AIツール2026年7月更新

ChatGPT Workとは?できること・料金・対応プラン・Claude Coworkとの違いを整理【2026年7月最新】

公開日: 2026/07/10
ChatGPT Workとは?できること・料金・対応プラン・Claude Coworkとの違いを整理【2026年7月最新】

この記事のポイント

ChatGPT Workは、OpenAIが2026年7月9日に提供開始したGPT-5.6搭載の業務AIエージェント。できること、プラン別の対応範囲、Sitesの制約、ChatGPT Classic改名、Claude Coworkとの違いを公式情報ベースで整理します。

ChatGPT Workとは、OpenAIが2026年7月9日(米国時間)に提供を開始した、GPT-5.6とCodexの技術を基盤とする業務用AIエージェントです。ゴールを伝えると、アプリやファイルを横断しながらタスクを小さなステップに分解し、数時間規模の作業を自律的に進めて、資料・表・スライド・Webアプリといった「完成した成果物」まで仕上げます。

この記事でわかること:

  • ChatGPT Workの定義と、従来のChatGPT(チャット)との具体的な違い
  • プラン別の対応範囲(Web・モバイルとデスクトップアプリで条件が異なります)
  • GPT-5.6のSol / Terra / Lunaが、どのモードで使えるか
  • 「ChatGPT Classic」への改名とAtlas終了が意味すること
  • Claude Coworkとの違い、およびセキュリティ上の注意点

ChatGPTの有料プランを検討している方、業務へのAIエージェント導入を判断したい方、Claude Coworkとの比較材料を探している方に向けた記事です。

導入判断で効いてくるのは、次の3点です。

  1. Web・モバイル版のWorkは有料プラン向けですが、デスクトップアプリではFreeを含む全プランでChat / Work / Codexが利用できます(ただしWork内で使えるGPT-5.6モデルには別条件があります)
  2. ChatGPT Workは単体課金ではなく、既存プランの使用量枠を消費します。課金の考え方はCodexの使用量モデルに準拠します
  3. Claude Coworkとの最大の違いは、実行場所と無料利用の可否です。ChatGPT Workはローカルのファイル・アプリまで操作でき、Claude CoworkはAnthropicの隔離サーバー上で実行されます

ChatGPT Workとは何か

ChatGPTの公式ドキュメントページのイメージ画像

出典:OpenAI Developers

ChatGPT Workは、ChatGPT内で動作する業務用AIエージェントです。OpenAIはこれを「アプリとファイルを横断して行動し、必要なら数時間プロジェクトに付き添い、ゴールを完成した仕事に変えるエージェント」と説明しています。

位置づけを整理すると、以下のとおりです。

項目

内容

提供元

OpenAI

発表・提供開始

2026年7月9日(米国時間)/日本での報道は7月10日

位置づけ

Codexのエージェント技術を、コーディング以外の知識労働へ拡張したもの

搭載モデル

GPT-5.6(Sol / Terra / Luna)

提供形態

Web / モバイル / デスクトップアプリ(Mac・Windows)

主な成果物

スプレッドシート、ドキュメント、スライド、Webアプリ

なぜCodexから生まれたのか

ChatGPT Workの出自は、開発者向けコーディングエージェントであるOpenAI Codexにあります。OpenAIによれば、Codexは週あたり500万人以上に使われており、そのうち100万人以上がソフトウェア開発以外の業務で利用していました。

つまり、「コードを書くために設計されたエージェント」が、資料作成やデータ整理といった非開発業務に流用されていたわけです。この需要を正面から製品化したのがChatGPT Workにあたります。統合後も、Codex自体は開発者向けのコーディングエージェントとして存続します(インライン差分編集、プルリクエスト表示、マルチリポジトリ対応などが追加されています)。

従来のChatGPT(チャット)との違い

違いは「工程を誰がつなぐか」に集約されます。

従来のチャットでは、「調べて」→「表にして」→「スライドにして」と、工程ごとに人間が指示を出し、出力を次の工程へ渡す必要がありました。ChatGPT Workでは、必要な完成状態(ゴール)を伝えると、分解・実行・成果物化までをエージェントが担います

従来のChatGPT(チャット)

