ビジネス活用2026年10月更新

API連携できないシステムのデータを取り出す方法と費用|CSV・画面操作・改修の選び方とAI連携

公開日: 2026/09/18
更新日: 2026/10/10
API連携できないシステムのデータを取り出す方法と費用|CSV・画面操作・改修の選び方とAI連携

この記事のポイント

API連携できないシステムでも、画面や帳票に出るデータなら取り出す方法の候補があります。プラン変更・CSV出力の追加・画面操作の自動化・改修など8つの方法の費用と、AI連携時のログイン・画面変更・記録・誤操作の扱い、契約の注意点を解説。

API連携できないシステムでも、画面に表示できるデータや帳票に印刷できるデータであれば、取り出す方法の候補はあります。ただし、実際に使えるかどうかは製品の利用規約、保守契約、ログインの仕組み、データの意味が分かるかで決まり、どのシステムでもできるとは限りません。費用の目安は、標準の出力機能や上位プランへの変更で済めば0円〜プランの差額だけ、既存システムにCSV出力(表計算ソフトで開ける形式のファイル)を足すなら開発会社の公開目安で10万〜80万円程度(当社の既存システムの改修は100万円〜・税別)、システムに後から受付窓口を付けるなら100万〜300万円です。

「API連携できない」と言われても、技術的に取り出す手段がないとは限りません。API(システム同士が人を介さずにデータをやり取りするための受付窓口)がないことと、データを取り出せないことは別の話です。国や自治体のシステム調達を調べた公正取引委員会の調査では、保守や入れ替えの際に同じベンダーと契約し直した理由の1位が「既存ベンダーしか機能の詳細を把握できなかった」(48.3%)でした。壁になっているのは技術よりも、中身を誰が知っているか、契約でどう決まっているかであることが少なくありません。

この記事では、「API連携できない」と言われる5つの原因、開発会社に頼む前に社内で確かめる6つのこと、取り出す8つの方法の費用とリスク、AIとつなぐ場合の方式の選び方、取り出せても読めない問題、契約で確認すること、取り出さない方がよいケース、当社の公開実績を順に解説します。取り出したデータを毎日別のシステムへ書き写す作業そのものをなくしたい場合はデータ転記の自動化、取り出したデータを生成AIに読ませたい場合は基幹システムと生成AIを連携させる方法で解説しています。

API連携できないシステムで、現場で起きていること

「うちのシステムはAPI連携できません」と言われた会社では、次のような作業が日常になっています。

  • 基幹システムの画面を見ながら、Excelに数字を手で打ち直して月次の資料を作っている
  • 帳票をいったん印刷してから別のシステムに入力し直している。PDFの中身をコピーして貼り付けている
  • CSV出力のボタンはあるものの、必要な項目が入っていないので、画面を1件ずつ開いて書き足している
  • 保守会社に「CSVに項目を足したい」と頼んだら、数十万〜数百万円の見積もりと数か月待ちを提示された
  • 前任者が作ったAccessやExcelのマクロでデータを取り出しているが、中身を直せる人がいない
  • 新しいクラウドサービスやAIとつなごうとしたら、「今のシステムにはデータを出す口がない」と言われた

こうした状況は珍しくありません。経済産業省のレガシーシステムモダン化委員会が2025年5月にまとめた総括レポートでは、技術の老朽化やブラックボックス化によって経営の足かせになっている「レガシーシステム」を持つユーザー企業が61%、大企業に限ると74%でした(元データはIPA「2024年度ソフトウェア動向調査」、n=516)。

国や自治体でも事情は同じです。公正取引委員会の調査(2022年2月、官公庁1,835機関へのアンケート)では、システム同士のAPI連携を「すべてのシステムで行っている」のは0.6%にとどまり、「行っていない」が30.5%、「分からない」が17.3%でした。一方で、API連携を行っていない官公庁の約4割は「他の方式で連携しているため」と答えています。APIがなくても、ファイルなど別の方法でデータを受け渡すのはごく普通のやり方です。

月20時間の書き写しは、年72万円のコスト(試算)

取り出せないことのコストを、金額に置き換えてみます。例えば、基幹システムの画面から数値を書き写して月次の経営資料を作る作業に、担当者が毎月20時間かけているとします。

項目

数字

書き写しにかかる時間

月20時間

時給(仮の単価)

3,000円

1か月のコスト

20時間 × 3,000円 = 6万円

1年のコスト

6万円 × 12か月 = 72万円

時間と時給は仮の数字です。自社の実測に置き換えてください。書き写しには時間のほかにも、転記ミスを探して直す手間や、担当者が休むと資料が出ないといったコストがかかっています。この年72万円が、取り出しにいくらまでかけてよいかを考える出発点になります。何か月で元が取れるかは、後半の「費用の目安」で試算します。

「API連携できない」と言われる5つの原因

kintoneの公式ロゴ画像(契約コースによって外部連携の可否が変わるクラウドサービスの例)

出典: kintone 公式サイト

「API連携できない」という一言には、いくつかの違う事情が含まれています。原因によって、相談する相手も、かかる費用も変わります。

原因

よくある状況

まず相談する相手

費用の方向

① 受付窓口がそもそもない

10年以上前に作った自社専用のシステム、古いパッケージ製品

保守会社、開発会社

出力機能の追加や画面からの読み取りで数十万円〜

② 今の契約プランでは使えない

クラウドサービスの下位プランを使っている

提供元、販売代理店

プランの差額だけで済むことがある

③ 中身を保守会社しか知らない

設計書や項目の説明書が社内にない

保守会社

読み解くための調査費が上乗せされる

④ 権利が保守会社の側にある

契約上、プログラムやデータの権利が相手にある

保守会社(契約書の確認)

