AIツール2026年10月更新

Kimi K3とは?料金・無料で使えるか・Opus 5.5/GPT-6.1 Sol比較とBedrock対応【2026年10月】

公開日: 2026/07/17
更新日: 2026/10/06
Kimi K3とは?料金・無料で使えるか・Opus 5.5/GPT-6.1 Sol比較とBedrock対応【2026年10月】

この記事のポイント

Kimi K3はMoonshot AIが2026年7月に公開した2.8兆パラメータのオープンウェイトLLMです。API料金は入力$3/出力$15で、公式で確認できるK3の利用条件はModerato(月$19)以上。Amazon Bedrock対応、Claude転送疑惑、Opus 5.5・GPT-6.1 Solとの料金差まで2026年10月時点の情報で整理します。

Kimi K3は、中国・北京のMoonshot AI(月之暗面)が2026年7月16日(日本時間17日)に公開したフラッグシップLLMです。総パラメータ2.8兆・アクティブ1,040億のMoE(専門家混合)モデルで、100万トークンのコンテキストに対応し、重みが公開されたLLMとしては過去最大級です。

API料金は入力$3/出力$15(100万トークンあたり)です。ただし2026年9月に出たGPT-6.1 Sol($2/$10)のほうが安くなり、「フロンティア級を数分の一の価格で」という公開当初の売りはもう成り立ちません。現時点でK3を選ぶ理由は、①重みが公開されている、②Amazon Bedrock・GitHub Copilotなど企業の既存環境から使える、③フロントエンドのコード生成に強いの3点に絞られます。

この記事でわかること

  • Kimi K3の基本情報と、KDA(Kimi Delta Attention)を含む技術的な特徴
  • 無料でK3を使えるのか、100万トークンを使うにはどのプランが必要か
  • 公式API・Amazon Bedrock・GitHub Copilot・個人向けプランの料金(2026年10月時点)
  • Claude Opus 5.5・GPT-6.1 Solとの料金比較と、公開時に比べられたOpus 4.8・GPT-5.6 Solとの性能差
  • K2.6・K2.7 Code・K2.8 Previewとの使い分け
  • 2026年9月にAnthropicが公表した「KimiがClaudeにリクエストを転送していた」という主張と、Moonshotの反論
  • 利用経路ごとのデータの行き先と、企業で使うときの判断基準

Kimi K3を業務に使うか検討しているエンジニア・開発チーム、AIのAPIコストを見直したい技術リーダー、中国発モデルの利用可否を社内で説明する必要がある情シス・法務担当者に向けてまとめています。料金や仕様は頻繁に変わるため、契約前には公式の一次情報も確認してください。

生成AIそのものの基本から押さえたい場合は生成AIとは?仕組み・種類・できることを解説を先に読むと、Kimi K3の位置づけがつかみやすくなります。

Kimi K3とは — Moonshot AIのオープンウェイト・フラッグシップ

Kimi K3公式ブログのヒーロービジュアル(Moonshot AI)

出典: Moonshot AI 公式ブログ

Kimi K3は、Moonshot AIが「Kimiで最も高性能なモデル。ソフトウェア開発、知識労働、深い推論のフロンティア用途向け」と位置づける現行のフラッグシップです。チャット・API・エージェント製品・オープンウェイトの4つの形で提供されています。

項目

内容

開発元

Moonshot AI(月之暗面)/2023年3月創業、本社は中国・北京

公開日

2026年7月16日(日本時間17日)

モデルID

公式API: kimi-k3/Amazon Bedrock: moonshotai.kimi-k3

アーキテクチャ

MoE(Stable LatentMoE)/総2.8T・アクティブ104B

コンテキスト

1,048,576トークン(約100万)

入力

テキスト・画像(Bedrockでは動画入力に非対応)

思考モード

常にON(reasoning_effort = low / high / max)

重み

2026年7月27日にHugging Face moonshotai/Kimi-K3 で公開(MXFP4、約1.56TB)

ライセンス

Kimi K3 License(独自ライセンス)

主な提供先

kimi.com・アプリ/platform.kimi.ai(API)/Kimi Code・Kimi Work/Amazon Bedrock/GitHub Copilot/OpenRouter など

Moonshot自身はK3を「open source」ではなく "open weight"(重みのみ公開) と呼んでいます。学習データと学習コードは公開されていません。オープンウェイトがAI業界でどう位置づけられているかは、Anthropicのオープンウェイトに対する立場も参考になります。

Kimiシリーズの流れと現在の提供状況

時期

モデル

2026年10月6日時点の状況

2025年7月

K2

APIは2026年5月25日に提供終了

2026年1月

K2.5

2026年8月31日に提供終了

2026年4月

K2.6

API提供中(256K)

