ChatGPT/Codexデスクトップアプリ Linux版が登場|対応ディストリ・インストール手順・できること/できないこと【2026年8月最新】

この記事のポイント
OpenAIが2026年8月11日に公開したChatGPTデスクトップアプリのLinux版(プレビュー)を、対応ディストリ・インストールコマンド・Computer Use非対応などの制約・日本語入力の落とし穴・料金プランまで整理。今すぐ入れるべきか、当面ブラウザ版で待つべきかを判断できます。
OpenAIは2026年8月11日、ChatGPTデスクトップアプリのLinux版をパブリックプレビューとして公開しました。Ubuntu 24.04/26.04 LTS・Debian 13・Fedora 43/44 に .deb / .rpm で導入でき、1つのアプリの中で Chat / ChatGPT Work / Codex を切り替えて使えます。
ただし「Mac版・Windows版がそのままLinuxに来た」わけではありません。Computer Use(AIがデスクトップ上のアプリを直接操作する機能)はLinuxプレビューでは非対応で、日本語入力(IME)まわりにも報告されている不具合があります。
この記事でわかること:
- 自分のディストリ・CPUで入るのか(対応環境の早見表)
- コピペで済むインストール/アップデート/アンインストール手順
- Linux版でできること・できないこと(macOS/Windows版との差)
- 日本語入力が効かないときの回避策
- 料金・対応プランと、いま設定を直しておくべきモデルの話
- Linux固有のセキュリティ論点(サンドボックス・権限・APTリポジトリ追加)
対象読者は、Linuxデスクトップで開発している人/社用のLinux環境にAIツールを入れるか判断したい人/Claude CodeやCursorから乗り換えを検討している人です。
入れて損はないが「ミッションクリティカルには使わない」が正解
- 導入自体は簡単で低リスク。 公式パッケージ(
.deb/.rpm)を1コマンドで入れられ、以降はapt/dnfの通常更新に乗ります。CLIやブラウザ版と共存できます。 - ただしプレビュー品質。 OpenAI公式が「バグがある可能性があり、機能連携が安定して動作しない場合がある。ミッションクリティカルな業務に依存させないでほしい」と明記しています。
- 日本語ユーザーは事前確認が必須。 Wayland + Fcitx5 環境で入力欄に日本語(およびハングル)が入らないという報告があり、日常のチャット利用に直撃します。
項目 | 現時点の状況(2026年8月時点) |
|---|---|
提供元 / 公開日 | OpenAI / 2026年8月11日 |
ステータス | パブリックプレビュー(正式版ではない) |
中身 | ChatGPT(Chat)・ChatGPT Work・Codex の統合アプリ |
対応ディストリ | Ubuntu 24.04 / 26.04 LTS、Debian 13、Fedora 43 / 44 |
対応アーキテクチャ | x64(x86_64)/ARM64(aarch64) |
配布形式 |
|
アプリ本体の料金 | 無料(利用にはChatGPTアカウントが必要。一部機能は有料プラン前提) |
最大の非対応機能 | Computer Use(macOS / Windows のみ) |
正式版(GA)時期 | 未公表 |
Codexそのものの概要から押さえたい場合はOpenAI Codexとはを、統合されたWork側の詳細はChatGPT Workとはを先に読むと理解が早くなります。
何が公開されたのか:単体の「Linux版Codexアプリ」は存在しない

出典: ChatGPT 公式ドキュメント
今回リリースされたのは ChatGPTデスクトップアプリのLinux版であり、「Codexアプリ Linux版」という単体製品ではありません。
2026年7月9日のChatGPT Work発表時に、それまで別アプリだったCodexデスクトップアプリは新しいChatGPTデスクトップアプリ(Mac / Windows)へ統合されました。今回のLinux版は、その統合済みアプリの移植です。したがってCodexは、アプリ左上のメニューから切り替えるワークスペースの1つとして提供されます。
- Chat — 通常のChatGPT対話
- ChatGPT Work — 業務タスクの実行・スケジューリング
- Codex — ローカルリポジトリを対象にしたコーディングエージェント
OpenAIは公開にあたり「Linuxはデスクトップアプリで最も要望の多かったプラットフォームの一つ」とコメントしており、今回でWindows・macOS・Linuxの主要3OSが揃いました。