ChatGPT Work

指示の粒度

工程ごとに人間が指示

ゴールを伝える

作業時間

1回の応答で完結

必要に応じて数時間継続

工程の接続

人間が出力を次に渡す

エージェントがタスクを分解して実行

アウトプット

テキスト・コード断片

完成した資料・表・スライド・Webアプリ

人間の役割

逐次の指示出し

ゴール設定と、要所での承認・修正

実務上の含意として、人間側の作業は「指示を出すこと」から「ゴールを定義し、途中の判断を承認すること」へ移ります。エージェントは機微な操作の前に確認を求める設計になっており、放置して完全自動で走らせる前提の製品ではありません。

生成AIエージェント全般の仕組みや種類を先に押さえたい場合は、AIエージェントとは?仕組み・種類・活用事例もあわせて参照してください。

ChatGPT Workでできること

主な機能は5つに整理できます。

1. マルチステップの自律実行

ゴールを伝えると、複雑なプロジェクトを小さなステップに分解し、独立して完了させます。数時間にわたって作業を継続でき、必要に応じて人間に確認を求めます。成果物はスプレッドシート、ドキュメント、スライド、Webアプリとして出力されます。

2. アプリ連携

チャット内で @アプリ名 と指定するか、ChatGPTが自動でツールを選択します。公式および大手メディアの報道で確認できる連携先は以下のとおりです。

  • Slack / Microsoft Teams
  • Google Drive / Google Docs / Google Sheets / SharePoint
  • Gmail / Outlook・カレンダー
  • Salesforce などのCRM、プロジェクトトラッカー
  • Oracle / Databricks

なお、一部で「1,400以上の外部ツールに連携」という数字が流通していますが、これは公式に確認できません。本記事では採用しません。

3. Sites(パブリックベータ)

作業内容やアイデアを、インタラクティブなサイトやWebアプリに変換し、URLで共有できる新機能です。ライブダッシュボード、プロジェクトトラッカー、社内ポータル、インタラクティブレポートなどが想定用途とされています。元データの更新に合わせてChatGPT側で更新することも可能です。

ただし、Sitesには明確な制約があります。

  • Free・Goでは利用できません(有料プランのみ。Pro / Pro Lite / Enterprise / Eduが先行、Plus / Businessが数日以内)
  • ローンチ時点でEEA(欧州経済領域)・スイス・英国では利用できません
  • 健康情報・決済データは扱えません(公式明記)
  • Enterpriseではインターネットへのパブリック公開がデフォルトで無効
  • パブリックベータ中はプラン別の上限があり、超過すると新規作成・容量拡張・公開ができなくなります(既存サイトの編集は可能)

4. Scheduled Tasks(定期実行)

週次レビュー、変更のモニタリング、レポート送信といった反復業務を、スケジュール実行できます。実行時もユーザーによる承認制御は維持されます。

5. デスクトップアプリ限定の機能

デスクトップアプリでは、さらに2つの機能が使えます。

  • 内蔵ブラウザ:Webサイトの閲覧、アカウントへのログイン、ファイルのダウンロード、ページ操作を、ChatGPTを離れずに実行できます
  • Computer Use:ローカルのファイルやアプリを横断し、クリックや入力といったPC操作を代行します。ピクチャインピクチャで作業内容を監視できます

この2つは利便性が高い反面、セキュリティ上の注意点が最も大きい部分でもあります。

Chat / Work / Codex はどう使い分けるか

OpenAI公式のCodexリポジトリ。Codexはターミナルで動作するコーディングエージェント

出典:openai/codex(GitHub)

新しいデスクトップアプリでは、左上のドロップダウンで Chat / Work / Codex の3つを切り替えます。使い分けの基準は以下のとおりです。

モード

使うべき場面

典型的な作業

Chat

単発の質問・壁打ち・文章生成

調査、要約、翻訳、アイデア出し

Work

複数工程にまたがる業務で、完成物が欲しいとき

資料作成、データ集計、定期レポート、社内向けダッシュボード

Codex

ソフトウェア開発・リポジトリ操作

コード修正、プルリクエスト、マルチリポジトリ横断

判断の目安はシンプルです。「答えが欲しい」ならChat、「成果物が欲しい」ならWork、「コードを変更したい」ならCodexです。1回の応答で終わる作業にWorkを使うと、使用量を余分に消費するだけになります。