2026年6月12日

K2.7 Code/highspeed

API提供中(256K、コーディング特化)

2026年7月16日

K3

フラッグシップ。API・Bedrock・Copilotで提供

2026年9月11日

K2.8 Preview

Kimi Code/Kimi Workの既定モデル

2026年9月下旬

K3.1(うわさ)

正式発表なし

旧基盤の moonshot-v1 全系列と kimi-k2.5 は予定どおり2026年8月31日で提供を終えています。まだ旧モデルIDを呼んでいるシステムは、kimi-k2.6 か kimi-k3 への切り替えが必要です。

9月29日には「kimi-k3-1 という識別子がAPIのモデル登録に現れた」と開発者の報告をもとに報じられました(TechNode)。ただしMoonshotからの正式発表・ドキュメント・料金はまだなく、K3.1の仕様や公開時期は分かっていません。

前の世代の詳細はKimi K2.6とは?1T MoEの実力を徹底解説、日本向けの展開はKimiの日本展開まとめで整理しています。

Kimi K3は無料で使える? — 公式で確認できるのは月$19のModerato以上

公式ドキュメントで確認できるK3の利用条件は「Moderato(月$19)以上」です。無料プラン(Adagio)でK3を使えるという公式の記載は見当たりません。 「kimi.comに無料登録すればK3が使える」と紹介している記事もありますが、公式の裏付けは確認できていません。

Moonshot AIのAPIプラットフォーム(platform.kimi.ai)の公式トップ画面

出典: Kimi API Platform(Moonshot AI 公式)

やりたいこと

必要な条件(2026年10月時点)

kimi.comでKimiを試す

無料登録で可能(ただしK3が使えるとは公式に書かれていない)

チャット・Kimi CodeでK3を使う

Moderato($19/月)以上(Kimi Code公式ドキュメント)

Kimi Codeで100万トークンを使う

Allegretto($39/月)以上

チャットで「K3 超長文(最大1M)」を使う

Allegro($99/月)以上(公式ヘルプのメンバーシップ説明)

APIで kimi-k3 を呼ぶ

従量課金。利用開始には最低$1のチャージが必要とされる

重みをダウンロードする

無料(Hugging Face)。ただし動かすには大規模なGPUクラスタが必要

注意したいのは、100万トークンが使えるプランが製品ごとに違う点です。Kimi Code(CLI)はAllegretto以上、チャット画面の超長文はAllegro以上と、公式の表記が分かれています。長い契約書や大きなリポジトリを読ませるのが目的なら、使う製品に合わせてプランを選んでください。

「K3を少しだけ試したい」なら、APIに$1〜数ドルをチャージして従量課金で使うのが最も安く済みます。

Kimi K3の料金 — API・Amazon Bedrock・GitHub Copilot・個人向けプラン

Kimi K3を選択できるGitHub Copilotの公式ビジュアル

出典: GitHub Copilot 公式サイト

公式APIは入力$3.00/出力$15.00(100万トークンあたり)で、長いコンテキストでも単価は変わりません。Amazon Bedrockも同じ単価で、急がない処理には半額のFlex階層を使えます。 公開以降、値上げ・値下げは確認されていません。

公式API(platform.kimi.ai)

モデル

入力(キャッシュヒット)

入力(キャッシュミス)

出力

コンテキスト

kimi-k3

$0.30

$3.00

$15.00

1,048,576

kimi-k2.6

$0.16

$0.95

$4.00

262,144

※単位は100万トークンあたりの米ドル。K2.6は2026年8月時点の確認値です。

  • コンテキストの長さで段階的に上がる料金ではない(一律)。数十万トークンの入力でも単価は同じです
  • キャッシュヒットで入力が10分の1($3.00→$0.30)。同じシステムプロンプトや資料を繰り返し渡す設計にすると、実際のコストが大きく下がります
  • 思考モードは常にON。クラスメソッドがBedrockで検証したところ、既定の max では出力トークンの50〜70%が推論に使われていました。出力単価$15が想定以上に効くため、reasoning_effort を low/high に下げられる処理は下げるのが基本です

Amazon Bedrock(2026年9月18日に一般提供)

推論オプション

入力

出力

キャッシュ読み取り

キャッシュ書き込み

Globalクロスリージョン

$3.00

$15.00

$0.30

$3.75

USクロスリージョン

$3.30

$16.50

$0.33

$4.125

  • Flex階層はStandardの0.5倍(夜間バッチなど急がない処理なら半額)、Priority階層は1.75倍
  • AWSによれば、明示的なプロンプトキャッシュ(最小1,024トークン、TTL 30分以上)に対応したBedrock初のオープンウェイトモデルです
  • 東京リージョン(ap-northeast-1)から使えるのはGlobalプロファイル global.moonshotai.kimi-k3 のみです。リクエストが国外のリージョンで処理される可能性があるため、データの所在に要件がある企業は事前に確認が必要です

