ビジネス活用2026年9月更新

AI導入のROI試算|計算式と前提の置き方・回収できる規模の目安【2026年9月最新】

公開日: 2026/09/15
AI導入のROI試算|計算式と前提の置き方・回収できる規模の目安【2026年9月最新】

この記事のポイント

AI導入のROIは(5年間の効果額−総費用)÷総費用で試算します。1,000万円の開発なら月80時間の削減では5年で回収できず、300時間なら約13ヶ月。時給の根拠、保守費・AI利用料・補助金の扱い、段階別の判断基準を解説します。

AI導入のROI(投じたお金に対して、どれだけのお金が返ってくるかの割合)は、「(5年間の効果額 − 5年間の総費用)÷ 5年間の総費用」で試算し、時給・削減時間・保守費・AIの利用料といった前提を1つずつ根拠つきで置いて計算します。たとえばPoC 300万円+本開発700万円の計1,000万円(税別)を投じる場合、月の削減時間が80時間なら5年たっても元が取れず(5年ROI −15.5%)、300時間なら約13ヶ月で回収できる(同 約217%)というように、同じ金額でも載せる業務の量で結論が逆転します。

「AI導入のROI」を扱う解説の多くは、ChatGPTなどを社員の人数分契約した場合の利用料を前提にしています。この記事が扱うのは、数百万〜1,000万円規模のAI開発を稟議に上げてよいかを判断するための試算です。計算式と評価期間の決め方、前提となる8つの数字の持ってき方、ケース別の試算例、PoC(本格的に作る前に小さく試作して、業務で使えるかを確かめる工程)から本開発まで段階ごとに判断する方法、そして「試算した結果、作らないほうがいい」ケースまでを順に示します。なお当社の受託開発の価格はPoC 300万円〜、小規模改修30万円〜、本開発は個別見積(すべて税別)で、後半で相場との位置関係を示します。

AI導入のROI試算が外れる3つの理由

McKinseyの調査「The state of AI in 2025」(2025年11月公表)によると、AIを少なくとも1つの業務で使っている組織は88%に達する一方、AIによる営業利益への影響があったと答えた組織は39%で、その多くは影響が5%未満でした。使っている企業は多いのに、利益に効いていると言える企業は少数派です。導入前の試算がどこで外れるのかを見ると、原因はほぼ次の3つにまとまります。

理由1:「浮いた時間」がそのままではお金にならない

月300時間の作業が消えても、人を減らさず、残業も外注も変わらなければ、会社が払う人件費は1円も減りません。人件費は固定費だからです。削減時間を効果額として計上するなら、浮いた時間を「残業を減らす」「欠員を補充しない・採用を1名見送る」「外注をやめる」「売上につながる業務に回す」のどれで回収するかを、試算の段階で決めて書く必要があります。ここが空欄の試算は、経営会議で最初に突っ込まれます。

理由2:PoCで止まった場合の費用を入れていない

調査会社のGartnerは2024年7月、生成AIプロジェクトの少なくとも30%が2025年末までにPoCの後で中止されると予測し、理由としてデータの品質不足、リスク管理の不足、コストの増大、事業価値の不明確さを挙げました。2025年6月には、AIエージェント(複数の手順を自動で進めるAI)のプロジェクトの40%超が2027年末までに中止されるとの予測も出しています。「PoCに進めば必ず本開発まで行き、必ず効果が出る」という前提の試算は、この現実を織り込んでいません。

理由3:保守費とAIの利用料が抜けている

生成AIを業務に組み込むシステムの保守運用費は、年間で開発費の10〜20%が相場です(システム保守運用費の相場)。5年使えば、保守費だけで開発費の50〜100%に達します。これにAIの利用料(処理した文章量に応じて課金される費用)が毎月乗ります。初期費用しか見ていない試算は、回収期間が実際より大幅に短く見えます。

3つとも、計算式ではなく前提の置き方の問題です。次の章から、式と前提を1つずつ決めていきます。

ROIの計算式|分母は「総費用」、期間は「5年」と明記する

電卓と年ごとに高く積み上がる硬貨で、AI導入のROIと5年間の回収を計算するイメージ

使う式は3つ

指標

計算式

何に答えるか

ROI(%)

(期間内の効果額 − 期間内の総費用)÷ 期間内の総費用 × 100

投じたお金に対して、どれだけ上乗せで返ってくるか

回収期間(月)

初期費用 ÷(月の効果額 − 月の運用費)

本番稼働から何ヶ月で初期費用を取り戻せるか

必要な月の削減時間

(初期費用 ÷ 目標の回収月数 + 月の運用費)÷ 時給

目標の期間で回収するには、月何時間分の業務を載せる必要があるか

  • 初期費用 = PoC + 本開発
  • 月の運用費 = 保守運用費(年額 ÷ 12)+ AIの利用料
  • 期間内の総費用 = 初期費用 + 月の運用費 × 期間の月数

