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Claude Platform on AWSとは|Anthropic GA・AWS IAM/CloudTrail・東京リージョン対応・Bedrockとの違い完全ガイド【2026年5月】

公開日: 2026/05/14
Claude Platform on AWSとは|Anthropic GA・AWS IAM/CloudTrail・東京リージョン対応・Bedrockとの違い完全ガイド【2026年5月】

この記事のポイント

Claude Platform on AWSは、Anthropic公式のClaude PlatformをAWSアカウント経由でそのまま使える新サービスで、2026年5月11日にGAしました。Bedrockとの違い、料金(CCU)、東京リージョン対応、AWS IAM/CloudTrail監査、セットアップ手順、おすすめの企業まで公式情報ベースで整理します。

Claude Platform on AWS(クロード プラットフォーム オン AWS)は、Anthropic公式のClaude Platform(Messages APIやClaude Console)を、自社のAWSアカウント経由でそのまま利用できる新サービスです。2026年5月11日にAWSとAnthropicの両社からGA(一般提供)が発表され、東京リージョンを含む17リージョンで初日から利用できます。

最大のポイントは、「推論スタックを動かしているのはAnthropic、認証・課金・監査はAWS」というハイブリッドなアーキテクチャで、Amazon Bedrock経由のClaudeとは根本的に異なる点です。本記事では、Claude Platform on AWSの定義・できること・料金体系(CCU)・Bedrockとの違い・東京リージョン対応の意味と限界・セットアップ手順・おすすめの企業まで、公式情報ベースで網羅的に整理します。

「自社のAWSアカウントからClaudeを使いたい」「BedrockのClaudeと何が違うのか知りたい」「IAMやCloudTrailで監査したい」「東京リージョンで使えるのか確認したい」というクラウドエンジニア・プラットフォームチーム・調達担当・SREの方に向けた記事です。

Claude Platform on AWSとは — 概要と位置づけ

Claude Platform on AWSの公式紹介イメージ(Anthropic公式ブログより)

出典:Anthropic公式ブログ「Introducing the Claude Platform on AWS」

Claude Platform on AWSは、Anthropicが運用する「ファーストパーティのClaude Platform」を、AWSが認証・課金・監査レイヤーとして提供する形で、AWSアカウントから直接呼び出せるようにしたサービスです。AWS公式は「別途のクレデンシャル・契約・請求関係を必要としない、AWSアカウントを通じたAnthropicネイティブのClaude Platform体験」と表現しています。

項目

内容

提供元

Anthropic(推論スタック)+ AWS(認証・課金・監査)

GA日

2026年5月11日

提供形態

AWS Marketplace 経由のAPIサービス

API

Messages API(/v1/messages、ファーストパーティClaude APIと同じサーフェス)

認証

AWS IAM / SigV4 署名、APIキー、短期APIキー(最大12時間)

課金単位

Claude Consumption Unit(CCU)= $0.01 / CCU 固定

課金経路

AWS Marketplace(既存AWSコミットメントへ消化可)

対応リージョン

東京含む17リージョン

公式ドキュメント

https://platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/claude-platform-on-aws

ポイントは「AWS上で動いている2つの公式Claudeパス」が並走するようになったことです。これまでAWSアカウントからClaudeを呼ぶ手段はAmazon Bedrock経由のみでしたが、Claude Platform on AWSの登場により、Anthropic純正の機能セット(Managed Agents、Agent Skills、MCP、Code Execution、Prompt Caching、1Mコンテキスト、Computer Use など)を「Bedrockではなく直接Anthropicから」AWS請求で受け取れるようになりました。

Claudeそのものの基本機能や提供形態を先に押さえたい場合は、ハブ記事「Claudeとは?機能・料金・使い方・ChatGPTとの違いを整理」も参考にしてください。

なぜ生まれたのか — Anthropic × AWSの戦略的提携の背景

Anthropic公式サイトのブランドイメージ(AnthropicとAWSの戦略提携の背景)

