ビジネス活用2026年9月更新

業務システム開発の費用相場|規模別の実額と5年総額の見方【2026年9月最新】

公開日: 2026/09/10
業務システム開発の費用相場|規模別の実額と5年総額の見方【2026年9月最新】

この記事のポイント

業務システム開発の費用相場は小規模50万〜300万円、中規模300万〜1,000万円、大規模1,000万円以上。保守を含む5年総額の考え方、見積書に載らない費用、予算帯別にできることを実額で解説します。

業務システム開発の費用相場は、小規模で50万〜300万円、中規模で300万〜1,000万円、大規模で1,000万円以上です。ただしこれは初期費用だけの話で、保守費(年間で開発費の10〜20%)を含めた5年総額では、初期費用の1.5〜2倍になります。

稟議書に書くべき数字は、この5年総額のほうです。この記事では、規模別の実額と内訳、見積書に載っていない8つの費用、そして「そもそも作らない」場合の実額(kintoneなら20名で年43.2万円・税別)まで並べて、自社の予算でどこまでできるのかを判断できる形にします。当社の価格は、小規模改修30万円〜、PoC 300万円〜、本開発は個別見積(すべて税別)です。

業務システム開発の費用相場【規模別の早見表】

業務システム開発の費用相場を規模別に示すイメージ図(電卓と3段階の棒グラフ)

複数の開発会社が公開している相場を突き合わせると、規模の区切りと金額はおおむね一致します。最大公約数をまとめたのが下の表です。

規模

初期費用

期間の目安

中身の例

小規模

50万〜300万円

1〜3ヶ月

1業務・1部門向け。画面数が少なく、つなぐシステムが0〜1本

中規模

300万〜1,000万円

3〜6ヶ月

複数部門で使う。既存システムとの連携が2〜3本

大規模

1,000万〜5,000万円

6ヶ月〜1年

基幹業務に関わる。部門横断・権限管理・監査対応が必要

超大規模

5,000万円〜

1年以上

全社の基幹システム刷新

期間については、要件定義から本番稼働までを1〜2年と見込む会社もあり、中規模以上は表より長くなる前提で考えたほうが安全です。

「平均」で相場を読むと予算を間違える

ここで注意が必要なのは、相場を平均値で理解しないことです。実際の受発注データに基づく公表値では、次のようになっています。

種別

平均

中央値

最も多い価格帯

基幹システム

約542万円

約321万円

100万〜299万円(37%)

業務支援システム

約361万円

約184万円

100万〜299万円(35%)

Webシステム

約389万円

約203万円

100万〜299万円(37%)

平均542万円に対して中央値は321万円。1.7倍の開きがあります。これは、少数の大型案件が平均を引き上げているためです。実際に最も多く成立している価格帯は100万〜299万円で、全体の3分の1超を占めます。

つまり、「基幹システムの相場は約542万円」という数字を根拠に予算を組むと、実態より高く見積もることになります。逆に、この帯の案件が多いということは、300万円以下でも成立している業務システムは相当数あるということです。なお、この公表値は母数と取得期間が明示されていないため、目安として扱ってください。

なぜ会社によって見積金額が数倍も違うのか

ソフトウェア開発分析データ集を公開していた独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のロゴ

出典: 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 公式サイト

3社から見積を取って、100万円・400万円・900万円と返ってきた。よくある話です。理由は3つあります。

理由1:公的な相場統計が、いま存在しない

かつてIPA(情報処理推進機構)が「ソフトウェア開発分析データ集」として、数千件規模のプロジェクトの工数・工期データを公開していました。しかしこのデータ集は2022年版が最後で、事業は終了しており、今後の発行予定もありません

つまり2026年時点で、業務システム開発の工数や単価を照合できる公的なデータは存在しません。各社が「相場は◯◯万円です」と書いている数字は、すべて自社の受注実績や体感に基づくものです。数字が食い違うのは当然で、どれか1社の相場表を正解として扱うことはできません。

なお、経済産業省とIPAが公表しているIT関連産業の給与調査(コンサルタント928.5万円、プロジェクトマネージャー891.5万円など)はありますが、これは年収であって人月単価ではありません。この2つを混同した説明を見かけますが、別物です。