交渉と契約の条件しだい

⑤ 取り出せても読めない

文字化け、システム独自の特殊な文字、コードの意味が分からない

保守会社、開発会社

変換や読み解きの費用が上乗せされる

②は、開発が要らないことがある原因です。 例えばkintoneは、ライトコース(1ユーザー月1,000円・税抜、最低10ユーザー)では外部サービスとの連携や、機能を追加する拡張(プラグイン)が使えず、スタンダードコース(1ユーザー月1,800円・税抜)以上で使えます。Salesforceも、APIを使えるのはEnterprise、Unlimitedなど一部のエディションで、Professional Editionでは有償の追加契約が必要、Essentials以下ではその追加契約自体が用意されていません。この場合は「APIがない」のではなく「今の契約では使えない」だけです。kintoneのライトからスタンダードへの変更なら、差額は1ユーザー月800円(税抜)、10ユーザーで月8,000円です。

③と④は、技術ではなく情報と契約の問題です。 公正取引委員会の同じ調査で、保守・改修・入れ替えの際に既存ベンダーと再び契約することになった理由(複数回答)は次のとおりでした。

既存ベンダーと再び契約した理由

割合

既存ベンダーしか、システムの機能の詳細を把握できなかった

48.3%

システムの機能(技術)の権利が、既存ベンダーにあった

24.3%

既存ベンダーしか、システムに保存されているデータの内容を把握できなかった

21.1%

システムに保存されているデータの権利が、既存ベンダーにあった

7.1%

この調査は官公庁が対象で、民間企業にそのまま当てはまるわけではありません。それでも、発注の手続きが厳格な国や自治体でさえ、約半数が「中身を既存ベンダーしか知らない」ことを理由に同じ相手と契約し直しています。設計書がない、担当者が替わった、というシステムでは、民間企業でも同じことが起こりえます。

⑤は、取り出した後に見つかりやすい原因です。 詳しくは後の「取り出せても使えない問題」で説明します。

開発会社に頼む前に、社内で確かめる6つのこと

Salesforceの公式ロゴ(エディションによってAPIの利用可否が異なるサービスの例)

出典: Salesforce 公式サイト

次の6つは、社内の担当者だけで確かめられます。ここが分かっていると、開発会社の見積もりが早く、正確になり、「開発しなくても済む」と分かることもあります。

#

確かめること

見る場所・聞く相手

1

画面・帳票・管理者メニューに、出力の機能がないか

システムの画面(管理者の権限で)

2

上位プランや別売りのオプションに、連携の機能がないか

提供元の料金ページ、販売代理店

3

マニュアルと契約書に、出力やデータの扱いが書かれていないか

マニュアル、契約書

4

保守会社は、どの方法なら対応できるか

保守会社

5

データを保管している仕組み(データベース)の種類は何か

システムの資料、保守会社

6

提供元が新しい取り出し口を出していないか

提供元のお知らせ、ヘルプページ

1. 出力の機能:一覧画面の「CSV出力」「Excel出力」ボタン、帳票の「ファイルに保存」「PDF出力」、管理者だけが見られるメニューの「データ出力」「バックアップ」を探します。一般の担当者の権限では表示されないことがあるため、管理者の権限で確認してください。

2. プラン:提供元の料金ページで、プランごとの比較表の「外部連携」「API」の行を見ます。前の章のkintoneやSalesforceのように、プランを上げるだけで使えることがあります。

3. マニュアルと契約書:マニュアルの「データ出力」「連携」の章に、画面にないボタンや設定が書かれていることがあります。契約書では、データの権利がどちらにあるか、契約終了時にデータを返してもらえるかを確認します(詳しくは後の「契約で確認すること」)。

4. 保守会社への聞き方:「APIはありますか」とだけ聞くと、「ありません」で話が終わりがちです。次のように、方法ごとに分けて聞いてください。

  • 画面のCSV出力に、この項目を足すことはできますか。費用と期間はどのくらいですか。
  • 過去のデータを、一括で出してもらうことはできますか。形式と費用はどうなりますか。
  • データベースを、読み取りだけの権限で参照させてもらうことはできますか。条件はありますか。
  • どの列が何を意味するかが分かる、項目の説明書をいただけますか。

5. データベースの種類:Oracle、SQL Server、IBM i(旧AS/400)など、データを保管している仕組みの種類を確認します。種類によって取り出し方と費用が変わります。「オフコンだから無理」とは限らず、IBM iでもIBMが提供する接続用のソフト(IBM i Access のODBCドライバー)を使ってデータを読み取れる場合があります。

6. 新しい取り出し口:2026年は、会計クラウドなどでAIからデータを読み書きするための窓口(MCP)の公開が進んでいます。数年前に「APIはない」と言われた製品でも、今は取り出し口が用意されていることがあります。主な製品の対応状況は基幹システムと生成AIを連携させる方法にまとめています。

データを取り出す8つの方法|費用とリスクの比較

Microsoft Learnの公式画像(画面操作を自動化するPower Automate for desktopの解説元)

出典: Microsoft Learn 公式

取り出す方法は、大きく8つあります。下の表は、費用が安くリスクが低い順に並べています。上から順に確かめ、足りなければ次の方法に進むのが基本です。

#

方法

使える条件

費用の目安

主な注意点

①

標準の出力機能を使う

CSV出力などのボタンがある

0円(社内の作業時間のみ)

必要な項目が足りないことが多く、加工の手作業が残る

②

契約プランを変える・オプションを足す

上位プランに連携の機能がある

プランの差額(kintoneなら1ユーザー月800円・税抜)