出典:Anthropic公式サイト

Claude Platform on AWSは、単発の新機能ではなく、Anthropic-AWSの長期戦略提携の中核プロダクトとして登場しました。公式に発表されているコミットメントは大規模です。

  • Anthropic → AWS: 今後10年でAWS技術に1,000億ドル超をコミット
  • Amazon → Anthropic: 50億ドル即時投資 + 200億ドル追加投資オプション(既存80億ドルに追加)
  • コンピュート規模: 最大5GWの新規容量、Trainium2 / Trainium3 / Trainium4 までのロードマップ
  • Anthropicの売上規模: 2025年末の年率約90億ドルから、2026年に300億ドル超へ拡大見込み

つまり、Anthropicは推論キャパシティ確保のためにAWSを「主軸クラウド」として深く取り込み、AWSはエージェント・エコシステムの中核としてClaudeをファーストパーティ商品化した、というのが今回の発表の本質です。同時期に発表されたAnthropic × Google 2,000億ドル契約Akamaiとの18億ドル契約と合わせ、Anthropicは明確なマルチクラウド供給戦略を取っており、その中でAWSが「ファーストパーティ体験を載せる唯一のハイパースケーラー」となった点が特異です。

Bedrockとの違い — 1分でわかる選定マップ

AWS公式ブログ「Introducing Claude Platform on AWS」のヒーロー画像

出典:AWS Machine Learning Blog「Introducing Claude Platform on AWS」

Claude Platform on AWSを理解するうえで最も重要なのは、「同じAWS経由でClaudeを使う2つの手段」の根本的な違いです。クラウド側の運用主体・データ滞在・新機能の鮮度・コンプライアンス資産の4観点で大きく分かれます。

違いの要点

  • Claude Platform on AWS:Anthropicが推論を運用。AWSは認証・課金・監査の窓口。Anthropic純正機能をいち早く使える代わりに、データはAWSセキュリティ境界の外で処理される
  • Amazon Bedrock(Claude):AWSが推論を運用。データ処理者もAWS。HIPAA-readyやGuardrailsなどAWSのコンプライアンス資産が使える代わりに、Anthropicの新機能はBedrock側の展開を待つ必要がある

主要項目の比較表

観点

Claude Platform on AWS

Claude in Amazon Bedrock

運用主体(推論)

Anthropic

AWS

データ処理者

Anthropic

AWS(Anthropicへデータ共有なし)

データ滞在

AWSセキュリティ境界の(Anthropic管理インフラ)

AWS内

API サーフェス

Messages API(ファーストパーティと同一)

Bedrock Converse / InvokeModel

モデルID

claude-opus-4-7 等(プレーン名)

anthropic.claude-... 形式

新機能の鮮度

Anthropicと同日リリース

Bedrock側の展開スケジュール待ち

Managed Agents / Agent Skills / MCP

◯(beta)

△(Bedrock側の対応に依存)

1Mコンテキスト・Computer Use

モデルにより制限あり

Prompt Caching

◯(5分・1時間・自動)

◯(仕様はBedrock側に準拠)

Bedrock Guardrails / Knowledge Bases

HIPAA-ready

FedRAMP High / IL4 / IL5

◯(Bedrock推奨)

日本国内データレジデンシー

✕(後述)

◯(東京リージョンエンドポイント)

AWS PrivateLink

認証

IAM/SigV4 + APIキー + 短期APIキー

IAM/SigV4

課金単位

Claude Consumption Unit(CCU)

AWS Bedrock per-token

既存AWS EDPコミット消化

Zero Data Retention

申請ベース

不要(AWS側でデータ処理)

per-tokenのベース単価(USD換算)はBedrock・Claude Platform on AWS・直接Claude APIで完全に同一です(後述のCCU換算後も同じ)。値段で選ぶというよりは、「運用主体とコンプライアンス要件で選ぶ」というのが正しい捉え方です。

一行判断ガイド

重視するもの

推奨パス

Anthropicの新機能をすぐ使いたい / Managed Agents / Agent Skills / MCP

Claude Platform on AWS

1本のAWS請求にまとめたい

どちらでも可(Claude Platform on AWSも単一AWS請求)

