ビジネス活用2026年10月更新

システム開発の相見積もりはRFPで条件をそろえる|AI開発の合格基準まで書ける記入例と提案比較シート

公開日: 2026/09/13
更新日: 2026/10/10
システム開発の相見積もりはRFPで条件をそろえる|AI開発の合格基準まで書ける記入例と提案比較シート

この記事のポイント

システム開発の相見積もりで金額がバラバラになる原因と、そろえ方を解説。そのまま使えるRFPテンプレートと見積回答シート、AI開発の合格基準・例外・利用料・データ権限の記入例、書けない欄の書き方、3社の提案比較シートまで紹介します。

システム開発の相見積もりで3社の金額がバラバラになるのは、各社の実力差より先に「各社に渡した情報」がそろっていないことが大きな原因です。RFP(提案依頼書)と「この形で返してください」という回答シートを全社に同じ日に送れば、前提のそろった見積もりが返ってきやすくなります。AIを使う開発では、これに「何ができたら合格か」「AIが間違えたとき誰が確認するか」「利用料の上限」「データを誰が見てよいか」を同じ依頼書で書き足します。

この記事は、これから開発会社に提案・見積もりを頼む発注担当者や、経営者・事業責任者向けです。そのまま使えるRFPテンプレート(A4 1枚版とフル版)、AI開発で足す欄の記入例、書けない欄の書き方、見積もりの回答シート、届いた3社の提案を比べる比較シートまでをまとめました。当社(受託開発)の金額は、既存システムの改修が100万円〜、PoC(試しに小さく作って業務で使えるか確かめる工程)が300万円〜、本開発は個別見積です(すべて税別。クラウド・外部API・ライセンス等の実費は別)。

相見積もりが比べられないのは「渡した情報」がそろっていないから

デジタル庁の公式サイトOGP画像(情報システム調達の手続マニュアルを公開している省庁)

出典: デジタル庁 公式サイト

「3社に声をかけたのに、提案が全部バラバラで比べられなかった」。システム開発の相見積もりでつまずくときの典型的な場面です。このとき現場では、だいたい次のことが起きています。

  • A社の見積もりにはテストが入っているのに、B社はテストが別見積もりだった
  • C社だけ、旧システムからのデータの移し替えが対象外になっていた
  • 打ち合わせで口頭説明をするうちに、2社目・3社目ほど話が詳しくなり、各社が聞いた内容が違っていた
  • 一番安い会社に決めかけたが、社内から「何が入っていないのか」と聞かれて答えられない

金額の開きは、各社の単価の差だけでは説明できません。テストやデータの移し替えを入れるか、既存システムを残すか入れ替えるかといった前提が違えば、同じ「やりたいこと」でも見積もりの桁が変わることがあります。

国の調達でも考え方は同じです。デジタル庁の調達手続マニュアル(2023年4月改訂版)は、見積書を取るときのルールを次のように引いています。

「情報システムの調達において事業者から見積書を取得するときは、実現したい業務・機能の内容、規模、サービスレベル、スケジュール等、事業者が見積もりをするための必要な情報の提供を行うこととされており、既存のシステムがあるときには、見積もりを依頼する事業者に対し、秘密保持契約(NDA)を締結した上で、各種設計書等の閲覧を行わせることに留意する」

業務の言葉に直すと、「①何をしたいか ②どのくらいの量か ③止まったときにどこまで許せるか ④いつまでに必要か」の4つを渡さなければ、正しい見積もりは出てこないということです。総務省の自治体職員向け研修資料も、仕様書で大事なのは「透明性」と「公平性」だとし、悪い仕様書の典型として「要件未定、曖昧な記載、製品指定、責任範囲、契約・会計ルールとの整合」の問題を挙げています。

RFPは、この4つに「今回やらないこと」と「選び方」を加えて文書にし、全社に同じものを渡すための書類です。

書類

目的

使う時期

RFI(情報提供依頼)

どんな方法があり、概算でいくらかかりそうかを広く聞く

何を作るか決める前

RFP(提案依頼書)

同じ条件で、進め方と金額の提案をもらう

やりたいことが決まった後

見積依頼

作るものが確定した状態で、金額だけを出してもらう

作るものの中身が固まった後

受け取った見積書の金額差の読み方と、見積書を1枚の表に並べ直す方法はAI開発の見積もり比較で解説しています。この記事はその前の工程、つまり依頼する側が書類をそろえる作業と、届いた提案の中身(作る範囲・合格の確かめ方・稼働後の分担)を同じ行で比べる作業を扱います。

この依頼書が必要な案件と、書く厚さの決め方

RFPは、厚く作るほど良いわけではありません。金額の見込みだけで決めるより、「各社の前提がずれやすい条件」がいくつ当てはまるかで厚さを決めると、書く手間が無駄になりにくくなります。

