DeepSeek資金調達150億ドルの中身|CATL・テンセント出資・評価額・上海IPO計画と米政府排除命令の影響【2026年10月速報】

この記事のポイント
DeepSeekが約1,000億元(約150億ドル)を調達すると報じられた件を、報道と公式文書に分けて整理しました。CATL・テンセントなど出資者、評価額(プレ約740億ドル)、上海・科創板IPOの予定、米国土安全保障省の排除命令の対象範囲、日本の企業と個人が使い続けてよいかの判断のしかたがわかります。
DeepSeekが約1,000億元(約150億ドル、1ドル=約157円で約2.3兆〜2.4兆円)を調達すると、Bloombergが2026年10月21日(日本時間22日)に、Reutersが22日に報じました。ただし、DeepSeek・CATL・テンセントのどれもこの件を公式には発表しておらず、金額・評価額・出資者はすべて関係者の話にもとづく報道です。
一方、その直前の10月19日に米国土安全保障省(DHS)が出した「連邦の文民機関からDeepSeek製品を外す命令」は、米連邦官報に載った公式文書で確認できます。この命令は米連邦政府の調達とITが対象で、日本の民間企業や個人の利用を禁じるものではありません。
この記事でわかること
- 今回の資金調達で「確定していること」と「報道にとどまること」の区別
- 報じられている出資者(CATL・テンセントほか15社超)と評価額の見方
- 2023年の設立から今回までの資金調達の流れ
- 上海・科創板へのIPOはいつごろと報じられているか
- 米政府の排除命令の中身と、日本の企業・個人への影響
- DeepSeekを業務で使い続けるかどうかの判断のしかた
こんな人に向けた記事です
- DeepSeekのニュースを見て、何が起きているのかを短時間で知りたい人
- 業務でDeepSeekのAPIやオープンウェイトのモデルを使っている、または検討している人
- 米国の政府機関や米国企業と取引があり、排除命令の影響を確かめたい人
- 中国AI企業の資金調達や上場に関心がある投資家・事業会社の担当者
DeepSeekという会社とサービスの全体像はDeepSeekとはで解説しています。この記事は「資金調達」と「米政府の命令」の2つのニュースに絞って整理します。
DeepSeekの150億ドル調達で確定していること・報道にとどまること

出典: DeepSeek 公式サイト
10月23日時点で確定しているのは米政府の排除命令の方で、資金調達は「報道されているが、まだ完了も発表もしていない」段階です。Reutersは「数日以内に完了する見込みで、条件は変わる可能性がある」と伝えています。
項目 | 内容 | 情報の種類 |
|---|---|---|
調達額 | 約1,000億元(約150億ドル。Reutersの換算は149.8億ドル) | 報道(Bloomberg・Reuters) |
主な出資者 | CATL(寧徳時代)とテンセント。どちらも既存株主 | 報道 |
出資者の数 | 15社超 | 報道(Reuters) |
調達前の評価額 | 約5,000億元(約740億ドル)。6月の初回ラウンド後から据え置き | 報道(Reuters・財経) |
完了の時期 | 「数日以内」の見込み。10月23日時点で完了の確認なし | 報道 |
DeepSeekの公式発表 | なし。TechCrunch・Reutersのコメント依頼に答えていない | 確認済み |
米政府の排除命令 | 2026年10月20日付の米連邦官報に掲載(FR Doc 2026-21447) | 公式文書で確認済み |
調達の目標額は、当初の500億元から800億元、1,000億元へと少なくとも2回引き上げられたと報じられています。10月6日の時点でBloombergは「少なくとも800億元、最大で1,000億元に近づく可能性」と伝えており、そこから2週間ほどで上限の規模に達した形です。
円での金額は、媒体によって「約1.5兆円」「約2.4兆円」と分かれています。150億ドルを1ドル=約157円で計算すると約2兆3,500億円になるため、2.3兆〜2.4兆円とみるのが妥当です(人民元から1元=約24円で換算した場合は約2.4兆円)。
出資者と評価額:CATL・テンセントを中心に15社超

