デジタル化・AI導入補助金の締切はいつ?次は2026年9月29日|入金は2027年【2026年9月最新】

この記事のポイント
デジタル化・AI導入補助金2026の次の交付申請締切は2026年9月29日17時、その次は10月30日です。締切までの逆算スケジュール、交付決定から入金までの期間、通常枠の採択率、補助金の対象外になる自動化まで数字で整理しました。
デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)の次の交付申請締切は2026年9月29日(火)17:00、その次は2026年10月30日(金)17:00です。ただしこの補助金は後払いのため、9月29日に申請しても導入費用はいったん全額を自社で立て替えることになり、現金が戻るのは早くて2027年1〜2月、遅ければ2027年5〜7月になります。
この記事では、締切の一覧だけでなく「今日から締切まで何を何日までに終わらせるか」「申請してからお金が動くのはいつか」「そもそもこの補助金で自動化のどこまでがまかなえるのか」を、公式スケジュールから逆算して整理します。制度全体の申請方法や対象要件はデジタル化・AI導入補助金2026の活用ガイドにまとめているので、あわせてご覧ください。
次の締切はいつか(2026年9月時点の最新スケジュール)

この補助金は、締切ごとに審査する回次公募方式です。1回逃しても次の回次に申請できますが、回次が後ろになるほど交付決定が遅れ、実際に導入できる時期も入金時期も後ろにずれます。
通常枠/インボイス枠/セキュリティ対策推進枠の締切
回次 | 交付申請の締切 | 交付決定(予定) | 事業実績報告の期限 |
|---|---|---|---|
1次 | 2026年5月12日(火)17:00 | 2026年6月18日 | 2026年12月25日 17:00 |
2次 | 2026年6月15日(月)17:00 | 2026年7月23日 | 2027年1月29日 17:00 |
3次 | 2026年7月21日(火)17:00 | 2026年9月2日 | 2027年2月26日 17:00 |
4次 | 2026年8月25日(火)17:00 | 2026年10月7日 | 2027年3月31日 17:00 |
5次(次の締切) | 2026年9月29日(火)17:00 | 2026年11月9日(月) | 2027年4月30日(金)17:00 |
6次 | 2026年10月30日(金)17:00 | 2026年12月10日(木) | 2027年5月31日(月)17:00 |
7次以降 | 未定(日程確定次第、公式サイトで公表) | 未定 | 未定 |
締切はいずれも17:00きっかりです。当日の夕方に作業する前提だと、システムの混雑や入力不備の修正で間に合わなくなります。締切日・交付決定日は公式サイトの事業スケジュールに掲載されている日程に基づいています。
複数者連携デジタル化・AI導入枠の締切
複数の事業者がまとまって申請する枠は、スケジュールが別に設定されています。
回次 | 交付申請の締切 | 交付決定(予定) | 事業実績報告の期限 |
|---|---|---|---|
1次 | 2026年6月15日(月)17:00 | 2026年7月23日 | 2027年1月29日 17:00 |
2次 | 2026年8月25日(火)17:00 | 2026年10月7日 | 2027年3月31日 17:00 |
3次(次の締切) | 2026年10月30日(金)17:00 | 2026年12月10日(木) | 2027年5月31日(月)17:00 |
7次以降の締切はあるのか
公式サイトは「確定している募集回のスケジュールのみ公表しており、以降は随時更新」としています。つまり7次があるともないとも決まっていません。「6次が最後」と書いている解説もありますが、現時点で断定できる情報ではありません。
同時に、予算上限に達した枠から早期に募集を終了する可能性も示されています。「まだ次があるだろう」という前提で先送りするのは、この制度に関しては危険です。今の事業年度で導入したい業務があるなら、9月29日か10月30日のどちらかに照準を合わせて動くのが現実的です。