利用者の数だけかかる。1日の回数に上限がある

③

保守会社に出力機能の追加や一括の抽出を頼む

保守会社が対応してくれる

CSV出力の項目追加で10万〜80万円程度

見積もりが高い、待ち時間が長いことがある

④

データベースを読み取り専用で読む

データベースの種類が分かり、保守会社が読み取りの権限を出してくれる

1か所から読むだけなら数十万円〜

保守会社の了承が前提。項目の意味が分からないと使えない

⑤

画面から自動で読み取る(RPA・AIによる画面操作)

人が画面で見られる

無料の道具〜。外注なら20万円〜+保守 月5万〜30万円

画面が変わると止まる。利用規約の確認が必要

⑥

帳票・PDF・紙から読み取る(AI-OCR)

印刷かPDF出力だけはできる

月3万円相当〜(年契約・税抜)

読み取り誤りの確認が要る

⑦

後付けの受付窓口を作る

④か⑤でデータを取り出せる

100万〜300万円、3〜8週間

中身は④か⑤なので、そのリスクを引き継ぐ

⑧

入れ替えのときに一括で移す

入れ替えが近い

入れ替えの費用の中で見積もり

移行の条件と費用を契約で先に決めておく

費用の目安のうち、③はripla社(2026年6月公開)、⑤の外注はニューラルオプト社、⑦はAlgentio社が公開している目安です。公的な統計ではなく、各社が公開している目安として参考にしてください。

最初に決める:1回だけ取り出すのか、毎日取り出し続けるのか

方法を選ぶ前に、取り出すのが1回だけか、繰り返しかを決めてください。同じデータでも、ここで方法と費用が大きく変わります。

頻度

よくある目的

合う方法

1回だけ(または年に数回)

システムの入れ替え、過去データの分析、監査や調査

①を総ざらい → 足りなければ③の一括抽出 → ④で一括で読む

毎月・毎週

月次の経営数値、定例のレポート

①+加工の自動化、③でCSV出力の項目を足す

毎日・随時

他のシステムとの連携、在庫や受注の同期

決まった時刻にCSVを出す仕組み、④、⑦、⑤

1回だけなら、仕組みを作らずに保守会社に一括で出してもらう方が、毎月の保守費がかからない分、安く済みやすくなります。繰り返し取り出すなら仕組みにする必要があり、作る費用に加えて、止まったときに直す保守の費用が毎月かかります。取り出したデータを毎日別のシステムへ入力する作業まで自動化したい場合の方法と費用は、データ転記の自動化で比較しています。

①標準の出力機能 ②契約プランの変更(0円〜プランの差額)

最初に確かめるべき、費用がほとんどかからない方法です。前の章の「社内で確かめる6つのこと」の1と2にあたります。標準の出力で必要な項目がそろうなら、あとはExcelでの加工を減らすだけで済みます。加工の手間が大きい場合は、Excel業務のシステム化も選択肢になります。

③保守会社に出力機能を足してもらう・一括で出してもらう(10万〜80万円程度)

既存システムのCSV出力に項目を足す改修は、ripla社の公開目安で10万〜80万円程度です。データベースの構造を変える必要があると、30万〜200万円程度に上がります。保守会社以外の開発会社に頼む場合は、別の会社が作ったシステムを読み解くための費用が上乗せされます。作業別の目安と、費用が高くなる条件はシステム改修の費用で詳しく解説しています。

④データベースを読み取り専用で読む

データを保管している場所(データベース)に、読むだけの権限で接続して取り出す方法です。画面に出てこない項目も取れ、決まった時刻に自動で取り出せます。

ただし、注意点がいくつもあります。

  • 保守会社の了承が前提です。無断で接続すると、保守の対象外とされることがあります。条件は会社ごとに違うため、自社の保守契約で確認してください
  • 書き込みは厳禁です。読み取り専用の権限であることを必ず確かめます
  • 業務時間中に大量のデータを読むと、本番のシステムの動きが重くなることがあります
  • システムの更新で項目の構成が変わると、ある日突然取り出せなくなることがあります
  • 入力途中や確定前のデータを拾ってしまうことがあります
  • 項目の意味が分からないと、取り出しても使えません(後述)

⑤画面から自動で読み取る(RPA・AIによる画面操作)

人が画面で見られるデータなら、画面の操作を自動でくり返すソフト(RPA)で読み取れます。MicrosoftのPower Automate for desktopは、Windows 11では追加費用なしで使えます(人がパソコンの前で起動する使い方)。人がいない夜間などに自動で動かす場合は、Power Automate Processが1ボット(自動で動かす1台分)あたり月22,488円(年払い・税抜)です。Webの画面から自動で読み取る仕組みを外注する場合、最小規模で20万〜50万円、保守・運用で月5万〜30万円という公開目安があります(ニューラルオプト社)。

弱点は、画面の配置や項目が変わると止まることです。止まる原因と対策はRPAが動かない原因、保守にかかる費用はRPAの保守コストで解説しています。クラウドサービスの場合は、利用規約で自動での取得が禁止されていないかを確認し、ログインの仕組みを回避するような作り方はしないでください。

2026年には、AIに画面を見せてマウスやキーボードを操作させる機能も選択肢に入りました。Anthropic(Claudeの提供元)の公式ドキュメントでは、この機能がClaude APIなどで正式提供の機能として案内されています。一方で同じドキュメントは、通常の機能とは異なる固有のリスクがあるとして、次のような使い方を勧めています。

  • 権限を最小限にした専用の環境で動かす
  • ログイン情報などの機密データにアクセスさせない
  • インターネットの接続先を許可したものに絞る
  • 重要な結果を伴う操作は、人が確認する