なお、ダウンロードは openai.com/codex、公式ドキュメントは learn.chatgpt.com/docs/linux/linux-app に用意されています。
対応ディストリ・アーキテクチャ早見表
公式にサポートが明記されているのは以下の組み合わせだけです。ここに載っていない環境は、動いたとしても動作保証の対象外です。
ディストリ | 対応バージョン | アーキテクチャ | ダウンロードするファイル名 |
|---|---|---|---|
Ubuntu | 24.04 LTS / 26.04 LTS | x64 |
|
Ubuntu | 24.04 LTS / 26.04 LTS | ARM64 |
|
Debian | 13 | x64 |
|
Debian | 13 | ARM64 |
|
Fedora | 43 / 44 | x64 |
|
Fedora | 43 / 44 | ARM64 |
|
自分のCPUアーキテクチャは次のコマンドで確認できます。
uname -mx86_64と表示されたら → x64 用パッケージaarch64またはarm64と表示されたら → ARM64 用パッケージ
サポート外になる代表例: Arch Linux、Manjaro、NixOS、openSUSE、Linux Mint、Ubuntu 22.04 LTS など。OpenAIは「対応3系統は多くの派生ディストリのベースであり、派生環境でも動作する可能性がある」旨に触れていますが、これは動作保証ではありません。サポート外環境には、ブラウザ版での運用・非サポート承知での公式パッケージ導入・コミュニティの非公式ビルドという3つの選択肢があります。
インストール手順(コピペで完結)
手順は「公式サイトからパッケージをダウンロード → パッケージマネージャで入れる」だけです。所要時間は数分です。
1. パッケージをダウンロードする
openai.com/codex にアクセスし、自分のディストリ・アーキテクチャに合ったファイルを取得します。
2. インストールコマンドを実行する
Ubuntu / Debian(x64)
cd ~/Downloads
sudo apt install ./chatgpt_amd64.debUbuntu / Debian(ARM64)
cd ~/Downloads
sudo apt install ./chatgpt_arm64.debFedora(x64)
cd ~/Downloads
sudo dnf install ./chatgpt.x86_64.rpmFedora(ARM64)
cd ~/Downloads
sudo dnf install ./chatgpt.aarch64.rpmローカルの .deb を apt で入れると ファイル '...' がユーザ '_apt' からアクセスできないため… という通知が出ることがありますが、これはローカルファイルを扱う際の権限に関する通常のメッセージであり、インストール失敗ではありません。
3. 起動してサインインする
アプリケーションメニューから「ChatGPT」を選ぶか、ターミナルで実行します。
chatgpt起動後、ChatGPTアカウントでサインインすると、Web版のチャット履歴やプロジェクトが同期されます。
4. アップデートは通常のパッケージ更新に乗る
インストーラが署名済みのOpenAIリポジトリをシステムに自動追加するため、以降は個別にダウンロードし直す必要がありません。
# Ubuntu / Debian
sudo apt update && sudo apt install --only-upgrade chatgpt
# Fedora
sudo dnf upgrade --refresh chatgptプレビュー期間中は修正の頻度が高いと考えられるため、不具合に当たったらまず更新を試すのが有効です。
5. アンインストール(一般的な手順)
公式ドキュメントに削除手順の明示は確認できていませんが、通常のパッケージと同様に削除できます。
# Ubuntu / Debian
sudo apt remove chatgpt
# Fedora
sudo dnf remove chatgpt削除時の注意: インストール時に追加されたOpenAIのAPTリポジトリ設定(/etc/apt/sources.list.d/ 配下)や署名鍵は、パッケージを消しても残ることがあります。システムをきれいに戻したい場合は、リポジトリ設定ファイルの有無も確認してください。
Linux版でできること

Web版の焼き直しではなく、ローカル環境と接続できる点がデスクトップアプリの価値です。プレビュー時点で確認できる主な機能は以下です。
