AIツール2026年11月更新

Tencent Hy4とは?画像理解・PC操作に対応した770Bモデルの性能・料金・使い方【2026年11月】

公開日: 2026/11/05
Tencent Hy4とは?画像理解・PC操作に対応した770Bモデルの性能・料金・使い方【2026年11月】

この記事のポイント

Tencent Hy4は、テンセントが2026年11月4日に正式版を公開した総パラメータ770BのMoE型大規模言語モデルで、Hyシリーズで初めて画像の理解とPC操作に対応しました。8月のHy4 previewとの違い、ベンチマーク、API料金(12月31日まで半額)、日本からの使い方、業務で使うときの注意点を整理します。

Tencent Hy4(ハイフォー)は、中国のテンセント(Tencent)が2026年11月4日に正式版を公開した大規模言語モデルで、総パラメータ770BのMoE構成と約100万トークンのコンテキストを持ち、Hyシリーズで初めて画像の理解とPC操作(コンピューター操作)に対応しました。 API料金は100万トークンあたり入力6元・出力18元(約$0.834/$2.501)で、2026年12月31日までは半額で使えます。

ただし、2026年11月5日時点で重みが公開されているのは8月に出た「Hy4 preview」だけで、正式版の重みはまだ公開されていません。テンセント自身も「トップのクローズドモデルとはまだ大きな差がある」と認めています。

この記事でわかること

  • Hy4の基本スペックと、8月のHy4 previewから変わった点
  • できること(画像理解・PC操作・コーディング・金融・ゲーム開発)と苦手なこと
  • ベンチマークの読み方と、Claude Opus 5.5・GPT-6.1 Sol・Kimi K3.1 Proとの比較
  • API料金と期間限定の無料・半額キャンペーン、日本からの使い方
  • 業務で使う前に確認したいデータの送信先とセキュリティ

こんな方に向けた記事です: 中国発の新しいモデルを試したい開発者、安いAPIで長い文書やエージェント処理を回したいエンジニア、中国系モデルを業務で使ってよいか判断したい情報システム担当者。

Tencent Hy4の要点を3行で

Hy4は「Hy4 previewに画像理解とPC操作を加え、料金は据え置いた正式版」です。

  1. 機能: 画像・グラフ・文書の読み取りと、コマンドラインやGUIアプリの操作に新たに対応。金融・オフィス業務とゲーム開発を重点的に強化した
  2. 料金: 入力$0.834/出力$2.501(100万トークンあたり)はpreviewと同じ。Claude Opus 5.5と比べて入力は約5分の1、出力は約8分の1、GPT-6.1 Solと比べても半分以下の単価で、12月31日までは半額
  3. 注意点: 公表されている数字のほとんどはテンセントの自社評価。コーディングではClaude Opus 5.5に大きく負けている。正式版の重みは未公開で、API経由だとデータはTencent Cloudで処理される

まず試すなら、OpenRouterで tencent/hy4 を指定するのがいちばん手軽です。

Tencent Hy4とは:基本スペック

Tencent Hy TeamのGitHubリポジトリ「Tencent-Hunyuan/Hy4-preview」

出典:GitHub(Tencent-Hunyuan/Hy4-preview)

Hy4は、テンセントの大規模言語モデルブランド「Hy」の最新フラッグシップです。Hyは以前「Hunyuan(混元)」と呼ばれていたシリーズで、Hy3からHy表記に変わりました。開発はTencent Hy Team(腾讯混元团队)です。シリーズ全体の流れはTencent Hy3(Hunyuan 3.0/混元)とはで解説しています。

項目

内容

開発元

Tencent Hy Team(テンセント)

正式版の公開日

2026年11月4日(preview版は2026年8月28日)

構成

MoE(Mixture of Experts)。総パラメータ770B

アクティブパラメータ

previewは49B/トークン。正式版は「パラメータ数は変わっていない」と報道されているが、公式文書での明記は未確認

コンテキスト長

1,048,576トークン(約100万。OpenRouter掲載値)

