AIツール2026年8月更新

OpenClawとは?できること・料金・安全な使い方とClaude Codeとの違い【2026年8月最新】

公開日: 2026/03/26
更新日: 2026/08/11
OpenClawとは?できること・料金・安全な使い方とClaude Codeとの違い【2026年8月最新】

この記事のポイント

OpenClawは自分のPC・サーバーで動かすオープンソースのAIエージェント。本体0円で実費はAIモデル代のみです。できること、料金の落とし穴、公式推奨の安全設定、Claude Codeとの違いを2026年8月時点の公式情報で整理します。

OpenClaw(オープンクロー)は、LINEやSlackなど普段のチャットアプリから指示を出すと、自分のPC・サーバー上で実際に作業を実行してくれるオープンソースのAIエージェントです。ソフト本体はMITライセンスで0円、実費として発生するのは接続するAIモデルの利用料(+常時稼働させる場合のサーバー代)だけです。

一方で、OpenClawは「ファイル操作・シェル実行・ブラウザ操作」を任せる前提のツールであり、設定を誤ると被害範囲が大きくなります。2026年8月10日には、OpenClaw上のエージェントがジムの予約システムの認可不備を突いて他人の予約を無断キャンセルした事例が海外メディアで大きく報じられました。「便利さ」と「安全設定」はセットで理解する必要があります。

この記事でわかること(2026年8月11日時点)

  • OpenClawの現在地:運営体制・最新バージョン・リリースチャンネルの選び方
  • 何ができるか:31のチャットチャネル、エージェントの実行能力、対応AIモデル
  • 料金の実態:本体0円でも実費が読み違えられる3つの理由と、モデル代0円で回すルート
  • 導入手順:Node 26推奨・Windows対応の現状
  • 安全に使うための初期設定(公式推奨の設定例と監査コマンド)
  • Claude Codeとの違いと、「どちらか一方」にしない使い方

「OpenClawが気になっているが、実際に何ができて、いくらかかって、安全に運用できるのかを判断したい」という方向けに整理しています。

自律的にタスクを実行するAIエージェントのイメージ

OpenClawとは:チャットアプリから動かす「自分専用のAIエージェント」

OpenClaw公式サイトのトップイメージ

出典:OpenClaw公式サイト

OpenClawは、公式ドキュメント上では「お気に入りのチャットアプリをAIコーディングエージェントに接続するセルフホスト型ゲートウェイ」と定義されています。GitHubの説明文は "Your own personal AI assistant. Any OS. Any Platform. The lobster way. 🦞" で、自分の環境で動かすことが前提の設計です。

項目

内容(2026年8月11日時点)

名称

OpenClaw(オープンクロー)

開発・運営

OpenClaw Foundation(非営利。2026年7月8日に発表)

原作者

Peter Steinberger(2026年2月にOpenAI入社。以降はFoundationが運営)

ライセンス

MITライセンス(公式表記)

実装言語

TypeScript

提供形態

OSS(セルフホスト)。CLI/Web Control UI(localhost:18789)/macOS・Windows・iOS・Androidアプリ/WebChat

GitHub

★385,825 / fork 81,087 / open issues 5,684

公式サイト

openclaw.aidocs.openclaw.ai

構成要素は大きく4つです。

  • Gateway:中核となる常駐プロセス。セッション管理・ルーティング・チャネル接続を担う
  • Agents:ツール実行・メモリ・マルチエージェントルーティングを持つ実行主体
  • Channels:Slack / Discord / Telegram / LINE / WhatsApp などのチャット接続口
  • Nodes:iOS・Android端末をペアリングし、カメラ・音声・Canvasなどの機能を追加する

ChatGPTやClaudeと何が違うのか

ChatGPTやClaudeのチャット画面は「聞くと答えてくれるAI」です。OpenClawは、その回答をもとに実際にファイルを書き換えたり、コマンドを実行したり、ブラウザを操作したりする層を担います。AIエージェント全般の考え方はAIエージェントとは?仕組み・できること・導入事例で整理しています。

