AIツール2026年10月更新

Muse Spark Openとは?Metaのオープンウェイト版の性能・ライセンス・必要スペック・使い方【2026年10月速報】

公開日: 2026/10/15
Muse Spark Openとは?Metaのオープンウェイト版の性能・ライセンス・必要スペック・使い方【2026年10月速報】

この記事のポイント

Muse Spark Openは、Metaが2026年10月15日に重みを公開した総8160億パラメータのAIモデルです。動かすには700GB以上のメモリが要るため、まずはAPI(入力1.25ドル・出力4.25ドル)で試すのが現実的です。Kimi K3・GLM 5.3との性能比較、ライセンスの表示義務、Mac Studio 2台で動かす条件まで整理しました。

Muse Spark Open(ミューズ・スパーク・オープン)は、Metaが2026年10月15日(米国時間)に重みを公開した、総パラメータ8160億(816B)の大型AIモデルです。中身は非公開のMuse Spark 1.3と同じベースモデルで、そこにオープンウェイト向けの安全性の追加学習を加えています。重みは無料でダウンロードできますが、動かすには700GB以上のメモリが要ります。個人のPCでは動かないため、まずはOpenRouterなどのAPIで試すのが現実的です。

Metaは「米国製のオープンウェイトモデルとして現時点で最も高性能」としています。ただ、ベンチマークはすべてMeta自身の測定です。総合指標では、Muse Spark Openは中国のKimi K3やGLM 5.3を下回っています。

この記事でわかること

  • Muse Spark Openの基本仕様と、Muse Spark・Muse Wonder・Muse Glimmerとの違い
  • Kimi K3・GLM 5.3との比較で勝っている項目・負けている項目
  • 料金(重みは無料、APIは入力1.25ドル・出力4.25ドル)と、手元で動かすハードの費用
  • ライセンスの条件(表示義務、売上2000万ドルの条件、禁止されている用途)
  • API・クラウド・Mac Studio 2台の3通りの使い方と、それぞれの選び方
  • 安全性の公表値と、自分で動かすときに必要な対策

対象読者:オープンウェイトの大型モデルを自社で動かすか検討している開発者・情報システム担当、Kimi K3やGLM 5.3など中国勢のオープンモデルと比べたいチーム、MetaのMuseシリーズの全体像をつかみたい人。

Muse Spark Openとは:Muse Sparkの重みを公開した大型モデル

Meta公式ブログに掲載されたMuse Spark Openの公開告知画像

出典: Meta 公式ブログ

Muse Spark Openは、Meta Superintelligence Labs(MSL)が開発したMuseシリーズのうち、重み(モデル本体のデータ)をダウンロードして自分の環境で動かせる大型モデルです。2026年8月にザッカーバーグ氏が「Muse Sparkをオープンウェイトで出す」と表明しており、その約束をこの形で果たしました。

項目

内容

名称

Muse Spark Open(Hugging Face上は meta-models/Muse-Spark-Open-816B-A42B)

開発元

Meta(Meta Superintelligence Labs)

公開日

2026年10月15日(米国時間)

元のモデル

Muse Spark 1.3と同じベースモデル+オープンウェイト向けの安全性の追加学習

パラメータ

総816B(8160億)、1トークンあたりに動くのは42B(420億)

構造

Mixture-of-Experts(MoE)+1.8Bの画像・動画用エンコーダー

エキスパート数

256個(トークンごとに8個が動く)

コンテキスト長

100万トークン

入力

テキスト・画像・動画・音声

出力

テキストのみ

推論の強さ

low / medium / high / xhigh(既定はxhigh)

配布形式

BF16と、4bit量子化のNVFP4

ライセンス

Muse Model License(Metaの独自ライセンス)

ダウンロード

承認制(Hugging Faceで申請フォームの送信が必要)

