Kiroとは?AWSの仕様駆動AIコーディングIDEの機能・料金・使い方を解説

この記事のポイント
KiroはAWSが開発した仕様駆動AIコーディングIDE。Free〜Pro Max($100)の料金プラン・AIモデル・Cursor/Claude Codeとの比較・HIPAA対応・使い方まで、2026年6月時点の最新情報を整理します。
Kiro(キロ)は、AWSが開発したエージェント型AIコーディングIDEです。自然言語のプロンプトを「仕様書」に変換してからコードを生成する仕様駆動開発(Spec-Driven Development)を特徴とし、プロトタイプから本番コードまでの開発を一貫して支援します。
この記事では、Kiroの機能・料金プラン・使い方・Cursorなど他ツールとの違い・セキュリティまで、導入判断に必要な情報を2026年6月時点の公式情報にもとづいて整理します。AIコーディングIDEを検討しているが、Kiroが自分のスタイルに合うのかわからないという開発者の方に向けた内容です。

出典: Kiro 公式サイト
Kiroとは — AWSが開発した仕様駆動のAIコーディングIDE
Kiroは、AWS(Amazon Web Services)の内部チームが開発したAIコーディングIDEです。VS Codeのオープンソース版であるCode OSSをベースに構築されており、Amazon Bedrock AgentCore経由で複数のAIモデルを利用できます。
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名称 | Kiro(キロ) |
開発元 | Amazon Web Services(AWS) |
カテゴリ | エージェント型AIコーディングIDE |
提供形態 | デスクトップIDE / CLI / Webアプリ(app.kiro.dev) |
対応OS | macOS / Windows(64bit) / Linux(glibc 2.39以上) |
基盤技術 | Code OSS(VS Codeベース)、Amazon Bedrock AgentCore |
公開時期 | 2025年7月(パブリックプレビュー)→ 2025年11月(一般提供) |
公式サイト | https://kiro.dev/ |
Kiroの最大の特徴は、プロンプトからコードを直接生成するのではなく、まず仕様書を作り、その仕様にもとづいてコードを生成するアプローチを取る点です。「バイブコーディング(Vibe Coding)」と呼ばれるプロンプト一発でコードを書く方法では、仕様が残らず保守が困難になる——このAI開発特有の課題を解決するために設計されています。
提供形態はIDEだけでなく、ターミナルから使えるCLIと、ブラウザで使えるKiro Web(app.kiro.dev)の3種類があります。また、ACP(Agent Client Protocol)に対応しているため、JetBrains IDEやZedなど他のエディタからKiroのエージェント機能を外部エージェントとして利用することも可能です。
Amazon Q Developerとの関係(重要):
KiroはAmazon Q DeveloperのIDEプラグインの正式後継です(リブランドではなくゼロから再構築)。2026年5月15日以降、Amazon Q DeveloperのIDEプラグインへの新規サインアップが停止されており、2027年4月30日にはサポートが完全終了します。Amazon Qを使っていた方はKiroへの移行が推奨されています。
Kiroでできること — 中核4機能を整理
Kiroの機能は仕様駆動開発(Spec)・Agent Hooks・Steering・Kiro Powers(MCP拡張)の4つに大きく分かれます。
仕様駆動開発(Spec-Driven Development)
仕様駆動開発はKiroのコアキラーフィーチャーです。自然言語の指示から3段階のプロセスを経てコードを生成します。
ステップ1: 要件定義(requirements.md)
自然言語のプロンプトを、EARS(Easy Approach to Requirements Syntax)記法のユーザーストーリーと受け入れ条件に自動変換します。「何を作りたいか」を構造化された要件として残せます。

出典: Kiro 公式サイト
ステップ2: 技術設計(design.md)
要件をもとに、シーケンス図やアーキテクチャプラン、TypeScriptインターフェースなどを含む設計ドキュメントを自動生成します。コードを書く前に「どう作るか」を可視化できます。

出典: Kiro 公式サイト
ステップ3: タスク分解(tasks.md)
設計を個別の実装タスクに依存関係に沿って分解し、チェックリスト形式で進捗を追跡できるようにします。

