ビジネス活用2026年9月更新

API連携できないシステムのデータを取り出す方法と費用|8つの手段と頼む前の確認【2026年9月最新】

公開日: 2026/09/18
API連携できないシステムのデータを取り出す方法と費用|8つの手段と頼む前の確認【2026年9月最新】

この記事のポイント

API連携できないシステムでも、画面や帳票に出るデータはほぼ取り出せます。標準の出力機能なら0円、CSV出力の追加は10万〜80万円程度、後付けの受付窓口は100万〜300万円が目安。8つの方法の費用、社内確認、契約の注意点を解説。

API連携できないシステムでも、画面に表示できるデータや帳票に印刷できるデータであれば、ほとんどの場合は取り出せます。費用の目安は、標準の出力機能や上位プランへの変更で済めば0円〜プランの差額だけ、既存システムにCSV出力(表計算ソフトで開ける形式のファイル)を足すなら開発会社の公開目安で10万〜80万円程度(当社の小規模改修は30万円〜・税別)、システムに後から受付窓口を付けるなら100万〜300万円です。

「API連携できない」と言われても、技術的に取り出す手段がないとは限りません。API(システム同士が人を介さずにデータをやり取りするための受付窓口)がないことと、データを取り出せないことは別の話です。国や自治体のシステム調達を調べた公正取引委員会の調査では、保守や入れ替えの際に同じベンダーと契約し直した理由の1位が「既存ベンダーしか機能の詳細を把握できなかった」(48.3%)でした。壁になっているのは技術よりも、中身を誰が知っているか、契約でどう決まっているかであることが少なくありません。

この記事では、「API連携できない」と言われる5つの原因、開発会社に頼む前に社内で確かめる6つのこと、取り出す8つの方法の費用とリスク、取り出せても読めない問題、契約で確認すること、取り出さない方がよいケース、当社が担当したケースを順に解説します。取り出したデータを毎日別のシステムへ書き写す作業そのものをなくしたい場合はデータ転記の自動化、取り出したデータを生成AIに読ませたい場合は基幹システムと生成AIを連携させる方法で解説しています。

API連携できないシステムで、現場で起きていること

「うちのシステムはAPI連携できません」と言われた会社では、次のような作業が日常になっています。

  • 基幹システムの画面を見ながら、Excelに数字を手で打ち直して月次の資料を作っている
  • 帳票をいったん印刷してから別のシステムに入力し直している。PDFの中身をコピーして貼り付けている
  • CSV出力のボタンはあるものの、必要な項目が入っていないので、画面を1件ずつ開いて書き足している
  • 保守会社に「CSVに項目を足したい」と頼んだら、数十万〜数百万円の見積もりと数か月待ちを提示された
  • 前任者が作ったAccessやExcelのマクロでデータを取り出しているが、中身を直せる人がいない
  • 新しいクラウドサービスやAIとつなごうとしたら、「今のシステムにはデータを出す口がない」と言われた

こうした状況は珍しくありません。経済産業省のレガシーシステムモダン化委員会が2025年5月にまとめた総括レポートでは、技術の老朽化やブラックボックス化によって経営の足かせになっている「レガシーシステム」を持つユーザー企業が61%、大企業に限ると74%でした(元データはIPA「2024年度ソフトウェア動向調査」、n=516)。

国や自治体でも事情は同じです。公正取引委員会の調査(2022年2月、官公庁1,835機関へのアンケート)では、システム同士のAPI連携を「すべてのシステムで行っている」のは0.6%にとどまり、「行っていない」が30.5%、「分からない」が17.3%でした。一方で、API連携を行っていない官公庁の約4割は「他の方式で連携しているため」と答えています。APIがなくても、ファイルなど別の方法でデータを受け渡すのはごく普通のやり方です。

月20時間の書き写しは、年72万円のコスト(試算)

取り出せないことのコストを、金額に置き換えてみます。例えば、基幹システムの画面から数値を書き写して月次の経営資料を作る作業に、担当者が毎月20時間かけているとします。

項目

数字

書き写しにかかる時間

月20時間

時給(仮の単価)

3,000円

1か月のコスト

20時間 × 3,000円 = 6万円

1年のコスト

6万円 × 12か月 = 72万円

時間と時給は仮の数字です。自社の実測に置き換えてください。書き写しには、時間のほかに、転記ミスを探して直す手間や、担当者が休むと資料が出ないという形のコストもかかっています。この年72万円が、取り出しにいくらまでかけてよいかを考える出発点になります。何か月で元が取れるかは、後半の「費用の目安」で試算します。

「API連携できない」と言われる5つの原因

kintoneの公式ロゴ画像(契約コースによって外部連携の可否が変わるクラウドサービスの例)

出典: kintone 公式サイト

「API連携できない」という一言には、いくつかの違う事情が含まれています。原因によって、相談する相手も、かかる費用も変わります。

原因

よくある状況

まず相談する相手

費用の方向

① 受付窓口がそもそもない

10年以上前に作った自社専用のシステム、古いパッケージ製品

保守会社、開発会社

出力機能の追加や画面からの読み取りで数十万円〜

② 今の契約プランでは使えない

クラウドサービスの下位プランを使っている

提供元、販売代理店

プランの差額だけで済むことがある

③ 中身を保守会社しか知らない

設計書や項目の説明書が社内にない

保守会社

読み解くための調査費が上乗せされる

④ 権利が保守会社の側にある

契約上、プログラムやデータの権利が相手にある

保守会社(契約書の確認)

