問い合わせ管理システムを開発する前に|受付・担当・完了の決め方と、市販ツールで足りる条件

この記事のポイント
問い合わせ管理システムを開発するか市販ツールで済ませるかの判断材料。受付・担当・完了の状態、閲覧範囲、1件のまとめ方を架空データで確かめた結果と、公式料金による3年間の利用料試算、開発費の目安をまとめました。
この記事は、メール・電話・フォームの問い合わせが担当者ごとの受信箱やExcelに分かれてしまい、「どれが未対応か」「誰の担当か」が見えなくなっているCS責任者・業務責任者の方に向けたものです。受付経路がメールとフォーム中心で、閲覧範囲をチーム単位で分ければ足りるなら、市販の問い合わせ管理ツールで十分です。今ある顧客台帳や基幹システムとのつなぎ込み、自社独自の確認工程、拠点や契約ごとの細かい閲覧範囲が必要な場合は、その部分だけを開発することを検討してください。
当社に頼む場合の費用は、小規模な既存改修が30万円〜、新しい仕組みを試す検証(PoC)が300万円〜、本開発は個別見積です(いずれも税別。クラウド・外部API・ライセンスなどの実費は別)。300万円は検証の開始価格で、本番システムの完成価格ではありません。
この記事では、どちらを選ぶ場合にも必要になる「状態」「担当」「閲覧範囲」「1件のまとめ方」の決め方を、架空データで確かめた結果とあわせて整理します。
対応状況が見えなくなるのは、どんな場面か

問い合わせの管理がうまくいかなくなるのは、ツールが無いからというより、次のどれかが決まっていないからです。
- 共有アドレスを複数人で見ている: info@ や support@ に届いたメールを誰が返したか分からず、二重に返信したり、全員が「誰かが返しただろう」と思って放置したりする
- 電話の記録が別の場所にある: 電話はメモや個人のExcelに残り、同じ顧客から届いたメールの履歴とつながらない
- 担当者が休む・異動する: 途中の案件が誰のものか分からなくなり、顧客に同じことを聞き直す
- 「対応中」の意味が人によって違う: 顧客の返事を待っている案件も、社内の確認を待っている案件も同じ「対応中」になり、期限を過ぎた件数の数字が信用されない
- 完了後に顧客から返信が来る: 「まだ直っていません」というメールを別の人が新しい問い合わせとして受け、前の履歴が切れる
参考として、メール共有ツールを販売するラクスが2024年8月に行った調査(無料のメールソフトで問い合わせに対応している企業のCS担当者100名が対象)では、ヒヤリハットとして「見落としや対応漏れ」を挙げた人が39.0%でした(Web担当者Forumの記事)。販売元による100名の調査なので、一般的な割合とは考えず、こうした漏れが起こるという例として見てください。
市販のツールで足りる場合・開発が要る場合

出典: メールワイズ 公式サイト
まず、作らずに済むかどうかを確かめます。下の表で左の列に当てはまる項目が多ければ、市販ツールの導入と設定から始めてください。
確認すること | 市販ツール(設定・ノーコード)で足りる | 開発(または既存システムへの追加開発)を検討する |
|---|---|---|
受付経路 | メールとWebフォームが中心 | 電話・訪問・FAX・紙・独自アプリなど、ツールが取り込めない経路が多い |
状態と工程 | 「未対応・対応中・待ち・完了」と少数の追加で足りる | 上長の承認や技術部門の確認など、独自の工程を必ず通さないと完了にできない |
閲覧範囲 | チーム単位で分ければ足りる | 拠点・取引先・契約ごとに、見てよい人が細かく変わる |
顧客との結び付け | メールアドレスで顧客が分かれば足りる | 既存の顧客台帳・契約データ・基幹システムの番号と結び付けたい |
集計 | ツールの標準レポートで足りる | 社内の売上・契約・品質データと合わせて集計したい |
費用 | 利用人数×月額を何年払っても、開発と運用の費用より小さい | 上位プランが必要な人数が多く、年額が開発と運用の費用を上回る |
右の列に当てはまっても、すべてを作り直す必要はありません。選択肢は次の3つです。
- 市販ツールをそのまま使う(設定と運用ルールの整備だけ)
- 市販ツールを使い、既存の顧客台帳や基幹システムとのつなぎ込みだけを作る
- 既存の業務システムに問い合わせの台帳を追加する、または新しく作る
