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Mistral Large 4がオープンウェイト公開|ライセンス・API料金$0.70・必要GPU・GLM-5.3比較【2026年10月】

公開日: 2026/10/30
Mistral Large 4がオープンウェイト公開|ライセンス・API料金$0.70・必要GPU・GLM-5.3比較【2026年10月】

この記事のポイント

Mistral AIは2026年10月29日、最上位モデルMistral Large 4の重みをHugging Faceで公開しました。商用利用できる独自ライセンスの条件(MaaS事業者のみ別契約)、約半額になったAPI料金、自社で動かすのに必要なGPU、GLM-5.3など他のオープンモデルとの違いを公式情報をもとに整理します。

Mistral AIは2026年10月29日、最上位モデル「Mistral Large 4」の重みをHugging Faceで公開しました。ライセンスは商用利用できる独自の「Mistral Ecosystem Open-Weight License」で、あわせてAPI料金も100万トークンあたり入力$0.70/出力$2.10と、プレビュー時の定価の約半分に下がっています。

この記事でわかること

  • 10月6日のプレビューから、重みの公開で何が変わったか
  • ライセンスで「できること」と「別契約が要るケース」
  • 現行のAPI料金と、自社で動かす場合に必要なGPUの規模
  • GLM-5.3・Kimi K3・DeepSeek V4.1 Flashとの違い
  • API・クラウド・自社運用のどれを選ぶかの判断ポイント

この記事の想定読者

  • Mistral Large 4を自社の業務やサービスに使えるか検討している開発者・情報システム担当者
  • 米中以外のオープンウェイトモデルを探している企業
  • ライセンス上、自社の使い方で別契約が必要かを知りたい人

Mistral Large 4そのものの概要(プレビュー発表時の内容)はMistral Large 4とはで、開発元についてはMistral AIとはで解説しています。この記事は「重みの公開」「ライセンス」「自分で動かす」に絞ってまとめます。

Mistral Large 4のオープンウェイト公開で変わった5つの点

Mistral AI公式サイトのMistral Large 4発表ビジュアル

出典: Mistral AI公式

重みの公開で、料金とライセンスがはっきりしました。プレビュー時に「未発表」「今月末予定」だった項目は、10月29日の公式発表とHugging Faceのモデルカードで確定しています。

項目

プレビュー(2026年10月6日)

重み公開後(2026年10月29日)

重み

「今月末に公開予定」

Hugging Faceで公開(申請不要で誰でも取得できる)

ライセンス

未発表

Mistral Ecosystem Open-Weight License(MITを修正したもの)

API料金(100万トークンあたり)

入力$1.36/出力$4.18(最初の2週間は半額)

入力$0.70/キャッシュ入力$0.07/出力$2.10

推論の強さ

指定なし

low/medium/highの3段階(既定はhigh)

Terminal-Bench 4.0(Mistral発表)

28%

41%

公式発表によると、プレビュー後も強化学習を約3週間続け、コーディングと防御側のサイバーセキュリティの性能を伸ばしたとしています。推論の効率も上がり、推論コストが下がったと説明しています。

  • 公式リポジトリ: mistralai/Mistral-Large-4-1T-A52B(標準のFP8版)
  • NVIDIA Blackwell世代向けの4bit版: mistralai/Mistral-Large-4-1T-A52B-NVFP4

プレビュー時のリポジトリ名(Mistral-Large-4.0-1T05-A52B)からは名前が変わっています。古い名前で検索しても見つからない点に注意してください。

出典: Mistral Large 4 (Le Chonk) is now open weight(Mistral公式)、Welcome Le Chonk: Mistral Large 4 on Hugging Face(Hugging Face公式ブログ)

Mistral Large 4の基本仕様

Hugging Face公式ブログのMistral Large 4(Le Chonk)公開告知画像

出典: Hugging Face公式ブログ

Mistral Large 4は、総パラメータ約1兆のMoE(Mixture-of-Experts)モデルです。推論モードと通常の応答を1つのモデルにまとめ、画像も入力できます。公式の発表では「Le Chonk」という愛称も使われています。

項目

内容

開発元

Mistral AI(フランス・パリ)