3つ目の「必要な月の削減時間」は一般的な解説ではあまり使われていませんが、発注前の判断には最も役に立ちます。削減時間を先に見積もるのではなく、「この金額を投じるなら、月何時間の業務を載せなければならないか」を逆算するための式です。

回収期間は本番稼働した月から数える点にも注意してください。PoCと本開発の期間中は、費用は出ていても効果はゼロです。相談から本番稼働までは、中規模の案件でおおむね半年〜1年近くかかります(後述の「流れと期間」を参照)。

定義を書かないと、同じ案件のROIが−5%にも370%にもなる

ROIの数字が記事や会社ごとにばらつくのは、「何年分で見るか」「何を分母にするか」がそろっていないためです。後述の試算例のケース2(初期費用1,000万円、月の効果額90万円、月の運用費11.75万円)を、定義だけ変えて計算すると次のようになります。

定義

計算

ROI

1年・総費用を分母

(1,080万円 − 1,141万円)÷ 1,141万円

−5.3%

3年・総費用を分母

(3,240万円 − 1,423万円)÷ 1,423万円

約128%

5年・総費用を分母

(5,400万円 − 1,705万円)÷ 1,705万円

約217%

5年・初期費用だけを分母(運用費は効果から差し引き)

(5,400万円 − 705万円 − 1,000万円)÷ 1,000万円

約370%

どれも計算としては正しく、案件の中身もまったく同じです。稟議資料では、ROIの数字の横に「何年分か」「分母に何を入れたか」を必ず書いてください。月額で使うサービスのように運用費が小さい投資なら初期費用を分母にしても大差ありませんが、開発投資は保守費とAIの利用料が毎年かかるため、本記事では総費用を分母にします。

評価期間は「5年」を上限の目安にする

社内に「何年で回収すること」という投資基準があれば、それを使ってください。基準がない場合は、会計上の償却期間を上限の目安にするのが説明しやすい方法です。国税庁のタックスアンサー(No.5461)では、自社で使うソフトウェアの耐用年数は5年とされています(複写して販売するための原本や研究開発用は3年)。自社の仕様に合わせるための修正費用も取得価額に含まれます。

「5年で償却する資産に、5年で元が取れない投資をするのか」という問いは、経営会議でそのまま通じます。一方で、AIの分野は数年で使うモデルや仕組みが入れ替わるため、5年はあくまで上限です。前提がずれても2〜3年程度で回収できるかを併せて見ておくと安全です。なお、資産に計上するか費用として処理するかといった税務上の扱いは企業ごとに異なるため、顧問税理士に確認してください。

前提の置き方|8つの数字をどこから持ってくるか

時給の前提に使う賃金構造基本統計調査を公表している厚生労働省のロゴ

出典: 厚生労働省 公式サイト

ROIの試算は、式よりも前提で決まります。前提ごとに「本記事で使う値」「どこから持ってくるか」「どれくらいずれやすいか」をまとめると次のとおりです。

前提

本記事で使う値

持ってくる先

ずれやすさ

1時間あたりの人件費

3,000円

公的統計から組み立てる

月の削減時間

業務ごとに実測

2週間のタイムシート + 理論値の7〜8割

PoCの費用

300万円

見積(生成AI活用型の相場は100〜300万円、内容により500万円)

本開発の費用

700万円(仮定)

見積(生成AI活用型の相場は300万〜1,000万円)。PoCの成果物に概算を含めてもらう

保守運用費

本開発費の年15%

相場の年10〜20%。見積で内訳を確認

AIの利用料

月3万円(仮定)

まず仮置きし、PoCで実測して置き換える

中〜大

評価期間

5年

自社で使うソフトウェアの耐用年数

補助金

なし

基本は「なし」で計算し、ありは別の列で示す

これに加えて、数字ではありませんが「浮いた時間を何で回収するか」も前提として書きます。以下、判断を誤りやすいものを中心に補足します。

時給は3,000円でよいか

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者の月の所定内給与(男女計)は340,600円で、企業規模別では大企業385,100円、中企業326,200円、小企業305,600円です。これを年間の所定内労働時間1,768時間(毎月勤労統計調査2025年分の一般労働者、労働政策研究・研修機構の算出)で割り、会社が負担する社会保険料などを加味するために、労働費用のうち現金給与が82.0%という比率(厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」)で割り戻すと、1時間あたりの人件費は次のようになります。