交渉と契約の条件しだい

⑤ 取り出せても読めない

文字化け、システム独自の特殊な文字、コードの意味が分からない

保守会社、開発会社

変換や読み解きの費用が上乗せされる

②は、開発が要らないことがある原因です。 例えばkintoneは、ライトコース(1ユーザー月1,000円・税抜、最低10ユーザー)では外部サービスとの連携や、機能を追加する拡張(プラグイン)が使えず、スタンダードコース(1ユーザー月1,800円・税抜)以上で使えます。Salesforceも、APIを使えるのはEnterprise、Unlimitedなど一部のエディションで、Professional Editionでは有償の追加契約が必要、Essentials以下ではその追加契約自体が用意されていません。この場合は「APIがない」のではなく「今の契約では使えない」だけです。kintoneのライトからスタンダードへの変更なら、差額は1ユーザー月800円(税抜)、10ユーザーで月8,000円です。

③と④は、技術ではなく情報と契約の問題です。 公正取引委員会の同じ調査で、保守・改修・入れ替えの際に既存ベンダーと再び契約することになった理由(複数回答)は次のとおりでした。

既存ベンダーと再び契約した理由

割合

既存ベンダーしか、システムの機能の詳細を把握できなかった

48.3%

システムの機能(技術)の権利が、既存ベンダーにあった

24.3%

既存ベンダーしか、システムに保存されているデータの内容を把握できなかった

21.1%

システムに保存されているデータの権利が、既存ベンダーにあった

7.1%

この調査は官公庁が対象で、民間企業にそのまま当てはまるわけではありません。それでも、発注の手続きが厳格な国や自治体でさえ、約半数が「中身を既存ベンダーしか知らない」ことを理由に同じ相手と契約し直しています。設計書がない、担当者が替わった、というシステムでは、民間企業でも同じことが起こりえます。

⑤は、取り出した後に見つかることが多い原因です。 詳しくは後の「取り出せても使えない問題」で説明します。

開発会社に頼む前に、社内で確かめる6つのこと

Salesforceの公式ロゴ(エディションによってAPIの利用可否が異なるサービスの例)

出典: Salesforce 公式サイト

次の6つは、社内の担当者だけで確かめられます。ここが分かっていると、開発会社の見積もりが早く、正確になり、「開発しなくても済む」と分かることもあります。

#

確かめること

見る場所・聞く相手

1

画面・帳票・管理者メニューに、出力の機能がないか

システムの画面(管理者の権限で)

2

上位プランや別売りのオプションに、連携の機能がないか

提供元の料金ページ、販売代理店

3

マニュアルと契約書に、出力やデータの扱いが書かれていないか

マニュアル、契約書

4

保守会社は、どの方法なら対応できるか

保守会社

5

データを保管している仕組み(データベース)の種類は何か

システムの資料、保守会社

6

提供元が新しい取り出し口を出していないか

提供元のお知らせ、ヘルプページ

1. 出力の機能:一覧画面の「CSV出力」「Excel出力」ボタン、帳票の「ファイルに保存」「PDF出力」、管理者だけが見られるメニューの「データ出力」「バックアップ」を探します。一般の担当者の権限では表示されないことがあるため、管理者の権限で確認してください。

2. プラン:提供元の料金ページで、プランごとの比較表の「外部連携」「API」の行を見ます。前の章のkintoneやSalesforceのように、プランを上げるだけで使えることがあります。

3. マニュアルと契約書:マニュアルの「データ出力」「連携」の章に、画面にないボタンや設定が書かれていることがあります。契約書では、データの権利がどちらにあるか、契約終了時にデータを返してもらえるかを確認します(詳しくは後の「契約で確認すること」)。

4. 保守会社への聞き方:「APIはありますか」とだけ聞くと、「ありません」で話が終わりがちです。次のように、方法ごとに分けて聞いてください。

  • 画面のCSV出力に、この項目を足すことはできますか。費用と期間はどのくらいですか。
  • 過去のデータを、一括で出してもらうことはできますか。形式と費用はどうなりますか。
  • データベースを、読み取りだけの権限で参照させてもらうことはできますか。条件はありますか。
  • どの列が何を意味するかが分かる、項目の説明書をいただけますか。

5. データベースの種類:Oracle、SQL Server、IBM i(旧AS/400)など、データを保管している仕組みの種類を確認します。種類によって取り出し方と費用が変わります。「オフコンだから無理」とは限らず、IBM iでもIBMが提供する接続用のソフト(IBM i Access のODBCドライバー)を使ってデータを読み取れる場合があります。

6. 新しい取り出し口:2026年は、会計クラウドなどでAIからデータを読み書きするための窓口(MCP)の公開が進んでいます。数年前に「APIはない」と言われた製品でも、今は取り出し口が用意されていることがあります。主な製品の対応状況は基幹システムと生成AIを連携させる方法にまとめています。

