ビジネス活用2026年10月更新

ファインチューニングとRAGの比較|社内データをAIに学習させる方法・費用と決め方

公開日: 2026/09/19
更新日: 2026/10/10
ファインチューニングとRAGの比較|社内データをAIに学習させる方法・費用と決め方

この記事のポイント

社内データをAIに答えさせるなら知識はRAG、書き方の型はファインチューニング。利用料は300名規模の試算でRAGが月3万〜7万円、Azureの学習済みAIは置くだけで月約19万円。自社の質問で方式を決める評価の設計例も解説。

社内の規程・マニュアル・過去の事例をAIに答えさせたいなら、AIそのものを追加で鍛える「ファインチューニング」より、資料を読ませてから答えさせる「RAG」のほうが正確で安く、AIとクラウドの利用料は社員300名規模の例で月約3万〜7万円です。ファインチューニングは学習の計算費こそ数千円ですが、Azureで常時使える形に置いておくだけで質問がゼロでも月約19万円かかります。費用の本体になるのは、正解例づくりと、土台のAIが引退するたびの作り直しです。そのため、選ぶ意味があるのは「知識」ではなく「書き方や判断の型」をそろえたい場合に限られます。

さらに2026年は、選択肢そのものが変わりました。OpenAIは2026年5月7日、開発者向けの有料サービス(API)で提供してきたファインチューニングの段階的な終了を告知し、一度も使ったことのない会社は、すでに新しく始められません。「ChatGPTに自社のデータを学習させる」という計画は、前提から見直す必要があります。

本記事では、社内データをAIに使わせたい経営者・事業責任者・情報システム部門の方に向けて、方式ごとの毎月の費用・合う業務・データの置き場所を、各社の公式単価をもとに比較します。当社は受託開発で、社内データを使うAIの開発や方式の比較検証にも対応しています(既存システムの改修 100万円〜/小さく試す検証(PoC)300万円〜/本開発は個別見積、すべて税別)。ただし、資料の量によってはどちらも作らなくていい会社もあります。その判断の目安を数字で示し、自社の質問でどの方式が合うかを確かめる評価の設計例も載せます。金額は特記のない限り税別、ドル建ての料金は1ドル=153円で換算しています。

「AIに社内データを学習させる」方法は3つある

「社内データをAIに学習させたい」という相談の中身は、大きく3つの方法に分かれます。技術の名前ではなく、AIに何をさせるかで見ると違いがはっきりします。

方法

何をするか

資料が改定されたら

準備するもの

①読ませる(RAG)

質問が来るたびに関連する資料の箇所を探し出し、それを読んでから答えさせる。AI本体は変えない

資料を差し替えれば、その日から新しい内容で答える

答えさせたい資料

②鍛える(ファインチューニング)

「この入力にはこう答える」という正解例を大量に解かせ、AI本体を作り替える

正解例を直して学習し直し

業務担当者が作った正解例(数十〜数千件)

③丸ごと渡す(長文の読み込み)

資料をそのまま毎回AIに渡す。探す仕組みは作らない

渡す資料を差し替えるだけ

数万文字程度までの資料

言葉としては同じ「学習させる」でも、①と③はAI本体に手を加えず、②だけがAIを作り替えます。「社内データを学習させたAI」と呼ばれているものの中には、実際は①の読ませる方式のものもあります。どちらの意味で話しているかによって、費用の構造も、できることも大きく変わります。

仕組みの技術的な違いはRAGとはで解説しています。本記事では、どれを選ぶといくらかかり、何ができて何ができないかに絞ります。

2026年の最新事情|OpenAIは新規受付を終了、Azureの学習済みAIは2027年10月に引退

OpenAI開発者向けドキュメント「Supervised fine-tuning(教師ありファインチューニング)」のタイトル画像

出典: OpenAI Developers 公式

比較に入る前に、2026年に起きた変化を押さえておいてください。

OpenAI:自社APIでのファインチューニングを段階的に終了

日付

内容

2026年5月7日

段階的な終了を告知。一度もファインチューニングをしたことがない会社は、この日から新しく学習させられない

2026年7月2日

過去60日間に学習済みのAIを使っていない会社も、新しく学習させられなくなった

2027年1月6日

既存の利用者も含め、新しい学習の受付を全面終了

出典:OpenAI Deprecations、OpenAI Supervised fine-tuning

すでに学習させたAIは、土台になっているAI(gpt-4.1など)が廃止されるまでは引き続き使えます。終了の理由について、OpenAIは開発者向けの連絡で「新しい世代のAIは指示や書式に従う力が高く、指示文(プロンプト)で対応するほうが安く速くなった」という趣旨を説明したと報じられています。