AWSが必ずデータ処理者であってほしい

Bedrock

HIPAA-ready / FedRAMP / IL4-IL5 / Guardrails / Knowledge Bases

Bedrock

日本国内でデータを止めたい

Bedrock(東京リージョン専用エンドポイント)

両方を併用してフェイルオーバーしたい

両方契約(Capacity Poolは別管理)

Bedrock側のエージェント周りについては「AWS Bedrock AgentCore CLI / Managed Harness 使い方」、AWS全体のMCP連携については「AWS MCP Server一般提供開始まとめ」もあわせて確認してください。

Claude Platform on AWSでできること

Claude Platform on AWSは、ファーストパーティのClaude Platformで使える機能群をほぼそのまま、AWSアカウント経由で利用できるのが最大の特長です。GA時点で利用できる主要機能を整理します。

1. Messages APIによる推論(ファーストパーティと同一サーフェス)

エンドポイントとリクエスト形式は、api.anthropic.com を叩くファーストパーティClaude APIと同一の /v1/messages です。違いは認証(SigV4 / APIキー)とベースURL(aws-external-anthropic.{region}.api.aws)のみで、既存のClaude APIコードからの移行は最小限です。anthropic-beta ヘッダーによるベータ機能利用も同等に可能です。

2. Claude Managed Agents(beta)

長時間実行・サンドボックス・MCP連携を備えたエージェント実行基盤のClaude Managed Agentsを、AWSアカウントから直接利用できます。Agent / Environment / Session / Events といったコアコンセプトもそのまま継承します。ただしAWS版固有の制約として、セッションは「ユーザーイベントなし最大6時間で再認証が必要」(ファーストパーティ版は無制限)となっており、長期間アイドル状態のセッションを抱える設計はやや不利です。

3. Agent Skills(beta)

PowerPoint / Excel / Word / PDF など、Anthropicが用意するビルトインSkillをそのまま使えます。Office文書生成系のワークフローを構築する場合、Bedrock側にはまだ展開されていないこのSkillが選択肢になります。

4. Code Execution / Web search / Web fetch / Files API / MCP connector / Advisor tool

これらのベータ機能群も、Anthropic純正と同タイミングで利用可能です。MCP connectorではリモートMCPサーバーへの接続もサポートされます。MCPの基本概念は「MCPとは?仕組み・対応サービス・始め方を解説」を参照してください。

5. Prompt Caching / Batch / Streaming / Citations / Extended Thinking / Computer Use / 1Mコンテキスト

ファーストパーティClaude APIで提供されている主要機能はほぼすべて利用可能です。Computer Useの詳細は「Claude Computer Useとは?仕組み・使い方・安全運用」もあわせて読むとイメージが湧きやすいです。

6. 利用可能なClaudeモデル(GA時点)

モデル

Model ID

入力 (per MTok)

出力 (per MTok)

Claude Opus 4.7

claude-opus-4-7

$5

$25

Claude Opus 4.6

claude-opus-4-6

$5

$25

Claude Opus 4.5

claude-opus-4-5

$5

$25

Claude Sonnet 4.6

claude-sonnet-4-6

$3

$15

Claude Sonnet 4.5

claude-sonnet-4-5

$3

$15

Claude Haiku 4.5

claude-haiku-4-5

$1

$5

Model IDはファーストパーティClaude APIと完全に同一で、Bedrock流の anthropic. プレフィックスや -v1 サフィックス、ARN記法は使いません。新モデルが出るときは、Claude Platform on AWS にもAnthropic本体と同日でリリースされる前提です。最新のフラッグシップであるClaude Opus 4.7については「Claude Opus 4.7とは?性能・料金・使い方」も参考にしてください。

料金体系 — Claude Consumption Unit(CCU)の正体

AWS Marketplace公式ロゴ(CCU課金はAWS Marketplace経由)

出典:AWS Marketplace公式サイト

Claude Platform on AWSは、AWS Marketplace 経由で課金される「Claude Consumption Unit(CCU)」という独自の課金単位を持ちます。やや見慣れない仕組みなので、ここでまとめて整理します。