案件の状態

前提がずれやすい点

書類の形

1社に小さな改修(画面1枚・帳票1枚・CSVの書き出しなど)を頼む

ずれは小さい

RFPは不要。対象業務、今の画面の写真、希望時期のメモで足りる

2〜3社に同じ改修・PoCの見積もりを頼む

テスト・データの移し替え・発注側の作業が、会社ごとに入ったり抜けたりする

A4 1枚版(7項目)+回答シート

つなぐシステムが複数ある/既存システムを残すか入れ替えるか決まっていない

範囲の読み違いで、金額の桁が変わることがある

フル版+評価の配点+回答シート

AIが文章・分類・回答などを出し、その結果を業務で使う

「精度」が何に対する数字か、間違えたとき誰が直すかが会社ごとにずれる

上の書類に「AI開発で足す欄」を加える

取引先・会員など社外の人が使う/他社が作ったシステムを引き継ぐ

権限の分け方、既存の中身を調べる作業の扱いがずれる

フル版+「調査を見積もりに含めるか」を回答シートで聞く

※書類の形は、この記事での整理です。社内ルールや案件に合わせて足し引きしてください。

RFPを作る前に、そもそも開発を頼む必要があるかも確かめます。業務が既製のSaaS(クラウドで使う業務ソフト)の標準機能や、すでに用意されている連携機能で足りそうなら、開発会社への相見積もりより、SaaS各社の無料試用や導入相談で比べるほうが早く、費用も抑えやすくなります。止まっているシステムをすぐ直したいなど急ぎの案件も、2〜3週間かけて提案を集める相見積もりは向きません。普段の保守会社や、既存システムを作った会社への相談を先にします。

小さな改修でRFPと相見積もりを勧めないのは、選ぶ手間が開発費に対して重くなりやすいからです。たとえば担当者2名がそれぞれ50時間を選定に使い、時給3,000円で計算すると、2名×50時間×3,000円=30万円です(仮定に基づく試算)。100万円の改修でも、選定の人件費が開発費の3割に達します。

社数を増やしすぎないことも大事です。開発会社は、提案書と見積もりを無償で作っています。受注できる見込みが低い、提案を作る人手が取れないと判断すると、辞退されることがあります(IT調達ナビ)。声をかける社数は2〜3社を基本にし、多くしすぎると、辞退が増えたり各社の提案が薄くなったりしやすくなります。社数の考え方はAI開発会社の選び方でも扱っています。

開発費の見込み自体が分からない場合は、RFPを作る前に2〜3社へ「この規模だと数百万円か、数千万円か」を概算で聞いて桁をつかみます。業務システムの費用の目安は業務システム開発の費用相場にまとめています。

なお、補助金を使う場合は開発費が小さくても話が別です。後述するとおり、50万円以上の発注に「同一条件の見積もり」を求める補助金があるため、A4 1枚版は作っておきます。

そのまま使えるRFPテンプレート(記入例つき)

経済産業省「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」の想定読者と利用場面をまとめた表

出典: 経済産業省 公式サイト(AIの利用・開発に関する契約チェックリスト)

記入例は、架空の中堅卸売業が「受注メールの内容を販売管理システムに手入力している作業」を効率化したい場合を想定しています。「項目」と「書くこと」の列は、そのまま自社用に使えます。

A4 1枚版:2〜3社に改修・PoCを頼むとき(7項目)

項目

書くこと

記入例

1. 対象業務

1つに絞る。候補が複数あれば、残りは「参考」として別枠に書く

受注メールの内容を販売管理システムへ入力する作業

2. 現状の手順と量

誰が・いつ・何件・月何時間やっているか

営業事務2名が毎朝、受注メール約30件を見て手入力。月あたり約40時間

3. 使う人

部署・人数・パソコン操作に慣れているか

営業事務2名と、内容を確認する課長1名

4. 成功と判断する条件

開発が終わったあとに測れる形で書く

入力作業を月40時間から10時間以下に。入力ミスによる出荷の訂正をゼロに

5. 予算の上限

上限か幅で書く

初期費用300万円まで、月額5万円まで

6. 希望時期

使い始めたい時期と、その時期を動かせない理由

2027年4月の繁忙期の前に使い始めたい

7. 渡せるデータ

種類・件数・状態・渡せる時期

過去3ヶ月分の受注メール(秘密保持契約の締結後、取引先名を伏せて提供)、入力画面の画面写真

1枚目の下に、次の4行を必ず添えます。

  • 提出期限:2026年○月○日(○)17時
  • 質問の締切:2026年○月○日(○)。回答は全社に同じ文面でお送りします
  • 見積もりの形式:別紙「見積回答シート」を埋めてご提出ください(自社形式の見積書の添付も可)
  • 窓口:○○部 ○○(メールアドレス)