最大出力

65,536トークン(OpenRouter掲載値)

入力/出力

テキスト・画像を入力し、テキストを出力(画像生成はしない)

APIモデルID

Tencent Cloud TokenHub: hy4/OpenRouter: tencent/hy4

重み(モデル本体)

正式版は未公開(「近日公開」とだけ発表)。previewはApache 2.0で公開中

主な提供先

Tencent Cloud TokenHub、OpenRouter、CodeBuddy、WorkBuddy、Yuanbao(元宝)、ima、WeComのアシスタント

MoEは、モデルの中に多数の「専門家(エキスパート)」を持ち、質問ごとに一部だけを動かす仕組みです。Hy4の場合、770Bのうち1トークンの処理に使うのは約49B(previewの公式値)で、全体の6%ほどです。規模のわりに推論の計算量を抑えられるため、API料金を安くしやすい構造です。

前の世代のHy3は総パラメータ約295B(アクティブ約21B)、コンテキスト256Kでした。Hy4は規模が約2.6倍、扱える文章の長さが4倍になっています。Hy3のpreview版についてはTencent Hy3 Previewとはで整理しています。

公式モデルカードで公開されている構造(Hy4 preview)

正式版の技術文書(システムカード)はまだ出ていないため、ここで紹介するのはpreviewのHugging Faceモデルカードで確認できる範囲の構造です。

  • 78層。1層目だけ通常の全結合層で、残り77層がMoE
  • ルーテッドエキスパート256個+共有エキスパート1個。トークンごとに上位8個を使う
  • アテンションは「Gated DeepSeek Sparse Attention(Gated DSA)」。長い入力のうち関係の深い部分に絞って計算し、100万トークンでも計算量を抑える
  • 次のトークンを先読みするMTP層を1つ持ち、生成を速める(Hugging Faceで「780B」と表示されるのはこの層を含むため)
  • 推奨設定はtemperature 0.9/top_p 1.0。推論モードの既定は high(深く考える)で、すぐ答えさせたいときは no_think を指定する

Hy4 previewと正式版Hy4の違い

Hugging Faceで公開されているTencent Hy4 previewのモデルページ

出典:Hugging Face(tencent/Hy4-preview)

正式版の変化は「画像理解とPC操作の追加」「金融・ゲーム開発・調査の強化」「ハルシネーションの大幅な減少」の3つで、料金は変わっていません。 一方、重みが公開されているのはpreviewだけという逆転も起きています。

比較項目

Hy4 preview

Hy4(正式版)

公開日

2026年8月28日

2026年11月4日

構成

MoE 770B/49B active

規模は据え置きと報道

入力

テキストのみ

テキスト+画像

PC操作(CLI・GUI)

非対応

対応

重みの公開

Apache 2.0で公開(BF16・FP8)

未公開(近日公開予定、日付なし)

TokenHub料金(入力/出力)

6元/18元

6元/18元(12月31日まで半額)

社内検索評価のハルシネーション率

15.76%

5.45%

推測による誤り

23.1%

5.6%

ベンチマークの版

Terminal-Bench 2.1など

Terminal Bench 4.0など(previewと直接比べられない)

previewのモデルカードでは、既知の課題として「複雑なタスクで考えすぎる」「自分の作業を何度も見直しすぎる」が挙げられていました。正式版でこれがどこまで解消したかは、2026年11月5日時点で公表されていません。

すでにpreviewをAPIで使っている場合、モデルIDを hy4-preview から hy4(OpenRouterでは tencent/hy4)に替えるだけで移れます。料金も同じです。ただし出力の傾向は変わるため、主要なプロンプトで結果を見比べてから切り替えるのが安全です。

Tencent Hy4でできること

正式版で新しく加わったのは「画像を読む」と「PCを操作する」の2つで、強化の重点は金融・オフィス業務、ゲーム開発、調査の3分野です。 次の表は、テンセントの発表を報道各社が伝えた内容をもとにまとめたものです。