補助額と補助率(枠別)
締切と合わせて確認しておきたいのが、いくらまで補助されるかです。
申請枠 | 補助額 | 補助率 |
|---|---|---|
通常枠(1〜3プロセス) | 5万円〜150万円未満 | 1/2以内(要件を満たすと2/3以内) |
通常枠(4プロセス以上) | 150万円〜450万円以下 | 1/2以内(要件を満たすと2/3以内) |
インボイス枠(インボイス対応類型・ソフトウェア) | 〜50万円の部分/50万〜350万円の部分 | 3/4以内(小規模事業者は4/5以内)/2/3以内 |
インボイス枠(インボイス対応類型・ハードウェア) | PC・タブレット等は上限10万円、レジ・券売機等は上限20万円 | 1/2以内 |
インボイス枠(電子取引類型) | 〜350万円 | 2/3以内(中小・小規模事業者等) |
セキュリティ対策推進枠 | 5万円〜150万円 | 1/2以内(小規模事業者は2/3以内) |
複数者連携デジタル化・AI導入枠 | グループ規模に応じ最大3,000万円 | 枠・経費区分による |
表の「プロセス」は業務工程の区分のことです。導入するITツールが会計・受発注・決済・在庫管理などのうちいくつの業務工程をカバーするかで、通常枠の上限額が150万円未満か450万円以下かに分かれます。
「補助率4/5」という表記を見かけますが、これはインボイス対応類型のうち小規模事業者に適用される率です。通常枠で4/5が適用されるという確認は取れていません。自社がどの率になるかは、申請枠を決めた段階で公募要領で確認してください。
締切に間に合わせるために、今日から何をやるか
「締切に間に合わなかった」という失敗の多くは、申請書の作成が遅れたからではありません。申請の前提となる事前準備に想定外の日数がかかるからです。特にGビズIDは、取得方法を間違えると1回分の締切を丸ごと失います。
9月29日(5次)に間に合わせる場合の逆算
執筆時点(2026年9月上旬)から5次締切までは3週間ほどです。以下の日程で押さえてください。
いつまでに | やること | 注意点 |
|---|---|---|
9月8日(月)まで | GビズIDプライムをオンライン申請 | マイナンバーカードを使うオンライン申請なら最短即日〜1週間。郵送申請は最大1ヶ月かかり、9月29日には間に合いません |
9月10日(水)まで | SECURITY ACTION(★一つ星または★★二つ星)を自己宣言 | オンラインで即日〜数日。費用はかかりません |
9月10日(水)まで | みらデジ経営チェックを実施 | 30分程度。年度によって必須要件か加点かの扱いが変わるため、公募要領で確認を |
9月12日(金)まで | IT導入支援事業者を決めて依頼 | この補助金は支援事業者との共同申請が必須です。支援事業者側にも作業があるため、締切1週間前の依頼は断られることがあります |
9月19日(金)まで | 導入するITツールと申請枠を確定し、見積を取得 | 事務局に登録済みのITツールでなければ対象になりません。公式サイトのツール検索で「AI機能付き」の絞り込みができます |
9月19日(金)まで | 賃上げ計画の策定と従業員への表明 | 補助額150万円以上を申請する場合は必須 |
9月25日(金)まで | 申請フォームの入力を完了し、支援事業者の確認を受ける | 差し戻しの往復を見込んで、締切4日前には完了させる |
9月29日(火)午前 | 提出 | 締切は17:00。当日の夕方まで残さない |
判断の目安:この記事を読んだ日にGビズIDプライムをまだ持っておらず、マイナンバーカードもすぐに使えない状態であれば、5次(9月29日)は諦めて6次(10月30日)に照準を合わせたほうが確実です。慌てて出して不採択になるより、1ヶ月かけて事業計画を練ったほうが通る確率は上がります。
10月30日(6次)を狙う場合
6次までは2ヶ月弱の余裕があります。この場合は郵送方式のGビズID申請でも間に合いますし、支援事業者と業務の棚卸しをしてから申請枠を決められます。ただし6次は複数者連携枠の3次締切とも重なるため、支援事業者側が混み合います。10月に入ってからの依頼だと受けてもらえない可能性があるので、9月中に声をかけておくのが安全です。