フル版:つなぐシステムが多い案件・本開発で足す11項目

A4 1枚版の7項目に、次の11項目を足します。

項目

書くこと

書かないと起きること

8. 今回やらないこと

対象外の作業と、将来つなぐ可能性の有無

範囲の読み違いで、金額が大きくずれる

9. 既存システムとの関係

残すか入れ替えるか。つなぐシステムの名前と本数

残す前提か入れ替え前提かで、見積もりの桁が変わることがある

10. 使う規模と、止まったときの許容範囲

利用者数、1日の処理件数、止まってよい時間、復旧までの目安、データを置く場所

各社が勝手に想定し、機器や保守の費用が大きくずれる

11. 納期と機能のどちらを優先するか

どちらを優先するかを一言で

各社の見積もりの前提(人数と期間)がずれる

12. 体制と再委託

実際に作る人を提案書に書くこと。再委託する場合は工程と社数

誰が作るか分からないまま契約する

13. 納品物

プログラム一式、設計書、運用手順書、各種アカウント

他社に引き継げない形で納品される

14. 稼働後の運用・保守

誰が運用するか、保守に含めてほしいこと、3年分の費用

初期費用だけで比べて、稼働後に高くつく

15. 契約の形の希望

請負(完成を約束する契約)か準委任(作業した分を払う契約)か、工程ごとに契約を分けるか

責任の範囲と支払い方が違い、金額をそのまま比べられない

16. 評価の方法と配点

下の配点例を参照

何を提案すれば選ばれるか読めず、辞退が増える

17. スケジュール

送付日、質問の締切、回答日、提出期限、選定結果の連絡日

各社が準備期間を読めない

18. 秘密保持と追加資料

秘密保持契約の締結後に渡す資料の一覧

見せる情報が会社ごとに違ってしまう

11番の「納期か機能か」は軽く見られがちですが、実際には影響の大きい項目です。JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)のソフトウェア・メトリクス調査2025では、納期を優先したプロジェクトの74.5%が予定の期間内に完了し、20%以上遅れたのは8.2%でした。他の事項を優先した場合、20%以上遅れた割合は19.6%です。優先順位を書いておくと、各社は「納期に間に合わせるために何を後回しにするか」まで含めて提案できます。

契約の形(15番)の違いはAI開発の契約形態、スケジュールの組み方(17番)はAI開発の期間の目安で詳しく扱っています。

評価の方法と配点を、RFPに先に書いておく

デジタル庁の調達の流れでは、仕様書の案を作る段階で複数の会社から参考の見積もりを集め、評価の配点を確認してから公告に進みます。評価の項目と点数の配分は、調達上の必要性・重要性に基づいて決めるとされています。民間の発注でも、配点は見積もりが届く前に決めて、RFPに書いておきます。

評価項目

配点(例)

見るところ

業務の理解と提案の具体性

30点

自社の業務の言葉で書かれているか。難しい箇所を具体的に挙げているか

費用(3年総額)

25点

初期費用+月額×36ヶ月+想定される追加費用

進め方

20点

小さく試す工程があるか。合格の条件を着手前に決めるか

体制

15点

実際に作る人と役割が書かれているか。再委託の範囲が明示されているか

運用と引き継ぎ

10点

設計書・運用手順書の納品、アカウントを自社名義にできるか

配点は一例です。自社が重視することに合わせて変えてください。

配点を先に書くと、3つのことが起きます。開発会社は何に力を入れて提案すればよいかが分かり、受注の見込みも読めるので辞退しにくくなります。社内では、見積もりが届いてから「やはり安いところで」と基準が変わるのを防げます。そして稟議で「なぜこの1社か」を聞かれたとき、配点表と各社の点数がそのまま説明になります。

AI開発で足す欄:合格基準・人の確認・例外・利用料・データ権限(記入例)

AIを使う開発では、一般的なシステム開発のRFPに次の欄を足します。AIの出力は毎回同じとは限りません。そのため、「動けば完成」ではなく「どのデータで、どの水準なら合格か」を依頼の時点で書いておかないと、各社の見積もりに入る評価や手直しの作業量がそろいません。記入例は、先ほどの架空の卸売業で「受注メールから注文内容をAIで読み取り、販売管理システムへの入力の下書きを作る」場合です。

項目

記入例(架空)

書かないと起きること

合格の条件と、それを測るデータ

当社が用意する過去の受注メール200件(取引先名を伏せたもの)で、品番・数量・納期の読み取りが、担当者の手直しなしで使える割合を測る。目標値は、提案の中で根拠とあわせて示してください

「精度○%」が何に対する数字か分からず、検収で揉める

人が確認する場面

AIが作るのは入力の下書きまで。確定は営業事務が行う。数量・金額が前回の注文と大きく違う場合は課長が確認する

AIが確定まで行う前提と、人が確認する前提の見積もりが混ざる

例外の扱い

添付ファイル(PDF・FAXの画像)の注文、1通に複数の注文がある場合、読み取れない項目がある場合は「確認待ち」に回し、推測で埋めない

想定外の注文で誤った入力が進む。例外の処理が見積もりから抜ける

検収のしかた

合格の条件を測るテストは、当社の担当者と開発会社が一緒に行う。テスト用データの準備は当社、測定手順書の作成は開発会社

誰がいつ完了を判断するかが決まらず、検収が延びる

AIの利用料の名義と上限

AIサービスの契約は当社名義。月額の想定と上限、上限を超えそうなときの止め方(通知・処理の停止)を見積もりに記載

開発会社名義で契約され、解約時にデータごと動かせなくなる。想定外の請求が来る

データを誰が見てよいか

受注メールを見られるのは営業事務と課長だけ。開発会社が本番データに触れる範囲と期間、作業後の削除方法を提案に記載

開発中・運用中に、見るべきでない人がデータを見られる状態になる

データを学習に使ってよいか

提供データを、他の案件のAIの学習に使わないこと

預けたデータの使われ方が契約で決まらない

作ったものの権利

プログラム、AIへの指示文、設定の権利と引き渡し範囲を提案に明記

権利が開発会社に残り、他社に改修を頼めない

AIを乗り換えるときの扱い

別のAIサービスに切り替える場合の作業範囲と費用の考え方を記載

特定のAIに深く結びついた作りになり、数年後に作り直しになる

データ・学習・権利に関わる欄は、経済産業省が2025年2月18日に公表した「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」の考え方を、RFPで先に聞く形にしたものです。契約書で確認すべき項目はAI開発会社の選び方の20項目チェックリストで扱っています。

