ビジネス活用2026年9月更新

MVP開発の費用はいくら?AIで作る場合の相場と期間【2026年9月最新】

公開日: 2026/09/20
MVP開発の費用はいくら?AIで作る場合の相場と期間【2026年9月最新】

この記事のポイント

MVP開発の費用相場を、ノーコード30万円からスマホアプリ900万円まで作り方別に整理。AIで安くなる工程とならない工程、見積書に載らない社内工数や作り直し費用まで、発注前に押さえるべき数字をまとめました。

MVP開発の費用は、検証したいことの範囲しだいで30万円から1,000万円超まで開きます。AIを使うと画面づくりと実装は大きく縮みますが、「何を検証するか決める」「既存システムとつなぐ」「できたものを確かめる」工程は縮まないため、「AIで作るので3分の1」という見積もりは、内訳を見ずに信じてはいけません。

当社(AI革命)の実価格は、検証用のPoC開発が300万円〜、既存システムの小規模改修が30万円〜、本開発は個別見積(すべて税別・クラウド利用料とAPI利用料は別途)です。この記事では、まず市場全体の相場を中立的に整理し、そのうえで「どこにお金がかかり、どこはかけなくていいのか」を工程単位で分解します。


MVP開発の費用が読めない本当の理由

「最小限」の解釈が、発注側と開発会社でずれている

MVP(Minimum Viable Product=仮説を検証できる最小限の製品)という言葉は共通でも、中身の解釈は驚くほどずれます。

  • 発注側の「最小限」=画面がひととおり動いて、社外の人に見せられる状態
  • 開発会社の「最小限」=検証したい1点だけが動けばよく、ログイン画面すらない状態

この差は、そのまま見積金額の差になります。相見積もりを取ったとき、A社200万円・B社700万円という開きが出る原因のほとんどは技術力の差ではなく、この「最小限」の線引きが揃っていないことです。

費用を決める4つの分岐

MVPの金額は、次の4つでほぼ決まります。発注前にこの4つだけ自社で決めておくと、見積もりのブレが一気に小さくなります。

分岐

安く済む側

高くなる側

影響度

検証したい仮説はいくつあるか

1つに絞る

3つ以上を同時に検証

最大

実データを使うか

ダミーデータで動かす

本番データを取り込む

誰に見せるか

社内の数名だけ

社外の顧客に公開する

既存システムとつなぐか

つながない(単独で動く)

基幹システム・外部サービスと連携

とくに4つ目の「既存システムとつなぐか」は、相手先の仕様確認や接続テストの日程がこちらの都合で決められないため、費用よりも期間のブレが大きくなる項目です。

「うちはどの分岐に当てはまるのか分からない」という段階でも問題ありません。むしろ、その整理自体を一緒にやるほうが最終的な金額は下がります。


MVP開発の費用相場|作り方別・プロダクト別

作り方別のMVP開発費用の違いと、検証する画面数の規模感を表したイメージ

作り方別の相場

以下は、開発会社各社が自社サイトで公開している目安を並べたものです(一次調査の統計値ではなく、公開情報の幅としてご覧ください)。

作り方

費用の目安

期間の目安

適したケース

ノーコード(個人に依頼)

10万〜50万円

数日〜数週間

画面を見せて反応を見たいだけ

ノーコード(会社に依頼)

30万〜150万円

2〜4週間

社内業務の試作、申込フォーム系

AIを使った開発が中心

150万〜500万円

1〜3ヶ月

ゼロから作る新規サービスの検証

フルスクラッチ/小規模Webアプリ(既製品を使わず一から作る)

150万〜300万円

1〜2ヶ月

独自ロジックがあり、後々拡張する

フルスクラッチ/中規模

300万〜600万円

2〜4ヶ月

複数の利用者区分・権限がある

本格的なBtoB SaaS

600万〜1,200万円

4〜6ヶ月

課金・契約管理まで含む

スマホアプリ(iOS/Android両方)

500万〜900万円

3〜5ヶ月

アプリでないと成立しない仮説

人の単価で見ると、各社が公開している値では月60万〜130万円のレンジ(プログラマーで月60万〜70万円、プロジェクト管理者で月70万〜130万円程度)に収まります。「3人で2ヶ月」なら、単純計算で360万〜780万円という幅になります。見積書に人月が書かれている場合は、この単価×人数×月数が妥当かを見てください。