総パラメータ

約1兆(公式Docsは1.05T)

アクティブパラメータ

1トークンあたり約520億(埋め込み層・出力層を除くと490億)

構造

72層のMoE。128個のエキスパートから4個を選び、共有エキスパート1個を足して動かす

アテンション

MLA(Multi-head Latent Attention)+DeepSeek Sparse Attention方式のインデクサ

コンテキスト長

100万トークン(公式)

入力/出力

テキスト・画像を入力/出力はテキストのみ

対応言語

160以上(EUの全公用語を含む)。日本語のベンチマークは公式に示されていない

学習環境

欧州にあるMistral自前のデータセンター(NVIDIA Grace Blackwell 3,800基)でゼロから学習

アクティブパラメータは、公式の資料の中でも「49B」と「52B」の両方の表記があります。違いは埋め込み層と出力層を数えるかどうかで、リポジトリ名の「A52B」は含めたほうの数字です。

先読み推論(speculative decoding)用の「DSpark」というドラフトヘッドも同梱されています。公式モデルカードでは、使うとスループットが最大1.9倍になるとしています(ハードウェアや処理内容で変わります)。

出典: Hugging Faceモデルカード、Mistral Large 4(公式Docs)

ライセンス:商用利用OK、MaaS事業者だけ別契約が必要

Hugging FaceのMistral-Large-4-1T-A52Bモデルページ

出典: Hugging Face(mistralai/Mistral-Large-4-1T-A52B)

ライセンスは商用利用・改変・再配布ができ、売上やユーザー数の上限もありません。条件は「Model as a Service(MaaS)事業を営む会社は、商用で使う前にMistralと別の商用ライセンスを結ぶ」という1点です。

ライセンス本文の要点

Hugging FaceのLICENSEファイルに書かれている内容を要約すると、次のとおりです。

  1. できること: 使用・コピー・改変・結合・公開・配布・サブライセンス・販売。追加学習や派生モデルの作成も含む
  2. 表示義務: コピーや主要部分に、著作権表示(「2026 - Mistral」)と許諾文を入れる
  3. MaaSの制限(第2条): 本人または関連会社がMaaS事業を営む場合は、別の商用ライセンスが必要
  4. 適用除外(第3条): 社内利用(第三者に使わせない利用)と、Mistral公式製品を通じた利用には第2条がかからない
  5. 無保証: モデルも出力も「現状のまま」で、Mistralは責任を負わない

ここでいうMaaSは、APIやホスト型エンドポイントなどを通じて、第三者にモデルの推論や追加学習を使わせ、第三者が入力・パラメータ・学習データを実質的にコントロールできる形の提供を指します。一方、次の2つはMaaSに当たらないと明記されています。

  • モデルの機能を特定の機能やハーネスに組み込んだだけのエンドユーザー向け製品
  • 他社がホストしているモデルへリクエストを中継するだけのもの

使い方別:別ライセンスが要るか

LICENSE本文から読み取れる範囲で、よくある使い方を整理しました。法的な助言ではないため、判断に迷う場合はMistralの問い合わせ窓口で確認してください。

使い方

別ライセンス

根拠

社内の業務システムで動かす(社員だけが使う)

不要

第3条の社内利用

自社SaaSの1機能として組み込む(要約ボタン、ナレッジ検索など)

原則不要

第2条の除外(機能への組み込み)

自社製品からOpenRouterなど他社がホストするLarge 4を呼ぶ

不要

第2条の除外(中継)

追加学習した派生モデルを配布する

不要(表示義務は残る)

許諾範囲内

推論APIやGPUクラウドとして、顧客がプロンプトやパラメータを自由に指定できる形で提供する

必要

MaaSに該当

顧客のデータで追加学習させるサービスとして提供する

必要

MaaSに該当

判断が分かれそうなのは、ほぼ素のチャット画面を外部の顧客に提供するケースや、顧客にAPIを開放する機能を持つSaaSです。こうしたケースは、事業を始める前にMistralへ確認しておくのが安全です。