書けない欄(未定)の書き方

RFPの欄がすべて埋まらなくても、送ってかまいません。困るのは、空欄のまま送って各社がそれぞれ前提を置くことです。決まっていない欄は、次の3通りのどれかで書きます。

書き方

使う場面

記入例

「未定」と書き、決める時期を添える

社内で決める予定があるもの

予算の上限:未定(11月の役員会で決める。それまでは各社の想定額を記載してください)

仮の値を置き、仮だと明記する

件数・利用者数など、幅で言えるもの

1日の受注メール:30件前後(繁忙期は最大80件と仮置き)

各社に提案を求める

自社では判断できないもの

既存システムを残すか入れ替えるか:両方の案と、それぞれの前提条件を提出してください

どの書き方でも、回答シートの「前提条件」欄に、各社がどの値を置いたかを書いてもらいます。そうすれば、未定の欄があっても、届いた見積もりの前提の違いを後から確かめられます。

欄を埋める作業のうち、項目の洗い出し、文章の整え方、各社への質問リストの下書きは、ChatGPTやClaudeなどのAIに手伝わせると速く進みます。一方で、「今の件数と時間」「どこまでなら間違いを許せるか」「誰がデータを見てよいか」「予算の上限」は、自社の業務と社内ルールを知っている人にしか決められません。既存システムの中身やつなぐ先の仕様が分からない欄は、開発会社に聞きながら埋めるほうが早いこともあります。

当社では、RFPの書けない欄の整理から相談を受けています。初回相談は無料・30分・オンライン(Google Meet)で、要件が決まっていなくても大丈夫です。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。RFPの未確定項目と見積条件を相談する

見積もりの「返し方」を指定する回答シート

RFPで条件をそろえても、見積書の形式が3社バラバラだと、結局は自分で表に書き写すことになります。そこで、RFPに「この表を埋めて返してください」という回答シートを同封します。受け取った時点で3社が同じ行に並ぶので、比べる作業がほぼ終わった状態から検討を始められます。

欄

書いてもらう内容

受け取ったときに見るところ

1. 工程別の金額

要件定義/設計/開発/テスト/データ移行・操作説明/プロジェクト管理

0円の工程、「一式」の工程がないか

2. 前提条件

データの状態、つなぐシステムの本数、発注側が担う作業、修正の回数

前提の行が少ない見積もりは、着手後に増える

3. 対象外

見積もりに含まれない作業

3社で対象外が違う箇所が、そのまま質問リストになる

4. 追加になったときの単価

連携1本/画面1枚/帳票1枚/修正1回が増えた場合の金額

途中で要望が増えても、その場で費用が計算できるか

5. 体制と再委託

役割ごとの人数、自社の社員か、再委託する工程と社数

誰が実際に作るのか

6. 期間

工程ごとの期間と、発注側が確認に使う時間

発注側の手間が現実的か

7. 費用の総額

初期費用、月額、3年総額(初期+月額×36ヶ月)

初期費用だけで並べると順位が入れ替わる

8. AIの利用料(該当する場合)

月額の想定、上限、契約の名義

月額に含まれる量と、超えたときの金額

9. 契約の形と有効期限

請負か準委任か、見積もりの有効期限

比べている間に期限が切れないか

回答シートはExcel 1枚にまとめ、「自社形式の見積書の添付も可」と書き添えます。開発会社の負担は小さく、発注側は各社の見積書を読み解く手間が大きく減ります。

届いたシートを横に並べたあと、どこを見て判断するかはAI開発の見積もり比較の比較表(15行)と同じ考え方です。回答シートはその表を後から埋めるのではなく、最初からその形で受け取るためのものです。

3社の提案が届いたら:作る範囲・評価・運用を同じ行で比べる提案比較シート(記入例・架空)

回答シートで金額の形はそろっても、提案の中身は「何を作るか」「合格をどう確かめるか」「稼働後に誰が何をするか」で会社ごとに違います。金額の比べ方はAI開発の見積もり比較で扱っているので、ここでは提案の中身を並べる表を示します。次の表は説明用の架空の記入例で、実在の会社・実際の提案ではありません。

比べる行

A社(架空)

B社(架空)

C社(架空)

確認すること

作る範囲

受注メールの読み取りと、入力の下書き画面

同左+販売管理システムへの自動登録

読み取りの試作のみ(PoC)

範囲が違う会社には、範囲をそろえた場合の金額を聞く

既存システムの扱い

残す(CSVで取り込み)

残す(APIで直接登録)