理由2:発注先によって人月単価が2〜4倍違う

業務システムの見積は、ほぼ例外なく次の式で作られています。

人月単価 × 必要工数(人月) + 付帯費用

人月単価は、各社が公開している範囲では次のとおりです。

発注先

人月単価の目安

フリーランス

50万〜80万円

中小の開発会社

70万〜120万円

大手システムインテグレーター

120万〜200万円

担当する人の役割でも変わります。プロジェクトマネージャーは100万〜150万円、設計を担うアーキテクトは100万〜140万円、経験の浅いエンジニアは40万〜70万円といったレンジです。一般的な目安としては1人月あたり60万〜100万円前後で、複数の会社の公開値がここに収まります。

同じ「5人月」の案件でも、フリーランスなら250万〜400万円、大手なら600万〜1,000万円。作るものが同じでも、誰が作るかで倍以上変わります。

理由3:見積もった「工数」の前提がそろっていない

同じ資料を渡していても、A社は「既存システムとの連携は自社でCSV出力してもらう前提」、B社は「連携の仕組みまで作る前提」で計算していることがあります。この差だけで数百万円動きます。相見積を取るときは、次章と「見積書に載らない費用」の項目について、含む/含まないを各社に明記させてください。これをやらない比較は、金額を並べても意味がありません。

費用の内訳|何にいくら払っているのか

業務システム開発の見積のうち、人件費が総額の60〜70%を占めます。これは複数の開発会社の公開値でほぼ一致しています。残りの30〜40%が、環境構築費、ソフトウェアのライセンス費、外部から調達する部品の費用、必要な場合のハードウェア、そして運用保守の初期分です。

費目

総額に占める割合

中身

人件費

60〜70%

要件定義・設計・実装・テスト・移行に関わる人の工数

うち要件定義

全体の20〜25%

業務のヒアリング、仕様の確定、画面と項目の定義

環境構築・ライセンス

残り30〜40%に含む

サーバー、クラウド、データベース、開発ツールの利用料

外部部品・ハードウェア

同上

決済・地図・帳票などの外部サービス、必要な機器

注目すべきは要件定義が全体の20〜25%を占めるという点です。1,000万円の案件なら200万〜250万円が、1行もプログラムを書かない工程に使われます。

高いと感じるかもしれませんが、ここを削ると後で必ず高くつきます。要件定義書に書かれていない機能は、後から「当初の仕様に含まれない」と判断される余地が生まれ、追加請求の対象になります。要件定義が曖昧なまま進んだ案件は、発注側が構造的に不利になります。

見積書に載らない費用が、実は総額を押し上げる

ここが、業務システムの予算を組むときに最も見落とされる部分です。以下は見積書に金額として現れないか、「別途」と書かれて素通りされやすい費用です。

見えにくい費用

実際に起きること

発注側の社内工数

要件のヒアリング対応、業務の棚卸し、テストでの実データ確認、受入検収。担当者が本業と兼務で月20〜40時間取られるのが典型

データ移行

既存のExcel・紙台帳・旧システムからの移行。表記ゆれ・重複・欠損の名寄せが最も工数を食う。見積では「別途」にされやすい

既存システムとの連携

外部連携の窓口がない基幹システムや会計ソフトが相手だと、連携方式の調査だけで数週間

本番移行と並行稼働

旧システムと新システムを一定期間並行で回す。現場に二重入力が発生する

教育・定着

マニュアル作成、説明会、初期の問い合わせ対応。現場が使わなければ投資はゼロと同じ

追加要件の対応

要件定義書に書かれていなかった機能の追加、書かれていた機能の変更

従量課金

AI機能やクラウドサービスを使う場合の月次変動費。初期費用の欄には出てこない

保守・運用費

開発費の年10〜20%。5年で開発費の50〜100%が上乗せされる

とくに1行目の社内工数は、どの見積書にも載りません。担当者1名が月30時間を6ヶ月取られるとすれば180時間、時給3,000円換算で54万円分の人件費が、見積の外側で消えています。この分を最初から見込んでおかないと、「開発は予算内だったのに、現場が回らなくなった」という結果になります。

見積書に必ず明記させるべき5項目

追加請求のトラブルは、契約前の5分で大半が防げます。次の5点が書かれているかを確認してください。

  1. 工程別の内訳があるか(要件定義・設計・実装・テスト・移行がそれぞれいくらか)
  2. 機能・画面数が明示されているか(「管理機能一式」ではなく画面単位で)
  3. テスト費とデータ移行費が含まれるか(含まないなら、その分の概算をもらう)
  4. 保守・運用の月額が別記されているか(年額でなく月額で、対応範囲つきで)
  5. 要件変更が発生したときの単価・条件が明示されているか