申請しても、現金が戻るのは2027年(入金までの期間)
ここが、締切だけを調べている段階では見落としやすく、しかし経営判断に最も影響する部分です。この補助金は後払い(精算払い)です。 導入費用はいったん全額を自社が支払い、事業実績報告と検査を経てから補助金が振り込まれます。
5次締切(9月29日)で申請した場合のお金の流れ
# | できごと | 時期 |
|---|---|---|
1 | 交付申請の締切 | 2026年9月29日(火)17:00 |
2 | 交付決定 | 2026年11月9日(月)予定(申請から約41日後) |
3 | ここで初めて発注・契約・支払いができる | 2026年11月9日以降 |
4 | 導入・設定・稼働開始 | 2026年11月〜2027年4月 |
5 | 事業実績報告の期限 | 2027年4月30日(金)17:00 |
6 | 確定検査・補助金額の確定 | 実績報告の後 |
7 | 補助金の入金 | 確定後おおむね1〜2ヶ月 |
つまり、
- 最速のケース(交付決定後すぐ導入し、年内〜年明けに実績報告):2027年1〜2月ごろ入金。申請から約4〜5ヶ月
- 期限いっぱいのケース(2027年4月30日の期限ぎりぎりに実績報告):2027年5〜7月ごろ入金。申請から約8ヶ月
6次締切(10月30日)で申請した場合は、交付決定が2026年12月10日、実績報告期限が2027年5月31日なので、入金は最速で2027年2〜3月、遅ければ2027年6〜7月です。
立て替えが必要な金額と期間
具体的な数字で見ます。通常枠(4プロセス以上)で補助対象経費300万円・補助率1/2の導入をしたとします。
- 2026年11月〜12月に、300万円を全額自社が支払う
- 補助金150万円が入金されるのは、早くて2027年1〜2月、遅ければ2027年5〜7月
- つまり最大で8ヶ月間、150万〜300万円の資金が手元から消えている状態が続く
補助率2/3が適用されれば戻る額は200万円になりますが、立て替えが先という構造は変わりません。「補助金が出るから実質半額」という考え方で資金繰りを組むと、年度をまたぐ数ヶ月間で苦しくなります。補助金は値引きではなく、後から入ってくる別の収入として扱ってください。
締切より先に知っておくべき採択率

出典: 中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構) 公式サイト
締切に間に合わせても、申請すれば必ず通るわけではありません。2026年9月2日に公表された3次締切分の結果は以下のとおりです。
枠 | 申請 | 交付決定 | 採択率 |
|---|---|---|---|
通常枠 | 1,913者 | 807者 | 42.2% |
インボイス枠(インボイス対応類型) | 3,982者 | 1,781者 | 44.7% |
セキュリティ対策推進枠 | 18者 | 13者 | 72.2% |
合計 | 5,913者 | 2,601者 | 約44.0% |
1次締切分も通常枠43.9%、インボイス対応類型46.9%と、ほぼ同じ水準でした。通常枠は2社に1社も通りません。
これが意味するのは、締切に間に合わせる努力と同じくらい、「通らなかった場合にその業務改善をどうするか」を先に決めておく必要があるということです。不採択が11月に判明してから代替案を考え始めると、その事業年度の改善が丸ごと1年後ろにずれます。
補助金の対象になる導入・ならない導入

出典: 中小企業庁 公式サイト
「AI導入補助金」という名前から、AI関連の投資なら何でも対象になると誤解されがちですが、実際の線引きははっきりしています。
対象になるもの | 対象にならないもの |
|---|---|
事務局に登録済みのITツールのソフトウェア購入費 | 登録されていないツール、支援事業者を通さない導入 |
クラウド利用料(最大2年分) | Microsoft 365・Google Workspace 単体の利用料 |
導入設定・マニュアル作成・導入研修・保守サポート等の導入関連費 | 交付決定前に発注・契約・支払いを行ったもの |