記載なし

記載なしは回答不足。残す前提か確認する

合格の確かめ方

過去メール200件で、手直し不要の割合を測る

「高精度」とだけ記載

試作で検証した後に決める

測るデータと方法がない提案には、検収の条件を質問する

AIが間違えたときの扱い

「確認待ち」に回す画面を作る

記載なし

記載なし

例外の処理が見積もりに入っているか確認する

本番の範囲

本番運用まで

本番運用まで

PoCまで。本番は別見積

PoCまでの提案には、本番に進む判断の条件と概算を聞く

稼働後の分担

月次の点検は開発会社、指示文の調整は当社

保守契約に含む(範囲の記載なし)

対象外

保守に含まれる作業を書き出してもらう

AIの利用料

当社名義。月額の想定と上限を記載

開発会社名義。月額に込み

記載なし

名義・上限・超えたときの扱いをそろえる

対象外

PDF・FAXの画像の注文

記載なし

本番化・保守

3社の対象外の違いが、そのまま質問リストになる

表を埋めると、「記載なし」の欄が目に付きます。記載なしは、その会社ができないという意味とは限りません。見積もりに入っていないか、前提を置いていないということなので、全社に同じ質問を送り、回答をそろえてから判断します(質問のルールは次の節)。

この表で見抜きたいのは、次の3つです。

  • 範囲が狭いから安い:C社のようにPoCまでの提案は、金額だけ見ると安く見える。本番まで進めた場合の総額を聞く
  • 合格の条件がない:「高精度」「AIで自動化」とだけある提案は、検収の段階で完了かどうかを判断できない
  • 稼働後の分担が書かれていない:AIの出力が変わったとき、誰が気づいて誰が直すかが決まらない

各行の確認が終わったら、RFPに書いた評価の配点(「進め方」「運用と引き継ぎ」など)に当てはめて点数をつけます。点数と、この表の「確認すること」への各社の回答が、稟議で「なぜこの1社か」を説明する材料になります。

条件をそろえたまま相見積もりを進める手順とルール

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小企業基盤整備機構)の公式サイトOGP画像

出典: 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト

手順と期間

時期

やること

ポイント

0週目

2〜3社に概算を聞き、開発費の桁をつかむ

この段階はRFP不要。桁が分かれば、RFPの厚さと声をかける社数が決まる

1〜2週目

RFP・回答シート・配点を作り、秘密保持契約を結ぶ

既存システムの設計書や業務データの見本を見せるなら、先に契約を結ぶ

3週目

全社に同じ日に、同じファイルを送る

口頭で補足しない。補足が必要ならRFPに書き足す

3〜4週目

質問を受け付け、締切後に全社へ同じ回答を送る

質問した会社名は伏せる

5〜6週目

提案と回答シートを受け取る

送付から提出まで2〜3週間を取る

6〜8週目

シートを並べ、各社と打ち合わせ、配点で決める

選ばなかった会社にも結果を連絡する

全体で1〜2ヶ月です。提案の準備期間を短くしすぎないでください。デジタル庁の調達手続マニュアルでは、1,500万円未満の案件でも公告から10日以上、WTO政府調達協定の対象になる大きな案件(1,500万円以上)では50日以上の準備期間を取るとしています。民間の発注では2〜3週間が目安です。「来週までに見積もりを」と頼むと、開発会社は社内の標準単価を当てはめた概算しか出せません。

0週目の概算は、どの会社に聞いても構いません。当社の初回相談は無料・30分・オンライン(Google Meet)で、要件が決まっていない段階でも受けています。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。RFPの未確定項目と見積条件を相談する

質問と回答のルール

相見積もりが途中で比べられなくなる原因の一つは、質問への答え方にあります。次のルールをRFPに書いておき、発注側も守ります。

  • 質問はメールなど文書で受け付け、締切日を決める
  • 回答は、質問した会社名を伏せて、全社に同じ文面で送る
  • 1社にだけ電話や打ち合わせで追加の情報を渡さない。渡してしまったら、同じ内容を全社に送る
  • 範囲・予算・時期を変えたら、RFPの改訂版を全社に送り、全社から再見積もりを取る
  • 1社の提案に含まれていた工夫や資料そのものを、他社に見せない

質問が多い会社を面倒に感じるかもしれませんが、実際に作る前提でRFPを読み込んでいるから質問が増える、ということもあります。質問への回答を全社にそろえて返すこと自体が、各社の見積もりの前提をそろえる作業になります。

やってはいけない依頼のしかた

  • 「来週までに概算をください」:標準単価を当てはめた数字しか返ってこず、比べる意味がない
  • 口頭だけで説明する:説明するたびに内容が変わり、各社が違う前提で見積もる
  • 1社の提案内容を、他社向けのRFPに混ぜる:提案した会社の工夫をただで配ることになり、次から良い提案が出なくなる
  • 途中で1社にだけ条件を変える:その時点で比較が成り立たなくなる
  • 5社を超えて声をかける:辞退が増え、残った会社の提案も薄くなる

発注側の進め方が原因で開発がつまずく例は、AI開発の失敗はどこで起きるかにまとめています。

補助金を使うなら、RFPが「同一条件の見積もり」の証拠になる

補助金を使って開発する場合、RFPは社内の比較のためだけでなく、審査で求められる書類そのものになります。ものづくり補助金 第23次の公募要領(2026年2月6日公開、5月8日締切で終了済み)には、次の記載があります。

