ビジネス活用2026年9月更新

AI導入の相談タイミングはいつ?|要件が固まる前に相談する利点と段階別の費用【2026年9月最新】

公開日: 2026/09/21
AI導入の相談タイミングはいつ?|要件が固まる前に相談する利点と段階別の費用【2026年9月最新】

この記事のポイント

AI導入の相談は、困っている業務と月の作業時間が言える段階で十分です。初回相談は無料が一般的。要件が固まる前に相談する3つの利点、遅すぎる4つのサイン、自動化か開発かの判断フロー、段階別の費用と予算・補助金の期限を解説します。

AI導入の相談は、困っている業務の名前と、それに毎月何時間かかっているかが言える段階で始めて構いません。初回相談は無料が一般的で(当社も無料)、導入に進む場合の費用は、今ある作業をAIに任せる自動化なら初期100万円+月額10万円〜、新しい仕組みを作る受託開発なら小規模改修30万円〜、PoC(試作を作って業務で使えるか確かめる工程)300万円〜が目安です(いずれも税別)。

一方で、相談を先延ばしにしてよい期限ははっきりしています。ツールを契約する前、補助金の交付が決まる前、来期の予算が固まる前です。これを過ぎてから相談すると、選べる手が減ったり、補助金を受けられなくなったりします。

この記事は、「AIで何かできないか」と社内で話が出ているものの、「何も決まっていないのに外部に相談するのは早いのでは」「相談したら売り込まれるのでは」と迷っている経営者・事業責任者・業務部門長の方に向けて書いています。今の状態ごとの相談先、要件が固まる前に相談する利点、遅すぎるサイン、段階ごとの費用、期限から逆算した相談の時期を順に説明します。

AI導入の相談が遅れる会社で起きていること

東京商工リサーチの生成AIアンケート結果。2026年4月時点で生成AIについて「方針は決めていない」企業が37.52%

出典: 東京商工リサーチ 公式サイト

AIを使いたい気持ちはあるのに、誰にも相談しないまま時間だけが過ぎる。これは珍しいことではありません。2026年に公表された公的機関や民間の調査会社の調査にも、その状態がはっきり出ています。

調査

結果

商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査」(2026年1月調査)

生成AIを「会社としては導入せず、使うかどうかは個人の判断に任せている」が64.9%で最多

東京商工リサーチ「生成AI」アンケート(2026年4月公表)

生成AIについて会社として「方針は決めていない」が37.5%

中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月)

「適切なベンダーや製品を選ぶための情報が十分にある」に当てはまらない企業が79.8%。国に求める支援として「専門家の派遣や導入相談」を挙げた企業が59.8%

帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査」(2026年3月)

生成AIの懸念・課題として「専門人材・ノウハウ不足」が41.3%、「活用すべき業務の範囲の明確化」が40.0%

IPA「DX動向2026」(2026年7月公表)

AIを導入している企業は、従業員1,001人以上で8割近くに対し、101人以下では16.6%

多くの会社が「どの業務に使えばいいか分からない」「誰に聞けばいいか分からない」ところで止まっています。現場では、だいたい次のような流れになりがちです。

  • 「まだ何も決まっていないから、相談するのは早い」と先送りする
  • その間に社員が個人でAIツールを使い始め、会社として把握できない使い方が広がる
  • 営業や展示会で勧められたツールを先に契約するが、どの業務に使うかが決まっておらず、使われなくなる
  • 試しに作ってはみたものの、「うまくいったのか」を誰も判定できず、次に進めない
  • 補助金の締切や来期予算の編成の直前になって慌てて相談し、見積もりが間に合わない

先送りの理由は、たいてい「相談できるほど決まっていない」という思い込みです。しかし、相談の前に決めておく必要があるのは要件(何をどう作るか)ではありません。次の章で、今の状態ごとに「相談してよいか」「誰に相談するか」を整理します。

AI導入の相談タイミングは「今の状態」で決める|5段階の早見表

IT経営サポートセンターが受け付ける「もやもや型」の相談例。何にどう取り組んだらよいかわからない、誰かに相談したいが…という悩み

出典: 中小機構 IT経営サポートセンター 公式サイト

相談の時期は、カレンダーではなく自社が今どの状態にあるかで決まります。次の表で、いちばん近い行を選んでください。

今の状態

相談に合う相手

相談で持ち帰れるもの

費用

次の一手

① 「AIで何かできないか」という話だけ。対象の業務は決まっていない

公的窓口(IT経営サポートセンター、よろず支援拠点)、民間の無料相談会

AIを使えそうな場面の候補、社内で先にやること

無料

社内で「毎月くり返している作業」を書き出す

② 困っている業務を1つ言える(業務名と月の作業時間)