GitHub Copilot(2026年8月6日に一般提供)

Pro/Pro+/Max/Business/Enterpriseで使え、従量課金は入力$3/出力$15/キャッシュ$0.30です(Fireworks AIがホスト)。Business/Enterpriseでは既定でOFFになっており、管理者がポリシーで有効にするまで社員には表示されません。Copilot全体の仕組みはGitHub Copilotとはにまとめています。

OpenRouterやVercel AI Gateway、Togetherなどの中継サービス経由でも使えますが、単価はサービスごとに異なります。契約前に各社の料金ページで確認してください。

個人向けメンバーシップ(kimi.com・アプリ)

プラン

月額(USD)

年払い時の月あたり

日本のApp Store(月額)

K3

100万トークン

Adagio(無料)

$0

—

—

公式の記載なし

不可

Moderato

$19

$15

¥3,000

利用可

不可(256K版)

Allegretto

$39

$31

¥6,000

利用可

Kimi Codeで可

Allegro

$99

$79

¥15,000

利用可

チャットでも可

Vivace

$199

$159

¥30,000

利用可

可

※App Storeの円価格は2026年8月の確認値です。Agentのクレジット数などの細かい上限は情報源によって数字が異なるため、公式ヘルプで確認してください。

法人向けには Kimi Business があり、「企業データを学習に使わない」と明記されています(料金は非公開)。

Kimi K3でできること

BrowseCompスコアとタスクあたりコストを比較したKimi K3公式チャート

出典: Moonshot AI 公式ブログ

K3が得意なのは、大量の資料を一度に読み込む処理と、ツールを呼びながら長時間動き続けるエージェント処理です。

できること

実務での使いどころ

100万トークンの長文処理

大規模リポジトリの横断解析、長い契約書・仕様書どうしの突き合わせ

画像の理解

スクリーンショット・UI・図表・エラー画面を見せながらのデバッグ

フロントエンドのコード生成

LP・管理画面・UIコンポーネントの実装(Arena.aiのFrontend Code Arenaで1位)

長時間のエージェント処理

リポジトリ探索→ツール呼び出し→修正の繰り返し。Agent Swarmで並列のサブエージェントも使える

推論の深さの調整

reasoning_effort を low / high / max で切り替え。完全にOFFにはできない

OpenAI互換API

既存コードの base_url とモデルIDを変えるだけで移行できる

自前でのホスティング

vLLM/SGLang/TokenSpeed向けに公式の手順あり(ただし必要なハードウェアは非常に大きい)

エージェント用途で組む場合は、ツールの実行権限や操作ログの設計も同時に必要です。AIエージェントの基本はAIエージェントとは?仕組み・種類・活用例、運用時のリスク対策はAIエージェントのセキュリティ対策ガイドで解説しています。

技術仕様 — 2.8T MoEとKDA(Kimi Delta Attention)

K3の技術的な特徴は、規模をK2.6の約2.8倍に広げつつ、アテンションの仕組みを作り替えて長いコンテキストでの計算コストを抑えた点です。

Hugging Faceで公開されたKimi K3のモデルリポジトリ(moonshotai/Kimi-K3)

出典: Hugging Face / moonshotai/Kimi-K3

項目

値(公式モデルカード)

総パラメータ/アクティブ

2.8T/104B

エキスパート

896個(トークンごとに16個を選択)

アテンション

KDA(ハイブリッド線形アテンション)+ Gated MLA + AttnRes(Attention Residuals)

コンテキスト

1,048,576トークン

量子化

MXFP4の重み/MXFP8の活性値(量子化を前提とした学習=QAT)

推奨推論エンジン

vLLM/SGLang/TokenSpeed

一般的なアテンションは、コンテキストが長くなるほど計算量が急増します。KDA(Kimi Delta Attention) は線形アテンションを組み合わせてこの増え方を抑える仕組みで、100万トークンのコンテキストを現実的なコストで扱うための中核です。Moonshotは、Stable LatentMoE・AttnResと合わせてK2比でスケーリング効率が約2.5倍になったと説明しており、AWSの紹介ページも同じ表現を使っています。

ただし、これは開発元の説明です。第三者による再現検証はまだ限られているため、「公式の主張」として受け止めておくのが安全です。

性能・ベンチマーク — 公開時点の評価と弱点

公開時点(2026年7月)の評価では、K3はフロンティアの最上位にわずかに届かないものの、オープンウェイトとしては最高水準でした。一方で、知識の正確さには目立つ弱点があります。