5番目が最重要で、そして最も書かれていません。「変更が発生したとき、誰が申請し、誰が承認し、いくらで、納期はどう動くか」を1枚の文書にしておいてください。開発中は変更管理票と課題管理一覧表を作り、追加作業のやり取りを議事録として残します。これだけで、後から金額を巡って揉める確率は大きく下がります。

「そもそも作らない」場合の費用と比べる

業務システムの代替として検討されるkintone(サイボウズ)のロゴ

出典: kintone 公式サイト

業務システムをゼロから開発する前に、比べるべき選択肢が3つあります。ここは中立に、実額で並べます。なお「SaaS」は月額料金で使う既製のクラウドサービス、「ノーコード/ローコード」はプログラムを書かずに画面や入力項目を組み立てられるツールのことです。

実現方法

初期費用

ランニング

適した場面

既製のSaaSをそのまま使う

0〜10万円

ユーザー数課金

業務が一般的で、業務側をサービスに合わせられる

ノーコード/ローコードで作る

10万〜80万円

月1万〜5万円

項目や画面が自社独自だが、処理はシンプル

パッケージ+カスタマイズ

50万〜300万円

保守別途

業界向けの製品があり、一部だけ自社仕様にしたい

ゼロから開発(フルスクラッチ)

300万円〜

保守別途

独自の業務フローが競争力の源泉、または既存システムとの複雑な連携が必要

SaaSの実額:kintoneの場合

具体的な数字がないと比較になりません。業務システムの代替としてよく検討されるkintone(サイボウズ)の価格は、2026年9月時点で次のとおりです(すべて税別)。

コース

月額/1ユーザー

年額/1ユーザー

最小契約

ライト

1,000円

12,000円

10ユーザー

スタンダード

1,800円

21,600円

10ユーザー

ワイド

3,000円

36,000円

1,000ユーザー

初期費用は無料、1ヶ月から契約できます。20名でスタンダードを使うと年43.2万円(税別)、5年で216万円です。

5年総額で並べると判断が変わる

初期費用だけで比べると、SaaSやノーコードが圧倒的に安く見えます。しかし業務システムは5年以上使うものなので、5年総額で並べるべきです。

選択肢

初期

年間ランニング

5年総額の目安

SaaSをそのまま使う(20名)

0〜10万円

43.2万円

約216万〜226万円

ノーコードで作る

10万〜80万円

12万〜60万円

70万〜380万円

パッケージ+カスタマイズ

50万〜300万円

開発費の10〜20%=5万〜60万円

75万〜600万円

ゼロから開発(小規模)

50万〜300万円

5万〜60万円

75万〜600万円

ゼロから開発(中規模)

300万〜1,000万円

30万〜200万円

450万〜2,000万円

保守費率は開発会社によって年10〜15%、年15〜20%と幅がありますが、年10〜20%=5年で開発費の50〜100%が上乗せと見ておけば大きく外しません。500万円で開発したなら、保守は月4万〜8万円程度が目安です。

この表を見ると、SaaSの5年216万円と、小規模でゼロから作る場合の5年75万〜600万円は、実は重なる帯にいます。「作るのは高い、既製品は安い」と単純には言い切れません。ユーザー数が多い(=SaaSの課金が積み上がる)、業務が独自で既製品に合わせられない、既存システムとの連携が必要、という条件が重なるほど、作ったほうが5年総額で有利になります。

予算帯から逆算する|100万・300万・1,000万で何ができるか

「相場は分かったが、うちの予算だと何ができるのか」に直接答えます。

予算100万円

ゼロから一式作るのは困難ですが、既存システムの部分改修とノーコードでの構築なら十分に射程内です。詰まっている作業を1つに絞り、そこだけを直す進め方になります。例えば、システムAから出したデータをシステムBの形式に変換して取り込む、毎月の集計を自動化する、といった範囲です。当社の小規模改修は30万円〜で、この帯に該当します。

やってはいけないのは、100万円で「全社の業務システム」を作ろうとすることです。要件定義だけで消えます。

予算300万円

小規模でゼロから作る場合の上限であり、中規模の入口です。実際の受発注データで最も多い価格帯(100万〜299万円)のすぐ上にあたるため、業務システム1本を成立させる現実的な水準です。1部門で使う、画面数が10前後、つなぐ既存システムが1〜2本、というイメージになります。当社の場合、この帯はPoC(試作して効果を確かめる段階)1本に相当します。

予算1,000万円

中規模の上限で、複数部門にまたがる業務システムが射程に入ります。この規模では要件定義に200万〜250万円を使う前提で計画してください。ここを削って実装に回すと、まず失敗します。加えて、保守が年100万〜200万円かかることを、初年度の稟議の時点で経営層に共有しておく必要があります。