用途

できること

正式版での変化

画像の理解

細かい画像の読み取り、複雑なグラフ・チャートの分析、図形を使う数学の問題、文書の読み取り、複数の画像をまたいだ推論

Hyシリーズで初めて対応

PC操作

コマンドラインとGUIアプリの両方を操作。Blender・CADや複数アプリをまたぐ長い作業を重点的に学習

Hyシリーズで初めて対応

コーディング

フロントエンド開発(複雑なUI操作・業務ロジック・状態管理・バックエンドとの連携)

強化

ゲーム開発

Unreal Engine/Unity/Godot、ゲームロジック、アセットの処理、マルチプレイ

社内評価でGameDev +19.1%、GameLogic +9.8%(preview比)

金融・オフィス業務

財務分析、資料作成など

金融の専門家評価でオープンウェイト系1位(自社発表)

調査(ディープリサーチ)

複数の情報源を調べてまとめる

社内評価でオープンウェイト系1位(自社発表)

長文の処理

約100万トークンの文書やコードをまとめて読む

長文理解・指示追従を改善

画像の理解

Hyシリーズのテキストモデルは、これまで画像を入力できませんでした。Hy4では、決算資料のグラフや設計図、スキャンした書類などを読ませて質問できます。ただし出力はテキストだけで、画像を作ることはできません。動画やPDFをそのまま入力できるかは、2026年11月5日時点で確認できていません。

PC操作(コンピューター操作)

画面を見て、マウスやキーボードの操作、コマンドの実行を組み合わせてタスクを進める機能です。テンセントは3DCGソフトのBlenderやCADのように、手順が長く画面操作が多い作業を重点的に学習させたと説明しています。一方で、APIの解説サイトOmniaKeyは「使えるが遅い」と評価しています。他社のPC操作機能との違いはClaudeのコンピューター操作(Computer Use)とはが参考になります。

金融・オフィス業務

テンセントの金融部門Tencent FiTと共同で作った評価(金融の専門家213人、うち153人が金融機関所属、579タスク、4点満点)で、Hy4は3.04点でした。テンセントが比較に出したDeepSeek-V4.1-Flash-1017は2.97点、Kimi K3.1 ProとGLM-5.3は2.68点です。ただし、これはテンセントが設計した評価で、比較対象もオープンウェイト系のモデルに限られています。

ハルシネーション(もっともらしい誤り)の減少

社内の検索タスク評価では、ハルシネーション率がpreviewの15.76%から5.45%に、推測で答えて間違える割合が23.1%から5.6%に下がったとされています。調べものやレポート作成に使う場合に役立つ改善です。

Tencent Hy4の苦手なこと・制約

最大の弱点は、コーディングと長時間の開発作業で最上位のクローズドモデルに大きく負けていることです。 テンセント自身も、研究レベルの数学、長時間のコーディング、モデル自身の改善、高度な画像の質問応答で「トップのクローズドモデルとは大きな差がある」と書いています。

制約

内容

コーディング性能

Terminal Bench 4.0で44.4(Claude Opus 5.5は66.4)、ProgramBenchで30.0(同56.5)と大差

PC操作の速度

操作はできるが遅いという評価がある。PC操作の独立したベンチマークは未公表

重みが未公開

正式版は自社サーバーで動かす、追加学習する、中身を検証する、のいずれもできない

出力はテキストのみ

画像・音声の生成はしない

独立評価がない

2026年11月5日時点で、正式版の第三者による総合評価は公表されていない

日本語の評価がない

日本語だけを測った公式・第三者の評価は見当たらない

専門分野の限界

生物実験の手順設計は30.4/100と低い(自社評価)