CCUの基本

項目

内容

CCU単価

$0.01 / CCU 固定(100 CCU = $1.00 USD)

計算ロジック

トークン使用量を標準USD単価でレーティング → 割引適用 → CCU変換

メータリング頻度

1時間ごとにAWS Marketplaceへ報告

請求サイクル

月次後払い

プリペイド

なし(CCU残高や事前コミットは存在しない)

割引の反映

CCU単価ではなく「消費CCU数の削減」として反映

AWS既存コミット

EDP等の既存コミットに消化対象("fully retires against existing commitments")

税金

AWS Marketplace側で処理(メータリングは税抜)

重要な単価規則

  • per-tokenベース単価は3経路で完全に同一:直接Claude API・Bedrock・Claude Platform on AWSで同じ。例えばSonnet 4.6で「1,000万入力+200万出力」のトラフィックは、どの経路でも$60相当
  • inference_geo: "us" を指定すると 1.1倍(Opus 4.6 / Sonnet 4.6以降のみ対応)。Globalがデフォルトで標準料金
  • バッチAPIは50%割引(Sonnet 4.6で入力$1.50 / 出力$7.50相当)
  • Prompt Caching:5分キャッシュ書込1.25×、1時間キャッシュ書込2.0×、キャッシュ読込0.1×
  • Managed Agentsセッションランタイム:$0.08 / セッション時間(ミリ秒単位、running状態のみ計測)
  • Fast modeはClaude Platform on AWSでは利用不可(Bedrock / 直接APIでは利用可)

コスト可視化

  • Claude Console(AWS経由ログイン):使用量・コスト・モデル別内訳をリアルタイムで確認可能
  • AWS Cost Explorer:CCUの集約ラインとしてAWS側請求に反映

プライベートオファーの注意

AWS Marketplaceでプライベートオファー(個別割引契約)を受け取れますが、既存のBedrockプライベートオファーはClaude Platform on AWSへ自動で引き継がれません。割引は遡及適用も不可なので、サインアップ前にAnthropic / AWSの担当者へ事前相談することが推奨されています。

Claude本体のプラン全体像については「Claude料金徹底比較|無料・Pro・Max・Team・APIの違い」も参照してください。

認証・IAM・CloudTrail — エンタープライズ運用の3点セット

Claude Platform on AWSはAWS純正のIAMとCloudTrailを認証・監査基盤として使えるため、「Claudeを叩いている人」「Claudeで何が起きたか」をAWS標準のガバナンス資産で管理できるのが大きな魅力です。

認証方式は3つ

  1. AWS IAM / SigV4 署名(推奨・エンタープライズ標準):標準のAWSクレデンシャル・プロバイダーチェーン(環境変数、~/.aws/credentials、SSO、IRSA(Pod用ロール)、ECSタスクロール、EC2 IMDS)をすべてそのまま利用可能。Anthropic SDKは内部でSigV4署名を生成します。
  2. APIキーANTHROPIC_AWS_API_KEY 環境変数として使う、AWS Console発行の長期APIキー。Claude Console側で発行した第一者APIキーは利用不可なので注意してください。
  3. 短期APIキー(Short-term API key)aws/token-generator-for-aws-external-anthropic-* ライブラリ(JS / Python / Java)でAWSクレデンシャルから最大12時間のbearer tokenを生成。LLMゲートウェイなど「bearer認証しか受けない」中継基盤向けの逃げ道として用意されています。

IAMポリシーで使うアクション・ARN

  • IAMアクション名前空間aws-external-anthropic
  • 代表的なアクションCreateInference / CountTokens / GetModel / ListModels / GetWorkspace / CreateBatchInference / CallWithBearerToken / AssumeConsole
  • WorkspaceのリソースARN形式arn:aws:aws-external-anthropic:{region}:{account-id}:workspace/{workspace-id}
  • AWS提供のマネージドポリシー4種AnthropicFullAccess / AnthropicReadOnlyAccess / AnthropicInferenceAccess / AnthropicLimitedAccess