ハードウェア(インボイス枠の対応類型のみ。PC・タブレット・レジ・券売機) | 通常枠でのPC・プリンター等のハードウェア |
AIチャットボット、AI議事録、AI OCR(紙やPDFの文字をデータに変換するツール)など登録済みのAI機能付きツール | 自社開発、および自社の業務に合わせてゼロから作るオーダーメイド開発(原則対象外) |
— | すでに契約しているツールの継続利用料 |
特に重要なのが2つあります。
1つ目は「交付決定前の発注は対象外」という点です。9月29日に申請しても、発注していいのは交付決定が出る11月9日以降です。「先に始めて後から申請する」「すでに契約したツールを申請に含める」はどちらもできません。
2つ目は「オーダーメイドは原則対象外」という点です。この補助金は登録済みの汎用ITツールの導入を支援する制度なので、自社の業務手順に合わせて組み上げるタイプの自動化は、原則としてこの補助金の枠外になります。ChatGPTを自社で直接契約した場合の月額利用料も、そのまま対象になるとは限りません(生成AIを組み込んだ法人向けサービスが登録ITツールになっていれば、そのツール経由で含められる可能性はあります)。
弊社のシゴハヤエージェントも、御社の業務に合わせて組む部分は同じ理由で補助金前提では組みにくい構成です。登録済みITツールに該当するかどうかは個別確認が必要で、少なくとも「補助金が出る前提で発注してください」とは言えません。この点は先に正直にお伝えしておきます。
自動化できる業務・できない業務の境界線
補助金の話と切り離して、そもそも「その業務は自動化できるのか」を先に判断してください。ここを飛ばして補助金の締切だけを追いかけると、申請は通ったのに現場が変わらない、という結果になります。
自動化できる業務 | 自動化できない(すべきでない)業務 |
|---|---|
毎日・毎週・毎月、繰り返し発生する | 発生が不定期で、毎回内容が違う |
入力も出力もデジタルで完結している(システム画面・ファイル・メール) | 紙の書類や対面のやり取りが前提になっている |
「こうなったらこうする」という判断ルールを言葉で説明できる | 毎回、担当者が状況を見て例外判断している |
間違いがあっても人が最終確認して直せる | 最終決裁そのものをAIに委ねたい |
複数のシステムに同じ情報を入れ直している | 入力先が1箇所で、作業が数分で終わる |
具体的に自動化が効くのは、たとえば次のような業務です。
- 商品カタログやマスタの更新(決まった形式のデータを、決まった場所に反映する)
- 商談記録のシステム入力と、その後のフォローメール送信
- 月次の集計とレポート作成、関係者への配信
- 2つ以上のシステム間のデータ照合と、差分の洗い出し
逆に、クレーム対応の方針決定、採用の合否判断、値引きの可否といった「最後は人が決める」業務は対象外です。ここを無理に自動化しようとすると、結局すべてを人が確認し直すことになり、作業時間はむしろ増えます。自動化に向く業務の見つけ方は中小企業のAI自動化ガイドでも整理しています。
自動化を実現する方法は3つある
補助金を使うかどうかにかかわらず、業務を自動化する手段は大きく3つです。それぞれ費用も向く場面も違います。
1. 手作業のまま、手順とテンプレートを整える
一番安く、一番早く効果が出ることが多い方法です。入力フォーマットを統一する、二重入力をやめる、確認手順を1つにまとめる。費用はほぼゼロ〜数十万円(外部にコンサルティングを依頼する場合)。月の作業時間が10時間未満の業務は、システムを入れるより手順を整えたほうが投資対効果が高いことが多いです。
2. 登録済みのSaaS・RPA・ノーコードツールを導入する
この補助金が最も想定している方法です。会計・勤怠・在庫・顧客管理・AI議事録といった既製のサービスを契約し、業務をそこに載せ替えます。ここで出てくる言葉を整理すると、SaaS はインターネット経由で月額課金で使う既製のソフト、ノーコードツールはプログラミングなしで画面操作だけで処理の流れを組めるツール、RPA はパソコン上の決まった操作を、人の代わりに繰り返し実行させる仕組みです。費用は月額数千円〜数万円/ユーザーが中心で、初期の導入設定に数十万円かかることもあります。