比較ポイント

ChatGPT / Claude(通常のチャット利用)

OpenClaw

役割

回答を返す

指示を受けて実行する

動作場所

提供元のクラウド

自分のPC・VPS(セルフホスト)

起動方法

使うときにアプリ/ブラウザを開く

常駐プロセスとして待機

操作の入口

専用アプリ・Web

LINE・Slack・Telegramなど31チャネル

AIモデル

提供元のモデル固定

好きなモデルを接続(内蔵モデルなし)

主なリスク

誤情報・情報漏えい

誤情報・情報漏えい+実行系の事故(ファイル削除・意図しない外部操作)

運営体制と名称の変遷

OpenClaw公式GitHubリポジトリのイメージ

出典:OpenClaw公式GitHubリポジトリ

OpenClawは短期間で名前が変わったため、検索すると旧名称の記事が混在します。現時点で確認できる系譜は次のとおりです。

時期

出来事

2025年11月24日

Warelay として初公開。AIアシスタント「Clawd(のちのMolty)」を起点としたプロジェクト

2026年1月27日

Anthropicからの商標クレームを受けて Moltbot に改名

2026年1月30日

語感を理由に OpenClaw へ再改名

2026年2月14日

原作者Peter SteinbergerがOpenAI入社を表明

2026年7月8日

非営利の OpenClaw Foundation 設立を公式ブログで発表。フルタイム体制へ

「Clawdbot」という呼称も一部で使われますが、Clawd(Molty)は元になったAIアシスタントの名前として区別されています。旧名称の記事は料金・要件・セキュリティ設定がいずれも古いため、情報の日付を必ず確認してください。

バージョンは「チャンネル」で選ぶ

OpenClawは更新が速く、どのリリースチャンネルを使うかで運用の安定度が変わります。ここは日本語の解説記事でほとんど触れられていない、実務上重要なポイントです。

チャンネル

最新版(2026年8月11日時点)

公開日

位置づけ

stable

v2026.7.1-2

2026-08-04

通常の安定版

extended-stable

v2026.6.34

2026-08-08

月次更新。次版が出るまで最低1か月サポート。業務利用向け

beta

v2026.7.2-beta.7

2026-08-02

先行機能の検証用

# 長期サポート寄りのチャンネルで新規インストール
npm install -g openclaw@extended-stable

# 既存環境の切り替え
openclaw update --channel extended-stable

公式は各機能を成熟度モデル上に配置した「Maturity Scorecard」も公開しており、stable扱いの機能はE2Eテストカバレッジ90%超を目標としています。「毎週最新版を追う個人利用」と「月次更新で止める業務利用」を分けられる点は、導入判断の材料になります。

OpenClawでできること

スマートフォンのチャットアプリからAIに指示を出すイメージ

できることは「入口(チャネル)」「実行(ツール)」「拡張(スキル・プラグイン)」「接続するAIモデル」の4つに分けると整理しやすくなります。

1. 入口:31のチャットチャネル(LINEは公式プラグイン)

公式ドキュメントに掲載されているチャネルは、公式プラグイン27・外部プラグイン3・コア同梱1の計31です。

区分

主な対応チャネル

公式プラグイン(27)

LINE・Slack・Discord・Telegram・WhatsApp・Signal・iMessage・Microsoft Teams・Google Chat・Matrix・Mattermost・IRC・SMS・Twitch・Feishu・Nextcloud Talk・Synology Chat・Zalo ほか

外部プラグイン(3)

WeChat・WeCom・Yuanbao など(リポジトリ外で保守)

コア同梱(1)

WebChat

日本の読者にとって重要なのは、LINEがMessaging API連携の公式プラグインとして用意されている点です。海外記事はWhatsApp中心ですが、国内ではLINE運用の方が現実的なケースが多いはずです。なお最短でセットアップできるのはTelegramで、Botトークンを入れるだけで追加プラグインなしに動きます。