WorkspaceのARNを使えば、「特定Workspaceにだけ推論を許可するロール」を組織横断で作れます。Workspace単位でチーム・プロダクト・環境(本番/検証)を切れるので、ファーストパーティ版のWorkspace概念に加えて、AWS IAMでもう一段アクセス境界を引ける設計です。

CloudTrailで取れる証跡

  • Management events として既定で記録:Workspace操作、Credential Vault操作
  • Data events(明示的に有効化+追加課金):推論、バッチ、ファイル、Skill、モデル、ユーザープロファイル、Managed Agents操作
  • 2つのリクエストIDがレスポンスヘッダーに付与x-amzn-requestid(AWSサポート向け、CloudTrail検索インデックス)/ request-id(Anthropicサポート向け)

データ系イベントは追加料金が発生しますが、推論呼び出しの監査が必要な業界(金融・公共調達)では有効化が現実的な選択肢になります。

AWS PrivateLinkにも対応

VPCからインターネットを経由せずにClaude Platform on AWSのエンドポイントへ接続できます。閉域要件のある企業ネットワークでも導入可能です。

東京リージョン対応とデータレジデンシーの「誤解されやすい線引き」

日本企業にとって最も気になるポイントです。「東京リージョンに対応しているが、推論データが日本国内に留まることは保証されない」というのが2026年5月時点の事実です。ここを誤解したまま稟議を上げると後で揉めるので、はっきり整理しておきます。

対応リージョン(GA時点)

  • 北米:US East (N. Virginia / Ohio)、US West (Oregon)、Canada (Central)
  • 南米:São Paulo
  • 欧州:Dublin / London / Frankfurt / Milan / Zurich / Paris / Stockholm
  • アジア太平洋Tokyo(ap-northeast-1)、Seoul / Jakarta / Sydney / Melbourne

東京リージョンはGA初日から対応。日本の本番AWSアカウントでそのまま aws-external-anthropic.ap-northeast-1.api.aws を叩けます。

「東京WorkspaceでもUSや海外で推論される可能性がある」とはどういうことか

Claude Platform on AWSのデータレジデンシーは、Workspaceのリージョンではなく、リクエストごとに指定する inference_geo パラメータで制御される設計です。

inference_geo の値

推論ロケーション

料金

global(デフォルト)

Anthropicがグローバルキャパシティで最適配置

標準

us

US固定

1.1×

日本国内固定

提供なし(2026年5月時点)

つまり、Tokyo WorkspaceからAPIを叩いても、inference_geoglobal を指定する限り、実際にどこで推論されているかはAnthropicが決める仕組みです。これは「データ滞在を日本国内に固定したい」という要件には合致しません。

規制要件のある業界はどうすべきか

  • 金融(FISC安全対策基準)、医療(三省二ガイドライン)、公共調達のようにデータ滞在地が日本国内であることを契約上保証する必要があるケースは、現時点ではBedrock側(東京リージョン専用エンドポイント+クロスリージョン推論プロファイル jp.anthropic.claude-sonnet-4-6 等)の利用が現実的です
  • 加えて、Claude Platform on AWSは公式に「The data you provide, along with associated metadata, will be processed by Anthropic outside of AWS.」と明記しており、AWSセキュリティ境界の外で処理されることが前提です
  • 一方、「日本リージョンに置きたいのはあくまでレイテンシ・運用の観点で、データ処理者はAnthropicでも構わない」というケースなら、Tokyo Workspace + global で問題なく利用できます

エンタープライズの法務・セキュリティ観点での整理は「Anthropic × NEC 戦略提携」「Claudeのセキュリティ設計」もあわせて読むとイメージしやすいです。

使い方・セットアップ手順(初回ハマりやすい順)