画面の中に書かれた文字を指示と取り違えて従ってしまうおそれも指摘されています。基幹システムの管理者のIDとパスワードをAIに渡す設計は避け、読み取り専用のアカウントと人の確認を前提にしてください。仕組みの詳細はClaude Computer Useとはで解説しています。

⑥帳票・PDF・紙から読み取る(AI-OCR)

画面からは取れないが、帳票を印刷したりPDFで出したりはできる、という場合は、紙やPDFの文字をAIで読み取る方法(AI-OCR)が使えます。例えばSmartReadのクラウド版は、Smallプランが年36万円(月3万円相当・税抜、初期費用0円、1年契約)で、上限を超えた分は1ページ15円です。読み取り誤りがゼロにはならないため、人が確認する工程が残ります。読み取った後に基幹システムへ登録するまでの自動化はOCRから基幹システムへの登録を自動化する方法で解説しています。

⑦後付けの受付窓口を作る(100万〜300万円・3〜8週間)

④か⑤の方法でデータを取り出せるようにしたうえで、ほかのシステムから呼び出せる受付窓口の形にまとめる方法です。Algentio社の公開目安では、古いシステムに後から受付窓口を付ける費用は100万〜300万円、期間は3〜8週間です。複数のシステムから同じデータを使いたい場合に効果が出ます。ただし、窓口の中身は④か⑤なので、保守会社の了承や、画面が変わると止まるといったリスクはそのまま引き継ぎます。

⑧入れ替えのときに一括で移す

1〜2年以内にシステムの入れ替えが決まっているなら、今は取り出しの仕組みに大きく投資せず、入れ替えの契約の中でデータの移し方と費用を決める方が安く済むことがあります。入れ替えるかどうかの判断そのものに迷っている場合は、基幹システムの刷新判断で5つの確認と費用を解説しています。

AIとつなぐ場合の選び方|CSV・画面操作・改修を5つの条件で比べる

取り出したデータをAIに読ませたい、AIの結果を元のシステムに戻したい、という場合は、費用だけでなく、システムを変える必要があるか、ログインをどう扱うか、画面が変わったときに止まらないか、誰が何をしたかの記録が残るか、誤った操作をどう防ぐかで方式を選びます。前の章の8つの方法を、AIとつなぐときに候補になる5つの方式にまとめ直し(③と⑦は「改修」に含めています)、この5つの条件で並べました。

方式

既存システムの変更

ログインの扱い

画面が変わったとき

記録(誰が・いつ・何を)

誤操作の防ぎ方

向く作業

標準のCSV出力と取込(ファイルでの受け渡し)

なし

人が出力するか、出力の予約機能を使う。AIにログイン情報を渡さずに済む

影響を受けにくい。出力の項目構成が変わると取込側を直す

出力したファイルと取込の結果を保管すれば追える

元のシステムには書き込まない

月次・日次の集計、AIに読ませる資料づくり

データベースを読み取り専用で読む

なし(接続の設定と保守会社の了承が要る)

読み取り専用の専用アカウントを発行してもらう

画面の変更は関係ない。システム更新で項目構成が変わると止まる

接続の記録が残るかはデータベースの設定しだい。保守会社と確認する

権限を読み取りに限る。業務時間外に読む

画面に出ない項目も含めた定期の取り出し

画面操作の自動化(RPA・AIによる画面操作)

なし

人と同じログインを使う。専用で権限を絞ったアカウントと、パスワードの保管場所を決める。多要素認証などの仕組みは回避しない

弱い。配置や項目名が変わると止まるか、違う欄を読む

操作ごとの記録(実行日時・画面の控え)を自動化側で残す設計が要る

読み取りから始める。登録・更新・削除は人が確認してから確定する

画面でしか見られないデータ、件数が少ない作業

出力機能や受付口を足す改修

あり(改修の権限と保守会社の了承が要る)

連携専用のアカウントや鍵を設計できる

画面の変更に左右されない

改修の中で記録の仕組みを入れられる

読み取りの口から作る。書き込みは項目と条件を絞る

毎日・随時の連携、複数のシステムからの利用

帳票・PDFの読み取り(AI-OCR)

なし

元のシステムに触れない

帳票の様式が変わると読み取りの設定を直す

元の帳票と読み取り結果を並べて残せる

読み取り誤りを人が確認する

印刷かPDF出力しかできないシステム

この表は、方式ごとの一般的な性質を整理した説明用のもので、特定の製品で検証した結果ではありません。どの方式が使えるかは、製品の利用規約、提供されているAPIや出力機能、保守契約で決まるため、製品ごとに確かめてください。

読み取りと書き込みは分けて考える

AIに渡すデータを取り出す(読み取り)ことと、AIが作った結果を元のシステムに登録する(書き込み)ことでは、失敗したときの影響がまったく違います。APIがないシステムに書き込む方法は、画面操作の自動化か改修のどちらかです。画面操作で書き込むと、違う欄への入力、同じデータの二重登録、取り消しのきかない確定が起こりえます。Anthropicの公式ドキュメントも、AIによる画面操作では、重要な結果を伴う操作の前に人が確認することを勧めています。

最初は読み取りだけで仕組みを作り、取り出したデータが画面と一致することを確かめてから(確かめ方はよくある質問のQ7)、書き込みを件数の少ない作業から人の確認付きで足していく順番が安全です。

