DeepSeek V4 Flash 0731とは?Terminal Bench 82.7・DeepSWE 7倍改善の性能と公式API退役後の使い方・料金・V4.1 Flash/V4 Proとの違い【2026年10月最新】

この記事のポイント
DeepSeek V4 Flash 0731は2026年7月31日公開のV4-Flash正式版で、DeepSWEは7.3→54.4、Terminal Bench 2.1は82.7まで伸びました。公式APIでは9月10日に退役済みです。この記事では、入力0.14ドルだった料金の推移、第三者APIや自社運用で今も使う方法、V4.1 Flash・V4-Proとの違いを公式情報をもとに整理します。
DeepSeek-V4-Flash-0731は、DeepSeekが2026年7月31日に公開したV4-Flashの正式版です。設計もサイズもプレビュー版と同じまま、ポストトレーニングだけでDeepSWEを7.3→54.4(約7.4倍)、Terminal Bench 2.1を61.8→82.7に伸ばしました。 ただし公式APIでは2026年9月10日に退役しています。いま deepseek-v4-flash を指定すると後継のV4.1 Flashが応答し、料金もV4.1 Flashの単価で請求されます。
一方で、MITライセンスのオープンウェイトとしては今も現役です。Hugging Faceの直近1か月のダウンロード数は約454万件(2026年10月6日時点)で、DeepSeekのリポジトリの中で最も多くダウンロードされています。OpenRouterでも29のエンドポイントが提供を続けています。「公式では使えないのに、DeepSeekのモデルとしては最も多く使われている」という少しねじれた状況にあるモデルです。

出典: Hugging Face deepseek-ai 公式リポジトリ
この記事でわかること
- V4-Flash-0731の基本スペックと、0731版で何が変わったのか
- 公式ベンチマーク9項目の数値と、数字を読むときの注意点
- 2026年9月10日の公式API退役で、既存コードの
deepseek-v4-flashがどう動くようになったか - 「入力0.14ドル/1M」がいつの価格だったのか(公式料金の推移と現在の第三者APIの価格)
- 後継のV4.1 Flash、上位のV4-Pro(0813)との違いと選び方
- 0731を今使う方法(第三者API・自社サーバーでの運用)と必要なGPUの目安
- 中国系モデルを業務で使うときのデータの扱いと、提供元の仕様変更への備え
こんな方を想定しています。0731を前提にプロンプトやエージェントを組んでいたエンジニア、9月以降の請求額の変化に気づいた方、バージョンを固定できる安いモデルを探しているプロダクト担当者、中国系オープンウェイトの業務利用を判断する情報システム担当者です。DeepSeekの全体像はDeepSeekとは?特徴・料金・使い方・ChatGPTとの違い、V4シリーズ全体の流れはDeepSeek V4とは?性能・料金・V3との違いで解説しています。
DeepSeek V4 Flash 0731とは|基本スペック
スパースMoE(Mixture-of-Experts)構成のテキスト専用モデルで、総パラメータは284B、1トークンあたりに動くのは13Bだけです。コンテキスト長は100万トークンで、ライセンスはMITです。 公式Change Logには「アーキテクチャとモデルサイズはV4-Flash-Previewと同じで、ポストトレーニングだけをやり直した」と書かれています。

出典: DeepSeek 公式サイト
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名 | DeepSeek-V4-Flash-0731 |
開発元 | DeepSeek(中国・杭州) |
公開日 | 2026年7月31日(当時の公式APIはPublic Beta) |
公式APIでの状態 | 2026年9月10日に退役。旧ID |
アーキテクチャ | スパースMoE+CSA/HCAハイブリッドアテンション |
総パラメータ | 284B(Hugging Face上の表記は304B。差分は投機的デコーディング用のDSparkモジュール) |
アクティブパラメータ | 13B/トークン |
コンテキスト長/最大出力 | 100万トークン/384Kトークン |
入出力 | テキストのみ(画像・音声は非対応) |
推論モード | reasoning effort low / high / max の3段階 |
ライセンス | MIT(申請不要でダウンロード・商用利用可) |
Hugging Faceの状況 | 直近1か月のダウンロード約454万件、いいね4,017(2026年10月6日時点)。リポジトリの最終更新は8月1日 |
総パラメータの284Bと304Bは、推論を速くするためのDSparkモジュールを含めるかどうかの違いです。モデル本体は284Bと考えて問題ありません。
Hugging Faceのダウンロード数は8月5日時点の約43万件から、10月6日時点で約454万件と約10倍に増えました。後継のV4.1 Flash(約87万件)の約5倍です。公式APIから消えた後も、自社運用や第三者APIで使われ続けていることがわかります。
0731で何が変わったか|DeepSWE 7倍・Terminal Bench 82.7