GA直後でハマりやすい初期セットアップの落とし穴を含め、最短ルートでハロー・ワールドまで到達する手順を整理します。

Step 1. AWS MarketplaceからClaude Platform on AWSをサブスクライブ

AWS Console → AWS Marketplace → "Claude Platform on AWS" を検索 → サブスクライブ。AWSアカウントに紐づく新しいAnthropic Organizationがここで自動生成されます(重要:既存の第一者Anthropic Orgとは別物になります)。

Step 2. ⚠️ Outbound Web Identity Federationを有効化(最頻発エラー対策)

GA直後でもっとも多く報告されている初期エラーがこれです。Claude Platform on AWSのゲートウェイはサーバーサイドで sts:GetWebIdentityToken を呼びますが、この機能は全AWSアカウントで既定OFFになっています。

aws iam enable-outbound-web-identity-federation

未設定だと「Outbound web identity federation is disabled for your account」というエラーで詰まります。初回サインアップの直後に一度だけ実行しておけば以降は意識不要です。

Step 3. Workspaceを作成

Claude Console(platform.claude.com)にAWS経由フェデレーションでログインし、Workspaceを作成します。Workspaceは単一AWSリージョンに紐付くので、本番・検証・チームごとに分けるのが基本設計です。

Step 4. IAMロール・ポリシーを設計

AnthropicInferenceAccess などのマネージドポリシーをアタッチしたロールを作成。Workspace ARNでスコープを切る場合は、独自ポリシーで aws-external-anthropic:CreateInference を特定Workspace ARNに限定します。

Step 5. SDKをインストールしてサンプルを叩く

公式SDKは7言語に対応しています。クライアントクラスは anthropic[aws] extra / @anthropic-ai/aws-sdk 等の専用パッケージ・サブパッケージにbeta提供されています。

言語

パッケージ

クライアント

Python

pip install -U "anthropic[aws]"

AnthropicAWS

TypeScript

npm install @anthropic-ai/aws-sdk

AnthropicAws

Java

com.anthropic:anthropic-java-aws:2.30.0

AwsBackend

Go

github.com/anthropics/anthropic-sdk-go(aws subpackage)

anthropicaws.NewClient

C#

dotnet add package Anthropic.Aws

AnthropicAwsClient

PHP

composer require anthropic-ai/sdk aws/aws-sdk-php

Anthropic\Aws\Client

Ruby

gem install anthropic aws-sdk-core

Anthropic::AWSClient

Pythonサンプル(SigV4 / 環境クレデンシャル):

from anthropic import AnthropicAWS

client = AnthropicAWS(
    region="ap-northeast-1",                       # Tokyo
    workspace_id="wrkspc_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx",
)

resp = client.messages.create(
    model="claude-sonnet-4-6",
    max_tokens=1024,
    messages=[{"role": "user", "content": "AWS Lambdaの基本構成を3行で。"}],
)
print(resp.content[0].text)

anthropic-workspace-id ヘッダー(Workspace IDは wrkspc_... 形式)は必須なので、リクエストごとに付与し忘れないようにしてください。

Step 6. CloudTrail Data eventsとコスト監視を設定

AWS Cost Explorer・AWS Budgets・CloudTrail Data eventsを連携し、推論回数・モデル別コスト・誰がいつ呼んだかを最低限可視化します。Claude Platform on AWS側はSpend limit(支出上限)機能を持たないため、上限管理はAWS Budgetsで代替する必要があります。

「Claude Platform on AWS では使えない」機能リスト

GA時点でBedrockや直接Claude APIで使える機能のうち、Claude Platform on AWSでは利用できないものを整理します。ここを見落として導入決定すると、後から運用設計をやり直す羽目になります。

利用不可機能

代替手段

HIPAA-readyプログラム

Bedrock側を利用

FedRAMP High / IL4 / IL5

Bedrock側を利用

Bedrock Guardrails / Knowledge Bases

Bedrock側を利用

Admin APIのほとんど(メンバー・招待・APIキー・使用量レポート等)

Claude Console Usage / AWS IAMで代替

個別Workspaceのメンバー管理

Workspace ARN × IAMポリシーで制御

Spend limit(支出上限)