AIで自社でできる部分と、会社に頼んだ方がよい部分

ChatGPTやClaudeなどの生成AIを使えば、社内でもかなりのところまで進められます。

  • 自社でAIを使って進められること:出力したCSVを整形・集計するプログラムや手順の作成、CSVの列が何を意味しそうかの洗い出し、RPAやAIによる画面操作の試作、保守会社への質問文の作成、取り出したデータを画面と見比べる確認手順づくり
  • 会社に頼んだ方がよいこと:保守契約や権限が絡む接続(データベースの読み取り、改修)、毎日動かす仕組みが止まったときの検知と復旧、ログイン情報の管理と権限の設計、取り消しや締め日をまたぐデータ・特殊な文字などの例外をどう扱うかを決めて試験すること、取り出したデータが正しいかの検収、システム更新のたびに直す責任をどこが持つか

試作まではAIで進め、本番で動かし続ける部分だけを頼むという分け方も選択肢です。当社は、CSV・API・画面操作のどれでつなぐかを、接続先のシステムと対象の作業を伺って一緒に決めるところから対応できます。言語や製品を問わず、他社が作ったシステムの調査・改修もご相談いただけます。

初回相談は無料・30分(オンライン、Google Meet)です。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。

▶ 接続先のシステムと対象の作業から、取り出し・連携の方法を相談する

取り出せても使えない問題|文字化け・特殊な文字・コードの意味

データを取り出せても、それだけでは使えないことがよくあります。見落とされやすいものの、見積もりや期間に大きく響く部分です。

問題

何が起きるか

文字化け

古いシステムは文字の記録の方式が違い、そのまま開くと文字が崩れる(Shift_JIS、IBM iのEBCDICなど)

システム独自の特殊な文字

人名や地名の珍しい漢字が、ベンダー独自の文字で記録されていて、ほかのシステムで表示できない

コードの意味

「01」「A3」などのコードが何を意味するかは、コードの対応表がないと分からない

項目の説明書がない

どの列が税込でどの列が税抜か、どの日付が受注日でどの日付が出荷日か、画面との対応が分からない

画面の数字と合わない

画面は計算した後の値、データベースは計算する前の値ということがある

公正取引委員会の調査でも、自治体から「ベンダー固有の外字フォントがあるので、どうしても情報システム間でデータ形式にバラつきがある。API連携したとしても上手く出力されなかったりする」という声が寄せられています。前の章で見た「既存ベンダーしかデータの内容を把握できなかった」(21.1%)も、この問題の表れです。

開発会社の見積もりに「調査」「データの分析」といった項目が入るのは、この読み解きのためです。仕様書がない業務システムでは、画面が20〜30程度の規模でも初期の調査だけで1〜2か月、費用は数十万円という公開目安があります(three dots.社)。取り出す費用には、読み解く費用が含まれていると考えてください。逆に、保守会社から項目の説明書とコードの対応表を受け取れれば、この費用を下げられます。

費用の目安|目的別に見る

目的別に、方法と費用の目安をまとめると次のとおりです。

目的

主な方法

費用の目安

期間の目安

月次の資料のために、1か所から項目を足して取り出す

①②③

0円〜80万円程度(CSV出力の項目追加は10万〜80万円程度)

改修の範囲と保守会社の回答による

毎日、別のシステムへデータを流し続ける

①+自動化、④、⑤

画面からの読み取りの外注で20万〜50万円+保守 月5万〜30万円。ファイルでの連携を作るなら50万〜200万円

方法と、つなぐシステムの数による

複数のシステムから呼び出せる受付窓口を作る

⑦

100万〜300万円

3〜8週間

複数のシステムのデータを1か所に集め、分析やAIに使う

データの写しを置く場所を作る

400万〜1,200万円

3〜6か月

入れ替えに合わせて全データを移す

⑧

入れ替えの費用の中で個別に見積もり

入れ替えの計画による

公開目安の出典は、CSV出力の項目追加がripla社、画面からの読み取りがニューラルオプト社、ファイルでの連携・受付窓口・データの写しを置く場所がAlgentio社です。同じAlgentio社の目安では、システム同士を受付窓口でつなぐ連携は100万〜500万円、RPAでの連携は150万〜600万円とされています。

当社に依頼する場合の費用

当社の受託開発では、API連携できないシステムからのデータの取り出しを、次の3つの入口でお引き受けしています。

状況

当社の入口

金額(税別)

既存システムにCSV出力や帳票を足し、取り出したデータを別のシステムへつなぐところまでまとめて直したい

既存システムの改修(画面の追加・修正、帳票やCSV出力の追加、外部連携など)

100万円〜

取り出したデータで分析できるか、AIに答えさせられるかを、対象を絞って試したい。複数のシステムのデータの出し方を調べて試作したい

PoC=本開発の前に対象を絞って効果を確かめる試作(検証内容の整理、PoCの設計・開発、評価結果のまとめまで。検証を始めるための価格で、本番システムの完成価格ではありません)

300万円〜

複数のシステムから継続的に取り出してまとめる仕組み、入れ替えに伴うデータの移し替え

本開発

個別見積(機能、利用者数、外部との連携、データの移し替え、安全面の要件を確認して見積もり)

CSV出力の追加と、取り出したデータを別のシステムへつなぐ部分をまとめて頼む場合は、当社のメニューでは既存システムの改修(100万円〜)の対象です。CSV出力に項目を足すだけなら、今の保守会社に頼むほうが合います。既存システムの改修は、今の構成と保守契約の条件を確認し、手を入れられる範囲を整理してからお引き受けします。クラウドの利用料やソフトウェアのライセンスなどの実費は別途かかります。サービスの内容と進め方は受託開発サービスのページで確認できます。PoCの費用の内訳はAI PoCの費用で解説しています。

100万円の改修は、何か月で元が取れるか(試算)

以下は仮定に基づく試算です。冒頭の試算(書き写しに月20時間・時給3,000円)で、既存システムにCSV出力と別のシステムへの取り込みを足す改修を100万円で行った場合を考えます。100万円は当社の既存システムの改修の開始価格で、実際の金額は改修の範囲によって上がります。