強みは、補助金の対象になりやすいことと、導入が早いこと。弱みは、自社の業務手順をツールの仕様に合わせて変える必要があることです。既存のやり方が特殊な場合、ツールに合わせるための調整コストが、削減できる時間を上回ることがあります。
RPAやノーコードツールで自社で組む方法もありますが、作った人が異動・退職すると誰も直せなくなる、というのが最も多い失敗パターンです。運用を続ける担当者を最初から決めておく必要があります。
3. 業務に合わせてAIエージェントを構築する
既製ツールに載らない業務、複数のシステムをまたぐ業務を、自社の手順そのままで自動実行させる方法です。AIエージェントとは、手順とルールを渡しておくと、複数のシステムをまたいで作業を代行し、判断が必要な箇所だけ人に上げてくる仕組みのことです。費用は規模によりますが、月額サービス型であれば初期100万円(税別)+月額10〜50万円(税別)程度が目安になります。
強みは、業務のやり方を変えずに済むこと、複数システムをまたぐ処理をまとめて任せられること。弱みは、前述のとおりこの補助金の対象になりにくいことと、月額の運用費が継続的にかかることです。
方法 | 初期費用 | 継続費用 | 補助金の対象 | 効果が出るまで |
|---|---|---|---|---|
手順・テンプレートの整備 | 0〜数十万円 | ほぼなし | 対象外(導入関連費に含められる場合あり) | 1〜2週間 |
登録済みSaaS・ノーコード | 0〜数十万円 | 月数千円〜数万円/ユーザー | 対象になりやすい | 1〜3ヶ月 |
AIエージェントの構築 | 100万円前後〜 | 月10万〜50万円 | 原則対象外 | 1〜2ヶ月 |
費用の目安と、補助金を待つ場合・待たない場合の比較
ここまでの日程と費用を、実際の意思決定の形に並べます。前提は「複数システムにまたがる定型業務を、10名規模の部門で自動化したい」というケースです。
補助金を待つ(5次・9月29日申請) | 待たずに今すぐ始める | |
|---|---|---|
着手できる時期 | 交付決定後の2026年11月9日以降 | 2026年9月中 |
業務が実際に楽になる時期 | 2026年12月〜2027年1月ごろ | 2026年10月〜11月ごろ |
初期費用 | 対象経費300万円なら、いったん300万円を全額支払い | 初期100万円(税別) |
継続費用 | 導入したツールの月額利用料 | 月額10万円(10名規模)〜50万円(税別)。30名規模で月20万円 |
現金が戻る時期 | 2027年1〜2月(最速)〜2027年5〜7月 | 戻る補助金はない |
不確実性 | 通常枠の採択率は約42%。落ちれば全部やり直し | なし |
導入後の義務 | 3年間の事業計画の実行と効果報告。未達の場合は返還の対象 | なし |
差は「業務が楽になるのが2〜3ヶ月早いかどうか」と「42%の審査に自社の改善計画を預けるかどうか」です。補助金で戻ってくる金額が150万円なら、そのために2〜3ヶ月の改善の遅れと、3年間の報告業務と、58%の不採択リスクを受け入れる価値があるかを比べてください。
判断の目安はシンプルです。
- 投資額が300万円以上で、既製の登録済みツールで足りる → 補助金を使う価値が大きい
- 投資額が100万円前後で、業務に合わせた作り込みが必要 → 補助金の事務コストと待ち時間のほうが高くつきやすい
後者に当てはまる場合、月額10万円から始められるシゴハヤエージェントのような、補助金を前提にしない形で先に業務を止めるという選択肢もあります。初期100万円+月額10万円なら、9月に相談を始めれば10〜11月には稼働します。 補助金ルートで稼働する2027年1月まで待つ場合、その2〜3ヶ月分の人件費は戻ってきません。
削減できる時間と、投資回収の試算
補助金を使うかどうかを判断するには、「その業務にいま毎月いくら払っているか」を数字にする必要があります。ここでは時給3,000円(年収500万円前後の正社員の人件費を、社会保険料等を含めて時間換算した目安)で計算します。
試算A:月次レポート作成だけを自動化する場合