出典: Meta公式ブログ / Hugging Face モデルカード / PyTorch公式ブログ

「総816B・アクティブ42B」は、MoEという構造の特徴です。モデルの中に256個の専門家(エキスパート)がいて、1語を処理するたびにそのうち8個だけが動きます。計算量は42Bのモデル並みに抑えられますが、メモリには816B分すべてを載せる必要があります。動かすのに大がかりなハードが必要になるのはこのためです。

なお、PyTorch公式ブログの見出しは「Muse Spark 1.2 Is Now Open Weights」です。一方、本文では「1.3と同じベースモデル」と説明されています。8月に公開を予告した1.2がそのまま出たのではなく、1.3世代のベースから作った公開版と理解するのが正確です。

「オープンウェイト」と「オープンソース」の違い

Muse Spark Openは「オープンウェイト」ですが、Apache 2.0やMITのような制限のないオープンソースではありません。重みは公開されていますが、利用にはMeta独自のライセンス条件(表示義務・売上の条件・禁止用途)が付きます。米テックメディアのThe New Stackも「重みは公開されているが、ライセンスは完全なオープンではない」と指摘しています。

Museシリーズの中での位置づけ

Metaの「Muse」という名前のモデルは、2026年に入って4種類に増えました。用途と動かし方がそれぞれ違います。

モデル

公開日

重みの公開

規模

ライセンス

料金(100万トークン)

手元で動かせるか

Muse Glimmer

2026年8月10日

あり

約30B(Dense)

Apache 2.0

重みは無料

24〜32GBのGPUやMacで可

Muse Spark Open

2026年10月15日

あり

816B(MoE、アクティブ42B)

Muse Model License

重みは無料/API 入力$1.25・出力$4.25(OpenRouter)

700GB以上のメモリが必要

Muse Spark 1.3

2026年9月2日

なし

非公開

API利用規約

入力$1.25・出力$4.25(Standard)

不可

Muse Wonder

2026年10月12日

なし

非公開

API利用規約

入力$4・出力$20

不可

シリーズ全体の流れはMeta Muse Sparkとはで整理しています。デモで使われたコーディングエージェントについてはMeta Muse Codeとはをご覧ください。

Muse Spark Openでできること

Metaが想定している中心の用途はコーディングとエージェント作業です。長い時間をかけて手順を立て、実行し、結果を見て直す、という作業を続けられるように学習されています。

できること

内容

エージェント型のコーディング

複数ファイルにまたがる修正、デバッグ、長時間のタスク。100万トークンのコンテキストでリポジトリ全体を読み込める

ツール・コンピューター操作

Web閲覧、サブエージェントの起動と取りまとめ、デスクトップ・モバイル・ブラウザの操作

行動前の説明

操作の前に「何をするつもりか」を別枠(commentary)で出力する

マルチモーダルの理解

画像・文書の読み取り、音声、音声付き動画の理解

推論の強さの切り替え

reasoning_effortをlow〜xhighで指定。複雑なコーディング・エージェント作業にはhighかxhighを推奨

追加学習

PyTorchのTorchTitanで、複数ターンのSFT・LoRA・強化学習に対応

Metaの公式デモでは、Muse CodeとMuse Spark Openを組み合わせ、すべて端末の中で次のような作業をしていました。

  • オープンソースのMastodonクライアント「Ice Cubes」のバグ修正・機能追加・ビルド
  • 動画編集ソフトDaVinci Resolveを操作し、映像をフレーム単位で確認して縦型に切り出す

推奨のサンプリング設定はtemperature 1.0・top_p 1.0・top_kは無効です。ほかのモデル向けの設定を流用すると挙動が変わる可能性があります。

対応している推論エンジン

SGLang・vLLM・TensorRT-LLM・Hugging Face Transformers・Apple MLX・llama.cpp・Unslothに対応しています。AMD・Apple・Intel・NVIDIA向けの最適化も入っています。PyTorchのHelionで書かれた処理(カーネル)も同梱されており、PyTorch公式ブログによると、NVIDIA GB300では処理単位で1.03〜3.95倍速くなったとのことです。