「単価50万円(税抜)以上の物件等については、原則として2者以上から同一条件による見積りをとることが必要です。」

「システム構築費については、補助金交付候補者として採択後、見積書に加え仕様書等の価格妥当性を検証できる書類の提出を求めることがあります。」

「同一条件」を示すには、全社に同じRFPと回答シートを同じ日に送った記録(送信メールと添付ファイル)を残しておくのが確実です。「仕様書等」としても、RFPがそのまま使えます。

同じ公募要領には「交付決定日よりも前に発注・契約・購入を行った経費はいかなる理由があっても補助対象外」ともあります。第23次で同一条件の見積書を求められたのは採択後の交付申請の段階ですが、申請する事業計画の金額を固めるためにも、見積もりは早めに取り、発注・契約は交付決定の後という順番を崩さないでください。

2026年度は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募が行われており、応募締切は2026年10月30日(金)18:00です(2026年10月10日に事務局サイトで確認)。RFPの作成から見積もりの受け取りまでは1〜2ヶ月かかるため、この回の締切に向けて相見積もりを一から始めるのは日程が厳しく、次回以降の公募に合わせて準備するほうが現実的です。見積もりの社数や金額の基準が第23次と同じかは、申請前に事務局サイトの最新の公募要領で確認してください。デジタル化・AI導入補助金の締切はデジタル化・AI導入補助金の締切で追っています。

見積もりの後で作業を増やしたら、再見積もりを取る

2026年1月1日に、下請法を改正した取適法(中小受託取引適正化法)が施行されました。公正取引委員会のよくある質問(Q111)では、見積書を出してもらった後で作業内容が増えたのに、当初の見積単価のまま発注すると、十分な協議が行われたとはいえず「買いたたき」に当たるおそれがある、と説明しています。

一方で同じQ&A(Q28)は、自社で使うソフトウェアのうち、自社では作る力がない部分を専門の開発会社に外注する場合は、この法律の対象となる委託に当たらないとも説明しています。一般的な事業会社が自社で使う業務システムを外注するだけなら、対象外になる場合があるということです。対象かどうかは取引の中身で変わるため、迷う場合は同Q&Aで確認してください。ただ、対象かどうかにかかわらず、RFPの内容を変えたら全社から再見積もりを取るのは、同じ条件で比べるための原則でもあります。

返ってきた見積もりが妥当かを、公的データで一段チェックする

JUAS「ソフトウェア・メトリクス調査2025」の開発フェーズ別の工数と工期の比率グラフ(工期20:50:30、工数15:60:25)

出典: JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)公式「ソフトウェア・メトリクス調査2025【ガイドブック】」

回答シートがそろったら、金額の配分が極端でないかを公的な調査の数字で確かめます。

JUASのソフトウェア・メトリクス調査2025(2025年4月10日)では、作業量(工数)の比率は次のとおりでした。

工程

作業量の比率

期間の比率

要件定義

15

20

設計〜結合テスト

60

50

総合テスト

25

30

「設計〜結合テスト」は設計から、作った部品を組み合わせて動くかを確かめるまで、「総合テスト」は業務の流れどおりにシステム全体が動くかを確かめる工程です。作業量の比率なので金額と完全には一致しませんが、要件定義から総合テストまでの部分が1,000万円の見積もりなら、要件定義に150万円前後、総合テストに250万円前後が乗っているのが一つの目安になります。次のような見積もりは、この時点で理由を聞いてください。

  • 要件定義が0円、またはごく小さい:要件を決める作業を発注側に任せる前提か、見積もりに入っていない
  • テストが全体の1割にも満たない:テストの範囲が狭いか、発注側がテストする前提になっている
  • 工程が「一式」でまとめられている:扱い方はAI開発の見積もり比較のよくある質問で解説しています

期間も確認できます。同調査の標準的な期間は「3.23×作業量(人月)の立方根」で、たとえば27人月(1人が1ヶ月作業する量の27倍)の開発なら、27の立方根は3なので3.23×3=約9.7ヶ月です。さらに、50人月未満のプロジェクトの56%が標準の期間を超えていました。ここでの「標準の期間」は作業量から計算した期間で、当初の計画に対する遅れとは別の数字です。同じ調査では500人月以上の71%が標準の期間を下回っており、小さい案件ほど作業量のわりに期間がかかりやすい傾向が読み取れます。調査も「標準工期に対して余裕を持って工期を計画することが望ましい」としているので、RFPの希望時期には余裕を持たせてください。

ただし、この調査は10人月以上の案件が中心です(たとえばスクラッチ開発の工数別の集計では、99件のうち10人月未満は6件)。数十万〜数百万円の改修やPoCにそのまま当てはめると外れるので、「配分が極端でないか」を見る用途に限ってください。総務省の研修資料も、要件が明確でない段階の見積もりには「かなりの幅が生じることが多い」としつつ、参考見積もりの妥当性のチェックは可能だとしています。