ChatGPT Classicへの改名とデスクトップアプリの再編

ここは混同が起きやすいため、正確に整理します。2026年7月9日のアップデートで、デスクトップアプリは次のように再編されました。

変更前

変更後

Codexアプリ

新しい「ChatGPT」デスクトップアプリ(Chat / Work / Codexの統合版)へアップデート

従来のChatGPTデスクトップアプリ

「ChatGPT Classic」に改名

公式は「既存のChatGPTデスクトップアプリはChatGPT Classicに改名される」と述べています。ChatGPT Classicはインストール済みのものは動作し続けますが、今後のアップデートとサポートは終了します

⚠️ 混同に注意:ここでいう「ChatGPT Classic」は、旧デスクトップアプリの新しい名称です。かつて存在したGPT-4ベースのカスタムGPT「ChatGPT Classic」とは別物です。

また、チーム共有型のChatGPT workspace agentsは、ChatGPT Workとは別のプロダクトです。名前が似ているため、社内で検討する際は区別してください。デスクトップ統合の流れ全体はChatGPTスーパーアプリとはで解説しています。

ChatGPT Atlasは2026年8月9日に終了する

デスクトップアプリの再編にともない、OpenAIはスタンドアロンのAIブラウザ「ChatGPT Atlas」を終了します。公式ヘルプセンターは「Atlasは2026年8月9日に動作を停止する予定」と明記しています。

ブラウジング機能が消えるわけではなく、移行先が用意されています。

  • より深いエージェント的なブラウザ操作 → 新しいChatGPTデスクトップアプリ(内蔵ブラウザ)
  • Chrome上での支援ChatGPTのChrome拡張機能またはサイドバー

つまり、Atlasの機能はChatGPT Workの内蔵ブラウザへ吸収された、と理解するのが正確です。Atlasを業務で使っている場合、8月9日までに移行を済ませる必要があります。

ChatGPT Workの料金と対応プラン

ChatGPT Workに単体の料金はありません。既存のChatGPTプランに含まれ、利用に応じてプランの使用量枠を消費します。消費量の考え方はCodexの使用量モデルに準拠し、タスクの規模・複雑さ・選択したモデルに応じてスケールします。

プラン別の対応範囲

最も重要なのは、Web・モバイルとデスクトップアプリで対応範囲が非対称である点です。

公式は「Web・モバイルでは、ChatGPT WorkはPro・Enterprise・Eduから提供を開始し、数日以内にPlus・Businessへ拡大する」「更新されたデスクトップアプリでは、Freeを含むすべてのプランでChat・Work・Codexが利用できる」と述べています。

プラン

Web・モバイルのWork

デスクトップアプリのWork

WorkでのGPT-5.6モデル

Sites

Free

公式のモデル提供表に記載なし

Go

公式記載なし

公式のモデル提供表に記載なし

Plus

○(数日以内に順次)

Sol / Terra / Luna

○(数日以内)

Pro

○(7月9日から)

Sol / Terra / Luna

○(先行)

Business

○(数日以内に順次)

Sol / Terra / Luna

○(数日以内)

Enterprise

○(7月9日から)

Sol / Terra / Luna

○(先行)

Edu

○(7月9日から)

公式のモデル提供表に個別記載なし

○(先行)

📌 ここが実務上の要点:「デスクトップアプリならFreeでもWorkが使える」のは公式に明記された事実です。ただし、OpenAIヘルプセンターのGPT-5.6提供状況では、WorkでのSol / Terra / LunaはPlus・Pro・Business・Enterprise向けと記載されています。したがって、Freeでデスクトップ版Workを開いたときにどのモデルが動作するかは、現時点で公式に明示されていません。「無料でWorkのUIに触れる」ことと「無料でGPT-5.6のWorkをフル活用できる」ことは、分けて考える必要があります。

ChatGPTの各プラン月額(2026年7月10日時点・公式pricingページ確認)

プラン

月額

備考

Free

$0

Web・モバイルのWorkは対象外

Go

$8

Plus

$20

Sol(Medium / High)

Pro

From $100

公式表記は「From $100 / month」。5倍・20倍の使用量段階があり、Sol Proを含む

Business

$20 /ユーザー・月(年払)
$25 /ユーザー・月(月払)

