)で、画面や項目の組み立てを外注するなら別に見積がかかります。既製サービスでも、データの移行と並行稼働の負担は同じように発生します。

見積書で見落としやすい費用が3つあります。1つ目は過去データの整理です。同じ取引先が「(株)〇〇」「株式会社〇〇」「〇〇」のように何通りもの書き方で登録されていると、そのままでは新しい仕組みに移せません。これを1つにまとめる作業を「名寄せ」と言い、実際にはプログラムを作るより時間がかかることがあります。2つ目は、Excelと新しい仕組みをしばらく両方回す並行稼働の期間に、現場にかかる負担です。3つ目は、クラウドの利用料、外部サービスの利用料、ソフトウェアのライセンス料です。

当社の受託開発の価格は、既存システムの改修が100万円〜、PoCが300万円〜、本開発は個別見積です(すべて税別。クラウド利用料などは別途)。既存システムの改修、CSVやAPIでのシステム間の連携、社内の申請・承認や台帳の画面、権限の設計、データ移行、AIで作った試作を本番で使える形にすることなどに対応できます。

Excel業務のご相談では、表の中身と、どのシステムから何を書き写しているかを伺い、Excelに残す部分と、切り出して仕組みにする処理を分けたうえで、上の段階のどこから始めるのがよいかをお伝えします。7つの質問に2〜3個しか当てはまらず、既製サービスのほうが安く済む場合は、その旨を正直に申し上げます。

▶ 残すExcelと切り出す処理を相談する(対応範囲と価格は受託開発サービスのページで確認できます)

既存システムを改修する場合の作業別の目安と、費用が高くなる条件はシステム改修の費用で解説しています。

Excelのままにしておくコストと回収を段階別に試算する

システム化の費用が高いか安いかは、Excelのままだと毎月どれだけの作業が発生しているかと比べないと判断できません。ただし、比べる「効果」は次の3つに分けて考えます。同じ金額として足し合わせないでください。

効果の種類

中身

会社の支出は減るか

作業時間の削減

減った時間 × 時給で換算した金額

これだけでは減らない(給与の支払いは変わらない)

実際の支出の削減

残業代、派遣や外注の費用など、払わなくなる金額

減る

余力の活用

浮いた時間を別の仕事に回すこと

何に回すかを決めて初めて価値になる

試算の前提|架空の作業記録

以下は、説明用に作った架空の作業記録による、仮定に基づく試算です。実際の案件で測った数字ではありません。担当者5人が21営業日のあいだ、基幹システムから出したデータをExcelに書き写し、突き合わせて確認し、例外を処理し、壊れた関数を手直しする、という記録を、次の条件で乱数を使って243件作りました。

  • 書き写し:毎日、1人1回11〜17分
  • 突き合わせ確認:6割の日に、1回6〜12分
  • 例外処理(表記ゆれや単価違いなどの個別判断):2割5分の日に、1回10〜22分
  • 手直し(壊れた関数や誤入力の修正):2割の日に、1回8〜20分
  • 月末の3営業日は、書き写し以外の作業の起きる確率が1.8倍(6割の日の確認は毎日になる)、すべての作業の1回の時間が2倍になり、その日の作業はすべて終業後の残業で行う

作業

月の合計時間(5人分)

うち月末の残業

書き写し

27.5時間

7.0時間

突き合わせ確認

13.4時間

4.4時間

例外処理

11.7時間

3.1時間

手直し

7.5時間

2.7時間

合計

60.1時間

17.1時間

計算の式

月の削減時間 =(作業ごとの時間 × 削減率)の合計 − 新しい仕組みで増える確認の時間

時間換算の効果 = 月の削減時間 × 時給3,000円

実際の支出の削減 = 減った残業時間 × 時給3,000円 × 1.25(残業の割増)

余力 = 月の削減時間 − 減った残業時間

累計 = −各段階の支出 − 並行稼働で増える作業の時間 × 時給3,000円(実際の支出で数えるときは残業として × 1.25)+(月の効果 − 運用費)× 効果が出ている月数

時給3,000円と割増1.25は計算のための仮の値です。残業代が出ない働き方の場合は、実際の支出の削減は残業代ではなく、派遣・外注の費用や採用を見送れた分で数えます。

システム化した後にどれだけ作業が残るかで、結果は大きく変わります。そこで3つの条件を置きました。どの条件でも、例外の判断は人に残るとしています。

条件

書き写し

突き合わせ確認

例外処理

手直し

新しく増える確認

条件1:書き写しがほぼ消える

95%減

50%減

減らない

70%減

月2時間

条件2:確認と例外が残る

85%減

20%減

減らない

50%減

月4時間

条件3:手作業が一部残る

60%減

減らない

20%増える

30%減

月6時間

条件(5人の場合)

