AIツール2026年11月更新

Ripple-65Bとは?Terminal-Bench 80.5の65Bオープンモデルの性能・料金・必要スペック・使い方【2026年11月最新】

公開日: 2026/11/05
Ripple-65Bとは?Terminal-Bench 80.5の65Bオープンモデルの性能・料金・必要スペック・使い方【2026年11月最新】

この記事のポイント

Ripple-65Bは、米Ricursive Intelligenceが2026年11月4日に公開した、エージェント型コーディング向けのオープンウェイトLLMです。開発元公表のベンチマークで勝つ項目と負ける項目、API料金、GPU別の必要スペック、日本語のトークン効率、安全に試す手順を整理します。

Ripple-65B(正式名称: Ripple-65B Preview)は、米国のRicursive Intelligenceが2026年11月4日に公開した、エージェント型コーディングに強いオープンウェイトのテキストLLMです。 ライセンスはApache 2.0で、重みは無料で入手でき、APIなら100万トークンあたり入力0.20ドル・出力0.60ドルで試せます(2026年11月5日時点のOpenRouter)。

この記事では、Ripple-65Bの仕様、ベンチマークで勝つ項目と負ける項目、料金、手持ちの機材で動くかどうかの判定、日本語で使うときの注意点、セキュリティ上の確認事項を整理します。公開から間もないモデルなので、性能の数字は開発元の自己申告であり、第三者による再現は確認できていないことを前提に読んでください。

こんな方に向けた記事です

  • コーディングエージェントに使うオープンウェイトモデルを探している開発者
  • 米国製でライセンスの緩いモデルを条件にしている企業の開発・情報システム担当者
  • DGX SparkやハイエンドGPUでローカルLLMを動かしたい人

名前の似たものとの混同に注意: 開発元の綴りは「Ricursive」で、「Recursive」を名乗る別の会社とは無関係です。暗号資産のRipple(XRP)とも関係ありません。

Ripple-65Bの大事なところ

試す価値はありますが、本番採用を決めるのはまだ早いモデルです。コーディングエージェント用途では大型モデルに並ぶ公表値を出している一方、それ以外の分野では比較相手の大型モデルに届かない項目が多く、公開直後のAPIの稼働率にも波があります。

  • 性能: Terminal-Bench 2.1で80.5。ただし比較表の5モデル中で首位なのは、Terminal-Bench 2.1とSWE-bench Pro v2.0 Hardの2種類だけ
  • 価格: OpenRouterでは比較した大型モデルより安い。提供元は1社だけで、初期価格のため変わる可能性がある
  • 動かしやすさ: 公式の手順は2×NVIDIA B200とDGX Sparkの2つ。Macや一般的なGPUは非公式の変換版に頼ることになる

最初の一歩はAPIです。自社のリポジトリに近い課題を数件解かせてから、ローカル運用を検討するのが無駄のない進め方です。

確認できている情報と未確認の情報

公開直後は情報が入り乱れるため、2026年11月5日時点の状況を3つに分けました。

区分

内容

確認済み

Apache 2.0、Dense構造の65B、テキスト入出力のみ、Hugging Faceでの重み配布、OpenRouter経由の提供

開発元の主張

Terminal-Bench 2.1で80.5、米国のオープンウェイトで最高水準、総研究開発費3,200万ドル、従来の最高水準モデルの約10分の1の費用

未確認

第三者による性能の再現、日本語の回答品質、DGX SparkとMacの速度の実測値、知識カットオフ、学習データの内訳、正式版の時期

Ripple-65Bの基本情報

開発元Ricursive Intelligenceの公式サイトの画像

出典: Ricursive Intelligence 公式サイト

Ripple-65Bは、Ricursiveが自社のAIチップ設計プラットフォーム向けに開発した独自モデルの汎用版です(公式発表)。チップ設計専用モデルそのものではなく、一般の開発者がコーディングなどに使える形で公開されました。

項目

内容

正式名称

Ripple-65B Preview

開発元

Ricursive Intelligence(米国パロアルト)