ベンチマーク比較:Kimi K3・GLM 5.3との違い

Hugging Faceで公開されているMuse Spark Openのモデルページ(Muse-Spark-Open-816B-A42B)

出典: Hugging Face 公式モデルカード

ツール連携・知識問題・安全性ではMuse Spark Openが上、コーディングと総合指標ではKimi K3・GLM 5.3が上です。比較の数値はすべてMeta自身の測定です。

次の表は、モデルカードに載っている比較から代表的な項目を抜き出したものです(Muse Spark Openはxhigh、Kimi K3・GLM 5.3はmaxの設定)。

分野

ベンチマーク

Muse Spark Open

Kimi K3

GLM 5.3

Qwen3.8-2.4T-A95B

総合

Artificial Analysis Intelligence Index

39

44

45

40

仕事の作業

JobBench

61.8

54.3

61.4

52.7

ツール連携

MCP-Atlas

89.2

82.3

84.2

84.5

仕事の成果物

GDPVal-AA v2

1401

1537

1653

1613

PC操作

OSWorld Verified

80.4

84.8

-

-

ツール利用

Toolathlon Verified

72.8

76.5

73.0

72.5

知識・推論

HLE(ツールなし)

26.1

22.2

16.4

17.3

事実知識

AA Omniscience

25

20

14

4

科学

GPQA Diamond

89.0

93.5

91.7

93.5

長時間コーディング

DeepSWE 1.1

60

68

67

57

コードの質問応答

SWE-Atlas-QnA

58

66

59

62

ターミナル作業

Terminal-Bench 2.1

76.4

85.0

83.9

82.0

画像推論

SimpleVQA(ツールあり)

73.6

71.9

-

-

動画理解

VideoMMEv2

61.5

65.4

-

-

安全性(低いほど良い)

StrongREJECT v2

0.5

66.6

62.9

65.6

出典: Hugging Face モデルカード(2026年10月16日確認。「-」は掲載なし)

数字の読み方

  • 総合指標では中国勢の上位モデルに届かない:Artificial Analysisの指数は39で、Kimi K3(44)やGLM 5.3(45)を下回ります。Qwen3.8の大型版(40)ともほぼ同じです
  • 強いのはツール連携と知識:MCP-Atlas(MCPでのツール連携)、JobBench、HLE、AA Omniscienceでは上回っています。事実知識の正確さを測るAA Omniscienceでは差が特に大きく出ました
  • コーディングは意外に弱い:Metaはコーディング用途を前面に出していますが、DeepSWE・SWE-Atlas・Terminal-Benchでは、Kimi K3・GLM 5.3のどちらにも負けています
  • 安全性は大差:攻撃的なプロンプトへの耐性を測るStrongREJECT v2は0.5で、モデルカードで比較されたほかのモデル(60〜80台)と桁が違います

モデルカードには、この表に載せていないSciCode・HLE(ツールあり)や画像系の項目もあります。安全性の項目を除き、Kimi K3と共通で掲載されている20項目を数えると、Muse Spark Openの8勝12敗です。GLM 5.3とは13項目中4勝でした。「米国製で最も高性能」というMetaの主張は、比較表に並ぶ米国製のモデル(NVIDIAのNemotron 3 Ultraは指数23)と比べれば成り立ちます。ただ、オープンウェイト全体で見ると首位ではありません。

ちなみに、同じベースモデルを使う非公開版のMuse Spark 1.3は、Artificial Analysisの指数が48です(Muse Wonderの記事で整理)。公開版の39とは差があり、安全性の追加学習などが影響しているとみられます。比較相手のモデルはKimi K3とはとGLM-5.3とはで詳しく解説しています。