変わったのはポストトレーニングだけですが、エージェント系のスコアは大きく伸びました。公開された9項目すべてで、当時のV4-Pro-Previewを上回っています。 一方、Claude Opus 4.8にはどの項目でも届いていません。

公式モデルカードに載っている数値は次のとおりです(すべてDeepSeekの自己申告)。
ベンチマーク | V4-Flash-0731 | V4-Flash-Preview | V4-Pro-Preview(当時) | GLM-5.2 | Claude Opus 4.8 |
|---|---|---|---|---|---|
Terminal Bench 2.1 | 82.7 | 61.8 | 72.1 | 81.0 | 85.0 |
NL2Repo | 54.2 | 39.4 | 38.5 | 48.9 | 69.7 |
Cybergym | 76.7 | 38.7 | 52.7 | — | 83.1 |
DeepSWE | 54.4 | 7.3 | 12.8 | 46.2 | 58.0 |
Toolathlon-Verified | 70.3 | 49.7 | 55.9 | 59.9 | 76.2 |
Agents' Last Exam | 25.2 | 15.8 | 16.5 | 23.8 | 25.7 |
AutomationBench Public | 25.1 | 10.8 | 12.8 | 12.9 | 27.2 |
DSBench-FullStack※ | 68.7 | 37.0 | 41.8 | 61.8 | 71.6 |
DSBench-Hard※ | 59.6 | 25.8 | 31.1 | 54.5 | 71.7 |
※DSBenchはDeepSeekの社内テストセットで、第三者による検証はされていません。
この表を読むときは、次の点に注意してください。
- DeepSWE 7.3→54.4が最も大きな変化です。 プレビュー版ではエージェントとしてほとんど使えなかったものが、実用的な水準に入りました。
- 「Proより強い」は当時のProプレビューとの比較です。 比較相手のV4-Pro-Previewは、8月13日に正式版のV4-Pro-0813に置き換わっています。今の時点で「0731はV4-Proより強い」とは言えません。
- オープンウェイト同士ではGLM-5.2を上回っています。 比較できる8項目すべてで上回り、AutomationBench Publicでは25.1対12.9と約2倍の差があります。GLM側の特徴はGLM-5.2とはを参照してください。
- フロンティアモデルとはまだ差があります。 Terminal Benchの差は−2.3と小さいものの、NL2Repoは−15.5、DSBench-Hardは−12.1と、難しいタスクほど差が開きます。また比較相手のOpus 4.8は2026年5月のモデルで、Anthropicの現行フラッグシップはClaude Opus 5です。
第三者評価と日本語性能
Artificial Analysisの評価(2026年9月13日時点、指標改訂後)では、V4 Flash 0731(max)のIntelligence Indexは35、出力速度は約212 tok/sでした。同じ時点の後継V4.1 FlashはIndex 40です。8月時点で出回っていた「Index 50」は指標改訂前の値なので、今の数値とは比べられません。
同機関は0731の出力を「very verbose(非常に冗長)」と評価していました。単価が安くても出力トークンが多ければ、そのぶん請求額は増えます。max_tokens で上限を決めておくか、定型処理ではreasoning effortをlowにするのが現実的な対策です。
日本語には公式ベンチマークがありません。参考値として、日本語LLM評価のNejumi Leaderboard 4(9月1日版)では、V4-Flash-0731が0.8169でした。V4-Pro-0813(0.7984)より高く、DeepSeekのモデルの中では最高です。Claude Opus 5は0.8720でした。
なお、第三者サイトで見かける「SWE-Bench Verified 80.6%」「Codeforces 3206」などは、V4-Proを最大推論モードで動かしたとき(いわゆるV4-Pro-Max)のスコアです。V4-Flash-0731の数値ではないので注意してください。
2026年9月10日に公式APIで退役|deepseek-v4-flashは今どのモデルが動くか
公式APIで deepseek-v4-flash を指定しても、0731はもう動きません。応答するのはV4.1 Flashで、料金もV4.1 Flashの単価で請求されます。 DeepSeekは9月10日にV4.1 Flashを公開し、同じ日にV4-Flash(0731)と実験版のV4-Flash-Vision-Expを退役させました。
公式Pricingページの注記(原文)は次のとおりです。
Use
deepseek-flashas the model name. The legacy namesdeepseek-v4-flashanddeepseek-v4-flash-vision-expare still accepted, but the corresponding models have been retired, their requests are served by the DeepSeek-V4.1-Flash model and billed at the Flash price.