今回のラウンドの中心は、電池メーカーのCATLとIT大手のテンセントだと報じられています。どちらも6月の初回ラウンドに参加した既存株主で、そこに中国の事業会社と投資ファンドが加わった構成です。
報じられている主な出資者
区分 | 出資者 | 報じられている内容 |
|---|---|---|
最大の出資者 | CATL(寧徳時代、深セン上場) | 約100億元を追加出資する見込み(初回は約50億元)。財経の報道 |
最大の出資者 | テンセント(香港上場) | 初回ラウンドでは100億元で最大の外部投資家 |
事業会社 | Geely(吉利)、GigaDevice(兆易創新)、Meituan(美団)、Midea(美的)、NetEase(網易) | 参加と報道(Reuters) |
投資ファンド | Boyu Capital(博裕)、CPE(源峰)、Legend Capital(君聯)、IDG Capital | 参加と報道(Reuters) |
投資ファンド(財経のみ) | Stony Creek Capital(石溪資本)、China Fortune-Tech Capital(中芯聚源) | 財経が名前を挙げている |
出資者の顔ぶれは、Reuters系の報道と中国の経済誌・財経とで少しずつ違います。財経は「新規の出資者と既存の株主がほぼ半分ずつ」と伝えています。各社が出す金額のうち、具体的な数字が報じられているのはCATLだけです。
自動車(Geely)、家電(Midea)、半導体(GigaDevice)、出前・生活サービス(Meituan)と、AIを自社の製品やサービスに組み込みたい事業会社が多いのが今回の特徴です。
評価額の見方:プレ約740億ドル、ポスト約890億ドル
評価額には、調達前の「プレマネー」と、調達した金額を足した「ポストマネー」があります。報道されているのはプレマネーの約5,000億元で、ポストマネーは報道をもとにした試算です。
評価額の種類 | 金額 | 円換算(1ドル=約157円) | 根拠 |
|---|---|---|---|
6月ラウンド後(ポスト) | 3,500億元超(約520億ドル) | 約8.2兆円 | Caixin Global 7月17日 |
今回の調達前(プレ) | 約5,000億元(約740億ドル) | 約11.6兆円 | Reuters・財経 |
今回の調達後(ポスト) | 約6,000億元(約890億ドル近く) | 約14兆円 | 報道をもとにした試算 |
プレマネーの約5,000億元は、報道によって「約740億ドル」「約688億ドル」と分かれています。これは人民元をドルに直すときの為替レートの違いによるもので、元の金額は同じです。
報道では「6月の初回ラウンド後から評価額を据え置いた」とされていますが、6月のポストマネー(3,500億元超)と今回のプレマネー(5,000億元)の数字は一致しません。7月にも評価額約710億ドルでの追加調達が報じられており、どの時点のどの評価額を「据え置き」と呼んでいるのかは、公式な開示がないため確かめられません。
DeepSeekの資金調達の流れ:外部資金ゼロから1年で2回の大型ラウンド
DeepSeekは2023年の設立から2年あまり、外部から資金を受けずに運営してきました。創業者の梁文鋒(Liang Wenfeng)氏が共同創業したクオンツ系ヘッジファンド、High-Flyer(幻方)が開発資金を出していたためです。外部からの調達は2026年5月に始まったばかりで、今回は2回目の大型ラウンドにあたります。
時期 | 出来事 |
|---|---|
2023年 | DeepSeek設立。High-Flyerが資金を出し、外部資金は受けない |
2025年1月 | 推論モデルR1をオープンウェイトで公開。米国のハイテク株が急落する |
2026年5月 | V4の公開後、招待制で初の外部調達を始める(当初の想定はプレ3,000億元) |
2026年6月 | 初の外部ラウンドで約500億元(約74億ドル)を調達。テンセント100億元、CATL50億元、梁氏も個人で大きく出資。NetEase・JD.comも参加 |
2026年7月 | 評価額約710億ドルで追加調達を検討と報道。上場の検討も始まる |
2026年9月 | IPOの助言役に中信証券(CITIC Securities)を起用と報道。V4.1-Flashの公開も報じられる |
2026年10月6日 | Bloomberg「少なくとも800億元、最大1,000億元に近づく可能性」 |
2026年10月13日 | 財経「約1,000億元に拡大、プレ約5,000億元、CATLが約100億元を追加」 |
2026年10月17日 | V4.1-Flash-1017を公開。APIの |
2026年10月19日 | 米DHSがDeepSeekの排除命令を公表(官報掲載は20日) |
2026年10月21〜22日 | Bloomberg・Reutersが約1,000億元(約150億ドル)の調達を報道。「数日以内に完了」 |
6月の初回ラウンドで梁氏が個人で出した金額は、日経が「約30億ドル」と報じています。Caixinの報道によると、初回ラウンドで直接株式と議決権を得たのは国の「国家人工知能産業投資基金」だけで、ほかの投資家の資金は梁氏が管理する組合に入り、議決権はなく5年のロックアップがかかっているとされます。
梁氏の持分は「約81.6%」(WireScreen)、「約78%」などと出典によって違い、今回のラウンド後の持分はわかっていません。外部資金を大きく入れても、経営の主導権は梁氏が握る仕組みになっているとみられます。
V4の中身はDeepSeek V4とは、10月17日の更新はDeepSeek V4.1 Flash 1017とはで詳しく解説しています。
調達したお金の使い道
報道では、資金はモデルの研究開発と計算資源(データセンター)に使われるとされています。Bloombergと36Kr Japanによると、DeepSeekは内モンゴルで建設中のデータセンターに、ファーウェイのAIチップ「昇騰(Ascend)950DT」を少なくとも16万個入れる計画です。推論は昇騰で、学習は引き続きNVIDIA製のチップで行うとされます。
米国の対中半導体規制でNVIDIAの最新チップを自由に買えないなか、国産チップで推論の能力を増やすには大きな資金が要ります。目標額を2回引き上げた背景には、V4.1-Flashの公開で利用が増え、計算資源が足りなくなっていることがあると報じられています。年換算の売上高は約10億ドルで、数か月前の倍以上になったとの報道(The Information)もあります。
上海・科創板IPOの計画:早ければ2027年と報道

