AIツール2026年10月更新

Meta Muse Wonderとは?Wonder Fullとの違い・API料金・GPT-6/Claude比較【2026年10月速報】

公開日: 2026/10/12
Meta Muse Wonderとは?Wonder Fullとの違い・API料金・GPT-6/Claude比較【2026年10月速報】

この記事のポイント

Metaが2026年10月12日に公開したMuse Wonderを、公式のモデルカード・料金ページと第三者の評価から整理。API料金(入力4ドル・出力20ドルでClaude Opus 5.5と同額)、APIで使えないWonder Fullとの違い、GPT-6 Astra・Claude Opus 5.5との性能比較、日本からの利用や安全性の注意点まで解説します。

Muse Wonder(ミューズ・ワンダー)は、Metaが2026年10月12日(米国時間)に公開した同社最上位のAIモデルで、Meta Model APIでは100万トークンあたり入力4ドル・出力20ドルで使えます。これはClaude Opus 5.5と同じ単価です。 さらに性能の高い上位版「Muse Wonder Full」はAPIでは使えず、コーディングエージェント「Muse Code」の月50ドル以上のプランでしか利用できません。

Metaは「法務・記憶・長時間のコーディングでGPT-6やClaudeを上回る」と発表しましたが、比較の数値はほぼMetaの自社集計です。第三者のArtificial Analysisの総合指数では、Claude Opus 5.5のほうが上です。

この記事でわかること

  • Muse Wonderの基本仕様と、MetaのAIの中での位置づけ
  • Muse WonderとMuse Wonder Fullの違い(使える場所・料金)
  • API料金と、Claude・GPT-6系モデルとの単価比較
  • Meta公表のベンチマークで勝っている分野・負けている分野
  • 日本から使えるか、安全性・データの扱いの注意点
  • GPT-6・Claudeとの選び分け

対象読者:新しいフロンティアモデルを試すか判断したい開発者、Claude Opus 5.5やGPT-6系と予算・性能を比べたいチーム、MetaのMuseシリーズの全体像をつかみたい人。

Muse Wonderとは:Metaがフロンティア級と位置づける最初のモデル

Meta公式ニュースルームの「Introducing Muse Wonder」告知画像

出典: Meta 公式

Muse Wonderは、Meta Superintelligence Labs(MSL)が開発した「Muse Wonderシリーズ」の標準モデルです。Meta公式は「これまでで最も高性能なモデル」「エージェント向けのフロンティアモデル」と説明しており、TechCrunchは「Meta初のフロンティアモデル」という見出しで報じました。

2026年4月に出たMuse Sparkの後継にあたり、Sparkより大きな基盤モデルから作られています。事前学習と強化学習は、米オハイオ州で2026年に稼働したギガワット級のデータセンター「Prometheus」で行われました。

項目

内容

名称

Muse Wonder(シリーズ上位版はMuse Wonder Full)

開発元

Meta(Meta Superintelligence Labs)

公開日

2026年10月12日(米国時間・同日提供開始)

前世代

Muse Spark(最新版はMuse Spark 1.3)

APIのモデルID

muse-wonder-1.0

コンテキスト長

100万トークン(1,048,576)

入力

テキスト・画像・動画・音声・PDF

出力

テキストのみ

推論の強さ

minimal〜max

ツール

ツール呼び出し、構造化出力、検索グラウンディング、コンピュータ操作

APIの形式

Chat Completions / Responses / Messages

重みの公開

発表なし(クローズドモデル)

提供ステータス

APIドキュメント上は「preview」扱い

出典: Meta公式ニュースルーム / Muse Wonder モデルカード / Meta Model API Models

Mark Zuckerberg氏はXで「個人と仕事のエージェント作業で最先端の性能を持つ新しいフロンティアモデルのファミリー」と紹介しています。Bloombergは「14か月の集中投資の末にフロンティアに到達」と報じました。2025年8月にAI組織をMSLへ再編してから、約14か月での発表です。