Large 3のApache 2.0から条件が1つ増えた

前の世代のMistral Large 3はApache 2.0で公開されていました。Large 4はMaaS条項が加わったため、OSI(Open Source Initiative)が認める意味での「オープンソース」ではなく、「オープンウェイト」と呼ぶのが正確です。

もっとも、MaaS条項がかかるのは推論APIやGPUクラウドを売る事業者が中心です。一般の企業が社内システムや自社サービスの機能として使う範囲では、Large 3と大きくは変わらないと読めます。

出典: LICENSE(Hugging Face)

API料金はプレビュー時の約半額に

公式発表と公式Docsによると、現行のAPI料金は100万トークンあたり入力$0.70、キャッシュ入力$0.07、出力$2.10です。プレビュー時の定価($1.36/$4.18)から約半分になりました。

区分(100万トークンあたり)

現行(2026年10月29日〜)

プレビュー時の定価(10月6日)

入力

$0.70

$1.36

キャッシュ入力

$0.07

公表値を確認できず

出力

$2.10

$4.18

ただし、料金の根拠と提供の扱いには、執筆時点でまだはっきりしない部分があります。

  • 公式料金ページ(mistral.ai/pricing)にはLarge 4の行がまだない。根拠は公式発表とDocsのモデルページ
  • 値下げの理由は公式に説明がない。推論の効率が上がったことと関係がありそうですが、公式には結び付けて説明されていません
  • DocsのページにはPublic Previewの表示が残っている(10月30日時点)。正式版(GA)扱いになったかは確認できていません

利用できる場所は、Mistral Studio、Mistral API、OpenRouterなどです。公式発表ではNVIDIAのホスト型エンドポイントやMicrosoft Foundry(Azureのプライベートデプロイ)も挙げられています。Mistral Studioの使い方はMistral Studioのワークフロー機能も参考にしてください。

個人向けのLe Chat/Vibeのプラン(Free、Pro $14.99/月、Team $24.99/ユーザー/月、Enterprise)では、どのプランでLarge 4を選べるかが料金ページに書かれていません。業務で使う前に、契約するプランで選べるかを確認してください。

出典: Mistral公式発表、公式Docs、公式料金ページ

自社で動かすのに必要なGPUと、API・クラウド・自社運用の選び方

Hugging FaceのMistral AI公式ページ(mistralai)

出典: Hugging Face(mistralai)

重みは無料でも、動かすにはデータセンター級のGPUが要ります。一般的なPCやGPU1枚では動かず、多くの企業にとってはAPIかクラウドのマネージド環境を使うほうが現実的です。

配布形式ごとの容量と、起動例のGPU構成

公式は最小要件を出していないため、公式の起動例や報道から目安をまとめました。

配布形式

容量の目安

起動例・報道にある構成

品質

FP8版(公式の標準)

約1.06TB

GPU 8基(テンソル並列8)。HF Inference EndpointsはH200×8基

基準

NVFP4版(公式の4bit版)

約610GB

Blackwell世代(B200/B300)4基で動くと報道。vLLMの起動例は8基

4bit量子化

GGUF 2bit(IQ2_XXS、Q2_K)

—

ユニファイドメモリ512GBのApple Silicon(Ultra)1台で動作(HF公式ブログ)

量子化による劣化が大きい

容量はリポジトリの記録にもとづく目安です。第三者のOrcaRouterは、H200のような141GBのGPU 8基ではKVキャッシュを確保すると実用的に収まらないと見ています(同社の推定)。

公式モデルカードには「ローカルでの推論結果がいまひとつならMistral APIを使うことを勧める」との記載もあります。量子化や実行環境によっては、APIと同じ品質が出ない前提で検証してください。

API・マネージド・自社運用の比較

選び方

費用の考え方

データの扱い

向いている組織

Mistral API・OpenRouter

従量課金(入力$0.70/出力$2.10)

外部のAPIに送る

まず試したい企業、利用量が読めない段階

クラウドのマネージド(Microsoft Foundry、NVIDIA、HF Inference Endpoints)

GPUインスタンスの時間課金

自社契約のクラウド内

Azureなどを既に使い、閉じた環境で動かしたい企業

自社GPUで運用(vLLM・SGLangなど)