作るか買うかの一般的な考え方は「SaaSとカスタム開発の選び方」で扱っています。届いたメールをAIで振り分け、返信の下書きを作る自動化は「問い合わせ対応の振り分けを自動化する」、顧客台帳そのもの(会社・拠点・契約の管理)は「自社に合う顧客管理システムを作りたい」が近い内容です。この記事は、問い合わせ1件ごとの台帳を持って、受付から完了までの担当と責任を管理する仕組みに絞っています。
受付から完了までの状態をどう決めるか

市販ツールを使う場合も作る場合も、最初に決めるのは「状態」と「どの状態からどの状態へ動かしてよいか」です。ここが決まっていないと、どのツールを入れても「対応中」の意味が人によって違うままになります。
状態の流れ(説明用の例)
以下は説明用に作った状態の例です。御社の呼び方や工程に合わせて変えてください。
状態 | 意味 | 次に動かしてよい状態 |
|---|---|---|
受付 | 届いたが、まだ担当者がいない | 担当割当、対応不要(理由の記録が必要) |
担当割当 | 担当者が決まった | 対応中 |
対応中 | 担当者が対応している | 顧客回答待ち、社内確認待ち、完了(対応内容の記録が必要)、担当割当(担当変更) |
顧客回答待ち | 顧客に質問し、返事を待っている | 対応中、完了(顧客から解決の連絡があった場合) |
社内確認待ち | 他部署・上長に確認している | 対応中(確認結果を顧客へ伝えてから完了へ) |
完了 | 対応を終えた | 対応中(7日以内の再質問)、クローズ(7日経過) |
クローズ | 締めた。記録は変えない | なし(再質問は新しい問い合わせとして受ける) |
対応不要 | 営業メールなど、対応しないと決めた | なし |
ポイントは、「待ち」を2つに分けていることです。顧客の返事を待っている間は自社の対応時間に数えず、社内の確認を待っている間は自社の対応時間に数えます。
許可する動き・止める動き(架空データで確かめた期待結果)
上の流れを規則として書き、14通りの操作で許可・拒否を確かめました(架空データを使った説明用の検証)。14通りすべてが期待どおりで、下の表はそのうち主な12通りです。ただし、これは「自分で決めた規則が、決めたとおりに動くか」を確かめたもので、この規則が御社に合うことの証明ではありません。役に立つのは、発注時や検収時にこの形の表を自社の規則で作っておくことです。
操作 | 期待する結果 | 止める理由 |
|---|---|---|
新しい問い合わせに担当者を付けて割り当てる | 許可 | — |
担当者を決めずに「担当割当」にする | 拒否 | 誰の案件か分からなくなる |
受付から直接「完了」にする | 拒否 | 誰が何をしたかの記録が残らない |
対応中の案件の担当者を変える(引継ぎ) | 許可 | — |
顧客に質問して「顧客回答待ち」にする | 許可 | — |
対応内容を書かずに「完了」にする | 拒否 | 後から同じ質問が来たときに参照できない |
「社内確認待ち」から直接「完了」にする | 拒否 | 社内確認の結果を顧客へ伝えたかが分からない |
完了3日後の再質問で「対応中」に戻す | 許可 | — |
完了20日後の再質問で「対応中」に戻す | 拒否 | 新しい問い合わせとして受け、前の案件へのリンクを付ける |
「クローズ」から「対応中」に戻す | 拒否 | 締めた記録は変えない |
営業メールを理由付きで「対応不要」にする | 許可 | — |
理由を書かずに「対応不要」にする | 拒否 | 本当は対応が要るメールを消してしまうおそれ |
状態を追加できる市販ツールもあります。たとえばZendeskでは、カスタムステータスを作ると標準のステータス(新規・オープン・保留中・待機中・解決済み・終了)が「カテゴリ」になり、追加する状態はいずれかのカテゴリの中に作ります。カテゴリ自体は作成・編集できません(Zendeskヘルプ、2026年10月9日確認)。自社の工程がこの枠に収まるなら設定で足ります。「承認が済むまで完了にできない」のような止め方を、どこまで設定で強制できるかは製品ごとに確かめてください。
状態の分け方で、期限を過ぎた件数が変わる
「受付から48時間以内に完了」という期限を、架空の10件で数えた結果です(説明用の架空データ)。
数え方 | 期限を過ぎた件数 |