- 担当者1名が、月次の集計とレポート作成に毎月20時間
- 20時間 × 時給3,000円 = 月6万円/年72万円
年72万円の作業に対して初期100万円+月額10万円(年間220万円)をかけると回収できません。この規模なら、まず手順とテンプレートの整備、または既製ツールの導入から検討すべきです。補助金を使うにしても、申請と3年間の効果報告にかかる事務工数を考えると、割に合わない可能性があります。
試算B:複数の定型業務をまとめて自動化する場合
- 月次集計とレポート配信:月20時間
- 商談記録のシステム入力とフォローメール送信:月30時間
- 商品マスタ・カタログの更新とデータ照合:月30時間
- 合計 月80時間
- 80時間 × 時給3,000円 = 月24万円/年288万円
これに対する費用は、初期100万円+月額10万円(10名規模)で初年度220万円、2年目以降は年120万円です。
年間の削減額 | 年間の費用 | 差引 | |
|---|---|---|---|
初年度 | 288万円 | 220万円 | +68万円 |
2年目以降 | 288万円 | 120万円 | +168万円/年 |
投資回収は約8ヶ月(累計の削減額24万円×nヶ月が、累計の費用100万円+10万円×nヶ月を上回るのが8ヶ月目)です。2年目以降は年168万円の差益になります。
30名規模で月額20万円になる場合は、初年度340万円・2年目以降240万円なので、同じ月80時間の削減では2年目からの差益が年48万円まで縮みます。この場合は削減対象の業務をもう少し積み増すか、対象部門を絞るかの検討が必要です。
補助金(通常枠・4プロセス以上・補助率1/2)が通れば初期負担は下がりますが、繰り返しのとおり戻るのは最短でも4ヶ月後です。月24万円の削減効果が2〜3ヶ月遅れるなら、それだけで48万〜72万円を失っている計算になります。回収期間の測り方は自動化の効果測定でも詳しく扱っています。
実際にやった事例:調剤薬局のケース
課題:複数店舗を運営する調剤薬局で、本部の担当者が毎日、各店舗の実績データを店舗システムから取り出し、在庫管理の表と突き合わせ、差分を確認して本部の報告フォーマットに入れ直していました。同じ数字を3箇所に入力し直している状態で、月末は月次集計が重なり、担当者の残業が常態化していました。
作ったもの:毎日決まった時刻に各システムからデータを取り出し、突き合わせて、差分が出た項目だけを担当者に一覧で上げる仕組みを構築しました。数字が一致している分は自動で本部フォーマットに転記され、月次のレポートは月初に自動作成されて関係者に配信されます。判断が必要な箇所、たとえば数字が合わない理由の特定や店舗への確認は、これまでどおり人が行う設計にしています。
変わったこと:担当者の作業は「全件を突き合わせて入力する」から「差分だけを確認する」に変わりました。月80時間前後かかっていた作業が、確認中心の十数時間に収まるようになり、月末の残業がなくなりました。人を増やさずに店舗数を増やせる状態になった、というのが経営側の評価です。
この構成は既製のパッケージには載らないものでしたが、業務手順自体は毎日同じで、入力も出力もシステム内で完結していたため、自動化の条件を満たしていました。薬局・医療機関での補助金活用の考え方は大手薬局のDX補助金活用にも整理しています。
導入までの流れと期間
補助金を使わずに進める場合、シゴハヤエージェントの標準的な導入期間は1〜2ヶ月です。
- 業務の棚卸し(1〜2週間):どの業務に月何時間かかっているかを洗い出し、自動化できる業務とできない業務を仕分けします。ここで削減見込み時間と費用を数字で出すので、社内の稟議はこの段階の資料で通せます
- 設計と構築(3〜6週間):対象システムへの接続、処理ルールの定義、例外が出たときに誰に上げるかの設計
- 並行稼働(1〜2週間):これまでの手作業と並行して動かし、出力が一致するかを確認します
- 本稼働と運用:月額費用の中で、業務変更に応じた調整を継続
補助金を使う場合は、この工程の前に交付決定を待つ期間(申請から約41日)が加わります。5次締切なら、実際に1の棚卸しから始められるのは11月9日以降です。