エラーにならないぶん、モデルが入れ替わったことに気づきにくいという点に注意が必要です。2026年10月6日時点で、公式APIのPricingに載っているのは deepseek-flash(V4.1 Flash)と deepseek-v4-pro(V4-Pro-0813)の2つだけです。公式のWebチャットとアプリでも0731は選べません。
海外の開発者向けメディアの報道によると、退役は約1日前の告知で行われ、新旧を並行して使える期間はありませんでした。9月9日〜11日の3日間でV4-Proの扱いに関する公式発表が3回変わったこともあり、海外の開発者コミュニティでは反発が出ています。旧IDの転送は一時的な互換措置とされていますが、いつ終わるかは公表されていません。
deepseek-v4-flash を使っている人の確認リスト
- 実際に応答しているモデルを確認する:レスポンスのモデル名やログを見て、V4.1 Flashに替わっているか確かめます。
- 請求単価の変化を確認する:出力単価は当初の$0.28から、オフピークで$0.60、ピークで$1.20に上がっています。
- モデル名を
deepseek-flashに書き換える:転送が終わると呼び出しが通らなくなる可能性があります。 - 回帰テストをやり直す:0731に合わせて調整したプロンプトは、出力形式、拒否する範囲、ツールを呼ぶ順番などが変わることがあります。
- reasoning effortの指定方法を確認する:0731はlow/high/maxの3段階でした。V4.1 Flashのモデルカードには1〜100の数値で指定すると書かれていますが、公式APIでのパラメータ仕様は公式ドキュメントで確認してください。
- 0731の挙動を残したい場合は経路を変える:第三者APIか自社運用に切り替えます。
V4.1 Flashそのものの性能や機能はDeepSeek V4.1とは?V4.1 Flashの性能・料金・V4との違いで詳しく解説しています。
料金|「入力0.14ドル/1M」はいつの価格か
入力0.14ドル/出力0.28ドルは、公式APIでは2026年7月31日から8月17日までの約2週間半だけ使えた価格です。 その後8月17日に値上げされ、9月10日の退役後は、deepseek-v4-flash への呼び出しにもV4.1 Flashの料金がかかっています。0731を今0.14ドル前後で使いたい場合は、第三者APIを使うことになります。

出典: OpenRouter 公式サイト
公式APIの料金推移
単位はすべてUSD/100万トークンです。
期間 |
| 入力(キャッシュヒット) | 入力(キャッシュミス) | 出力 |
|---|---|---|---|---|
7/31〜8/17 01:00(日本時間) | V4-Flash-0731 | $0.0028 | $0.14 | $0.28 |
8/17〜9/10 オフピーク | V4-Flash-0731 | $0.007 | $0.22 | $0.66 |
8/17〜9/10 ピーク | V4-Flash-0731 | $0.014 | $0.44 | $1.32 |
9/10〜 オフピーク | V4.1 Flash(0731は退役) | $0.003 | $0.15 | $0.60 |
9/10〜 ピーク | V4.1 Flash | $0.006 | $0.30 | $1.20 |
8月の値上げの経緯はDeepSeek APIの値上げ|新料金とピーク課金の影響にまとめています。
現在の公式APIの料金(2026年10月6日確認)
モデルID | 時間帯 | 入力(キャッシュヒット) | 入力(キャッシュミス) | 出力 |
|---|---|---|---|---|
| オフピーク | $0.003 | $0.15 | $0.60 |
同上 | ピーク | $0.006 | $0.30 | $1.20 |
| オフピーク | $0.022 | $0.66 | $1.98 |
同上 | ピーク | $0.044 | $1.32 | $3.96 |
ピーク時間帯は、公式では「UTC 01:00–04:00と06:00–10:00、月曜〜金曜、中国の祝日を除く」とされています。日本時間に直すと平日の10:00–13:00と15:00–19:00で、日本の業務時間とほぼ重なります。週末と中国の祝日は終日オフピークです。国慶節など中国の祝日は、日本では平日でもオフピーク料金になります。大量のバッチ処理は夜間や週末に回すと費用を抑えられます。