提供元が1社

OpenRouterでも実際の処理はTencent Cloudのみ。障害時の切り替え先がない

低価格・高速版の「Hy4 Flash」も予告されていますが、仕様・価格・公開日は発表されていません。

ベンチマークと他モデルとの比較

PC操作ではGPT-6.1 Solを上回る一方、コーディングではClaude Opus 5.5・Kimi K3.1 Proに大きく離されています。 次の数字はすべてテンセントが発表した値です。

ベンチマーク

Hy4

Claude Opus 5.5

GPT-6.1 Sol

Kimi K3.1 Pro

Terminal Bench 4.0(ターミナル操作を伴う開発)

44.4

66.4

55.5

66.8

ProgramBench(プログラム作成)

30.0

56.5

—

—

OSWorld 2.1(PC操作)

78.9

81.8

75.2

—

※「—」はテンセントの発表で数字が示されていないもの。

数字を読むときは、次の点に気をつけてください。

  • 自社評価が中心: 金融3.04点や調査分野の1位は、テンセントが作った評価での結果です。APIの解説サイトAPIYIは、テンセントが出した12項目の比較で1位になった項目はなかったと伝えています
  • previewの数字と混ぜない: previewはTerminal-Bench 2.1で85.4、SWE-Bench Proで65.7と高い数字を出していましたが、正式版のTerminal Bench 4.0とは版が違うため、同じ表に並べて比べることはできません
  • 比較相手が「オープンウェイト系」か「全体」か: 「1位」とされる評価の多くは、比較相手をオープンウェイトのモデルに限ったものです

料金を含めた比較

性能では最上位に届かない一方、単価は最上位のモデルを大きく下回ります。

項目

Tencent Hy4

Claude Opus 5.5

GPT-6.1 Sol

Kimi K3.1 Pro

開発元

テンセント(中国)

Anthropic(米国)

OpenAI(米国)

Moonshot AI(中国)

API料金(入力/出力、100万トークン)

$0.834/$2.501(12月31日まで半額)

$4/$20

$2/$10

$2/$10

コンテキスト

約100万

100万

105万

約100万

画像入力

対応

対応

対応

対応

重み

正式版は未公開(previewはApache 2.0)

非公開

非公開

2026年11月上旬にHugging Faceで公開されたと報じられている(独自ライセンス)

得意分野

金融・ゲーム開発・PC操作・低コストの長文処理

長時間のコーディング、文書作成

コーディング・PC操作・業務タスク

長時間のコーディング、3D制作、財務分析

※Hy4はTencent Cloudの定価をドル換算した報道値。他モデルは各社の公式発表時点の価格で、変わっている場合があります。

各モデルの詳細は、Claude Opus 5.5とは、GPT-6.1 Solとは、Kimi K3.1 Proとはで解説しています。中国系のほかの選択肢では、GLM-5.3、DeepSeek V4.1、Qwen 3.8 Maxも比較の候補になります。

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Tencent Hy4の料金

OpenRouterのTencent Hy4のページ。コンテキスト長と半額期間中の入力・出力料金

出典:OpenRouter(tencent/hy4)

API料金は100万トークンあたり入力6元・出力18元・キャッシュヒット0.3元で、previewから据え置きです。 テンセントのAPI基盤「Tencent Cloud TokenHub」では、2026年12月31日まで定価の50%オフで提供されています。

利用経路

入力(100万トークン)

出力(100万トークン)

キャッシュヒット

備考

Tencent Cloud TokenHub(定価)

6元(約$0.834)

18元(約$2.501)

0.3元(約$0.042)

2026年12月31日まで半額

OpenRouter tencent/hy4

$0.417

$1.251

—

2026年11月5日確認。半額キャンペーンが反映された値。提供元はTencent Cloudのみ

CodeBuddy/WorkBuddy

無料(一定量まで)