出典: Kiro 公式サイト
この3段階を経ることで、AIが生成したコードにも「なぜこの仕様になったか」の経緯が残ります。チーム開発や長期プロジェクトで特に価値を発揮するアプローチです。2026年6月10日にはSpecs in the browser機能が追加され、ブラウザ内でコード作成前にSpecs(要件・設計・タスク)を確認・編集できるようになりました。
Agent Hooks — イベント駆動の自動化
Agent Hooksは、ファイルの保存・作成・削除などをトリガーにして、エージェントタスクを自動実行する機能です。

出典: Kiro 公式サイト
設定できる自動化の例:
- コード変更時にテストを自動更新
- ファイル保存時にREADMEを自動同期
- 新規ファイル作成時にコード品質チェックを実行
- セキュリティスキャン(ハードコード認証情報・SQLインジェクション・脆弱性依存)
手動で都度コマンドを実行する必要がなくなるため、開発ワークフローが効率化されます。特にチーム開発でのコーディング規約遵守に効果を発揮します。
Steering — プロジェクトごとのAI設定
Steeringは、プロジェクト固有のコーディング規約やワークフロールールをMarkdownファイルとしてAIに永続的に記憶させる機能です。
- ワークスペース単位:
.kiro/steering/に配置 → そのワークスペースにのみ適用 - グローバル:
~/.kiro/steering/に配置 → 全ワークスペースに適用
初期スキャフォルドで生成されるデフォルトファイルは product.md(プロダクトの目的・ゴール・ユーザーペルソナ)と structure.md(コードベースの構成・フォルダ規約)の2種類。「TypeScriptを使う」「テストはVitestで書く」「コンポーネントは関数型で記述する」といったプロジェクト固有のルールをカスタムファイルとして追加できます。
Kiro Powers — MCPベースの動的拡張
Kiro Powersは、MCP(Model Context Protocol)を必要なときだけ自動起動する動的ツールローディング機能です。コンテキストウィンドウの消費を最適化しながら、ドキュメント・データベース・APIサービス・AWSサービス等との外部接続を管理します。SSE(Server-Sent Events)方式のリモートMCPサーバーにも対応しています。
MCPの仕組みについて詳しくはMCPとは?AIが外部ツールを使えるようになる仕組みをわかりやすく解説を参照してください。
2026年5〜6月の主要アップデート
2026年4月以降に追加された主要なアップデート内容を整理します。
日付 | 更新内容 | ポイント |
|---|---|---|
2026年6月12日 | /goal コマンド追加 | 完了検証付きの反復ループタスク作成が可能に |
2026年6月10日 | Kiro Pro Maxプラン追加($100/月・5,000クレジット) | 料金プランが5種類に拡充 |
2026年6月10日 | GitLabサポート拡張 | GitHub以外のリポジトリ利用者に対応 |
2026年6月10日 | Specs in the browser | ブラウザ内でSpec確認・編集が可能に |
2026年6月4日 | トランスクリプト書き出し | 会話をMarkdown/テキスト/JSON形式で保存 |
2026年5月28日 | Claude Opus 4.8対応 | Opus 4.6から最新バージョンへ更新 |
2026年5月28日 | Thinking display(思考表示)追加 | エージェントのリアルタイム推論過程を可視化 |
2026年5月26日 | HIPAA適格サービス認定 | IDEとCLIのみ対象。医療・製薬企業への対応が実現 |
2026年5月20日 | /rewind コマンド追加 | 会話の任意ターンに巻き戻し可能 |
2026年5月20日 | 推論努力度コントロール(5段階)追加 | AIの推論深度を手動調整可能に |
2026年5月7日 | Amazon Q Developer 新規サインアップ停止 | 2026年5月15日から新規登録不可。Kiroへ移行推奨 |
2026年5月6日 | Kiro Web(app.kiro.dev)プレビュー公開 | インストール不要のブラウザ版が利用可能に |
特に注目したいのはPro Maxプランの追加($100/月・5,000クレジット)とHIPAA適格認定です。医療・製薬・ヘルスケア企業がコード開発にKiroを活用できる環境が整いつつあります。
Kiroの強み

Kiroには、他のAIコーディングIDEと比較して際立つ3つの強みがあります。
1. 仕様が残る開発プロセス(現時点で唯一の機能)