|---|---|
受付から完了までの経過時間で数える | 3件 |
「顧客回答待ち」の時間を除いて数える | 1件 |
10件のうち2件は、顧客の返事を30時間・50時間待っていた案件でした。待ちの状態を分けていないと、自社の対応が遅れた件数が3倍に見えます。状態の決め方は、そのまま集計の決め方になります。期限の数字を評価や顧客への約束に使うなら、何を除いて数えるかを先に決めてください。
誰が何を見られるか|閲覧と担当変更の決め方
問い合わせの記録には、顧客の氏名・連絡先・契約内容が入ります。誰が何を見られて、何を変えられるかを、表で決めてから作る(または設定する)のが安全です。
下の表は、東日本チームと西日本チームに分かれ、担当者・リーダー・管理者がいる架空の会社を想定し、14通りの操作を確かめた結果の一部です(説明用の架空データ。14通りすべて期待どおり)。
誰が | 何をする | 対象 | 期待する結果 |
|---|---|---|---|
東日本の担当者 | 見る・書き込む | 東日本の対応中の案件 | 可 |
東日本の担当者 | 見る | 西日本の案件 | 不可 |
東日本の担当者 | 担当者を変える | 東日本の案件 | 不可(リーダーが行う) |
東日本の担当者 | 書き換える | 東日本の完了済みの案件 | 不可 |
東日本のリーダー | 担当者を変える | 東日本の案件 | 可 |
東日本のリーダー | 書き換える | 東日本の完了済みの案件 | 可 |
東日本のリーダー | 見る | 西日本の案件 | 不可 |
管理者 | 見る・担当者を変える | 西日本の案件(どのチームにも属さない管理者) | 可 |
この表で大事なのは「不可」の行です。「見えるべきものが見える」ことは使っていればすぐ分かりますが、「見えてはいけないものが見えない」ことは、意図して確かめないと分かりません。開発を頼む場合は、この形の表を検収の条件に入れ、「不可」の行も実際に操作して確かめることを依頼範囲に含めてください。
市販ツールでも閲覧範囲は分けられます。SPIRALの問い合わせ管理は、権限によって閲覧・対応できる問い合わせを分けられ、管理職が承認しないと回答メールを送らない設定もできると公式に記載しています(SPIRAL 問い合わせ管理)。一方、Zendeskの料金ページでは、担当者の権限を細かく決める「エージェントロールのカスタマイズ」は最上位の「Suite Enterprise + Copilot」(価格は要問い合わせ)の機能一覧にだけ載っており、Support Team・Suite Team・Suite Professionalの欄は「—」です(Zendesk 料金、2026年10月9日確認)。細かい閲覧範囲が必要なときは、必要なプランと人数で費用を計算し直してください。
1件のまとめ方|問い合わせ単位と顧客単位

出典: kintone 公式サイト
同じ顧客からメールと電話で同じ用件が届いたとき、それを1件にするか2件にするかで、二重対応が起きるかどうかが決まります。
2つの画面が要る理由(説明用の画面例)
問い合わせ管理では、少なくとも次の2つの見方が要ります。以下は架空データの画面例です。
問い合わせ単位の画面(1件の経緯を追う)
項目 | 内容(架空) |
|---|---|
問い合わせ番号 | Q-0142 |
顧客 | 株式会社サンプル商事(顧客番号 c001) |
用件 | 請求額の相違 |
状態 / 担当 | 社内確認待ち / 佐藤(東日本) |
経緯 | 10/1 メール受付 → 10/1 佐藤に割当 → 10/2 電話で追加の問い合わせ(同じ用件として追加)→ 10/2 経理へ確認依頼 |
顧客単位の画面(その顧客と今何が動いているかを見る)
問い合わせ番号 | 用件 | 状態 | 担当 |
|---|---|---|---|
Q-0142 | 請求額の相違 | 社内確認待ち | 佐藤 |
Q-0139 | 納期の確認 | 完了 | 鈴木 |
Q-0151 | 見積の依頼 | 担当割当 | 田中 |
顧客から電話が来たとき、担当外の人でも顧客単位の画面を見れば「請求の件は経理に確認中です」と答えられます。
まとめ方で件数がどう変わるか(架空データ)
メール・電話・フォームから届いた8件の受付(正しくまとめると5件の案件)で、まとめ方を変えて確かめました(説明用の架空データ)。