Kimi K3のコーディングベンチマークを示した公式比較チャート

出典: Moonshot AI 公式ブログ

公式値と第三者評価

指標

Kimi K3

出所

GPQA Diamond

93.5

公式(オープンウェイトで最高)

DeepSWE

67.5

公式

BrowseComp

91.2

公式

MMMU-Pro

81.6/83.4

公式

SWE-bench Verified

93.4%

第三者の集計

Artificial Analysis Intelligence Index

約57(公開時点で全体4位)

Artificial Analysis

AA-Omniscience ハルシネーション率

約51%(K2.6は39%)

Artificial Analysis

出力速度

約33〜62トークン/秒

第三者計測

Claude Opus 4.8・GPT-5.6 Solとの比較(公開時点)

K3の公式ベンチマーク表で比較相手になっていたのは Claude Opus 4.8(max)とGPT-5.5(high) です。公開時点のArtificial Analysisの指数では、Claude Fable 5(約60)、GPT-5.6 Sol(約59)に次ぎ、Opus 4.8(約56)をわずかに上回る位置でした。

モデル(2026年7月時点)

AA Intelligence Index

重み

Claude Fable 5

約60

非公開

GPT-5.6 Sol

約59

非公開

Kimi K3

約57

公開

Claude Opus 4.8

約56

非公開

つまり「Opus 4.8より上、GPT-5.6 Solより下」が公開時点の立ち位置です。ただしこの顔ぶれはすでに1世代前になっており、9月以降に出たClaude Opus 5.5やGPT-6.1 Solと同じ条件で比べた公式・Artificial Analysisの数字は、現時点では確認できていません。

見落としやすい弱点:ハルシネーション率約51%

AA-Omniscienceでは、K3の正答率は前世代から上がった一方、知らないことを自信を持って答えてしまう割合が約51%に悪化していました(7〜8月時点の測定)。

  • コード生成やリファクタリングなど、出力の正しさをその場で確かめられる用途では影響は小さい
  • 社内調査・法務リサーチ・統計の事実確認など、人が真偽を確かめにくい用途では、検証の工程を入れずに使うのは危険

ベンチマークの強さと、知識業務で信頼できるかどうかは分けて判断してください。

Claude Opus 5.5・GPT-6.1 Solとの違い — 料金の優位はほぼなくなった

比較対象となるAnthropic「Claude Opus」の公式ロゴ画像

出典: Anthropic 公式サイト(Claude Opus)

2026年10月時点で比べると、K3はGPT-6.1 Solより高く、Claude Opus 5.5より少し安い位置にいます。「フロンティア級を数分の一の価格で」という公開当初の打ち出しは、もう当てはまりません。

比較ポイント

Kimi K3

Claude Opus 5.5

GPT-6.1 Sol

提供元

Moonshot AI(中国)

Anthropic(米国)

OpenAI(米国)

公開

2026年7月16日

2026年9月22日

2026年9月29日

API料金(入力/出力)

$3/$15(一律)

$4/$20

$2/$10(272K以下)、$4/$15(272K超)

キャッシュ読み取り

$0.30

$0.20

$0.10(272K超は$0.20)

コンテキスト

1,048,576

100万(出力は最大128K)

約105万

重みの公開

公開(独自ライセンス)

非公開

非公開

主な弱点

ハルシネーション率・速度・思考モードを切れない

単価が高い

長文で単価が上がる

※料金は100万トークンあたりの米ドル(各社公式の標準単価、2026年10月時点)。GPT-6.1 Solは入力が272Kを超えると、リクエスト全体に長文用の単価が適用されます。

処理量別のコスト試算

標準単価だけで、1リクエストあたりのコストを試算すると次のとおりです(推論トークンの増加やキャッシュは考慮していません)。

リクエストの規模

Kimi K3

Claude Opus 5.5

GPT-6.1 Sol

入力10万+出力1万トークン

$0.45

$0.60

$0.30

入力50万+出力2万トークン

$1.80

$2.40

$2.30(272K超の単価)

通常の長さの処理ならGPT-6.1 Solが最も安く、27万トークンを超える長文ではK3の一律料金が有利になります。ただしK3は思考モードを切れないため、実際の出力トークンは試算より膨らみやすい点に注意してください。

それでもK3を選ぶ理由

  1. 重みが公開されている。 将来、自社やクラウド上の閉じた環境で運用する道が残り、特定ベンダーへの依存を減らせます
  2. 企業の既存環境から使える。 Amazon BedrockとGitHub Copilotに入ったことで、新しい契約先を増やさずに評価・導入できます
  3. フロントエンドのコード生成に強い。 ブラインド評価のFrontend Code Arenaで1位を取っています

最新のフロンティアモデルの詳細はClaude Opus 5.5とは、GPT-6.1 Solとは、GPT-6 Sol/Lunaとは、最上位のClaude Fable 5.1とはで解説しています。用途別にAIツール全体から選びたい場合は生成AIツールおすすめ比較が入口になります。