データを取り出す8つの方法|費用とリスクの比較

Microsoft Learnの公式画像(画面操作を自動化するPower Automate for desktopの解説元)

出典: Microsoft Learn 公式

取り出す方法は、大きく8つあります。下の表は、費用が安くリスクが低い順に並べています。上から順に確かめ、足りなければ次の方法に進むのが基本です。

#

方法

使える条件

費用の目安

主な注意点

標準の出力機能を使う

CSV出力などのボタンがある

0円(社内の作業時間のみ)

必要な項目が足りないことが多く、加工の手作業が残る

契約プランを変える・オプションを足す

上位プランに連携の機能がある

プランの差額(kintoneなら1ユーザー月800円・税抜)

利用者の数だけかかる。1日の回数に上限がある

保守会社に出力機能の追加や一括の抽出を頼む

保守会社が対応してくれる

CSV出力の項目追加で10万〜80万円程度

見積もりが高い、待ち時間が長いことがある

データベースを読み取り専用で読む

データベースの種類が分かり、保守会社が読み取りの権限を出してくれる

1か所から読むだけなら数十万円〜

保守会社の了承が前提。項目の意味が分からないと使えない

画面から自動で読み取る(RPA・AIによる画面操作)

人が画面で見られる

無料の道具〜。外注なら20万円〜+保守 月5万〜30万円

画面が変わると止まる。利用規約の確認が必要

帳票・PDF・紙から読み取る(AI-OCR)

印刷かPDF出力だけはできる

月3万円相当〜(年契約・税抜)

読み取り誤りの確認が要る

後付けの受付窓口を作る

④か⑤でデータに届く

100万〜300万円、3〜8週間

中身は④か⑤なので、そのリスクを引き継ぐ

入れ替えのときに一括で移す

入れ替えが近い

入れ替えの費用の中で見積もり

移行の条件と費用を契約で先に決めておく

費用の目安のうち、③はripla社(2026年6月公開)、⑤の外注はニューラルオプト社、⑦はAlgentio社が公開している目安です。公的な統計ではなく、各社が公開している目安として参考にしてください。

最初に決める:1回だけ取り出すのか、毎日取り出し続けるのか

方法を選ぶ前に、取り出すのが1回だけか、繰り返しかを決めてください。同じデータでも、ここで方法と費用が大きく変わります。

頻度

よくある目的

合う方法

1回だけ(または年に数回)

システムの入れ替え、過去データの分析、監査や調査

①を総ざらい → 足りなければ③の一括抽出 → ④で一括で読む

毎月・毎週

月次の経営数値、定例のレポート

①+加工の自動化、③でCSV出力の項目を足す

毎日・随時

他のシステムとの連携、在庫や受注の同期

決まった時刻にCSVを出す仕組み、④、⑦、⑤

1回だけなら、仕組みを作らずに保守会社に一括で出してもらう方が、毎月の保守費がかからない分、安く済みやすくなります。繰り返し取り出すなら仕組みにする必要があり、作る費用に加えて、止まったときに直す保守の費用が毎月かかります。取り出したデータを毎日別のシステムへ入力する作業まで自動化したい場合の方法と費用は、データ転記の自動化で比較しています。

①標準の出力機能 ②契約プランの変更(0円〜プランの差額)

最初に確かめるべき、費用がほとんどかからない方法です。前の章の「社内で確かめる6つのこと」の1と2にあたります。標準の出力で必要な項目がそろうなら、あとはExcelでの加工を減らすだけで済みます。加工の手間が大きい場合は、Excel業務のシステム化も選択肢になります。

③保守会社に出力機能を足してもらう・一括で出してもらう(10万〜80万円程度)

既存システムのCSV出力に項目を足す改修は、ripla社の公開目安で10万〜80万円程度です。データベースの構造を変える必要があると、30万〜200万円程度に上がります。保守会社以外の開発会社に頼む場合は、別の会社が作ったシステムを読み解くための費用が上乗せされます。30万円で頼める作業の範囲はシステムの小規模改修の費用で詳しく解説しています。

④データベースを読み取り専用で読む

データを保管している場所(データベース)に、読むだけの権限で接続して取り出す方法です。画面に出てこない項目も取れ、決まった時刻に自動で取り出せます。

ただし、注意点がいくつもあります。

  • 保守会社の了承が前提です。無断で接続すると、保守の対象外とされることがあります。条件は会社ごとに違うため、自社の保守契約で確認してください
  • 書き込みは厳禁です。読み取り専用の権限であることを必ず確かめます
  • 業務時間中に大量のデータを読むと、本番のシステムの動きが重くなることがあります
  • システムの更新で項目の構成が変わると、ある日突然取り出せなくなることがあります
  • 入力途中や確定前のデータを拾ってしまうことがあります
  • 項目の意味が分からないと、取り出しても使えません(後述)

⑤画面から自動で読み取る(RPA・AIによる画面操作)

