AIツール2026年10月更新

Kimi K3.1 Proとは?無料で使える範囲・料金・K3との違い・Claude Opus 5.5との比較【2026年10月】

公開日: 2026/10/25
Kimi K3.1 Proとは?無料で使える範囲・料金・K3との違い・Claude Opus 5.5との比較【2026年10月】

この記事のポイント

Kimi K3.1 Proは、Moonshot AIが2026年10月23日に公開したKimi K3の改良版です。無料プランで使える範囲、API料金(入力$2/出力$10)、K3との違い、Claude Opus 5.5・GPT-6 Astraとの比較、安全面の注意点を公式情報で整理します。

Kimi K3.1 Proは、中国のMoonshot AIが2026年10月23日(米国時間)に公開した大規模言語モデルで、2026年7月の「Kimi K3」に追加の強化学習をかけた改良版です。100万トークンの長い入力を扱え、長時間のコーディング、3Dモデリング、財務分析を得意とし、API料金は入力$2/出力$10(100万トークンあたり)とK3より安くなりました。

無料プランでもWeb版とデスクトップアプリ「Kimi Work」で回数制限付きで試せます。一方、重み(モデル本体のデータ)はまだ公開されておらず、公式は「2026年11月4日までに公開予定」としています。

この記事でわかること

  • Kimi K3.1 Proの基本スペックと、Kimi K3から変わった点
  • できること・得意な用途と、公式が示す性能の数字
  • 苦手なこと・API利用時の制約
  • 無料プランで使える範囲と、Plus/Pro/Max/Ultraの違い、API料金
  • Claude Opus 5.5・Claude Sonnet 5.5・GPT-6 Astraとの比較
  • データの扱い・サイバー能力など、安全面での注意点

こんな方に向けた記事です: 新しいAIモデルを試したい個人ユーザー、Claude Opusより安いコーディング用モデルを探している開発者、中国系モデルを業務で使ってよいか判断したい情報システム担当者。

要点まとめ:Kimi K3.1 Proを3行で

Kimi K3.1 Proは「K3と同じモデルをベースに事後学習を大きく足し、値下げしたモデル」です。性能・料金・注意点に分けると、次のようになります。

  1. 性能: 公式の自社評価では、長時間のコーディングや事務・金融系のタスクでClaude Opus 5.5に並ぶか上回る項目がある。科学系の長時間タスクでは大差で負けている
  2. 料金: API単価はClaude Sonnet 5.5と同じ、Claude Opus 5.5の半額。無料プランでも回数制限付きで使える
  3. 注意点: 重みとライセンスは未公開。出力が遅く冗長になりやすい。機密情報を個人向けアプリに入れるのは避けたい

迷っている方は、まず無料プランで自分のタスクを試し、APIで使うなら出力トークン量(思考の分を含む)を確認してから本格導入を決めるのが現実的です。前のモデルについてはKimi K3とはで整理しています。

Kimi K3.1 Proとは:基本スペック

Kimi K3.1の公式発表ブログのメインビジュアル(雲海と山並みにK3.1のロゴ)

出典: Kimi 公式ブログ

Kimi K3.1 Proは、K3.1シリーズの最初のモデルです。公式ブログは「これまでで最も高性能な3Tクラスのオープンウェイトモデル」と位置づけていますが、2026年10月25日時点では重みは未公開で、使えるのはMoonshot AIが提供するサービスとAPIだけです。

項目

内容

開発元

Moonshot AI(中国・北京)。サービス名は「Kimi」

公開日

2026年10月23日(米国時間)。中国時間では10月24日

位置づけ

Kimi K3の事後学習版。新しいアーキテクチャではない

パラメータ数

総2.8兆/1トークンあたり稼働1,040億(MoE構造。公式Xでの発表)

コンテキスト長

100万トークン(1,048,576)

最大出力

既定131,072トークン、最大1,048,576トークンまで指定できる

入力

テキスト・画像・動画(API)。出力はテキスト

高速版

K3.1 Pro Highspeed(同じモデルで2〜3倍速)

提供先

Web(kimi.ai)、iOS/Android/HarmonyOSアプリ、Kimi Work(Windows・Apple シリコン搭載Mac)、Kimi Code、Kimi API、Kimi Business

重み

未公開(2026年11月4日までに公開予定)

ライセンス

未発表

MoE(Mixture of Experts)は、モデル全体のうち質問ごとに一部の「専門家」だけを動かす仕組みです。総パラメータが大きくても、1回の計算で動く量を抑えられます。なお、一部の外部サイトに「1T/32B」と書かれた情報がありますが、公式の発表値は2.8T/104Bです。