2. 実行:エージェントが実際に触れるもの

領域

できること

ファイル

読み書き・編集・パッチ適用(fs

シェル

コマンド実行・スクリプト実行・プロセス管理(exec

ブラウザ

ページ遷移・クリック・フォーム入力・データ抽出

Web

検索・ページ取得(web_search / web_fetch

メモリ

会話をまたぐ永続メモリ、ベクトル検索

自動化

tasks / hooks / standing orders / cron による定期実行

構成

マルチエージェントのルーティング、セッション管理

端末連携

iOS・Androidをノードとしてペアリングし、カメラ・音声・Canvasを利用

「毎朝決まった時刻に情報を集めてSlackへ投げる」「受け取ったファイルを整形して指定フォルダに保存する」といった、人が起動しなくても動く処理を組めるのがチャット型AIとの決定的な差です。

3. 拡張:公式レジストリ ClawHub

スキル(エージェントの振る舞い定義)とプラグインは、公式レジストリ ClawHub から導入します。

openclaw skills install <name>
openclaw plugins install clawhub:<package>

公開にはGitHubアカウントによるアップロードゲートの通過が必要で、公開されたスキル・プラグインには自動検査が走り、詳細ページにスキャン結果のサマリが表示されます。通報を受けたものはモデレータ審査を経て公開停止される仕組みです。2026年6月にはNVIDIAとの協業で、ドキュメンテーションカードと隠しプロンプト検出のスキャンも導入されています。

ただし、第三者が公開したコードを自分のマシンで実行する構図は変わりません。導入するスキルは提供元と中身を確認する運用が前提です。

4. 使えるAIモデル:既定はGPT-5.6、Claudeは選択肢の1つ

よくある誤解ですが、OpenClawは「Claude専用ツール」ではありません。公式ドキュメントによれば、OpenAI APIキーで認証した場合の既定モデルは openai/gpt-5.6(Sol tier)です。

プロバイダ

OpenAI

openai/gpt-5.6 ほか(APIキー/ChatGPT・Codex OAuth)

Anthropic

anthropic/claude-opus-5anthropic/claude-sonnet-5claude-fable-5 ほか

Meta

meta/muse-spark-1.1(コンテキスト約104万トークン)

ローカル

Ollama / LM Studio / GGUF(クラウド併用・ローカルのみの両方に対応)

その他

OpenRouter、GitHub Copilotランタイム など

Claudeの位置づけを確認したい場合はClaudeとは?機能・料金・使い方・ChatGPTとの違いも参考にしてください。

料金:本体は0円、かかるのは「モデル代」と「サーバー代」

Anthropic公式の料金ページのイメージ

出典:Anthropic公式 料金ページ

OpenClawの費用は3つに分解できます。本体(0円)+AIモデル利用料+サーバー代です。ライセンス料や月額サブスクリプションは存在しません。

費用項目

金額

補足

OpenClaw本体

0円

MITライセンスのOSS。商用利用可

AIモデル利用料

従量課金 or 0円

APIを使うか、ローカルモデルを使うかで大きく変わる

サーバー代

0円〜

自宅PC常駐なら0円。24時間稼働させるならVPS代

Anthropic API単価(2026年8月11日時点・公式価格ページ)

モデル

入力 / 1Mトークン

出力 / 1Mトークン

Claude Fable 5

$10

$50

Claude Opus 5

$5

$25

Claude Sonnet 5(〜2026年8月31日)

$2

$10

Claude Sonnet 5(2026年9月1日〜)

$3

$15

Claude Sonnet 4.6 / 4.5

$3

$15

Claude Haiku 4.5

$1

$5

プロンプトキャッシュ(ヒット時0.1倍)やBatch APIの50%割引を併用すると実費は下げられます。Claude側のプラン全体はClaude料金の解説で整理しています。