人が画面で見られるデータなら、画面の操作を自動でくり返すソフト(RPA)で読み取れます。MicrosoftのPower Automate for desktopは、Windows 11では追加費用なしで使えます(人がパソコンの前で起動する使い方)。人がいない夜間などに自動で動かす場合は、Power Automate Processが1ボット(自動で動かす1台分)あたり月22,488円(年払い・税抜)です。Webの画面から自動で読み取る仕組みを外注する場合、最小規模で20万〜50万円、保守・運用で月5万〜30万円という公開目安があります(ニューラルオプト社)。

弱点は、画面の配置や項目が変わると止まることです。止まる原因と対策はRPAが動かない原因、保守にかかる費用はRPAの保守コストで解説しています。クラウドサービスの場合は、利用規約で自動での取得が禁止されていないかを確認し、ログインの仕組みを回避するような作り方はしないでください。

2026年には、AIに画面を見せてマウスやキーボードを操作させる機能も選択肢に入りました。Anthropic(Claudeの提供元)の公式ドキュメントでは、この機能がClaude APIなどで正式提供の機能として案内されています。一方で同じドキュメントは、通常の機能とは異なる固有のリスクがあるとして、次のような使い方を勧めています。

  • 権限を最小限にした専用の環境で動かす
  • ログイン情報などの機密データにアクセスさせない
  • インターネットの接続先を許可したものに絞る
  • 重要な結果を伴う操作は、人が確認する

画面の中に書かれた文字を指示と取り違えて従ってしまうおそれも指摘されています。基幹システムの管理者のIDとパスワードをAIに渡す設計は避け、読み取り専用のアカウントと人の確認を前提にしてください。仕組みの詳細はClaude Computer Useとはで解説しています。

⑥帳票・PDF・紙から読み取る(AI-OCR)

画面からは取れないが、帳票を印刷したりPDFで出したりはできる、という場合は、紙やPDFの文字をAIで読み取る方法(AI-OCR)が使えます。例えばSmartReadのクラウド版は、Smallプランが年36万円(月3万円相当・税抜、初期費用0円、1年契約)で、上限を超えた分は1ページ15円です。読み取り誤りがゼロにはならないため、人が確認する工程が残ります。読み取った後に基幹システムへ登録するまでの自動化はOCRから基幹システムへの登録を自動化する方法で解説しています。

⑦後付けの受付窓口を作る(100万〜300万円・3〜8週間)

④か⑤の方法でデータに届いたうえで、ほかのシステムから呼び出せる受付窓口の形に包む方法です。Algentio社の公開目安では、古いシステムに後から受付窓口を付ける費用は100万〜300万円、期間は3〜8週間です。複数のシステムから同じデータを使いたい場合に効果が出ます。ただし、窓口の中身は④か⑤なので、保守会社の了承や、画面が変わると止まるといったリスクはそのまま引き継ぎます。

⑧入れ替えのときに一括で移す

1〜2年以内にシステムの入れ替えが決まっているなら、今は取り出しの仕組みに大きく投資せず、入れ替えの契約の中でデータの移し方と費用を決める方が安く済むことがあります。入れ替えるかどうかの判断そのものに迷っている場合は、基幹システムの刷新判断で5つの確認と費用を解説しています。

取り出せても使えない問題|文字化け・特殊な文字・コードの意味

データを取り出せても、それだけでは使えないことがよくあります。見落とされやすいものの、見積もりや期間に大きく響く部分です。

問題

何が起きるか

文字化け

古いシステムは文字の記録の方式が違い、そのまま開くと文字が崩れる(Shift_JIS、IBM iのEBCDICなど)

システム独自の特殊な文字

人名や地名の珍しい漢字が、ベンダー独自の文字で記録されていて、ほかのシステムで表示できない

コードの意味

「01」「A3」などのコードが何を意味するかは、コードの対応表がないと分からない

項目の説明書がない

どの列が税込でどの列が税抜か、どの日付が受注日でどの日付が出荷日か、画面との対応が分からない

画面の数字と合わない

画面は計算した後の値、データベースは計算する前の値ということがある

公正取引委員会の調査でも、自治体から「ベンダー固有の外字フォントがあるので、どうしても情報システム間でデータ形式にバラつきがある。API連携したとしても上手く出力されなかったりする」という声が寄せられています。前の章で見た「既存ベンダーしかデータの内容を把握できなかった」(21.1%)も、この問題の表れです。

開発会社の見積もりに「調査」「データの分析」といった項目が入るのは、この読み解きのためです。仕様書がない業務システムでは、画面が20〜30程度の規模でも初期の調査だけで1〜2か月、費用は数十万円という公開目安があります(three dots.社)。取り出す費用には、読み解く費用が含まれていると考えてください。逆に、保守会社から項目の説明書とコードの対応表を受け取れれば、この費用を下げられます。

費用の目安|目的別に見る

目的別に、方法と費用の目安をまとめると次のとおりです。

目的

主な方法

費用の目安

期間の目安

月次の資料のために、1か所から項目を足して取り出す

①②③

0円〜80万円程度(CSV出力の項目追加は10万〜80万円程度)