費用の目安:RFP作成から開発まで

RFPと相見積もりにかかる費用

RFPと相見積もりの費用は、ほとんどが社内の人件費です。開発会社の提案・見積もりは通常無償で作られるため、条件が悪いと辞退されます。社内の手間は、次の式で見積もっておくと稟議で説明しやすくなります。

社内の手間=(RFPを書く時間+質問への回答と打ち合わせの時間+比較と稟議の時間)×関わる人数×時給

たとえば、RFPに16時間、質問と打ち合わせに12時間、比較と稟議に8時間を、2名で進めて時給3,000円とすると、(16+12+8)×2×3,000円=21.6万円です(仮定に基づく試算。時間は自社の状況に置き換えてください)。

RFPの作成そのものを外部のコンサルティング会社に頼む方法もあります。費用は会社や範囲で大きく変わるため、依頼する場合は作成範囲(現状の調査を含むか、評価・選定まで支援するか)を指定して見積もりを取ってください。外部の作成支援が見合いやすいのは、システム投資の規模が大きい、社内に業務を文章にできる人がいない、といった場合です。数百万円規模の開発なら、この記事のテンプレートを埋めて、書けない欄を開発会社との初回相談で補うほうが現実的です。

当社の金額と、見積もりが決まる条件

依頼の種類

当社(税別)

既存システムの改修(画面・帳票の追加、データの書き出し、他システムとの連携、処理の修正)

100万円〜

PoC(小さく作って業務で試す)

300万円〜(PoCの開始価格。本番システムの完成価格ではありません)

本開発(本番で使うものを作る)

個別見積

初回相談

無料(30分・オンライン。要件が決まっていなくても可)

※クラウド・外部API・ライセンス等の実費は別です。他社の見積書との比べ方はAI開発の見積もり比較、AI開発に絞った費用の内訳はAI受託開発の費用相場にあります。

当社の本開発が個別見積なのは、金額が「利用者数・機能数・外部との連携・データの移し替え・セキュリティ・運用のしやすさ」で決まるためです。これはフル版RFPの8〜14番に書く内容そのものなので、フル版RFPがあれば、当社も含めて各社の見積もりの精度が上がります。

RFPの7項目がまだ埋まらない段階でも相談できます。初回の30分では、何を解決したいか(対象業務・使う人・今のシステム)を伺い、自社でAIを使って進められる部分と、会社に頼んだ方がよい部分を切り分けたうえで、依頼の形の候補(既存システムの改修/PoC/本開発/調査のみ)と進め方をお話しします。他社にもRFPを出す前提で、提案を依頼する1社に加えていただくことも歓迎しています。金額と進め方の詳細は受託開発サービスの料金と進め方をご覧ください。

RFPの1行で見積もりの前提が変わる例(説明用)

以下は、見積もりの段階で論点になりやすい場面を「RFPに書くならこの1行」という形にまとめた説明用の例です。特定の案件・会社の実績ではありません。

例1:「既存システムは残す前提で提案してください」

場面:使っている業務システムから毎日データファイル(CSV)を書き出し、Excelで加工して、別のシステムに手で入力している。担当者が休むと業務が止まる。

前提がずれる理由:既存システムを残してデータの受け渡しだけを自動にする案と、基幹システムの入れ替えを含む案が混ざると、同じやりたいことでも見積もりの桁が変わります。

RFPに書くなら:フル版の9番「既存システムとの関係」に「既存システムは残す前提」と1行書きます。入れ替えが必要だと考える会社には、「入れ替える場合の案は参考として別に出してください」と書き添えれば、比較は崩れません。

例2:「対象業務は1つ。残りは参考として記載」

場面:AIで効率化したい業務の候補が複数あり、全部をやる前提で見積もると金額が大きくなって稟議に乗らない。

前提がずれる理由:候補をすべて並べると、各社がどこまでを範囲に入れるかの判断がばらつきます。

RFPに書くなら:A4 1枚版の1番「対象業務」に1つだけ書き、残りの候補は「参考」として別枠にします。そのうえで4番「成功と判断する条件」と、AI開発で足す欄の「合格の条件と、それを測るデータ」を着手前に決める前提で書いておけば、まずPoCとして小さく試す提案を受け取りやすくなります。PoCの設計はAI PoCの費用で詳しく扱っています。

例3:「連携が1本増えたときの追加費用を記載してください」

場面:複数の社内システムにデータが分散し、集計と確認に人手がかかっている。

前提がずれる理由:つなぐシステムは、業務を進めるうちに増えることがあります。増えたときの値段が決まっていないと、途中で追加費用の交渉が必要になります。

RFPに書くなら:回答シートの4番「追加になったときの単価」がこの1行です。増えたときの値段を最初の見積もりで決めておくと、途中で要望が増えても追加費用をその場で計算できます。

よくある質問

Q1. RFPに予算を書くべきですか。書くと、上限いっぱいで見積もられませんか。

書いたほうが比べやすくなります。予算を伏せると、各社は自分たちが想定する規模で見積もるため、既製のサービスを設定するだけの案と、一から作る案が混ざり、桁が合わなくなります。受注の見込みも読めないので、辞退の理由にもなります。「上限いっぱいで見積もられる」心配は、回答シートで工程別の金額と前提条件を書いてもらえば、何にお金が乗っているかが見えるので確かめられます。書き方は「初期費用300万円まで」のような上限か、「200万〜300万円」のような幅で構いません。あわせて「予算に収まらない場合は、どこを削れば収まるかも記載してください」と書くと、範囲を小さくした案が出てきます。