ケース

減る時間

1か月の削減額

100万円を回収するまで

書き写しが月20時間から月5時間に減る

月15時間

15時間 × 3,000円 = 4.5万円

約22か月(100万円 ÷ 4.5万円 ≒ 22.2か月)

書き写しが月20時間から月2時間に減る

月18時間

18時間 × 3,000円 = 5.4万円

約19か月(100万円 ÷ 5.4万円 ≒ 18.5か月)

書き写しが月20時間ほどだと、100万円の改修は回収までに1年半〜2年近くかかります。CSV出力に項目を足すだけで済むなら、今の保守会社に頼むほうが早く元が取れます。これはあくまで試算で、改修後の保守費は含めていません。減る時間は、実際に書き写しにかかっている時間を1か月測ってから置き換えてください。投資の回収の考え方はAI導入のROI試算でも解説しています。

見積書で確認すること

取り出しの見積もりを受け取ったら、次の点を確認してください。

  • 調査費が分かれているか:読み解きの費用がどれくらいかが分かれば、項目の説明書を用意して下げられるかを相談できます
  • 1回だけの抽出か、繰り返しの仕組みか:同じ「データ出力」でも、費用の性質がまったく違います
  • 元の保守会社への協力費が含まれているか:保守会社以外に頼む場合、元の会社に説明や資料の提供を頼む「引き継ぎ協力費」が見落とされやすい費用として挙げられています(three dots.社)
  • 毎月かかる費用:保守、ライセンス、クラウドの利用料
  • 抽出費用の内訳と理由:官公庁向けの考え方ですが、公正取引委員会もベンダーに対して、費用負担の金額の内訳や理由を十分説明するよう求めています

見積もりを同じ条件で比べる方法はシステム開発の相見積もりとRFP、後から費用が増える典型はシステム開発の追加費用で解説しています。

頼む前に契約で確認すること|データの権利・移行の条件・解約時の返却

情報処理推進機構(IPA)の公式ロゴ画像(クラウドサービス安全利用の手引きの発行元)

出典: 情報処理推進機構(IPA)公式サイト

データを取り出すときに最も費用を左右するのは、実は契約です。公正取引委員会の調査には、ある自治体が公共施設予約システムを更新する際に、既存ベンダーからデータの移行費用として5,000万円を請求され、データの移行をあきらめたという事例が載っています。一方で、「他システムへのデータ移行に際して、あらかじめデータ抽出費用を応札価格に含めている」ため追加の請求はしない、というベンダーもありました。

公正取引委員会は官公庁の調達について、既存ベンダーが合理的な理由なく仕様の開示やデータの移行を拒むこと(事実上拒否するのと同じと見られるほど高額な移行費用を請求する場合を含む)で、ほかのベンダーが受注できないようにする場合などは、独占禁止法上問題となるおそれがあるという考え方を示しています。民間企業の取引にそのまま当てはまるとは限りませんが、データの出し方と費用は、困る前に決めておくことが大切なのは同じです。

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確認すること

なぜ必要か

1

自社のデータの権利が自社にあるか。プログラムや仕様の権利はどちらにあるか

権利が相手にあると、取り出しや他社への依頼が制限される

2

契約終了や入れ替えのとき、全データをどの形式で、いくらで出してもらえるか

入れ替えのときに移行費用で交渉が止まるのを防ぐ

3

項目の説明書やデータベースの構造を受け取れるか

読み解きの調査費を下げられる。ほかの会社にも頼めるようになる

4

読み取り専用の接続を保守会社が認めるか。認めるならその条件

④の方法が使えるかが決まる

5

クラウドサービスの解約時に、データを返してもらえるか

解約後に取り出せなくなるのを防ぐ

6

抽出費用の見積もりに内訳があるか

金額が妥当かを判断できる

自治体の中には、権利の取り決めに加えてデータの移行についてもあらかじめ仕様書に定め、担当のベンダーが替わっても円滑に移行できるようにしている例があります。これから新しいシステムを契約するなら、契約の時点で2と3を書き込んでおくのが最も安く済みます。開発を頼むときに受け取るべき資料はシステム開発の納品物で解説しています。

クラウドサービスについては、IPA(情報処理推進機構)の「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」(2026年6月版)が、確認項目の13番目に「利用終了時のデータを確保する」を挙げています。全データの返却やダウンロード、データの互換性や移植性(ほかのサービスでも読み込めるか)を、契約する前に確認するよう求めています。

医療機関・薬局の場合

医療機関や薬局のシステムには、根拠になる決まりがあります。厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」システム運用編は、守るべき事項(遵守事項)として次のように定めています。

システム更新の際の移行を迅速に行えるように、診療録等のデータについて、標準形式が存在する項目は標準形式で、標準形式が存在しない項目は変換が容易なデータ形式で、それぞれ出力及び入力できる機能を備えるようにすること。

医療情報システムでは、データを出力できる機能を備えることがガイドラインで求められています。システムの提供元や保守会社に出力の機能を求めるときの根拠として示せます。ただし、出力にかかる費用を誰が負担するかは契約によります。

また、取り出した医療情報を外部のクラウドやAIで扱う場合も、同じガイドラインの安全管理の対象になります。取り出した先での扱い方は既存システムにAIを組み込む方法の「医療機関・薬局の場合」で解説しています。