AI導入・開発を手がける会社の無料相談(最もよいタイミング)

自動化で済むか/作る必要があるかの振り分け、費用の桁、期間の見立て、対象外ならその理由

無料

概算をもとに社内で予算化を検討する

③ 候補が複数あり、どれからやるか決められない

開発会社、または有償の診断サービス

1つに絞る判断、「どうなれば成功か」の基準の決め方

無料〜30万円

1業務に絞って進め方を決める

④ 他社から提案・見積もりが出ている

比較のための別の開発会社。補助金を使うなら国の「デジタル化セカンドオピニオン」

提案の範囲が大きすぎないかの確認

開発会社への相談は無料が一般的

範囲を絞るか、条件をそろえて比べ直す

⑤ ツールを契約済み、または試作の後で止まっている

開発会社(立て直しの相談)

続ける範囲と、切り直す範囲の判断材料

相談は無料が一般的

続ける範囲と止める範囲を決める

最もよいタイミングは②です。 「○○の作業に、毎月○時間かかっている」と言えれば、相談する準備はできています。要件は決まっていなくて構いません。むしろ決まっていないうちに相談したほうが得をする理由を、次の章で説明します。

正直にお伝えすると、①の段階でいきなりAI導入の会社に相談すると、その会社が得意なツールやサービスに寄せた提案になりやすくなります。この段階なら、先に公的窓口を使うほうが合理的です。中小機構のIT経営サポートセンターは、課題がまだはっきりしない「もやもや型」の相談も受け付けており、オンライン面談(1回60分)を何度でも無料で使えます。経営全般の相談所であるよろず支援拠点も、47都道府県に無料の窓口があります。あわせて社内で「毎月くり返している作業」を1週間書き出すと、②の状態に進めます。書き出し方は自動化候補の洗い出し方で解説しています。

反対に、「早く相談しすぎて損をする」ことはほとんどありません。民間の無料相談は45分〜1時間程度が一般的で(大塚商会のオンライン個別相談は45分、ヒューマノーム研究所の無料相談は約1時間)、使うのは1時間ほどの打ち合わせだけです。持ち帰れるのは「自社の場合、どの桁の費用がかかるのか」という判断材料です。

要件が固まる前に相談する3つの利点

生成AIプロジェクトの30%がPoC後に放棄されると予測した米調査会社ガートナーのロゴ

出典: Gartner 公式

「要件を固めてから相談しよう」は丁寧な考え方に見えますが、AI導入ではかえって遠回りになりがちです。要件が固まる前に相談する利点は3つあります。

利点1:「自動化で済むか、作る必要があるか」を振り分けられる

同じ「転記が大変」という困りごとでも、今の作業をAIに任せれば済む場合と、仕組みそのものを作り直さないと解決しない場合があります。この振り分けは、要件を固めるにしかできません。社内で「転記を自動化するツールを入れる」と決めてから相談すると、本当は作り直すべき案件でも、自動化を前提に話が進んでしまいます。

当社の医療機関のケースでは、「転記作業を自動化したい」という相談が、話を聞くうちに「部門ごとに分かれた台帳を1つにまとめる開発案件」だと分かりました(後述の事例③)。

利点2:範囲を小さく絞れる

要件を社内だけで固めようとすると、会議のたびに「ついでにこれも」と項目が増え、範囲が膨らみがちです。外部の目が入ると「今回はここだけ」と切る判断がしやすくなります。当社の調剤薬局のケースでは、他社から基幹システムの入れ替えを含む提案が出ていた段階で相談を受け、対象を「毎日発生している転記1箇所」に絞った結果、相談から稼働まで約5週間で済みました(事例②)。

利点3:「どうなれば成功か」を先に決められる

AIは試してみないとどこまでできるか分からない部分があり、試作の段階で止まる会社が少なくありません。米調査会社ガートナーは2024年7月、2025年末までに生成AIプロジェクトの少なくとも30%が、PoCの後に放棄されるとの予測を発表しました(実測ではなく予測です)。理由として挙げられたのは、データの質の低さ、リスク管理の不備、コストの増大、そしてビジネス上の価値が不明確なことです。