—

—

2026年11月4日〜15日の期間限定

※ドル換算は報道値。TokenHubの価格ページは今回直接確認できておらず、複数の報道で一致した数字を載せています。

日本円にすると(1ドル=150円で計算した目安)、定価で入力約125円・出力約375円、キャンペーン中は入力約63円・出力約188円です。OpenRouterの価格は2027年以降、定価に戻る可能性があります。

月額の目安

入力5,000万トークン・出力1,000万トークンを使う場合(キャッシュは考慮しない)の試算です。

モデル

月額の目安

Hy4(キャンペーン中)

約$33(約5,000円)

Hy4(定価)

約$67(約1万円)

GPT-6.1 Sol/Kimi K3.1 Pro

約$200(約3万円)

Claude Opus 5.5

約$400(約6万円)

Hy4は推論モードの既定が high で、考える過程も出力トークンとして課金されます。previewには「考えすぎる」傾向が報告されていたため、実際の出力量は自分のタスクで測ってから見積もってください。軽い処理なら no_think を指定すると出力量を抑えられます。

前世代のHy3は、第三者のまとめによるとTokenHubで入力1元・出力4元で、Hy4はその4〜6倍の単価です。性能より安さを優先する用途なら、Hy3のほうが合う場合もあります。

Tencent Hy4の使い方

vLLMのレシピページに掲載されたHy4 previewの構成(770B・アクティブ49B・MoE)

出典:vLLM Recipes(tencent/Hy4-preview)

日本から試すなら、クレジットカードで支払えるOpenRouter経由がいちばん手軽です。 TokenHubは中国本土のTencent Cloudアカウントが前提とみられ、国際版のTencent CloudでHy4を使えるかは2026年11月5日時点で確認できていません。

使い方

こんな人に

必要なもの

OpenRouter(tencent/hy4)

日本から手軽にAPIで試したい開発者

OpenRouterのアカウントとクレジット

Tencent Cloud TokenHub(hy4)

中国の拠点・アカウントがある企業

腾讯云アカウント

CodeBuddy/WorkBuddy

テンセントのコーディング・業務エージェントで試したい人

各サービスのアカウント

Yuanbao(元宝)・ima

チャットで性能を見たい人

アプリ(中国向け。利用条件は要確認)

Hermes/OpenCodeなど

普段使っているエージェントツールから呼びたい人

APIキー

Hy4 previewの重みを自社で動かす

外部にデータを出したくない研究機関・大企業

B200×16またはB300×8クラスのGPU

OpenRouterで試す手順

  1. OpenRouterでアカウントを作り、クレジットを購入してAPIキーを発行する
  2. モデルIDに tencent/hy4 を指定する
  3. OpenAI互換のAPIで呼び出す
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    base_url="https://openrouter.ai/api/v1",
    api_key="<OpenRouterのAPIキー>",
)

response = client.chat.completions.create(
    model="tencent/hy4",
    messages=[
        {"role": "user", "content": "このグラフから読み取れる売上の傾向を3点にまとめてください。"}
    ],
    temperature=0.9,
    top_p=1.0,
)
print(response.choices[0].message.content)

画像を読ませる場合は、OpenAI互換の形式でメッセージに画像を含めます。推論の深さの指定方法は経路ごとに違うため、OpenRouterのモデルページで対応するパラメータを確認してください。OpenRouterの仕組みはOpenRouterとはで解説しています。

TokenHubは、OpenAIのChat Completions形式・Responses形式に加えて、AnthropicのMessages形式にも対応していると報じられています。Claude向けに作ったツールからも呼び出しやすい作りです。

自分のPCでは動かせるか

一般的なPCや1枚のGPUでは動きません。 自社で動かせるのは重みが公開されているpreviewだけで、それでもBF16の重みは約1.8TB、FP8でも約0.9TBあります。テンセントが示す最小構成の目安はNVIDIA B200を16枚、またはB300を8枚です。量子化版(GGUF)でもQ4_K_Mで約435GiB、1〜2ビットに圧縮した版で約214GiBのメモリが必要です。「オープンウェイト=手元のPCで動く」ではない点に注意してください。