Microsoft(Azure)とGoogleは継続。ただし「作り直しの期限」がある

Microsoft Foundry(Azure OpenAI)とGoogle Cloud(Vertex AI)では、2026年9月時点でもファインチューニングを提供しています。ただしMicrosoftは、学習させたAIの提供終了日を公式に示しています(2026年7月24日更新)。

土台のAI

学習させたAIの提供終了日

gpt-4o/gpt-4o-mini

2027年10月1日

gpt-4.1/gpt-4.1-mini/gpt-4.1-nano

2027年10月14日

o4-mini

2027年10月16日

出典:Microsoft Foundry モデルのライフサイクル

つまり、2026年に学習させたAIは約1年で土台ごと引退し、新しい土台で学習し直すことになります。ファインチューニングは「1回払えば終わり」の投資ではありません。これに対してRAGは、答えを書くAIを新しいものに差し替えても、整えた資料はそのまま使えます。

Googleは、Gemini 3以降のAIを学習させた場合、使うときの料金が元のAIの1.5倍になると料金表に明記しています(Vertex AI 料金)。Amazon Bedrockでは、学習させたAIを使った分だけの料金で動かせるのは米国のデータセンター地域(リージョン)に限られ、東京リージョンは対象外です(2026年9月20日時点、AWS公式ドキュメント)。Claude(Anthropic)については、現在ファインチューニングを使える経路を公式情報で確認できなかったため、Claudeは原則として学習させられない前提で計画するのが安全です。

ベンダー各社の見解も同じ方向を向いています。AWSは、社内文書への質問応答はRAGから始めることを推奨しています(AWS 規範ガイダンス)。IBMは、AIの性能を上げる手順を「①用途に合うAIを選ぶ→②指示文と渡す情報を設計する→③RAG→④AIが使える機能を増やす→⑤ファインチューニング」の5段階で示し、ファインチューニングを最後に置いています(TechTarget、2026年7月30日)。

目的別の比較|知識を答えさせるならRAG、書き方をそろえるならファインチューニング

経営判断に関わる項目で並べると、次のとおりです。

比較項目

RAG(読ませる)

ファインチューニング(鍛える)

得意な仕事

規程・マニュアル・過去の事例に基づいて答える

決まった書式・文体で書く、大量の案件を同じ基準で振り分ける

資料の改定への追従

差し替えればその日から反映

正解例を直して学習し直し

答えの根拠

資料名と箇所を示せる

示せない

部署ごとに見せる範囲を変える

資料単位で設定できる

仕組み上できない(学習させた内容はAI全体に混ざる)

特定のデータだけを消す

資料を外せば済む

実務上できない(作り直しになる)

日本国内でのデータ保管

国内のデータセンターで構成できる

大手クラウドでは米国・欧州が中心(後述)

応答の速さ

資料を探す分、ひと手間かかる

資料を探さないため速くしやすい

土台のAIが新しくなったとき

差し替えて答えを再確認

学習し直し

「覚えさせる」のは苦手だと、研究で分かっている

「社内規程をAIに丸暗記させたい」という発想でファインチューニングを検討しているなら、注意が必要です。研究の結果はこの使い方に否定的です。

  • 知識をAIに足す方法を比べた論文「Fine-Tuning or Retrieval? Comparing Knowledge Injection in LLMs」(Ovadiaほか、2024年1月改訂)では、資料をそのまま学習させる方式と比べて、学習時に見たことのある知識でも、まったく新しい知識でも、RAGが一貫して上回りました。論文は「AIは学習によって新しい事実を身につけるのに苦労する」と結論づけています(arXiv:2312.05934)
  • Google Researchなどの研究チームによる論文(Gekhmanほか、国際学会EMNLP 2024採択)では、AIがもともと知らない知識を含む正解例は覚えるのが遅く、覚えるにつれて、もっともらしい誤答が増えていくことが示されました。同論文は「事実の知識は主に最初の大規模な学習で身につき、ファインチューニングはその使い方を教えるもの」としています(arXiv:2405.05904)
  • OpenAIの公式ガイドも、ファインチューニングの用途として挙げているのは分類、特定の書式での出力、指示への従い方の矯正などで、「知識を足す」ことは挙げていません。関連する情報は指示文の中で渡すよう案内しています

業務の言葉にすると、学習で身につくのは「知識」ではなく「型」です。社内規程を正しく答えさせたいなら、学習させるより読ませるほうが正確で、安く済みます。

社内データのAI活用は、どこに時間と手間がかかっているか

方式を比べる前に、発注前に知っておきたい現場の事実が3つあります。

1. ファインチューニングの時間は「学習」ではなく「正解例づくり」にかかる

学習の計算そのものは数時間〜数日で終わります(AWS 規範ガイダンス)。時間がかかるのは、「この問い合わせはこの部署に回す」「この報告書はこう書く」という正解例を作る作業です。何が正解かを判断できるのは、その業務を知っている社員だけです。