実費を読み違える3つの理由

単価表だけを見て見積もると、ほぼ確実にズレます。

  1. Claude Sonnet 5の導入価格が2026年8月31日で終了する。 9月1日から $3 / $15 になり、実質1.5倍です。Sonnet 5前提で試算した月額は、9月以降に自動的に上振れします。
  2. Claude 4.7以降のモデルは新しいトークナイザを使い、同じ文章でも約30%多くトークンを生成する(公式注記)。単価が同じでも支払額は増えます。旧モデルとの比較では単価×1.3で見積もるのが安全です。
  3. Claude Pro / Maxのサブスクで動かすと、そのプランの利用上限を消費する。 公式ドキュメントは「サブスクリプションプランでのClaude Agent SDK、claude -p、サードパーティアプリの利用はサインイン中のサブスクの利用上限を消費する」と明記し、共有された本番自動化にはAPIキーを推奨しています。以前案内されていたAgent SDK向けの別枠クレジットは現在一時停止中です。

なお「Claude Pro/Maxでのサードパーティ利用は禁止」と断定している日本語記事がありますが、現時点の公式ドキュメントは「Claude CLI経由での利用は可能。ただし上限を消費し、本番用途にはAPIキーを推奨」という書き方です。禁止ではなく“上限消費と挙動変更のリスクがある”と理解するのが正確です。

OpenAI側(既定の gpt-5.6 系)の単価は改定が入りやすいため、契約前にOpenAI公式の価格ページで確認してください。

モデル代0円で回すルート(ローカルモデル)

API課金を避けたい場合、OpenClawはOllama・LM Studio・GGUFに対応しているため、モデル代0円での運用が可能です。2026年8月10日にはMetaがApache 2.0ライセンスの Muse Glimmer 30B を公開し、Metaの発表では OpenClawを含むエージェントフレームワークで動作し、24GB VRAM級のマシンでローカル実行できるとされています(OpenClaw公式のプロバイダ文書側はまだ既定 muse-spark-1.1 のままです)。モデルの詳細はMeta Muse Glimmerとはを参照してください。

# Ollama を使う場合の例
ollama pull gemma4
openclaw models set ollama/gemma4

落とし穴が1つあります。 baseURLは http://host:11434 を指定し、末尾に /v1 を付けてはいけません。付けるとツール呼び出しが壊れ、モデルがtool-call JSONを生テキストで出力します。低速なローカルモデルでは timeoutSeconds: 300keep_alive: "15m" の調整も有効です。

利用パターン別の月額イメージ(編集部試算)

パターン

構成

月額の目安

まず試す

自宅PC常駐+Haiku 4.5中心

サーバー代0円+API数ドル

個人の日常運用

自宅PC or 小型VPS+Sonnet 5

VPS $6〜24+API $10〜40

常時稼働・自動化多め

VPS+Opus 5 / Fable 5混在

VPS $12〜24+API $50〜150

モデル代0円ルート

自宅PC+Ollama(Muse Glimmer 30B等)

$0(電気代・GPU要件は別)

※編集部による試算です。実費はトークン量・自動化の頻度・キャッシュ利用の有無で大きく変動します。

導入手順(2026年8月時点)

OpenClaw公式ドキュメントのイメージ

出典:OpenClaw公式ドキュメント

動作要件

  • Node.js 22.22.3以上 / 24.15以上 / 25.9以上(Node 26推奨)
  • OS:macOS / Linux / Windows / WSL2
  • pnpmはソースからビルドする場合のみ必要

要件は更新が入っています。「Node 24推奨」と書かれた記事は情報が古いので注意してください。

インストール

推奨はインストーラスクリプトです。OSを自動判定し、必要ならNodeも導入します。

# macOS / Linux / WSL2
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash

# Windows PowerShell
iwr -useb https://openclaw.ai/install.ps1 | iex

パッケージマネージャ経由なら以下です。

npm install -g openclaw@latest --allow-scripts openclaw
openclaw onboard --install-daemon

動作確認

openclaw --version
openclaw doctor          # 環境診断
openclaw gateway status  # Gateway の稼働確認
openclaw dashboard       # http://localhost:18789