公開日

2026年11月4日

構造

Dense Transformer(MoEではない)。総パラメータ65B=アクティブ65B

事前学習

12兆トークン。主に英語とコードのテキスト

コンテキスト長

最大100万トークン

入出力

テキスト入力・テキスト出力のみ

ライセンス

Apache 2.0

提供形態

重みの配布(Hugging Face)、クラウドAPI

公開されている4つのチェックポイント

Hugging Faceの公式組織 ricursiveAI では、用途の違う4種類が配布されています。普通に使う場合に選ぶのは、表の最初の2つのどちらかです。

リポジトリ

内容

容量

Ripple-65B-Preview

指示調整済み、BF16

129.6GB

Ripple-65B-Preview-NVFP4

指示調整済み。名称にExperimentalが付く。MLPのみNVFP4で、AttentionはBF16

57.2GB

Ripple-65B-Base-Preview

事前学習のみのベースモデル、BF16

約129.6GB(第三者記事の値)

Ripple-65B-Preview-DFlash2

投機的デコード用のドラフトモデル(4.04B)。単体では文章を生成できない

8.1GB

ネット上には「NVFP4版は約33GB」という記述もありますが、公式リポジトリの実ファイルは57.2GBです。Attentionを量子化せずBF16のまま残しているためです。

開発元のRicursive Intelligenceとは

Ricursive Intelligenceは、AIチップ設計から事業を始めた、自己改善AIの研究企業です。共同創業者のAnna Goldie氏(CEO)とAzalia Mirhoseini氏(CTO)は、Google DeepMindでチップ設計AIのAlphaChipを開発しました。Crunchbase Newsなどによると、2026年1月にLightspeed主導のシリーズAで3億ドルを調達し、ポストマネー評価額は40億ドルです。

公開後の主な動き

  • 2026年11月4日: Ripple-65B Previewを公開。公開翌日までに非公式のGGUF版、MLX版、GPTQ版が多数登場
  • 2026年11月5日: OpenRouterのコンテキスト長が1,048,576トークンと確認できた。公開時は16,384トークンとの第三者の報告があった
  • 2026年11月5日: llama.cppの対応PRは未マージ。Together AIは近日提供の表示のまま

Ripple-65Bでできること

Ripple-65Bの中心的な用途は、ターミナルでコマンドを実行しながらコードを修正していくエージェント型の開発作業です。公式も事後学習の重点をエージェント型コーディングに置いたと説明しています。

できること

内容

コーディングエージェントのモデルとして使う

コマンド実行やファイル編集を繰り返す作業に向けて学習されている

ツール呼び出し

OpenAI形式の tools と tool_choice: "auto" にネイティブ対応

推論過程の分離

SGLangと公式パーサーを使うと、reasoning_content、最終回答の content、tool_calls が分かれて返る

長いコードの読み込み

最大100万トークン。ただし提供先ごとに実際の上限が違う

自社環境での運用

重みを入手してOpenAI互換のAPIサーバーを立てられる

実務で試しやすいのは、社内リポジトリのバグ修正案の作成、テストの追加、依存ライブラリ更新の下調べです。画像を読ませる作業や、日本語の文書作成を主な目的にするなら、別のモデルから検討したほうが無難です。

Ripple-65Bの強み

強みは、エージェント型コーディングの公表値、APIの安さ、ライセンスの緩さの3つです。開発費の小ささも開発元が打ち出しています。

大型モデルと並ぶコーディングエージェントの公表値

Terminal-Bench 2.1は、ターミナル操作で課題を解く能力を測るベンチマークです。Ripple-65Bは80.5で、総パラメータが約8倍のReflection Beam 501B(80.1)と並びます。差は0.4点しかなく、評価条件がそろっているとは限らないため、勝敗を示す差とは言えません。

なお、公式の「米国のオープンウェイトで最高水準」は、米国製に限った開発元の主張です。比較表にQwen、DeepSeek、GLMなどの中国勢は入っておらず、世界のオープンウェイトで最高という意味ではありません。