中国のオープンウェイト勢との関係

同じオープンウェイトの路線では、DeepSeek V4.1、GLM-5.3、Qwen 3.8 Maxが競合します。Artificial Analysisのオープンウェイト順位ではK3とGLM-5.3が同点で並んでおり、規模(2.8T)と100万トークンのコンテキストではK3が上回ります。API単価は各社で改定が続いているため、コスト重視で選ぶ場合は契約時点の公式料金で比べてください。

Kimi K2.6・K2.7 Code・K2.8 Previewとの違い

K3はK2.6を大きくしただけではなく、アテンションの仕組みから作り直した新世代です。ただし、用途によっては下位モデルのほうが合理的です。特にコーディングでは、Kimi Codeの既定モデルがK2.8 Previewに変わった点を押さえておく必要があります。

前世代Kimi K2.6のMoEアーキテクチャ概要図

出典: Moonshot AI / Hugging Face

項目

K2.6

K2.7 Code

K2.8 Preview

K3

公開

2026年4月

2026年6月12日

2026年9月11日

2026年7月16日

パラメータ

1T/32B

1T/32B

非公表

2.8T/104B

コンテキスト

256K

256K

Kimi Codeで1M

1M

主な用途

汎用・コスト重視

コーディング特化・高速版あり

Kimi Code/Kimi Workの既定

長文・エージェント・フロントエンド

API単価(入力/出力)

$0.95/$4.00

公式で要確認

未確認

$3.00/$15.00

ライセンス

オープンウェイト

Modified MIT

未確認

Kimi K3 License

K2.8 Previewは「K3に近い性能」とされ、Kimi Codeの既定モデル(ID kimi-for-coding)になりました。全Kimi Code会員で1Mコンテキストと画像入力に対応しています。APIの単価や重みを公開するかどうかは、まだ公式に確認できていません。

使い分けの目安は次のとおりです。

  • Kimi Codeでコーディングする → 既定のK2.8 Previewで足りるケースが多い。K3は明示的に切り替えて使う
  • APIで安く速くコードを書かせたい、256Kで足りる → K2.7 Code(highspeed版は約180トークン/秒)
  • 大量の軽いタスクを安く処理したい → K2.6
  • 100万トークンの資料を読ませたい、長時間エージェントを回したい、Bedrock経由で使いたい → K3

AIコーディングツール全体の比較はAIコーディングツールおすすめ比較にまとめています。

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Kimi K3の使い方 — Web・Kimi Code・API・Amazon Bedrock・GitHub Copilot

個人で試すならkimi.comかAPIの少額チャージ、企業で使うならAmazon BedrockかGitHub Copilot経由が現実的です。 経路ごとにデータの行き先と管理のしやすさが異なります。

利用経路

料金

データの行き先

管理者による制御

100万トークン

kimi.com・アプリ

月$19〜

Moonshot(中国本土のサーバー)

弱い(個人向け)

Allegro以上

Kimi Code(CLI)

月$19〜

Moonshot

弱い

Allegretto以上

公式API(platform.kimi.ai)

$3/$15

Moonshot(シンガポールのサーバー)

APIキー単位

可

Amazon Bedrock

$3/$15(Flexは半額)

AWSの基盤(東京からはGlobalプロファイル)

IAM・呼び出しログで管理

可

GitHub Copilot

$3/$15

Fireworks AI(GitHubの規約に準拠)

Business/Enterpriseは既定OFF

—

自前ホスティング

GPUコスト

社外に出ない

完全に自社管理

可

方法1:kimi.com・アプリ

  1. kimi.com でアカウントを作る(UIは日本語表示に対応)
  2. Moderato以上のプランに加入する
  3. モデル選択でK3を選んでチャットする

デスクトップのKimi Workでも同じように使えます。

方法2:Kimi Code(CLIのコーディングエージェント)

Kimi Code CLIでコーディングエージェントを動かしているデモ画面

出典: Kimi 公式サイト

ターミナルで動くKimi Codeでは、既定モデルがK2.8 Previewになっています。K3を使うにはモデルを切り替えてください。K3はModerato以上、100万トークンはAllegretto以上で使えます。

方法3:公式API(OpenAI互換)

OpenAI SDKの base_url とモデルIDを変えるだけで呼び出せます。

from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key="YOUR_KIMI_API_KEY",
    base_url="https://api.moonshot.ai/v1",
)

response = client.chat.completions.create(
    model="kimi-k3",
    messages=[{"role": "user", "content": "このリポジトリの構成を分析して改善案を出してください"}],
    reasoning_effort="high",  # low / high / max(既定はmax)
)

print(response.choices[0].message.content)