GPUの購入・電気代・運用人件費

社外に出ない

GPU基盤と運用チームを持つ大企業、官公庁、研究機関

「重みが無料だから自社で動かせば安い」とは限りません。B200やH200を8基規模でそろえる費用と運用の手間を考えると、利用量がまだ限られる段階では、一般的にはAPIのほうが総額を抑えやすくなります。自社運用が見合うのは、データを社外に一切出せない場合や、利用量が非常に多い場合です。

新しいモデルを自社の業務システムに組み込む場合は、モデル代だけでなく、既存システムとの連携や検証(PoC)にかかる開発費も見積もる必要があります。方法ごとの価格の目安はAI開発の費用相場で整理しています。

ローカルでLLMを動かす一般的な手順はOllamaとはで解説していますが、Large 4は2bitに量子化しても512GBのメモリが要る規模で、家庭用のPCでは動きません。

出典: Hugging Face公式ブログ、The Next Web、OrcaRouter

性能:コーディングとエージェントが強く、総合点では中国勢が上

Mistralの発表では、コーディングエージェントやWeb閲覧、エージェントの安全性で大きく伸びています。一方、第三者のArtificial Analysisの総合点では、中国のオープンウェイトモデルのほうが上です。

Mistralが発表したベンチマーク

ベンチマーク

重み公開版(10/29)

プレビュー(10/6)

Terminal-Bench 4.0

41%

28%

AA Coding Agent Index

48%

49.8%

CyberGym-E2E

79%

—

FinWorkBench(財務の表計算作業)

73.3%

67.4%

BrowseComp(Web閲覧)

84.5%

75%(以前のSFT版)

B3 Agent Security(攻撃への耐性)

97.1%

93.3%

いずれもMistral自身の発表です。人が評価するSurge Codeの比較では、GLM-5.3・Kimi K3・DeepSeek V4.1 Flashより好まれ、評価対象の中で上にいたのはClaude Opus 5.5だけだったとしています。

第三者評価(Artificial Analysis)

Artificial AnalysisのIntelligence Index(v5.0)では、Large 4(High)が26、GLM-5.3(Max)が32です。Hugging Faceのモデルカードも「欧米のオープンウェイトモデルでは最高だが、中国のオープンウェイトモデルのほうが総合点は上」と認めています。

出力速度は、同じくArtificial Analysisの計測でLarge 4が161トークン/秒、GLM-5.3が72トークン/秒です。Mistralは「1件の仕事に使うトークンが少ない」点も強調しており、AA Coding Agent IndexではGLM-5.3とほぼ同点ながら、1タスクあたりのトークンが平均47%少なかったとしています。

なお、プレビュー時に報じられた「Intelligence Index 38」は旧版の指標の値です。10月27日にv5へ改定されているため、26と並べて「下がった」とは比べられません。

出典: Mistral公式発表、Artificial Analysis

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GLM-5.3・Kimi K3・DeepSeek V4.1 Flashとの比較

総合点ならGLM-5.3、料金の安さならDeepSeek V4.1 Flash、ライセンスの分かりやすさと欧州製であることを重視するならMistral Large 4、という選び分けになります。

項目

Mistral Large 4

GLM-5.3

Kimi K3

DeepSeek V4.1 Flash(1017)

開発元(国)

Mistral AI(フランス)

Z.ai(中国)

Moonshot AI(中国)

DeepSeek(中国)

リリース

2026年10月6日(重みは10月29日)

2026年8月14日(重みは8月28日と報道)

2026年7月16日(重みは7月27日)

2026年10月17日

ライセンス

独自(修正MIT。MaaS事業者は別契約)

GLM-5.3 License(独自。条件はZ.ai公式で要確認)

Kimi K3 License(独自)

MIT

総/アクティブパラメータ

約1T/約52B

753B/40B

2.8T/104B

552B/8〜16B

API料金(入力/出力・100万トークン)

$0.70/$2.10

$1.40/$4.40

$3/$15

$0.30/$1.20(ピーク時。オフピークは半額)

AA Intelligence Index(v5.0)

26

32

—

—

Terminal-Bench 4.0(Mistral発表のグラフ)

