Sakana Fuguとは?日本発マルチエージェントAIの料金・使い方|Fugu Max・Ultra v2【2026年9月最新】

この記事のポイント
Sakana Fuguは複数のフロンティアLLMを内部で自動編成する日本発のマルチエージェントAIです。2026年9月11日発表のFugu Max・Fugu Ultra v2の料金差、ベンチマークの読み方、API/CLIでの使い方、EU非対応などの制約までを整理します。
Sakana Fugu(サカナ・フグ)とは、東京拠点のSakana AIが開発した「複数のフロンティアLLMを内部で自動編成・分担・検証させ、外からは1つのモデルAPIに見せる」マルチエージェント・システムです。 そして2026年9月11日、品質最優先の Fugu Ultra v2.0 とコスパ最優先の新モデル Fugu Max が同時発表され、選ぶ基準が「Fuguを使うか否か」から「UltraかMaxか」に変わりました。
この記事でわかること。
- 9月11日発表の Fugu Max / Fugu Ultra v2 で何が変わり、どちらを選ぶべきか
- Fugu / Fugu Ultra v2 / Fugu Max / Fugu Cyber の4モデルの違い
- 混同しやすい「サブスクプランのMax」と「モデルのFugu Max」の切り分け
- 料金(無料→サブスク→従量課金)と、単価表に出てこない実コスト
- 公式ベンチマークの数値と、それを誠実に読むための注意点
- OpenAI互換API・CLI(Claude Code / Codex)での使い方
- EU/EEA非対応・ルーティング非開示など、導入前に押さえる制約
対象読者は、複数LLMの使い分けに悩んでいるエンジニア・技術選定担当者、AIコストを圧縮したい開発責任者、国産AIやAI主権に関心のある企業のAI導入検討者です。料金・モデルIDの更新が非常に速い領域のため、利用前にSakana AI公式ページでの再確認を推奨します。
Sakana Fuguとは|複数のLLMを束ねて1つのモデルに見せる基盤

出典: Sakana AI 公式サイト
Sakana Fuguは、自分だけで文章を生成する単体のLLMではなく、複数のフロンティアモデル/オープンウェイトモデルに役割を割り振り、結果を検証・統合する「指揮者」として動くモデルです。公式が掲げるコンセプトは "Multi-Agent System as A Model"(モデルとしてのマルチエージェント・システム)。
従来、複数モデルを使い分けるには開発者自身が「このタスクはこのモデル」というルーティングを設計し、結果を統合するコードを書く必要がありました。Fuguはこの処理をモデル内部に隠蔽し、利用者からは「1つのモデルをAPIで呼ぶだけ」に見せます。
観点 | 一般的な単体LLM | Sakana Fugu |
|---|---|---|
役割 | 自分で全部生成する | どのモデルに任せるかを判断・統括する |
内部構造 | 単一モデル | 複数モデルのプール+軽量コーディネータ |
利用者の作業 | プロンプトを送る | プロンプトを送る(同じ)。中身は自動委譲 |
強み | 振る舞いが読みやすい・安価 | タスクごとに適したモデルを動員できる |
弱み | 苦手分野はそのまま弱い | 内部の挙動とコストが見えにくい |
基本情報 | 内容 |
|---|---|
開発元 | Sakana AI(日本・東京、2023年7月創業) |
提供形態 | クラウドAPI(OpenAI互換)/月額サブスク/CLI/無料チャット |
ベータ公開 | 2026年4月24日 |
一般提供(GA) | 2026年6月22日 |
現行ラインナップ | Fugu / Fugu Ultra v2.0 / Fugu Max / Fugu Cyber |
直近の大型更新 | 2026年9月11日(Fugu Max・Fugu Ultra v2 同時発表) |
公式サイト | https://sakana.ai/fugu/ |
マルチエージェントという考え方自体についてはマルチエージェントAIとは何かを解説した記事、AIエージェント全般の基礎はAIエージェントとはの総合解説もあわせて読むと、Fuguの立ち位置が把握しやすくなります。
【2026年9月11日】Fugu Max・Fugu Ultra v2で何が変わったか
Fuguは「1本の高級路線」から「品質のUltra × コスパのMax」という二枚看板に分岐しました。 既存ユーザーにとっての最大のニュースは、Fugu Maxの出力単価が$6/1Mトークンで、Fugu Ultraの$30の5分の1という点です。
項目 | Fugu Ultra v2.0 | Fugu Max v1.0 |
|---|---|---|
リリース | 2026年9月11日 | 2026年9月11日(新規) |
狙い | 複雑な多段タスクでどこまでの能力を出せるか | できるだけ低コストでどこまで到達できるか |
入力単価(1Mトークン) | $5(272Kトークン超は$10) | $2 |
出力単価(1Mトークン) | $30(272Kトークン超は$45) | $6 |