作り始める前に「どの質問に、どの水準で答えられたら合格か」を決めておけば、試作の後に続けるかやめるかで迷いません。当社の医療機関のPoCでは、合格ラインを先に文書にしていたため、拡大するかどうかを2週間で判断できました(事例④)。

外部と組んだ取り組みのほうが本番に進みやすい、という調査もある

米MITの研究グループ(NANDA)が2025年7月に公開した報告書「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」では、外部のパートナーと組み、自社向けに調整したAIの取り組みは約67%が本番の運用までたどり着いたのに対し、社内だけで作ったものは約33%でした。

ただし、これは52組織へのインタビューなどに基づく自己申告のデータで、報告書自身が「相関であり、因果関係を示すものではない」と断っています。外部と組む会社は、もともと予算や社内体制に余裕がある可能性もあります。「外部に相談すれば成功する」とまでは言えませんが、「社内だけで抱え込むほうが有利」とも言えない、という程度には参考になります。

要件が固まっていない段階で何を持っていけばよいか、要件の整理にいくらかかるかは要件が固まっていない段階で開発会社に相談する方法で詳しく解説しています。

AI導入の相談が遅すぎる4つのサイン

相談に「早すぎる」はほとんどありませんが、「遅すぎる」はあります。次のどれかに当てはまったら、急いだほうがよい状態です。

サイン1:ツールを先に契約した(または契約しようとしている)

どの業務に使うかを決める前にツールを契約すると、そのツールでできることに業務を合わせる発想になります。本当は仕組みの作り直しが必要だった場合、ツールの費用だけがかかり、困りごとの原因は残ります。契約済みでも、使う範囲を切り直すことはできます。更新の時期が来る前に相談してください。

サイン2:補助金を使いたいのに、交付が決まる前に契約・発注しそう

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、交付決定の前に契約・発注・納品・支払いをしたものは補助の対象になりません(公募要領に明記されています)。「先に契約してしまい、あとから補助金を知った」は取り返しがつきません。補助金を使う可能性が少しでもあるなら、契約の話に進む前に相談し、申請と契約の順番を確認してください。

サイン3:来期の予算が確定した後

予算が固まった後で相談すると、よい案が出ても使える予算がなく、実行が1年先送りになります。予算に載せたいなら、予算を決める会議より前に「費用の桁」を手に入れておく必要があります(時期の逆算は後述します)。

サイン4:試作は終わったのに、次に進むか決められない

試作の結果を前に「よかったのか悪かったのか分からない」状態は、合格ラインを決めずに始めたときに起きます。この状態が長引くと、担当者の異動や予算年度の切り替わりで、そのまま立ち消えになりがちです。続ける範囲と止める範囲を切り直す相談は、早いほど選択肢が残ります。

よくある失敗のパターンはAI開発が失敗する原因、ツールを入れたのに使われない場合の立て直し方は業務自動化が定着しない原因で扱っています。

自動化か開発かで相談先が変わる|判断フロー

AI導入の相談は、大きく2種類に分かれます。今ある作業をAIに任せる「自動化」の相談と、まだない仕組みを作る・今のシステムを直す「開発」の相談です。どちらに当たるかで、相談してよい状態と、持っていくものが変わります。

質問1:すでに人が毎月くり返している作業を、なくしたいですか?

  • はい → 質問2へ
  • いいえ(まだない仕組みを作りたい/今のシステムを直したい)→ 受託開発の相談

質問2:その作業は、入力も出力もパソコン上で完結し、判断のルールを言葉で説明できますか?

  • はい → 自動化の相談
  • 一部だけ当てはまる → 当てはまる工程だけを切り出して自動化の相談。紙や対面の工程は人に残す
  • いいえ → 先に手順の見直しか、紙をなくす仕組みから作る受託開発の相談

自動化の相談

受託開発の相談

相談してよい状態

業務名と、月に何時間かかっているかが言える

困りごとが言える。要件は決まっていなくてよい

持っていくもの

誰が・いつ・何件・月何時間やっているか、使っているシステムの名前

困っていること、関係する部署、使っているシステムの名前、使い始めたい時期

費用の目安(税別)

初期100万円+月額10万〜50万円

小規模改修30万円〜、PoC300万円〜、本開発は個別見積

期間の目安

導入に標準1〜2ヶ月

当社の事例で約5週間(小規模改修)〜約7ヶ月(本開発)