規模

所定内給与ベースの時給

会社負担を含めた概算

全体

約2,310円

約2,820円

大企業

約2,610円

約3,190円

中企業

約2,210円

約2,700円

小企業

約2,070円

約2,530円

※公的統計を当社で組み合わせた概算で、公式の値ではありません。所定内給与には賞与と残業代が含まれないため、実際の会社負担はこれより高くなる方向です。

統計から組み立てると2,500〜3,200円程度になるため、本記事では当社の他の試算と同じ時給3,000円を使います。ROIを解説している記事を見ると、時給は2,500円から5,000円まで記事ごとにバラバラで、根拠が示されていないことがほとんどです。時給を高く置けば効果額はいくらでも大きくなるので、根拠のない時給は稟議で信用を失います。考え方の詳細は業務自動化の効果測定で解説しています。

削減時間は2週間実測し、理論値の7〜8割で見る

最もずれやすく、ROIを最も大きく動かすのが削減時間です。「担当者に聞いたら月100時間くらい」という概算のまま試算すると、稼働後の実測と合わず、試算そのものの信用を失います。

  • 対象業務を2週間(月次業務なら1サイクル以上)、タイムシートで実測する。 「データ収集」「表記ゆれの修正」「集計」「確認・差し戻し」のように、自動化される部分と人に残る部分が分かれる細かさで記録します
  • 件数も一緒に記録する。 「1件あたり何分 × 月何件」の形にしておくと、PoCで自動処理できた割合をそのまま掛けられます
  • 理論上の削減時間には7〜8割を掛ける。 すべての作業が消えることはなく、AIが判断に迷った案件は人に戻り、止まったときの復旧にも時間がかかります。補正の考え方は業務自動化の効果測定で詳しく扱っています

PwC Japanの「生成AIに関する実態調査 2025春 5カ国比較」では、日本で「期待を上回る」効果を得た企業の割合は米国・英国の4分の1にとどまりました。同調査では、効果が出ている企業は業務を大きく置き換える前提で経営トップが推進していたのに対し、効果が出ていない企業は生成AIを「効率化ツール」として現場任せにしていました。今の手順のまま一部にAIを足す前提では、削減時間は小さくなります。どこまで業務を置き換えるかは、現場ではなく経営が決める前提だと考えてください。

開発費・保守費・AIの利用料

開発費は、生成AIを業務に組み込むタイプでPoC 100〜300万円(内容により500万円)、本開発300万〜1,000万円が相場です。自社のデータでAIに学習させるタイプ(画像による検査や需要予測など)はPoCだけで500〜1,500万円、保守費も年20〜40%と、試算の桁が変わります(AI受託開発の費用相場)。

発注前の段階では、本開発の見積が出ていないことがほとんどです。その場合は相場の範囲で仮に置き、PoCの成果物に「本開発の概算見積」を含めてもらい、PoC終了時に置き換えるのが確実です。見積が後から膨らみやすい箇所はシステム開発の追加費用で整理しています。

AIの利用料は処理件数で変わるため、月額固定にはなりません。発注前は「月3万円」のように仮置きし、PoCで実際の処理件数と利用料を測って置き換えます。

もう1つ見落とされやすいのが、PoCにかかる自社側の時間です。生成AI活用型のPoC(8週間)では、ヒアリングへの立ち会い、データの提供、結果の判定などで48〜72時間、金額にして約16〜24万円相当が必要になります(AIのPoC費用の相場)。

補助金は「なし」で計算する

補助金は費用を減らしますが、試算の基本は「補助金なし」にし、補助金ありは別の列で示してください。理由は3つあります。

  1. 自社専用の開発には使えない制度がある。 デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)は、事務局に登録されたITツールの導入が対象です。ITツール登録要領では、スクラッチ開発(一から作る開発)を伴うソフトウェアや、特定の顧客向けに限定され一般に販売されていないものは登録の対象外と明記されています。つまり、自社専用に作るシステムの開発費に、この補助金の上限額(通常枠で最大450万円)を当てはめて試算するのは誤りです
  2. 使える可能性がある制度も、採択は保証されない。 自社の現場に合わせたシステムの構築なら、中小企業省力化投資補助金(一般型)が候補になります。第8回公募は2026年9月18日(金)10:00に申請受付が始まり、補助率は中小企業1/2(最低賃金引き上げの特例で2/3)、小規模事業者2/3、補助上限は従業員5人以下で750万円〜101人以上で8,000万円です。労働生産性を年平均4%以上向上させる計画などが要件です。申請締切は2026年10月16日(金)17:00、採択発表は2027年2月上旬の予定です
  3. 後払いで、立て替えが必要。 申請から入金までは最短でも5ヶ月、長いと11ヶ月程度かかり、その間は全額を自社で立て替えます(補助金の入金時期