キャッシュ入力 | $0.50(272K超は$1.00) | $0.25 |
モデルプールの特徴 | 専門性の高いエージェント群を深く協調させる | 過去最大規模。NVIDIA Nemotron等のオープンウェイトを大量統合 |
公式の成績主張 | 8ベンチ中5つで最高/同率最高、7つでトップ2 | 6ベンチで総合最高、10ベンチ中7つでコスト性能のパレートフロンティアを拡張 |
押さえておくべき変化は3点です。
- Ultraは値上げなしで性能だけ上がった — v2.0の従量課金はv1.1と同額(入力$5/出力$30)。品質重視の既存利用者は単価を気にせず乗り換えられます。
- Maxは「安いから弱い」わけではない — NVIDIAとの協業で NVIDIA Nemotronファミリーをプールに追加し、軽量・特化モデルへ動的に振り分けることで単価を下げています。公式は出力単価が Claude Sonnet 5 / GPT-5.6 Terra / Kimi K3 より40〜60%低いと主張しています。
- 移行は1行 — 公式は「No migration. New architecture, same API.」として、OpenAI互換APIのパラメータを1行変えるだけで移行できると案内しています。CLI経由の場合は新モデル対応のために再インストールが必要です。
注意:
fugu-ultra-v1.1が廃止・非推奨になったという公式告知は、現時点で確認できていません。「v2.0が現行」という理解にとどめ、旧バージョン固定IDを使っている場合は自社の呼び出しログで動作を確認してください。
Fugu Maxのモデルスラッグ(fugu-max 等の正確な文字列)は公式ドキュメント上で明示的に確認できていないため、実装時はコンソールのモデル一覧で確認するのが確実です。
現行4モデルの違いと選び分け

2026年9月12日時点、Fuguファミリーは4種類です。
項目 | Fugu(標準) | Fugu Ultra v2.0 | Fugu Max | Fugu Cyber |
|---|---|---|---|---|
位置づけ | 性能とレイテンシのバランス型 | 回答品質最優先 | コスト性能最優先 | サイバーセキュリティ推論特化 |
主な用途 | 日常のコーディング、チャットボット、対話作業 | 複雑な多段推論、論文再現、特許調査、難易度の高い設計 | 大量処理、バッチ、社内ツール、常時稼働エージェント | 脆弱性検出、脅威インテリジェンス解析 |
従量課金 | 実際に動員した基盤モデルの標準レート | 入力$5/出力$30〜 | 入力$2/出力$6 | 個別見積り(Contact sales) |
モデルプール制御 | APIキー単位でプロバイダ/モデルのオプトアウト可 | 性能維持のため制御は限定的 | 過去最大規模のプール | 非公開 |
提供状況 | GA(2026/6/22) | v2.0(2026/9/11) | v1.0(2026/9/11) | v1.0(2026/7/21・申請審査制) |
レイテンシ | 比較的速い | 深く処理するため重くなりやすい | 軽量モデルへの委譲が多く比較的軽い | — |
UltraかMaxか、判断の手順
新ラインナップで最も迷うのがここです。次の順に判定すれば、ほぼ迷いません。
- 1回の失敗コストが高いタスクか?(顧客に出す成果物・本番コードの設計・法務や研究の一次判断)→ Fugu Ultra v2
- 月あたりのリクエスト数が多い定常業務か?(社内問い合わせ対応、ログ分析、コード補助、大量文書処理)→ Fugu Max
- 会話のレスポンス速度が体験を左右するか?(チャットUI、対話型ツール)→ 標準Fugu または Fugu Max
- セキュリティ調査・脅威分析が主目的か? → Fugu Cyber(申請審査が必要)
- 特定プロバイダを処理から確実に除外したいか? → 標準Fugu(APIキー単位のオプトアウトが使える)
コスト差は無視できない規模になります。1タスクあたり入力5万トークン・出力1万トークンと仮定した概算が次のとおりです。
月間タスク数 | Fugu Ultra v2(概算) | Fugu Max(概算) | 差額 |
|---|---|---|---|
100件 | 約$55 | 約$16 | 約$39 |
1,000件 | 約$550 | 約$160 | 約$390 |
10,000件 | 約$5,500 | 約$1,600 | 約$3,900 |
※単価表から機械的に計算した理論値です。Fuguは内部で複数エージェントが動くため、実際の消費トークンは入力/出力の見かけの量より多くなり得ます。予算を組む際は実測が前提です。
現実的な運用は「難所だけUltra、残りはMax」という二段構えです。1つのタスク種別に固定せず、リクエストの重要度でモデルを切り替える設計にしておくと、品質とコストの両取りがしやすくなります。
混同しやすい「Maxプラン」と「Fugu Max」の違い
Sakana AIには「月額$200のMaxプラン」と「モデル名のFugu Max」が並存しており、両者はまったく別物です。 名前が同じため、社内の稟議や見積りの段階で取り違えが起きやすい部分です。