まとめ方 | できた案件数 | 結果 |
|---|---|---|
受付ごとに1件立てる | 8件 | 3件が二重管理になる |
顧客番号+用件でまとめる | 6件 | 顧客台帳に登録のない電話番号からの1件だけが別件のまま残り、人の確認が必要 |
顧客単位だけでまとめる | — | 同じ顧客の「納期」と「見積」が1件に混ざる(別件が正しい) |
電話の受付を顧客に結び付けるには、電話番号が顧客台帳に登録されている必要があります。既存の顧客台帳や基幹システムと結び付ける部分は、市販ツールの標準の連携機能で足りるかを最初に確かめ、足りなければ連携の開発を検討する部分です。
メールを件名で束ねると、別の顧客が混ざる
メールを案件にまとめる方法も、架空のメール13通(正しくは7件の案件)で比べました(説明用の架空データ)。
まとめる手掛かり | できた案件数 | 別の案件を同じ案件にした組 | 同じ案件を分けてしまった組 |
|---|---|---|---|
メールに付いている識別情報(どのメールへの返信か) | 7件 | 0組 | 0組 |
件名(「Re:」「Fwd:」を除いて一致) | 5件 | 9組 | 2組 |
件名でまとめると、別々の顧客から届いた「見積について」「お問い合わせ」が1件に混ざりました。メールには通常、1通ごとの識別番号と、どのメールへの返信かを示す情報が付きます。ただしメールの規格(RFC 5322)では、これらは「付けるべき」とされているだけで、必須ではありません。実際に、返信なのにこの情報が無いメールも届きます(上の比較では、この情報が無い返信は新しい案件として扱うのを正解にしています)。そのため、どの方式でも自動でまとめられなかったメールを人が振り分ける場所を用意しておく必要があります。
市販ツールの料金と、開発する場合の費用

出典: Zendesk 公式サイト
市販ツールの公式料金(2026年10月9日、各社公式ページで確認)
製品 | 料金 | 単位・条件 |
|---|---|---|
メールワイズ(クラウド版) | スタンダード 月600円 / プレミアム 月1,800円 | 1ユーザーあたり・税抜。5ユーザーから(公式) |
kintone(ノーコードで台帳を作る場合) | ライト 月1,000円 / スタンダード 月1,800円 / ワイド 月3,000円 | 1ユーザーあたり・税抜。最小10ユーザー(ワイドは1,000ユーザー)。外部とつなぐAPIはスタンダード以上(公式) |
Zendesk | Support Team $19 / Suite Team $55 / Suite Professional $115(年払いの月額。月払いは $25 / $69 / $149)。Enterpriseは要問い合わせ | 担当者1人あたり・米ドル(公式) |
SPIRAL 問い合わせ管理 | 初期 100,000円〜 / 月額 50,000円〜 | 月額は問い合わせ数に応じた従量課金で、カスタマイズの範囲でも変わる。税込・税抜の表記なし(公式) |
料金は変わることがあるため、契約前に各社の公式ページで確かめてください。
10人で3年使った場合の利用料(仮定に基づく試算)
上の公式料金をもとに、「担当者10人が3年間(36か月)使う」と仮定して計算しました。設定作業・導入支援・連携開発の費用は含みません。
製品・プラン | 計算 | 3年間の利用料 |
|---|---|---|
メールワイズ スタンダード | 600円 × 10人 × 36か月 | 216,000円(税抜) |
メールワイズ プレミアム | 1,800円 × 10人 × 36か月 | 648,000円(税抜) |
kintone スタンダード | 1,800円 × 10人 × 36か月 | 648,000円(税抜) |
Zendesk Suite Team(年払い) | $55 × 10人 × 36か月 | $19,800 |
Zendesk Suite Professional(年払い) | $115 × 10人 × 36か月 | $41,400 |
SPIRAL 問い合わせ管理(最低料金の場合) | 100,000円 + 50,000円 × 36か月 | 1,900,000円〜 |