比較した大型モデルより安いAPI料金

OpenRouterの価格は、入力0.20ドル・出力0.60ドルです。Reflection Beamの入力0.25ドル・出力1.00ドルや、Muse Spark Openの入力1.25ドル・出力4.25ドルを下回ります。

Apache 2.0で配布されている

Apache 2.0は、商用利用・改変・再配布を広く認めるライセンスです。売上規模などの条件が付くモデルと比べ、法務確認の負担が軽くなります。

開発費が小さいと公表されている

公式によると、総研究開発費は3,200万ドルです。学習本番だけでなく、データ配合の検討、評価、デバッグ、合成データの作成も含めた額とされています。ただし「従来の最高水準の約10分の1」は開発元の推定で、計算過程は公開されていません。比較先の費用も、報道された計算資源の契約を根拠にしています。

ベンチマークで勝つ項目と負ける項目

Ripple-65Bが首位なのは、14項目のうちTerminal-Bench 2.1の2行とSWE-bench Pro v2.0 Hardだけです。知識、数学、長文、指示追従の項目で首位はなく、「大型モデルを全面的に超えた」とは言えません。

数値はモデルカードの表から抜粋しました。太字はその行の首位です。

ベンチマーク

Ripple 65B

Nemotron 3 Ultra 550B

Inkling 975B

Muse Spark Open 816B

Beam 501B

アクティブパラメータ

65B

55B

41B

42B

23B

Terminal-Bench 2.1(各社公表値)

80.5

56.4

63.8

76.4

80.1

Terminal-Bench 2.1(Terminus 2)

80.5

55.1

56.2

78.7

70.8

SWE-bench Verified

76.5

71.9

77.6

78.7

81.6

SWE-bench Pro v1.0

61.42

46.9

54.3

58.2

66.1

SWE-bench Pro v2.0 Hard

79.1

30.7

2.0

52.3

76.5

DeepSWE 1.1

44.3

0.2

1.8

60.0

43.3

SciCode

39.4

44.6

46.1

58.5

49.2

MCP Atlas

71.67

62.2

76.0

89.2

80.8

τ³-bench banking

31.27

22.6

23.7

14.4

36.1

AutomationBench

36.4

8.4

14.6

42.4

39.3

GPQA Diamond

85.2

87.0

87.2

89.0

90.6

AIME 2025

98.3

94.2

91.7

100.0

99.6

AA-LCR(長文)

75.0

65.4

78.3

80.7

78.2

IFBench

79.2

81.7

79.8

78.6

79.6

得意な分野と苦手な分野は、はっきり分かれています。

  • 得意: ターミナル操作と難しいソフトウェア修正。SWE-bench Pro v1.0、DeepSWE 1.1、τ³-bench bankingでも2位
  • 苦手: 科学分野のコードを書くSciCodeと、知識を問うGPQA Diamondは5モデル中で最下位
  • ツール連携は4位: MCP Atlasは71.67で、首位のMuse Spark Open(89.2)とは17点以上の差がある

数字を読むときの注意点

モデルカード自身が、エージェント評価の再現は難しく、結果はベストエフォートの比較だと明記しています。表には開発元の社内評価も含まれます。

もう1つ気をつけたいのがTerminus 2の行です。Terminus 2は評価用の共通の実行環境で、モデルカードの本文には、これを使うとMuse Spark Openを除いてスコアが全般に下がったとあります。ところが表のRippleは2行とも80.5で、同じ値になっている理由は確認できませんでした。この行のBeamとの9.7点差を、独立した検証の結果として受け取らないほうが安全です。

SWE-bench Pro v2.0 HardとDeepSWE 1.1も、RippleはTerminus 2で測ったとモデルカードにあります。比較相手が同じ条件かどうかは確認できていないため、Rippleが首位のSWE-bench Pro v2.0 Hardの差も慎重に読んでください。