「Muse」の名前が付くものの整理

Metaの製品は「Muse」の名前が付くものが多く、混同しやすいので整理しておきます。

名前

種類

Muse Wonderとの関係

Muse Wonder / Wonder Full

AIモデル

この記事の対象

Muse Spark(1.1〜1.3)

AIモデル

前世代。単価は安い

Muse Glimmer

オープンウェイトのモデル

別系統。重みが公開されている

Muse Code

ターミナル型のコーディングエージェント

Wonder Fullを使える唯一の入口

Muse(アプリ)

消費者向けのパーソナルAIエージェント

Wonderが「近く」搭載予定

Muse WonderとMuse Wonder Fullの違い

違いは「どこで使えるか」と「料金の払い方」です。APIで自社のアプリやシステムに組み込めるのはMuse Wonderだけで、Wonder Fullはトークン単価が設定されておらず、Muse Codeの上位サブスクリプションからしか使えません。

項目

Muse Wonder

Muse Wonder Full

位置づけ

シリーズの標準モデル

シリーズ最上位(モデルカードでは「most capable variant」)

Meta Model API

使える(muse-wonder-1.0)

使えない

API単価(100万トークン)

入力$4/キャッシュ入力$0.20/出力$20

なし

Muse Code

Wonderを含むプランで利用可

Power Usage(月$50)・Maximum Usage(月$200)のみ

Muse(アプリ)

近く搭載予定(まず有料会員から)

公式の言及なし

コンテキスト長

100万トークン

100万トークン

パラメータ数・計算量の差

未公表

未公表

出典: Muse Wonder モデルページ / Pricing & Rate Limits

APIで推論の強さをmaxにしても、Wonder Fullにはなりません。 Metaのドキュメントにこの点の注記があります。「APIの最大設定=Full」と考えて組み込むと、ベンチマークで見た数字と実際の性能が合わなくなります。

なお、Metaの安全性評価はWonder Fullの結果をもとに、シリーズ全体を判断しています。

Muse Wonderでできること・強み

Metaが前面に出している特徴は「Active Memory」と「Active Focus」の2つです。どちらも、一度の質問に答えるよりも、何日も続く作業や手順の多い作業をやり切るための機能です。

Active Memory:会話をまたいで大事な情報を覚える

会話をまたいで重要な情報を覚えておき、今の作業に関係する内容を呼び戻す機能です。Meta社内のMemoryBench(6万4千〜10万トークンの長い会話から、途中で更新・矛盾した情報も含めて事実を正確に思い出せるかを測る)では、Wonder 85.6、Full 85.5で、比較したClaude Opus 5.5(81.5)やGPT-6 Astra(81.4)を上回ったとしています。

MSLの研究者Kavya Kopparapu氏は、TechCrunchに対し「何日、何週間、何か月たっても大事なことを覚えている」という趣旨を語っています。

Active Focus:難しい作業を最後までやり切る

うまくいかないときに別の方法を試し、エラーから立て直して作業を完了させる性質です。必要なら確認の質問をし、重要な操作の前には確認を取るように学習されています。この性質は、住居・旅行・IT・金融の個人タスクを集めた社内ベンチマークのFocusBenchで測っています。

公式が想定している用途

モデルカードに挙がっている主な用途は次のとおりです。

  • 質問応答・文章作成・要約・文書やデータの分析
  • コーディング(単発の修正から、大きなプロジェクトの長時間作業まで)
  • 調査・計画・ツールやアプリを使う多段階のエージェント作業
  • 法務・金融・医療の文書の理解と下書き
  • 画像・スクリーンショット・グラフ・動画の理解
  • 研究開発(仮説づくり、実験設計、分析)

このほか、サブエージェントへの作業の委任、ブラウザ・デスクトップ・モバイルアプリの操作にも対応します。公式ニュースルームは「保険請求を進める」「賃貸契約書を理解する」「家計を整理する」を例に挙げています。開発者やセキュリティチームが自社コードの欠陥を見つけるという、防御目的のサイバー用途も想定されています。