アプリ全体
- Chat / Work / Codex を1ウィンドウで切り替え(左上メニュー)
- 複数プロジェクトを行き来しても文脈を保持する「プロジェクト」管理
- ドキュメント・スプレッドシート・画像などのローカルファイルをワークスペース内で開く/作成・レビューする
- アプリ内蔵ブラウザを使ったブラウザワークフロー(内蔵ブラウザおよびChromeの操作はLinuxでも可能)
- 単発タスクの作成、既存チャット内での作業スケジューリング(定期実行)
- 複数プロジェクトの並行実行
Codex(コーディング側)
- ローカルのリポジトリ・フォルダ・ターミナル・開発ツールとの連携
- コードの記述、デバッグ、テスト実行、変更のレビュー
- マルチフォルダプロジェクトで全リポジトリを一覧表示し、複数コードベースの変更をまとめて確認(2026年7月30日に追加された機能)
- Codex CLI / Codex IDE拡張との併用
ブラウザ操作については、OpenAI Codex Chrome拡張機能と役割が重なる部分があるため、既にCLIや拡張機能を使っている人は「どこをGUIに寄せるか」を決めてから導入すると混乱しません。
できないこと・制約:Computer Useは非対応
Linux版で最も大きい欠落は、Computer Use が使えないことです。公式ドキュメントに「Computer UseはmacOSとWindowsで利用できるが、Linuxプレビューではまだ利用できない」と明記されています。
機能 | Linux版 | macOS / Windows版 |
|---|---|---|
Chat / Work / Codex の利用 | ○ | ○ |
ローカルファイル・リポジトリ連携 | ○ | ○ |
内蔵ブラウザ/Chromeの操作 | ○ | ○ |
Computer Use(ネイティブアプリの直接操作) | × | ○ |
Appshots / Record & Replay | ×(Computer Use依存のため) | ○ |
音声での操作依頼 | ×(同上) | ○ |
ネイティブWayland動作 | △(実験段階) | 該当なし |
線引きとして重要なのは、「ブラウザ操作は可能、デスクトップ上のネイティブアプリ操作は不可」という点です。Web業務の自動化はLinuxでも回せますが、ローカルGUIアプリを見て操作させる用途はできません。Computer Useが何をする機能かはOpenAI Codex Computer Useの使い方で整理しています。
そのほかの制約
- ネイティブWayland対応は実験段階。 公式は、フローティングウィンドウ・ウィンドウ位置・フォーカス・キーボードショートカットが正しく動作しない可能性があるとしています。実験的に次のフラグで起動できます。
chatgpt --ozone-platform=wayland- 公式サポート対象は Ubuntu 24.04 / 26.04 LTS、Debian 13、Fedora 43 / 44 のみ。
- 報道・コミュニティ報告ベースの指摘として、スクリーンショット連携やウィンドウ内容の共有(「Work with」)が未実装、Codex CLIで作ったプロジェクトやshellジョブがデスクトップアプリのプロジェクト一覧に出てこない(GUIとCLIの同期が不完全)といった声があります。いずれも公式の機能比較表が出ているわけではないため、確定情報ではありません。
- 動作の重さ。 Electronベースとみられ、アイドル時に1GB超のRAMを消費した、メモリリークにより16GB搭載機が数時間で不安定になった、という個別の検証報告があります(公式見解ではありません)。メモリに余裕のない環境では影響を見ながら使うのが無難です。
日本語入力(IME)が効かないときの回避策
日本語ユーザーにとって、Computer Use非対応より実害が大きい可能性があるのがこれです。Wayland環境でFcitx5を使っていると、入力欄に日本語・韓国語が入力できないという報告が、OpenAIのDeveloper Communityを含む複数の場所で上がっています(Fedora KDE Plasmaなどで再現)。
コミュニティで共有されている回避策は、IME関連のフラグを付けて起動する方法です。
chatgpt --enable-wayland-ime注意点
- このフラグはユーザー報告ベースの回避策であり、公式ドキュメントに記載された正式なオプションではありません。
- 環境によっては効果がない、または別の入力不具合(Hyprland環境での仮想キーボード誤認識など)が出るという報告もあります。