業務で使う前に確認したいセキュリティと注意点

API経由で使うと、入力したデータはテンセントのクラウドで処理されます。 OpenRouterを通しても、Hy4の提供元はTencent Cloudだけです。

テンセントが公表している安全対策

  • サイバーセキュリティ分野の学習データは、防御目的(脆弱性の修正や防御用の検証コード)に絞り、攻撃コードの作成やリバースエンジニアリングの素材は除いた
  • テンセント社内のセキュリティ研究チームXuanwu Lab(玄武実験室)とKeen Security Lab(科恩実験室)が攻撃側の立場で検証し、暗号解析・難読化の回避・脆弱性の悪用で、危険性が目立って上がる結果は出なかった
  • 生物学的な危害については、実行のハードルを大きく下げる証拠はなかった

いずれもテンセントの自己申告で、第三者の監査結果は公表されていません。

利用者側で決めておきたいこと

確認項目

理由と対策

送ってよいデータの範囲

中国本土のTencent Cloudで扱われるデータは、データ安全法や国家情報法など中国の法令の下に置かれる。個人情報・顧客情報・営業秘密は送らない運用を社内規程で決める

経路ごとのデータの扱い

OpenRouter・TokenHubそれぞれの利用規約と保存場所を確認する。OpenRouterではEU域内に限った処理は選べない

PC操作の権限

エージェントに操作させるときは専用の仮想マシンやサンドボックスで動かし、本番環境の認証情報や管理者権限を渡さない

ベンチマークの読み方

自社評価が中心のため、導入前に自社の実データで精度を測る

日本語の精度

日本語の評価が公表されていないため、日本語の文書・問い合わせで試してから判断する

データを外に出したくない場合は、previewの重みを自社のサーバーで動かす方法があります。ただし、B200を16枚使うような大規模なGPU環境が必要です。

新しいモデルを社内の業務システムに組み込む場合、APIで呼ぶか自社のサーバーで動かすかで、構成も費用も大きく変わります。組み込みの進め方と費用の目安は「AI開発の費用相場」で整理しています。

中国発のAIモデルが増えている背景は中国AIモデルの台頭、重みを公開するかどうかをめぐる考え方はAnthropicのオープンウェイトに対する立場で取り上げています。

Tencent Hy4はこんな人におすすめ

安い単価で長い文書やエージェント処理を大量に回したい人、金融やゲーム開発の業務で試したい人に合うモデルです。 最高のコーディング性能や機密データの扱いが必要な場合は、ほかのモデルを選ぶほうが無難です。

おすすめの人

  • API費用を抑えて長い文書を扱いたい開発者: 約100万トークンを、Claude Opus 5.5と比べて入力で約5分の1・出力で約8分の1の単価で扱える。12月31日まではさらに半額
  • グラフや帳票を読み取る処理を安く回したい人: 画像入力に対応し、グラフ分析や文書の読み取りを強化している
  • ゲーム開発に関わるエンジニア: Unreal Engine・Unity・Godotを使う開発を重点的に学習している
  • 中国語の資料や中国市場向けの業務がある人: テンセントの製品群(WeComなど)と組み合わせやすい
  • オープンウェイトの公開を待って自社運用を検討しているチーム: 公開されれば、previewと同じくApache 2.0になるかを確認したうえで自社サーバーで使える可能性がある

おすすめしない人

  • コーディング性能を最優先する人: Terminal Bench 4.0やProgramBenchでClaude Opus 5.5に大差で負けている
  • 機密情報・個人情報を扱う業務でAPIを使いたい人: データがTencent Cloudで処理される
  • 今すぐ自社のサーバーで正式版を動かしたい人: 正式版の重みは未公開
  • 日本語の品質を重視する人: 日本語の評価がなく、事前検証が欠かせない
  • PC操作を速く確実に自動化したい人: 操作は遅いという評価があり、独立した評価もまだない