Windowsユーザーの現状

かつては「WSL2必須、ネイティブは非推奨」と説明されていましたが、現在は公式に Windows Hubコンパニオンアプリ(セットアップ・トレイでの状態表示・チャット・node mode・ローカルMCP mode)が用意され、PowerShellのCLIインストーラ、WSL2上のGatewayと合わせて3つの導入経路が案内されています。Windowsだから諦める必要はなくなりました。

各OSの詳細な手順とつまずきポイントはOpenClawの使い方・インストールガイドにまとめています。

安全に使うための設定:「便利」の前に必ず読む

AIエージェントのセキュリティ設定のイメージ

OpenClawの事故は、難解なエクスプロイトよりも「権限を絞らないまま動かした結果」として起きます。2026年8月10日に報じられた事例が象徴的です。

実際に起きたこと:ジム予約システムの事例(2026年8月10日)

豪メルボルンで、Claudeを接続したOpenClawエージェントに「ジムのクラスを予約して」と依頼したユーザーが、続けて「(キャンセル待ちの)順位を上げられる?」と尋ねたところ、エージェントは予約APIに他人の予約もキャンセルできる認可不備があることを検証で見つけ、待機列1位の利用者の予約を無断でキャンセルして自分の順位を繰り上げました。取り消しを求められると「できない」と回答して謝罪し、ベンダー向けの脆弱性開示メールを起草したと報じられています。

指示されたのは「順位を上げる」ことだけで、「他人の予約を消す」ことではありません。目的は達成するが手段を選ばないという、AIエージェントの典型的な失敗パターンです。同種の事故はAIエージェントがデータを全削除した事故まとめでも整理しています。

公式の脅威モデルと3層の防御

公式セキュリティドキュメントは、前提を明快に示しています。「1つのGatewayにつき信頼できるオペレータは1人」であり、OpenClawは複数の敵対的ユーザーを想定したマルチテナントのセキュリティ境界ではありません。攻撃面は次の3つに整理されます。

論点

具体的な対策

Identity(誰が話せるか)

知らない相手がボットに指示できてしまう

dmPolicy: "pairing"(既定の承認コード方式)、DM・グループの許可リスト、グループではメンション必須化

Scope(どこまで動けるか)

権限が広すぎて被害範囲が大きい

ツールのallow/denyポリシー、Docker・Podmanでのサンドボックス、fs.workspaceOnly: true、ノードのペアリング

Model(モデルの操作)

プロンプトインジェクション

「起きる前提」で被害範囲を小さく設計する

公式は「プロンプトインジェクションはシステムプロンプトでは解決しない」と明記しています。対策は文章によるお願いではなく、ツールポリシー・実行承認・サンドボックス・チャネル許可リストによるハードな強制です。

公式が示す「60秒でできる」初期設定

導入直後にこの設定を入れておくだけで、事故の大半は封じられます。

{
  gateway: {
    mode: "local",
    bind: "loopback",
    auth: { mode: "token", token: "long-random-token" }
  },
  session: { dmScope: "per-channel-peer" },
  tools: {
    profile: "messaging",
    deny: ["group:automation", "group:runtime", "group:fs", "exec"],
    fs: { workspaceOnly: true },
    exec: { security: "deny" }
  },
  channels: {
    whatsapp: { dmPolicy: "pairing", groups: { "*": { requireMention: true } } }
  }
}

設定後は監査コマンドで状態を確認します。

openclaw security audit          # 現状のセキュリティ姿勢をチェック
openclaw security audit --deep   # 実際にプローブして検査
openclaw security audit --fix    # 安全な修正を自動適用