なお、業務の棚卸しだけを先に進めておくことは可能です。交付決定前に「発注・契約・支払い」をしなければ補助対象から外れることはないので、9月中に対象業務と削減時間を整理しておき、11月の交付決定と同時に着手する、という進め方が最も無駄がありません。どの業務が自動化に向くかの相談はシゴハヤエージェントのページから受け付けています。
締切に間に合わなかった場合に検討できる他の制度

5次に間に合わなかった、あるいは不採択だった場合の選択肢です。2026年10月下旬に、性格の違う3つの締切が集中しています。
制度 | 次の締切 | 補助額・補助率 | オーダーメイド開発の扱い |
|---|---|---|---|
デジタル化・AI導入補助金2026(6次) | 2026年10月30日(金)17:00 | 通常枠 最大450万円/1/2〜2/3 | 原則対象外(登録済みITツールが対象) |
中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回 | 2026年10月中旬(予定)※公募開始と公募要領の公開は2026年8月18日、申請受付開始は2026年9月中旬。確定した締切日は本記事執筆時点で未発表 | 従業員規模別に750万〜8,000万円(賃上げ特例で最大1億円)/中小1/2・小規模2/3 | オーダーメイドの設備・専用システムが対象。機械装置・システム構築費が必須経費で、クラウド利用費や外注費も対象 |
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 | 2026年10月30日(金)18:00※申請受付開始は2026年9月30日 | 最大9,000万円(類型・従業員規模による) | 新市場進出・高付加価値化が主眼。既存業務の効率化だけでは通りにくい |
業務に合わせて作り込むタイプの自動化を補助金でまかないたい場合、デジタル化・AI導入補助金より省力化投資補助金のほうが構造的に合っています。 ただし第8回は、公募要領が2026年8月18日に公開されている一方で、確定した締切日は本記事執筆時点で未発表です(10月中旬の予定)。締切日と要件は必ず公式で確認してください。研修費用に使える助成金はAI研修の補助金・助成金まとめで別途整理しています。
よくある質問
Q1. 交付決定の前にツールを契約してしまいました。後から補助金の対象にできますか。
できません。公募要領で「交付決定前に発注・契約・支払いを行った経費は補助対象外」と明記されています。契約日・発注日が交付決定日より前だと、その経費は申請に含められず、含めていた場合は減額または不交付の対象になります。すでに契約済みの場合は、その導入は補助金なしで進め、別の業務・別のツールで改めて申請するほうが現実的です。
Q2. 補助金が入金される前に、ベンダーへの支払いは終わらせる必要がありますか。
必要です。事業実績報告の時点で、対象となるすべてのITツールについて導入が完了し、支払いが済み、実際に利用・運用が開始されている必要があります。支払いを証明する書類(振込記録の写しなど)も報告時に提出します。分割払いやリース契約の扱いは枠ごとに条件が異なるため、IT導入支援事業者に事前に確認してください。
Q3. 一度不採択になった場合、次の締切に再申請できますか。
できます。回次公募方式なので、5次で不採択なら6次に再申請することが可能です。ただし不採択の理由は個別に通知されないため、同じ内容で出し直しても結果が変わらない可能性があります。また7次以降の日程は現時点で未定で、予算上限に達した枠は早期に終了する場合があるため、「次があるはず」という前提での再申請計画は立てないでください。
Q4. 2回目の申請です。前回と何が変わりますか。
過去にIT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者が再申請する場合、賃上げに関する要件が追加されています。事業計画期間中に1人当たり給与支給総額の年平均成長率を「物価安定の目標2%+1.5%=実質3.5%以上」向上させること、交付申請の時点で賃金引上げ計画を従業員に表明していることが求められます。具体的な水準は枠と年度で変動するため、申請前に最新の公募要領で確認してください。