Ripple-65Bの弱みと制約

弱みは、用途が狭いこと、Preview版であること、提供環境がまだ整っていないことです。導入前に確認したい制約を一覧にしました。

制約

内容

影響

テキスト専用

画像・音声は扱えない

画面キャプチャを読ませる作業には使えない

Preview版

公式は事後学習が比較的軽いと説明。正式版の時期と仕様は非公開

挙動や配布物が変わる可能性がある

推論の切替なし

思考のオン・オフや推論強度の切替はテンプレートに未実装

簡単な質問でも推論の量を調整できない

tool_choice: "required"

公式手順ではstrict指定が必要。OpenRouter経由は非対応の表示

必ずツールを呼ばせる設計は事前に検証が要る

投機的デコードの窓

DFlash2のドラフト窓は16Kiトークン

本体が100万トークンでも、高速化の前提は別

Dense構造の重さ

1トークンごとに65B全体を計算する

同じ総パラメータのMoEより生成が遅くなりやすい

API稼働率

OpenRouterの稼働率は直近30分が100%、直近1日が約64%(2026年11月5日確認)

公開直後の値だが、本番の処理には予備の経路が要る

公式ページには制限事項の独立した節がなく、確認できた範囲では利用ポリシーやシステムカードも見つかっていません。

Ripple-65Bは日本語で使えるか

日本語対応は公式に表明されておらず、日本語中心の業務で第一候補にはしにくいモデルです。公式ブログに日本語や多言語の記載はなく、学習データも主に英語とコードです。

ベースモデルの多言語数学ベンチマークMGSM(11言語平均)は78.2で、モデルカードの表ではLaguna M.1(65.4)を上回り、DeepSeek V3.1(81.7)やNemotron 3 Ultra(87.7)を下回ります。

独自計測: 日本語はトークン数が約1.34倍になった

当社では、公開されている tokenizer.json を使い、同じ文章のトークン数を数えました。

サンプル

Ripple

Qwen3-8Bのトークナイザー

比率

日本語8,000字(社内文書)

7,269トークン

5,438トークン

約1.34倍

日本語109字(業務の短文)

121トークン

81トークン

約1.49倍

英語254字

52トークン

52トークン

1.00倍

英語では差が出ず、日本語だけトークン数が増えました。トークン単価が同じなら、日本語の処理では料金がその分高くなり、コンテキストも早く埋まります。8,000字のサンプルの字数とトークン数で計算すると、100万トークンに入る日本語は約110万字です。

この計測には限界があります。比較相手はQwen3.8ではなくQwen3-8Bで、サンプルは日本語2本だけです。また、トークン効率と回答の品質は別の話で、日本語の回答品質そのものは検証していません。コードのコメントや指示文を日本語で書く場合は、自社の課題で確かめてください。

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)

Ripple-65Bの料金

Together AIのRipple-65B Previewモデルページの画像

出典: Together AI 公式サイト

重みは無料ですが、自社で動かすならハードウェア費と電気代がかかります。手軽に試すなら、現時点ではOpenRouter経由が最も確実です。

提供先

状態(2026年11月5日確認)

100万トークンあたりの価格

コンテキスト

OpenRouter

利用可。提供元はGMI Cloudのみ、BF16

入力$0.20/出力$0.60/キャッシュ読取$0.05

1,048,576(最大出力131,072)

GMI Cloud(直接)

公式発表に掲載

確認できず

確認できず

Together AI

Serverless APIは近日提供の表示で、まだ使えない

掲載なし

1M(表記)

Fireworks

専有GPUのオンデマンドのみ。サーバーレスは非対応

掲載なし

最大1M(ページの表記は1040K)

公開当初の記事にある「APIは16K」という記述は、公開時の報告に基づいています。11月5日のOpenRouterのAPIでは1,048,576トークンになっています。