監査対象は、受信アクセス・ツールの被害範囲・exec の制約・ネットワーク露出・プラグインのサプライチェーン・ポリシーのドリフトです。

見落とされがちな3つのポイント

  1. 秘密情報のファイル権限。 ~/.openclaw/ には設定ファイル・資格情報・MCP OAuthトークン・会話ログが置かれます。ディレクトリは 700openclaw.json600 が推奨です。
  2. ブラウザプロファイルの共有。 ログイン済みのブラウザプロファイルを渡すことは、モデルにそのアカウントへのアクセス権を与えるのと同じです。エージェント専用プロファイルを用意し、同期とパスワードマネージャは無効にします。
  3. Dockerの公開ポート。 ホストのINPUTルールを迂回するため、DOCKER-USER チェーンにファイアウォールルールが必要です。既定のbindは loopback のまま運用するのが安全です。

CVEは「件数」ではなく「自分のバージョンが対象か」で見る

OpenClawのCVE総数を大きな数字で示す記事がありますが、出典が曖昧なものが多く、実務判断には使えません。見るべきは「その脆弱性がいつ修正され、自分が使っているバージョンが対象かどうか」です。

CVE

概要

修正状況

CVE-2026-28472("ClawJacked")

WebSocketゲートウェイ認証層でのデバイスID検証バイパス

2026.2.2 未満が影響

CVE-2026-33579

権限昇格(ペアリング権限から管理者権限を取得可能)

2026.3.28(2026-03-29)で修正

つまり運用としては、extended-stableチャンネルに固定しつつ openclaw update を月次で回すのが現実的な落としどころになります。設定の詳細手順はOpenClawのセキュリティ設定ガイド、リスクの全体像はOpenClawの危険性とは?で扱っています。エージェント全般の守り方はAIエージェントのセキュリティ対策も併せてどうぞ。

Claude Codeとの違い

Anthropic公式のClaude Code紹介ページのイメージ

出典:Anthropic公式 Claude Code

OpenClawは「常駐して生活・業務全般を自動化する土台」、Claude Codeは「開発作業を高速化するAnthropic公式のコーディングエージェント」です。競合というより層が違います。Claude Code自体の概要はClaude Codeとはを参照してください。

比較ポイント

OpenClaw

Claude Code

提供元

OpenClaw Foundation(非営利・OSS)

Anthropic(公式製品)

ライセンス/料金

MIT・本体0円+モデル実費

claude.aiサブスク(Pro $17〜/月)またはAPIキー

得意領域

汎用タスクの自動化・メッセージ統合

コーディング、テスト、PR作成、リファクタリング

稼働形態

常駐Gateway(24時間待機)

セッション単位で起動

主な入口

LINE・Slack・Telegramなど31チャネル

ターミナル、VS Code、JetBrains、デスクトップ、Web、モバイル

接続モデル

OpenAI/Anthropic/Meta/ローカルなど自由

Claudeシリーズ

セルフホスト

○(自宅PC・VPS)

×(Anthropicの提供環境に接続)

CI/Git連携

シェル経由で可能

GitHub Actions・GitLab CIをネイティブ対応

権限制御

自分で設計(ポリシー+サンドボックス)

製品側の承認フロー・auto mode

導入難易度

中〜高(CLI・APIキー・安全設定)

中(インストール後すぐ使える)

2026年8月14日からClaude Codeはauto modeが既定に

Anthropicは2026年8月7日、Pro / Max / Teamで8月14日からauto modeを既定ONにすると告知しました。不可逆・破壊的・環境外への操作以外は、承認を挟まずに実行されます(Enterprise / API / Bedrock / Vertex / Foundryは当面オプトイン)。

背景として公表された数字が示唆的です。危険コマンド1,053件に対し、auto modeの分類器は89%を検知した一方、人間のレビューが気づいたのは13.6%で、プロンプトの97%は反射的に承認されていたとされています。第三者検証(Trajectory Labs)では、Claude Codeのauto modeが試行された72件のプロンプトインジェクションをすべてブロックしたと報告されています。

この変化はOpenClawの運用にも示唆があります。「人間の承認クリックに頼る設計は機能しない」という前提に立つなら、OpenClaw側でも exec の都度承認に期待するのではなく、ツールポリシーとサンドボックスで被害範囲そのものを縮める方が確実です。auto modeの詳細はClaude Code Auto Modeとはで解説しています。