2ユーザー以上・年払が条件

Enterprise

個別見積

営業問い合わせ

⚠️ 「Pro Lite」と$200プランの扱い:OpenAIのSites関連ヘルプ記事には「Pro Lite」という名称が登場しますが、2026年7月10日時点の公式pricingページに「Pro Lite」という独立プラン名は掲載されていません。$100の中間帯は2026年4月に「Pro」として追加されたとTechCrunchが報じており、現在の公式表記はProが「From $100」で使用量段階(5x / 20x)を持つ形です。なお最上位の$200プランは、pricingページに掲載されていないものの提供は継続しているとOpenAIがTechCrunchに認めています。移行期の表記揺れが残るため、課金前に公式ページで最新の表記を確認してください。

日本円は為替で変動するため、本記事ではドル表記に留めます。プラン全体の詳細はChatGPT料金プランの解説にまとめています。

使用量とコスト設計の注意点

複雑なタスクは、プラン内の使用量を大きく消費します。導入時は以下を意識してください。

  • 短い調査や単発の質問にWorkを使わない(Chatで十分な作業にWorkを使うのは非効率)
  • Enterprise / Eduの管理者は、部門ごとの使用量上限(spend controls)を設定できます
  • Work固有の「1日◯回」「3時間で◯メッセージ」といった具体的な回数上限は、現時点で公式に公表されていません。予算管理は使用量ベースで考える必要があります

搭載モデル:GPT-5.6(Sol / Terra / Luna)

OpenAI公式APIドキュメントのモデル一覧ページ

出典:OpenAI Platform — Models

ChatGPT Workは、2026年7月9日に一般提供が始まったGPT-5.6を基盤としています。3モデル構成で、いずれもコンテキストウィンドウは1.05M(約105万)トークン知識カットオフは2026年2月16日です。

モデル

位置づけ

API入力(1Mトークン)

API出力(1Mトークン)

Sol

フラッグシップ。フロンティア推論・長時間のエージェント作業向け

$5

$30

Terra

バランス型。前世代相当の性能を約半分のコストで

$2.50

$15

Luna

最速・最安

$1

$6

Solには、さらに深く思考しサブモデルへ作業を委任する「ultra」モードが追加されました。Sam Altman氏は、Solがエージェント的なコーディングタスクでトークン効率を54%改善したと述べています。

モデル×利用モードの提供状況

この対応関係は、OpenAIの公式ヘルプセンターに記載されています。

利用モード

Free / Go

Plus

Pro / Business / Enterprise

通常チャット

GPT-5.6は選択不可

Sol(Medium / High)

Sol(Medium / High / Extra High)+ Sol Pro

Work

公式のモデル提供表に記載なし

Sol / Terra / Luna

Sol / Terra / Luna

Codex

Terra

Sol / Terra / Luna

Sol / Terra / Luna

API

プランに依存せず Sol / Terra / Luna が利用可能

公式は「Terra と Luna は通常のChatGPT会話では選択できない」と明記しています。つまり、Terra・LunaはWork / Codex / APIでのみ使えるモデルです。コストと速度のバランスを取りたい場合、Workを使うこと自体が実利になります。

GPT-5.6そのものの詳細はGPT-5.6とは?Sol・Terra・Lunaの違いと料金で解説しています。

ChatGPT WorkとClaude Coworkの違い

Claude Coworkを提供するAnthropicの公式ロゴ

出典:Anthropic

ChatGPT Workは、Anthropicが2026年1月に投入したClaude Coworkを明確に意識した製品です。The New Stackは「OpenAIはCodexをChatGPTアプリへ折り込み、Claude Coworkに照準を合わせている」と報じました。

両者は「ゴールを伝えて完成物を受け取る」というコンセプトが共通しており、公式の説明文もよく似ています。違いが出るのは、無料利用の可否・実行場所・成果物の共有方法です。

比較ポイント

ChatGPT Work

Claude Cowork

提供元

OpenAI

Anthropic

提供開始

2026年7月9日

2026年1月

基盤モデル

GPT-5.6(Sol / Terra / Luna)

Claude(Opus / Sonnet系)

無料プラン

デスクトップアプリならFreeでも利用可

不可(Pro以上の有料プランのみ)

Web・モバイル

有料プラン(Pro・Enterprise・Edu先行→Plus・Business)