当社の小規模改修の事例で約5週間

毎日、別のシステムへデータを流し続ける

①+自動化、④、⑤

画面からの読み取りの外注で20万〜50万円+保守 月5万〜30万円。ファイルでの連携を作るなら50万〜200万円

方法と、つなぐシステムの数による

複数のシステムから呼び出せる受付窓口を作る

100万〜300万円

3〜8週間

複数のシステムのデータを1か所に集め、分析やAIに使う

データの写しを置く場所を作る

400万〜1,200万円

3〜6か月

入れ替えに合わせて全データを移す

入れ替えの費用の中で個別に見積もり

入れ替えの計画による

公開目安の出典は、CSV出力の項目追加がripla社、画面からの読み取りがニューラルオプト社、ファイルでの連携・受付窓口・データの写しを置く場所がAlgentio社です。同じAlgentio社の目安では、システム同士を受付窓口でつなぐ連携は100万〜500万円、RPAでの連携は150万〜600万円とされています。

当社に依頼する場合の費用

当社の受託開発では、API連携できないシステムからのデータの取り出しを、次の3つの入口でお引き受けしています。

状況

当社の入口

金額(税別)

期間の目安(当社の事例)

既存システムにCSV出力を足したい。1か所から読み取り専用で取り出したい。1か所だけ軽くつなぎたい

小規模改修(画面の追加や修正、簡単な帳票の追加、CSV出力、軽微なAPI連携、既存の処理の修正)

30万円〜

約5週間

取り出したデータで分析できるか、AIに答えさせられるかを、対象を絞って試したい。複数のシステムのデータの出し方を調べて試作したい

PoC=本開発の前に対象を絞って効果を確かめる試作(課題と検証内容の整理、簡易的な要件定義、設計と開発、検証環境、結果の整理、本開発の提案まで)

300万円〜

約3か月

複数のシステムから継続的に取り出してまとめる仕組み、入れ替えに伴うデータの移し替え

本開発

個別見積(利用者数、機能数、外部との連携、データの移し替え、セキュリティ、運用で変わる)

約7か月

「CSV出力を足したい」という相談は、当社のメニューでは最小の小規模改修(30万円〜)の対象です。既存システムの改修は、今の構成と保守契約の条件を確認し、手を入れられる範囲を整理してからお引き受けします。クラウドの利用料やソフトウェアのライセンスなどの実費は別途かかります。サービスの内容と進め方は受託開発サービスのページで確認できます。PoCの費用の内訳はAI PoCの費用で解説しています。

30万円の改修は、何か月で元が取れるか(試算)

冒頭の試算(書き写しに月20時間・時給3,000円)で、既存システムにCSV出力を足す小規模改修を30万円で行った場合を考えます。

ケース

減る時間

1か月の削減額

30万円を回収するまで

書き写しが月20時間から月5時間に減る

月15時間

15時間 × 3,000円 = 4.5万円

約7か月(30万円 ÷ 4.5万円 ≒ 6.7か月)

書き写しが月20時間から月2時間に減る

月18時間

18時間 × 3,000円 = 5.4万円

約6か月(30万円 ÷ 5.4万円 ≒ 5.6か月)

改修費が50万円になった場合でも、月15時間減るなら約11か月で回収できます。これはあくまで試算で、改修後の保守費は含めていません。減る時間は、実際に書き写しにかかっている時間を1か月測ってから置き換えてください。投資の回収の考え方はAI導入のROI試算でも解説しています。

見積書で確認すること

取り出しの見積もりを受け取ったら、次の点を確認してください。

  • 調査費が分かれているか:読み解きの費用がどれくらいかが分かれば、項目の説明書を用意して下げられるかを相談できます
  • 1回だけの抽出か、繰り返しの仕組みか:同じ「データ出力」でも、費用の性質がまったく違います
  • 元の保守会社への協力費が含まれているか:保守会社以外に頼む場合、元の会社に説明や資料の提供を頼む「引き継ぎ協力費」が見落とされやすい費用として挙げられています(three dots.社
  • 毎月かかる費用:保守、ライセンス、クラウドの利用料
  • 抽出費用の内訳と理由:官公庁向けの考え方ですが、公正取引委員会もベンダーに対して、費用負担の金額の内訳や理由を十分説明するよう求めています

見積もりを同じ条件で比べる方法はシステム開発の相見積もりとRFP、後から費用が増える典型はシステム開発の追加費用で解説しています。

頼む前に契約で確認すること|データの権利・移行の条件・解約時の返却

情報処理推進機構(IPA)の公式ロゴ画像(クラウドサービス安全利用の手引きの発行元)

出典: 情報処理推進機構(IPA)公式サイト

データを取り出すときに最も費用を左右するのは、実は契約です。公正取引委員会の調査には、ある自治体が公共施設予約システムを更新する際に、既存ベンダーからデータの移行費用として5,000万円を請求され、データの移行をあきらめたという事例が載っています。一方で、「他システムへのデータ移行に際して、あらかじめデータ抽出費用を応札価格に含めている」ため追加の請求はしない、というベンダーもありました。