第三者APIで0731を使う場合の価格
OpenRouter上の deepseek/deepseek-v4-flash-0731 には、2026年10月6日時点で29のエンドポイントがあります(DeepSeek公式のプロバイダは含まれていません)。主なプロバイダの価格(USD/100万トークン)は次のとおりです。
プロバイダ | 量子化 | 入力 | 出力 | コンテキスト |
|---|---|---|---|---|
DeepInfra | fp8 | $0.06 | $0.18 | 約105万 |
StreamLake | fp8 | $0.044 | $0.132 | 約102万 |
DigitalOcean | 非公開 | $0.119 | $0.238 | 1M |
Baseten | fp8 | $0.13 | $0.26 | 1M |
CoreWeave | fp8 | $0.13 | $0.28 | 約26万 |
Together / Nebius / Parasail / Cohere | fp8など | $0.14 | $0.28 | 1M前後 |
SiliconFlow | fp8 | $0.22 | $0.66 | 1M |
Cloudflare / Baidu ほか | — | $0.44 | $1.32 | 1M |
- DeepInfraは、当初の公式価格より安い入力$0.06/出力$0.18で、キャッシュ入力は$0.015です。公式ページには「zero data retention(データを保持しない)」と書かれています。
- 同じ「0731」でも、プロバイダによって量子化とコンテキスト長が違います。 fp4で提供しているプロバイダは安い一方、精度が落ちる可能性があります。CoreWeaveのようにコンテキストが約26万トークンに制限されている例もあります。
- OpenRouterのモデル一覧に表示される単一の価格は「入力が最も安いプロバイダ」の値で、出力は割高な場合があります。実際にどのプロバイダへルーティングされるかを確認してください。仕組みはOpenRouterとは?使い方・料金・対応モデルで解説しています。
価格は変わりやすいので、契約前に各プロバイダの公式ページで確認してください。
円建てのコスト試算
コーディングエージェントの1タスクを「入力50万トークン・出力5万トークン、キャッシュなし」と仮定した概算です(1ドル=約150円で計算)。
経路・モデル | 1タスクあたり | 1,000タスク |
|---|---|---|
0731(DeepInfra $0.06/$0.18) | 約$0.039(約6円) | 約$39(約5,900円) |
0731(Together等 $0.14/$0.28) | 約$0.084(約13円) | 約$84(約1.3万円) |
公式 V4.1 Flash(オフピーク) | 約$0.105(約16円) | 約$105(約1.6万円) |
公式 V4.1 Flash(ピーク) | 約$0.21(約32円) | 約$210(約3.2万円) |
公式 V4-Pro-0813(オフピーク) | 約$0.43(約64円) | 約$429(約6.4万円) |
この試算では出力量を同じにしていますが、0731は出力が長くなりやすい傾向があります。出力が倍になれば差は縮まるため、本番に入れる前に実際のワークロードで出力トークン数を測っておくと安全です。他社モデルとの価格の比較はGPT-5.6 Lunaが80%値下げ|AI価格競争の現在地も参考になります。
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V4.1 Flash・V4-Pro(0813)との違い
最新の性能と画像入力が必要ならV4.1 Flash、公式APIで上位モデルを使いたいならV4-Pro-0813を選びます。0731を選ぶ理由は、バージョンを固定できることと、第三者APIで安く使えることです。
項目 | V4-Flash-0731 | V4.1 Flash | V4-Pro-0813 |
|---|---|---|---|
公開日 | 2026/7/31 | 2026/9/10 | 2026/8/13(正式版) |
公式APIでの状態 | 退役(旧IDはV4.1 Flashへ転送) | 現行( | 現行( |
規模(総/アクティブ) | 284B/13B | 552B/prefill 8B・decode 16B | 1.6T/49B |