Pro / Max / Team / Enterprise

実行場所

クラウド+ローカルPC操作(Computer Use)

Anthropicのサーバー上の隔離環境

デバイスオフライン時

ローカル操作は継続不可

セッション・ファイルはアカウントに保存され継続

内蔵ブラウザ

あり(Atlasの機能を統合)

ブラウザアクセスあり

成果物のWeb公開

Sites(パブリックベータ)でURL共有

同等機能は現時点で未確認

コーディング

Codexが同一アプリ内に同居

Claude Codeが別系統

定期実行

Scheduled Tasks

Scheduled tasks

使用量

既存プランの枠を消費(Codex準拠)

通常チャットより大幅に消費すると公式が明記

管理者統制

spend controls / プラグイン制限 / auto-review

権限モード / グループ支出上限 / 使用状況分析

選び分けの基準

  • まず無料で試したい → ChatGPT Work(デスクトップアプリ)。Claude CoworkはFreeでは利用できません
  • ローカルPCの操作まで任せたい → ChatGPT Work。Computer Useでファイル・アプリを横断操作できます
  • 社内データを自端末から切り離して処理したい → Claude Cowork。作業はAnthropicの隔離環境で実行され、端末がオフラインでも継続します
  • 成果物をそのままURLで配りたい → ChatGPT WorkのSites(ただしEEA・スイス・英国は対象外)
  • コーディングと業務作業を同じアプリで完結したい → ChatGPT Work(Chat / Work / Codexが同居)

Microsoft Copilot Coworkを加えた三つ巴

見落とされがちですが、Microsoftも2026年5月5日にCopilot Coworkを発表しています。OpenAI・Anthropic・Microsoftの3社が、同一カテゴリ(非開発向けエージェント)で正面衝突しているのが2026年7月時点の構図です。

Microsoft 365をすでに全社導入している組織はCopilot Coworkが自然な選択肢になりやすく、モデル性能とローカル操作を重視するならChatGPT Work、データを端末から分離したいならClaude Cowork、というのが現時点での大まかな棲み分けになります。

セキュリティとガバナンス

ChatGPT Workが引き継ぐCodexのサンドボックス設計を解説する公式ドキュメント

出典:Sandbox | OpenAI Codex Docs

ChatGPT Workは、ローカルファイル・内蔵ブラウザ・外部アプリへのアクセスを前提とするため、従来のチャットより攻撃面が広い製品です。ここは導入判断で最も慎重に扱うべき部分です。

権限モデル

公式ヘルプセンターによれば、Webでは接続ツール、ブラウザ利用、クラウドネットワークアクセス、機微な操作(sensitive actions)をガバナンス設定で制御できます。デスクトップアプリでは、これに加えて承認済みのローカルファイル・アプリケーションにも同じガバナンスモデルが適用されます。

アプリごとの権限オプションは4種類です(ワークスペースやロールアウト状況により異なります)。

権限モード

挙動

推奨される使い方

Always ask

毎回確認

導入初期の既定値として推奨

Any changes

変更をともなう操作の前に確認

ファイル編集を任せ始める段階

Important actions

ChatGPT外部に意味のある影響を与える/機微情報を露出する/取り消しが困難な操作の前に確認

運用が安定してから

Never ask

確認しない

業務データを扱う環境では推奨しない

さらにAuto-reviewとして、接続ツールやAPIをともなう重要な操作を、実行前に高性能モデルがレビューし、機微情報の不正な共有を防ぐ仕組みが備わっています。Enterprise / Eduの管理者は、プラグイン制限・ブラウザ利用制限・spend controls・auto-reviewを管理できます。

サンドボックスと最小権限

WorkはCodexのサンドボックス設計を引き継いでいます。ローカルタスクのコマンドは制約されたサンドボックス内で実行され、フルアクセスにはなりません。サンドボックスが「どのファイルを変更できるか」「コマンドがネットワークを使えるか」を定義します。

公式ガイダンスに沿った実務上の推奨は以下のとおりです。

  • ワークスペースは意図的に狭く定義する(マウント範囲を広げない)
  • 最初は空のテストフォルダ1つだけを触らせる。いきなり広い権限を与えない
  • 承認スコープは、そのタスクが進むために必要な最小範囲を選ぶ
  • シークレットはプロンプトや生成物ではなく、ランタイム設定経由で渡す
  • 「ファイルを見せるため」だけの理由で、フルアクセスや広範なGUI制御を許可しない