41%

40%

21%

31%

  • Terminal-Bench 4.0の他社の値は、Mistralの発表資料のグラフ(The Next Webの報道)によるもので、各社の公式値ではありません
  • Kimi K3とDeepSeekの料金は、各社の公式料金(2026年10月上旬時点)です。改定されることがあるため、利用前に確認してください
  • GLM-5.3は公開当初は重みが保留されていましたが、その後独自ライセンスで公開されたと報じられています。MITで公開されたGLM-5.3-Flashとは条件が違う点に注意してください
  • 「—」はArtificial Analysisの同じ版での値を確認できなかった項目です

各モデルの詳細は、GLM-5.3とは、Kimi K3とは、DeepSeek V4.1 Flash 1017とはを参照してください。米国発のオープンモデルとしてはNemotron 3.5 Lightning、国産LLMの選択肢は国産LLM 7モデルの比較でまとめています。

Mistral Large 4を選ぶ理由になる点

  • 欧州で開発・学習されたモデル: 米中以外の選択肢として、調達先を分散したい企業や官公庁に向く
  • ライセンスの条件が1点だけ: 売上の閾値などがなく、社内利用や自社サービスへの組み込みなら別契約が要らない
  • 同等クラスより安いAPI料金と速い出力: GLM-5.3の約半額で、出力速度は2倍以上(Artificial Analysis)

一方、総合的な賢さを最優先するならGLM-5.3、とにかく安く大量に処理したいならDeepSeek V4.1 Flashのほうが合います。

使い方:APIで試す方法と、自分で動かす方法

Mistral AI公式ドキュメント(docs.mistral.ai)のビジュアル

出典: Mistral AI公式ドキュメント

最初はAPIで試し、日本語の業務で十分な品質が出るかを確かめてから、必要に応じて自社運用を検討する順番がおすすめです。

APIで使う

Mistral StudioでAPIキーを発行し、Chat Completions形式で呼び出します。推論の強さはreasoning_effortで選びます。

設定

用途

low

簡単な分類・抽出など(旧「None」の代わり)

medium

日常的な作業

high(既定)

精度が要る難しい作業、エージェント

  • 推論はオフにできません。noneを指定してもhighで動きます
  • max_completion_tokensには推論中のトークンも含まれるため、余裕を持たせて設定します
  • 推奨のサンプリング設定はtemperature=1.0、top_p=0.95です

APIではStructured Outputs、Function Calling、Batching、Agents & Conversations、画像入力などに対応しています。

自分で動かす

公式に案内されている主な手段は次のとおりです。

  • vLLM(推奨): 専用Dockerイメージvllm/vllm-openai:mistral-large-4を使い、--tensor-parallel-size 8、--tool-call-parser mistral --reasoning-parser mistralを指定。DSparkの先読みは--speculative-configで有効化
  • SGLang: lmsysorg/sglang:mistral-large-4。--max-running-requestsを付けないと同時処理数が48になる
  • Transformers: 公開当日から対応。FP8版をtorchrun --nproc-per-node 8で起動
  • llama.cpp: コミュニティのGGUF(ggml-org/Mistral-Large-4-1T-A52B-GGUFなど)を使用
  • 追加学習: TRL・PEFTに対応。公式の例はB300×8基の1ノード

Hugging Faceの公式ブログの起動例には、無関係なモデル名が混じっている箇所があります。コマンドはモデルカードの原文で確認してから使ってください。

セキュリティとデータ管理の注意点

Mistral Large 4はサイバーセキュリティの能力が高いぶん、悪用への対策と、自社で動かす場合の管理責任をセットで考える必要があります。

Mistralの安全対策

  • 悪意あるサイバー関連の依頼に対する平均拒否率は96.6%(Mistralの測定)
  • 一方で、Mistralは「実際の攻撃を後押しする可能性はある」と認め、ガードレールの修正を続けるとしている
  • ペネトレーションテストやレッドチーミング向けのサイバー特化版は、審査を通ったパートナー(Orange Cyberdefenseなど)にだけプレビュー提供している