- どうしても解決しない場合は、当面 X11 セッションで使う、あるいは日常のチャットはブラウザ版、ローカル作業はCodex CLIという分担にするのが現実的です。
導入前に判断したい人は、「メインの日本語入力環境がFcitx5 + Waylandかどうか」を先に確認してください。該当する場合は、業務時間中ではなく検証時間を取ってから入れることをおすすめします。
Claude Code / Cursor から設定を引き継げる(8月11日追加)
Linux版公開と同じ2026年8月11日、デスクトップアプリにClaude Code / Claude Cowork / Cursor からのインポート機能が追加されました。公式changelogによると、引き継げるのは以下です。
- instructions(指示・ルールファイル)
- settings(設定)
- skills / plugins
- projects(プロジェクト)
- 最近の作業
設定画面から自動同期を選ぶこともできるため、「まずCodexを試したいが、既存のルールやプラグインを作り直すのが面倒」という乗り換え障壁がかなり下がりました。Linuxで既にClaude CodeやCursorを運用している人は、片方を消さずに並行運用して比べるのが安全な進め方です。
なお、インポートは「設定を持ってくる」機能であり、各ツールの挙動やモデルの得意分野まで同じになるわけではありません。ツール選定そのものを検討している段階なら、OpenClaw vs Claude Codeのような比較記事で判断軸を先に決めておくと、乗り換え後の評価がしやすくなります。
料金・対応プランと、いま直しておくべきモデル設定
アプリ本体は無料で配布されています。利用にはChatGPTアカウントでのサインインが必要で、一部機能は有料プランが前提です。Codexは単体販売されておらず、ChatGPTプランに内包される形で提供されます。
プラン | 料金の目安(現時点・公式) | Codex利用の位置づけ |
|---|---|---|
Free | 無料 | 利用量は最小。業務利用には不足しやすい |
Go / Plus | Plusは月額$20 | 個人開発の入口として現実的なライン |
Pro | $100プラン=Plusの約5倍、$200プラン=Plusの約20倍の利用量 | 長時間エージェントを回す人向け |
Business | 月額プラン1ユーザー$30/年額プラン1ユーザー$20(年額請求) | チーム利用・管理機能が必要な場合 |
Enterprise / Edu | カスタム料金 | 統制・監査要件がある組織向け |
押さえておくべき運用上のポイント
- 2026年4月2日以降、Codexの課金はメッセージ単位からAPIトークン使用量ベースに変更されました(Plus / Pro / Business / Enterprise が対象)。
- 利用状況・残量は
chatgpt.com/codex/settings/usageのダッシュボードで確認できます。 - 5時間の集中利用制限が2026年7月29日に復活し、週次上限と併存しています。詳細はCodex・ChatGPT Workの5時間制限を参照してください。
- 料金は改定が入りやすい領域です。導入判断の前に公式の料金ページで最新額を確認してください。ChatGPT全体のプラン構成はChatGPTとはでも整理しています。
新規導入者ほどハマる「GPT-5.4の提供終了」
2026年8月時点の現行モデルは以下です。Codexの既定モデルは GPT-5.6 Sol です。
モデル | 位置づけ | 状態 |
|---|---|---|
GPT-5.6 Sol | 複雑なコーディング・リサーチに最も強いフラッグシップ。Codexの既定 | 提供中 |
GPT-5.6 Terra | 日常業務向けのバランス型。Solより低コスト | 提供中 |
GPT-5.6 Luna | 高速・最安 | 提供中 |
GPT-5.3 Codex Spark | リアルタイム反復コーディング向けのリサーチプレビュー(ChatGPT Proのみ) | 提供中 |
GPT-5.5 | 前世代のフロンティアモデル | 提供中 |
GPT-5.4 / GPT-5.4 mini | — | 2026年8月31日でCodex(ChatGPTサインイン)から提供終了。Terra / Luna への移行が推奨 |
執筆時点で提供終了まで残り約2週間です。他マシンの設定やリポジトリの設定ファイルをそのままLinuxへ持ち込むと、gpt-5.4 を指定したカスタムエージェント・スケジュールタスクが8月31日以降に動かなくなります。インポート機能で設定を引き継いだ直後こそ、モデル指定を確認するのが安全です。なお、この廃止はAPIおよびAPIキー認証のCodexには影響しません。