Maxプラン | Fugu Max | |
|---|---|---|
正体 | 月額サブスクリプションの最上位プラン | モデル(オーケストレータ)の名前 |
価格 | $200/月 | 従量課金 入力$2/出力$6(1Mトークン) |
意味するもの | 利用枠がStandardの20倍 | コスト性能を最優先した設計 |
登場時期 | GA時点から存在 | 2026年9月11日に新規追加 |
つまり「Maxプランに入ったからFugu Maxが使える」「Fugu Maxを使うにはMaxプランが必要」という関係ではありません。なおサブスクリプション3プランでFugu Maxが利用対象に含まれるかは、現時点で公式に明記されていません(v1時代の記載は「FuguとFugu Ultraの両方」でした)。サブスクでMaxを回す前提の計画を立てる場合は、コンソールの表示を確認してください。
料金:無料 → サブスク → 従量課金の3段階

以下は2026年9月12日時点の公式ページ準拠の数値です。
① 無料:Sakana Chat
ブラウザから無料で利用できるチャットUIです。2026年8月13日にFuguが開放され、Pythonサンドボックス実行、HTMLプレビュー、Word/Excel/PDFの添付に対応しました。現時点で無料枠に Fugu Max / Fugu Ultra v2 が含まれるかは公式に明記されていません。また提供は日本国内向けとされています。
② サブスクリプション(月額)
プラン | 月額 | 利用枠 | 想定される使い方 |
|---|---|---|---|
Standard | $20/月 | 基準 | 軽めの日常利用、個人の検証 |
Pro | $100/月 | Standardの10倍 | 集中的な作業セッション |
Max | $200/月 | Standardの20倍 | 長時間・高負荷ワークロード |
公式は「Standard比10倍/20倍」としか示しておらず、トークン数や時間の絶対値は非公開です。
③ 従量課金(100万トークンあたり・USD)
対象 | 区分 | 入力 | 出力 | キャッシュ入力 |
|---|---|---|---|---|
Fugu Ultra v2.0 | 〜272Kトークン | $5 | $30 | $0.50 |
Fugu Ultra v2.0 | 272Kトークン超 | $10 | $45 | $1.00 |
Fugu Max | — | $2 | $6 | $0.25 |
Fugu(標準) | — | 実際に動員した基盤モデルの標準レート | 同左 | 同左 |
Fugu Cyber | — | 個別見積り(Contact sales) | 同左 | 同左 |
Fugu MaxはWeb検索・フェッチが$0.007/1コールで提供されます。また公式は「モデル料金を積み上げ課金(スタッキング)することはなく、関与した最上位モデルに基づく単一レートで課金する」と明記しています。複数エージェントが動いても料金が何倍にも膨らむ設計ではありません。
単価表に出てこない実コスト
Fuguのコストは単価では判断できません。見るべきは「1タスクあたりの総消費トークン」です。
第三者による検証・ユーザー報告では、次のような指摘があります。
- マネーフォワードのSaaS管理サービス Admina の検証記事では、同一の単純クエリに対し標準Fuguが約7.7秒・309トークン、Fugu Ultraが約108秒・14,607トークンを消費した例が報告されています(公式値ではなく一例)。
- 数百トークンの回答を得るために、内部のオーケストレーション込みで数千〜1万数千トークン消費するケースがある。
- 理由は、①コーディネータの計画立案 → ②複数の専門モデルへの並列展開 → ③最終統合パス、という各段でトークンが発生するため。
- 海外の技術コミュニティでは「$200/月のMaxプランでも高負荷利用なら早期に枯渇した」という報告もあります。
実務での対策は3点です。
- 本番投入前に、代表的なタスク5〜10件で実消費トークンを実測する(リクエストごとに使用量とコストがレポートされます)。
- APIゲートウェイ側でトークン予算の上限を自動制御する。
- コストの予測可能性を最優先する定型・大量処理では、Fugu Maxか、単価が明確な単体LLM APIを使い分ける。
どこから始めるべきかの目安
状況 | 推奨する入口 |
|---|---|
そもそも自分のタスクに効くか未検証 | Sakana Chat(無料) |
個人で日常的に使いたい | Standard $20/月 |
業務で毎日、長時間使う | Pro $100/月 |
コーディングエージェントを常時回す | Max $200/月(枯渇リスクを実測で確認) |
自社プロダクトに組み込む(品質優先) | Fugu Ultra v2の従量課金 |
自社プロダクトに組み込む(量が多い) | Fugu Maxの従量課金 |
仕組み:ルールではなく「学習された協調戦略」で分担する