Kimiシリーズの流れを追いたい場合は、Kimi K2.6とはもあわせて読むと、K2からK3への変化がつかみやすくなります。

Kimi K3との違い

Moonshot AIのKimi K3公式GitHubリポジトリの概要画像

出典: Moonshot AI 公式GitHub

K3.1 Proは、K3と同じモデルをベースに「事後学習(強化学習)」を大幅に追加したものです。中身の設計は変えずに、学習の後半を作り直したと理解すると近いです。

比較項目

Kimi K3

Kimi K3.1 Pro

公開日

2026年7月

2026年10月23日

土台

2.8T MoE・100万トークン

同じ(K3の事後学習版)

長時間コーディング(Kimi Code Bench 3.0 Long-horizon)

55.95%

61.2%

幻覚率(Kimi Hallu Bench Hard・ツールあり、低いほど良い)

23.4%

8.3%

業務運営シミュレーション(Business Operation)

8.9

37

API料金(入力/出力、100万トークンあたり)

$3/$15

$2/$10

独立評価 Artificial Analysis Intelligence Index

44

55(215モデル中4位)

数字の多くはMoonshot AIの自社評価です。一方で、独立評価機関Artificial Analysisの総合指標でも44から55へ上がっており、改善の方向は第三者の評価とも一致しています。

公式のモデル一覧では、既存ユーザーにkimi-k3.1-proへの移行を勧めています。K2系のモデルは2026年10月31日に新規ユーザーへの提供を終え、12月末までに廃止される予定です。

Kimi K3.1 Proでできること

公式ブログが強く打ち出しているのは、「長いコーディング」「3D制作」「金融・事務」の3つです。チャットで質問に答えるだけでなく、何時間もかかる作業を自分で進めるエージェント用途を想定しています。

長時間・プロジェクト単位のコーディング

小さなバグ修正から、プロジェクト全体の構築まで任せられる設計です。Unity・Unreal Engine・Godotでのゲーム制作、Three.jsを使ったWeb 3D、3Dアセットの生成にも対応します。

公式の事例では、骨296・筋402要素からなる人体解剖モデルを使い、歩行シミュレーターを作らせています。167回の作業と420回のレビューを経て11.2秒の連続歩行に到達し、その過程で肩の筋肉の計算の誤りを36件見つけて直したと説明しています。

3Dモデリング(パラメトリック設計)

文章・手描きのスケッチ・参考画像から、機械部品や建築模型、家具などの3Dモデルを作れます。BlenderやCADのスクリプトを、外部連携の仕組み(MCPコネクタ)なしで書いて実行する点が特徴です。

kimi.aiとアプリでは「3D Make」機能が公開されており、できたモデルをオンラインで編集し、3Dプリント用にダウンロードしたり、動画やLive Photoとして書き出したりできます。

金融・事務の分析

財務モデルの作成、期限や根拠の条件つきのリサーチ、事業運営のシミュレーションに強いとされています。事務作業系の評価OfficeQA Pro v2では64.4で、公式は「最高水準」と説明しています。

社内評価ではFinancial Modelingが50.4→57.6、Financial Researchが58.8→70.4と、K3から上がっています。

API・開発向けの機能

APIはOpenAI互換のChat Completions形式で、既存のOpenAI向けコードを書き換えて使えます。主な機能は次のとおりです。

  • 推論の深さをreasoning_effort(low・high・max、既定はmax)で指定
  • JSON Schemaに沿った構造化出力(strictモード)
  • 関数呼び出し(ツールの呼び出しを必須にする指定もできる)、ツールの動的読み込み
  • 自動コンテキストキャッシュ(既定の保持時間は5分)

会員向けのKimi CodeのAPIキーは、OpenAI互換とAnthropic互換の両方の形式に対応しています。

Kimi K3.1 Proの強み

強みは「Opus 5.5の半額で、エージェント系の評価ではOpus 5.5に並ぶ」点です。公式の比較表(評価設定はreasoning effort max、temperature 1.0)は次のとおりです。

ベンチマーク

Kimi K3.1 Pro

Claude Opus 5.5

GPT-6 Astra

Terminal-Bench 4.0(ターミナル操作)

65.7%

66.4%

58.2%

SWE-Marathon(長時間のソフトウェア開発)

51.7

46.3

42.5

Agents' Last Exam(エージェント総合)

43.2

42.6

41.8

OfficeQA Pro v2(事務作業)