当社のサービス

シゴハヤエージェント

受託開発

どちらに当たるか判断がつかない場合は、「今ある作業をなくす」話から始めてください。 PoC(300万円〜)から入るより費用が小さく、導入も標準1〜2ヶ月と早いため、結果を見てから開発に進むかどうかを決められます。相談の中で「これは作る必要がある」と分かれば、そこで切り替えれば足ります。

自動化に着地した方はシゴハヤエージェントのサービス内容、開発に着地した方は受託開発のサービス内容をご覧ください。質問をさらに細かくした5つの質問の判断フローは業務自動化と受託開発はどちらを選ぶべきかにまとめています。

AIで自動化できる業務・できない業務の境界線

自動化の相談をする前に、対象の業務が境界線のどちら側にあるかを確かめておくと、相談が早く進みます。

自動化できる

自動化できない

毎日・毎週・毎月くり返し発生する

毎回、例外の判断が発生する

入力も出力もパソコン上のデータで完結する

紙や対面のやりとりが前提

判断のルールを言葉で説明できる

最終的な判断そのものをAIに任せたい

自動化できる業務の具体例は、ECサイトの商品情報の更新、商談記録の顧客管理システムへの入力とフォローメールの送信、月次の集計とレポートの配信、商品マスタの管理、データの照合などです。

右側に当てはまる業務は、当社の自動化サービスでも対象外です。調剤薬局であれば、処方箋の原本確認や患者対応は紙と対面が前提のため、最初から切り分けます。また、自動化できる業務であっても、公開・外部への送信・価格の変更・削除といった重要な操作には、人が承認する工程を入れます。「AIに全部任せて誰も見ない」運用は想定していません。

境界線にまたがる業務も少なくありません。その場合は業務全体を1つの塊として見ず、データで完結している工程だけを切り出して自動化し、紙や例外判断の工程は人に残す、という分け方をします。どこで切るかの見立ては、初回相談の段階で出せます。

削減できる時間と金額の試算|自動化の相談を始める合図は「束ねて月30時間」

自動化の相談を始める時期は、作業時間から逆算できます。ここでは時給3,000円換算で、自動化の費用を初期100万円+月額10万円(10名程度の規模)として計算します。計算式は「月の作業時間 × 時給3,000円 = 月の人件費」です。たとえば月40時間なら、40時間 × 3,000円 = 月12万円、年144万円になります。

月の作業時間

月の人件費

年の人件費

自動化の費用との関係

20時間

6万円

72万円

月額10万円を下回る。単独では回収できない

33時間

約10万円

約119万円

月額10万円とほぼ同じ。初期費用は回収できない

40時間

12万円

144万円

月額を差し引いて年24万円が浮く。初期費用の回収は4年前後

50時間

15万円

180万円

月額を差し引いて年60万円が浮く。初期費用の回収は1年8ヶ月ほど

3年間で見ると、初期100万円+月額10万円×36ヶ月=460万円です。これを時給3,000円で割り戻すと、月42.6時間分の作業をなくせれば3年で元が取れる計算になります。30名程度の規模で月額20万円の場合は3年総額820万円で、釣り合うのはおおむね月76時間です。

この計算から言えるのは、1つの業務が月20時間程度なら、単独では自動化の投資に見合わないということです。ただし、似た性質の作業(同じシステムを使う、同じ種類のデータを扱う)を束ねると、合計が月40時間を超えることはよくあります。当社の調剤薬局のケースでも、単体では1業務あたり月10〜15時間だった作業が、束ねると月40時間規模になりました(事例①)。

そこで、自動化の相談を始める合図は次のように置けます。

  • 束ねて月30時間を超えそう → 相談を始めてよい段階。どう束ねるか、どこまで対象にできるかを一緒に確かめる
  • 束ねて月40〜50時間に届く → 導入を具体的に検討できる段階。月43時間を超えれば初期費用を含めて3年以内、月50時間なら初期費用を1年8ヶ月ほどで回収できる見込みが立つ
  • どう束ねても月20時間に届かない → 投資より、手順の見直しが先。相談いただいた場合も、そのようにお伝えします

開発の場合も考え方は同じです。たとえば毎日の転記に月20時間(年72万円)かかっていて、仮にそれが30万円の小規模改修でなくせるなら、5ヶ月ほどで回収できる計算です。改修で済むかどうかは内容によるため、これも初回相談で見立てを出します。自社の数字での試算の仕方はAI導入のROI試算で解説しています。

AI導入の相談から導入までの費用の目安

相談の段階ごとの費用

段階

費用(税別)