構造的なリスク:間接プロンプトインジェクション

Computer Use + ローカルファイルアクセス + ログイン済みセッションを持つ内蔵ブラウザという組み合わせは、間接プロンプトインジェクション(Webページやファイルに仕込まれた指示をAIが実行してしまう攻撃)の攻撃面が構造的に大きくなります。

実際、同カテゴリの製品であるMicrosoft Copilot Coworkでは、間接プロンプトインジェクションによるファイル流出の脆弱性が報告されました(Copilot Coworkのファイル流出脆弱性)。

現時点で、ChatGPT Workにおいて同種の脆弱性が実際に報告された事実は確認できていません。ただし、アーキテクチャが同種である以上、同じリスクカテゴリが構造的に存在すると考えて運用設計するのが妥当です。信頼できないWebページやファイルをエージェントに読ませる際は、権限を絞った状態で行ってください。AIエージェント全般の防御策はAIエージェントのセキュリティガイドで整理しています。

Sitesの公開範囲とデータ学習

Sitesは公開範囲を「所有者+管理者/指定ユーザー・グループ/ワークスペース全員/インターネット公開」から選べます。設定を誤ると社内情報が外部に露出します。Enterpriseではパブリック公開がデフォルトで無効になっていますが、個人プランでは公開設定を都度確認してください。健康情報・決済データはSitesで扱えません。

データの学習利用については、Business / Enterpriseでは会話がデフォルトでモデル学習に使われません。Free / Plus / Proでは「Improve the model」がオンの場合、会話が学習に使われる可能性があります。

安全な始め方:導入初日の手順

初日から広い権限を与えないことが重要です。以下の順序を推奨します。

  1. デスクトップアプリをインストールし、モードをWorkに切り替える(Freeでも起動可能)
  2. 空のテスト用フォルダを1つ作り、そこだけをワークスペースに指定する
  3. 権限モードを Always ask に設定する
  4. 機微情報を含まないダミーデータで、「このCSVを集計して表とスライドにして」といった完結する小タスクを1件流す
  5. ピクチャインピクチャでComputer Useの挙動を観察し、どの操作で確認が入るかを体感する
  6. 問題がなければ、扱うフォルダと権限を段階的に広げる
  7. 業務データを扱う前に、Business以上のプランでデータ学習の設定を確認する

Enterpriseで全社展開する場合は、この前にspend controlsとプラグイン制限を設計してください。大規模導入の事例はOpenAI Codex Labsの取り組みが参考になります。

こんな人におすすめ

  • 複数工程にまたがる資料作成・データ集計を日常的に行う人:ゴールを渡して完成物を受け取る運用が最も効きます
  • 有料プランをまだ払いたくないが、業務エージェントを試したい人:デスクトップアプリならFreeでも触れます(モデルの提供範囲には条件あり)
  • すでにChatGPT Plus / Pro / Businessを契約している人:追加課金なしで、Terra・Lunaという通常チャットでは選べないモデルを使えます
  • 開発と非開発の作業を1つのアプリで往復したい人:Chat / Work / Codexが同居します
  • 成果物をURLで社内共有したい人:Sitesが有効(EEA・スイス・英国を除く)
  • Enterprise / Eduの管理者:spend controlsとauto-reviewで統制しながら配布できます

おすすめしない人

  • 単発の質問・要約・翻訳が用途の大半を占める人:Chatで十分です。Workは使用量を余分に消費します
  • EEA・スイス・英国からSitesを使いたい人:ローンチ時点で利用できません
  • 健康情報・決済データを扱う成果物をSitesで作りたい人:公式に禁止されています
  • 業務データを端末から分離して処理したい組織:作業がAnthropicの隔離環境で実行されるClaude Coworkのほうが要件に合う場合があります
  • 使用量の上限を事前に確定させたい組織:Work固有の回数上限は公式未公表で、複雑なタスクほど消費が読みにくくなります
  • ローカルPCへのエージェントアクセスを許可できないセキュリティポリシーの組織:Computer Useと内蔵ブラウザは、攻撃面を確実に広げます
  • ChatGPT Classicの継続利用を前提にしている人:アップデートとサポートは終了します