最大の強みは、AIにコードを書かせる過程で仕様書が自動的に生成・保存される点です。プロンプトからコードを直接生成するツールでは「なぜこのコードになったか」の経緯が残りません。Kiroでは要件定義→設計→タスク分解の各段階がMarkdownドキュメントとして残るため、後からの修正や引き継ぎが格段にしやすくなります。現時点では仕様書の自動生成をコア機能として持つAI IDEはKiro以外に存在しません。
2. AWSエコシステムとの高い親和性
Amazon Bedrock AgentCoreを基盤としているため、AWSの各サービスとの連携がスムーズです。IAM最小権限ポリシーの自動生成、Lambda・CDK・CloudFormation・CodeCatalystとのネイティブ連携、GovCloud対応、出力補償(Output Indemnity)など、エンタープライズ向けのセキュリティ機能も充実しています。
3. 多様なモデルとAutoによるコスト最適化
Claude Opus 4.8(最高性能・2.2倍消費)からQwen3 Coder Next(最軽量・0.05倍消費)まで、7つのモデルを用途に応じて使い分けられます。Autoモードを使えば、複数のフロンティアモデルの中からAIが自動選択し、Claude Sonnet 4比で約27%のコスト効率向上が見込めます。
Kiroの弱み・制約
現時点(2026年6月)では以下の弱みや制約があります。
1. 日本語対応が限定的
公式は英語に最適化されており、Kiro固有のUI(SPECS・AGENT HOOKS・STEERING等のパネル)は英語のままです。日本語UI化はJapanese Language Pack拡張で可能ですが、プロンプト精度は英語の方が高い傾向があります。
2. VS Code Marketplace非対応
Open VSX互換のプラグインのみ利用可能です。普段使っているVS Code拡張が使えない可能性があります。
3. Freeプランのクレジット上限が少ない
月50クレジットでは日常的な開発には不足します。試用・学習目的には使えますが、実務投入にはProプラン(月$20・1,000クレジット)以上が現実的です。
4. クレジット翌月繰り越し不可
月次クレジットは月末に消滅します。使い切れなかったクレジットは翌月に持ち越されません。
5. オフライン利用不可
クラウドベースのため、インターネット接続が必須です。
6. Windows ARM・古いLinux非対応
Windowsは64bit版のみ(ARM未対応)。LinuxはGlibc 2.39以上が必要なため、Ubuntu 22以前のディストリビューションでは動作しません。
7. Kiro Webはプレビュー段階でHIPAA非対応
ブラウザ版(app.kiro.dev)はプレビュー中であり、HIPAA適格対象外です。医療関連の業務コードにはIDE/CLI版の利用が必須です。
料金プラン(2026年6月時点)

Kiroの料金体系は2026年3月に刷新され、旧Vibe/Spec別課金から統一クレジットプール方式に移行しています。すべてのAI操作(プロンプト実行・仕様生成・タスク実行・Agent Hook実行)が同じクレジットプールから消費されます。
⚠️ 2026年6月10日にPro Maxプランが追加されました。現在は5プラン体制です。
プラン | 月額 | 月間クレジット | 超過課金 | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
Kiro Free | $0 | 50クレジット | なし | 試用・学習目的 |
Kiro Pro | $20 | 1,000クレジット | $0.04/クレジット | 個人開発者(軽めの使用) |
Kiro Pro+ | $40 | 2,000クレジット | $0.04/クレジット | 日常的に使う個人開発者 |
Kiro Pro Max | $100 | 5,000クレジット | $0.04/クレジット | Pro+で超過が多いヘビーユーザー |
Kiro Power | $200 | 10,000クレジット | $0.04/クレジット | プロフェッショナル・企業 |
料金の補足:
- 新規ユーザーはGoogle/GitHub/AWS Builder IDでのサインアップ時に、14日間有効な500ボーナスクレジットを付与
- 超過課金はデフォルトで無効 → 設定から手動で有効化が必要
- 月中アップグレード(Freeから有料):日割り計算で即時クレジット付与
- ダウングレードは翌月から適用(当月は現在プランで全額課金)
- エンタープライズプランは個別問い合わせ(SAML/SCIM SSO・一元請求・使用状況分析付き)
クレジット消費の実感値