公的窓口

IT経営サポートセンター(オンライン1回60分)、よろず支援拠点(47都道府県)

無料・何度でも

民間の無料相談

大塚商会(45分)、ヒューマノーム研究所(約1時間)、当社(初回相談無料)

無料

有償の診断

研修・試作・開発のどれで進むかを切り分ける診断(他社の公開例:いずれも2週間で15万円/30万円の2種類)

15万〜30万円

月額の顧問

チャットでの相談から、定例会議付きの伴走まで(他社の公開例:初期0円、最低契約3ヶ月)

月5万〜15万円〜

多くの会社にとっては、公的窓口か民間の無料相談で十分です。有償の診断や顧問が役立つのは、候補が多すぎて社内で1つに絞れない場合や、社内に相談相手になる人がいない状態が長く続きそうな場合です。

導入に進んだ場合の費用

進め方

費用(税別)

期間の目安

含まれるもの・注意点

自動化(シゴハヤエージェント)

初期100万円+月額10万〜50万円

標準1〜2ヶ月

業務の整理から構築、テスト、稼働後の保守まで。月額は会社の規模とAIの処理量で決まり、10名程度で月10万円、30名程度で月20万円、50名程度で月30万円、100名程度で月50万円が目安

受託開発:小規模改修

30万円〜

当社の事例で相談から稼働まで約5週間

画面や帳票の追加、他のシステムとの簡単なデータ連携など

受託開発:PoC

300万円〜

当社の事例で約3ヶ月

課題の整理、簡易的な要件定義、試作、結果の整理まで。本番の仕組みの構築は含まない

受託開発:本開発

個別見積

当社の事例で約7ヶ月

要件整理の結果をもとに見積もる

※自動化の月額には、AIが処理できる作業量の枠(月1,000万〜1.2億トークン。トークンはAIが読み書きする文字量の単位)が含まれます。クラウドや外部サービスの利用料など、別途かかる実費がある場合は相談の段階でお伝えします。

注意したいのは、無料の初回相談で出てくるのは「費用の桁」と「進め方の見立て」までという点です。当社の受託開発でも、費用とスケジュールを含む見積もりは、課題と要件を整理した後に提示しています。何も決まっていない段階で総額を1つの数字で即答された場合は、その数字がどこまでを含む前提なのかを必ず確認してください。

今ある作業をなくしたい場合の料金の決まり方と導入の流れはシゴハヤエージェントのサービスページに、仕組みを作る・直す場合の対応範囲と進め方は受託開発のサービスページに載せています。AIエージェント全般の費用感はAIエージェント導入の費用、PoCの内訳はAIのPoC費用の相場で解説しています。

実際にやった事例|相談に来た時点で何が決まっていたか

当社がお受けした相談から4件を、「相談に来た時点で何が決まっていて、何が決まっていなかったか」という切り口で紹介します。守秘の関係で社名は出せません。

相談時点で決まっていたこと

決まっていなかったこと

着地

① 調剤薬局

事務が忙しいこと

何から手を付けるか

自動化

② 調剤薬局

毎日の転記が負担になっていること

どこまで直すか

小規模改修(約5週間)

③ 医療機関

「転記を自動化したい」という要望

自動化で済むかどうか

開発(台帳の統合)

④ 医療機関

AIで効率化したい業務の候補(複数)

どれから手を付けるか

PoC(約3ヶ月)

事例① 調剤薬局のケース:何も決まっていない状態から、作業を束ねて自動化に進んだ

課題:相談の時点では「なんとなく事務が忙しい」という状態でした。1週間の作業記録を取ると、発注データと納品データの突合、在庫の棚卸し集計など、似た性質の作業が複数見つかりました。1業務あたりは月10〜15時間でも、束ねると月40時間規模になりました。

作ったもの:卸ごとに形式の違うデータを自動で取り込み、形式をそろえて突合する処理です。差異があるものだけを確認リストに出します。新しいシステムは作っていません。

何が変わったか:担当者の作業が「全件を照合する」から「差異の数件を確認する」に変わりました(時給3,000円換算で月12万円相当の作業量)。処方箋の原本確認と患者対応は、紙と対面が前提のため最初から対象外にしています。

事例② 調剤薬局のケース:他社の提案が大きすぎた段階で相談を受けた

課題:業務システムから書き出したデータをExcelで加工し、別のシステムへ手で転記する作業が毎日発生し、担当者が休むと業務が止まっていました。他社からは基幹システムの入れ替えを含む提案が出ていましたが、相談の中で「既存システムは残す」「対象は毎日発生している転記1箇所だけ」と範囲を決めました。