ベンチマーク比較:GPT-6 Astra・Claude Opus 5.5・Fable 5.1との違い

Meta研究ブログのMuse Wonder紹介画像

出典: Meta AI 公式

法務・記憶・長時間コーディングではMuse系が上、医療・PC操作・ゼロからのプログラミングではClaude Opus 5.5が上です。APIで使えるWonder単体とOpus 5.5(同じ単価)を比べると、Wonderが上回るのは14項目中5項目にとどまります。

次の表は、Metaのモデルカードに載っている比較から代表的な項目を抜き出したものです(全モデル最大設定)。

分野

ベンチマーク

Wonder Full

Wonder

Opus 5.5

GPT-6 Astra

Fable 5.1

仕事全般

Personal Superintelligence Index(Meta社内)

59.1

54.3

55.2

54.5

49.9

法務

Harvey LAB-AA

13.1

10.0

4.2

8.6

6.4

金融

Vals Finance Agent V2

59.1

56.6

58.6

53.5

58.9

医療

HealthBench Pro

62.3

60.5

65.6

65.3

62.1

業務ワークフロー

AutomationBench-AA(Meta公表値)

45.4

39.1

41.2

41.6

32.1

PC操作

OSWorld V2.1(部分点)

78.4

72.6

81.8

75.8

80.7

記憶

MemoryBench(Meta社内)

85.5

85.6

81.5

81.4

79.0

コーディング

Terminal-Bench 4.0-AA

57.1

52.0

59.6

59.1

52.0

長時間コーディング

DeepSWE 1.1

79.0

78.8

74.2

74.1

67.4

ゼロから作る

ProgramBench

59.0

50.0

70.5

52.5

55.5

第三者の総合指数

Artificial Analysis Intelligence Index

56

52

58

53

53

出典: Muse Wonder モデルカード(Artificial Analysisの指数もモデルカード掲載値)

数字の読み方

モデルカード掲載の14項目で見ると、次のような結果です。

  • Wonder Full vs Opus 5.5:8勝6敗。JobBench(専門ツールの利用)は75.3対75.4の僅差
  • Wonder vs Opus 5.5:5勝9敗。勝っているのは法務(Harvey LAB-AA)・PDFを使う専門業務(GDP.pdf)・記憶(MemoryBench)・長時間コーディング(DeepSWE、SWE-Marathon)
  • Wonder vs GPT-6 Astra:6勝8敗

「GPT-6やClaudeを超えた」と言えるのはFullの一部の分野で、APIで使えるWonderは全体ではOpus 5.5の少し下という位置です。第三者のArtificial Analysis指数でも、Wonderの52はFable 5.1・GPT-6 Astra(53)とほぼ同じで、首位はOpus 5.5(58)です。

The Decoderによると、コーディングエージェントとしての指数(Coding Agents Index)はFullが68で、Claude CodeとSonnet 5.5の組み合わせと同点でした。Wonderは63で、Spark 1.3の54から大きく伸びています。

比較するときの注意点

モデルカード自体に、比較条件の注記がいくつかあります。

  • Personal Superintelligence Index・MemoryBench・FocusBenchはMeta社内のベンチマーク
  • 他社モデルをMetaが自分で動かした結果は「best-effort」で、プロンプトやツールが最適化されていない可能性がある
  • SWE-Marathon(超長時間のコーディング)はGPT-6 AstraがCodex、Fable 5.1がClaude Codeでの結果で、同じ条件の比較ではない。Fullだけxhigh設定
  • 第三者の数値がない項目は、社内検証・自己申告・公式リーダーボードのうち最も高い値を採用

開発者向けメディアのagentpediaは、AutomationBench-AAの値がMetaの表(45.4)とArtificial Analysisの投稿(71%)で食い違っている点も指摘しています。乗り換えを検討するなら、自社のタスクで実際に試すのが確実です。GPT-6 AstraとFable 5.1の比較はGPT-6 Astra vs Fable 5.1 vs Gemini 3.8の比較でまとめています。