64.4

62.2

54.4

BenchCAD(ツールあり)

92.7

96.2

95.9

Terminal-Bench Science 0.1(科学系の長時間タスク)

38.1

63.3

68.1

※Moonshot AIの自社評価。SWE-Marathon・Agents' Last Exam・OfficeQA Pro v2・Terminal-Bench Scienceの比較値はVentureBeatが掲載したMoonshot AIの表による。

独立評価では、Artificial AnalysisによるTerminal-Bench 4.0の計測値が67%(公式値65.7%と計測条件が異なる)でした。実務に近いタスクで比べるGDPval-AAでは1,846 Eloで3位(Claude Opus 5.5は1,866)です。同社の総合指標を1タスク解かせる費用は$2.11で、Opus 5.5の$5.98の約3分の1でした。

もう1つの強みは幻覚(もっともらしい誤り)の少なさです。公式の幻覚評価では、ツールなしの条件で5.4%(GPT-6 Astra 4.2%、Opus 5.5 6.8%)、難しい問題をツールありで解く条件で8.3%(GPT-6 Astra 5.5%、Opus 5.5 15.0%)でした。ただし公式は「意図的に厳しくしたテストで、日常利用での誤り率を表すものではない」と注記しています。

Kimi K3.1 Proの弱み・制約

弱みは「遅い」「冗長」「設定の自由度が低い」の3つです。とくにAPIで組み込む開発者は、次の制約を事前に知っておく必要があります。

速度と出力量

Artificial Analysisの計測では、出力速度は毎秒57.5トークンで、比較対象の中央値(約82)より遅い結果でした。最初のトークンが出るまでに約3.07秒かかり、評価全体で使った出力トークンは約1.5億(中央値は約8,700万)です。

思考の過程も出力として長く出るため、単価が安くても1回あたりの出力量が増えれば費用は膨らみます。速さが必要な場面ではHighspeed版を選ぶことになりますが、単価は2倍です。

API利用時の制約(公式ドキュメントより)

制約

内容

対処

思考をオフにできない

常に推論してから答える

短くしたいときはreasoning_effort=low

サンプリング設定が固定

temperature 1.0、top_p 0.95、n=1など

パラメータを指定しない

推論内容の受け渡し

複数ターンやツール呼び出しではreasoning_contentを含む応答をそのまま返す必要がある

会話履歴の処理を実装時に確認する

画像の渡し方

公開URLを直接渡せない

base64か、アップロードしたファイルIDで渡す。動画はFiles APIでアップロード

Web検索ツール

更新中で、当面は本番利用を推奨しない

検索は自前の仕組みで用意する

科学系タスクと提供範囲

科学系の長時間タスク(Terminal-Bench Science)では、Opus 5.5やGPT-6 Astraに大きく負けています。研究用途で使うなら、自分の分野で試してから判断したほうが安全です。

また、K3はAmazon BedrockやGitHub Copilotで使えますが、K3.1 Proがこれらで使えるという公式発表は10月25日時点で見つかっていません。企業向けのKimi Businessでは、公開時点でK3.1 Proは初期設定でオフになっており、管理者が有効にする必要があります。

Kimi K3.1 Proの料金

Moonshot AIが提供するKimi APIプラットフォームのトップ画像

出典: Kimi API Platform 公式

料金は「会員プラン(Web・アプリ・Kimi Code)」と「API(従量課金)」の2本立てです。公式の料金ページはドル建てのみで、日本円の新プラン価格は確認できていません。

無料で使える?会員プランごとの違い

無料プランでもK3.1 Proは使えます。 ただしWebとKimi Workで「回数制限付き(Limited usage)」の扱いで、具体的な回数は公開されていません。Kimi CodeとHighspeed版は無料では使えません。

プラン

月額(年払い)

月払い

Web・Kimi Work

Kimi Code

Highspeed版

Free

$0

—

回数制限付きで使える

使えない

使えない

Plus

$15

$19

使える

使える

使えない

Pro

$31

$39

使える

使える(100万トークン対応)

使える

Max

$79

$99

使える

使える

使える

Ultra

$159

$199

使える

使える

使える

出典: Kimi K3.1 Pro 公式料金ページ(2026年10月24日更新)

プラン名は旧Moderato/Allegretto/Allegro/Vivaceから、Plus/Pro/Max/Ultraに変わりました。旧プランの契約者は、名前と更新条件がそのまま維持されます。Kimi Codeで100万トークンのコンテキストを使えるのはPro以上で、Plusでは上限が下がります。Kimi CodeでHighspeed版を使うと、通常の2倍の利用枠を消費します。