作ったもの:既存システムはそのままに、データの取り込みと加工、次のシステムへの受け渡しを自動で行う仕組みです。

何が変わったか:相談から稼働まで約5週間(相談と仕様確定2週間、実装2週間、試験運用1週間)。転記作業と転記ミスの手直しがなくなり、担当者が休んでも業務が流れるようになりました。全社的なシステム刷新にしていれば、半年単位の案件になっていました。

事例③ 医療機関のケース:「自動化したい」という相談が、開発案件だった

課題:相談は「転記作業を自動化したい」というものでした。実際には部門ごとに別々のExcel台帳で記録を管理しており、同時に開けない、更新の履歴が残らない、集計のたびに転記が発生する、という状態でした。転記を自動化しても、台帳が分かれている構造は残ります。

作ったもの:台帳を1つのデータベースに統合し、誰が何を見られるかの権限と更新履歴を持たせました。規制業種のためデータの置き場所の設計に時間をかけ、セキュリティの国家資格を持つ情報処理安全確保支援士が確認しています。

何が変わったか:転記の工程そのものがなくなり、集計は画面上で完結し、誰がいつ何を変えたかも追えるようになりました。先に自動化ツールを契約していたら、構造の問題が残ったままツールの費用だけがかかっていた可能性が高い案件です。

事例④ 医療機関のケース:候補が複数あり、1つに絞れなかった

課題:効率化したい業務の候補が複数あり、全部を対象にすると費用も期間も膨らんで稟議にかけられない状態でした。相談の中で1業務に絞り、着手の前に「どの質問に、どの水準で答えられたら合格か」を文書にしました。

作ったもの:手元の資料をAIに読ませ、質問すると根拠となる箇所を示しながら答える仕組みを、PoCとして作りました。

何が変わったか:期間は約3ヶ月(絞り込みと合格ラインの設定2週間、データの受領と整形3週間、試作と調整5週間、現場での試用と判定2週間)。合格ラインが先にあったため、拡大するかどうかを2週間で判断できました。

4件とも、相談の時点で「何を作るか」は決まっていませんでした。決まっていたのは、困っている業務があるという事実だけです。相談を始めるには、それで十分でした。

使いたい時期から逆算する|予算・補助金・着手までの期間

デジタル化・AI導入補助金2026の公式ロゴ

出典: デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト

「いつ相談するか」は、AIを使い始めたい時期から逆算して決めるのが確実です。押さえるべき期限は3つあります。

着手までの期間:相談から作業開始まで1〜3ヶ月

相談してすぐに作業が始まるわけではありません。当社の観測値では、初回相談から概算の提示、社内の稟議、契約(秘密保持契約を含む)を経て作業を始めるまでに、合計で1〜3ヶ月かかります。金額の規模別では、30万円台の案件で相談から着手まで2〜4週間、300万円台で1〜2ヶ月、1,000万円を超える案件で2〜6ヶ月です。

計算式は「使いたい日 −(導入・開発の期間)−(着手までの期間)= 相談を始めるべき日」です。たとえば4月から自動化を使い始めたいなら、導入に1〜2ヶ月、着手までに1〜3ヶ月を見込み、最初の相談は前年の11月〜1月が目安になります(試算)。詳しい逆算の方法はAI開発の期間で解説しています。

予算の期限:3月決算なら、秋〜12月に最初の相談を

来期の予算に載せたい場合は、予算が決まる前に「費用の桁」を手に入れておく必要があります。3月決算の会社の標準的な流れでは、1月に予算編成の方針が示され、1月下旬〜2月上旬に部門ごとの予算を調整し、3月の取締役会で年度予算が決まります(清文社「予算編成手続マップ【3月決算】」)。

この流れに乗せるなら、秋から12月までに最初の相談を済ませ、概算を持って1月の予算編成に臨むのが当社のおすすめです。3月決算の会社であれば、2026年9月の今が、ちょうどその時期の入り口にあたります。決算月が違う会社は、予算編成の方針が出る時期から同じように逆算してください。稟議に通す資料の作り方は生成AIの稟議資料の作り方で扱っています。

補助金の期限:交付決定の前に契約しない

デジタル化・AI導入補助金を使う場合、スケジュールは補助金の側で決まります。2026年9月時点で公式サイトのスケジュールに掲載されている直近の日程は次のとおりです。