公正取引委員会は官公庁の調達について、既存ベンダーが合理的な理由なく仕様の開示やデータの移行を拒むこと(事実上拒否するのと同じと見られるほど高額な移行費用を請求する場合を含む)で、ほかのベンダーが受注できないようにする場合などは、独占禁止法上問題となるおそれがあるという考え方を示しています。民間企業の取引にそのまま当てはまるとは限りませんが、データの出し方と費用は、困る前に決めておくことが大切なのは同じです。

#

確認すること

なぜ必要か

1

自社のデータの権利が自社にあるか。プログラムや仕様の権利はどちらにあるか

権利が相手にあると、取り出しや他社への依頼が制限される

2

契約終了や入れ替えのとき、全データをどの形式で、いくらで出してもらえるか

入れ替えのときに移行費用で交渉が止まるのを防ぐ

3

項目の説明書やデータベースの構造を受け取れるか

読み解きの調査費を下げられる。ほかの会社にも頼めるようになる

4

読み取り専用の接続を保守会社が認めるか。認めるならその条件

④の方法が使えるかが決まる

5

クラウドサービスの解約時に、データを返してもらえるか

解約後に取り出せなくなるのを防ぐ

6

抽出費用の見積もりに内訳があるか

金額が妥当かを判断できる

自治体の中には、権利の取り決めに加えてデータの移行についてもあらかじめ仕様書に定め、担当のベンダーが替わっても円滑に移行できるようにしている例があります。これから新しいシステムを契約するなら、契約の時点で2と3を書き込んでおくのが最も安く済みます。開発を頼むときに受け取るべき資料はシステム開発の納品物で解説しています。

クラウドサービスについては、IPA(情報処理推進機構)の「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」(2026年6月版)が、確認項目の13番目に「利用終了時のデータを確保する」を挙げています。全データの返却やダウンロード、データの互換性や移植性(ほかのサービスでも読み込めるか)を、契約する前に確認するよう求めています。

医療機関・薬局の場合

医療機関や薬局のシステムには、根拠になる決まりがあります。厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」システム運用編は、守るべき事項(遵守事項)として次のように定めています。

システム更新の際の移行を迅速に行えるように、診療録等のデータについて、標準形式が存在する項目は標準形式で、標準形式が存在しない項目は変換が容易なデータ形式で、それぞれ出力及び入力できる機能を備えるようにすること。

医療情報システムでは、データを出力できる機能を備えることがガイドラインで求められています。システムの提供元や保守会社に出力の機能を求めるときの根拠として示せます。ただし、出力にかかる費用を誰が負担するかは契約によります。

また、取り出した医療情報を外部のクラウドやAIで扱う場合も、同じガイドラインの安全管理の対象になります。取り出した先での扱い方は既存システムにAIを組み込む方法の「医療機関・薬局の場合」で解説しています。

データを取り出さない方がよいケース

取り出せるからといって、取り出すべきとは限りません。次の表の右側に当てはまる場合は、方法を変えるか、見送ることをおすすめします。

取り出してよい

取り出さない方がよい

画面に表示できる、印刷できるデータ

画面にも帳票にも出てこないデータで、項目の意味を確かめる手段がない

自社の業務データで、契約上の権利や利用に制約がない

契約上、データや仕様の権利がベンダーにあり、利用に制約がある

読み取り専用で、本番の業務に影響を与えない

本番のデータベースに書き込む。負荷をかけて業務を止めるおそれがある

保守会社の了承がある

保守契約で禁止されている操作にあたる

クラウドサービスの利用規約で自動の取得が禁止されていない

利用規約で自動の取得を禁止している

医療情報や個人情報を扱う場合に、安全管理の体制がとれる

個人情報や医療情報を、安全管理の決まりを満たさない場所に取り出す

また、次のような場合は、取り出しの仕組みを作る必要自体がありません。

  • 年に1回、数百件程度しか使わない:標準のCSV出力と手作業で十分です。開発費に見合いません
  • 1〜2年以内にシステムの入れ替えが決まっている:今は仕組みに投資せず、入れ替えの契約に移行の条件を書き込む方が安く済みます
  • 上位プランに変えるだけで済む:開発会社に頼む必要はありません。自社専用に作るかサービスを使うかで迷う場合はSaaSかカスタム開発かも参考にしてください

実際にやった事例|データの出し方から始めたケース

守秘義務のため社名は出せませんが、当社が担当した3つのケースを、この記事の内容に当てはめて紹介します。いずれも、今のシステムを入れ替えずに、データの出し方を確かめるところから始めたケースです。

調剤薬局のケース(小規模改修・約5週間)

課題:あるシステムに入力した内容を、別の管理表へ手で書き写す作業が毎日あり、忙しい時期には書き写し漏れも起きていました。

作ったもの:一方のシステムから出力したデータを整え、もう一方の形式に変換して取り込む仕組みです。システム本体には手を入れず、データの出力と取込の機能だけでつなぎました。 期間は、相談と仕様の確定に2週間、実装に2週間、現場での試験運用に1週間です。

変わったこと:書き写しの作業と、書き写しの誤りを探して直す時間がなくなりました。対象を「毎日発生している書き写し1か所」に絞ったことで、5週間で使い始められました。8つの方法のうち①の標準の出力機能で取り出せる範囲から始めた例で、受付窓口がなくても、出力と取込だけでシステム同士をつなげることを示しています。