自社で動かす場合に自社が負う責任

  • 安全対策を外した改変ができる: オープンウェイトは、ダウンロードした人がガードレールを外せます。攻撃にも使える(デュアルユース)点への懸念はクローズドモデルより大きくなります
  • データは社外に出ないが、管理は自社の責任: アクセス管理、ログの保存、プロンプトインジェクション対策、モデルの更新を自社で行う必要があります
  • 取得元を確かめる: リポジトリは申請なしで誰でも取得できるため、公式のmistralai配下から取得し、ハッシュを照合してください。名前の似た非公式の派生モデルに注意が必要です
  • APIを使う場合のデータの扱い: 保持期間や学習への利用は、利用前にMistralの利用規約とTrust Centerで確認してください

オープンウェイトの公開をめぐる安全性の議論は、Anthropicのオープンウェイトへの立場やOpen Secure AI Allianceの記事でも取り上げています。

Mistral Large 4のオープンウェイトがおすすめな人・おすすめしない人

こんな人・企業におすすめ

  • データを社外に出せない業務で、高性能なモデルを自社環境やプライベートクラウドで動かしたい企業
  • 米国・中国以外の開発元のモデルを選びたい企業や官公庁
  • コーディングエージェントやWeb閲覧を組み込んだ業務自動化を、安いAPI料金で試したい開発チーム
  • 自社データで追加学習し、派生モデルを作りたい研究機関や大企業

おすすめしない人・企業

  • GPUを1枚しか持たない個人や中小企業で、「無料だから自社で動かしたい」と考えている場合(APIのほうが安く済みます)
  • 推論APIやGPUクラウドとして外部に再販したい事業者(Mistralとの別契約が前提)
  • 日本語の品質を最優先する用途で、自社で検証する時間が取れない場合(日本語の公式ベンチマークがありません)
  • 応答の速さを最優先し、推論を完全にオフにしたい用途

よくある質問

Mistral Large 4は無料で使えますか?

重みのダウンロードとライセンス料は無料です。ただし動かすにはデータセンター級のGPUが必要で、その費用は自分持ちです。APIは従量課金で、100万トークンあたり入力$0.70、出力$2.10です。

オープンソースと呼んでよいですか?

厳密にはオープンソースではなく「オープンウェイト」です。MaaS事業者に別契約を求める条件があり、OSIの定義する自由な利用条件を満たさないためです。学習データや学習コードも公開されていません。

日本の企業が社内で使う場合、Mistralとの契約は必要ですか?

社員だけが使う社内システムで動かすなら、LICENSE本文の第3条(社内利用の適用除外)により別ライセンスは不要と読めます。著作権表示と許諾文を残す義務はあります。社外の顧客が使うサービスに組み込む場合は、使い方によって判断が分かれるため、Mistralへの確認をおすすめします。

日本語は使えますか?

対応言語は160以上とされていますが、日本語を名指しした記載や日本語のベンチマークは公式にありません。業務で使う場合は、自社の実際の文書や問い合わせでAPIを使って試してから判断してください。

ノートPC向けの小さいモデルは出ますか?

The Next Webの報道によると、ノートPC向けを含む小さい蒸留版を「今後数か月で」出す予定です。公開日は決まっていません。それまで軽いモデルを使いたい場合は、Mistral Medium 3.5などの既存モデルが候補です。

まとめ

  • Mistral Large 4の重みは2026年10月29日にHugging Faceで公開され、申請なしで取得できる
  • ライセンスは商用利用・改変・再配布ができ、別契約が要るのは推論APIなどを提供するMaaS事業者だけ。Large 3のApache 2.0より条件が1つ増えた
  • API料金は入力$0.70/出力$2.10で、プレビュー時の約半額。GLM-5.3と比べても約半額
  • 自社で動かすにはFP8版で約1.06TB、GPU 8基規模が必要。多くの企業はAPIかクラウドのマネージド環境が現実的
  • 総合点では中国のGLM-5.3が上だが、コーディングエージェント・出力速度・料金・欧州製という点で選ぶ理由がある
  • 日本語の性能は公式に示されていないため、実際の業務データで試してから導入を判断する

Mistral AIの資金調達や欧州のソブリンAI戦略については、Mistral AIのシリーズD資金調達で解説しています。

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編集部

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