Q5. 補助金を受け取った後、何年間どんな報告が必要ですか。報告しないとどうなりますか。
交付申請時点の翌事業年度以降、3年間の事業計画を策定・実行し、定められた期間・回数で事業実施効果報告を提出する義務があります。生産性の向上状況や賃上げの実績を報告する内容です。要件の未達や報告の未提出があった場合、補助金の全部または一部が返還の対象になります。「1年度目の未達で全額、2年度目で3分の2、3年度目で3分の1が返還対象」とする解説もありますが、この返還割合については公募要領での確定内容を確認できていないため、必ず最新の公募要領と支援事業者への確認をお願いします。
Q6. ChatGPTなど生成AIの月額利用料は補助対象になりますか。
自社で直接契約した場合、その月額利用料がそのまま対象になるとは限りません。この補助金の対象は、IT導入支援事業者が申請・登録したITツールに限られます。生成AIを組み込んだ法人向けサービスが登録済みITツールになっていれば、そのツール経由で対象経費に含められる可能性があります。公式サイトのITツール検索で「AI機能付き」の絞り込みができるので、そこに掲載されているかで判断してください。なおMicrosoft 365やGoogle Workspace単体の利用料は対象外です。
Q7. 不採択だった場合、IT導入支援事業者に支払う費用は発生しますか。
支援事業者ごとに異なります。ツール導入を前提に申請サポートを無償で行う事業者もあれば、着手金を先に受け取る事業者、採択された場合にだけ手数料を受け取る成功報酬型の事業者もあります。採択率が5割を切る制度なので、依頼する前に「不採択だった場合にいくら発生するか」を書面で確認してください。あわせて、不採択でもそのツールは自費で導入するのかを社内で先に決めておくと、11月の結果通知が出てから議論が止まりません。
Q8. 申請は自社だけでできますか。
できません。この補助金はIT導入支援事業者との共同申請が必須で、事業者単独では交付申請そのものができない仕組みです。支援事業者は、導入したいITツールを取り扱っている登録事業者から選ぶことになるため、「ツールを決める」と「支援事業者を決める」はほぼ同時に進みます。支援事業者側にも申請作業があるので、締切の直前に依頼しても受けてもらえないことがあります。
まとめ:締切から逆算して、いつ現場が変わるかで決める
- 次の交付申請締切は2026年9月29日(火)17:00、その次は2026年10月30日(金)17:00。7次以降は未定で、予算上限による早期終了の可能性もある
- GビズIDプライムを郵送で申請すると最大1ヶ月かかり、それだけで9月29日は不可能になる
- 交付決定は申請の約41日後。発注できるのはそれ以降。入金は最速2027年1〜2月、遅ければ2027年5〜7月
- 通常枠の採択率は約42%。間に合わせることと、通ることは別
- 業務に合わせた作り込みが必要な自動化は、この補助金の原則対象外
「補助金が使えるかどうか」より先に決めるべきなのは、その業務にいま月何時間かけていて、それがいくらかです。月80時間・年288万円かかっている業務であれば、補助金の有無にかかわらず改善する価値があります。逆に月20時間・年72万円の業務なら、申請と3年間の報告義務にかかる手間のほうが大きいかもしれません。
弊社では、どの業務が自動化に向くか、月何時間・いくら削減できるかを整理するところから相談を受け付けています。シゴハヤエージェントは初期100万円(税別)+月額10万円〜50万円(税別)、標準の導入期間は1〜2ヶ月です。補助金を使う場合の進め方(交付決定前にどこまで準備できるか)についても、そのままご相談いただけます。
※ 締切日・補助率・要件は制度の運用によって変更されることがあります。申請前に必ず公式サイト( https://it-shien.smrj.go.jp/ )と最新の公募要領をご確認ください。
補助金の枠内で導入できる範囲を試算します
補助金前提で相談するこの記事の著者

AI革命
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