申請枠

直近の締切

交付決定日(予定)

事業の実施期間(予定)

通常枠/インボイス枠/セキュリティ対策推進枠

5次締切:2026年9月29日(火)17:00

2026年11月9日(月)

交付決定〜2027年4月30日(金)17:00

複数者連携デジタル化・AI導入枠

3次締切:2026年10月30日(金)17:00

2026年12月10日(木)

交付決定〜2027年5月31日(月)17:00

通常枠の6次締切以降の日程は、公式サイトではまだ公表されていません(確定した回だけが公表される運用です)。5次締切までは1週間ほどしかなく、これから相談を始めて間に合わせるのは現実的ではありません。次の回に向けて準備するなら、今が相談を始める時期です。

時期に関わる決まりは3つです。

  1. 交付決定の前に契約・発注・支払いをしたものは対象外です。相談は申請より前、契約は交付決定の後、という順番になります
  2. 補助の対象は、事務局に登録されたITツールです。ゼロから作るシステム開発が、そのまま対象になるとは限りません。使いたいサービスが対象になるかは、相談の段階で確かめてください
  3. 2026年6月の第3次公募から、「デジタル化セカンドオピニオン」が審査の加点項目に加わりました。 通常枠の申請前に、ITベンダー(ITツールを販売・導入する会社)以外の第三者、具体的には事務局に登録された中小企業診断士やITコーディネータとオンラインで面談すると、審査で加点されます。面談は申請する回の締切までに済ませる必要があり、予約の際には経営者が出席できる日程候補を最低3日分出します。事務局は締切の2週間前になると予約が混み合うおそれがあると案内しているため、締切から逆算して早めに予約してください。ITベンダーは同席できません

3つ目の制度は、国の側が「導入を決める前に、売り手以外の目を入れること」を評価している、と読むこともできます(加点が採択にどの程度影響するかは公表されていません)。締切の最新情報はデジタル化・AI導入補助金の締切、申請から入金までの流れは補助金はいつ入金されるか、よくある失敗はAI導入補助金の失敗例で解説しています。

相談してから稼働までの流れ

自動化(シゴハヤエージェント)

受託開発

無料相談(今の業務の聞き取り)

ご相談

対象業務の整理と、削減できる時間の確認

課題・要件の整理

専用の環境と業務の流れの構築

提案・見積もり

テスト・並行運用

PoCまたは本開発

本番稼働・継続運用

導入・改善

期間

標準1〜2ヶ月

対象範囲の広さと確認工程の数で変わる(当社の事例で約5週間〜約7ヶ月)

初回相談の前に用意するもの・その場で確認すること

用意するもの(分からない項目は「分からない」で構いません)

  • 困っている業務の名前と、誰が・いつ・何件・月何時間やっているか
  • 使っているシステムやソフトの名前
  • 予算の最終判断をする人は誰か
  • 予算の桁(「数十万円なら今期中に動ける」「数百万円なら来期の予算に入れる」程度で十分)
  • 使い始めたい時期と、その理由

顧客データや患者の情報などの実物は、初回相談では必要ありません。業務の概要と件数・時間、システムの名前が分かれば話は進みます。実物を見せる必要が出てきたら、その前に秘密保持契約を結び、対象となる情報の範囲を確認してから渡してください。

その場で確認すること

初回相談は、相手の会社を見極める場でもあります。次の5つを聞くと、その会社が自社に合うかが分かります。

  1. この業務は、自動化で済みますか。作る必要がありますか。その理由は何ですか
  2. 費用の桁はどのくらいですか。どこから有償になりますか
  3. 対象外になる部分はどこですか
  4. 稼働までの期間の見立てはどのくらいですか。社内では何をする必要がありますか
  5. 実際のデータは、いつ、どの範囲で渡す必要がありますか

特に参考になるのが3つ目への答え方です。どんな業務にも「できます」と答える会社より、「ここは対象外です。理由は〜」と線を引ける会社のほうが、導入後の「思っていたのと違う」を防ぎやすくなります。相談先そのものの選び方はAI開発会社の選び方で詳しく解説しています。