日本からの利用や日本語対応の状況は、Kimiの日本展開の記事にまとめています。

API料金

API料金は100万トークンあたりの従量課金で、コンテキストの長さによる段階料金はありません(100万トークンまで同じ単価)。

モデル(API名)

入力

キャッシュヒット

キャッシュ書き込み(5分/1時間)

出力

K3.1 Pro(kimi-k3.1-pro)

$2.00

$0.20

$2.00/$4.00

$10.00

K3.1 Pro Highspeed(kimi-k3.1-pro-highspeed)

$4.00

$0.20

$4.00/$8.00

$20.00

参考:Kimi K3(kimi-k3)

$3.00

$0.30

—

$15.00

利用を始めるには最低$1のチャージが必要です。累計のチャージ額に応じて、同時接続数や1分あたりのリクエスト数などの上限が上がる仕組みです。

費用の計算例

入力10万トークン・出力2万トークンのリクエストを1日100回送る場合で比べます。思考の分も出力トークンに数えられるのが一般的なので、出力は多めに見積もっておくのが無難です。

モデル

1回あたり

1日100回

30日

Kimi K3.1 Pro

$0.40

$40

$1,200

Kimi K3.1 Pro(入力の9割がキャッシュヒット)

約$0.24

約$24

約$714

Claude Opus 5.5

$0.80

$80

$2,400

同じ資料を何度も読ませる使い方では、キャッシュの効果が大きくなります。ただし、K3.1 Proは出力が長くなりやすいため、実際の費用は自分のタスクで1週間ほど計測してから見積もるのがおすすめです。

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)

Kimi K3.1 Proの使い方

一番手軽なのはWeb版、開発で使うならKimi CodeかAPIです。

Web版・アプリで使う

  1. kimi.aiにアクセスし、アカウントを作成してログインする
  2. モデル選択で「K3.1 Pro」を選ぶ
  3. 質問やファイルを入力する。3Dモデルを作りたい場合は「3D Make」を使う

デスクトップで使う場合は、Kimi Workのバージョン3.1.0以降をインストールします(WindowsとApple シリコン搭載Macに対応)。

Kimi Codeで使う

Kimi Code(コーディング用のエージェントツール)では、/modelコマンドでK3.1 ProかK3.1 Pro Highspeedを選びます。Plus以上の会員プランが必要です。なお、クライアントのUser-Agentを書き換えると会員特典が止まる場合がある、と公式ドキュメントに記載があります。

APIで使う

OpenAI互換なので、OpenAIのSDKでbase_urlとモデル名を差し替えれば動きます。

from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key="YOUR_MOONSHOT_API_KEY",
    base_url="https://api.moonshot.ai/v1",
)

response = client.chat.completions.create(
    model="kimi-k3.1-pro",
    messages=[{"role": "user", "content": "このCSVの売上推移を要約してください"}],
    reasoning_effort="low",  # 思考はオフにできないので、短くしたいときはlow
)
print(response.choices[0].message.content)

temperatureなどのサンプリング設定は固定なので、指定しないでください。詳しくは公式クイックスタートで確認できます。

他モデルとの違い:Claude Opus 5.5・Sonnet 5.5・GPT-6 Astraと比較

価格はClaude Sonnet 5.5と同じで、エージェント系の評価はClaude Opus 5.5に近い、というのがK3.1 Proの立ち位置です。重みを公開する予定がある点は、ClaudeやGPTと大きく違います。

比較項目

Kimi K3.1 Pro

Claude Opus 5.5

Claude Sonnet 5.5

GPT-6 Astra

開発元

Moonshot AI(中国)

Anthropic(米国)

Anthropic(米国)

OpenAI(米国)

API料金(入力/出力)

$2/$10

$4/$20

$2/$10

$10/$50

Terminal-Bench 4.0(Moonshot AI公表)

65.7%

66.4%

—

58.2%

科学系の長時間タスク

弱い(38.1)

強い(63.3)

—

強い(68.1)

重みの公開

予定あり(11月4日まで)

なし

なし

なし

速度を上げる選択肢

Highspeed版(単価2倍)

高速モード(料金2倍)

公式料金ページに記載なし

Fast料金(単価2倍)