データを取り出さない方がよいケース

取り出せるからといって、取り出すべきとは限りません。次の表の右側に当てはまる場合は、方法を変えるか、見送ることをおすすめします。

取り出してよい

取り出さない方がよい

画面に表示できる、印刷できるデータ

画面にも帳票にも出てこないデータで、項目の意味を確かめる手段がない

自社の業務データで、契約上の権利や利用に制約がない

契約上、データや仕様の権利がベンダーにあり、利用に制約がある

読み取り専用で、本番の業務に影響を与えない

本番のデータベースに書き込む。負荷をかけて業務を止めるおそれがある

保守会社の了承がある

保守契約で禁止されている操作にあたる

クラウドサービスの利用規約で自動の取得が禁止されていない

利用規約で自動の取得を禁止している

医療情報や個人情報を扱う場合に、安全管理の体制がとれる

個人情報や医療情報を、安全管理の決まりを満たさない場所に取り出す

また、次のような場合は、取り出しの仕組みを作る必要自体がありません。

  • 年に1回、数百件程度しか使わない:標準のCSV出力と手作業で十分です。開発費に見合いません
  • 1〜2年以内にシステムの入れ替えが決まっている:今は仕組みに投資せず、入れ替えの契約に移行の条件を書き込む方が安く済みます
  • 上位プランに変えるだけで済む:開発会社に頼む必要はありません。自社専用に作るかサービスを使うかで迷う場合はSaaSかカスタム開発かも参考にしてください

当社の公開実績|この記事に近い範囲

当社が公開している受託開発の実績のうち、この記事の内容に近いものは次の2つです。守秘義務のため、社名・金額・効果は公開していません。

  • 通信事業:数万件の請求情報を取り込み、集計し、確認する画面を作りました。取り込んだデータを人が確かめられる形にする点が、この記事の「取り出したデータを使える形にする」工程に近い範囲です。
  • 薬局:複数店舗・数千人分の記録の管理、権限、確認の工程を持つ仕組みを作りました。誰がどのデータを扱え、誰が確認したかを決める点が、前の章の「ログインの扱い」「記録」「誤操作の防ぎ方」に関係します。

どちらも、元のシステムにAPIがあったかどうかや、取り込みの方式までは公開していません。この記事の8つの方法やAIとつなぐ場合の選択表は、これらの実績から導いた結果ではなく、一般的な性質を整理した説明用のものです。

相談から稼働までの流れと期間

段階

やること

期間の目安

自社でできること

1. 社内の確認

出力の機能、プラン、マニュアル、契約書を確かめる

社内だけで進められる

「社内で確かめる6つのこと」の1〜3と6

2. 保守会社への質問

方法ごとの可否・費用・条件、項目の説明書の有無

回答まで数週間かかることもある

方法ごとに分けて質問する

3. 調査と見積もり

データの中身と項目の意味を確かめ、方法と費用を決める

仕様書がない場合、初期の調査だけで1〜2か月(公開目安)

画面や帳票のサンプル、使い道の整理

4. 小さく作る

1か所から取り出す、または対象を絞って試作する

対象と方法による(見積もりの段階で示してもらう)

合格ラインを決める。取り出したデータを画面と見比べる

5. 本格的な仕組みにする

複数のシステムから継続的に取り出す、入れ替えに伴う移行

対象のシステムの数と移行の範囲による

現場の運用の見直し

1と2は、開発会社と契約する前から社内で進められます。どこまで社内で決めて、どこから開発会社に任せるかの線引きは開発会社への丸投げを避ける方法で解説しています。

当社に相談いただく場合の流れ

初回相談(無料・30分・オンライン)→ 相談メモで依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をお返し → 資料をいただいたうえで提案・見積もり → 既存システムの改修・PoC・本開発のいずれか、の順に進めます。どの方法で取り出すかが決まっていない段階でも構いません。ご相談の前に次のことが分かっていると、合う方法の候補と費用の目安を絞り込みやすくなります。すべてそろっていなくても大丈夫です。

  • システムの製品名(または作った会社)と、データベースの種類
  • 取り出したいデータと、その使い道
  • 1回だけか、毎月か、毎日か
  • 保守会社から受けた回答(「API連携できない」と言われた際の説明や見積もり)
  • 画面や帳票のサンプル(個人情報を消したもの)

相談の段階では、秘密情報や本番のログイン情報、実際の顧客データは送らないでください。既存システムの中身を調べて報告する調査は有償になり、その前に範囲と金額をお示しします。進め方の詳細は受託開発サービスの進め方をご覧ください。

よくある質問

Q1. 保守会社以外の会社にデータの取り出しを頼むと、今の保守契約に影響しますか。

影響する場合があります。特に、データベースへの接続や、画面操作の自動化のようにシステムに直接触れる方法は、保守契約で制限されていたり、障害が起きたときに保守の対象外とされたりすることがあります。条件は契約ごとに違うため、①契約書のうち保守の対象範囲や、他社による変更・接続の扱いを定めた条項を確認する、②依頼する前に保守会社へ「読み取りだけの接続をしたい」と相談し、認める条件を書面でもらう、の順に進めてください。標準の出力機能で出したCSVを加工するだけなら、システム本体に触れないため、影響は小さくなります。

Q2. クラウドサービスの解約を考えています。解約前にやっておくことはありますか。

解約日より前に、全データを持ち出せることを実際に試してください。①一覧の画面に出てこないデータ(添付ファイル、変更の履歴、コメント、利用者ごとの設定など)が出力の対象に入っているか、②試しに全件を出力し、件数が画面と一致するか、文字化けしていないか、③移し先のシステムで実際に読み込めるか、④解約後、データがいつまで残り、いつ消されるか、の4つです。解約してから足りないデータに気づいても取り戻せないことが多いため、出力の作業は解約日から逆算して1〜2か月前には始めるのが安全です。