同じ10人・3年でも、製品とプランによって利用料は約22万円から数百万円相当まで開きます。前の章の判定表で左の列に当てはまるなら、まずこの利用料と、開発・保守にかかる費用を同じ年数で比べてください。御社の人数・年数・必要なプランに置き換えて計算してください(Zendeskは米ドル建てのため、為替でも変わります)。
開発する場合の費用(当社の公開価格)
依頼の形 | 価格(税別) | 例 |
|---|---|---|
小規模な既存改修 | 30万円〜 | 今の業務システムや台帳に、状態・担当・履歴の項目や画面を足す。市販ツールと既存台帳の間の小さなつなぎ込み |
PoC(本番前の検証) | 300万円〜 | 取込の紐づけ規則や閲覧範囲を、実際に近いデータで試して、本番に進むかを決める。本番システムの完成価格ではありません |
本開発 | 個別見積 | 新しく問い合わせ台帳を作る。既存の顧客台帳・基幹システムとの連携、データ移行を含める |
含まないもの: サーバーなどクラウドの利用料、外部APIの利用料、市販ツールのライセンス料などの実費は別途かかります。公開後の保守・運用の範囲と費用は、契約の範囲として見積時に決めます。開発費の考え方は「業務システム開発の費用相場と見積内訳」も参考にしてください。
御社の状況がどの依頼の形に当たりそうかの目安は、初回相談でお伝えします。問い合わせの入口と、対応状況が分からなくなる場面を相談する
開発を頼むときに決めること|担当分担・検収・例外の扱い
自社でAIを使って進められる部分と、頼んだほうがよい部分
今はChatGPTやClaudeなどを使って、要件の整理や試作を社内で進めることもできます。分け方の目安は次のとおりです。
自社でAIを使って進めやすい | 会社に頼んだほうがよい |
|---|---|
今の状態の呼び方と、許可・拒否の表の下書き | 既存の顧客台帳・基幹システムとのつなぎ込み |
Excel台帳の項目の洗い出しと整理 | 閲覧範囲の実装と、「見えてはいけない」ことの試験 |
kintoneなどでの小さな試作と、現場での試し使い | メール・電話の取込と、まとめる規則の実装 |
問い合わせの分類の候補づくり | 過去データの移行と、移行前後の件数の照合 |
— | 稼働後の状態・項目の追加と、その影響の確認 |
AIで作った試作がすでにある場合は、それを生かして本番で使える形に直すこともできます(参考: 「AIで作った試作を本番化する」)。
検収で確かめること
開発を頼む場合は、次の内容を「完成の条件」として最初に合意しておくと、出来上がってから揉めにくくなります。
- 状態の許可・拒否の表(前の章の形)のすべての行が、期待どおりに動くこと
- 閲覧と担当変更の表の「不可」の行を実際に操作して、見えない・変えられないこと
- 取込のテスト用データで、自動でまとめた結果と、人の確認に回った件数が想定どおりであること
- 移行する場合は、移行前後の問い合わせ件数と履歴の件数が一致すること
- 期限の数え方(何の時間を除くか)が、集計画面の数字と一致すること
例外の扱いも決めておく
- 担当者が不在のとき: 誰が代わりに受けるか、リーダーが担当を変えるまでの間はどこに表示するか
- まとめ方を間違えたとき: 1件に混ざった案件を分ける操作と、その操作をできる人
- システムが止まったとき: その間の受付をどこに記録し、復旧後にどう取り込むか
- AIで返信案を作る場合: 顧客へ送る前に、必ず人が確認して承認する流れにします。AIが承認なしで顧客に回答する運用は標準にしません
当社は、業務システムの新規開発・既存改修、CSVや公開API・Webhook(外部のシステムとデータを自動でやり取りする仕組み)を使った市販ツールとの連携、認証と権限の設計、データ移行に対応できます。どのツールとどの方法でつなぐかは、使っているツールの仕様を見ながら一緒に決めます。なお、問い合わせ管理・ヘルプデスクとしての開発実績は公開していません。
近い領域の公開事例|複数店舗の記録管理と権限・確認工程
問い合わせ管理そのものの事例ではありませんが、「記録を1か所にまとめ、誰が見られるかを分け、確認の工程を決める」という点で近い事例として、当社の受託開発ページで公開している薬局の事例を紹介します。
内容(公開範囲) | |
|---|---|
業種 | 薬局(複数店舗) |
課題 | 店舗ごとに分かれていた記録と確認の状況を、担当者の間で把握できるようにしたい |