Fuguの核心は、軽量なコーディネータが大型のモデル群に役割を動的に割り当てる構造です。Fugu自身も「他のLLM群、そして自分自身のインスタンスを呼び出すよう訓練された言語モデル」であり、必要に応じて再帰的に自分を呼び出してテスト時の計算量をスケールさせます。
技術的な裏付けとして、Sakana AIはICLR 2026に採択された論文2本を公開しています。
論文 | 内容 |
|---|---|
TRINITY(arXiv:2512.04695) | 進化計算(CMA-ES)で鍛えた約0.6Bのコーディネータが、大型ワーカーモデル群に「Thinker(思考)/Worker(実行)/Verifier(検証)」の役割を割り当てる |
Conductor(arXiv:2512.04388) | 強化学習で「自然言語による協調戦略」そのものを発見。7Bモデルが再帰呼び出しで計算をスケールする |
v2世代のオーケストレータは、ファインチューニング・進化的アルゴリズム・強化学習を組み合わせて学習されたものと整理されています。ここが「ただのルーター」との違いです。人間が書いたif-thenのルールで振り分けるのではなく、どう協調させるかを学習で獲得しているというのが公式の主張です。
一方で、コミュニティには「実質は外部モデルのラッパーではないか」という懐疑論もあり、第三者による独立検証は現時点で限定的です。中立に見るのが妥当でしょう。
注意: 内部でどのモデルがどう呼ばれているかは、公式FAQで「専有情報であり設計上開示しない」と明言されています。ベンチマーク比較に他社モデルが登場しても、それらがプールに入っていることを意味しません。
公式ベンチマークと、その誠実な読み方
以下はすべてSakana AIの自社計測による公表値です(2026年9月11日発表分)。第三者による独立検証ではない点を前提に読んでください。
Fugu Ultra v2.0
項目 | 内容 |
|---|---|
総合 | 8ベンチマーク中5つで最高または同率最高(GDP.pdf / Chartography / SWEFish / DeepSWE / Toolathon) |
トップ2 | 8つ中7つ |
Chartography(視覚推論) | 48.3(Claude Opus 5: 27.3、Claude Fable 5: 29.5) |
DeepSWE(コーディング) | 74.3 |
学習データカットオフ | 2026年8月28日 |
Fugu Max v1.0
項目 | 内容 |
|---|---|
総合 | 6ベンチマークで総合最高スコア(Terminal Bench 2.1 / GPQA Diamond / AA-LCR / GDP.pdf / AutomationBench / SWEFish) |
コスト性能 | 10ベンチマーク中7つでコスト性能のパレートフロンティアを拡張 |
プール特徴 | NVIDIA Nemotronファミリーを含む、過去最大規模のオープンウェイト/特化モデル統合 |
Fugu Cyber v1.0
CyberGym 86.9%、CTI-REALM 72.1% の成功率を公表しています。
読み方の注意点
- 「フロンティアモデルを呼んでいるから強い」ではない、という主張の意味 — Fugu Ultra v2は Claude Fable 5 / Fable 5.1 / GPT-6-Astra をエージェントプールに含めずにこの成績を出したと公式が明記しています。オーケストレーション自体で性能が出ている証拠として強調されており、特定クローズドモデルへの依存を避ける設計(供給断リスクへの耐性)の根拠にもなっています。比較対象のフロンティアモデル側の実力を知りたい場合はOpenAI Astra(GPT-6 Astra)の解説やGPT-6 Astra・Fable 5.1・Gemini 3.8の比較が参考になります。
- 裏返すと、比較の公平性は議論の余地がある — プールに入れていないモデルと比較して「勝った」と言う構図は、評価設計に依存します。「それらを入れれば必ず勝てる」という保証もありません。
- SWEFishはSakana AI自身が作った内部ベンチマークです(MarkTechPostの指摘)。自社課題由来のベンチで高得点が出るのは自然なので、外部ベンチ(Terminal Bench 2.1、GPQA Diamond、DeepSWE)と分けて読むのが安全です。
- 公式比較表には競合スコアが一部しか載っていません。「8つ中5つで最高」という表現は、どの8本を選んだかに依存します。
- 性能はプール構成に依存し、時間で変わります。新しいモデルが登場すれば評価・組み込みを経てプールが更新されるため、公開時のスコアが恒久的に維持される保証はありません。
つまり「世界最高水準」という見出しは、自社選定の指標セットにおける自社計測として読むのが正確です。実運用での判断は、自社タスクでの小規模比較検証に勝るものはありません。
無料で試す:Sakana Chatの使い方

2026年8月13日から、無料チャット「Sakana Chat」でFuguが使えるようになりました。有料契約の前に、自分のタスクで効くかを確かめる場として有効です。