プロダクト種別で考える、最初に決めるべきこと

作りたいもの

現実的な初期予算

最初に決めること

社内で使う検証ツール

30万〜150万円

誰の、どの作業を置き換えるか

顧客に見せるWebサービス

150万〜500万円

何人に使ってもらえたら成功なのか

業務システムに組み込む機能

300万〜800万円

既存システム側を触る必要があるか

既存システムの一部改修

30万〜200万円

今のソースコードと設計資料があるか

当社の場合の実価格

当社の場合は次のとおりです(すべて税別。クラウド利用料・API利用料は別途かかります)。

メニュー

価格

内容

PoC(検証用の試作開発)

300万円〜

仮説を1つに絞り、動くものを作って効果を測るところまで

小規模改修

30万円〜

既存システムへの機能追加・部分的な自動化

本開発

個別見積

PoCの結果を踏まえて、本番運用に耐える形へ

初回のご相談は無料で、要件が固まっていない状態でも相談できます。「そもそもMVPを作るべきか」「300万円で何ができて何ができないか」といった段階のご相談が実際にもっとも多いです。金額の前提や進め方は受託開発サービスのページにまとめています。

開発費用の全体像はAI受託開発の費用相場、検証フェーズだけの費用はAI PoC開発の費用でも解説しています。


AIで安くなる工程・安くならない工程

MVP開発の実装工程で使われるAIコーディングツールClaudeのロゴ

出典: Claude Code 公式サイト

「AIで開発費が3分の1になる」という説明を見たことがあるかもしれません。これは半分だけ正しく、工程によって効き方がまったく違います

工程

AIで縮むか

理由

検証する仮説の決定・範囲の確定

縮まない

人間の意思決定。ここを飛ばすと後で作り直しになる

要件整理・画面設計

一部縮む

たたき台は素早く作れるが、社内調整の日程が律速になる

画面デザイン

大きく縮む

初稿をAIで生成し、手直しする進め方が定着している

実装(画面の裏側の処理)

最も縮む

従来もっとも工数がかかっていた部分

外部システムとの連携

縮まない

相手先の仕様確認・接続テスト待ちが発生する

権限設計・セキュリティ対応(誰がどの情報を見られるかの設計)

ほとんど縮まない

社外に出すかどうかで工数が跳ね上がる

テスト・受け入れ確認

むしろ増えることがある

AIが書いたコードを人が確かめる時間が必要

公開・運用準備

一部縮む

監視やバックアップの設定は定型化できる

公開されている調査が示していること

Google Cloudの開発組織調査「DORA」(2025年)では、技術職の90%が職場でAIを使い、80%超が生産性の向上を実感している一方で、AIの活用度が高い組織ほど「リリースの速さ」と「リリースの不安定さ」が同時に上がるという結果が報告されています。同調査は開発者の30%がAIの生成したコードをほとんど、またはまったく信頼していないとも述べており、「AIは増幅器であり、土台が弱い組織では弱さも増幅される」と結論づけています。

さらに、米国の研究機関METRが2025年に実施した比較実験(同じ作業をAIありの群とAIなしの群にくじ引きで割り振り、所要時間を実測する方式)では、経験豊富な開発者16名が246件の作業を行ったところ、AIの利用が許可された場合のほうが完了まで19%長くかかりました。事前予測は「24%速くなる」、作業後の自己評価も「20%速くなった」だったのに、実測は逆だったという点が重要です。

ただし、この研究の対象は開発者自身が熟知している、長年運用されてきた大規模なソフトウェアでした。MVPのようにゼロから新しく作る場合とは条件が違います。

ここから導かれる、実務上の線引き

  • ゼロから新規に作るMVPは、AIの効果が出やすい(既存のしがらみがなく、実装と画面生成が丸ごと縮む)
  • 既存の大きなシステムに手を入れる案件は、AIの効果が出にくい(仕様の読み解きと影響範囲の確認が支配的になる)

したがって、見積書に「AI活用により費用圧縮」と書かれていたら、どの工程が何割縮む前提なのかを必ず質問してください。実装だけが縮むなら、全体の圧縮率は3分の1ではなく2〜3割程度が現実的な線です。期間の考え方はAI開発にかかる期間の目安も参考にしてください。


見積書には載らない費用

見積書に含まれないことが多い開発ツール利用料の例であるCursorのロゴ

出典: Cursor 公式サイト

MVPの総額を見誤る原因は、見積書の外側にあります。

1. 発注側の社内工数

開発会社の見積書には、自社の担当者が使う時間が入っていません。実務では、意思決定・資料や素材の提供・現場へのヒアリング調整・社内説明で、担当者1名あたり月10〜20時間が発生します。