Muse Wonderの料金:API単価はClaude Opus 5.5と同額

AIモデルのAPI料金とコストをイメージした画像

Muse WonderのAPI料金は、100万トークンあたり入力4ドル・キャッシュ入力0.20ドル・出力20ドルです。Claude Opus 5.5とまったく同じ単価で、GPT-6 AstraやClaude Fable 5.1の4割にあたります。

Meta Model APIの料金

モデル

モード

入力

キャッシュ入力

出力

Muse Wonder(muse-wonder-1.0)

Standard

$4.00

$0.20

$20.00

Muse Wonder

Contributor

提供なし

提供なし

提供なし

Muse Spark 1.3

Standard

$1.25

$0.15

$4.25

Muse Spark 1.3

Contributor(学習に利用される)

$0.10

$0.002

$0.20

単位:100万トークンあたりのUSD。出典: Meta Model API Pricing & Rate Limits(2026年10月13日確認)

  • 長文の割増はなし。コンテキストをどれだけ使っても同じ単価
  • Web検索ツールは別料金で、1,000クエリあたり2.50ドル
  • レート上限は、現時点の公式表示ではチーム単位で毎分3,000リクエスト・毎分400万トークン
  • Sparkで格安だった「Contributorモード」(データをMetaの学習に提供する代わりに安くなる仕組み)は、Wonderでは提供されていない
  • Spark 1.3と比べると、単価は入力3.2倍・出力約4.7倍

他モデルとのAPI単価比較

モデル

入力

出力

キャッシュ読み取り

Muse Wonder

4

20

0.20

Claude Opus 5.5

4

20

0.20

Claude Fable 5.1

10

50

0.25

Claude Sonnet 5.5

2

10

0.10

GPT-6 Astra

10

50

1.00

GPT-6.1 Sol

2

10

0.10

Muse Spark 1.3

1.25

4.25

0.15

Muse Wonder Full

APIなし

APIなし

APIなし

単位:100万トークンあたりのUSD。Muse WonderとSpark 1.3はMeta公式(2026年10月13日確認)、他社モデルは各社公式料金ページで当メディアが2026年9〜10月に確認した値です。他社の料金は改定されることがあるため、契約前に各社の公式ページで確かめてください。

一部の報道では「GPT-6 Solと同程度の価格」とされましたが、公式の単価で見るとGPT-6.1 SolやSonnet 5.5はWonderの半額です。Metaの幹部は事前に「主要モデルより大幅に安くする」と話していたと報じられていますが、実際に安いのはGPT-6 Astra・Fable 5.1と比べた場合だけです。

第三者の指標では1タスクあたりOpus 5.5より安い

単価が同じでも、1回の作業で使うトークン量が違えば請求額は変わります。Artificial AnalysisのIntelligence Indexを1回実行するのにかかったコストは次のとおりです(The Decoder経由)。

モデル

指数1回分のコスト

Claude Fable 5.1

$7.63

Claude Opus 5.5

$5.98

Muse Wonder

$4.52

GPT-6 Astra

$3.26

Gemini 4 Argon

$1.99

Muse Spark 1.3

$1.60

GPT-6.1 Sol

$0.72

この指標ではWonderはOpus 5.5より約25%安く、GPT-6 Astraより約4割高い結果でした。WonderはSpark 1.3より入力トークンを28%多く使う一方、出力トークンは約10%少なく、費用の76%が入力分です。長い資料を読ませる用途では、キャッシュ入力(0.20ドル)を使えるかどうかで費用が大きく変わります。

月額の目安

1回あたり入力10万トークン・出力1万トークンの処理を、1日100回・月22日動かす場合で試算します(キャッシュは使わない前提)。

モデル

1回あたり

月額の目安

Muse Wonder / Claude Opus 5.5

$0.60

約$1,320

Claude Sonnet 5.5 / GPT-6.1 Sol

$0.30

約$660

GPT-6 Astra / Claude Fable 5.1

$1.50

約$3,300

実際には、使うトークン量はモデルごとに違います。本番の見積もりは、自社のタスクで数十件試してから出すのが安全です。

Muse Codeのサブスクリプション(Wonder Fullを使う場合)