仮定に基づく試算ですが、正解例を1,000件、1件あたり5〜10分で作るとすると、約83〜167時間かかります。時給3,000〜5,000円で換算すると、約25万〜83万円分の社内の作業です。後述する学習の計算費(この例で約2,300円)の100倍以上にあたります。これに、学習後に期待どおり答えるかを確かめる作業と、土台のAIが引退するたびの学習し直しが加わります。

2. RAGで精度が出ない原因の9割近くは「資料」と「探し方」

キヤノンITソリューションズの社内検証では、RAGの回答が役に立たなかった原因は、文書の不備・不足が46%、資料の該当箇所を探し当てられなかったことが42%で、AIがうまくまとめられなかったのは12%でした(キヤノンITソリューションズ、2025年4月)。「RAGがうまくいかないから、ファインチューニングに切り替える」という判断では解決しません。原因の大半は、AIを作り替えても直らない資料と探し方の側にあるからです。

3. 「どこまで正確なら使うか」が決まっていないと、比べられない

RAGとファインチューニングのどちらが自社に合うかは、実際の業務の質問で答えさせ、採点してみないと分かりません。そのためには、評価に使う質問と、何問中何問正解なら合格とするかの基準を先に決める必要があります。これを決められるのも、発注側の業務担当者です。

費用の比較|学習の計算費は数千円、本体は「置いておく費用」と「人の作業」

Azureのファインチューニング済みAIの配置方法と料金を解説するMicrosoft Learnのロゴ画像

出典: Microsoft Learn 公式

毎月のクラウド・AI利用料(公式単価からの試算)

各社の公式単価(2026年9月20日時点)から、同じ規模で毎月の利用料を計算しました。前提は月15,000問(社員300名×1人月50問)、答えは1問あたり800トークンです。トークンは、AIの利用料を数える単位です。AIに読ませる量は、ファインチューニングは資料を渡さないため1問1,000トークン、RAGは探し当てた資料の抜粋を含めて1問約8,000トークンとしています。

方式

最初の学習費

毎月の利用料

注意点

RAG(AWS:Bedrock Managed Knowledge Base+gpt-5.4-mini)

資料の下ごしらえで数百円

約3.2万円

資料の更新は差し替えのみ

RAG(Azure:Azure AI Search S1+gpt-5.4-mini)

同上

約7.2万円

資料10GBの例

ファインチューニング(Azure:gpt-4.1-mini)

約2,300円

約19.4万円(うち置いておく費用が約19.0万円)

質問ゼロでも約19万円。2027年10月14日に引退

ファインチューニング(Google:Gemini 2.5 Flash)

約2,300円

約5,300円

いつまで提供されるかは確認が必要

ファインチューニング(Google:Gemini 3.5 Flash)

約4,600円

約3.0万円

使う料金は元のAIの1.5倍。学習・提供は米国・欧州のみ

国内のGPUサーバーで自前運用(さくらインターネット H100×1基)

同じサーバーで学習

38.5万円(税込)

運用・保守の人件費が別途

学習費は、正解例1,000件×1件1,000トークン×3周=300万トークンの例です。出典:Microsoft FoundryとAzureの公式価格表、Vertex AI 料金、さくらインターネット 高火力 VRT。RAG側の内訳はRAG導入の費用で詳しく解説しています。為替や単価の改定で金額は変わります。

この表から読み取ってほしいのは、次の3点です。

  • 学習の計算費は数千円で、費用の本体ではありません。見積もりで「学習費」が安く見えても、判断の材料にはなりません
  • Azureで学習させたAIは、置いておくだけで課金されます。1時間1.70ドルで、Microsoftは「呼び出しの有無にかかわらず、時間単位の費用がかかる」と明記しています。1か月(730時間)で約19.0万円、年間で約228万円です。用途ごとに別のAIを学習させれば、その数だけ増えます。置いておく費用がかからない「Developer」という置き方もありますが、公式に「評価用で本番用ではない」「稼働の保証なし」とされ、15日間使われないと自動で削除されます
  • Googleの学習させたAIは、使った分だけの料金で、Azureのような置いておく費用の記載はありません。ただしGemini 3.5 Flashなどは学習・提供とも米国・欧州に限られ、自社で管理する暗号鍵(CMEK)にも対応していません。正解例で学習させる方式は、Googleの稼働保証(SLA)の対象外です