独立した第三者による評価は、10月16日時点ではまだ出ていません。

Muse Spark Openの料金:重みは無料、APIはMuse Spark 1.3と同じ単価

重みはライセンスの範囲内なら無料です。手元で動かさずAPIで使う場合、OpenRouterでは100万トークンあたり入力1.25ドル・出力4.25ドルです。

APIで使う場合

提供先

入力

出力

コンテキスト

OpenRouter(meta/muse-spark-open)

$1.25

$4.25

1,048,576トークン

Baseten・Fireworks AI・Groq・Modal・Nebius・Together AI

未確認

未確認

-

単位:100万トークンあたりのUSD。出典: OpenRouter(2026年10月16日確認)

OpenRouterの単価は、Meta Model APIで使うMuse Spark 1.3(Standard)と同じです。APIで使うだけなら、総合指数が高いMuse Spark 1.3を選ぶほうが有利な場面もあります。Muse Spark Openを選ぶ意味が出てくるのは、重みを手元に置きたい場合、追加学習をしたい場合、複数のプロバイダーから選びたい場合です。

OpenRouterの使い方はOpenRouterとはで解説しています。

手元で動かす場合のハードの費用

自分で動かす場合、ライセンス料はかかりませんが、ハードウェアの費用が大きくなります。

構成

費用の目安

出典・備考

Mac Studio(M5 Ultra、512GB)×2台

価格未発表

Metaの推奨構成。Appleは512GB版の価格を発表しておらず「10月下旬発売」とだけしている

Mac Studio(256GB)×4台

約3万8000ドル

Engadgetの試算

GPUサーバー(VRAM 700GB以上)

構成により大きく異なる

NVIDIAのデータセンター向けGPUを複数枚。クラウドなら時間課金

日本での512GB版Mac Studioの価格と発売日は、10月16日時点で発表されていません。

ライセンスの条件:表示義務・売上2000万ドル・禁止用途

社内利用や自社製品への組み込みなら、多くの企業は無料で使えます。ただし「Built with Muse Spark Open」の表示義務があります。また、モデルそのものを他社に提供する事業には売上の条件が付きます。

Muse Model License(Muse Spark Open版、2026年10月15日付)の主な条件は次のとおりです。

条件

内容

日本企業が気をつける点

表示義務

モデルや派生モデルを使った製品は、UI・ドキュメント・Webサイト・設定メニューのいずれかに「Built with Muse Spark Open」を目立つように表示する

社外向けサービスに組み込むなら、表示する場所を決めておく

著作権表示

配布するときは、著作権表示・ライセンス・利用ポリシーを含める

派生モデルを配るときも必要

売上の条件

モデルをサービスとして第三者に提供(MaaS)する場合、直近12か月の総売上(関連会社を含む)が2000万ドルを超えるなら、提供前にMetaへ通知し別の書面契約を結ぶ

社内利用・研究・自社製品の機能への組み込みは対象外

派生・追加学習

ファインチューニング・蒸留・派生モデルの作成は許可

派生モデルにも表示義務が及ぶ

禁止用途

違法行為、嫌がらせ、資格の必要な専門業務を無資格で行うこと、マルウェア、兵器、偽情報、なりすまし、重要インフラの運用など

自社の用途が禁止リストに当たらないか確認する

出典: Hugging Face モデルカード / Trending Topics

2000万ドルの条件は「総売上」で判定し、MaaSとして提供するときにだけかかります。社内で使う、自社のアプリの一機能として組み込む、という使い方ならこの条件は関係しません。生成した出力の権利をMetaは主張していません。

Muse Model Licenseは、開放度で比べるとKimi K3のライセンスに近い位置づけです。QwenやGLMの多くはより制限の緩いライセンスで、同じMetaのMuse GlimmerもApache 2.0です。

ここで書いた内容は条件の要約で、法的な助言ではありません。商用で使うときはライセンス原文を読み、法務部門に確認してください。

ダウンロードは承認制

Hugging Faceから重みを取得するには、氏名・生年月日・組織名・企業の識別情報を入力するフォームを送信する必要があります。送信後は内容を修正できないので、会社として申請するなら誰の名義で出すかを先に決めておきましょう。