実装で気をつける点:

  • 利用開始には最低$1のチャージが必要とされています
  • reasoning_effort の既定は max です。指定しないと推論トークンで出力が膨らみやすいため、用途に応じて low か high を明示してください
  • 複数ターンの会話では、reasoning_content や tool_calls を含むassistantメッセージの扱いに注意が必要です。最新の仕様は platform.kimi.ai のドキュメントで確認してください

方法4:Amazon Bedrock

  1. Bedrockコンソールでモデル moonshotai.kimi-k3 を有効にする
  2. 東京リージョンから使う場合は推論プロファイル global.moonshotai.kimi-k3 を指定する
  3. AWSが推奨するOpenAI互換API(Chat Completions/Responses)で呼び出す

Converse APIでは、複数ターンで過去の推論ブロックを含めるとエラーになる、PDFやHTMLの添付が受け付けられない、といった既知の問題があります。Bedrockの他モデルの事例はGPT-5.5のAmazon Bedrock対応でも紹介しています。

Bedrock経由の利用は、Kimi K3 License上「Certified Inference Partners」経由の利用として扱われると、AWSのモデルカードに書かれています。企業にとっては、ライセンスの細部を自社だけで読み解かなくても、クラウド経由で使えるという安心材料になります。

方法5:GitHub Copilot

Pro/Pro+/Maxでは、モデル選択にKimi K3が表示されます。Business/Enterpriseでは管理者がポリシーで有効にする必要があり、GitHubは有効化する前に自社のセキュリティ・コンプライアンス要件と照らし合わせるよう案内しています。

Anthropicの「Claude転送」告発 — 主張と反論を整理

Claude転送を告発したAnthropicの公式ロゴ画像

出典: Anthropic 公式サイト

2026年9月、AnthropicはMoonshotが「Kimiユーザーのリクエストの一部をClaudeに転送し、Claudeの回答をKimiの回答として表示していた」と主張しました。Moonshotはこれを否定しています。第三者による検証はまだなく、どちらの言い分も事実として確定していません。

Anthropic側の主張(2026年9月10〜11日)

報道(SCMP、runtimewireなど)によると、Anthropicは脅威インテリジェンスレポートの中で次のように主張しています。

  • 10日間で約30万件のリクエストがClaudeに転送されていた
  • 偽アカウントは5,380件で、主にシンガポールと日本からのアクセスに見えるよう偽装されていた
  • 2026年5〜7月で2,300万件を超えるやり取りがあり、主な転送先はClaude Opusだった
  • 転送されたプロンプトの中には、監視カメラの映像や内部の認証情報など機密性の高いものが含まれていた(runtimewireの報道)

Anthropicは同じレポートで、DeepSeekについても同様の行為があったと主張しています。レポート全体の内容はAnthropic AI悪用レポート2026年9月版で解説しています。

Moonshot側の反論

  • Moonshotは告発を「虚偽」として否定し、法的措置と警察への届け出を表明しました
  • 中国商務省も「根拠がない」と反論しています
  • 7月下旬に米政府関係者が「競合モデルからの蒸留」を指摘したときも、Moonshotは「独自のアーキテクチャによるもので、蒸留ではない」と否定していました

なお9月には、FBI・NSA・CISAの勧告がMoonshotを含む中国AI企業による大規模な蒸留を指摘したとも報じられていますが、勧告の原文は確認できていません。

利用者として何をすべきか

Anthropicの主張が正しければ、Kimiに入力した内容の一部が、利用者に知らされないまま第三者のサービスに送られていたことになります。主張が真実かどうかとは別に、実務では次の対応が妥当です。

  • 個人向けのKimi(kimi.com・アプリ)に機密情報を入力しない
  • 企業で使う場合は、Amazon Bedrockや自前ホスティングなど、データの経路を自社で管理できる方法を選ぶ
  • 転送の対象が個人向けKimiだけだったのか、APIも含むのかは公表情報から特定できていません。公式APIを使う場合も、この点が明らかになるまでは慎重に扱ってください

セキュリティと企業での利用判断

K3のデータがどこへ行くかは「どの経路で使うか」で変わります。「中国のAIだから一律禁止」でも「オープンウェイトだから安全」でもなく、経路ごとに判断するのが正確です。

利用経路

データの保管先

学習への利用

kimi.com・アプリ

中国本土のサーバー

匿名化したうえで学習に使われうる(アカウント単位でオプトアウト可、申請から30日以内に反映)

公式API

シンガポールのサーバー

プライバシーポリシーに基づく

Kimi Business

ワークスペースを分離

学習に使わないと明記

Amazon Bedrock

AWSの基盤(東京からはGlobalプロファイル)

Bedrockの一般的な規約に従う(K3個別の記載は未確認)