入力 | テキストのみ | テキスト+画像 | テキストのみ |
公式APIの料金(オフピーク、入力/出力) | なし(当初は$0.14/$0.28) | $0.15/$0.60 | $0.66/$1.98 |
第三者APIの例 | DeepInfra $0.06/$0.18 | プロバイダにより異なる | OpenRouter $0.66/$1.98 |
Terminal Bench 2.1 | 82.7 | 90.6 | 87.9 |
ライセンス | MIT | MIT | MIT |
※V4.1 FlashとV4-Proの数値は各モデルの公式発表によるものです。DeepSWEは0731とV4.1でベンチマークのバージョン表記が違うため、この表には載せていません。
それぞれのモデルの詳しい情報は、次の記事にまとめています。
- V4.1 Flashの性能・画像入力・料金:DeepSeek V4.1とは
- V4-Pro-0813の性能・料金:DeepSeek V4 Proとは
- V4.1より前の画像入力の実験版:DeepSeek V4 Flash Visionとは(こちらも9月10日に退役)
なお、2026年10月6日時点で「V4.1 Pro」は公式には発表されていません。公開日、規模、料金はいずれも未公表です。
用途別の選び方
こんな用途なら | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
0731前提で調整済みのエージェントを、挙動を変えずに動かしたい | 0731(第三者API/自社運用) | ウェイトが固定されていて、中身が勝手に入れ替わらない |
テキスト処理をとにかく安く大量に回したい | 0731(DeepInfra等) | 入力$0.06/出力$0.18前後で使える |
機密データを社外に出せない | 0731またはV4.1 Flashを自社運用 | MITで自社サーバーに置ける。0731のほうが必要なGPUが少ない |
最新の性能・画像入力が必要 | V4.1 Flash | Terminal Bench 2.1は90.6、画像入力に対応 |
公式APIで手軽に使いたい | V4.1 Flash | 0731は公式では選べない |
知識系の推論が重い難しいタスク | V4-Pro-0813 | DeepSeekの上位モデル。ただし単価はFlashの約4倍 |
0731を今使う方法|第三者API・自社運用・推奨設定
0731を使う方法は、第三者APIを使うか、Hugging Faceのウェイトを自社サーバーで動かすかの2つです。 試すだけなら第三者API、データを外に出せない場合は自社運用を選びます。

出典: Hugging Face deepseek-ai 公式組織ページ
方法 | 手順 | こんな場合に |
|---|---|---|
第三者API(OpenRouter経由) | OpenRouterのAPIキーを発行し、モデルに | 手早く試したい、他モデルと比べたい |
第三者API(直接契約) | DeepInfra等で | データ保持の方針を確かめたうえで、安く安定して使いたい |
自社運用 | Hugging FaceからMITウェイトを取得し、vLLMやSGLangで起動 | 機密データを扱う、バージョンを完全に固定したい |
NVIDIAのNIMにもAPIリファレンスが掲載されていますが、料金や無料枠などの条件は利用前に確認してください。
推奨設定と実装の注意
temperature = 1.0、エージェント用途ではtop_p = 0.95(公式モデルカードの推奨値)- reasoning effortは、定型の変換や分類ならlow、通常のコーディングエージェントならhigh、設計判断を伴う難しいタスクならmaxが目安
- 出力が長くなりやすいので、
max_tokensの上限は必ず設定する - チャットテンプレートはJinja形式ではなく、
encodingフォルダの専用Pythonスクリプトで提供されている。Jinja前提の推論環境をそのまま使うと正しく動かないことがある - 投機的デコーディング(DSpark)は、vLLM・SGLangともに対応オプションあり
コーディングエージェントにつなぐ場合の選択肢はAIコーディングツールおすすめ比較、DeepSeekのモデルを動かす実行環境の例はDeepSeek Harnessとはを参照してください。