モデル廃止の全体的な流れはChatGPTでo3が使えなくなる件や無料版のGPT-5.6 Luna化もあわせて確認しておくと、設定の棚卸しがしやすくなります。
Linux固有のセキュリティ・権限設計

ニュース記事ではほぼ触れられませんが、業務マシンに入れるなら最も重要なのがここです。確認すべきは、APTリポジトリ追加の意味・サンドボックスの実装・権限設定の3つです。
1. インストールは「サードパーティAPTリポジトリの追加」でもある
公式パッケージのインストーラは署名済みのOpenAIリポジトリをシステムに追加します。利便性は高い一方、以後そのリポジトリからroot権限でパッケージ更新が入ることを意味します。社用マシンや共用サーバでは、ソフトウェア導入ポリシー上の確認を先に取るべきです。
2. Codexのサンドボックスはbubblewrap + seccomp
Codexは実行環境ごとに異なるサンドボックス実装を使います。
OS | サンドボックス実装 |
|---|---|
Linux | bubblewrap(bwrap)+ seccomp(ユーザー名前空間で隔離) |
macOS | Seatbelt |
Windows | Windows Sandbox(WSL2内はLinux実装) |
Linux / WSL2 では bubblewrap の導入が実質必須で、CodexはPATH上で最初に見つかった bwrap を使用します。bwrap が無い場合の同梱フォールバックは非特権ユーザー名前空間を必要とするため、Ubuntu 24.04などではAppArmorプロファイルの調整が必要になる場合があります。コンテナ環境でホスト側が名前空間や setuid を禁止していると、サンドボックスが機能しないことがあります(WSLは2のみサポート。WSL1のサポートはCodex 0.115で終了)。
3. サンドボックスモードと承認ポリシーを理解して使う
サンドボックスモード | 挙動 |
|---|---|
| 読み取り専用。編集やコマンド実行には承認が必要 |
| 作業ディレクトリ内の読み書き・コマンド実行が可能。ネットワークはデフォルト遮断(既定モード) |
| サンドボックスも承認もなし。公式に非推奨 |
承認ポリシーは、バージョン管理下のフォルダで既定となる on-request(サンドボックス外への逸脱・ネットワークアクセス・副作用のあるツール呼び出しで承認を求める)、untrusted(安全な読み取り系のみ自動実行)、never(プロンプトを無効化、要注意)があります。
ネットワークは既定でオフで、[sandbox_workspace_write] の network_access = true で有効化します。ドメイン許可リストはallow優先で、domains = { "api.openai.com" = "allow", "example.com" = "deny" } のように指定します。
公式が挙げるリスクとしてはプロンプトインジェクションがあります。エージェントが信頼できない指示を取得して従ってしまう可能性があるため、Web検索は露出を減らす目的でキャッシュ済みインデックスを既定にしています。企業利用では、Managed configuration(ネットワーク設定の強制、auto-reviewポリシーの適用)で統制できます。
実務上の最低ラインは、社用・共用環境で danger-full-access と never を使わないことです。この領域をもう一段深く詰めるならCodex Securityとは、他社エージェントとの権限設計の比較はClaude Codeのセキュリティと安全な使い方が参考になります。
Claude Desktop(Linux版)との違い

出典: Claude 公式サイト
競合であるAnthropicは、約1か月半前の2026年6月30日にClaude DesktopのLinuxベータを公開しています。どちらもデスクトップからローカル作業を扱う点は似ていますが、対応環境の設計思想が異なります。
比較ポイント | ChatGPTデスクトップ Linux版 | Claude Desktop Linux版 |
|---|---|---|
公開日 / 状態 | 2026年8月11日 / プレビュー | 2026年6月30日 / ベータ |
対応ディストリ | Ubuntu 24.04・26.04 LTS、Debian 13、Fedora 43・44 | Ubuntu 22.04+、Debian 12+ |
RPM(Fedora)対応 | あり | なし( |
古いLTSへの対応 | 24.04以降のみ | 22.04から対応(幅が広い) |