手順は次のとおりです。
- ブラウザで chat.sakana.ai にアクセスする
- 画面の案内に従ってアカウントを作成する(Fugu利用時は登録が求められる場合があります)
- モデル選択でFuguを選ぶ
- プロンプトを入力する
同時に追加された機能は次のとおりです。
機能 | 内容 |
|---|---|
Pythonコード実行 | チャット内のサンドボックスでコードを実行できる |
成果物プレビュー | 生成したHTML・ドキュメントを専用パネルで確認できる |
ファイル添付 | PDF・Office形式のファイルをアップロードして処理できる |
Namazu刷新 | 日本語特化LLM「Sakana Namazu」も新世代モデルに更新 |
無料のうちに確かめておくべきは、①自分の典型タスクで単体LLMより明確に良い結果が出るか、②応答までの体感速度が実務に耐えるか、の2点です。日本語の文章生成が主目的ならSakana Namazuとの比較も有効です。
なお、Sakana ChatはWeb UIであり、API利用やCLI連携にはコンソールでのAPIキー発行が別途必要です。無料チャットは評価用の入口と考えてください。
使い方:OpenAI互換APIとCLI(Claude Code / Codex 連携)

APIから使う
FuguはOpenAI互換APIを提供しています。既存のOpenAI SDKクライアントの base_url と model を差し替えるだけで動くため、SDKの作り直しは不要です。
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://api.sakana.ai/v1",
api_key="YOUR_SAKANA_API_KEY"
)
response = client.chat.completions.create(
model="fugu-ultra", # 品質優先。コスト優先なら Fugu Max のモデルIDを指定
messages=[
{"role": "user", "content": "このリポジトリのバグを修正して"}
]
)項目 | 内容 |
|---|---|
ベースURL |
|
認証 |
|
対応エンドポイント | Chat Completions / Responses / Anthropic Messages |
対応機能 | ストリーミング、ツール呼び出し、構造化出力、Web検索、コード実行、ファイル入力(PDF/XLSX/CSV/DOCX)、推論強度(reasoning effort)設定、プロンプトキャッシング |
コンテキスト | 最大100万トークンとされる(第三者集約サイト情報。公式は「272Kトークン超で料金レートが変わる」とのみ記載) |
配布経路 | 直接API / OpenRouter / Vercel AI Gateway / models.dev |
APIキーは発行時に1回しか表示されません。 発行直後に安全な場所へ保管してください。
OpenRouter経由で試したい場合はOpenRouterの解説記事に登録から呼び出しまでの流れをまとめています。OpenRouter自体は2026年にStripeによる買収が発表されており(経緯の解説)、モデル調達経路としての位置づけも変化しています。
CLI・コーディングエージェントから使う
公式のワンライナーインストーラで、Codex用の codex-fugu とClaude Code用の claude-fugu が導入できます。
curl -fsSL https://sakana.ai/fugu/install | bash- 新モデル(Ultra v2 / Max)を使う場合は再インストールが必要です。
- 対応OSはUbuntu / macOSが中心で、Windowsは手動設定が必要です。
- Claude Code連携は、Claude Codeがクローズドソースであるため「主に表示上の互換性差異がある」と公式が明記しています。動作しないわけではありませんが、非公式互換という前提で使うべきです。
コーディングエージェントの選択肢全体を検討したい場合は、AIコーディングツールおすすめ比較、Claude Codeの解説、自律実行の挙動についてはClaude Code Auto Modeの解説もあわせてご覧ください。
単体LLM / OpenRouter / Sakana Fugu の違い
「複数モデルを使い分ける」という発想自体は新しくありません。三者の違いを整理します。
観点 | 単体LLM API | OpenRouter等のルーター | Sakana Fugu |
|---|---|---|---|
呼び出し方 | 1モデルを指定 | 自分でモデルを選んで指定 |
|
モデル選択の主体 | 利用者 | 利用者(価格・可用性で振り分け) | Fuguが自動判断 |
協調の仕組み | なし | 基本はルールベースの振り分け | 学習された協調戦略(複数ターン) |
利用者の作業 | プロンプト設計 | モデル選定+プロンプト設計 | プロンプト設計のみ |