2026年に変わったこと:小規模開発の下限が下がっている

従来は「300万円未満ならパッケージかノーコードしか選べない」というのが常識でした。これが2026年に崩れつつあります。

コーディングを支援するAIツールの普及で実装工程の生産性が上がり、小規模でゼロから作る場合の下限が下がっているためです。実際、「AIを活用して一から作るなら50万円〜」と公開している開発会社も出てきています。一方で、AIを使った仕組みの設計や、その運用コストを管理できる経験豊富なエンジニアの単価は上昇しています。単価が下がっている層と上がっている層が同時に存在する、というのが2026年の状況です。

発注側にとっての意味は明快です。数年前に「予算が合わない」と諦めた小規模なシステム化が、いま見積を取り直すと通る可能性がある、ということです。

費用の目安|当社の場合、相場のどこに位置するか

ここまで中立の相場を示してきたので、当社の価格も同じ表に並べます。すべて税別です。

当社のメニュー

費用

相場での位置

該当する案件

小規模改修

30万円〜

小規模帯(50万〜300万円)の下限より下

既存システムの部分改修、データ変換、集計の自動化

PoC(試作して効果を確かめる)

300万円〜

小規模の上限〜中規模の入口

効果が読めない業務を、1部門・1業務で先に検証する

本開発

個別見積

中規模〜(300万円〜)

要件が固まった後の本格開発

小規模改修を30万円〜に設定しているのは、前章で書いた「小規模開発の下限が下がっている」構造をそのまま価格に反映しているためです。いきなり数百万円の本開発を提案するより、詰まっている1箇所を30万円台で直したほうが、投資対効果が出やすい案件は実際に多くあります。

初回相談は無料で、要件が固まっていない段階からご相談いただけます。「何をどう作ればいいか分からない」「見積を3社から取ったが、金額の差が説明できない」という段階が、むしろ最も相談していただきたいタイミングです。詳しくは受託開発サービスの費用と進め方をご覧ください。

なお、AIを組み込むタイプの開発費についてはAI受託開発の費用相場で、PoCの費用の考え方はAI PoCの費用で個別に解説しています。

実際にやった事例|業務システム側で何が起きたか

守秘の関係で社名は出せませんが、当社が担当した案件を3つ、課題・作ったもの・変わったことの順で紹介します。業務システム開発で費用が動きやすい「データ移行」「既存システムとの連携」「現場定着」の観点で書きます。

調剤薬局のケース(小規模改修・30万円台〜の帯)

課題は、同じ情報を複数のシステムに入力し直していたことでした。1つのシステムに入力した内容を別の管理表へ手で転記する作業が毎日発生し、繁忙期には転記漏れも起きていました。作ったものは、片方のシステムから出力したデータを整形し、もう一方の形式に変換して取り込む仕組みです。

この案件で実際に工数を食ったのは、プログラムではなく過去データの名寄せでした。同じ取引先が複数の表記で登録されており、そのままでは自動処理が通りません。ここを先に整理したうえで仕組みを載せています。全社的な刷新ではなく、詰まっている1箇所だけを対象にしたため、部門長の決裁で通る規模に収まりました。

医療機関のケース(PoC・300万円〜の帯)

課題は、蓄積されている文書や記録は多いのに、必要な情報を探すのに時間がかかっていたことでした。作ったものは、手元の資料をAIに読ませ、質問すると根拠となる箇所を示しながら答える仕組みです。

ここで最初に確認したのは、既存システムからデータを取り出せるかどうかでした。外部連携の窓口がないシステムが相手の場合、取り出し方の調査だけで数週間かかることがあります。この調査を要件定義の中で先に済ませたため、後から「連携できないので追加費用が必要」という事態を避けられました。 また、開始前に「どの質問に、どの水準で答えられたら合格とするか」を文書で決めていたため、拡大するかどうかの判断が短期間で済んでいます。

インフラ企業のケース(本開発・個別見積の帯)

課題は、複数のシステムにまたがるデータを人が突き合わせて確認していたことでした。件数が多く、月末に負荷が集中していました。作ったものは、システム間のデータを自動で照合し、食い違いがある分だけを人に回す仕組みです。

この規模で必ず発生するのが並行稼働です。旧来のやり方と新しい仕組みを一定期間並行で回し、結果が一致することを確認してから切り替えます。この期間は現場に一時的な負荷がかかるため、いつ終わるかを事前に決めて共有しました。全件を人が見る運用から例外だけを人が見る運用に変わり、確認作業の総量が減っただけでなく、月末に集中していた負荷が平準化されています。