月の削減時間

時間換算の効果

実際の支出の削減

余力

条件1

36.1時間

10.8万円

4.0万円

25.4時間

条件2

25.8時間

7.7万円

3.1万円

17.6時間

条件3

10.4時間

3.1万円

1.9万円

5.4時間

同じ条件でも、時間換算の効果と実際の支出の削減には、条件1・2で約2.5〜2.7倍、手作業が残る条件3でも約1.6倍の開きがあります。社内で回収を説明するときは、どちらの数字で話しているかを必ず分けてください。

2つの進め方で、累計がプラスに転じる月を比べる

次に、同じ効果を2つの進め方に当てはめます。支出・期間・運用費はいずれも仮定です。当社の価格は開始価格をそのまま置いたもので、本開発の600万円は個別見積の代わりに置いた仮の値です。

進め方

支出と期間(仮定)

効果が出始める月

運用費(仮定)

既存システムの改修(書き写し1か所を仕組みにする)

改修100万円・2か月 → 並行稼働1か月(作業が月20時間増える)

4か月目

月1万円

PoC→本開発

PoC300万円・3か月 → 続けるかの判断1か月 → 本開発・移行600万円・5か月 → 並行稼働2か月(作業が月20時間増える)

12か月目

月8万円

次の表は、発注した月を1か月目として、累計の収支がプラスに転じる月を示しています(60か月まで計算)。

条件

既存システムの改修(時間換算)

既存システムの改修(実際の支出)

PoC→本開発(時間換算)

PoC→本開発(実際の支出)

5人・条件1

14か月目

39か月目

60か月で戻らない

60か月で戻らない

5人・条件2

19か月目

56か月目

60か月で戻らない

60か月で戻らない

5人・条件3

53か月目

60か月で戻らない

60か月で戻らない

60か月で戻らない

20人・条件1

6か月目

12か月目

38か月目

60か月で戻らない

20人・条件2

8か月目

15か月目

53か月目

60か月で戻らない

20人・条件3

14か月目

23か月目

60か月で戻らない

60か月で戻らない

「20人」は、同じ作業を4倍の人数で行っている場合です(作業記録の時間を4倍にして計算)。

試算から読み取れること

  • 書き写しの1か所を切り出す既存システムの改修は、5人の規模で確認や例外が残る条件2の場合、累計がプラスになるのは時間換算で19か月目、実際の支出では56か月目です。条件3のように手作業が残ると、実際の支出では60か月で戻りません。同じ作業を20人で行っている規模なら、実際の支出でも12〜23か月目に戻ります。
  • PoC→本開発を、この1つのExcel業務の作業時間だけで回収しようとすると、5人の規模ではどの条件でも60か月で戻りません。20人の規模でも、実際の支出の削減だけでは戻りません。本開発を選ぶなら、その理由は作業時間の回収ではなく、7つの質問の②③⑦(会社の元データ・誤りの影響・見せる範囲と承認の記録)のような、時間に表しにくいリスクや統制に置いて説明する必要があります。
  • PoCを止めた場合、300万円は回収するものではなく、進めないと決めるための費用です。決裁では、PoCで何が確かめられれば続け、何が分かれば止めるのかを、始める前に決めておいてください。
  • 余力(5人・条件2で月17.6時間)は、何に回すかを決めなければ支出は減りません。「月◯時間浮く」を決裁に使うなら、その時間で何をするかもあわせて書いてください。

自社の数字で試すときは、上の架空の記録の代わりに、担当者ごとに2〜4週間、「作業名・かかった分数・残業かどうか」を記録してください。表や計算式はAIに作らせれば速く用意できますが、記録そのものは現場で取る必要があります。

反対に、担当者1人が月2時間しか使っていない作業なら、時間換算でも月6,000円、年7.2万円です。100万円の改修費を取り戻すのに約167か月(14年近く)かかるので、この場合はシステム化よりも「② Excelを整える」ほうが合理的です。

時間に表しにくいコストもあります。数字にしにくいものの、決裁の場では時間の試算と一緒に示してください。

  • 書き写しのミスによる請求書の訂正や、顧客へのお詫びにかかる手間
  • 作った人の退職や異動で、業務そのものが止まるリスク
  • ファイルの破損や上書きで、データを作り直す手間
  • 監査や取引先の確認のときに、根拠のデータを探し出す手間