「クレジットがどのくらい持つか」の目安を整理します。モデルによって消費量が大きく異なる点が重要です。
プラン | 月間クレジット | Autoで操作できる回数(目安) | Qwen3 Coder Nextで定型タスク(目安) |
|---|---|---|---|
Free | 50 | 約50回 | 約1,000回 |
Pro | 1,000 | 約1,000回 | 約20,000回 |
Pro+ | 2,000 | 約2,000回 | 約40,000回 |
Pro Max | 5,000 | 約5,000回 | 約100,000回 |
Power | 10,000 | 約10,000回 | 約200,000回 |
Auto(1.0x)またはQwen3 Coder Next(0.05x)での概算。Claude Opus 4.8(2.2x)を多用する場合は消費量が大幅に増加します。
利用可能なAIモデル(2026年6月時点)
モデル | クレジット乗数 | コンテキスト | 特徴・用途 |
|---|---|---|---|
Auto(デフォルト) | 1.0x | — | 複数モデルから自動選択。コスト・品質バランス最良 |
Claude Opus 4.8 | 2.2x | 1M | 最高性能。強化された自己検証・効率的なツール呼び出し(2026年5月28日追加) |
Claude Sonnet 4.6 | 1.3x | 1M | 反復的な開発ワークフロー向け |
GLM-5 | 0.5x | 200K | 長時間エージェントタスク・システムエンジニアリング向け |
MiniMax M2.5 | 0.25x | 200K | フロンティアレベルのコーディング性能 |
DeepSeek 3.2 | 0.25x | — | エージェント的ワークフロー向け |
Qwen3 Coder Next | 0.05x | 256K | 最もクレジット効率良い。軽量・繰り返し作業向け |
モデル選択のポイント:
- 迷ったらAutoを選択(Sonnet 4比で約27%コスト効率向上)
- 複雑なコーディング・設計判断はClaude Opus 4.8(ただし2.2倍消費)
- クレジットを節約したい定型タスクはQwen3 Coder Next(0.05倍消費)
⚠️ 一部の古い記事では「Claude Opus 4.6」が最高性能モデルと記載されていますが、2026年5月28日時点でKiroはClaude Opus 4.8に更新されています。
Kiroの使い方・始め方
Kiroの導入は3つの方法から選べます。
方法1: デスクトップIDE(最も一般的)
- kiro.dev にアクセスし、OS(macOS/Windows/Linux)に合ったインストーラーをダウンロード
- インストール後、AWSアカウント・Googleアカウント・Builder IDでサインイン
- VS Codeからの設定引き継ぎが可能(設定・テーマ・Open VSX対応プラグインをそのまま利用可)
- プロジェクトを開き、仕様駆動開発またはバイブコーディングモードでAIに指示
主要コマンド(2026年6月時点):
コマンド | 機能 | 追加時期 |
|---|---|---|
/goal | 完了検証付きの反復ループタスクを作成 | 2026年6月12日 |
/rewind | 会話の任意ターンに巻き戻し。ターンの詳細サマリーを表示 | 2026年5月20日 |
推論努力度スライダー | AIの推論深度を5段階で調整 | 2026年5月20日 |
Thinking display | エージェントのリアルタイム推論過程を可視化 | 2026年5月28日 |
方法2: CLI(ターミナル・CI/CD統合)
ターミナルから直接Kiroを利用する方法です。CIパイプラインとの統合や、他のエディタとの併用に向いています。
インストール手順は公式ドキュメント(kiro.dev/docs/)を参照してください。インストール後はターミナルから自然言語で指示を出せます。
kiro auth login # サインイン
kiro "認証機能を追加して" # 自然言語で指示CLI v1.25以降はACP(Agent Client Protocol)に対応しており、JetBrains IDEやZedから外部エージェントとして接続することも可能です。
方法3: Kiro Web(インストール不要)
app.kiro.dev にアクセスすれば、インストール不要でブラウザからKiroを利用できます。2026年5月6日にプレビュー公開された機能で、協調・自律モード、マルチリポセッション、孤立サンドボックス環境を搭載しています。
Kiro WebとIDEの主な違い:
項目 | デスクトップIDE / CLI | Kiro Web |
|---|---|---|
インストール | 必要 | 不要 |