インフラ企業のケース(本開発・約7か月)

課題:複数のシステムにまたがるデータを人が突き合わせて確認しており、件数が多く、月末に負荷が集中していました。

作ったもの:システム間のデータを自動で照合し、食い違いがあるものだけを人に回す仕組みです。期間は、要件定義に2か月、実装に3か月、テストに1か月、移行と現場教育に1か月です。

変わったこと:全件を人が見る運用から、食い違いがあるものだけを人が見る運用に変わり、月末に集中していた負荷が平準化されました。要件定義に2か月かかったのは、対象のシステムが複数あり、それぞれのデータの出し方を確認する必要があったためです。 「社内で確かめる6つのこと」が、期間をどれだけ左右するかを示す例です。

医療機関のケース(PoC・約3か月)

課題:文書や記録は蓄積されているのに、必要な情報を探すのに時間がかかっていました。

作ったもの:手元の資料をAIに読ませ、質問に対して根拠となる箇所を示しながら答える仕組みです。期間は、対象の絞り込みと合格ラインの設定に2週間、データの受け取りと整形に3週間、試作と調整に5週間、現場での試用と判定に2週間です。

変わったこと:開始前に合格ラインを決めていたため、広げるかどうかを最後の2週間で判断できました。取り出したデータを使える形に整える工程に、全体の約4分の1の期間を使った例です。「取り出せても使えない問題」は、試作の段階でも期間に表れます。

相談から稼働までの流れと期間

段階

やること

期間の目安

自社でできること

1. 社内の確認

出力の機能、プラン、マニュアル、契約書を確かめる

社内だけで進められる

「社内で確かめる6つのこと」の1〜3と6

2. 保守会社への質問

方法ごとの可否・費用・条件、項目の説明書の有無

回答まで数週間かかることもある

方法ごとに分けて質問する

3. 調査と見積もり

データの中身と項目の意味を確かめ、方法と費用を決める

仕様書がない場合、初期の調査だけで1〜2か月(公開目安)

画面や帳票のサンプル、使い道の整理

4. 小さく作る

1か所から取り出す、または対象を絞って試作する

小規模改修で約5週間、PoCで約3か月(当社の事例)

合格ラインを決める。取り出したデータを画面と突き合わせる

5. 本格的な仕組みにする

複数のシステムから継続的に取り出す、入れ替えに伴う移行

本開発で約7か月(当社の事例)

現場の運用の見直し

1と2は、開発会社と契約する前から社内で進められます。どこまで社内で決めて、どこから開発会社に任せるかの線引きは開発会社への丸投げを避ける方法で解説しています。

当社に相談いただく場合の流れ

ご相談(初回無料)→ 課題・要件の整理 → 提案・見積もり → PoCまたは本開発 → 導入・改善、の順に進めます。どの方法で取り出すかが決まっていない段階でも構いません。ご相談の前に次のことが分かっていると、合う方法とおおよその費用を早く見立てられます。すべてそろっていなくても大丈夫です。

  • システムの製品名(または作った会社)と、データベースの種類
  • 取り出したいデータと、その使い道
  • 1回だけか、毎月か、毎日か
  • 保守会社から受けた回答(「API連携できない」と言われた際の説明や見積もり)
  • 画面や帳票のサンプル(個人情報を消したもの)

開発したシステムのソースコードや設計資料はお引き渡しします。進め方の詳細は受託開発サービスの進め方をご覧ください。

よくある質問

Q1. 保守会社以外の会社にデータの取り出しを頼むと、今の保守契約に影響しますか。

影響する場合があります。特に、データベースへの接続や、画面操作の自動化のようにシステムに直接触れる方法は、保守契約で制限されていたり、障害が起きたときに保守の対象外とされたりすることがあります。条件は契約ごとに違うため、①契約書のうち保守の対象範囲や、他社による変更・接続の扱いを定めた条項を確認する、②依頼する前に保守会社へ「読み取りだけの接続をしたい」と相談し、認める条件を書面でもらう、の順に進めてください。標準の出力機能で出したCSVを加工するだけなら、システム本体に触れないため、影響は小さくなります。

Q2. クラウドサービスの解約を考えています。解約前にやっておくことはありますか。

解約日より前に、全データを持ち出せることを実際に試してください。①一覧の画面に出てこないデータ(添付ファイル、変更の履歴、コメント、利用者ごとの設定など)が出力の対象に入っているか、②試しに全件を出力し、件数が画面と一致するか、文字化けしていないか、③移し先のシステムで実際に読み込めるか、④解約後、データがいつまで残り、いつ消されるか、の4つです。解約してから足りないデータに気づいても取り戻せないことが多いため、出力の作業は解約日から逆算して1〜2か月前には始めるのが安全です。

Q3. 取り出したデータを生成AIに読ませても大丈夫ですか。

使うAIサービスの契約と設定しだいです。確認するのは、①入力したデータがAIの学習に使われないか、②データがどこの国で、どれくらいの期間保存されるか、③取り出したデータに個人情報や取引先の機密が含まれていないか、の3つです。業務で使う場合は、学習に使わないことを契約や設定で確かめられるサービスを選び、個人情報は名前や番号を伏せてから渡すのが基本です。国内での処理や、医療機関の場合の注意点は既存システムにAIを組み込む方法で解説しています。