透明性 | 高い(使うモデルが明確) | 高い(指定したモデルが動く) | 低い(内部モデルは非公開) |
コスト予測 | しやすい | しやすい | しにくい(内部消費が上乗せ) |
強み | 安価・挙動が読みやすい | 価格最適化・冗長化 | タスクに応じた自動最適化 |
OpenRouterが「どのモデルを使うかを利用者が選ぶ」のに対し、Fuguは「どう協調させるかをモデル自身が判断する」点が本質的な違いです。裏を返せば、振る舞いの再現性や監査性を重視する用途では、単体LLMや自前ルーターのほうが扱いやすい場面があります。エンタープライズ向けのオーケストレーション基盤全般を比較したい場合はMistral Studio Workflowsの解説も参考になります。
オンプレミス・国内完結を要件にするなら、そもそもFuguは候補から外れます。その場合はPLaMo 3.0 Primeや国産LLM 7選の比較、オープンモデルならLLM-jp-4 33Bのほうが要件に合います。
Sakana AIの他プロダクトとの使い分け
Sakana AIはFugu以外にも複数のプロダクトを展開しており、用途によって最適な入口が変わります。
プロダクト | 役割 | 選ぶべき場面 |
|---|---|---|
Sakana Fugu | マルチエージェント・オーケストレーション基盤(汎用API) | タスク種別が多様で、最適モデルを事前に決められないとき |
Sakana Namazu | 日本語特化LLM(従量課金) | 日本語の文章生成・要約が中心の業務 |
Sakana Marlin | Ultra Deep Research(長時間の自律調査) | 市場調査・技術調査を丸ごと任せたいとき |
Sakana Translate | 日英中翻訳(Namazu搭載) | 翻訳ワークフローの自動化 |
Sakana Chat | 無料チャットUI | まず触ってみたいとき、社内での評価 |
日本語主体の業務ならSakana Namazuの解説、深掘り調査が目的ならSakana Marlinの解説、翻訳用途ならSakana AIの翻訳サービス解説のほうが適した選択肢になります。Namazuのベースとなっているモデル系統についてはKimi K2.6の解説も参考になります。
「なんでもFugu」ではなく、目的に合わせて選ぶほうがコスト効率は良くなります。
導入前チェックリスト:セキュリティ・制約・ガバナンス
Fuguは仕組みが特殊なため、企業導入では通常のLLM APIより確認項目が増えます。
項目 | 現状 | 実務上の対応 |
|---|---|---|
EU/EEAでの提供 | 公式が「EU・EEAには提供しない」と明記。GDPR対応作業中 | EU圏でのサービス提供が必要なら本番採用は不可 |
ルーティングの開示 | 「専有情報であり設計上開示しない」と公式が明言 | どこにデータが渡ったか完全には追跡できない前提で扱う |
モデルプールの制御 | 標準FuguはAPIキー単位でプロバイダ/モデルのオプトアウトが可能 | 特定国のモデルを除外したい等の要件は標準Fuguで実装する |
学習利用 | 利用データは性能改善に使われるが、コンソールからいつでもオプトアウト可能 | 導入初日にオプトアウトを有効化し、設定を記録する |
自己ホスティング | オープンウェイト非公開。クラウド依存 | オンプレ要件がある案件では採用不可 |
APIキー管理 | 発行時に1回しか表示されない | シークレットマネージャで管理。ゲートウェイ経由でアクセス制限 |
トークン予算 | 内部消費が上乗せされるため予算が読みにくい | APIバジェットの自動上限を設定する |
Fugu Cyber | 申請審査制。攻撃目的の利用は禁止 | 用途を明確にして申請。人間の専門知識と併用する |
認証(SOC 2等)・SLA | 公開情報では未確認 | 必要な場合は導入前に個別確認する |
Windows対応 | CLIのワンライナーはUbuntu / macOS中心 | Windows環境では手動設定を計画に含める |
とくに実務価値が高いのが、モデルプールへの参加可否を利用者側で制御できる機能です。特定プロバイダにデータを渡したくない、地政学的リスクのあるモデルを外したいといった要件に対する現実的な回答になります。国別の調達リスクという観点では、OpenRouterでの中国製AIモデルのシェア動向や「国産AI」の定義をめぐる議論も参考になります。
日本国内では、経済産業省「AI事業者ガイドライン」やデジタル庁「生成AI調達・利活用ガイドライン」との整合も論点です。権限は読み取り専用を基本とし、本番データへの書き込みには人間の承認ゲートを置く設計が無難です。管理外エージェント(シャドーAI)の防止も含め、AIエージェントのセキュリティ対策ガイドや生成AIのセキュリティ解説の考え方が応用できます。Fugu Cyberのようなセキュリティ特化モデルの位置づけはサイバーセキュリティ業界のAI活用で整理しています。
日本発であることの意味:単一ベンダー依存とBCP

出典: Sakana AI 公式サイト