他モデルとの料金比較

入力100万・出力10万トークンを使った場合の費用を計算しました。価格は2026年11月5日のOpenRouter APIの値です。

モデル

入力

出力

計算例の費用

Ripple-65B Preview

$0.20

$0.60

$0.26

Qwen3.8-27B

$0.15

$1.875

約$0.34

Reflection Beam 501B

$0.25

$1.00

$0.35

Nemotron 3 Ultra 550B

$0.60

$2.40

$0.84

Inkling 975B

$1.00

$4.05

約$1.41

Muse Spark Open 816B

$1.25

$4.25

約$1.68

Qwen3.8-27Bは提供元が多く、量子化版を選ぶとこの表より安い場合があります。Rippleの価格も提供元が1社の時点のものです。日本語が中心なら、トークン数の増加も見込んで比べてください。

Ripple-65Bの必要スペック

安心して動かせるのは、現時点では公式手順のある環境に限られます。公式手順があるのは2×B200とDGX Sparkの2つで、Macや一般のGPUは有志が変換した非公式版を使います。

環境

使える重み

判定

補足

2×NVIDIA B200

公式BF16(129.6GB)

公式手順あり

バッチ8で250 tok/sの公称値。量子化やカスタムカーネルなしの条件

DGX Spark(128GB)

公式NVFP4(57.2GB)

公式手順あり

1度に1リクエスト。速度の実測値は未確認

96GBのGPU

非公式GGUF Q8_0/Q6

試す価値あり

変換者は100万トークンも可能と記載

Mac

非公式MLX 4bit(37GB)

公式手順なし

変換者の記載では64GB以上を推奨

32GBのGPU

非公式GGUF IQ3(25〜28GiB)

実験向け

変換者の記載でコンテキストは32K〜96K、BF16との一致率は88〜90%

24GBのGPU

IQ2_XXS(20GB)は存在

おすすめしない

品質未確認。別の変換者は品質の低さからQ2_Kの公開を見送った

「MacBook Proで動く」という話は開発者のX投稿が元で、公式ブログにMacの記載はなく、公式手順はLinuxとCUDAが前提です。動くことと実用的な速度が出ることも分けて考える必要があります。

DGX Sparkの速度の目安

速度の実測値は確認できなかったため、当社で概算しました。DGX Sparkのメモリ帯域273GB/sを重み57.2GBで割ると、投機的デコードなしで約4.8 tok/sです。Dense構造は1トークンごとに全部の重みを読むため、この計算が目安になります。この値は実際に測ったものではなく、DFlash2を併用すると上振れする可能性があります。

長時間動くエージェントの作業では、この速度は待ち時間に直結します。購入を検討するなら、公開される実測値を待つのが安全です。ローカルで軽く動かしたいだけなら、4bit量子化で24GBのGPUに載るQwen3.8-27Bのほうが現実的です。

Ripple-65Bの使い方

Hugging FaceのRipple-65B-Previewリポジトリの画像

出典: ricursiveAI Hugging Face 公式

使い方は、APIで試す、B200で動かす、DGX Sparkで動かすの3通りです。まずAPIで性能を確かめ、機密データを外に出せない場合にだけ自社運用へ進みます。

OpenRouterのAPIで試す

最も手軽な方法です。OpenRouterでAPIキーを発行し、モデルIDに ricursiveai/ripple-65b-preview を指定します。

curl https://openrouter.ai/api/v1/chat/completions \
  -H "Authorization: Bearer $OPENROUTER_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "ricursiveai/ripple-65b-preview",
    "messages": [
      {"role": "user", "content": "Write a Python function that removes duplicates from a list while preserving order."}
    ]
  }'

試すときは機密を含まないコードを使ってください。データの保持や学習利用の条件は提供元ごとに違い、GMI Cloudの条件は確認できていません。

2×B200で動かす

公式の実行手順に沿って、次の順で進めます。

  1. Linux、CUDA Toolkit 13、C++コンパイラ、uvを用意する
  2. SGLang 0.5.19を導入する
  3. 公式組織から本体とDFlash2を取得する
  4. サーバーを起動する。初期設定では1Miのコンテキストで動き、127.0.0.1:30000 にOpenAI互換のAPIが立つ