補助金は使えるのか|正直な話

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の公式サイトロゴ

出典: デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金) 公式サイト

費用を抑える手段として補助金を検討する方は多いので、現時点の実数値を書きます。

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)通常枠(2026年9月11日時点・公式サイトで確認)

項目

内容

補助率

1/2以内(一定の要件を満たす場合は2/3以内)

補助額

1プロセス以上:5万円以上150万円未満/4プロセス以上:150万〜450万円

対象経費(必須)

ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)

対象経費(任意)

機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ対策、導入コンサルティング、設定・研修、保守サポート

次回締切

2026年9月29日(火)17:00

交付決定

2026年11月9日(月)(予定)

事業実施期間

交付決定後〜2027年4月30日(金)17:00(予定)

補助率2/3が適用されるのは、令和6年10月から令和7年9月までの間に3ヶ月以上、令和7年度に改定された地域別最低賃金を下回る水準で雇用している従業員が全従業員の30%以上いる場合などです。

ここからが重要です。この補助金の対象は「IT導入支援事業者が登録したITツール」であり、ゼロから作る受託開発は原則として対象外です。

「補助金が使えます」とだけ書いてある記事は多いのですが、対象範囲まで書いてあるものはほとんどありません。既製のSaaSやパッケージを導入する場合は使えます。自社専用のシステムをゼロから作る場合は、この制度では通りません。他の制度を含めて検討する必要があります。

スケジュール面も押さえておいてください。申請の締切から交付決定までが約6週間(9月29日締切→11月9日交付決定予定)、事業を完了させる期限が2027年4月30日です。一方で、交付決定から入金までの具体的な期間は公式サイトに明示されていません。補助金は原則として事業完了後、実績報告と確定検査を経ての入金となるため、いったんは全額を自社で立て替える資金繰りが必要だと考えておいてください。

なお、公式サイトは確定した募集回のスケジュールのみを公表しており、この回より後の締切日は本記事執筆時点(2026年9月11日)で未発表です。制度の内容と締切は頻繁に変わるため、申請前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

相談から稼働までの流れと期間

段階

期間の目安

発注側でやること

初回相談(無料)

1回・60分程度

困っている業務と、月にかかっている時間を話す

概算見積・進め方の提示

1〜2週間

対象業務を1つに絞る

要件定義

1〜2ヶ月

業務の棚卸し、データの所在確認、判断ルールの明文化

開発

小規模1〜3ヶ月/中規模3〜6ヶ月

中間確認、テストへの参加

データ移行・並行稼働

2〜8週間

移行データの中身の確認、結果の突き合わせ

本番移行・現場教育

2〜4週間

現場への周知、運用ルールの決定

運用・保守

継続

使われ方の共有、改善要望の集約

止まりやすいのは要件定義です。技術的な難しさではなく、発注側の社内で「対象業務が絞れない」「データがどこにあるか分からない」ために着手できない、という理由がほとんどです。

準備が済んでいない状態でも構いません。その整理から一緒に行う前提でお受けしています。まずは受託開発の無料相談からお問い合わせください。発注先の決め方については開発会社の選び方、複数社の見積を比べる方法は開発の見積もり比較でも解説しています。

よくある質問

Q1. 1社だけ見積が極端に安いのですが、何を疑えばよいですか。

まず「何が含まれていないか」を確認してください。安い見積で抜けていることが多いのは、①テスト工程、②データ移行、③既存システムとの連携部分、④要件定義の工数、の4つです。とくに④が抜けていると、着手後に「要件定義は別途100万円です」という話になります。次に、担当する人の構成を聞いてください。人月単価は中小の開発会社で70万〜120万円が目安なので、それを大きく下回る見積は、経験の浅いエンジニアだけで進める前提か、実装をさらに外注する前提のどちらかです。悪いことではありませんが、品質と後の保守に影響します。最後に、保守費が年10〜20%の範囲に収まっているかを見てください。初期を安く見せて保守で回収する構造の場合、5年総額では逆転します。