補助金を前提にしなければ回収できない案件は、不採択になった時点で投資として成り立たなくなります。対象になるツールの範囲はAI導入補助金の対象にまとめています。

効果は4種類に分け、回収期間の計算は2種類に絞る

効果額に何を入れるかも前提です。4種類に分けると、数字の確かさがまったく違います。

効果の種類

金額への換算

数字の確かさ

① 時間の削減

削減時間 × 時給

実測できれば高い

転記・照合・集計・資料探し

② 外注費・残業代の削減

実際に払わなくなった額

最も高い(現金が減る)

入力代行の外注、月末の残業

③ ミス・事故の防止

1件あたりの損失額 × 減った件数

中(過去の記録があれば)

誤発注、転記ミスの手戻り、クレーム対応

④ 売上への貢献

増えた件数 × 単価 × 粗利率

低い(他の要因と分けにくい)

対応件数の増加、納期の短縮

稟議で回収期間の計算に使うのは①と②だけにし、③と④は「上振れ要因」として別枠に書くのが安全です。④を試算に混ぜると、同じ時期の値上げや営業強化の効果とAIの効果が分けられず、稼働後に検証できなくなります。

試算例|同じ1,000万円でも回収は約13ヶ月と約6.8年に分かれる

ここまでの前提で、実際に計算します。以下はすべて仮定に基づく試算で、当社の実績値や見積額ではありません。

共通の前提は次のとおりです。

  • 時給3,000円
  • 初期費用:PoC 300万円 + 本開発700万円 = 1,000万円
  • 保守運用費:本開発費の年15% = 年105万円(月8.75万円)
  • AIの利用料:月3万円
  • 月の運用費:8.75万円 + 3万円 = 11.75万円(年141万円)
  • 5年間の総費用:1,000万円 + 141万円 × 5年 = 1,705万円
  • 削減時間は、実現率などで補正した後の値

ケース

月の削減時間(補正後)

月の効果額

運用費を引いた月の効果

回収期間

5年ROI

ケース1:業務1つだけを載せる(理論上は月120時間)

80時間

24万円

12.25万円

約82ヶ月(約6.8年)

−15.5%

ケース2:同じ仕組みに複数の業務を載せる(10名 × 月30時間)

300時間

90万円

78.25万円

約13ヶ月

約217%

ケース2-a:ケース2で削減時間が3割少なかった

210時間

63万円

51.25万円

約19.5ヶ月

約122%

ケース2-b:ケース2で本開発費が5割増えた(1,050万円、保守費も比例)

300時間

90万円

約73.9万円

約18.3ヶ月

約133%

※ケース2-bは、初期費用1,350万円、月の運用費16.125万円、5年間の総費用2,317.5万円で計算しています。

ケース1は、耐用年数の5年以内に回収できません。 月80時間、金額にして月24万円の業務は決して小さくありませんが、1,000万円の開発投資を取り戻すには足りません。この場合の選択肢は、同じ仕組みに載せる業務を増やすか、投資額を小さくするかのどちらかです。

ケース2は、前提が崩れてもプラスを保ちます。 削減時間が3割少なくても、本開発費が5割増えても、回収は2年以内に収まります。稟議で本当に示すべきなのは標準の数字1つではなく、この「前提がずれてもまだ回収できる」という幅です。

規模を小さくした場合|30万円の小規模改修で月20時間の作業をなくす

ケース

月の削減時間

月の効果額

初期費用

回収期間

ケース3:小規模改修で1か所の転記作業をなくす

20時間

6万円

30万円

5ヶ月(保守費を年15% = 4.5万円見込んでも約5.3ヶ月)

月20時間の作業のために1,000万円を投じるのは合いませんが、30万円の改修なら半年足らずで回収できる計算になります。対象の業務時間が小さいなら、投資額のほうを業務に合わせるのが正解です(システムの小規模改修の費用)。

逆算表|目標の回収期間から、必要な月の削減時間を出す

自社の案件に当てはめるときは、この表から入るのが早道です。時給3,000円、保守費は開発費の年15%、AIの利用料は月3万円で共通です。

目標の回収期間

初期1,000万円(月の運用費11.75万円)

初期300万円(月の運用費6.75万円)

12ヶ月

月 約317時間

月 約106時間

24ヶ月

月 約178時間

月 約64時間

36ヶ月

月 約132時間

月 約50時間

60ヶ月(5年で元が取れる下限)

月 約95時間

月 約39時間

※初期300万円の列は、生成AI活用型の本開発の下限程度の規模を想定しています。保守費は年45万円(月3.75万円)で計算しています。

1,000万円を投じるなら、補正後で月95時間を超える業務を載せないと、5年たっても元が取れません。「月何時間分の業務を載せる前提か」が書かれていないAI開発の稟議は、この表のどこにいるのかが誰にも分からない状態です。