GitHub Copilot

Fireworks AIがホスト

GitHubの規約に従う

自前ホスティング

自社のインフラ

なし

個人向けKimiに入力を避けるべき情報

  • 公開前のソースコード・設計書
  • 顧客の個人情報
  • 公開前の財務情報・経営戦略
  • 医療・健康に関するデータ、NDAの対象となる情報

企業での判断基準

  1. 取引先・業界のポリシーを確認する。 公共・防衛・重要インフラに関わる組織では、中国製モデルの利用自体が制限されていることがあります
  2. 使う経路をBedrockかCopilotに絞る。 管理者による制御と呼び出しログが使え、社内の承認プロセスに乗せやすくなります
  3. データの所在に要件があるなら、Globalプロファイルの扱いを確認する。 東京からはGlobalプロファイルしか使えないため、国外で処理される可能性があります
  4. ライセンスを法務で確認する。 K3はMITではなく独自のKimi K3 Licenseです。商用利用・再配布の条件は条文で確認してください

全社的なルール作りは生成AIのセキュリティ対策を参考にしてください。

導入前に知っておきたい制約

Kimi K3の公式GitHubリポジトリ(MoonshotAI/Kimi-K3)

出典: GitHub / MoonshotAI・Kimi-K3

K3には、評価の高さだけでは見えにくい制約があります。特に重みの扱いと知識の正確さは、導入計画そのものを左右します。

  1. 重みは公開されているが、個人のPCでは実質動かせない。 重みは約1.56TB(MXFP4)で、1bit量子化でも約600GB前後です。本番運用にはH100/B200クラスのGPUが数十基必要になります
  2. 知識の正確さに弱点がある。 ハルシネーション率は約51%(7〜8月の測定)。真偽を確かめにくい知識業務では、人による検証が欠かせません
  3. 思考モードをOFFにできない。 出力トークンが膨らみやすく、実際のコストが読みにくくなります
  4. 速度は遅め。 第三者計測で約33〜62トークン/秒。対話型のサービスより、バッチ処理や分析に向いています
  5. 独自ライセンス。 一部のメディアが「Modified MIT」と書いていますが、それはK2.x系の話です
  6. 100万トークンは上位プラン限定。 Kimi CodeはAllegretto、チャットはAllegro以上です
  7. Bedrockでは動画入力に対応しておらず、Converse APIではPDF・HTML添付も使えない
  8. 供給が不安定になった前例がある。 2026年7月19〜20日には、GPU不足で新規申し込みを一時停止しました。重要な業務を1つのモデルだけに頼るのは避けてください

日本語での使い勝手

kimi.comのUIは日本語に対応しており、日本語での指示にも問題なく応答します。ただし、K3の日本語性能を定量的に測った公式ベンチマークは公開されていません。

日本語での実用例としては、クラスメソッドの検証記事(2026年9月21日)で筆者が「日本語能力は優秀で、GitHub Copilotで頻繁に使っている」と評価しています。ただしこれは個人の感想で、定量的な評価ではありません。

自社で評価するときは、次の3点を実データで確かめるのが確実です。

  • 長い日本語文書を要約したときに、固有名詞や数値を取り違えないか
  • 日本語の指示に対して、JSONなど指定した形式を崩さないか
  • 日本語出力のトークン消費量(思考モードの影響で増えやすい)

日本語の精度を最優先するなら、K2.6をベースに日本語に特化したSakana Namazuや、日本語LLM 7モデル比較の各モデルも候補になります。

Kimi K3をめぐる主な動き(2026年7月〜10月)