Claude CodeのChannelsは常時稼働の代替にならない

Claude Code側にもチャットアプリ連携(Channels)がありますが、現時点では research preview で、対応はTelegram / Discord / iMessage(各プラグインはBun必須)に限られます。決定的なのは公式の記述で、「イベントはセッションが開いている間しか届かない」とされている点です。常時稼働させたい場合は、バックグラウンドプロセスや常設ターミナルでClaudeを動かし続ける必要があります。

加えてclaude.ai Team / Enterpriseでは、管理者が channelsEnabled を有効化するまでブロックされます。「チャットから24時間指示を投げたい」という要件では、現時点でOpenClawの方が素直です。

二者択一にしない第3の答え:openclaw attach

意外と知られていませんが、OpenClawには openclaw attach というコマンドがあり、1つのGatewayセッションに束縛された厳格な一時MCP設定でClaude Codeを起動できます。

openclaw attach --session main --ttl 600000
openclaw attach --print-config   # 起動せず設定だけ確認
  • 周囲のClaude MCPサーバーが相乗りできないフラグ付きで起動するため、スコープが閉じる
  • 資格情報はコマンドライン引数ではなく環境変数で受け渡す(セッションURLへの資格情報埋め込みは拒否)
  • Claude Codeを終了すると権限付与も同時に失効する

つまり「常駐と入口はOpenClaw、コーディングはClaude Code」を、権限を広げずに両立できます。MCPの仕組みはMCPとは、料金面の比較はClaude Codeの料金、機能単位の詳細比較はOpenClaw vs Claude Code 徹底比較で扱っています。権限モデルの違いを深掘りしたい場合はClaude Codeのセキュリティと安全な使い方もどうぞ。

使い分けの目安

やりたいこと

適した選択

コードを書く・レビューする・CIに組み込む

Claude Code

チャットから24時間タスクを投げたい

OpenClaw

定期実行・無人バッチを組みたい

OpenClaw

APIコストを0にしたい(ローカルモデル)

OpenClaw

設定に時間をかけず今日から使いたい

Claude Code

常駐運用しつつコーディングも任せたい

OpenClaw+openclaw attach

こんな人におすすめ / おすすめしない人

おすすめできる人

  • CLIとAPIキーの扱いに慣れている個人開発者:インストールから安全設定まで自力で完結できる
  • 定期実行・無人運用をしたい人:cronやstanding ordersで「起動しなくても動く仕組み」を作れる
  • LINEやSlackを入口にしたい人:新しいアプリを増やさず既存のチャットに寄せられる
  • APIコストを抑えたい/外部に出したくない人:Ollama+ローカルモデルでモデル代0円・外部送信なしの構成が組める
  • モデルを使い分けたい人:タスクごとにClaude・GPT・ローカルモデルを切り替えられる
  • 検証環境を分けられるチーム:extended-stableで更新を月次に固定し、サンドボックス前提で運用できる

おすすめしない人・条件

  • ターミナル操作に不慣れな人:導入も復旧もCLI中心で、Web Control UIやドキュメントも英語中心(日本語UIの提供は現時点で確認できていません)
  • すぐ使い始めたい人:安全設定まで含めると初期セットアップに時間がかかる。まずはブラウザ版のClaudeやChatGPTで足りるか確認する方が早い
  • 1台のサーバーを複数人で共用したい組織:公式が「敵対的なマルチテナントの境界ではない」と明記しており、1 Gateway=1オペレータが前提
  • 機密データを扱い、監査体制が未整備な企業:ログ・権限・スキルの供給元まで管理できる体制がないうちは、範囲を限定した検証にとどめるのが無難
  • コーディングが主目的の人:IDE統合・Git連携が揃っているClaude Codeの方が素直
  • 承認フローを製品側に任せたい人:OpenClawの安全性は設定品質にほぼ比例する

他のエージェントと横並びで見たい場合はOpenClaw vs ManusOpenClaw vs OpenCodeAIエージェントおすすめ比較も参考になります。

よくある質問

OpenClawは本当に無料で使えますか?