1年間で比べると、クラウドとAIの利用料だけでRAGは約38万〜86万円、Azureのファインチューニングは約233万円です。

費用の本体は人の作業と作り直し

前の章の試算のとおり、正解例を1,000件作るだけで社内の作業は約25万〜83万円分にのぼります。そこに、①学習後の出来栄えの確認、②学習させたAIを置いておく費用、③土台のAIが引退するたびの学習し直し(Azureのgpt-4.1系なら2027年10月まで)が加わります。

RAGも、資料の整備と答えの確認という人の作業が費用の大半を占める点は同じです。違いは、AIを作り直す支払いが繰り返し発生しないことです。

開発会社の公開相場は、初期150万〜3,000万円と20倍の幅

出典(公開・更新時期)

ファインチューニング

RAG

AQUA(2025年12月)

初期300万〜800万円、データ更新1回50万〜200万円、年間合計800万〜2,200万円

初期150万〜400万円、年間合計700万〜1,600万円

ノーコードソリューションズ(2026年3月)

初期150万〜600万円、月10万〜150万円

初期80万〜300万円、月15万〜120万円

EQUES(時期不明)

RAG・ファインチューニングで500万〜2,000万円

同左

ripla(2025年7月)

学習の工程だけで500万〜3,000万円(別途、データ整備200万〜1,000万円)

—

第三者の統計ではなく、開発会社が自社サイトで示している相場です。ノーコードソリューションズは、指示文の設計を中心に済ませる場合を初期10万〜80万円・月5万〜50万円としています。

この幅を生んでいるのは学習の計算費ではなく、正解例をどれだけ作るか、出来栄えをどこまで確かめるか、学習させたAIをどこに置いて運用するかです。公開相場の中には、学習させたAIを動かす基盤の費用を月0〜5万円と見込んでいるものもありますが、Azureの公式単価で常時使える形に置くと、それだけで月約19万円です。自社のサーバーに置くのか、どのクラウドのどの置き方なのかで、運用費は桁が変わります。

見積もりで確認すべき5項目

確認項目

開発会社に聞くこと

抜けているとどうなるか

正解例

誰が、何件、いつまでに作るのか。発注側の作業時間の見込みは

社内の作業が想定の数倍に膨らむ

評価の方法

評価用の質問は何問で、何問正解なら合格か

良くなったかどうか判断できない

置いておく費用

学習させたAIをどこに置き、月いくらかかるか

運用開始後に、毎月約19万円が追加で乗る場合がある

作り直し

土台のAIが引退したときの学習し直しは、いくらで誰がやるか

引退のたびに想定外の費用が出る

データの置き場所

学習と保管は国内か、国外か

情報システム部門の審査で止まる

見積もりの読み方全般はAI開発の見積もり比較、運用費の中身はシステム保守運用費の相場をご覧ください。

ファインチューニングが必要なケース・不要なケース

デジタル庁Techブログ「源内における生成AIのデータ参照パターン」のタイトル画像

出典: デジタル庁 公式Techブログ

ファインチューニングを検討してよいケース

各社の公式ドキュメントとIBMの見解をまとめると、ファインチューニングが意味を持つのは次のような場合です。

  • 大量の案件を、同じ基準で速く安く振り分けたい:問い合わせの振り分け、帳票の項目の判定など
  • 書式・文体・要約の型を毎回そろえたい:報告書の型、敬語のトーンなど。ただしGoogleは「指示文で明確に指示でき、毎回その通りに出るなら、元のAIで十分」としています。指示文とお手本数件で崩れないなら不要です
  • 社内のサーバーで小さなAIを速く安く動かしたい:大きなAIの振る舞いを小さなAIに移す使い方です(IBM)
  • 応答の速さが欠かせない:音声での自動応答など(IBM)
  • 正誤がはっきり判定できる作業:正解・不正解を機械的に判定できる作業では、採点結果を使って鍛える方式も使われています(OpenAI・Microsoft・IBM)

ファインチューニングを選ばないほうがいいケース

  • 規程・マニュアル・過去の事例の内容を答えさせたい → RAG
  • 答えの根拠を示す必要がある → RAG
  • 部署や役職によって見せる範囲を変えたい → RAG(閲覧範囲の整理は社内AIチャットボットの費用相場で解説しています)
  • 個人情報を含み、後から特定のデータを消せる必要がある → RAG
  • 「この申請は今どの段階か」「在庫はいくつか」など、今の状態を答えさせたい → どちらでもなく、社内システムとの連携が必要

どちらも作らなくていいケース

デジタル庁は「数百程度のQAや数万文字程度のマニュアルに則って回答させるだけなら」、一度に大量の文章を読める最新のAIを使えば「RAGなしでも十分実用的」としています(デジタル庁、2026年5月)。IBMも、100万トークンを超える入力を扱えるAIが出てきたことを、ファインチューニングが不要になってきた理由に挙げています。資料が少なければ、仕組みを作らずに資料ごとAIに渡すだけで足ります。