目的別の選び方

やりたいこと

おすすめ

安く長い文書・画像を処理したい

Tencent Hy4

さらに安く、テキストだけで十分

Tencent Hy3

外部にデータを出さず自社で動かしたい

Hy4 previewのセルフホスト(大規模GPUが前提)

長時間のコーディングで最高性能が欲しい

Claude Opus 5.5

コーディングとPC操作を中くらいの価格で

GPT-6.1 SolまたはKimi K3.1 Pro

主要な生成AIツールを横並びで比べたい場合は、生成AIツールおすすめ比較も参考にしてください。

Tencent Hy4のこれまでの流れ

日付

出来事

2026年8月12日

テンセントの第2四半期決算でHy4を学習中と言及。Hy3の週間API呼び出しはpreviewから正式版で68倍に

2026年8月28日

Hy4 previewを公開(770B/49B、約100万トークン、Apache 2.0、テキストのみ)。WorkBuddy・CodeBuddyで無料提供

2026年11月4日

Hy4正式版を公開。画像理解とPC操作を追加し、API料金は据え置き。TokenHubで12月31日まで半額

日付未定

正式版の重みとシステムカードの公開、低価格版Hy4 Flash

よくある質問(FAQ)

Q1. 「Hy4」と「Hunyuan」「混元」は同じものですか?

同じシリーズです。テンセントは大規模言語モデルを「Hunyuan(混元)」の名前で出してきましたが、海外ではHy3から「Hy」の表記を使っています。中国国内の報道では今も「混元」と書かれることがあります。

Q2. Hy4はオープンソースですか?

2026年11月5日時点で、Apache 2.0で重みが公開されているのはHy4 previewだけです。正式版は「近日公開」とされていますが日付は示されておらず、ライセンスも発表されていません。Hugging Faceの tencent/Hy4 のページもまだ公開されていません。

Q3. 無料で使う方法はありますか?

テンセントのAIコーディングツールCodeBuddyと業務エージェントWorkBuddyで、2026年11月15日まで一定量を無料で使えます。APIは有料ですが、12月31日まではTokenHub・OpenRouterとも定価の半額です。

Q4. Hy4 previewを使い続けてもよいですか?

料金が同じで画像入力とPC操作が加わり、ハルシネーションも減っているため、APIで使うなら正式版に移るのが基本です。previewを選ぶ理由は、重みを自社で動かしたい場合と、過去の検証結果を再現したい場合に限られます。

Q5. Claude CodeなどAnthropic向けのツールから使えますか?

TokenHubはAnthropicのMessages形式に対応していると報じられており、接続先とモデル名を差し替えて呼び出せる可能性があります。ただし、ツールごとに対応する機能(ツール呼び出しや画像の渡し方)が違うため、動作は自分の環境で確かめてください。

Q6. Hy4 Flashとは何ですか?

テンセントが予告している、低価格で速い版です。2026年11月5日時点で、仕様・価格・公開日は発表されていません。

まとめ

Tencent Hy4は、Hy4 previewに画像理解とPC操作を加えた正式版で、770BのMoE構成と約100万トークンのコンテキストを、入力$0.834/出力$2.501(12月31日まで半額)で使えるモデルです。金融・ゲーム開発・調査の分野を強化し、ハルシネーションも大きく減らしました。

一方で、コーディングでは最上位のクローズドモデルとの差が大きく、数字の多くは自社評価です。正式版の重みは未公開で、API経由ではデータがTencent Cloudで処理されます。

  • まず試す: OpenRouterで tencent/hy4(半額期間中)、またはCodeBuddy・WorkBuddyの無料枠(11月15日まで)
  • 業務で使う: 送ってよいデータの範囲を決め、自社の日本語データで精度を確かめてから
  • 自社で動かしたい: 正式版の重みの公開を待つか、大規模GPUを用意してpreviewを使う

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参考・出典

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この記事の著者

AI革命

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