AWS Budgetsで代替

Claude Code専用Workspace・Analytics API

Usage画面に統合表示

OAuth認証

SigV4 / APIキー / 短期APIキーのみ

Fast mode

利用不可

OpenAI互換エンドポイント

利用不可

Workspace単位のallowed_inference_geos / default_inference_geo

リクエストごとにinference_geoを指定

日本国内データレジデンシー

us またはglobalのみ

自動Tier昇格

Tier 1から開始、Anthropic担当に申請

Managed Agentsセッションの無制限アイドル

6時間で再認証が必要

特にHIPAA-ready非対応は医療系ユースケースのブロッカーになります。AWS GovCloud対応もGA時点のリージョン列挙には含まれていません。

こんな企業におすすめ / おすすめしない企業

ここまでの情報を踏まえ、Claude Platform on AWSが現実的に刺さるケースと、選ばない方がよいケースを整理します。

Claude Platform on AWSがおすすめの企業

  • Anthropicの新機能(Managed Agents / Agent Skills / MCP / Computer Use / 1Mコンテキスト等)をいち早くプロダクトに組み込みたい開発者・SaaS事業者
  • 既存AWS EDPコミットを消化しながら、AnthropicとAWSの請求を一本化したい企業
  • AWS IAM / CloudTrail / PrivateLinkを使った監査・閉域要件はあるが、データ処理者がAnthropicでも問題ないケース
  • 自社プロダクトにAgent Skills(PowerPoint / Excel / Word / PDF)を組み込みたいケース
  • 直接Claude APIから移行したいが、AWSアカウントで一本化したい組織

Claude Platform on AWSをおすすめしない企業

  • AWSが必ずデータ処理者である必要がある規制業界(金融・公共・防衛)
  • HIPAA-ready / FedRAMP High / IL4・IL5 が必須の医療・公共セクター
  • データ滞在地を日本国内に契約上固定する必要があるケース → Bedrock側を選ぶ
  • Bedrock Guardrails / Knowledge Bases / Agents(Bedrock版) を主力に据えているチーム
  • OpenAI互換エンドポイントでアプリを書いており、当面エンドポイント差し替えだけで済ませたいチーム
  • Fast modeの応答速度プロファイルが必須なユースケース

既存BedrockユーザーがClaude Platform on AWSへ移行するときの判断フロー

「BedrockでClaudeを使っていたが、Claude Platform on AWSへ乗り換えるべきか」「両方使うべきか」は、GA直後に最もよく出る相談です。判断ポイントを整理します。

判断ポイント

推奨パス

既存のBedrock Guardrails / Knowledge Basesを使っている

Bedrockを残す(または併用)

Bedrockではまだ来ていないAnthropic新機能を待っている

Claude Platform on AWSへ追加契約(移行ではなく併用が現実的)

BedrockプライベートオファーでEDP割引が効いている

サインアップ前にAWS / Anthropic担当に相談(割引は遡及不可

規制(HIPAA / 政府)要件がある

Bedrockを継続

Bedrockの推論キャパが逼迫しがち

Claude Platform on AWSをフェイルオーバー先に追加(Capacity Poolは別管理)

ベース単価は同じなので、移行のコスト面での損得は基本的に発生しません。判断軸は「機能」「データ処理者」「監査要件」「契約・割引」の4つに集約されます。

なお、AWSがClaudeを取り込む動きとは別に、OpenAIもAWSと戦略パートナーシップを発表しています。マルチクラウド・マルチベンダー戦略の文脈は「OpenAI × AWS 戦略パートナーシップの全貌」も合わせて読むとクラウド調達戦略の全体像が掴みやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1. Claude Platform on AWSと「Claude in Bedrock」は同じものですか?

いいえ、別物です。Claude Platform on AWSはAnthropicが推論を運用し、AWSは認証・課金・監査の窓口を提供する形態です。Claude in BedrockはAWSが推論も含めて運用するBedrockサービスの一部で、データ処理者もAWSです。API形式・モデルID・課金単位・対応機能すべてが異なります。

Q2. 既存のClaude APIキーはClaude Platform on AWSで使えますか?