目的別の選び方

やりたいこと

まず試すこと

それでも足りなければ

規程・マニュアル・過去事例を答えさせたい

資料が少なければ丸ごと渡す

RAG

報告書や要約の型、振り分けの基準をそろえたい

指示文とお手本数件

ファインチューニング

データを国外に出さずに、社内で小型のAIを動かしたい

国産の小型AIをそのまま試す

国内のサーバーで軽い追加学習

根拠の提示・部署別の閲覧範囲・データの削除が必要

RAG

RAG+社内システムとの連携

データを国外に出せない会社の選び方(医療・金融・インフラ)

国産AI「tsuzumi 2」を提供するNTTのロゴ

出典: NTT 公式サイト

医療機関・金融機関・インフラ企業のように、データの置き場所が厳しく問われる会社では、方式より先にどこで学習させ、どこに置くかが制約になります。

クラウド

ファインチューニングで学習・提供できる場所(2026年9月20日時点・公式)

Microsoft Foundry(Azure)

地域を指定して学習・提供できるのは米国東部2・米国中北部・スウェーデン中部。複数地域をまとめた指定(Data Zone)は米国のみ。世界規模の指定(Global)では、学習結果が一時的に地域外に保存されることがある

Google Cloud(Vertex AI)

Gemini 3.5 Flash/3.1 Flash-Liteは、学習が米国・欧州、提供も米国・欧州のみ。自社管理の暗号鍵(CMEK)に非対応

Amazon Bedrock

使った分だけの料金で動かせるのは米国東部・米国西部のみ。東京リージョンは非対応

各クラウドの公式ドキュメントを確認した範囲では、大手クラウドのファインチューニングで、日本国内だけで学習と保管を完結させる方法は見つかりませんでした。

国内で完結させるなら、国内のGPUサーバー(AIの計算に使う高性能な装置を積んだサーバー)で小型のAIを学習させる形になります。たとえば、さくらインターネットの「高火力 VRT」はNVIDIA H100を1基載せた構成で月38.5万円(税込)で、これに運用・保守の人件費が加わります。1基で動く国産のAIもあり、NTTの「tsuzumi 2」は、2級ファイナンシャル・プランニング技能検定の合格基準に届くまでに必要な追加学習の問題数が、比較対象のAIの約10分の1(200問 対 1,900問)だったと公表しています(NTT 発表、2025年10月)。国産AIの選択肢は国産LLM 7選、詳細はtsuzumi 2とはをご覧ください。

一方のRAGは、国内のデータセンターを選んで構成でき、閲覧範囲も資料単位で設定できます。医療機関や薬局で患者情報を扱うAIは、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」(令和8年6月)の対象になり、データの置き場所や委託先の管理方法を決める必要があります。現実的なのは、最初は患者情報を含まない院内規程・手順書をRAGで読ませるところから始め、患者情報を扱う段階で置き場所を設計し直す進め方です。

方式を決める評価の設計|自社の質問で何を採点するか(説明用)

ここまでの比較は一般的な傾向です。自社でどれが合うかは、実際の業務の質問で答えさせ、事前に決めた基準で採点して決めます。OpenAIの評価の手引きは、①合格の条件を決める→②その条件を試すデータを集める→③採点の方法を決める→④候補を動かして比べる→⑤変更のたびに同じ評価を回す、という手順を勧めています。機械の採点は人の判断と照らし合わせて較正するよう、評価データには典型的な質問だけでなく境目の質問や意地悪な質問も含めるよう書いています(OpenAI Evaluation best practices、2026年10月10日確認)。この手順を、RAGかファインチューニングかの判断に当てはめた設計例を示します。

以下は説明用の設計例です。架空の社内規程と架空の問い合わせを想定したもので、当社が実施した検証の結果ではありません。正答率などの点数も載せていません。

手順1|評価用の質問を、種類ごとに作る

質問の種類

例(架空)

確かめること

弱点が出やすい方式

資料に答えがある

「出張の日当はいくらか」(架空の旅費規程)

正しい内容を、根拠の条文とあわせて答えるか

学習だけで知識を足したファインチューニング

資料が改定された

「4月改定後の日当はいくらか」(改定前と改定後の両方の版を資料に入れておく)

新しい版だけを使って答えるか

ファインチューニング(学習し直すまで古い答え)。旧版が残ったままのRAG

資料に答えがない

「海外赴任の家族手当はいくらか」(規程に記載なし)

「資料に記載がない」と答えられるか

どの方式も(もっともらしい誤答を作ることがある)