作ったもの | 数千人分の記録を管理するシステム、店舗・担当者ごとの権限設計、確認工程の整理 |
社名・金額・効果の数値は公開していません。薬局の記録管理の事例であり、一般企業の問い合わせ管理やCRMの導入実績ではない点にご注意ください。詳しくは受託開発ページの事例をご覧ください。
相談の前にそろえると早い情報
要件が決まっていなくても相談できます。次のうち分かるものだけで十分です。
- 受付の経路と件数: メール・電話・フォームなど経路ごとの、おおよその月間件数(数え方も。「1通=1件」か「用件=1件」か)
- 今の状態の呼び方: 「未対応」「対応中」「保留」など、今使っている言葉と、その意味
- 担当の変わり方: 担当が変わるのはどんなときか(休み・異動・専門部署への回付など)
- 閲覧範囲: チーム・拠点・取引先などで、見てはいけない人がいるか
- 使っているツール: メールソフト、顧客台帳(Excel・kintone・CRMなど)、基幹システムの名前
- 困っている場面: 「この案件、誰が持っている?」が起きる具体的な場面
秘密情報・本番の認証情報・実際の顧客データは、相談時に送らないでください。画面の説明や架空の例で十分です。
初回相談は無料・30分(オンライン)です。自社でAIを使って進める部分と、任せる部分を一緒に切り分けます。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。
よくある質問
AIに問い合わせへの返信まで任せられますか
返信案の作成や問い合わせの分類は、AIで行えます。ただし、顧客へ送る前に人が確認・承認する流れを標準にすることをおすすめします。誤った回答を送った場合に誰が責任を持つかを決めておく必要があるためです。届いたメールの振り分けや返信下書きの自動化は「問い合わせ対応の振り分けを自動化する」で扱っています。
今Excelやkintoneで作っている問い合わせ台帳を活かせますか
活かせます。項目と過去の履歴をどう移すか、または今の台帳に足りない状態・担当・閲覧範囲だけを追加するかを決めます。kintoneを外部のシステムとつなぐ場合は、APIが使えるスタンダードコース以上が必要です(kintone 料金、2026年10月9日確認)。Excelからの移し方は「Excel業務のシステム化の判断基準」も参考になります。
過去のメールのやり取りも、新しい台帳に取り込めますか
取り込めるかどうかは、今のメールソフトから書き出せる形式と、メールに返信元の情報が残っているかで変わります。まず少量を書き出して、正しく案件にまとまるかを確かめてから、全体を移すかどうかを決めるのが安全です。
社内の問い合わせ(情シスや総務への依頼)にも同じ考え方が使えますか
使えます。受付・担当・完了の状態と閲覧範囲の決め方は同じです。社内の問い合わせ対応の自動化は「社内ヘルプデスクを自動化する」で扱っています。
顧客自身に、問い合わせの対応状況を見せたいのですが
顧客が自分の問い合わせだけを見られる画面は作れます。その場合は、他社の情報が見えないことの試験を開発範囲に含めます。社内向けの台帳とは利用者も権限も変わるため、社内の問い合わせ管理を先に固めてから追加するか、最初から一緒に作るかは、相談の中で決めましょう。
稼働後に状態や項目を増やしたくなったら、誰が変えるのですか
管理画面で自社が変えられる範囲(選択肢の追加など)と、改修が必要な範囲(新しい状態の追加や許可・拒否の規則の変更など)を、開発の最初に分けておきます。改修が必要な変更は、規模に応じて小規模な既存改修(30万円〜・税別)などの形で依頼いただけます。
問い合わせの対応状況が見えないままにしないために
市販ツールで足りるなら、それが最も早く安い方法です。既存の顧客台帳とのつなぎ込み、独自の確認工程、細かい閲覧範囲が必要なときだけ、その部分を開発してください。今の受付経路と、対応状況が分からなくなる場面を伺い、依頼範囲の候補と費用の目安を相談メモでお返しします。
依頼範囲と費用の目安を30分で整理します
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AI革命
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