PoCから本開発まで、段階ごとに判断する試算の組み方

小さな試作模型から完成した建物模型までを段階的に並べ、PoCから本開発まで段階ごとに判断する流れを表したイメージ

AIの開発投資は、1,000万円を一度に投じる判断ではありません。経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」(平成30年6月)も、AI開発を段階に分け、段階ごとに契約する進め方を示しています。ROIの試算も同じように、段階ごとに「次に進む条件」と「ここで止めた場合の損失」をセットで出すと、経営会議での判断がしやすくなります。

段階

投じる金額(試算例)

次に進む条件

ここで止めた場合の損失

0. 業務の実測と試算

担当者が記録する手間のみ

実測した削減時間が、逆算表の必要時間を超えている

ほぼなし

1. PoC

300万円 + 自社側の時間48〜72時間(約16〜24万円相当)

①あらかじめ決めた合格ラインを満たす ②PoCで実測した削減時間・AIの利用料と本開発の概算見積に置き換えたうえで、前提が3割ずれても5年以内に回収できる

約316〜324万円が上限

2. 本開発

700万円(累計1,000万円)

旧来のやり方と並行して動かし、結果が一致する。人に戻る件数が想定の範囲に収まる

累計1,000万円が上限

3. 保守運用

年141万円

毎年、実測した削減時間と運用費で継続を判断する

その年の運用費

ポイントは、PoCに入る前に、PoCの合格ラインの中に「本開発に進んだ場合の回収条件」を入れておくことです。「対象100件のうち85件以上を人の修正なしで処理できる」という精度の条件だけでは、合格しても「では1,000万円を投じてよいのか」に答えられません。PoCの結果を試算表に代入し、回収期間が目標に収まるかどうかまでを判定の対象にすれば、PoCの300万円は「本開発に進むかどうかの判断を買う費用」になります。

PoCで不合格になっても、損失は約316〜324万円で止まります。本開発まで進めてから効果が出ないと分かった場合の累計1,000万円と比べると、損失はおよそ3分の1です。PoCが本開発につながらずに終わる典型的な理由はAI開発の失敗例にまとめています。

当社のPoCは、課題と検証内容の整理から、試作、結果の整理、本開発の提案までを範囲としており、受託開発の支援内容には業務効率化の投資対効果の試算も含めています。PoCの合格ラインに回収条件を組み込むところから相談したい場合は、受託開発サービスのページで進め方をご確認ください。

試算した結果、開発しないほうがいいケース

ROIの解説は、ほとんどが「試算すればプラスになる」前提で書かれています。実際には、試算した結果として作らない判断をすべき案件があります。

  1. 載せる業務の時間が、逆算表の必要時間に届かない。 ケース1のように、1,000万円に対して月80時間しかない場合です。対象業務を増やせないなら、小規模改修(30万円〜)で詰まっている1か所だけを直すか、手作業の手順を見直すほうが合います
  2. 削減時間を実測していない。 概算しかないまま試算しても、その数字は稟議の場で守れません。見積を取る前に、まず2週間測ってください。測ってみたら思ったより小さかったと分かるだけで、数百万円の判断を誤らずに済みます
  3. 毎回判断が変わる業務、紙やFAXが起点の業務。 担当者の経験や交渉で結果が変わる業務は、どこまで自動化できるかが読めず、削減時間の前提が置けません。紙が起点なら、AIより先に電子化の費用対効果を試算するのが順番です
  4. 浮いた時間の使い道が決まらない。 残業も外注も採用計画も変わらず、ほかの業務に回す当てもないなら、効果は「余裕ができた」で終わり、お金には変わりません
  5. 既製のサービスで7割方まかなえる。 市販のクラウドサービスや、プログラムを書かずに画面操作で仕組みを作れるツール(ノーコード)で足りるなら、作るより買うほうが安く、保守の手間もかかりません(生成AIの内製と外注

当社にご相談いただいた案件がこれらに当てはまる場合は、開発をおすすめせず、その理由と代わりの手段をお伝えしています。

実現する方法と費用の目安

業務の時間を減らす手段は、開発だけではありません。手段ごとの費用と、ROIを試算するときに気をつける点を並べます。

手段

費用の目安(税別)

合う規模

ROI試算で気をつける点

手作業の手順を見直す(Excelの関数・テンプレート・手順の統一)

0〜数万円(社内の工数のみ)

月20時間未満。1人で完結し、システムをまたがない

費用がほぼゼロなので回収は早いが、削減できる時間の上限が低い

既製のクラウドサービス・ノーコードのツール

月数千円〜数万円

業務の手順をツールに合わせられる

月額 × 利用人数 × 5年で総費用を出す。ツールに業務を合わせる手間も時間に入れる

小規模改修(受託開発)

30万円〜(相場は5〜50万円)

詰まっている1か所をなくす。月20時間程度でも回収できる

連携先のシステムが変わったときの修正費を見込む

PoC+本開発(受託開発・生成AI活用型)