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必要なスペック:個人のPCでは動かない

Muse Spark Openを2台構成で動かせるAppleのMac Studio

出典: Apple 公式サイト

4bit量子化(NVFP4)でもVRAM 700GB以上、BF16では2TB以上が必要です。ゲーミングPCやGPU1枚のワークステーション、普通のMacでは動きません。

配布形式

必要なメモリ(モデルカード)

重みの大きさ(Apple公表)

NVFP4(4bit)

VRAM 700GB以上

約493GB

BF16

VRAM 2TB以上

1.6TB超

重みの大きさより必要なメモリが多いのは、長い文章を処理するときの一時データ(KVキャッシュなど)にもメモリを使うためです。

Mac Studio 2台で動かす条件と速度

MetaはAppleと数か月かけて協業し、M5 Ultra搭載のMac Studio(512GB)2台をつないで動かす構成を用意しました。9to5Macは「2台で約1TBのメモリを持つ1台のスーパーコンピューターとして動く」と紹介しています。Apple Machine Learning Researchが公開した条件は次のとおりです。

  • macOS 26.2以降
  • MLX v0.30.1以降
  • Thunderbolt 5で2本のケーブルを使って接続(RDMAドライバー)
  • MLXのjacclバックエンドで分散推論
  • 量子化はNVFP4

構成

生成速度

最初の1文字までの時間

2台・パイプライン並列

15.74トークン/秒

8.4秒

2台・テンソル並列

24.99トークン/秒

8.2秒

4台・テンソル並列

36.73トークン/秒

-

8,192トークンのコンテキストでの測定です。出典: Apple Machine Learning Research

起動コマンドの例も公開されています。

mlx.launch --hostfile hostfile.json --backend jaccl --env MLX_METAL_FAST_SYNCH=1 -- mlx_lm.server --model meta-models/Muse-Spark-Open-816B-A42B-NVFP4 --port 8080

最低2台で動き、4台にすると速くなる、という理解で問題ありません。毎秒25トークン前後なら1人で対話的に使うには足ります。一方、社内の多人数で同時に使うには余裕がありません。

RTX 5090やOllamaでは動くのか

RTX 5090(32GB)1枚ではメモリがまったく足りません。Hugging Faceには、llama.cpp・Ollama・LM Studio向けとするコミュニティ製の量子化版が10件ほどリンクされています。ただ、Ollama公式ライブラリへの登録やMeta公式のGGUFは確認できませんでした。量子化を強めてもモデルの大きさは数百GB単位です。手元のPCでMetaのモデルを動かしたいなら、30BのMuse Glimmerが現実的な選択肢になります。ローカル実行の基本はOllamaとはで解説しています。

使い方:API・クラウド・自前運用の3通り

OpenRouterに掲載されたMuse Spark OpenのAPI料金(入力1.25ドル・出力4.25ドル)

出典: OpenRouter 公式

まず試すならAPI、データを外に出せない業務ならクラウドの自社環境か自前運用、という分け方が基本です。

方法

初期費用

速度

データの扱い

難しさ

合う場面

① APIで使う(OpenRouterなど)

ほぼゼロ(従量課金)

速い

プロバイダーに送られる

低い

性能を確かめたい、少量で使いたい

② クラウドで重みを動かす(SageMaker・Model Gardenなど)

GPUインスタンスの時間課金

構成次第

自社のクラウド環境内

中〜高

既存のクラウド契約の中で閉じて使いたい

③ 手元で動かす(Mac Studio 2台・GPUサーバー)

数万ドル以上(Engadget試算で256GB版4台なら約3万8000ドル)