投資の回収の考え方はAI導入のROI試算でも詳しく説明しています。

Excel業務のシステム化で失敗しやすい3つのパターン

パターン1:今のExcelの見た目を、そのままシステムにしようとする

セルの結合、色分けでの意味づけ(黄色は確認待ち、など)、1つのシートに意味の違う表を並べる、といったExcel独特の作りを、そのまま画面にしようとすると、システムは複雑で高くなり、しかも使いにくくなります。

移すべきなのは見た目ではなく、その表で回している業務のルールです。見積を頼む前に、「この色は何を意味しているか」「この列は誰が何のために入力しているか」を書き出してください。書き出す作業そのものが、発注する側でできる要件の整理になります。進め方は発注側の要件定義の進め方で解説しています。

パターン2:過去データの整理を後回しにする

費用の章で書いた名寄せを「移行のときにやればいい」と後回しにすると、稼働の直前になって自動で取り込めないデータが大量に見つかります。見積を頼む段階で、実際のデータのサンプル(個人情報や取引先名は伏せたもの)を渡してください。整理にかかる手間を先に見積もってもらえるので、後から追加の費用が出るのを防げます。

パターン3:移行した後も、Excelを並行して使い続ける

新しい仕組みが動き始めた後も、「念のため」とExcelでの管理を続けると、正しいとするデータが2つになります。2つのデータが食い違ったとき、どちらを信じればいいか分からなくなり、Excelだけで管理していた頃より悪い状態になります。

並行稼働そのものは必要ですが、始める前に終わる日を決め、「この日からはシステム側のデータが正しい」と社内に伝えてください。 その後のExcelは、システムから出力したデータを見るためだけに使います。

当社が公開できる実績|取込・集計・確認と、権限・確認工程

守秘義務のため、社名・金額・削減効果の数字は公開していません。ここでは、Excel業務のシステム化に関係する当社の実績を、公開できる範囲で紹介します。

通信事業:数万件の請求情報の取込・集計・確認画面

数万件規模の請求情報を取り込んで集計し、担当者が結果を確認するための画面を作りました。7つの質問でいうと、④(ほかのシステムとのつながり)と⑤(データの量)に当たる部分です。取込と集計を仕組みに任せ、人は確認画面で結果を確かめる、という役割の分け方です。計算の中身、処理の速さ、削減効果は公開していません。

薬局:複数店舗・数千人分の記録管理、権限、確認工程

複数の店舗で扱う数千人分の記録を管理し、誰がどの記録を見られるかの権限と、確認の工程を組み込みました。7つの質問でいうと、①(複数の拠点が更新する)と⑦(見せる範囲と確認の記録)に当たる部分です。

どちらも、業務全体を一度に置き換えた話としてではなく、「取込・集計」「権限・確認」という切り出せる処理として紹介しています。Excel業務でも同じように、Excelに残す部分と、切り出して仕組みにする処理を分けるところから始められます。

相談から稼働までの流れと費用の段階

Excel業務のシステム化の相談を受け付けているAI革命のロゴ

出典: AI革命 公式サイト

段階

内容

費用(税別)

発注する側でやること

1. 初回相談

無料・30分・オンライン(Google Meet)。要件が決まっていなくても大丈夫です。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをメールでお送りします

無料

困っているExcel業務と、作業ごとに月何時間かかっているかを伝える

2. 提案・見積

資料を受け取ったうえで、残すExcelと切り出す処理を分け、既存システムの改修・PoC・本開発・既製サービスのどれが合うかを示す

無料

対象の業務を1つに絞る。実データを伏せたサンプルを用意する

3. 要件の整理

作るものの中身と範囲を決める。要件定義書の作成などは有償で、始める前に範囲と金額を示して合意を取る

有償の場合あり

Excelの色・列・マクロが何を意味しているかを書き出す

4. 既存システムの改修 または PoC

範囲が絞れていれば既存システムの改修、効果が読めなければPoC

100万円〜/300万円〜

途中の確認、テストへの参加

5. 続けるか止めるかの判断(PoCの場合)