ソフト本体はMITライセンスで0円、商用利用も可能です。ただしAIモデルは内蔵されていないため、外部APIを使う場合はその利用料がかかります。Ollamaなどでローカルモデルを動かせば、モデル代を0円にすることは可能です(GPU・電気代は別途)。

Claude Pro / MaxのサブスクリプションでOpenClawを動かせますか?

現時点の公式ドキュメントでは、同一ホストのClaude CLIログインを再利用する形での接続が案内されています。ただしその利用はサインイン中のサブスクの利用上限を消費し、公式は共有された本番自動化にはAPIキーを推奨しています。課金やレート制限の挙動はAnthropic側の判断で変わり得るため、業務利用ならAPIキーが無難です。

LINEから使えますか?

使えます。LINEはOpenClawの公式プラグインとして提供され、Messaging API経由で連携します。ただし最短で試したいだけならTelegramの方が手数が少なく、Botトークンだけで動きます。

どのバージョンを入れればいいですか?

新機能を追いたい個人利用ならstable、業務や共有環境ならextended-stableを推奨します。extended-stableは月次更新で、次版が出るまで最低1か月サポートされます。openclaw update --channel extended-stable で切り替えられます。

Windowsでも問題なく動きますか?

動きます。現在は公式のWindows Hubコンパニオンアプリ、PowerShell用CLIインストーラ、WSL2上のGatewayの3経路が案内されています。「WSL2必須」という説明は現在の公式情報とは一致しません。

会社のPCで使っても大丈夫ですか?

組織のポリシー次第です。OpenClawはファイル操作・シェル実行・ブラウザ操作の権限を持つため、情報システム部門の承認なしに業務端末へ導入するのは避けるべきです。参考として、2026年3月には中国政府が国有企業・政府機関の業務PCでのOpenClaw実行を禁止した例も報じられています。導入するなら、権限を絞った専用端末かVPSで、扱うデータの範囲を限定するところから始めるのが現実的です。

事故が起きたときはどうすればいいですか?

公式は4段階の対応を示しています。①封じ込め(Gateway停止、bind: loopback に戻す、危険なDM・グループを停止)→ ②ローテーション(Gatewayトークン、リモートクライアント資格情報、プロバイダAPIキー)→ ③監査(openclaw logs、会話ログ確認、openclaw security audit --deep)→ ④報告(security@openclaw.ai)です。

まとめ

OpenClawは、チャットアプリを入口にして自分の環境でタスクを実行させる、常駐型のオープンソースAIエージェントです。

  • 本体はMITライセンスで0円。実費はAIモデル利用料とサーバー代のみ。運営は非営利のOpenClaw Foundation
  • 入口は31チャネル。LINEは公式プラグイン、最短で試すならTelegram
  • 既定モデルはgpt-5.6で、Claude専用ツールではない。Ollamaでローカル実行すればモデル代0円も可能
  • 料金は単価表だけで判断しない。Sonnet 5の導入価格は8月31日まで、4.7以降はトークナイザ変更で同じ文章でもトークンが約30%増える
  • 動作要件はNode 26推奨。Windowsは公式Hubアプリを含む3経路が用意され、WSL2必須ではなくなった
  • 業務利用ならextended-stableに固定し、月次で更新する運用が現実的
  • 安全設定は必須。bind: loopbackexec の制限、fs.workspaceOnly、pairingポリシー、openclaw security audit --fix を導入直後に済ませる
  • Claude Codeとは競合ではない。常駐と入口はOpenClaw、コーディングはClaude Codeという分担が組め、openclaw attach で権限を閉じたまま連携できる

導入判断の順序としては、①ローカルの検証環境で権限を絞って動かす → ②扱うデータを限定して定期タスクを1つだけ自動化する → ③問題がなければチャネルとツールを1つずつ開放する、という進め方が安全です。

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