担当者1名が月15時間を使うとします。時給3,000円換算で月4.5万円、3ヶ月のプロジェクトなら約13.5万円。これが見積書に載らないコストです。管理職が対応する場合(時給5,000円換算)は月7.5万円、3ヶ月で22.5万円になります。

金額そのものは大きくありませんが、問題は時間が確保できないとプロジェクトが止まることです。決裁者が週1回しか捕まらない体制だと、要件整理だけで1ヶ月溶けます。丸投げが難しい理由は開発会社への丸投げが失敗する理由で詳しく扱っています。

2. MVPの後の「作り直し」費用

ノーコードで30万〜150万円で作ったMVPは、検証としては十分機能します。ただし、利用者が増えたり、独自の処理が必要になったりした段階で作り直しが発生することがあります。

  • ノーコードで作ったものを作り直す場合:150万〜500万円を別途見ておく
  • 仕様変更が途中で入った場合の追加費用:1件あたり10万〜50万円が各社の公開値の相場

つまり、「MVPだけの費用」ではなく「MVP+その後」の総額で予算を考える必要があります。追加費用が発生しやすいポイントはシステム開発で追加費用が発生する場面にまとめています。

3. AI機能を載せる場合の月額

MVPにAI機能そのものを組み込む場合、作って終わりではなく月額が発生します。開発中に使うツールと、公開後のインフラの両方です(価格は2026年9月時点の各社公式サイトの公開値。1ドル=150円換算)。

区分

サービス・プラン

月額

備考

開発用ツール

Claude Pro

$20(約3,000円)

Claude Codeは有料プランに含まれる

開発用ツール

Claude Max

$100〜$200(約1.5万〜3万円)

利用枠の大きいプラン

開発用ツール

Cursor Pro

$20(約3,000円)

Pro+は$60、Ultraは$200

開発用ツール

v0(Vercel)

$30〜$100(約4,500〜1.5万円)

1ユーザーあたり。$20の旧Premiumは新規受付終了

公開用インフラ

Vercel Pro

$20(約3,000円)

商用利用はこのプラン以上

公開用インフラ

Supabase Pro

$25〜(約3,750円〜)

利用量に応じて加算

検証段階のMVPであれば、インフラの月額は$45〜100(約7,000〜1.5万円)程度に収まるケースが多くなります。

ここで一点、見落とされがちな注意点があります。Supabaseの無料プランは1週間アクティビティがないとプロジェクトが一時停止します。社内の練習用なら問題ありませんが、顧客に見せるMVPで無料枠を使うと、見せたいときに落ちているという事故が起きます。顧客デモを含むMVPでは、最初から有料プランを前提に予算を組んでください。

なお、AI機能を実際に動かすためのAPI利用料は使用量に比例するため、上記とは別枠です。公開後の維持費全般はシステムの保守運用費の相場をご覧ください。


そもそも「作らずに検証できないか」を先に考える

もっとも費用を下げる方法は、作らないことです。開発会社としては言いにくい話ですが、検証したいことによっては作る必要がありません。

検証したいこと

作らずに検証する方法

おおよその費用

そもそも需要があるのか

紹介ページ+広告を出して申込数を測る

20万〜60万円

いくらなら買ってもらえるのか

価格案を複数出して反応を見る

同上

業務が本当に回るのか

まず人が手作業で運用してみる

人件費のみ

機能が足りるかどうか

既存のSaaSを組み合わせて試す

月数千〜数万円

それでも作ったほうがよい場合

一方で、次のいずれかに当てはまるなら、作らないと検証が進みません。

  • 実際に動かないと判断できない(処理の精度・速度が成否を分ける)
  • 既存システムのデータを使わないと意味がない(手作業では再現できない)
  • 社内の承認を得るために、動くものが必要(企画書では通らない)
  • 手作業での運用が月40時間を超えている(人力での検証が現実的でない)

自社で作るか既製品で済ませるかの判断基準はSaaSと独自開発のどちらを選ぶかで整理しています。


費用を抑える現実的な4つの方法

MVP開発費用の軽減に使える新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のロゴ

出典: 中小企業基盤整備機構 公式サイト

1. 「作らないものリスト」を先に書く

作る機能を決めるより、作らない機能を明文化するほうが効果的です。「ログイン機能は作らない」「管理画面は作らずデータベースを直接見る」「決済は入れず請求書払いで運用する」と決めるだけで、初期費用は数十万円単位で下がります。