Q2. 保守契約は必ず結ばないといけませんか。結ばないとどうなりますか。

法律上の義務ではありませんが、結ばない場合に何が起きるかを理解したうえで判断してください。保守契約がないと、①障害が起きたときに対応の優先順位が下がるか、都度見積になる、②OSやブラウザ、連携先サービスの仕様変更でシステムが動かなくなったとき、修正が自己負担になる、③担当していたエンジニアが離れ、次に依頼するときにプログラムを読み直す工数が発生する、という3点が起こります。年10〜20%が高いと感じる場合は、対応範囲を絞った契約(障害対応のみで機能追加は都度見積、など)に切り替えられないか相談してください。「保守を外す」ではなく「保守の範囲を選ぶ」交渉のほうが現実的です。

Q3. いまExcelで回している業務を、いきなりシステム化すべきでしょうか。

いきなりゼロから作るのはおすすめしません。判断の順番は、①その業務に月何時間かかっているかを実測する、②Excelの運用で困っているのが「入力の手間」なのか「複数人での同時編集」なのか「集計の手間」なのかを特定する、③その1点だけをノーコードや部分改修で解決できないか試す、という流れです。同時編集で困っているだけならSaaSで解決しますし、集計の手間だけなら30万円台の改修で済むことがあります。Excelで回せているという事実は、業務のルールがすでに固まっている証拠でもあります。 これはシステム化にとって有利な条件なので、慌てずに対象を絞ってください。

Q4. 開発が始まってから予算が足りないと分かりました。どこから削るのが正しいですか。

削ってよい順番があります。優先度が高く残すべきものは、①データの正しさを守る仕組み(入力チェック、権限管理)、②既存システムとの連携、③現場が毎日使う画面、です。逆に削りやすいのは、④管理者向けの集計・分析画面、⑤一部の例外パターンへの対応、⑥デザインの作り込み、です。④は当面Excelへの出力で代替でき、⑤は当面は手作業での対応を残しておけます。絶対に削ってはいけないのはテストとデータ移行です。 ここを削ると、稼働後に現場が使えず、結局作り直しになります。削る判断をする前に、対象範囲を半分にして第1段階として稼働させ、残りを次年度に回せないかも検討してください。

Q5. 開発会社を途中で変えることはできますか。作ったプログラムは誰のものになりますか。

契約時の取り決め次第です。変更の可能性を残しておきたい場合、契約前に3点を確認してください。①プログラムの著作権が発注側に譲渡されるか、使用を許諾されるだけか、②設計書・運用手順書が納品物に含まれるか、③使っているクラウドや外部サービスのアカウントが自社名義か受注側名義か。とくに③は見落とされやすく、受注側の名義のままだと、契約が終わった瞬間にシステムが止まります。納品物の一覧に「プログラム一式」「設計書」「運用手順書」が明記されているかを、見積の段階で確認してください。開発途中での変更は可能ですが、引き継ぎの調査だけで数十万円規模の工数がかかるのが実情です。

Q6. 見積を依頼する前に、社内で何を決めておけば金額が下がりますか。

4点あります。①対象業務を1つに絞る(複数を同時に相談すると要件定義費が跳ね上がります)、②つなぐ既存システムの名前と、データの出し入れの方法を書き出す(CSVで出力できるか、外部連携の窓口があるか)、③扱うデータの種類・形式・件数を棚卸しする(Excel何ファイル、紙何年分、旧システム何件)、④使う人数と、それぞれが何をするかを決める。この4点が揃っていると、開発会社は安全側に大きく積む必要がなくなり、見積の精度が上がります。逆にこれがないと、各社が違う前提で計算するため、金額を比べても判断できません。この整理の段階からご相談いただいても構いません。

業務システムの開発費用でお悩みの方へ

業務システム開発の費用相場は、小規模50万〜300万円、中規模300万〜1,000万円、大規模1,000万円以上です。保守を含む5年総額では初期費用の1.5〜2倍になり、最も見落とされるのは見積書に載らない発注側の社内工数(月20〜40時間)とデータ移行の費用です。

  • 3社から見積を取ったが、金額が数倍違う理由が説明できない
  • 予算が数百万円しかなく、この金額で何ができるのか分からない
  • 既製のサービスで足りるのか、作るべきなのかを判断できない

このいずれかに当てはまるなら、初回相談は無料です。当社の価格は小規模改修30万円〜、PoC 300万円〜、本開発は個別見積(すべて税別)。医療機関・調剤薬局・インフラ企業での実績があり、要件が固まっていない段階からご相談いただけます。

ご相談時に①困っている業務、②その業務に月何時間かかっているか、③いま使っているシステム名、④想定予算、の4点をお聞かせいただければ、概算の費用レンジと、作るべきか既製品で足りるかをその場でお伝えします。既製のサービスで足りると判断した場合は、その旨を正直に申し上げます。

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