現時点で確定していないこと

公式に明記されていない項目を、断定せずに列挙します。導入判断ではここを埋める必要があります。

  • Freeプランのデスクトップ版Workで、どのモデルが動作するか(ヘルプセンターのGPT-5.6提供表はPlus以上のみ記載)
  • GoプランでのWeb・モバイル版Workの可否(公式記述なし。デスクトップは全プラン対象と明記)
  • Work固有の使用量上限(回数・トークン)
  • 「Pro Lite」の最終的な位置づけ(公式pricingページでは現時点でProが「From $100」表記)
  • 日本語UIの対応状況と、日本での提供時期の差(グローバル提供とされていますが、明示的な記載は確認できていません)

よくある質問

Q. ChatGPT Workを使うには追加料金がかかりますか?

いいえ。単体課金はなく、既存プランの使用量枠を消費します。ただし複雑なタスクは消費が大きく、プランの枠を早く使い切る可能性があります。

Q. Codexは廃止されるのですか?

いいえ。Codexは開発者向けコーディングエージェントとして存続し、インライン差分編集やマルチリポジトリ対応などの機能が追加されています。新しいデスクトップアプリ内でモードとして切り替えて使います。

Q. ChatGPT Classicは使い続けられますか?

インストール済みのものは動作し続けますが、今後のアップデートとサポートは受けられません。新しいChatGPTデスクトップアプリへの移行が前提になります。なお、この「ChatGPT Classic」は旧デスクトップアプリの新名称であり、かつてのGPT-4ベースのカスタムGPTとは別物です。

Q. Atlasで使っていたブラウザ機能はどうなりますか?

Atlasは2026年8月9日に動作を停止する予定です。エージェント的なブラウザ操作は新しいChatGPTデスクトップアプリの内蔵ブラウザへ、Chrome上での支援はChrome拡張機能・サイドバーへ移行します。

Q. ChatGPT workspace agentsとChatGPT Workは同じものですか?

別のプロダクトです。名称が似ていますが、機能と対象が異なります。社内で検討する際は混同しないよう注意してください。

Q. Terra・Lunaを通常のチャットで使えますか?

使えません。公式は「TerraとLunaは通常のChatGPT会話では選択できない」と明記しており、Work / Codex / APIでのみ利用できます。

Q. Claude Coworkから乗り換えるべきですか?

用途によります。ローカルPC操作と成果物のWeb公開(Sites)を重視するならChatGPT Work、作業を自端末から切り離して隔離環境で実行したいならClaude Coworkが適します。両方を有料契約している場合、Codexとの同居によるワークフロー短縮がChatGPT Work側の実利になります。

まとめ

ChatGPT Workは、Codexのエージェント技術を非開発業務へ広げ、「ゴールを渡すと完成物が返ってくる」形にChatGPTの使い方を変える製品です。押さえるべき要点は次のとおりです。

  • 2026年7月9日提供開始。GPT-5.6(Sol / Terra / Luna)を基盤とし、Web・モバイル・デスクトップで利用可能
  • Web・モバイルは有料プラン先行、デスクトップアプリはFreeを含む全プランでChat / Work / Codexが使える。ただしWorkでのGPT-5.6モデル提供はPlus以上と記載されており、Free環境の挙動は公式に明示されていない
  • Terra・Lunaは通常チャットでは選べず、Work / Codex / APIでのみ使える
  • Sitesには「Free・Go不可」「EEA・スイス・英国不可」「健康情報・決済データ不可」という明確な制約がある
  • ChatGPT Classicは旧デスクトップアプリの新名称で、サポートは終了。Atlasは2026年8月9日に停止
  • Claude Coworkとの違いは、無料利用の可否・実行場所(ローカル操作か隔離サーバーか)・Sitesの有無に集約される
  • Computer Use・内蔵ブラウザ・ローカルファイルの組み合わせは攻撃面が広い。空フォルダから、Always askで、最小権限で始めるのが安全な導入手順

ChatGPTそのものの全体像はChatGPTとは?料金プラン・できること・モデル・使い方、エージェント製品の比較検討はAIエージェントとはからたどれます。

参照した主な公式情報

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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