自社運用に必要なGPUの目安
ライセンス上はオンプレミスで自由に動かせますが、必要なハードウェアは小さくありません。次の表は第三者による試算・実測値で、公式の必要要件ではありません(出典によって数値に幅があります)。
項目 | 目安 |
|---|---|
公式ウェイトのサイズ | 約167GB |
Unslothの量子化版(GGUF) | 82.5GB(1bit)〜161.9GB(8bit) |
ネイティブFP4/FP8で動かす場合の総VRAM | 約170〜175GB |
現実的な構成例 | H200×2、またはRTX Pro 6000 Blackwell×2 |
クラウドGPUの安い構成例 | INT4でL40S 48GB×4、約$3.84/時 |
量子化しても80GBを超えるVRAMが必要になるため、個人のPCで気軽に動かせるモデルではありません。月に大量のトークンを処理するなら自社運用のほうが安くなる場合もありますが、少量の利用なら第三者APIのほうが手軽で安く済みます。
安全性と企業で使うときの注意点
0731は公式APIでは使えないため、「どの経路で使うか」によってデータの扱いが変わります。 さらに今回の退役で、提供元の都合でモデルが急に替わるリスクも明らかになりました。

経路ごとのデータの扱い
経路 | データの保存先 | 確認すること |
|---|---|---|
公式API(今はV4.1 Flashが応答) | 中国国内のサーバー。中国法が適用される(DeepSeekのプライバシーポリシー) | 非機微なデータに限る |
中国国外の第三者API(DeepInfra等) | 中国には送られない | 各社のデータ保持方針とリージョン。DeepInfraは「zero data retention」と表示 |
OpenRouter経由 | ルーティング先のプロバイダによる | 中国系プロバイダ(SiliconFlow、Baiduなど)も含まれるため、プロバイダを指定・除外する |
自社運用 | 社外に出ない | モデル自体の出力の偏りは残るため、出力のチェックが必要 |
日本では、個人情報保護委員会が2025年2月3日にDeepSeekについての情報提供を公表し、同年2月6日にはデジタル社会推進会議幹事会事務局が各府省庁向けに注意喚起を出しました。いずれも利用を禁止するものではなく、データが中国国内に保存される点への注意と、利用時の相談を求める内容です(個人情報保護委員会)。
自社運用すればデータの行き先の問題は解決します。ただし、中国の規制のもとで学習されたことによる、政治的なトピックでの回答の偏りはモデル自体に残ります。顧客向けのサービスに組み込むなら、出力のフィルタリングと定期的な評価を用意してください。企業全体の対策は生成AIのセキュリティリスクと対策、オープンウェイトの中国系モデルを使うときの注意点は楽天AI 3.0とDeepSeekをめぐる騒動も参考になります。
提供元の仕様変更への備え
9月の退役は約1日前の告知で行われ、新旧モデルの並行期間もありませんでした。公式APIを本番で使う場合は、次の点を前提に設計しておくと安全です。
- 同じモデルIDでも中身が入れ替わることがある。評価用のテストセットを用意し、定期的に回帰テストを行う
- 公式のChange LogとPricingページを定期的に確認する
- 挙動を固定したい処理は、0731のようなオープンウェイトを自社運用するか、特定バージョンを提供する第三者APIで動かす
- 別のモデルへのフォールバック先を用意しておく
中国系モデルが増えてきた背景は中国AIモデルの台頭で解説しています。
DeepSeek V4 Flash 0731はこんな人におすすめ
おすすめな人
- 自社のGPU環境(H200×2クラス以上)で、MITライセンスのモデルを運用できる企業
- 0731に合わせてプロンプトやエージェントを調整していて、挙動を変えたくない人
- 本番のエージェントで「モデルが勝手に替わらない」ことを重視する人
- テキストの分類・要約・変換を、第三者APIで最安クラスの単価で大量に処理したい人
- 研究や評価のために、0731の結果を再現する必要がある人
おすすめしない人
- DeepSeekの公式APIや公式アプリで使いたい人(0731はもう使えません)
- 画像入力が必要な人(V4.1 Flashを選んでください)
- DeepSeekの中で最新・最高の性能が必要な人(V4.1 Flashのほうがベンチマークは上です)