見せてはいけない資料

一般社員の立場で、役員向けの規程の内容を聞く

権限のない内容を出さないか

ファインチューニング(学習した内容はAI全体に混ざる)。閲覧範囲を設定していないRAG

書式・振り分け

「この問い合わせ文をどの部署に回すか」「報告書の型で要約して」

決めた型や基準に毎回沿うか

指示文だけの方式(型が崩れるならファインチューニングの候補)

今の状態

「申請番号123は今どの段階か」

社内システムを照会せずに答えを作っていないか

RAGもファインチューニングも(答えはシステムの中にある)

件数は種類ごとに数問〜数十問から始め、運用中に間違いが見つかるたびに足していきます。質問の下書きはChatGPTやClaudeなどで作ってかまいませんが、何が正解かを決めるのは業務の担当者です。

手順2|採点の基準と、合格の線を先に決める

採点項目

採点のしかた

主に判断する人

内容が正しい

正解と照らして「正しい・誤り・一部正しい」に分ける

業務の担当者

根拠が合っている

示した資料名・箇所が、正解の箇所と一致するか

機械で照合し、ずれたものを人が確認

「分からない」と言える

答えがない質問で、記載がないと答えたか

機械で判定できる

見せない範囲を守る

権限のない内容が1件でも出たら不合格

情報システム部門

型を守る

書式・振り分け先が決めた基準どおりか

機械で判定し、一部を人が抜き取りで確認

合格の線は業務によって違い、どこでも通用する点数はありません。たとえば「権限のない内容は1件も出さない」「答えがない質問では必ず記載がないと答える」のように、外せない条件と、改善を目指す項目を分けて決裁者と合意しておきます。機械の採点(AIに採点させる方法を含む)は、最初に一部を人も採点し、判定が食い違わないかを確かめてから使います。

手順3|候補を同じ質問で比べ、選んだ理由と選ばなかった理由を残す

候補は、安く早く試せる順に並べます。①資料を丸ごと渡す、②RAG、③型の崩れが残る場合だけファインチューニング、の順です。同じ質問・同じ採点で比べ、結果を次のように読みます。

結果の出方

考えられる原因

次の一手

資料を丸ごと渡す方式で合格の線に届く

資料の量が少ない

仕組みを作らない。既製サービスで足りるかを確認する

RAGで根拠がずれる、答えがあるのに見つけない

資料の不備、探し方

資料の整理と探し方の調整。ファインチューニングでは直らない

RAGで内容は合うが、型だけが崩れる

書き方・判断の型

指示文とお手本を足す。それでも崩れればファインチューニングを検討する

権限のない内容が出る

閲覧範囲の設定

方式を変える前に、権限の設計を直す

今の状態を聞く質問で誤る

答えが社内システムの中にある

社内システムとの連携を設計する

選んだ方式と一緒に、採らなかった方式とその理由(例:「型の崩れは指示文で直ったため、ファインチューニングは採らない」)を残しておくと、土台のAIが新しくなったときや担当者が替わったときに、同じ評価で選び直せます。前述のとおり、Azureでgpt-4.1系などを土台に学習させたAIも2027年10月に提供が終わるため、この評価用の質問と採点表は、AIを差し替えるたびに使い回せる社内の資産になります。

自社でAIを使って進められる部分と、会社に頼む部分

手順1〜3の多くは、ChatGPTやClaudeなどを使えば社内でも進められます。評価用の質問の下書き、架空データでの試し、資料を丸ごと渡す方式での確認、採点表づくりは、まず自社で試してみる価値があります。

開発会社に頼む意味が出るのは、次のような自社に固有の条件が絡むところです。

  • 版が混在する、PDFや画像が多い、どれが最新か決まっていない、といった実際の資料を整え、探し方を調整する
  • 部署・役職ごとの閲覧範囲を社内IDや既存の権限と合わせて設定し、権限のない内容が出ないことを試験する
  • 社内システムと連携して「今の状態」を答えさせる
  • データの置き場所を、情報システム部門の審査に通る形で設計する
  • 変更のたびに評価を回す仕組みと、間違いが見つかったときに誰が直すかという運用の責任を決める

費用の目安|比較検証を当社に依頼する場合

前の章の評価を社内で試しても方式が決まらない場合や、実際の資料・閲覧範囲・社内システムが絡む場合は、実データで比べるPoCで確かめるのが確実です。当社に依頼する場合の価格は次のとおりです(すべて税別。クラウドやAIの利用料などの実費は別)。

依頼の形

当社の価格(税別)

中身

比較検証(PoC)

300万円〜

対象を1部門・1業務に絞り、評価用の質問と合格の線を文書で決めたうえで、指示文の工夫・RAG・必要に応じてファインチューニングを実際のデータで比べる。本番へ進むかの判断材料と、本番の方式・費用の概算を出す