Wonder Fullを使えるのは、Muse Codeの上位2プランだけです。

プラン

月額

利用量

Wonder Full

Everyday Usage

$5

5時間ごとに10〜50プロンプト

×

High Usage

$15

Everydayの5倍

×

Power Usage

$50

Everydayの20倍

○

Maximum Usage

$200

Everydayの80倍

○

出典: Muse Code サブスクリプション(Meta公式ヘルプ) / Muse Wonder モデルページ

サブスクが適用されるのは、Muse Code CLIの初期設定で自動接続されるAPIキーだけです。自分で別に作ったAPIキーは従量課金になります。上限に達したら、上位プランへ切り替えるか回復を待ちます(Maximumは待つのみ)。日本円での価格や日本での契約可否は、公式には示されていません。

消費者向けのMuseアプリにも「Power(月20ドル)」「Maximum(月100ドル)」という有料プランがありますが、Muse Codeのプランとは名前が似ているだけの別物です。

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Muse Wonderの使い方

ノートパソコンでAPIを使った開発を行うイメージ

いま使える入口は「Meta Model API」と「Muse Code」の2つです。Museアプリへの搭載は「近く、まず有料会員から」とされ、10月13日時点で開始日は発表されていません。

Meta Model APIで使う

  1. Meta Model API(dev.meta.ai)でアカウントを作り、チームとAPIキーを作成する
  2. 支払い方法を登録する(Wonderは従量課金のStandardモードのみ)
  3. モデルIDにmuse-wonder-1.0を指定し、Chat Completions・Responses・Messagesのいずれかの形式でリクエストする
  4. 必要に応じて推論の強さ(minimal〜max)、ツール呼び出し、構造化出力、検索グラウンディングを設定する

Chat Completions・Messagesという、他社APIでも広く使われている形式に対応しているので、既存の実装からモデルを差し替えて比べやすいのが利点です。接続先URLや認証の細かい違いは、公式ドキュメントで確かめてください。新規アカウントの無料クレジットがWonderにも使えるかは、公式では確認できませんでした。OpenRouterにもmeta/muse-wonderとして掲載されています。

Muse Codeで使う

ターミナルでMuse Code CLIをインストールし、初期設定でサブスクを選びます。Wonder Fullを使いたい場合はPower Usage(月50ドル)以上が必要です。インストール手順やClaude Codeとの違いはMeta Muse Codeとはで詳しく解説しています。

日本から使えるか

Meta Model APIの地理的利用ポリシーでは、提供は「Metaが有効にした地域」に限られます。制限地域(中国・香港・マカオ・ロシア・イラン・北朝鮮など)の一覧に日本は入っていません。ただし、「日本で使える」と明記した文言もないため、登録画面で利用可否を確かめてください。Muse Codeも「特典と提供状況は地域によって異なる」としています。Museアプリは米国・カナダのみの提供です。

Muse Wonderの弱み・制約と安全性の注意点

事実知識の正確さ、日本語の品質、Wonder Fullを組み込めない点が主な弱みです。業務で使う前に、少なくとも次の点を確認しておく必要があります。

モデルの弱み

Metaのモデルカードには、次の制約が書かれています。

  • 不正確・偏った・不適切な回答をすることがある
  • 学習データに少ない新しい状況では、多段階の推論を誤ることがある
  • 視覚・空間の推論、特に3Dは既知の弱点
  • 学習データの全言語は評価しておらず、強く対応している言語以外では性能が落ちることがある。日本語の性能は個別に公表されていない
  • 18歳未満の利用は想定していない

第三者の評価では、事実知識を測るAA-OmniscienceでFullが30、Wonderが25にとどまり、Opus 5.5(46)やGPT-6 Astra(43)を大きく下回りました。ハルシネーション(もっともらしい誤り)の率もFullで23%と、前世代の33%から改善したものの、最も低いGemini 4 Argon(15%)には届いていません(The Decoder)。調べもの・事実確認が中心の用途では、検索グラウンディングを併用するか、他のモデルを選んだほうが無難です。