アーキテクチャ | x64 / ARM64 | x86_64 / arm64 |
更新方式 | 署名済みOpenAIリポジトリ追加 → apt / dnf | 自社APTリポジトリ + GPG署名 → apt |
アプリの中身 | Chat / Work / Codex | チャット / Cowork / Claude Code |
Computer Use | 非対応 | 非対応 |
その他の非対応 | Appshots・Record & Replay・音声操作依頼 | 音声ディクテーション |
選び分けの目安
- Fedora / openSUSE系のRPM環境なら、公式パッケージがあるChatGPT側が有利。
- Ubuntu 22.04などやや古いLTSを使い続けている環境なら、対応幅の広いClaude Desktop側が有利。
- どちらもComputer Useは非対応なので、「ネイティブアプリ操作」を期待して選ぶ理由は現時点で存在しません。
モデルやサービス全体の性格比較はClaude vs ChatGPT、デスクトップ型エージェントの横並びはGitHub Copilot Appとはも参考になります。
Arch / NixOS / Mint など非対応環境の現実解
公式パッケージが用意されていない環境では、選択肢は実質3つです。
選択肢 | 内容 | 向くケース |
|---|---|---|
ブラウザ版で待つ | 導入作業ゼロ。ローカル連携はできない | 社用環境・安定性重視 |
非対応環境に公式 | Ubuntu 22.04では動作したという検証報告あり(非サポート) | 個人の検証用マシン |
コミュニティの非公式ビルドを使う | Arch / NixOS / AppImage などに対応した再パッケージが存在 | 自己責任で試したい個人 |
非サポート環境での実地報告として、Ubuntu 22.04に chatgpt_amd64.deb をインストールし、起動・ログイン・チャット履歴の同期・通常会話まで成功したという日本語の検証記事があります。ただし筆者自身が「あくまで非サポートであり、今後のアップデートで動かなくなる可能性がある」と注記しています。業務環境で採用してよい根拠にはなりません。
非公式ビルドとしては、OpenAIの署名済み公式 .deb を唯一のアップストリームとして検証・再パッケージするコミュニティプロジェクト(ilysenko/codex-desktop-linux)があります。.deb / RPM / pacman / Nix Flake / AppImage、Raspberry Pi 5 のARM64まで対応し、メニュー上は別名(ChatGPT Community)で表示されるため公式版と共存できます。
ただし以下の点に注意してください。
- 公式版・非公式版はアップストリームのユーザープロファイルを共有するため、同時起動はできません
- AppImage版は自動更新がなく、非特権ユーザー名前空間がない環境では手動でサンドボックス設定が必要です
- OpenAIとは無関係の非公式プロジェクトであり、利用はOpenAIの規約に従う前提です
業務利用は公式パッケージ一択、非公式は個人の自己責任、という整理が現実的です。
こんな人におすすめ / 当面はブラウザ版で十分な人
同じLinuxユーザーでも、ディストリと日本語入力環境によって答えは変わります。
今すぐ入れる価値がある人
- Ubuntu 24.04以降 / Debian 13 / Fedora 43以降を使っている開発者。 公式サポート範囲内で、更新もパッケージマネージャに乗る
- Codexをローカルリポジトリに対して日常的に使いたい人。 CLIだけで運用してきた作業をGUIで一覧管理できる
- Claude Code / Cursor からの乗り換えを検討している人。 instructions・settings・skills・plugins をインポートできるため、比較のコストが低い
- 複数リポジトリを並行して触る人。 マルチフォルダプロジェクトの全リポジトリ表示が効く
- X11環境、または日本語入力の不具合を回避できる環境の人
当面はブラウザ版・CLIで待った方がよい人
- Fcitx5 + Wayland で日本語入力している人(入力できない報告があり、日常利用が成立しない可能性がある)
- ミッションクリティカルな業務フローに組み込みたい人。 公式がプレビューとして依存を避けるよう明記している
- Computer Useを目的にしている人。 Linuxでは非対応で、対応時期も未公表
- Arch / NixOS / Linux Mint / Ubuntu 22.04などサポート外環境の人(試すなら検証機で)