既存システムの改修

100万円〜

今使っている社内のシステムやツールに、資料を丸ごと渡す方式のAI機能や、社内システムを照会して答える機能を組み込む

本番の仕組み(本開発)

個別見積(PoC終了時に概算を提示)

社内IDでのログイン、閲覧範囲の設定、利用記録、社内システムとの連携、評価を変更のたびに回す仕組み、運用の立ち上げ

反対に、資料が少なく、ChatGPTやClaudeなどの法人向けプランに資料を渡すだけで評価の合格線に届くなら、開発を頼む必要はありません。相談の段階でそう判断した場合は、その旨をお伝えします。

対応範囲と進め方は受託開発サービスのページにまとめています。PoCの工程と費用配分はAIのPoC費用、受託開発全体の費用内訳はAI受託開発の費用相場もあわせてご覧ください。

▶ 自社の質問でどの方式が合うか、確かめ方を相談する

初回相談は無料・30分(オンライン、Google Meet)で、要件が決まっていなくても大丈夫です。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。

相談から判断までの流れ

段階

内容

発注側でやること

初回相談(無料・30分・オンライン)

何を解決したいか、自社でAIを使って進める部分と頼む部分の切り分け、依頼の形の候補

答えさせたい質問や、そろえたい書式の例を用意する(社外秘の資料や実データは送らない)

相談メモの受け取り

依頼範囲の候補・進め方・費用の目安・次に必要な資料をメールでお送りする

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本番の構築

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情報システム部門の審査に対応する

期間は、資料の量・提供の承認・社内の審査で大きく変わるため、提案の段階で個別にお示しします。目的の切り分けだけで方式が決まり、PoCを経ずに既存システムの改修で済む案件や、開発そのものが要らない場合もあります。最も遅れやすいのは資料の提供で、理由は技術ではなく「どれが最新版か社内で決まらない」「提供の承認が下りない」ことです。期間が延びる原因と対策はAI開発の期間で解説しています。

要件が固まっていない段階でも、自社の質問でどの方式が合うか、確かめ方を相談するところから始められます。進め方は要件が固まっていない段階での開発相談もご覧ください。

よくある質問

Q1. ChatGPTの「学習に使わない」設定と、ここでいう「学習させる」は何が違いますか。

まったく別の話です。ChatGPTなどの「学習に使わない」設定は、入力した内容を提供元がAIの改良に使ってよいかどうかを決めるものです。本記事の「学習させる(ファインチューニング)」は、自社が正解例を用意して、自社専用のAIに作り替えることを指します。前者をオフにしたからといって、社内データを答えられないAIになるわけではありませんし、オンにしたからといって社内データを答えられるようになるわけでもありません。社内で「学習させたい」「学習させたくない」という話が出たら、どちらの意味かを最初に確認すると議論が早くなります。

Q2. 「自社データで学習済み」とうたうAIサービスが、どちらの方式か見分ける方法はありますか。

提供会社に3つ質問すると、おおよそ見分けられます。①資料を差し替えたら、その日から新しい内容で答えるか。②答えと一緒に、根拠の資料名と箇所を出せるか。③部署ごとに参照できる資料を分けられるか。3つとも「はい」なら、中身は資料を読ませる方式(RAG)の可能性が高いといえます。反対に「内容の更新には再学習が必要」という答えなら、AIを作り替える方式です。その場合は、再学習の費用と頻度、学習させたAIを置いておく費用が料金に含まれているかを、契約前に確認してください。

Q3. すでにOpenAIでファインチューニングしたAIを業務で使っています。どうすればいいですか。

すぐに止まるわけではありません。学習済みのAIは、土台のAIが廃止されるまで使えます。ただし新しい学習の受付は2027年1月6日で終わり、過去60日間に学習済みのAIを使っていなければ、すでに新しい学習はできません。まず、学習に使った正解例のデータを社内で保管し直してください。これが次のどの選択肢でも材料になります。そのうえで、①最新のAIに指示文とお手本数件を渡すだけで同じ水準が出るか、②出ない場合はAzureやGoogleなど他の提供元で学習し直すか、の順で比べるのが無駄の少ない進め方です。評価用の質問と合格ラインが手元にあれば、この比較は短期間で済みます。

Q4. 正解例(学習データ)は何件用意すればいいですか。

OpenAIの公式ガイドの目安では、最低10件から学習でき、50〜100件で改善が見え始めるのが一般的とされ、まず良質な50件で効果を確かめるよう案内しています。ただし必要な件数は、AIの種類と業務の難しさで大きく変わります(前述のtsuzumi 2の例では、同じ水準に届くのに必要な問題数が10倍違いました)。件数より先に決めるべきなのは、誰が正解を判断するかと、何問中何問できれば合格かです。この2つがないまま件数だけを集めると、学習させても良くなったかどうか判断できません。