使えません。AWS Marketplaceからサインアップした時点でAWSアカウントに紐づく新しいAnthropic Organizationが自動生成され、既存のAnthropic Orgとは分離されます。APIキーはAWS Consoleの「Claude Platform on AWS → API keys」から発行する必要があります。

Q3. 東京リージョンのWorkspaceなら、推論データは日本国内に留まりますか?

留まりませんinference_geo は2026年5月時点で usglobal(デフォルト)の2択で、日本国内固定オプションは提供されていません。データ滞在を日本国内に固定する必要があるケースは、Bedrock側の東京リージョン専用エンドポイントを利用してください。

Q4. CCUと直接Claude APIの料金は違いますか?

per-tokenのベース単価は完全に同一です。CCUは「$1 = 100 CCU」の換算単位にすぎず、トークン使用量をUSDでレーティングしたあとCCUに変換しているだけです。inference_geo: "us" を指定した場合のみ1.1倍になります。

Q5. AWS EDPコミットメントは消化されますか?

されます。Claude Platform on AWSのCCU請求は既存AWSコミットメントに対して "fully retires" すると公式に明記されています。EDP割引をすでに保有している企業にとっては、Bedrockと同じ感覚で消化できます。

Q6. Bedrockのプライベートオファー割引はそのまま使えますか?

使えません。既存BedrockのプライベートオファーはClaude Platform on AWSへ自動引き継ぎされず、遡及適用も不可です。サインアップ前にAnthropic / AWSの担当者へ事前相談する必要があります。

Q7. Claude CodeはClaude Platform on AWS経由で使えますか?

使えます。Claude Code関連の使用量はClaude Console(AWS経由ログイン)のUsage画面に統合表示されます。ただし「Claude Code専用ワークスペース」や「Analytics API」はGA時点で利用不可です。Claude Code自体の詳細は「Claude Codeとは?機能・料金・始め方」を参照してください。

Q8. 開発の早い段階で気をつけるべき初期エラーは何ですか?

最頻発は「Outbound web identity federation is disabled for your account」エラーです。これはAWSアカウントで aws iam enable-outbound-web-identity-federation を一度実行するだけで解決します。

まとめ — Claude Platform on AWSをどう位置づけるか

Claude Platform on AWSは、「ファーストパーティのClaude PlatformをAWSアカウントで動かす」というアーキテクチャ上ユニークな新サービスで、2026年5月11日にGAしました。重要なポイントを最後に整理します。

  • 推論はAnthropic、認証・課金・監査はAWSというハイブリッドな運用主体
  • 東京リージョンを含む17リージョンで初日から利用可能、ただしデータレジデンシーは日本国内固定不可
  • 料金はClaude Consumption Unit(CCU)建てで、per-tokenベース単価はBedrock・直接APIと同じ
  • AWS IAM / SigV4 / CloudTrail / PrivateLink を使えるエンタープライズ仕様
  • HIPAA-ready / FedRAMP / Guardrails / Knowledge Bases / 日本国内データレジデンシーが必要なら Bedrock側を選ぶのが現時点の正解
  • 新機能の鮮度・Managed Agents / Agent Skills / MCP を活かしたい場合は Claude Platform on AWS
  • 両方を併用してフェイルオーバーする設計も現実的

「とにかく早くAnthropic純正のClaudeをAWSアカウントで使い始めたい」のか、「データ処理者がAWSであることが契約上必須」なのか、最初の30分で決めるべきはこの二択です。判断に迷う場合は、本記事の「Bedrockとの違い」「こんな企業におすすめ」「移行判断フロー」のセクションを順に当てはめてみてください。

Claudeそのものの基礎理解は「Claudeとは?機能・料金・使い方・ChatGPTとの違いを整理」、Claudeの料金体系の全体像は「Claude料金徹底比較」、エージェント機能の詳細は「Claude Managed Agentsとは」、AWSのエージェント基盤との対比は「AWS Bedrock AgentCore CLI / Managed Harness 使い方」が次に読むべき記事です。

出典・参考リンク

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