PoCの結果で、本開発に進む・範囲を変える・止めるを決める

—

事前に決めた基準で判断する

6. 本開発・データ移行・並行稼働

本番の仕組み、過去データの移行、新旧の結果の突き合わせ

個別見積

並行稼働を終える日を決め、「この日からシステム側が正しい」と社内に伝える

7. 運用・改善

使われ方の確認、変更への対応

運用・保守の費用は見積で確認

改善要望の取りまとめ

各段階の期間は、対象の範囲とデータの状態で大きく変わります。見積のときに、段階ごとの期間と、効果が出始める時期を確認してください。

最初のご相談の前に、次の5つが分かっていると話が早く進みます。すべて揃っていなくても構いません。秘密情報・本番の認証情報・実際の顧客データは送らないでください。

  • 対象のExcelの列名や画面の様子(実データは伏せるか、架空の値に置き換えたもので構いません)
  • 誰が、いつ、どのシステムから、何を書き写しているか
  • その作業に、担当者ごとに月何時間かかっているか
  • マクロがある場合、作った人と、いま直せる人がいるか
  • 7つの質問で当てはまった項目

時間がかかりやすいのは、技術的な難しさよりも、社内で「対象の業務を1つに絞れない」「データがどこにあるか分からない」という理由で止まる場面です。その整理から一緒に進める前提でお受けしています。進め方の詳細は受託開発サービスのページでご確認いただけます。要件が固まっていない段階での相談の仕方は要件が固まっていない段階で開発会社に相談する方法で、小さく始めて広げる発注の仕方は段階的な開発の発注で解説しています。

よくある質問

Q1. マクロを作った担当者が退職しました。システム化と作り直しのどちらを先にすべきですか。

どちらよりも先に、「そのマクロが何をしているか」を書き出してください。どのファイルのどの列を読み込み、何を計算・転記し、最後に何を作っているかを、実際に動かした結果から紙1枚にまとめます。その間はマクロに手を加えず、ファイルのコピーを取ってから使い続けます。ファイルの保存場所や受け渡しの方法も変えないでください。ブラウザ版のExcelに移すとマクロは動きませんし、メールで送り直すとマクロが止まることがあるためです。書き出した結果、①(複数の部署が更新する)や②(会社の元データ)、⑦(見せる範囲や承認の記録)に当てはまるならシステム化を検討します。1人で使う集計だけなら、マクロを作り直すか、繰り返しの作業を自動化すれば足ります。どちらを選ぶ場合も、仕様書と、作ったものの引き渡しを発注の条件に入れて、「作った人しか分からない」状態を二度と作らないようにしてください。

Q2. Copilot in Excelを入れれば、システム化は不要になりますか。

作業を速くする道具としては役立ちますが、システム化の代わりにはなりません。Copilotを入れても、ファイルごとにデータを持つExcelの仕組みは変わらないためです。費用の面でも比べておく価値があります。Copilot Businessを20名で使うと、年契約で年約75.6万円(1ユーザー月3,148円・税別。ほかに対象となるMicrosoft 365のプランの契約が必要)です。kintoneスタンダードを20名で使う場合の年43.2万円(税別)より高くなります。「全員の作業を速くしたい」ならCopilot、「データの持ち方を変えたい」ならシステム化、と目的で分けて考えてください。両者は対立するものではなく、システム化した後に、システムから出力したデータをExcelで分析するときにCopilotを使う、という組み合わせも成り立ちます。

Q3. kintoneなどの既製サービスと開発では、5年で比べるとどちらが安いですか。

使う人数と、作るものの範囲で逆転します。kintoneのスタンダードを20名で使うと、年43.2万円、5年で216万円(税別。初期費用は無料)です。開発と比べるときは、「既製サービス:1ユーザーの月額 × 人数 × 60か月(+組み立てを外注する費用)」と「開発:開発費 + 月の運用・保守費 × 60か月」を並べます。使う人が多いほど既製サービスの月額が積み上がるので、作るほうが有利になりやすく、使う人が少なく業務の流れが一般的なら、既製サービスのほうが安く済みます。どちらの場合も、データ移行と並行稼働の負担は別にかかります。開発の見積に、運用・保守の月額とデータ移行が含まれているかを必ず確認してください。計算の詳細は業務システム開発の費用相場をご覧ください。