PoC 100〜300万円(内容により500万円)+本開発300万〜1,000万円。保守は年10〜20%

複数の業務を1つの仕組みに載せる。初期1,000万円なら補正後で月95時間以上

PoCで止まった場合の損失、AIの利用料、自社側の時間を入れる

自社データで学習させる開発(画像による検査・需要予測など)

PoC 500〜1,500万円+本開発1,000万〜3,000万円以上。保守は年20〜40%

見逃し1件・欠品1回あたりの損失が大きい業務

効果が時間より③ミス・事故の防止に出ることが多く、過去の損失の記録が試算の土台になる

毎月繰り返す定型業務を、開発ではなく月額制のサービスで自動化する方法もあります。その場合は初期費用が小さく回収の計算も変わるため、業務自動化の効果測定の早見表を使ってください。

当社の費用

当社の受託開発の価格は次のとおりです(すべて税別)。

業界の目安(生成AI活用型)

当社

PoC(試作検証)

100〜300万円(内容により500万円)

300万円〜

小規模な改修・部分自動化

5〜50万円

30万円〜

本開発

300万〜1,000万円

個別見積

価格は相場の中央付近で、安売りはしていません。当社が力を入れているのは、発注前の試算の段階から、前提の数字を一緒に作ることです。初回相談は無料で、要件が固まっていない段階でも構いません。対象業務、その業務にかかっている月の時間(概算で可)、使っているシステムの名前を伺えれば、逆算表のどのあたりに入るか、PoCから始めるべきか、小規模改修で足りるかをお伝えします。料金と対応範囲の詳細は受託開発サービスの費用と進め方に掲載しています。

実際にやった事例|ROIの観点で見る3件

守秘の関係で社名は出せません。また、削減時間や金額の実測値は公開の許諾を得ていないため記載しません。その代わり、課題・作ったもの・変わったことに加えて、ROIを試算するうえで何が効くのかを整理します。

調剤薬局のケース(小規模改修・30万円〜の帯)

課題:同じ情報を複数のシステムに入力し直していました。1つのシステムに入力した内容を別の管理表へ手で転記する作業が毎日発生し、繁忙期には転記漏れも起きていました。

作ったもの:片方のシステムから出力したデータを整え、もう一方の形式に変換して取り込む仕組みです。全社的なシステムの刷新ではなく、詰まっている1か所だけを対象にしました。

変わったこと:転記作業そのものがなくなり、転記ミスを探して直していた時間も消えました。1か所に絞ったことで、部門長の決裁で進められる規模に収まりました。

ROIの観点:投資額を業務の大きさに合わせた例です。試算例のケース3のとおり、開発費が30万円台なら月20時間程度の作業でも数ヶ月で回収できる計算になります。反対に、月20時間(月6万円)の作業に300万円のPoCを組めば、それだけで回収に4年以上かかる計算です。

医療機関のケース(PoC・300万円〜の帯)

課題:蓄積された文書や記録は多いのに、必要な情報を探すのに時間がかかっていました。

作ったもの:手元の資料をAIに読ませ、質問すると根拠となる箇所を示しながら答える仕組みです。いきなり全部門に広げず、1部門・1業務に絞ってPoCから始めました。開始前に「どの質問に、どの水準で答えられたら合格とするか」を文書で決め、終了時には合格ラインに対する実測値、本開発の概算見積、本番移行時の運用体制案を成果物として揃えました。

変わったこと:判定の基準があったため、拡大するかどうかの意思決定が短期間で済みました。

ROIの観点:PoCを「判断を買う費用」として使った例です。合格ラインに対する実測値と本開発の概算見積が同時に手元にあれば、試算表の「本開発費」を仮定の値から見積の値に置き換え、その場で回収期間を出し直せます。PoCが終わってから見積を取り、数週間後にまた判断する、という待ち時間がなくなります。

インフラ企業のケース(本開発・個別見積の帯)

課題:複数のシステムにまたがるデータを人が突き合わせて確認していました。件数が多く、月末に負荷が集中していました。

作ったもの:システム間のデータを自動で照合し、食い違いがある分だけを人に回す仕組みです。本開発の前に「全件のうち何割を自動で処理でき、何割を人が見ることになるか」を検証し、旧来のやり方と並行して動かして結果が一致することを確認してから切り替えました。

変わったこと:全件を人が見る運用から例外だけを人が見る運用に変わり、確認作業の総量が減りました。月末に集中していた負荷も平準化されました。

ROIの観点:「何割を自動で処理できるか」は、試算の中で最もずれやすい削減時間の前提そのものです。本開発の前にこれを確かめておけば、推定ではなく検証した割合で試算を組み直せます。また、月末の負荷の山がならされるという効果は、残業代や繁忙期の応援といった実際に払っているお金に結びつけやすく、①時間の削減だけでなく②外注費・残業代の削減として説明しやすい形です。