2026年6月、米政府の輸出管理指令によりAnthropicのClaude Fable 5 / Mythos 5 が一時的に全世界で停止しました。日本のユーザーやクラウド経由の利用も影響を受けています(詳しい経緯はClaude Fable 5・Mythos 5 停止の解説記事にまとめています)。
この事件で「単一ベンダー依存のリスク」が日本企業で一気に現実味を帯び、複数モデルを束ねるFuguがBCP(事業継続)やAI主権の観点で注目される流れができました。Fugu Ultra v2が「Fable 5.1やGPT-6-Astraをプールに含めずに同等以上のスコアを出す」と主張しているのは、まさにこの文脈と噛み合っています。日経新聞も9月11日に「複数モデル連携でAI性能が再び世界最高水準」という文脈で報じており、話題性という意味でも追い風があります。
ただし、過度に期待するのも危険です。
- 複数プロバイダが同時に制限されれば、迂回の効果は限定的
- 内部で使うのは結局のところ海外のフロンティアモデルが中心であり、「国産だからデータが国内に留まる」わけではない
- ルーティングが非開示である以上、どのプロバイダにデータが渡ったかを事後に説明できない
「日本発」という点は運営会社の所在地の話であり、データ主権の担保とは別問題です。訴求としては魅力的ですが、実務では「どこに何が渡るか」を個別に評価する姿勢が必要です。
こんな人におすすめ
- AIコストを圧縮しながら品質を落としたくない開発責任者 — Fugu Maxの出力単価$6はUltraの5分の1で、大量処理のコスト構造を変えられます
- タスク種別が多様で、最適モデルを事前に決められないエンジニア — 用途ごとにモデルを選ぶ手間を丸ごと省けます
- 研究・分析・難問解決で精度を最大化したい人 — Fugu Ultra v2の多段推論が効く領域です
- 既存のOpenAI SDK資産を活かしたい開発者 —
base_urlとmodelの差し替えだけで移行でき、新モデルへの切り替えも1行です - Claude Code / Codex のバックエンドを試しに切り替えたい人 — 公式CLIラッパーが用意されています
- 特定プロバイダへのデータ送信を制御したい企業 — 標準Fuguならプール参加の可否をAPIキー単位で設定できます
- 単一ベンダー依存を減らしたい技術選定者 — 完全な解決策ではないものの、選択肢の分散にはなります
- まず無料で最新のマルチエージェントAIを触ってみたい人 — Sakana Chatで費用ゼロから試せます
おすすめしない人
- コストを正確に予測・固定したい人 — 内部オーケストレーションで見かけ以上のトークンを消費し得るため、予算管理が難しくなります
- 内部で動くモデルを完全に把握・監査したい人 — ルーティングは設計上非公開で、監査証跡としては不十分です
- EU/EEA圏でサービス提供する必要がある企業 — 公式が提供対象外と明記しています
- オンプレミス・閉域網での運用が必須の組織 — オープンウェイトは非公開でクラウド依存です
- 振る舞いの再現性・安定性を最優先する人 — プールが更新されるため、同じ入力でも結果が変わり得ます
- 日本語の文章生成が業務の中心の人 — 日本語特化のNamazuなど、より目的に合った選択肢があります
- Windows環境しかなくCLI前提で使いたい人 — 手動設定の手間が発生します
まとめ
Sakana Fuguは、複数のフロンティアLLMを学習された協調戦略で自動編成し、1つのモデルAPIとして提供する日本発のマルチエージェント基盤です。2026年9月11日の Fugu Ultra v2.0 / Fugu Max 同時発表により、選択の軸が明確に変わりました。
判断のポイントは次の4つです。
- UltraかMaxかを先に決める — 1回の失敗コストが高いタスクはUltra、量が多い定常業務はMax。難所だけUltraの二段構えが現実的
- コストは単価ではなく1タスクあたりの総消費量で見る — Maxの単価はUltraの5分の1だが、内部消費が上乗せされる前提で小規模に実測してから本番投入する
- ベンチマークは「自社選定の指標セットでの自社計測」として読む — SWEFishは内部ベンチ、比較対象の一部はプール未搭載。自社タスクでの検証に勝るものはない
- 制約を先に確認する — EU/EEA非対応、ルーティング非開示、自己ホスティング不可は後から変えられない前提条件
「最適モデルを自分で選ぶ手間を省きたい」「精度とコストのバランスを自動で取りたい」用途には有力な選択肢です。一方で「コストや挙動を厳密にコントロールしたい」用途では、単体LLMのほうが扱いやすいままです。情報の更新が速い領域なので、導入前には必ずSakana AI公式ページで料金・モデルID・対応地域を確認してください。
複数AIを束ねる考え方全般はマルチエージェントAIとは、他ツールとの比較検討は生成AIツールおすすめ比較もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. Fugu Ultra v2とFugu Max、どちらから試すべきですか?