1人なら実用的

社外に出ない

高い

機密データを扱う、利用量が多い

① APIで試す

  1. OpenRouterでアカウントを作り、クレジットを入れてAPIキーを発行する
  2. モデルIDにmeta/muse-spark-openを指定してリクエストする
  3. コーディングやエージェント作業では、推論の強さをhighかxhighにする

Meta公式ブログでは、ほかにBaseten・Fireworks AI・Groq・Modal・Nebius・Together AIが提供先として挙がっています。料金や速度はプロバイダーごとに違うので、OpenRouterで比べてから決めると手間が少なくて済みます。Meta Model API(dev.meta.ai)でMuse Spark Openを直接提供しているかは確認できませんでした。

② クラウドで重みを動かす

重みはAmazon SageMaker AI・Google Cloud Model Garden・Microsoft Foundry Models・Hugging Faceで配布されています。普段使っているクラウドがあれば、その中のGPUインスタンスで動かせます。データは自社のクラウド環境の外に出ません。GPUの時間料金は構成によって大きく変わります。

③ 手元で動かす

Hugging Faceで承認を得てから重みをダウンロードし、Mac StudioならMLX、GPUサーバーならvLLMやSGLangで起動します。モデル単体にはガードレールが付いていないので、入力・出力のフィルターや操作の承認手順は運用する側で用意する必要があります。

業務で使うときの判断ポイント

自社の業務に組み込むときは、「APIで性能を確かめる → 機密データを扱うかどうかで②か③を選ぶ」の順に進めると、ハードを買ってから性能不足に気づく失敗を防げます。新しいモデルを自社の業務システムに組み込むときの進め方と費用の目安は、既存システムにAIを組み込む方法で解説しています。

Engadgetは「トークンを大量に使う大きな組織なら投資の価値があるかもしれない。ただしMetaの主張どおりの性能が出る場合に限る」と評価しています。APIの単価が入力1.25ドルと安いため、利用量がかなり多くないと、ハードを買ってもAPIより安くはなりません。

安全性と注意点

Metaはオープンウェイト単体で使われる前提で安全性の追加学習をしていますが、実際の運用での安全対策は使う側の責任です。

Metaが公表している安全性の数値

  • Meta社内のサイバー系ベンチマークで、脱獄(制限を外す攻撃)への拒否率99.2%(サイバー系全体の集計では94.8%)
  • 生物分野の危険な質問を測るSecureBio BioTIERで、拒否率98%超
  • 正直さを測るMASKで98.1%
  • 不適切な行動を測るAgentic Misalignmentで、問題行動0%

Metaは独自のリスク評価の枠組み(Meta Superintelligence Scaling Framework)で、最も深刻なリスクを評価して公開基準を満たしたと説明しています。ただし、詳しい評価レポートは「近日公開」とされ、10月16日時点では出ていません。

Metaが推奨している使い方

  • 単体で使わず、用途に合ったガードレールを組み合わせたシステムの一部として使う
  • 元に戻せないエージェントの操作(削除・送信・決済など)の前に、人の確認を入れる
  • 生の思考過程(chain-of-thought)を利用者に見せない
  • 脱獄対策は何層にも重ねる

自分で動かすときの注意

手元で動かせばデータが社外に出ないのは大きな利点です。その一方で、APIの提供元が用意している不正利用の検知やフィルターはありません。エージェントにファイル操作やコマンド実行を任せるなら、権限を必要な範囲に絞り、サンドボックス(隔離した環境)で動かしてください。

モデルの制約

  • 出力はテキストのみ(画像・音声は生成できない)
  • 短い動画や低解像度の動画には「見られない」と返すことがある(短辺448px以上を推奨)
  • 強く対応している言語以外では性能が落ちることがある。日本語の性能は個別に公表されていない
  • 量子化版では、まれなケースで品質に差が出ることがある
  • 18歳未満の利用は想定されていない
  • 知識のカットオフ(学習データの期限)は公表されていない