相談から試算・PoC・本開発までの流れと期間

試算は一度作って終わりではなく、段階が進むごとに仮定の数字を実測値と見積に置き換えていきます。

段階

期間の目安

発注側でやること

試算表で置き換える数字

初回相談(無料)

1回・60分程度

対象業務、月の作業時間(概算で可)、使っているシステムの名前を伝える

逆算表で規模の当たりを付ける

業務の実測

2週間〜(月次業務は1サイクル以上)

タイムシートで作業時間と件数を記録する

削減時間を概算から実測に

概算見積・進め方の提示

1〜2週間

対象業務を絞り、浮いた時間の使い道を決める

PoC・本開発の費用を相場から概算に

PoC

生成AI活用型で4〜10週間

合格ラインの合意、データの提供、現場での試用(自社側48〜72時間)

自動処理できる割合、AIの利用料、本開発の概算見積

本開発に進むかの判定

判定会議1回

前提が3割ずれても回収できるかを確認する

すべて実測値・見積値に置き換えて再計算

本開発

小規模1〜3ヶ月/中規模3〜6ヶ月

中間確認、テストへの参加

追加費用が出たら本開発費を更新

並行稼働・切り替え

2〜4週間

旧来のやり方と結果を突き合わせる

人に戻る件数の初期値

運用

継続

稼働3ヶ月で初回の効果確認、以後は年1回継続を判断

削減時間・運用費を実績に

各段階を足し合わせると、相談から本番稼働まで中規模の案件で半年〜1年近くです。止まりやすいのは、技術的な工程ではなく「業務の実測」と「PoCでのデータ提供」で、発注側の社内で担当者の時間が取れないことが主な原因です。期間の詳しい見通しはAI開発の期間、要件が固まっていない段階での進め方は要件が固まっていない開発の相談にまとめています。試算の前提づくりから一緒に進めたい場合は、受託開発の無料相談をご利用ください。

よくある質問

Q1. 人を減らす予定がない場合、時間の削減をROIに入れてもよいですか。

入れて構いませんが、「時間ベース」と「現金ベース」の2つの数字を並べて出すことをおすすめします。たとえばケース2の月300時間のうち、残業の削減と外注の停止で確実に現金が減るのが月150時間だけだとします。現金ベースでは月の効果が45万円、運用費を引いて33.25万円、回収は約30ヶ月、5年ROIは約58%です。時間ベースの約13ヶ月・約217%とは大きく違いますが、現金ベースでも5年以内に回収できるなら、経営会議で「人を減らさないなら意味がないのでは」と問われても答えられます。現金ベースで回収できない場合は、残り150時間をどの業務に回し、その業務でいくら稼ぐのかを具体的に書く必要があります。

Q2. PoCの費用を払うくらいなら、いきなり本開発したほうがROIは高くなりませんか。

うまくいった場合に限れば、計算上は高くなります。ケース2でPoCを省いて本開発の700万円だけで作れたとすると、回収は約9ヶ月です。ただし効果が出なかった場合、損失は700万円全額で、PoCで止めた場合の約316〜324万円の2倍以上になります。PoCを省いてよいのは、決まった形式のデータを変換して取り込む、毎月同じ集計をする、といった技術的に確かめることが実質的にない業務に限られます。判断ルールが人によって違う、扱う書類の形式がバラバラでAIが読めるか分からない、という業務でPoCを省くのは、ROIを上げるのではなく損失の上限を上げる選択です。

Q3. 試算の数字が稼働後の実績と外れたら、どう説明すればよいですか。

外れる前提で、稟議の段階から「どの前提がどれだけずれたら結論が変わるか」を示しておくことが一番の備えです。本記事のケース2-a・2-bのように、削減時間と開発費をそれぞれずらした数字を添えておけば、稼働後に外れても「想定していた幅の中か、外か」で説明できます。実績が出たら、差を「削減時間(自動処理できた割合)」「AIの利用料」「開発費の追加」「浮いた時間の使い道」の4つに分け、どの前提がずれたのかを報告してください。稟議に書く標準の数字は、楽観側ではなく控えめ側に置くのが原則です。「13ヶ月で回収」と書いて18ヶ月かかれば失敗扱いですが、「2年以内に回収」と書いて18ヶ月なら成功です。

Q4. 補助金の採択を待ってから発注したほうが、ROIは良くなりますか。

案件の大きさ次第です。補助金は一般に交付決定の前に発注・契約した経費が対象外になるため、使うなら待つ必要があります。待っている間、効果はゼロです。仮に補助の対象になる経費が700万円・補助率1/2で350万円が減るとしても、採択と交付決定まで半年待つなら、ケース2では運用費を引いた効果が月78.25万円 × 6ヶ月 = 約470万円失われ、待たないほうが得になります。一方、ケース1では失う効果は月12.25万円 × 6ヶ月 = 約74万円なので、補助金を待つ価値があります。月の効果が大きい案件ほど待つ損が大きく、小さい案件ほど補助金の効き目が大きい、と覚えておくと判断しやすくなります。いずれの場合も採択は保証されず、入金までの立て替えが必要な点は変わりません。