2. 一括ではなく段階的に発注する

「要件整理まで」「試作まで」「本開発」と区切って契約すると、途中で方向転換できます。詳しくはシステム開発を段階的に発注する方法をご覧ください。

3. 公開範囲を最初は社内に絞る

社外に公開するかどうかで、権限設計とセキュリティ対応の工数が変わります。まず社内限定で動かし、手応えがあってから公開対応を追加するほうが総額は下がります。

4. 補助金を検討する

新規事業としてのMVP開発は、補助金の対象になる場合があります。2026年に新事業進出補助金とものづくり補助金が統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」では、第1回公募の応募締切が2026年10月30日(金)18:00と公表されています。もっとも小さい枠である革新的新製品・サービス枠は補助下限額100万円、従業員6〜20人の企業で補助上限額1,000万円、補助率は中小企業者で2分の1(小規模事業者・再生事業者は3分の2)です。

ただし補助金は原則として後払いです。事業が終わってから実績報告を出し、金額が確定したうえで精算払いとして振り込まれるため、開発費はいったん全額を自社で立て替えることになります。資金繰りの計画を補助金ありきで立てないでください。なお第1回公募は申請受付の日程が途中で変更されており、公募要領も改訂されることがあります。申請を検討する場合は、必ず事務局の公式サイトで最新の日程と要件をご確認ください。


実際にやったケース

調剤薬局グループのケース

課題:複数店舗の在庫と発注のデータが店舗ごとにバラバラに管理されており、本部が全体像を把握するのに時間がかかっていた。担当者が各店舗のファイルを手作業で集めて突き合わせていた。

作ったもの:まず全店舗ではなく数店舗に絞り、データを一箇所に集めて突き合わせる仕組みを検証用に構築。既存の薬局システムには手を入れず、出力されたデータを読み取る形にして、本部側だけで完結させた。

何が変わったか:本部の担当者が手作業で集計していた工程がなくなり、本部が見たいタイミングで最新の状況を確認できるようになった。検証の結果として対象範囲を広げる判断ができ、いきなり全店舗向けに作り込まずに済んだ。

インフラ設備を運用する企業のケース

課題:設備の稼働記録が現場ごとに別々の形式で報告されており、集約と確認に人手がかかっていた。異常の兆候に気づくのが遅れることがあった。

作ったもの:報告フォーマットを揃えるところから着手し、集まったデータを自動で整理・確認する仕組みを段階的に構築。最初から全機能を作らず、もっとも手間がかかっていた確認作業だけを対象にした。

何が変わったか:現場からの報告を人が転記・確認する作業が不要になり、担当者は異常があった箇所の判断に時間を使えるようになった。

どちらのケースも、最初から全部作らず、いちばん困っている1点に絞って動くものを作り、効果を確かめてから範囲を広げるという進め方をしています。規制のある業種では「いきなり本番システムに手を入れられない」という制約があるため、この順番が特に効きます。


相談から動き出すまでの流れと期間

当社の場合、次の5段階で進みます。

段階

内容

期間の目安

1. ご相談

何を検証したいか、今どこで困っているかを伺う。要件が固まっていなくて構いません(初回相談は無料)

1回1時間程度

2. 課題・要件の整理

検証したい仮説を絞り、作らないものを決める

1〜3週間

3. ご提案・お見積もり

範囲・金額・期間を提示。段階を区切った契約も可能

1〜2週間

4. PoCまたは本開発

動くものを作り、効果を測定する

PoCで1〜2ヶ月

5. 導入・改善

結果を踏まえて本開発の範囲を決める、または見送る判断をする

都度

相談から検証用の試作が動き出すまでは、おおむね2〜3ヶ月が目安です。この期間の大半は工程2と3、つまり「何を作るかを決める時間」に費やされます。ここを急ぐと、作り直しという形で後から費用が返ってきます。

サービスの詳細や過去の対応領域は受託開発サービスのページをご覧ください。要件が固まっていない段階でのご相談の進め方は要件が固まっていなくても相談できるのかでも説明しています。


よくある質問

Q1. MVPとPoCは何が違いますか。費用はどちらが高くなりますか。

PoCは「技術的に実現できるか」を確かめるもの、MVPは「顧客に価値があるか」を確かめるものです。PoCは動く部分だけを作ればよいため画面づくりが最小限で済み、MVPは実際に人に使ってもらうため画面と操作性が必要になります。同じ範囲ならMVPのほうが高くなりますが、AI機能の精度検証を含むPoCは検証回数が読めず、結果的にMVPより高くなることもあります。当社ではPoCを300万円〜(税別)としています。