最大出力トークン数・知識のカットオフ・パラメータ数は未公表です。

安全性:化学・生物は「対策前は高リスクの可能性」とMeta自身が記載

Metaは独自のリスク評価枠組み(Meta Superintelligence Scaling Framework)でWonder Fullを評価しています。

  • 化学・生物分野は、対策をしない状態では「高リスク」水準に達する可能性を否定できないとモデルカードに記載。安全性の追加学習と、システム側の分類器で対策している
  • サイバー・制御喪失の分野は対策前から「中程度以下」。対策後は全分野で中程度以下と判断して公開
  • 生物分野の危険な質問の拒否率は98%台、社内の化学評価は99.8〜100%
  • サイバー能力は高く、ExploitGymでは92個のフラグを取得(そのうち71個は想定外の脆弱性を経由)
  • 安全性評価の詳しいレポートは「近日公開」とされ、10月13日時点では未公開

Metaは業務で使う人に向けて、「より大きなシステムの一部として、用途に合ったガードレールを追加して使う」「取り消せない操作には人の確認を入れる」ことを推奨しています。エージェントにメール送信・削除・決済などをさせる場合は、承認の手順を必ず挟んでください。

データの扱い:Muse Codeのサブスクは初期設定で学習に使われる

  • APIのStandardモードのデータは、Metaの学習に使われない説明になっています(Wonderで使えるのはStandardのみ)。データの保持期間は公式で確認できませんでした
  • Muse Codeのサブスクは、初期設定でContributorモードです。プロンプト・コード・ファイル・応答がMetaの将来のモデルの学習に使われます。設定からいつでもオフにでき、オフにした後の内容は学習に使われません。業務のコードを扱うなら、最初にオフにしてください

Museアプリのプライバシー騒動との関係

2026年9月末、Inc.のコラムニストが「Mac版Museがフルディスクアクセスをオフにしていたのに、メッセージアプリのデータを読んだ」と報告しました。Meta側は「メッセージ連携はオプトインで、複数の許可が必要。AIが自分の動作を誤って説明した」と反論しており、主張は対立したままです(TechCrunch)。

これはMuse Wonderというモデルではなく、Museアプリ(エージェント)の権限設計の話です。ただ、WonderはActive Memoryで情報を覚え続けるモデルで、今後Museアプリにも載る予定なので、個人データの扱いは引き続き注目点になります。

GPT-6・Claudeとの選び分け

Claudeを開発するAnthropicのロゴ

出典: Anthropic 公式

同じ予算で「別ベンダーのフロンティアモデル」を試したいならMuse Wonder、総合力と実績で選ぶならClaude Opus 5.5、コストを抑えるならGPT-6.1 SolかSonnet 5.5、というのが現時点の目安です。

やりたいこと

第一候補

理由

法務文書の読み込み・下書き

Muse Wonder(Fullも検討)

Harvey LAB-AAでMuse系が大きくリード(Meta公表)

長期間の会話・記憶を使うエージェント

Muse Wonder

MemoryBenchで首位(Meta社内ベンチマーク)

長時間の自律コーディング

Wonder Full(Muse Code)/Muse Wonder

DeepSWE・SWE-Marathonで上位(条件差あり)

ゼロからのアプリ開発

Claude Opus 5.5

ProgramBenchで70.5と大差

PC・ブラウザ操作の自動化

Claude Opus 5.5/Fable 5.1

OSWorldで上位

医療文書の理解

Claude Opus 5.5/GPT-6 Astra

HealthBench Proで上位

事実確認・調べもの

Claude Opus 5.5/GPT-6 Astra

AA-OmniscienceでMuse系が低い

コスト重視の日常業務

GPT-6.1 Sol/Claude Sonnet 5.5

単価がWonderの半額

日本語の品質を重視

Claude・GPT系

Wonderは日本語の性能が未公表

Opus 5.5との違いはClaude Opus 5.5とは、GPT-6系の安価なモデルはGPT-6 Sol・Lunaとはもあわせて確認してください。

業務システムにモデルを組み込む場合、Wonderは複数の形式のAPIに対応しているので差し替えて試しやすい反面、Fullは組み込めず、事実知識の弱さを補う仕組みも必要です。新しいモデルを自社の業務システムに組み込むときの進め方と費用の目安は、既存システムにAIを組み込む方法で解説しています。Metaの法人向けエージェント基盤についてはMeta Enterprise Agent Platformも参考になります。