Q3. 取り出したデータを生成AIに読ませても大丈夫ですか。

使うAIサービスの契約と設定しだいです。確認するのは、①入力したデータがAIの学習に使われないか、②データがどこの国で、どれくらいの期間保存されるか、③取り出したデータに個人情報や取引先の機密が含まれていないか、の3つです。業務で使う場合は、学習に使わないことを契約や設定で確かめられるサービスを選び、個人情報は名前や番号を伏せてから渡すのが基本です。国内での処理や、医療機関の場合の注意点は既存システムにAIを組み込む方法で解説しています。

Q4. 社内のパソコンに詳しい社員に、画面から自動で読み取る仕組みを作ってもらっても問題ありませんか。

小さく始める方法としては有効ですが、3つの点に注意してください。①作った人が異動や退職をすると、誰も直せなくなります(前任者のAccessやマクロと同じ状況になります)。②画面が変わると止まるため、止まったときに誰が気づき、誰が直すかを決めておく必要があります。③自動で動かすアカウントの権限は、読み取りに必要な範囲に絞ってください。どの画面の、どの項目を、何時に読んでいるかを文書に残してもらうだけでも、後から別の人や開発会社に引き継げる可能性が高まります。

Q5. システムの入れ替えが2年後に決まっています。今のうちにやっておくことはありますか。

取り出しの仕組みに大きく投資するより、データそのものの整理を始めることをおすすめします。①使っていない項目や、ほとんど入力されていない項目を洗い出す、②取引先や品目の重複・表記ゆれ(「株式会社」と「(株)」など)を整理する、③どのデータを何年分移すかを決める、の3つです。データの移し替えは、入れ替えの中でも問題が起きやすい工程のひとつです。あわせて、今の保守会社に移行用の一括抽出の見積もりを早めに依頼しておくと、新しいシステムの予算に移行費用を最初から含められます。

Q6. 保守会社がすでに撤退していて、システムのことを聞ける相手がいません。データは取り出せますか。

取り出せる可能性はあります。画面に表示できるなら画面から、印刷できるなら帳票から読み取れますし、データベースの種類が分かれば読み取り専用で接続できる場合もあります。まず、サーバーやデータベースの管理者のIDとパスワードが社内に残っているかを確認してください。機械が古い場合は、故障する前に全データの控え(バックアップ)を取ることを最優先にします。そのうえで、項目の意味を教えてくれる人がいないため、画面の表示とデータの中身を1つずつ見比べて読み解く作業が必要になり、見積もりの大きな部分を占めます。保守を受けられない状態は、入れ替えを考える判断材料にもなります(基幹システムの刷新判断)。

Q7. 取り出したデータが正しいかどうかは、どう確かめればいいですか。

3段階で確かめます。①件数:取り出したデータの件数が、画面で同じ条件で検索した件数と一致するか。②合計:金額や数量の合計が、システムの帳票(月次の集計表など)と一致するか。③抜き取り:数件を選び、画面の表示と1項目ずつ見比べる。ずれやすいのは、税込と税抜の違い、取り消したデータを含むかどうか、締め日をまたぐデータの扱いです。繰り返し取り出す仕組みなら、毎回①と②を自動で確かめ、合わないときに知らせる設定を入れておくと、システムの更新で読み取りがずれたときにすぐ気づけます。

Q8. 保守会社以外の開発会社から「中身が分からないので見積もれない」と言われました。どうすればいいですか。

見積もりの材料を渡すか、発注を2段階に分けてください。材料として有効なのは、①取り出したいデータが表示されている画面や帳票のサンプル(個人情報を消したもの)、②データベースの種類とおおよその件数、③取り出したい頻度と使い道です。それでも金額を出せない場合は、先に「調査だけ」を有償で頼み、その結果をもとに本体の見積もりを出してもらう方法があります。調査の結果は、保守会社の見積もりと比べる材料にもなります。段階に分けた発注の方法はシステム開発を段階的に発注する方法で解説しています。

API連携できないシステムのデータでお困りの方へ

API連携できないシステムでも、画面に出る・印刷できるデータなら、取り出す方法の候補はあります。まず標準の出力機能と契約プランを確かめ、足りなければ保守会社に方法ごとに分けて聞き、それでも難しい場合に開発会社へ相談する、という順番で進めると、余計な費用をかけずに済みます。取り出す費用には読み解く費用が含まれることと、データの出し方と費用は契約で先に決めておくことも忘れないでください。

  • 保守会社に「API連携できない」と言われ、次に何をすればいいか分からない
  • CSV出力に項目が足りず、毎月何十時間も手で書き足している
  • データを取り出す見積もりが高額で、妥当かどうか判断できない
  • 取り出したデータを、分析や別のシステム、AIに使いたい

いずれかに当てはまるなら、ご相談ください。初回相談は無料・30分(オンライン、Google Meet)です。当社の価格は、既存システムの改修が100万円〜(帳票やCSV出力の追加、外部連携など)、PoCが300万円〜、本開発は個別見積です(すべて税別。クラウドの利用料やソフトウェアのライセンスなどの実費は別途)。公開している実績は、通信事業の数万件の請求情報の取込・集計・確認画面と、薬局の複数店舗の記録管理・権限・確認工程です。要件が固まっていない段階からご相談いただけます(要件が固まっていなくても相談できる理由)。

接続先のシステムの名前、取り出したいデータと使い道、1回だけか繰り返しかを伺い、8つの方法のどれが合いそうかと、自社でAIを使って進める部分・任せる部分の切り分けを一緒に考えます。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。標準の出力機能や契約プランの変更で済む場合は、開発をおすすめしません。

▶ 接続先のシステムと対象の作業から、取り出し・連携の方法を相談する

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

この記事の著者

AI革命

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編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

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