Q4. Excel業務のシステム化に補助金は使えますか。

移し先によって変わります。代表的な「デジタル化・AI導入補助金2026」の通常枠は、事務局に登録されたITツールを導入する費用(ソフトウェアの購入費や、最大2年分のクラウド利用料など)が対象で、申請はツールを登録している販売会社など(IT導入支援事業者)と一緒に行います。kintoneのような登録済みのサービスに移すなら対象になり得ますが、自社専用のシステムをゼロから作る受託開発は、公式ページに対象と書かれておらず、原則として対象外と考えてください。補助率は1/2以内(条件を満たすと2/3以内)です。補助額は、導入するツールが受け持つ業務の種類(顧客対応・販売、会計・財務、在庫・物流、総務・人事・給与など)の数で決まり、1種類以上なら5万円以上150万円未満、4種類以上なら150万円以上450万円以下です。2026年10月8日に公式スケジュールで確認した時点で、掲載されている通常枠の締切は2026年10月30日(金)17:00、交付決定は2026年12月10日(木)の予定、事業の実施と実績報告の期限は2027年5月31日(月)17:00の予定です。それ以降の回の日程はまだ掲載されていません。交付決定から入金までの期間は公式スケジュールに書かれていません。 補助金は事業を終えて実績を報告した後に支払われる仕組みなので、いったん全額を立て替える前提で資金繰りを考えてください。制度は変わることがあるので、申請前に必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。

Q5. 患者情報や個人情報が入ったExcelも、システム化できますか。

できます。個人情報が入ったExcelは、ファイルのコピーがメールの添付や個人のパソコンに残りやすいため、むしろ早めに見直したい表です。システム化するときは、①誰がどの項目を見られるか、②データをどこに保存するか(自社で契約しているクラウドか、開発会社の環境か)、③誰がいつ何をしたかの記録をどこまで残すか、の3点を必ず要件に入れてください。業界ごとのガイドラインなどで求められる要件は、社内の担当部署と一緒に確認する必要があります。当社には、薬局の複数店舗・数千人分の記録管理で、権限と確認工程を組み込んだ実績があります。お客様が契約しているクラウド環境の中でシステムを作ることにも対応できます。

Q6. システム化しても、今度は開発会社に頼りきりになるだけではありませんか。

契約の内容で防げます。Excelの「作った人しか直せない」問題と同じことが起きないように、契約前に次の3点を確認してください。①プログラム本体(ソースコード)と、設計書・運用の手順書が納品物に含まれるか、②サーバーや外部サービスのアカウントを自社の名義にできるか、③保守契約の対応範囲と月額はいくらか。当社に依頼される場合も、引き渡す範囲は契約の前に一緒に確認してください。既製サービスに移す場合は、解約するときにデータを一括で取り出せるかを確認しておくと安心です。保守費の考え方は保守運用費の相場、依頼先の選び方は開発会社の選び方で解説しています。

Q7. Googleスプレッドシートに乗り換えるのは、システム化になりますか。

表計算ソフトどうしの乗り換えなので、7つの質問で見た壁はほとんど越えられません。ファイル(シート)ごとにデータを持つという仕組みは変わらないためです。乗り換えたい理由が「複数人で同時に編集したい」だけなら、今のExcelでもMicrosoft 365とクラウドの保存場所を使えば解決します。②(会社の元データ)や⑦(見せる範囲と承認の記録)に当てはまるなら、表計算ソフトを替えるのではなく、データの持ち方を変える必要があります。すでにGoogle Workspaceを使っているなら、AppSheet(Coreプランは多くの有料プランに含まれます)で、スプレッドシートのデータに入力画面を付け足す方法もあります。

残すExcelと切り出す処理を決めたい方へ

2026年のExcelは、共同編集も変更の確認もできます。そのため「複数人で使う」だけでは、システム化の理由になりません。境界になるのは、会社として正しいデータを1か所に決めること、見せる範囲と承認の記録、ほかのシステムとの自動連携、データ量、そして作った人がいなくても直せることです。費用は、PoC・続けるか止めるかの判断・本開発と移行・運用に分け、作業時間の削減と実際の支出の削減を分けて見積もってください。

  • 別のシステムからExcelへの書き写しが、毎日発生している
  • 作った人しか直せないマクロで、月末の集計や請求が回っている
  • 既製サービスで足りるのか、作るべきなのか判断がつかない
  • PoCから始めるべきか、既存システムの改修で足りるのか決められない

このいずれかに当てはまるなら、初回相談は無料・30分(オンライン)です。要件が決まっていなくても大丈夫です。当社の価格は、既存システムの改修が100万円〜、PoCが300万円〜、本開発は個別見積(すべて税別。クラウド利用料などの実費は別)です。公開できる実績には、通信事業の請求情報の取込・集計・確認画面と、薬局の複数店舗の記録管理・権限・確認工程があります。

ご相談の際は、①対象のExcel業務、②作業ごとに月何時間かかっているか、③書き写し元と書き写し先のシステム名、④想定している予算、の4点をお聞かせください。自社でAIを使って進める部分と、任せる部分を一緒に切り分け、相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。Excelの使い方を変えるだけで済む場合や、既製サービスで足りる場合は、その旨を正直に申し上げます。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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