日付

出来事

2026年7月16日

Kimi K3を公開

2026年7月19〜20日

GPU不足で新規申し込みを一時停止し、メンバーシップを再編

2026年7月27日

Hugging Faceで重みを公開。vLLMがKDAに本番対応

2026年7月30日

評価額350億ドルで資金調達を完了

2026年8月6日

GitHub Copilotで一般提供

2026年8月21日

Kimi日本語版の公式Xアカウントを開設

2026年8月31日

moonshot-v1全系列とkimi-k2.5の提供を終了

2026年9月10〜11日

AnthropicがClaudeへの転送を主張。Moonshotは否定し法的措置を表明

2026年9月11日

K2.8 PreviewをKimi Code/Kimi Workに全面展開

2026年9月18日

Amazon Bedrockで一般提供

2026年9月22日

(競合)Claude Opus 5.5、GPT-6 Sol/Lunaが公開

2026年9月29日

(競合)GPT-6.1 Solを発表。同日、kimi-k3-1 の識別子が見つかったと報道

Kimi K3がおすすめな人・おすすめしない人

こんな人におすすめ

状況

理由

数十万〜100万トークンの資料を日常的に扱う

一律料金のため、27万トークンを超える長文ではGPT-6.1 Solより安くなる

AWSの既存環境でオープンウェイトのフロンティア級モデルを評価したい

Bedrockで一般提供。IAM・ログ・Flex階層を使える

フロントエンドのコード生成を任せたい

Frontend Code Arenaで1位。出力をその場で確かめられる用途と相性が良い

将来、自社管理の環境での運用を視野に入れている大規模組織

重みが公開されている数少ないフロンティア級モデル

GitHub Copilotで管理下に置いて試したい

Business/Enterpriseでは既定OFFのため、承認プロセスに乗せられる

おすすめしない人

状況

代わりの選択肢

とにかく安く高性能なAPIを使いたい

通常の長さならGPT-6.1 Sol($2/$10)のほうが安い

事実の正確さが最重要(法務・医療・調査)

Claude Opus 5.5などと人による検証の組み合わせ

個人向けKimiに業務の機密情報を入れて使いたい

経路を管理できるBedrock、または別のモデル

無料で最新フラッグシップを使いたい

K3は公式に確認できる範囲では有料プランが前提

Kimi Codeでコーディングするだけ

既定のK2.8 Previewで足りることが多い

自社のGPU1〜2台で動かしたい

必要なメモリ量からみて成り立たない

中国製モデルの利用が社内・取引先の方針で制限されている

米国系や国内提供のモデル

よくある質問

Q. Kimi K3とKimi(チャットアプリ)は何が違いますか?

A. 「Kimi」はMoonshot AIが提供するチャットサービス・アプリの名前で、「Kimi K3」はその中で動く大規模言語モデルの名前です。Kimiのアプリでは、K3のほかにK2.6やK2.8 Previewなど複数のモデルが使われています。

Q. Anthropicの告発を受けて、Kimi K3の提供は止まっていますか?

A. 2026年10月6日時点で、公式API・Amazon Bedrock・GitHub Copilotでの提供が止まったという発表は確認できていません。告発は事業者間の主張の対立の段階で、Moonshotは法的措置を表明しています。

Q. Kimi K3.1はいつ出ますか?

A. 正式な発表はありません。9月29日に kimi-k3-1 という識別子が見つかったと報じられただけで、仕様・料金・公開時期はいずれも分かっていません。

Q. 東京リージョンのAmazon BedrockでKimi K3を使えますか?

A. 使えますが、Globalクロスリージョン推論プロファイル(global.moonshotai.kimi-k3)経由に限られます。東京リージョン内だけで処理を完結させる設定はできないため、データの所在に要件がある場合は注意してください。

Q. moonshot-v1をまだ使っていますが、どうなりますか?

A. moonshot-v1の全系列とkimi-k2.5は2026年8月31日で提供を終えています。kimi-k2.6 や kimi-k3 など現行モデルIDへの切り替えが必要です。

Q. Kimi K3のライセンスで商用利用はできますか?

A. K3は独自の「Kimi K3 License」で公開されており、MITではありません。商用利用や再配布の具体的な条件は、Hugging Faceの公式リポジトリにある条文を法務部門で確認してください。Bedrock経由であれば、ライセンス上はCertified Inference Partners経由の利用として扱われます。

まとめ — Kimi K3の現在地(2026年10月)

観点

ポイント

正体

Moonshot AIが2026年7月16日に公開した2.8T MoE(アクティブ104B)。KDAで100万トークンを実用化したオープンウェイトの最大級モデル

料金

API $3/$15(一律)、キャッシュ$0.30。Bedrockも同額でFlexは半額。個人向けはModerato($19)以上でK3を利用可

立ち位置

公開時点の性能はOpus 4.8より上、GPT-5.6 Solより下。料金はGPT-6.1 Solより高く、Opus 5.5よりやや安い

選ぶ理由

重みの公開、Bedrock・Copilotでの企業利用、フロントエンドのコード生成

注意点

ハルシネーション率約51%、思考モードを切れない、独自ライセンス、Claude転送をめぐる告発(Moonshotは否定)

Kimi K3は、「重みを公開したままフロンティアに挑む」というMoonshot AIの路線を最もはっきり形にしたモデルです。ただし公開から3か月で競合の新モデルが相次ぎ、価格の優位はほぼ失われました。いまK3を選ぶなら、「安いから」ではなく「重みが公開されていて、企業の既存環境から管理しながら使えるから」という理由で選ぶのが妥当です。

現実的な進め方は、①APIの少額チャージかBedrockで自社データを使って評価する → ②reasoning_effort とプロンプトキャッシュを前提に実際のコストを試算する → ③ライセンスとデータの経路を法務・情シスで確認する → ④出力を確かめやすい用途から本番に入れる、という順番です。

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この記事の著者

AI革命

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