Muse Wonderがおすすめな人・おすすめしない人

こんな人におすすめ

  • 長時間のコーディングや法務文書の作業を試したい開発者:Meta公表の数値で強みが出ている分野
  • Claude Opus 5.5と同じ予算で、別ベンダーのモデルを比較したいチーム:単価が同じなので純粋に品質で比べられる
  • 記憶を使う個人向けエージェントを作りたい人:Active Memoryが前面に出たモデル
  • すでにMuse Codeを使っている人:Power Usage以上にすればWonder Fullをすぐ試せる

おすすめしない人

  • 日本語の品質保証が必要な業務:日本語の性能が公表されていない
  • 事実知識の正確さが最も大事な用途:AA-Omniscienceで他社の上位モデルより低い
  • とにかく安く使いたい人:GPT-6.1 SolやSonnet 5.5は半額、Spark 1.3はさらに安い
  • Wonder Fullを自社システムに組み込みたい人:FullはAPIで提供されていない
  • オープンウェイトのモデルを自社サーバーで動かしたい人:Wonderは重みが公開されていない。Meta系ならMuse Glimmerが候補

よくある質問

Muse Wonderは無料で使えますか?

APIは従量課金で、無料枠がWonderにも使えるかは公式で確認できませんでした。Muse Codeは月5ドルのプランからありますが、Wonder Fullを使うには月50ドル以上が必要です。Museアプリへの搭載は有料会員から始まる予定です。

Muse Wonderはオープンソース(オープンウェイト)ですか?

いいえ。重みの公開は発表されていないクローズドモデルです。Metaのオープンウェイトモデルとしては、別系統のMuse Glimmerがあります。

Muse Spark 1.3から乗り換えるべきですか?

単価は入力3.2倍・出力約4.7倍に上がり、Sparkにあった格安のContributorモードもありません。Artificial Analysisの指数は48から52に上がっていますが、いまのSpark 1.3で品質に不満がないなら、全部を切り替えるより、難しいタスクだけWonderに回すほうが費用を抑えられます。

Wonder Fullが将来APIで使えるようになる予定はありますか?

10月13日時点で、Wonder FullのAPI提供やトークン単価は発表されていません。

Muse Wonderは日本語に対応していますか?

多言語データで学習していますが、日本語の性能は個別に公表されていません。モデルカードには「強く対応している言語以外では性能が落ちることがある」とあります。日本語の業務文書で使うなら、本番前に自社の文書で精度を確かめてください。

Muse Wonderで画像は作れますか?

作れません。出力はテキストのみです。画像の入力(読み取り)には対応しています。

まとめ

  • Muse Wonderは、Metaが2026年10月12日に公開した最上位のAIモデル。100万トークンのコンテキストと、記憶(Active Memory)・粘り強さ(Active Focus)を強みにしている
  • API料金は入力4ドル・出力20ドル(100万トークンあたり)で、Claude Opus 5.5と同額。上位版のWonder FullはAPIでは使えず、Muse Codeの月50ドル以上のプラン限定
  • Meta公表の数値では、法務・記憶・長時間コーディングでGPT-6やClaudeを上回る一方、APIで使えるWonder単体はOpus 5.5に5勝9敗。第三者の総合指数でも首位はOpus 5.5
  • 事実知識の弱さ、日本語性能が未公表であること、Muse Codeのサブスクが初期設定でデータを学習に使うことには注意が必要

Muse Wonderは、Opus 5.5と同じ予算で試せる新しい選択肢です。とはいえ、比較の数値はほぼMetaの自社集計なので、自社のタスクで小さく試してから導入範囲を決めるのが確実です。

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