DGX Sparkで動かす

公式のノートブックを使い、Python 3.12、CUDA Toolkit 13、SGLang 0.5.19の環境で動かします。条件はNVFP4版とDFlash2の組み合わせのみで、1度に1リクエストです。HTTPサーバーを立てないオフライン実行のため、エージェントツールからAPIとして呼ぶ用途にはそのまま使えません。

OllamaやLM Studioで動かす場合

OllamaとLM Studioの対応は確認できていません。llama.cppの対応PR(#31692)は2026年11月5日時点で未マージです。非公式のGGUF版にはパッチを当てたllama.cppが必要で、一般的な手順では読み込めない可能性があります。

他のオープンウェイトモデルとの違い

Ripple-65Bの特徴は、公式の比較表の中で総パラメータが最も小さいのにコーディングエージェントの公表値が上位に入り、その代わりテキスト専用で用途が絞られている点です。

モデル

総/アクティブ

入力

ライセンス

Terminal-Bench 2.1

選ぶ場面

Ripple-65B Preview

65B/65B

テキスト

Apache 2.0

80.5

低価格でコーディングエージェントを試す

Reflection Beam

501B/23B

テキスト

発表時はApache 2.0の予定。配布条件はモデルカードで確認

80.1

SWE-bench系の公表値を重視する

Muse Spark Open

816B/42B

画像・動画・音声も可

Meta独自の条件あり

76.4

ツール連携や幅広い性能を重視する

Inkling

975B/41B

画像・音声も可

Apache 2.0(別途利用ポリシーあり)

63.8

自社業務に合わせて調整する

Qwen3.8-27B

27B

画像・動画も可

Apache 2.0

73.0(Terminus、Qwen公表値)

24GBのGPUでローカル運用する

MoEモデルとの違い

BeamのようなMoE(Mixture-of-Experts)は、総パラメータが大きくても1トークンで動かすのは一部だけで、メモリは多く要る一方で生成は軽くなります。Ripple-65BのDense構造は逆で、必要なメモリは小さいものの、毎回65B全部を計算します。

そのため、1台のマシンに載せやすいのはRippleで、同じ帯域での生成速度はアクティブパラメータの小さいMoEが有利です。「65Bだから軽い」とは言い切れません。

Qwenとの比較

公式の比較表にQwenは含まれていません。Qwen公式の値は、Qwen3.8-27BがTerminal-Bench 2.1(Terminus)73.0、DeepSWE 1.1が42.2、Qwen3.8-Flash-NextがDeepSWE 1.1で58.7です。評価の環境が違うので単純比較はできませんが、DeepSWE 1.1ではRippleの44.3を上回る値を公表しているQwenのモデルがあります。

Claude Codeなどのクローズド製品との違い

Claude Codeはエージェント製品そのもので、Ripple-65Bはエージェントから呼び出すモデルです。比べる対象の層が違います。Rippleを使う場合は、エージェントの実行環境、権限管理、ログの保管を自分で用意する必要があります。製品を含めた選び方はAIコーディングツールのおすすめ比較が参考になります。

業務で使う前のセキュリティ確認

業務で試すなら、入手元、実行するコード、エージェントの権限、APIのデータの扱いの4点を先に確認してください。オープンウェイトはモデルを自分の環境で管理できますが、その分だけ確認の責任も利用者に移ります。

確認点

リスク

対策

同名のミラー

ricursiveAI 以外の同名リポジトリが複数ある

公式組織から取得する

独自コードの実行

custom_code 構成で modeling_ricursive.py を読み込む。Transformersでは trust_remote_code が必要とみられる

実行前にコードを読み、隔離環境で動かす

非公式の変換版

GGUFはパッチ版のllama.cpp、MLX版は --trust-remote-code が必要

業務環境に入れず、検証用の環境に限定する

エージェントの権限

コマンド実行を任せるため、誤操作の影響が大きい

サンドボックス、最小権限、変更の人間レビューを必須にする

APIのデータ

保持や学習利用の条件は提供元で異なる

機密コードを送る前に規約を確認する

エージェントの権限についての対策は一般的な運用上の注意で、Ricursiveの公式指示ではありません。AIが生成したコードの扱い全般は、AIコーディングのセキュリティリスクで詳しく解説しています。