Q2. 1社目の提案で良いアイデアが出ました。他社向けのRFPに反映してもいいですか。

反映してかまいませんが、手順があります。まず、その会社の提案書や資料そのものは他社に渡しません。次に、アイデアを自社の要望として言い換え、RFPの改訂版として全社に同じ文面で送ります。最後に、全社から再見積もりを取ります。アイデアを出した会社は、評価の配点の「業務の理解と提案の具体性」で加点すれば公平に扱えます。提案をそのまま他社に見せると、次からどの会社も手の内を出さなくなります。

Q3. RFPを送ったら、開発会社に辞退されました。何が悪かったのでしょうか。

辞退の理由が開発会社側の事情(人手が空いていない、得意分野と違う)のこともありますが、発注側で見直せるのは、提出までの期間が短い、声をかけた社数が多い、予算や評価の方法が書かれておらず何を提案すれば選ばれるかが読めない、対象業務が広すぎて見積もりに時間がかかる、の4つです。辞退の連絡が来たら「差し支えなければ理由を教えてください」と聞き、次にRFPを出すときの改善に使ってください。

Q4. 既存システムの設計書がない、または何年も前のものしかありません。RFPに何を書けばいいですか。

「設計書はない」「2018年時点のものしかない」とそのまま書くのが正解です。それ自体が、各社が見積もるうえで大事な前提条件になります。代わりに渡せるものとして、画面写真、帳票やデータファイルの見本(秘密保持契約の締結後、個人情報を消したもの)、製品名と導入した時期、保守している会社があるかどうかを書きます。「既存システムの中身を調べる作業」を見積もりに入れるかどうかは会社によって分かれやすいので、回答シートの前提条件と対象外で、その扱いを必ず書いてもらってください。

Q5. 見積書の書式をこちらで指定すると、開発会社に嫌がられませんか。

前提条件・対象外・追加の単価を書く欄は、着手後に「それは範囲外でした」と揉めるのを防ぐためのもので、開発会社にとっても損はありません。嫌がられやすいのは、欄が多すぎる場合と、独自の計算方法を押しつける場合です。回答シートはA4 1〜2枚に収め、「自社形式の見積書の添付も可」と書いておけば、負担はほとんど増えません。もし「この書式では出せない」という会社があれば、どの欄が書けないのかを聞いてください。追加の単価や体制が書けない理由は、そのまま判断の材料になります。

Q6. 開発会社にRFPづくりを手伝ってもらうと、相見積もりが公平でなくなりますか。

手伝ってもらうこと自体は問題ありません。要件が固まらない段階で1社と話して整理するのは、むしろ近道です。注意点は2つです。1つは、特定の会社の製品名や独自の作り方をRFPに書かないこと。総務省の研修資料も、悪い仕様書の典型に「製品指定」を挙げています。RFPに書くのは「何を実現したいか」までにし、「どう作るか」は各社の提案に任せます。もう1つは、手伝ってくれた会社にも、他社と同じRFP・同じ締切・同じ回答で提案してもらうことです。手伝った分の業務の理解は提案の中身に自然に表れるので、特別扱いする必要はありません。

Q7. RFPをChatGPTなどのAIで作ってもいいですか。

項目の洗い出しや、書いた文章を読みやすく整える下書きには使えます。ただし、RFPで一番大事な「現状の件数と時間」「今回やらないこと」「予算の上限」「成功と判断する条件」は、自社の業務を知っている人にしか書けません。AIに任せると、どの会社にも当てはまる一般論のRFPになり、各社の見積もりはまた前提がずれます。また、業務データ、取引先の名前、患者や顧客の個人情報をそのまま入力しないでください。社内のAI利用ルールと、使うサービスの設定(入力した内容が学習に使われるかどうか)を確認してから使うのが安全です。


RFPの未確定項目と見積条件を相談する

「対象業務を1つに絞れない」「AIの合格の条件をどう書けばいいか分からない」「既存システムを残すべきか判断がつかない」。RFPの欄が埋まらない段階でも相談を受けています。他社との相見積もりを前提にしたご相談も歓迎です。

初回相談は無料・30分・オンライン(Google Meet)で、要件が決まっていなくても大丈夫です。今の業務の流れと書けていない欄を伺い、自社でAIを使って進める部分と任せる部分を一緒に切り分けます。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。お問い合わせの時点では、秘密情報・本番の認証情報・実際の顧客データは送らないでください。当社の金額は、既存システムの改修が100万円〜、PoCが300万円〜、本開発は個別見積です(すべて税別。クラウド・外部API・ライセンス等の実費は別)。

RFPの未確定項目と見積条件を相談する(初回相談無料・30分)

判断の材料として、AI開発の見積もり比較、AI開発会社の選び方、業務システム開発の費用相場もあわせてご覧ください。稼働後の効果の測り方は業務自動化の効果測定、そもそも外注すべきかは生成AIの内製と外注の分かれ目にまとめています。

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します