HIPAA適格 | ✅ | ❌ |
安定性 | 高い | プレビュー段階 |
向いている用途 | 本格開発・業務コード | 軽い修正・コードレビュー |
動作モードの選択
モード | 動作 | 向いている場面 |
|---|---|---|
Autopilot | AIが自律的にファイルの作成・編集・削除を実行 | 大規模タスクの一括処理 |
Supervised | 各操作前にユーザーの確認を求める | 慎重な変更が必要な場面・初めて使う場合 |
初めて使う場合はSupervisedモードで操作に慣れてからAutopilotに切り替えることをおすすめします。Autopilotで意図しない変更が発生した場合は、Checkpointing機能で任意時点に復元できます。
Kiro vs Cursor vs Claude Code vs GitHub Copilot — 比較表

出典: Cursor 公式サイト
AIコーディングツールを検討する際によく比較されるCursor、Claude Code、GitHub CopilotとKiroを比較します。
比較項目 | Kiro | Cursor | Claude Code | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|---|
開発元 | AWS | Anysphere | Anthropic | GitHub / Microsoft |
提供形態 | IDE / CLI / Web | IDE | CLI | プラグイン(各IDE) |
基盤エディタ | Code OSS(VS Code系) | VS Code Fork | ターミナル | 既存IDEに追加 |
設計思想 | 仕様駆動。仕様→設計→コード | 速度重視。IDE内AI補完 | 推論重視。深い思考 | 補完重視。リアルタイム |
月額料金 | $0〜$200 | $0〜$200 | $0〜$200+ | $10〜$39 |
仕様書自動生成 | ✅(コア機能) | ❌ | ❌ | ❌ |
Agent Hooks | ✅ | ❌ | ❌ | ❌ |
MCP対応 | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
日本語対応 | △(英語最適化) | ○ | ○ | ○ |
HIPAA対応 | ✅(IDE/CLIのみ) | ❌ | 要確認 | ✅(Enterprise) |
エンタープライズ | ✅(IAM・GovCloud・補償あり) | ✅(Business/Enterprise) | ✅(Team/Enterprise) | ✅(Enterprise) |
VS Code拡張 | Open VSXのみ | VS Code互換 | ❌ | VS Code互換 |
オフライン利用 | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ |
設計思想の違いがポイント:
- Kiro: 「まず仕様を固めてから作る」計画先行型。本番品質のコードや長期プロジェクトに強い。仕様書自動生成はKiro唯一の機能
- Cursor: 「書きながらAIに補完してもらう」速度重視型。日常のコーディング効率を最大化する。Kiroとの併用(設計=Kiro、実装=Cursor)も有効
- Claude Code: 「ターミナルからAIに依頼する」推論重視型。複雑なバグ修正やリファクタリングに強い。仕様生成=Kiro・実装=Claude Codeの組み合わせも人気
- GitHub Copilot: 「使い慣れたIDEにAI補完を追加する」敷居の低い選択肢。既存の開発環境を変えずに始められる
Claude Codeの詳細はClaude Codeとは?機能・料金・使い方を徹底解説、GitHub Copilotとの比較はClaude Code vs GitHub Copilot 比較も参考にしてください。Cursorの最新情報はCursor 3.1の新機能と変更点、WindsurfについてはWindsurf 2.0とは?をご覧ください。
Amazon Q DeveloperからKiroへの移行

出典: AWS 公式ブログ
Amazon Q DeveloperのIDEプラグイン(旧「Amazon CodeWhisperer」後継)はKiroに置き換えられます。
公式の移行スケジュール(AWS公式ブログより):
日付 | 変更内容 |
|---|---|
2026年5月15日 | Amazon Q Developer IDEプラグインへの新規サインアップ停止 |
2026年5月29日 | Q Developer ProでのOpus 4.6以降モデルが利用不可 |
2027年4月30日 | Amazon Q Developer IDEプラグインのアクセス完全終了 |