安全性の値として公表されているFORTRESS Adversarialは83.8で、5モデル中3位です。Muse Spark Openの94.2やBeamの92.1より低く、Nemotron 3 Ultraの79.3やInklingの78.0より高い値でした。上位2モデルとは10点ほどの差があるため、外部の入力を読ませるエージェントでは入力の制限も検討してください。

新しいモデルを自社の業務システムに組み込むときは、APIで連携するか自社のGPUで動かすかによって、必要な作業と費用が変わります。既存システムの改修、PoC、本開発に分けた目安はAI開発の費用相場にまとめています。

Ripple-65Bはこんな人におすすめ

AIエージェントの検証環境を自分で組める開発者に向くモデルです。すぐに業務へ入れたい人には、まだおすすめしにくい段階です。

おすすめの人

  • コーディングエージェントのモデルを比較検証している開発者
  • 米国製かつApache 2.0のモデルを条件にしている組織
  • DGX SparkやB200をすでに持っている人
  • 低価格のAPIで新しいモデルを試したい人

おすすめしない人

  • 日本語の文書作成や問い合わせ対応が中心の人
  • 画像入力が必要な人
  • 24GB以下のGPUで快適に動かしたい人
  • 本番システムの安定稼働がすぐに必要な人
  • 第三者の検証結果を待ってから判断したい人

状況別の選び方

状況

おすすめの行動

性能だけ確かめたい

OpenRouterで機密を含まない課題を試す

コードを外に出せない

B200かDGX Sparkで公式の重みを使う。機材がなければ他モデルも比較する

手元のGPUが24GB

Ripple-65BよりもQwen3.8-27Bを検討する

日本語中心で使う

回答品質を自社の文書で確かめてから判断する

本番に入れたい

第三者の評価と正式版の情報を待つ。提供元が複数になるかも確認する

Ripple-65Bのよくある質問

Ripple-65Bは商用利用できますか?

できます。Apache 2.0は商用利用を認めています。再配布するときはライセンス文の同梱など、Apache 2.0の条件に従ってください。確認できた範囲では、Ricursive独自の利用ポリシーは見つかっていません。

追加学習をするならどのチェックポイントを使えばよいですか?

指示調整された状態から調整するならRipple-65B-Preview、独自の事後学習を一から組むならRipple-65B-Base-Previewが候補です。Base版は中間学習と合成QAを経ていない事前学習のみのモデルなので、そのままでは指示に従う対話には向きません。

Ripple-65Bの知識カットオフはいつですか?

確認できていません。モデルカードとOpenRouterのどちらでも情報を確認できませんでした。新しいライブラリのAPIを扱うときは、ドキュメントをコンテキストに入れて使うほうが確実です。

第三者のベンチマークはありますか?

2026年11月5日時点では、独立した再現結果を確認できていません。ベンチマークの集計サイトに値が載っていても、出どころが開発元の公表値である場合があります。掲載元の測定方法まで確認してください。

Hugging Faceのダウンロード数で人気を判断できますか?

現時点では判断材料になりません。Hugging FaceのAPIで確認すると0が返り、信頼できる値を取得できませんでした。

まとめ

Ripple-65Bは、Apache 2.0で配布された65BのDenseモデルで、エージェント型コーディングでは大型モデルに並ぶ公表値を出しています。一方で、首位の項目は限られ、テキスト専用で、日本語の品質は未検証です。性能の数字はすべて開発元の自己申告で、OpenRouterの提供元もまだ1社だけです。

いま取るべき行動は、OpenRouterで機密を含まない自社の課題を解かせ、既存のモデルと結果を比べることです。ローカル運用や本番採用は、第三者の評価、提供元の増加、正式版の情報が出てから判断しても遅くありません。

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します