Q2. 作ったMVPのソースコードは誰のものになりますか。

契約の取り決めによります。請負契約では、納品と検収を経て著作権を発注側に譲渡する形が一般的ですが、自動的にそうなるわけではありません。契約書に譲渡の条項があるか、開発会社側が汎用的に使っている部品(ライブラリ等)が譲渡対象から除外されていないかを必ず確認してください。MVPは将来別の会社に引き継ぐ可能性があるため、ここを曖昧にすると乗り換えコストが跳ね上がります。

Q3. 予算が300万円しかありません。何ができて、何ができませんか。

できるのは「仮説を1つに絞った検証用のシステム」です。画面数でいえば5〜15画面、利用者の区分は1〜2種類、既存システムとの連携は1本まで、というのが現実的な線です。できないのは、複数の仮説を同時に検証すること、本番の基幹システムに直接書き込む処理、大量の利用者を想定した負荷対策です。予算が決まっている場合は、金額を先に伝えて「その中で何を諦めるか」を一緒に決めるほうが結果的に良いものができます。

Q4. 社内にエンジニアが一人もいませんが、発注できますか。

可能です。ただし、社内で意思決定できる人が1人は必要です。エンジニアである必要はなく、「この業務はこうなっている」「この判断はこの人がする」と答えられる業務側の責任者がいれば進みます。逆に、その担当者が月10〜20時間を確保できない場合は、プロジェクトが止まります。着手前に、その時間が取れるかを社内で確認してください。

Q5. 開発途中で「やっぱり違った」となった場合、支払いはどうなりますか。

契約形態で変わります。成果物の完成を約束する請負契約では、途中解約時の精算方法を契約書で定めておく必要があります。作業時間に対して支払う準委任契約では、その時点までの作業分の支払いで終了できます。MVPのように途中で方向転換する前提のプロジェクトでは、準委任で短く区切るほうが損失を抑えられます。契約形態ごとの違いはAI開発の契約形態で整理しています。

Q6. 見積書のどこを見れば、その会社が信頼できるか分かりますか。

3点あります。第一に、「一式」表記が多すぎないか。工程ごとに分かれていれば、どこを削れるか議論できます。第二に、テストと受け入れ確認の工数が計上されているか。ここが0の見積もりは、検証コストを発注側に転嫁しています。第三に、前提条件と除外範囲が書かれているか。「既存システムの改修は含まない」「サーバー費用は別途」といった記載がない見積もりは、後から追加費用が出ます。

Q7. AI開発でよくある失敗は何ですか。

いちばん多いのは、「精度が何%なら使えるのか」を決めないまま作り始めることです。基準がないと、いつまでも「もう少し精度を上げたい」が続き、費用が青天井になります。着手前に「この精度に届かなければ採用しない」というラインを数字で決めておくことが、もっとも効く費用対策です。よくある失敗例はAI開発で起きる失敗とその回避策にまとめています。

Q8. MVPを作ったあと、そのまま本番システムとして使い続けられますか。

検証用に割り切って作ったものは、そのまま本番に載せないほうが安全です。MVPでは「利用者が10人なら成立する作り」を選んでいることが多く、利用者が増えた途端に遅くなる、障害時に復旧できない、といった問題が出ます。判断の目安は、社外の顧客が日常業務で使うかどうかです。社内の一部だけで使い続けるならMVPのままでも構いませんが、顧客に提供するなら本開発で作り直す前提の予算(当社では個別見積)を最初から見込んでおいてください。


まとめ:MVPの予算は「MVP+その後」で考える

  • MVP開発の費用相場は、作り方によって30万円〜1,200万円と大きく開く
  • AIで縮むのは画面づくりと実装だけ。仮説の決定・外部連携・受け入れ確認は縮まず、AIが書いたコードの確認工数はむしろ増える
  • ゼロから作るMVPはAIの効果が出やすく、既存の大きなシステムに手を入れる案件は効果が出にくい
  • 見積書に載らない費用として、発注側の社内工数(月15時間・時給3,000円換算で月4.5万円)、作り直し費用(150万〜500万円)、AI機能の月額(インフラで月$45〜100)を見込む
  • 検証したいことによっては作らずに済む。その判断を先に済ませるのがもっとも安い

当社では、検証用のPoC開発を300万円〜、既存システムの小規模改修を30万円〜(いずれも税別・クラウド利用料とAPI利用料は別途)で承っています。初回のご相談は無料で、要件が固まっていない段階でも構いません。「300万円で何ができるのか知りたい」「そもそも作るべきか判断したい」というご相談から対応しています。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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