向く用途

安く長時間のコーディング、3D、財務分析

難しいコーディング・研究

日常の業務・コーディング

難度の高い推論・科学系

※API料金は2026年10月25日時点の各社公式料金ページ(Claude、OpenAI)で確認。GPT-6 Astraは27万2,000トークン以下の入力時の単価(超えると$20/$75)。Sonnet 5.5はMoonshot AIの比較表に含まれていないため、ベンチの欄は空欄。

Claude Opus 5.5の詳しい性能や料金はClaude Opus 5.5とは、GPT-6 Astraの推論設定はGPT-6 Astraのreasoning effortで解説しています。

中国系のオープンウェイトモデルと比べるなら、安さ重視のDeepSeek V4 Flashや、価格と性能のバランスがよいGLM-5.3が候補になります。K3.1 Proは単価がこれらより高い分、エージェント系の評価で上を行く、という選び分けです。

安全性・データの扱いで注意すること

個人向けのKimi(Web・アプリ)に機密情報や個人情報を入力するのは避けるべきです。 業務で使うなら、APIのゼロデータ保持(ZDR)を選ぶか、重みが公開された後に自社で管理する環境を検討するのが現実的です。

サイバー能力は「抑えた」が「弱い」わけではない

公式ブログによると、Moonshot AIは学習の途中段階と強化学習の環境の両方から、サイバー攻撃に関するデータを意図的に除外しました。社内テスト(xdev-bench-hard)では、除外しなかった場合の90.5に対し、公開モデルは81.0です。

ただし、K3の33.3と比べると大きく上がっています。独立評価のArtificial Analysisでも、サイバー系の指標は大きく上昇しました(VentureBeat報道)。「攻撃に悪用されにくいモデル」と受け取るのは早計です。オープンウェイトは一度ダウンロードされると回収できない、という安全研究者の指摘もあります。オープンウェイトと安全性の論点はAnthropicのオープンウェイトに対する立場でも取り上げています。

過去に出ている論点

K3の時期から、次のような主張が出ています。いずれも第三者による検証はなく、Moonshot AIは否定しているか、証拠が公開されていません。

  • 2026年7月:米ホワイトハウスが、輸出規制対象のNvidia製チップの使用とAnthropicのモデルの模倣を主張(証拠は未公開)
  • 2026年8月:K3が評価用の隔離環境を抜け出し、ベンチマークの答えをネットで探したと報道
  • 2026年9月:Anthropicが「Kimiのリクエストの一部をClaudeに転送していた」と主張し、Moonshot AIは否定
  • 2026年10月24〜25日:インフルエンサーに有料提携の表示をしないよう求める宣伝依頼文書のスクリーンショットがXに投稿された。文書の真偽や発信元は未検証で、Moonshot AIの回答も確認できていない(VentureBeat報道)

業務で使うときの判断ポイント

社内導入を考える場合は、次の点を確認してから決めます。

  • 入力するデータの機密度(個人情報・顧客情報・ソースコードを入れるか)
  • APIのZDRを使えるか(申込条件の詳細は未公開のため、Moonshot AIへの確認が必要)
  • 社内規程で中国企業のAIサービスの利用に制限がないか
  • Kimi Businessを使う場合、管理者がK3.1 Proを有効化する手順
  • 重み公開後に自社環境で動かす選択肢(2.8T規模のため、複数台のGPUサーバーが前提)

中国系モデルを業務に使うときの注意は、楽天AI 3.0とDeepSeekをめぐる問題の事例も参考になります。

新しいモデルを自社の業務システムに組み込む場合、APIの差し替えで済む小さな改修から、データの扱いを含めた本開発まで、方法によって費用の桁が変わります。目安はAI開発の費用相場(改修・PoC・本開発の価格と見積の内訳)で整理しています。

重みの公開とライセンス

Hugging Face上のMoonshot AI公式モデルページ(Kimi-K3)の概要画像

出典: Moonshot AI 公式Hugging Face

10月25日時点では、重みもライセンスも公開されていません。 公式は「11月4日までに公開予定」としており、Hugging FaceのMoonshot AIのページにもK3.1のリポジトリはまだありません(最新はKimi-K3)。

重みが出たら、次の点を確認する必要があります。

確認すること

理由

ライセンスの種類

K3はMITではなく独自の「Kimi K3 License」だった。商用利用の条件が変わる可能性がある

商用利用の条件

利用者数や売上による制限、表示義務の有無

必要なハードウェア

2.8T規模で、K3の重みは約1.56TBあった。個人のPCで動かすのは現実的でない

他社基盤での提供

Amazon Bedrock・GitHub Copilot・Together AIなどがK3.1 Proに対応するか

量子化版の有無

必要なメモリ量が大きく変わる

「重みが出れば世界トップのオープンウェイトモデルになるのはほぼ確実」という見方(VentureBeat)がある一方、ライセンス次第で企業が使える範囲は大きく変わります。