- メモリに余裕のないマシンを使っている人。 消費量が大きいという検証報告がある
- 社用PCで、サードパーティリポジトリの追加が承認されていない人
つまずいたときのチェックリスト
症状 | 確認すること |
|---|---|
インストール時に依存関係エラーが出る | ディストリのバージョンが公式サポート範囲か。 |
| ローカル |
日本語が入力できない | Wayland + Fcitx5 の組み合わせか確認。 |
ウィンドウ位置やショートカットがおかしい | ネイティブWayland対応は実験段階。既定の起動方法に戻して挙動を比較する |
Codexがコマンドを実行できない | サンドボックスモードと承認ポリシーの設定を確認。 |
ネットワークアクセスが通らない |
|
CLIで作ったプロジェクトが一覧に出ない | GUIとCLIの同期が不完全という報告がある。最新版へ更新して再確認する |
動作が重い・メモリを食う | 常駐を切って必要時のみ起動する。改善しなければ当面ブラウザ版に切り替える |
よくある質問
Q. Ubuntu 22.04やLinux Mintでも動きますか?
公式にはサポート対象外です。Ubuntu 22.04に公式 .deb を入れて動作したという検証報告はありますが、動作保証はなく、今後のアップデートで動かなくなる可能性があります。業務で使う端末では避けるのが無難です。
Q. Arch LinuxやNixOSではどうすればいいですか?
公式パッケージの提供はありません。コミュニティの非公式ビルド(pacman / Nix Flake / AppImage対応)が存在しますが、OpenAI提供物ではないため自己責任です。安定性を重視するならブラウザ版とCodex CLIの併用が現実的です。
Q. Flatpak / Snap / AppImage の公式版はありますか?
現時点で公式配布が確認できるのは .deb と .rpm のみです。将来の対応予定についてOpenAIからの公式な言及は確認できていません。
Q. 無料プランでも使えますか?
アプリ自体は無料で、ChatGPTアカウントがあればサインインできます。ただし一部機能は有料プランが前提とされており、Codexの利用量はプランごとに上限が異なります。Free / Go / Plus / Pro / Business / Enterprise のどれに該当するかで体感は大きく変わります。
Q. Codex CLI とデスクトップアプリは併用できますか?プロジェクトは同期されますか?
併用自体は可能です。ただしCLIで作成したプロジェクトやshellジョブがデスクトップアプリのプロジェクト一覧に表示されないという報告があり、現時点でGUIとCLIの同期は完全ではありません。CLI主体の運用をしている場合は、いきなり全面移行せず並行運用で確認してください。
Q. ブラウザ版との使い分けは?
ローカルのファイル・リポジトリ・ターミナルを扱う作業はデスクトップアプリ、単純な文章生成や調べ物、日本語入力が絡む長文チャットは安定しているブラウザ版、という分担が現時点では扱いやすい形です。
Q. 社用PCに入れても大丈夫ですか?
技術的には入りますが、インストールはサードパーティのAPTリポジトリを追加する行為でもあります。加えて公式がプレビュー段階と明言しているため、社内のソフトウェア導入ポリシーと、Codexの権限設定(サンドボックスモード・承認ポリシー・ネットワーク許可)の運用ルールを決めてから導入してください。
Q. Computer UseがLinuxに来る時期はわかりますか?
2026年8月時点で、Computer UseのLinux対応時期も正式版(GA)の時期も公表されていません。
まとめ
ChatGPTデスクトップアプリのLinux版は、「主要3OSがようやく揃った」という意味では大きな前進ですが、完成品ではありません。
- 対応環境は Ubuntu 24.04 / 26.04 LTS、Debian 13、Fedora 43 / 44 の x64・ARM64。導入も更新も1コマンドで済む
- Chat / Work / Codex を1つのアプリで扱え、Claude Code・Claude Cowork・Cursor から設定をインポートできる
- 一方で Computer Use は非対応、Wayland対応は実験段階、Fcitx5環境の日本語入力に報告済みの不具合がある
- 業務利用では、サンドボックスモード・承認ポリシー・ネットワーク既定オフの意味を理解した上で導入する
- Codexの既定モデルは GPT-5.6 Sol。GPT-5.4 系は2026年8月31日でCodex(ChatGPTサインイン)から提供終了するため、設定の書き換えを忘れずに
判断の目安は「開発用マシンなら入れて試す価値あり、業務の本番フローに載せるのは正式版を待つ」です。まずCodex自体の使いどころを整理したい人はOpenAI Codexとは、アプリに同梱されるWork側の全体像はChatGPT Workとはから確認してください。
本記事はOpenAI公式ドキュメント(learn.chatgpt.com)および公式changelogの内容をもとに整理しています。プレビュー版のため、機能・対応環境・料金は変更される可能性があります。
この記事の著者

AI革命
編集部
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