Q4. 社内のパソコンに詳しい社員に、画面から自動で読み取る仕組みを作ってもらっても問題ありませんか。

小さく始める方法としては有効ですが、3つの点に注意してください。①作った人が異動や退職をすると、誰も直せなくなります(前任者のAccessやマクロと同じ状況になります)。②画面が変わると止まるため、止まったときに誰が気づき、誰が直すかを決めておく必要があります。③自動で動かすアカウントの権限は、読み取りに必要な範囲に絞ってください。どの画面の、どの項目を、何時に読んでいるかを文書に残してもらうだけでも、後から別の人や開発会社に引き継げる可能性が高まります。

Q5. システムの入れ替えが2年後に決まっています。今のうちにやっておくことはありますか。

取り出しの仕組みに大きく投資するより、データそのものの整理を始めることをおすすめします。①使っていない項目や、ほとんど入力されていない項目を洗い出す、②取引先や品目の重複・表記ゆれ(「株式会社」と「(株)」など)を整理する、③どのデータを何年分移すかを決める、の3つです。データの移し替えは、入れ替えの中で最も問題が起きやすい工程です。あわせて、今の保守会社に移行用の一括抽出の見積もりを早めに依頼しておくと、新しいシステムの予算に移行費用を最初から含められます。

Q6. 保守会社がすでに撤退していて、システムのことを聞ける相手がいません。データは取り出せますか。

取り出せる可能性はあります。画面に表示できるなら画面から、印刷できるなら帳票から読み取れますし、データベースの種類が分かれば読み取り専用で接続できる場合もあります。まず、サーバーやデータベースの管理者のIDとパスワードが社内に残っているかを確認してください。機械が古い場合は、故障する前に全データの控え(バックアップ)を取ることを最優先にします。そのうえで、項目の意味を教えてくれる人がいないため、画面の表示とデータの中身を1つずつ突き合わせて読み解く作業が必要になり、見積もりの大きな部分を占めます。保守を受けられない状態は、入れ替えを考える判断材料にもなります(基幹システムの刷新判断)。

Q7. 取り出したデータが正しいかどうかは、どう確かめればいいですか。

3段階で確かめます。①件数:取り出したデータの件数が、画面で同じ条件で検索した件数と一致するか。②合計:金額や数量の合計が、システムの帳票(月次の集計表など)と一致するか。③抜き取り:数件を選び、画面の表示と1項目ずつ見比べる。ずれやすいのは、税込と税抜の違い、取り消したデータを含むかどうか、締め日をまたぐデータの扱いです。繰り返し取り出す仕組みなら、毎回①と②を自動で確かめ、合わないときに知らせる設定を入れておくと、システムの更新で読み取りがずれたときにすぐ気づけます。

Q8. 保守会社以外の開発会社から「中身が分からないので見積もれない」と言われました。どうすればいいですか。

見積もりの材料を渡すか、発注を2段階に分けてください。材料として有効なのは、①取り出したいデータが表示されている画面や帳票のサンプル(個人情報を消したもの)、②データベースの種類とおおよその件数、③取り出したい頻度と使い道です。それでも金額を出せない場合は、先に「調査だけ」を有償で頼み、その結果をもとに本体の見積もりを出してもらう方法があります。調査の結果は、保守会社の見積もりと比べる材料にもなります。段階に分けた発注の方法はシステム開発を段階的に発注する方法で解説しています。

API連携できないシステムのデータでお困りの方へ

API連携できないシステムでも、画面に出る・印刷できるデータなら、ほとんどの場合は取り出せます。まず標準の出力機能と契約プランを確かめ、足りなければ保守会社に方法ごとに分けて聞き、それでも難しい場合に開発会社へ相談する、という順番で進めると、余計な費用をかけずに済みます。取り出す費用には読み解く費用が含まれることと、データの出し方と費用は契約で先に決めておくことも忘れないでください。

  • 保守会社に「API連携できない」と言われ、次に何をすればいいか分からない
  • CSV出力に項目が足りず、毎月何十時間も手で書き足している
  • データを取り出す見積もりが高額で、妥当かどうか判断できない
  • 取り出したデータを、分析や別のシステム、AIに使いたい

いずれかに当てはまるなら、初回のご相談は無料です。当社の価格は、小規模改修が30万円〜(CSV出力の追加や軽微なAPI連携を含む)、PoCが300万円〜、本開発は個別見積です(すべて税別。クラウドの利用料やソフトウェアのライセンスなどの実費は別途)。医療機関・薬局・インフラ企業での開発実績があり、要件が固まっていない段階からご相談いただけます(要件が固まっていなくても相談できる理由)。

システムの名前、取り出したいデータと使い道、1回だけか繰り返しかをお聞かせいただければ、8つの方法のどれが合うかと、おおよその費用・期間をお伝えします。標準の出力機能や契約プランの変更で済む場合は、開発をおすすめしません。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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