Q5. 開発費を資産に計上した場合、ROIの計算は変わりますか。

ROIと回収期間は現金の出入りで計算するため、会計上の処理方法では変わりません。変わるのは毎年の利益への見え方です。たとえば1,000万円を資産に計上して5年で償却すれば、利益を押し下げる費用は年200万円ずつに分かれます(PoCの費用を資産に含めるか費用として処理するかは、内容によって扱いが分かれます)。また、中小企業者等が取得する少額の資産を一括で費用にできる特例は、税理士事務所などの解説によると、令和8年度の税制改正で対象が30万円未満から40万円未満に引き上げられました(令和8年4月1日以後の取得分から、従業員400人以下の法人が対象、年間合計300万円まで)。30万円台の小規模改修が当てはまる可能性があります。稟議資料では「現金の回収期間」と「毎年の利益への影響」を分けて書き、適用できるかどうかは必ず顧問税理士に確認してください。

Q6. AIの利用料が想定より増えたら、試算はどれくらい変わりますか。

仮にAIの利用料が月3万円から月10万円に増えた場合、ケース2では回収が約13ヶ月から約14ヶ月に延び、5年ROIは約217%から約154%に下がります。まだ十分にプラスです。ところがケース1では、運用費を引いた月の効果が12.25万円から5.25万円に減り、回収は約190ヶ月(約16年)になります。効果が小さい案件ほど、利用料の増加が致命的に効くということです。対策は、PoCで実際の処理件数あたりの利用料を測ること、本番では月の利用料に上限と通知を設定すること、見積の段階で利用料が月額に含まれるのか実費なのかを確認することの3つです。AIの利用料が企業のコストとして膨らんでいる実態は企業のAIコスト問題で扱っています。

Q7. 開発会社が出してきたROI試算は、そのまま稟議に使ってよいですか。

そのまま使うのはおすすめしません。開発会社は受注したい立場にあるため、試算はどうしても楽観側に寄ります(当社も例外ではありません)。受け取ったら、次の3点を確認してください。1つ目は、削減時間を誰が出したかです。開発会社がヒアリングから推定した値なら、自社で実測した値に差し替えて計算し直します。2つ目は、計算表を、数字を書き換えられる形で受け取れるかです。回収期間の結論だけが載った資料では、時給やAIの利用料を自社の条件に置き換えられません。表計算ファイルでもらって前提の欄を自分で動かせるようにしておけば、経営会議で「この数字がずれたらどうなるのか」と聞かれてもその場で答えられます。3つ目は、「どういう条件なら作らないほうがよいか」を質問して、数字で答えが返ってくるかです。「月何時間を下回ると回収できない」と答えられない試算は、結論ありきで作られている可能性があります。複数社の見積を比べるときの見方はAI開発の見積もり比較を参考にしてください。

AI導入のROI試算でお悩みの方へ

AI導入のROIは、「(5年間の効果額 − 5年間の総費用)÷ 5年間の総費用」で、時給3,000円、実測した削減時間、保守費(開発費の年10〜20%)、AIの利用料を前提として明記したうえで試算します。PoC 300万円+本開発700万円の計1,000万円なら、補正後で月95時間を超える業務を載せないと5年で元が取れず、月300時間を載せれば約13ヶ月で回収できます。PoCの合格ラインに回収条件を入れておけば、不合格でも損失は約316〜324万円で止まります。

  • 数百万〜1,000万円規模のAI開発を稟議に上げたいが、回収期間の根拠を示せない
  • 開発会社から見積は出たが、載せる業務の時間が足りているのか分からない
  • PoCに進むべきか、小規模改修で済ませるべきか判断がつかない

このいずれかに当てはまるなら、初回相談は無料です。当社の受託開発の価格はPoC 300万円〜、小規模改修30万円〜、本開発は個別見積(すべて税別)で、医療機関・調剤薬局・インフラ企業での開発実績があります。要件が固まっていない段階、「この業務にAIが合うのかも分からない」という段階からご相談いただけます。

ご相談の際は、①対象にしたい業務、②その業務にかかっている月の時間、③使っているシステムの名前、の3点をお聞かせください。試算の前提づくりからお手伝いし、試算の結果、開発しないほうがよいと判断した場合は、その理由と代わりの手段を正直にお伝えします。

AI開発のROI試算・無料相談はこちら

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参考資料

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AI革命

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