A. 使うタスクの「1件あたりの重要度」で決めてください。成果物を顧客に出す、本番コードの設計を任せるなど失敗コストが高い用途はUltra v2、社内ツールや大量のバッチ処理はMaxが合います。判断に迷う場合は、同じプロンプトを両方に投げて出力とコストを比較するのが最短です。
Q. Fugu Maxに切り替えると品質は落ちますか?
A. 用途次第です。Maxはコスト性能を最優先した設計で、公式は6つのベンチマークで総合最高スコアを主張していますが、複雑な多段タスクの上限性能を狙う設計ではありません。Maxはコスト性能の効率、Ultraは到達できる能力の上限を追う、という役割分担です。
Q. Fugu Ultra v2で料金は上がりましたか?
A. 従量課金の単価はv1.1と同額(入力$5/出力$30・1Mトークンあたり、272Kトークン超は入力$10/出力$45)です。値上げなしで性能主張が更新された形です。
Q. 月額$200の「Maxプラン」に入れば「Fugu Max」が使えますか?
A. その2つは別物です。Maxプランは利用枠がStandardの20倍になる月額サブスクリプション、Fugu Maxはコスト性能最優先のモデル名です。サブスクリプションでFugu Maxが利用対象に含まれるかは現時点で公式に明記されていないため、コンソールの表示で確認してください。
Q. 内部でどのLLMが使われているか分かりますか?
A. 分かりません。公式FAQで「どのモデルを選びどう協調させるかは専有情報であり、設計上開示しない」と明記されています。標準FuguはAPIキー単位でプロバイダのオプトアウトができるため、機密性の高いデータを扱う場合は許可エージェントを絞る運用が現実解です。
Q. Fugu Ultra v2はClaude Fable 5.1やGPT-6-Astraを内部で呼んでいるのですか?
A. 呼んでいません。公式はこの3モデル(Fable 5 / Fable 5.1 / GPT-6-Astra)をエージェントプールに含めていないと明記しており、それでもベンチマークで上回った点をオーケストレーションの成果として強調しています。ただし、これは比較設計の公平性という論点も生むため、数値は参考値として扱うのが安全です。
Q. Sakana Fuguは無料で使えますか?
A. 無料チャット「Sakana Chat」(chat.sakana.ai)からFuguを試せます。ただしWeb UI経由のみで、APIやCLIから使う場合はサブスクリプション($20/月〜)か従量課金の契約が必要です。無料枠にFugu Max / Ultra v2が含まれるかは公式に明記されていません。
Q. 既存のFuguから新モデルへの移行は大変ですか?
A. API経由なら model パラメータを1行変えるだけです(公式も「No migration. New architecture, same API.」と案内)。ただしCLIラッパー(codex-fugu / claude-fugu)を使っている場合は、新モデルに対応させるため再インストールが必要です。
Q. Fugu Cyberは誰でも使えますか?
A. いいえ。用途と連絡先を申請フォームで提出し、Sakana AIの審査を通過する必要があります。攻撃目的での利用は禁止されており、公式も人間のセキュリティ専門知識との併用を前提としています。料金は個別見積りです。
Q. 思ったより料金が高くなることはありますか?
A. あり得ます。オーケストレーションで内部的に複数モデルが動くため、単純なクエリでも数千〜1万トークン規模を消費した検証報告があります。ただし公式は「モデル料金を積み上げ課金しない」と明記しているため、単価が何倍にもなるわけではありません。膨らむのは消費トークン量です。API利用時はゲートウェイでトークン予算の上限を設定するのが安全です。
Q. EU以外なら問題なく使えますか?
A. EU/EEA以外の地域では利用が想定されており、日本国内は対象です。ただし現地規制やネットワーク事情で利用できない地域もあるとされているため、海外拠点を含む展開では公式で対象地域を確認してください。
Q. 「フグ(Fugu)」という名前の由来は?
A. Sakana AI(サカナ)は魚にちなんだ製品名を採用しており、Fugu(フグ)、Namazu(ナマズ)、Marlin(カジキ)などが揃っています。技術的な意味付けというより、同社のブランド世界観に沿った命名です。
要件が固まっていない段階からご相談いただけます(初回相談無料)
開発について相談するこの記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。
最新記事

AI導入ロードマップ|1年目にやること・費用・自動化からシステム化までの順番【2026年9月最新】
2026/09/21

AIエージェントに月10万円で任せられる業務量は?処理量と料金の関係を件数で試算【2026年9月最新】
2026/09/21

AI導入の相談タイミングはいつ?|要件が固まる前に相談する利点と段階別の費用【2026年9月最新】
2026/09/21

自動化候補の洗い出し方|「毎月同じ作業」を見つける4ステップと合格ライン【2026年9月最新】
2026/09/20

業務自動化と受託開発はどちらを選ぶべきか|5つの質問で分かる判断フロー【2026年9月最新】
2026/09/20

生成AIのAPI利用料を削減する方法|膨らむ原因と設計での抑え方【2026年9月最新】
2026/09/20