Q5. 患者情報や顧客情報を学習させてもいいですか。

おすすめしません。生成AIを使ったアプリの主要なセキュリティリスクをまとめたOWASPの「LLM Top 10」(2025年版)は、学習データに含めた機密情報が、AIへの問いかけを通じて抜き出されたり復元されたりする危険を挙げ、学習前に個人情報を取り除く・匿名化することを対策としています(OWASP LLM02:2025)。個人情報を扱う業務でAIを使うなら、学習させずにRAGで資料単位の閲覧制限をかけ、必要な人だけが参照できる形にするのが基本です。ファインチューニングを使う場合も、正解例から個人を特定できる情報を除いてから学習させてください。

Q6. RAGを作ったあとで、ファインチューニングを足すことはできますか。

できます。RAGで整えた資料はそのまま使い、答えを書くAIの側だけを学習させる形になります。Microsoftの研究者らが農業分野で行った検証(査読前の論文)では、ファインチューニングで精度が6ポイント超、そこにRAGを組み合わせるとさらに5ポイント上がり、効果は足し算で積み上がりました(arXiv:2401.08406、2024年1月)。開発会社の公開相場では、組み合わせる場合の初期費用を400万〜1,000万円としている例があります(AQUA)。足すかどうかは、RAGの採点結果を見て、間違いの原因が「資料と探し方」ではなく「書き方や判断の型の崩れ」にあると分かってから決めてください。

Q7. 正解例づくりは、開発会社に任せられますか。

一部は任せられますが、全部は任せられません。開発会社が担えるのは、正解例の書式を決める、過去の記録から下書きを作る、採点の仕組みを用意する、といった部分です。「この問い合わせはこの部署に回すのが正しい」「この報告書はこの書き方が正解」を最終的に判断できるのは、その業務を担当している社員だけです。見積もりの段階で、発注側の担当者が週に何時間、何週間関わる想定かを必ず確認してください。社内でどこまで担うかの考え方は生成AIの内製と外注で解説しています。

Q8. 補助金は使えますか。

自社向けに作る受託開発は、原則として対象外です。 デジタル化・AI導入補助金2026は、事務局に登録されたITツールの導入が対象で、個別に開発するシステムは対象になりません。登録されている既製のサービスであれば対象になり得ます。公式サイトのスケジュールに載っている通常枠の締切は2026年10月30日(金)17:00、交付決定は2026年12月10日(予定)、事業実施と実績報告の期限は2027年5月31日17:00(予定)です(公式スケジュール、2026年10月10日確認)。以降の日程は決まりしだい公式サイトで更新されるため、申請前に最新の情報を確認してください。補助金は後払いなので、いったん全額を自社で支払う前提で資金繰りを組む必要があります。詳しくはAI導入補助金の対象と補助金の入金時期をご覧ください。

社内データのAI活用でお悩みの方へ

社内の資料をAIに答えさせたいなら、ファインチューニングよりRAGのほうが正確で安く、クラウドとAIの利用料は社員300名規模の例で月約3万〜7万円です。ファインチューニングは学習費が数千円でも、Azureで常時使える形に置くと月約19万円かかり、正解例づくりと土台のAIが引退するたびの作り直しが加わります。資料が数万文字程度なら、どちらも作らずに済むこともあります。どれが合うかは、自社の質問と採点の基準を先に決めて比べると判断できます。

  • 「AIに社内データを学習させたい」と社内で言われたが、何を頼めばいいか分からない
  • 開発会社からファインチューニングを提案されたが、RAGとどちらが合うのか判断できない
  • データを国外に出せず、どの方式・どのクラウドなら使えるのか確かめたい
  • 見積もりに、置いておく費用や作り直しの費用が入っているか分からない

このいずれかに当てはまるなら、ご相談ください。初回相談は無料・30分(オンライン、Google Meet)で、要件が決まっていなくても大丈夫です。当社の価格は既存システムの改修 100万円〜、PoC 300万円〜、本開発は個別見積(すべて税別)です。

ご相談の際は、①AIに答えさせたい質問、またはそろえたい書式の例、②対象の資料のおおよその量と置き場所、③国外に出してよいデータかどうか、の3点をお聞かせください(社外秘の資料や実データを初回にお送りいただく必要はありません)。自社でAIを使って進める部分と、任せる部分を一緒に切り分け、相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。作らないほうがいいと判断した場合は、そう申し上げます。

▶ 自社の質問でどの方式が合うか、確かめ方を相談する

関連記事:RAGとは/RAG導入の費用/社内AIチャットボットの費用相場/AIのPoC費用/AI受託開発の費用相場

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します