Muse Spark Openがおすすめな人・おすすめしない人

こんな人・企業におすすめ

  • 機密データを社外に出さずに大型モデルを使いたい企業:自社のクラウドや手元のハードで動かせる
  • 自社データで追加学習したいチーム:TorchTitanでSFT・LoRA・強化学習に対応し、派生モデルの作成も許可されている
  • ツール連携の多いエージェントを作る開発者:MCP-AtlasやJobBenchで比較相手を上回っている
  • 中国製のオープンモデルを社内規程で使いにくい企業:米国製で、Kimi K3やGLM 5.3に近い性能のものを探しているなら候補になる
  • 安全性の高さを重視する用途:StrongREJECT v2の値が比較相手より大幅に良い

おすすめしない人

  • 個人のPCで動かしたい人:700GB以上のメモリが必要。ローカルならMuse Glimmerが現実的
  • APIで使うだけの人:同じ単価なら、総合指数の高いMuse Spark 1.3のほうが有利な場面がある
  • コーディング性能を最優先する人:DeepSWEやTerminal-BenchではKimi K3・GLM 5.3が上
  • ライセンスの制約を避けたい人:表示義務と売上の条件がある。Apache 2.0のモデルのほうが扱いやすい
  • 日本語の品質保証が必要な業務:日本語の性能が公表されていない

よくある質問

Muse Spark Openは無料で使えますか?

重みはライセンスの範囲内なら無料でダウンロードできます。ただし、700GB以上のメモリを持つハードウェアの費用は別にかかります。APIで使う場合は従量課金で、OpenRouterでは入力1.25ドル・出力4.25ドル(100万トークンあたり)です。

商用利用はできますか?

できます。社内利用や自社製品への組み込みなら、売上の条件はかかりません。ただし「Built with Muse Spark Open」の表示が必要です。モデルをサービスとして他社に提供する事業で、総売上が直近12か月で2000万ドルを超える企業は、Metaとの別契約が必要になります。

日本語で使えますか?

100以上の言語のデータで学習していますが、日本語の性能は個別に公表されていません。モデルカードには「すべての言語で評価したわけではない」とあります。日本語の業務文書で使うなら、本番の前に自社の文書で精度を確かめてください。

Metaのチャットアプリ(Meta AIやMuse)で使えますか?

Muse Spark Openは開発者向けにダウンロードとAPIで提供されるモデルです。Meta AIアプリやMuse(アプリ)で選べるという発表はありません。

Llamaとはどういう関係ですか?

どちらもMetaがオープンウェイトで公開したモデルですが、Muse Spark OpenはLlamaの後継として発表されたものではありません。2026年に作られたMuseシリーズのモデルです。Metaの前世代のオープンモデルについてはLlama 4 Maverickとはを参照してください。

画像は作れますか?

作れません。画像・動画・音声は入力として読み取れますが、出力はテキストのみです。

まとめ

  • Muse Spark Openは、Metaが2026年10月15日に重みを公開した総816B(アクティブ42B)のMoEモデル。Muse Spark 1.3と同じベースモデルに、安全性の追加学習を加えている
  • 重みは無料だが、動かすにはNVFP4でも700GB以上のメモリが必要。Mac Studio(512GB)2台をThunderbolt 5でつなぐ構成で、毎秒16〜25トークン程度
  • APIはOpenRouterで入力1.25ドル・出力4.25ドル。単価はMuse Spark 1.3と同じ
  • Meta公表の比較では、ツール連携・知識・安全性でKimi K3・GLM 5.3を上回る一方、コーディングと総合指数では下回る。第三者の評価はまだない
  • ライセンスは独自のもので、「Built with Muse Spark Open」の表示義務がある。売上2000万ドルの条件はMaaSとして提供する場合だけ

多くの人にとっての最初の一歩は、APIで自社のタスクを試すことです。そのうえで、機密データを扱う、追加学習したい、利用量が多い、といった理由があれば、クラウドや自前のハードで動かすことを検討するとよいでしょう。

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編集部

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