よくある質問

Q1. 相談したら、その会社に発注しないといけませんか。売り込まれないか心配です。

発注の義務はありません。初回相談を無料としている会社なら、相談だけで終わっても費用はかかりません。当社も、その場での契約はお願いしておらず、対象外と判断した場合はその理由をお伝えしています。他社に相談する場合も、その場で契約や申込書の記入を求められたら、いったん持ち帰って構いません。最初に「今日は情報収集で、社内で比較してから決めます」と伝えておくのが、いちばん角が立たない方法です。

Q2. 公的窓口と民間の会社、両方に相談してもいいですか。

構いません。役割が違うので、両方使うのはむしろ合理的です。公的窓口は無料で何度でも使え、特定の製品を売る立場にないのが強みですが、実際に仕組みを作ったり導入したりはしません。民間の会社は自社のサービスを前提にした提案になりやすい一方、具体的な費用や期間、作れるかどうかまで踏み込めます。公的窓口で「どの業務から手を付けるか」の方向性を確かめ、民間の会社で具体的な費用を聞く、という順番が使いやすいはずです。

Q3. 社内の情報システム部門より先に、外部に相談してもいいですか。

初回相談は、先に外部に行っても問題ありません。業務の困りごとを話すだけなら、社内システムの設定や情報を外に出すことにはならないからです。ただし、導入の検討に進む段階では、情報システム部門を早めに巻き込んでください。既存システムからデータを取り出せるか、社内のセキュリティの決まりに合うかは、情報システム部門でないと判断できないことが多く、後から入ってもらうと「その方法は認められない」と差し戻されることがあります。外部の相談で得た「費用の桁と進め方の見立て」を持って話すと、社内の議論も具体的になります。

Q4. 経営者が相談に同席する必要はありますか。

初回相談は業務部門の方だけでも構いません。困りごとを一番よく知っているのは現場だからです。ただし、費用の桁が見えて導入を検討する段階では、決める人が一度は直接話を聞いておくことをおすすめします。商工中金の調査も、業務の効率化に生成AIを生かすには会社主導の取り組みが必要な可能性を指摘しています。補助金を使う場合はさらに明確で、デジタル化セカンドオピニオンでは経営者本人(代表取締役または個人事業主本人)の出席が加点の条件になっており、「現場任せ・ベンダー任せになっていないか」「経営者が自分の言葉で説明できるか」が評価されます。

Q5. AIについての知識がほとんどなくても相談できますか。

できます。必要なのはAIの知識ではなく、自社の業務の知識です。「AIで何ができるか」は相談を受ける側が説明することで、発注する側が勉強してから来る必要はありません。むしろ、ネットで調べた特定のツール名や手法を前提に相談すると、それが最適でなかった場合に話が遠回りになります。「この作業に毎月これだけ時間がかかっていて困っている」と業務の言葉で話していただくのが、いちばん早く正確な見立てにつながります。

Q6. 相談してから概算が出るまで、何回くらい打ち合わせが必要ですか。

当社の場合、初回相談は60分を1〜2回お受けすることが多く、その後1〜2週間ほどで概算と進め方をお示ししています。つまり、予算会議や補助金の締切の直前に初めて連絡しても、概算が間に合わないことがあります。2回目の打ち合わせまでに、対象業務の件数や作業時間を社内で確かめておくと、概算の幅が狭まり、社内での説明にもそのまま使えます。

Q7. 相談の段階で、社内の稟議や予算の確保は必要ですか。

無料の初回相談であれば、稟議も予算も不要なのが一般的です。社内の手続きが必要になるのは、有償の診断や契約に進む段階からです。順番としては、相談で「費用の桁」と「削減できる時間」の見立てを得て、それを材料に稟議を書くほうが通りやすくなります。金額の根拠がないまま「AIを導入したい」という稟議を出すと、「いくらかかって、いくら浮くのか」を問われて止まりがちです。

今の状態のまま、ご相談ください

困っている業務の名前と、それに月何時間かかっているかが言えれば、要件が決まっていなくても相談には十分です。ツールの契約、補助金の交付決定、来期予算の確定より前にご相談ください。

「今ある、毎月くり返している作業をなくしたい」方へ

御社専用のAI社員が、毎月くり返す定型業務を自動で実行するサービスです。初期100万円(税別)+月額10万〜50万円(税別)、導入は標準1〜2ヶ月。対象業務の整理と、削減できる時間の確認からご一緒します。

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どちらに当たるか分からない方へ

まずは今ある作業をなくす話からお聞きします。業務の内容と、そこにかかっている時間を教えていただければ、自動化で済むのか、作る必要があるのか、そもそも投資が要らないのかを含めて整理してお返しします。

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