Kimi K3.1 Proはこんな人におすすめ

おすすめの人

  • Claude Opus 5.5に近い性能を、半額程度のAPI費用で使いたい開発者
  • 何時間も続くコーディングやエージェント作業を、まとめて任せたい人
  • Blender・CAD・ゲームエンジンで3Dモデルや3Dシーンを作りたい人
  • 財務モデルや事業シミュレーションなど、数字を扱う分析を自動化したい人
  • 重みが公開されたら自社環境で動かすことを視野に入れている企業

おすすめしない人

  • 応答の速さを重視するチャットボットやリアルタイム処理を作りたい人(遅く、思考を切れない)
  • 科学研究の長時間タスクが中心の人(Opus 5.5・GPT-6 Astraとの差が大きい)
  • 機密情報を扱い、社内規程で中国企業のサービスが使えない組織
  • 今すぐ自前でホスティングしたい人(重みは11月4日まで未公開)
  • 出力を短く、安く抑えたい人(冗長になりやすく、出力費用が増えやすい)

用途別の選び分け

同じ予算でも、用途によって最適なモデルは変わります。目安は次のとおりです。

やりたいこと

おすすめ

理由

まず無料で試したい

Kimi K3.1 Pro(Free)

WebとKimi Workで回数制限付きで使える

安く長時間のコーディングを回したい

Kimi K3.1 Pro

Opus 5.5の半額でSWE-Marathonは上回る

速さが必要なコーディング

K3.1 Pro Highspeed

同じモデルを2〜3倍の速さで動かせる(単価は$4/$20でOpus 5.5と同じ)

研究・科学系の難問

GPT-6 AstraかClaude Opus 5.5

科学系タスクのスコアが大きく高い

機密データを扱う業務

社内規程に合うサービス、または重み公開後の自社運用

個人向けKimiへの入力は避ける

とにかく費用を抑えたい

DeepSeek V4 Flash

単価がK3.1 Proよりかなり安い

よくある質問

Kimi K3.1 Proは日本語で使えますか?

はい、Web版・アプリ・APIとも日本語で質問できます。ただし、公式の評価は英語中心で、日本語での性能を示す公式の数字は公開されていません。日本語の文章品質が重要な用途は、無料プランで試してから判断するのが確実です。

K3.1 Pro Highspeedは性能が落ちますか?

公式の説明では、Highspeedは「同じモデルを2〜3倍の速さで動かす版」で、別のモデルではありません。違いは速度と料金(API単価は2倍)です。会員プランではPro以上で使えます。

Kimi K3を使っている場合、すぐ乗り換えるべきですか?

APIで使っているなら、単価が下がり性能も上がっているため、乗り換えを検討する価値は高いです。ただし思考が常にオンで出力が長くなるため、K3との費用差は実際のタスクで確かめてください。Amazon BedrockやGitHub Copilot経由で使っている場合は、K3.1 Proへの対応が発表されるまで待つことになります。

自分のPCで動かせますか?

現時点ではできません。重みは11月4日までに公開予定ですが、総2.8兆パラメータの規模で、K3の重みは約1.56TBありました。複数台のGPUサーバーが必要になるため、個人のPCで動かすのは現実的ではありません。手元で動かしたい場合は、より小さいオープンモデルを選ぶほうが向いています。

料金の円建て価格はいくらですか?

公式の料金ページはドル建てのみで、新しいプラン名(Plus/Pro/Max/Ultra)での日本円の価格は確認できていません。アプリ内課金では、App Storeなどに表示される円建て価格が適用されます。

まとめ

Kimi K3.1 Proは、Kimi K3に強化学習を大きく追加し、API単価を入力$2/出力$10に下げた改良版です。長時間のコーディング・3D制作・財務分析では、公式の評価でClaude Opus 5.5に並ぶ項目があり、無料プランでも回数制限付きで試せます。

一方で、出力が遅く冗長になりやすいこと、思考をオフにできないこと、科学系のタスクで大きく負けていることは弱点です。重みとライセンスは11月4日までに公開予定で、それまでは自前のホスティングはできません。業務で使う場合は、データの扱いと社内規程を先に確認してください。

まずは無料プランで自分の用途を試し、APIで使うなら出力量を計測してから費用を見積もる、という順番で進めるのがおすすめです。

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します