- 難しい設計や研究のタスクで、フロンティアモデル並みの精度が必要な人
- 機密データを扱うのに、第三者APIのプロバイダやデータ保持方針を確認する体制がない人
よくある質問
Q. 今、公式APIで deepseek-v4-flash を呼ぶと0731が動きますか?
動きません。2026年9月10日以降は、V4.1 Flashが応答し、V4.1 Flashの料金で請求されます。エラーにならないため気づきにくい点に注意してください。旧IDの転送がいつまで続くかは公表されていないので、deepseek-flash への書き換えをおすすめします。
Q. 入力0.14ドル/1Mで今も使えますか?
公式APIでは使えません。0.14ドル/0.28ドルは7月31日〜8月17日だけの公式価格でした。第三者APIでは、Together、Nebiusなどが同水準の$0.14/$0.28で、DeepInfraはさらに安い$0.06/$0.18で0731を提供しています(2026年10月6日時点)。
Q. 「V4.1」は公式のモデル名ですか?
はい。2026年9月10日に「DeepSeek-V4.1-Flash」が公式にリリースされ、API上のモデル名は deepseek-flash です。8月上旬の時点では非公式の通称でしたが、今は正式なモデル名になっています。
Q. V4.1 Proはいつ出ますか?
2026年10月6日時点では公式に発表されておらず、公開日や料金は不明です。公式APIの上位モデルは引き続きV4-Pro-0813です。
Q. 0731は無料で使えますか?
ウェイトはMITライセンスなので、Hugging Faceから無料でダウンロードでき、自社運用にライセンス料はかかりません(GPUなどの費用は別途かかります)。APIで使う場合はプロバイダごとの従量課金です。公式のWebチャットやアプリは無料で使えますが、0731は選べません(報道によると、中身はV4.1系に切り替わっています)。
Q. 0731からV4.1 Flashに切り替えると、何に注意すべきですか?
出力の長さや形式、ツールを呼ぶ順番、回答を断る範囲などが変わる可能性があります。今まで使っていた評価データで、切り替え前後の出力を比べてください。reasoning effortの指定方法も変わっているので、パラメータ仕様は公式ドキュメントで確認してください。
まとめ
- DeepSeek-V4-Flash-0731は、2026年7月31日に公開されたV4-Flashの正式版です。ポストトレーニングだけで、DeepSWEは7.3→54.4、Terminal Bench 2.1は82.7まで伸びました
- 公式APIでは2026年9月10日に退役しました。
deepseek-v4-flashを呼ぶとV4.1 Flashが応答し、V4.1 Flashの料金がかかります - 「入力0.14ドル」は8月17日までの公式価格です。今は第三者APIで、$0.06〜$0.14程度の入力単価で使えます
- MITのオープンウェイトとしては現役で、Hugging Faceの直近1か月のダウンロードは約454万件と、DeepSeekのモデルの中で最も多く使われています
- 最新の性能や画像入力が必要ならV4.1 Flash、上位モデルが必要ならV4-Pro-0813、バージョンの固定と低コストを重視するなら0731が選択肢になります
DeepSeekは短い間隔でモデルと料金を変えています。導入や移行の前には、DeepSeek API公式のChange LogとPricingを必ず確認してください。
このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します
この記事の著者

AI革命
編集部
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