注意: AWSマネジメントコンソール内のAmazon Q Developerは影響を受けません。引き続き利用可能です。
移行にあたってはKiroの料金プランを新たに契約する必要があります。現時点(2026年6月)ではAmazon Q Developer Proサブスクリプション保有者のKiro移行条件の詳細は公式ドキュメントで確認することを推奨します。
セキュリティ・データ保護(HIPAA対応含む)

出典: Anthropic 公式サイト
Kiroはエンタープライズ利用を想定したセキュリティ設計がされています。2026年5月26日にはHIPAA適格サービス認定を取得しました(IDEとCLIのみ対象、Kiro Webは対象外)。
項目 | 個人ユーザー(Free/Pro/Pro+/Pro Max/Power) | エンタープライズ |
|---|---|---|
データ保存場所 | US East(バージニア北部)のみ | 保存されない |
AIモデル学習への利用 | Free:改善目的で使用の可能性あり(オプトアウト可)。Pro以上:対象外 | 対象外 |
テレメトリ収集 | デフォルトON(オプトアウト可) | 自動的にOFF |
暗号化(転送中) | TLS 1.2以上 | TLS 1.2以上 |
暗号化(保存時) | AWS KMS(AWS管理キー) | AWS KMS(顧客管理キーも設定可能) |
HIPAA適格 | ✅ IDEとCLIのみ(2026年5月26日取得)。Kiro Web:❌ | 要確認 |
注意すべき点:
- Freeプランではコードデータがモデル改善に使われる可能性があります。業務コードを扱う場合はPro以上のプランを使うか、オプトアウト設定を必ず行うこと
- テレメトリのオプトアウト:IDE → 設定 → ユーザー → アプリケーション → テレメトリで無効化
- 医療・製薬・ヘルスケア企業でHIPAA準拠が必要な場合は、デスクトップIDE/CLIのみ使用し、Kiro Web(app.kiro.dev)は避けること
エンタープライズセキュリティ機能(2026年6月時点):
- IAM Identity Center(Okta・Microsoft Entra ID対応)によるSSO認証
- SAML/SCIM SSO(チームプランで提供)
- GovCloud対応(米国政府機関向け)
- 出力補償(Output Indemnity)
- モデルガバナンス機能:管理者が利用可能モデルを承認リストで制限(2026年3月追加)
- AWS CloudTrail + Amazon CloudWatchによる監査ログ・モニタリング
- Amazon Bedrock AgentCoreによるセッション分離・Cedarポリシーによる認可制御
こんな方に向いています / おすすめしない方
Kiroが向いている方
- チーム開発で仕様管理に課題を感じている方 — AIが生成したコードの経緯が仕様書として残るため、引き継ぎやレビューが格段に楽になる
- AWSを主要インフラとして使っている企業の開発者 — IAM連携・GovCloud対応・出力補償など、エンタープライズセキュリティが整っている
- バイブコーディングの限界を感じている方 — プロンプト一発のコード生成では品質や保守性に不安がある場合、仕様駆動開発が解決策になる
- 医療・製薬・ヘルスケア企業の開発者 — HIPAA適格認定取得済み(IDE/CLI限定)。2026年5月26日から医療分野での活用条件が整った
- 開発プロセスの自動化を進めたい方 — Agent Hooksでテスト自動更新・ドキュメント同期を設定できる
- 複数のAIモデルを使い分けたい方 — Autoで自動最適化しつつ、タスクに応じてモデルを手動選択できる
- Amazon Q DeveloperのIDEプラグインを使っていた方 — Kiroが公式後継のため移行が推奨される
Kiroをおすすめしない方
- 日本語のみで完結させたい方 — 現時点では英語最適化のため、日本語での精度に限界がある。Kiro固有のUIパネルは英語のまま
- VS Codeの特定の拡張機能に依存している方 — Open VSX互換のみのため、使えない拡張がある可能性がある
- 無料でがっつり使いたい方 — Freeプランの月50クレジットでは日常的な開発には不足する
- オフライン環境で作業することが多い方 — インターネット接続が必須
- IDE内での高速コード補完を最重視する方 — リアルタイムの入力補完はCursorやGitHub Copilotの方が得意。Kiroは「計画→実行」型の設計
- 小さなバグ修正・緊急対応が多い方 — Specフロー前提の設計のため、軽量タスクには冗長に感じる場合がある
よくある質問(FAQ)
Q1. Kiroは無料で使えますか?
Freeプラン(月50クレジット)で利用可能です。ただし50クレジットは試用レベルで、日常的な開発には不足します。新規登録時に14日間有効な500ボーナスクレジットが付与されるため、まずはこのボーナスで本格的な機能を試すことをおすすめします。
Q2. CursorやVS Codeから乗り換えは簡単ですか?
KiroはCode OSSベースのため、VS Codeの設定やテーマをそのまま引き継げます。ただし、VS Code Marketplaceの拡張機能は使えず、Open VSX互換のプラグインのみ対応です。普段使っている拡張機能がOpen VSXにあるかを事前に確認することをおすすめします。
Q3. Kiroの仕様駆動開発は必須ですか?
必須ではありません。Kiroには仕様駆動開発モードとバイブコーディングモードの両方があり、プロンプトからコードを直接生成する使い方も可能です。タスクに応じて使い分けられます。
Q4. 日本語で指示できますか?
日本語でのプロンプト入力は可能です。ただし公式では英語に最適化されているとされており、複雑な仕様の記述では英語の方が精度が高い傾向があります。UI日本語化はJapanese Language Pack拡張(Open VSX)をインストールして再起動することで可能ですが、SPECS・STEERING等のKiro固有パネルは英語のままとなります。
Q5. どのプランを選べばいいですか?
まずはFreeプラン+ボーナスクレジットで試し、クレジット消費量を把握してから判断するのが確実です。目安として、Proプラン(月$20・1,000クレジット)があれば個人開発者の日常利用にはおおむね対応できます。Pro+($40)で超過が頻繁に発生する場合は、新設のPro Max($100・5,000クレジット)が割安な選択肢です。
Q6. Amazon Q DeveloperからKiroへの移行は必要ですか?
Amazon Q DeveloperのIDEプラグインを使っていた場合、2027年4月30日のサポート終了前にKiroへの移行が必要です。AWSマネジメントコンソール内のQ Developerは影響なく継続利用できます。
Q7. HIPAA対応は全プランで受けられますか?
HIPAA適格認定を受けているのはKiroのデスクトップIDEとCLIのみです(2026年5月26日取得)。ブラウザ版のKiro Web(app.kiro.dev)はHIPAA適格対象外です。医療・製薬関連の業務コードを扱う場合は、IDE/CLI版を使用してください。
Q8. AWS以外のクラウドを使っていても利用できますか?
利用可能です。KiroはAWS上のインフラを使っていなくても問題なく動作します。ただし、IAM連携やGovCloud対応などAWS固有のエンタープライズ機能は、AWSを利用している企業の方がメリットを得やすい構成です。
まとめ
KiroはAWSが開発した仕様駆動のAIコーディングIDEです。プロンプトから仕様書を自動生成し、その仕様にもとづいてコードを生成するアプローチは、「仕様が残らない・あとから修正できない」というAI開発の課題への解決策として設計されています。2026年6月時点では、Pro Maxプランの追加・Claude Opus 4.8対応・HIPAA適格認定取得など、機能・プランが急速に拡充しています。
Kiroを選ぶ判断基準:
状況 | 選択肢 |
|---|---|
仕様を残したい、チームで共有したい | → Kiroの仕様駆動開発が適している |
AWSがメインインフラ | → エンタープライズ機能のメリットが大きい |
医療・製薬・ヘルスケア系の業務コード | → IDE/CLI版でHIPAA適格 |
高速なコード補完を最重視 | → CursorやGitHub Copilotの方が合う |
ターミナル中心の開発スタイル | → Claude Codeの方が適している |
Amazon Q Developer IDEプラグインを使っていた | → Kiroへの移行が推奨される |
AIエージェント全般の仕組みについてはAIエージェントとは?仕組み・種類・活用事例を解説、AWSのMCP連携についてはAWS MCP Server GAもあわせてご覧ください。
この記事の著者

AI革命
編集部
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