上場先は上海証券取引所の科創板(STAR Market)で、2026年末までに予備審査を申請し、2027年に上場する計画だと報じられています。ただし、正式な上場申請は確認できず、公開価格・調達規模・上場日はどれも発表されていません。
項目 | 報じられている内容 | 状況 |
|---|---|---|
上場先 | 上海証券取引所・科創板 | 報道 |
助言役 | 中信証券(CITIC Securities) | 9月のReuters報道。DeepSeek・中信証券とも公式には認めていない |
予備審査の申請 | 2026年末まで | 報道 |
上場の時期 | 2027年。WSJは「2027年4〜6月を検討」、Bloombergの関係者は「2027年初めのIPOを後押しする可能性」 | 報道。媒体で幅がある |
公開価格・調達額・上場日 | 未発表 | — |
今回の大型調達は、上場前に評価額と財務の基盤を固める意味があるとみられます。中国のAI企業では、Zhipu AI(Z.ai)とMiniMaxが2026年1月に香港市場に上場しており、DeepSeekは本土の科創板を選んだ形です。
科創板の株は、海外の個人投資家が直接売買しにくい市場です。日本から投資する方法は証券会社によって違うため、上場が近づいたら各社の取り扱いを確認する必要があります。
米政府の排除命令の中身:官報で確認できること

出典: 米国土安全保障省 公式サイト
米国土安全保障省(DHS)は2026年10月19日、連邦の文民行政機関のIT環境と調達からDeepSeekの製品を外す命令を公表しました。翌20日の米連邦官報(第91巻201号、66346〜66350ページ)に掲載されています。対象はあくまで米連邦政府の文民機関で、民間企業や個人の利用は直接の対象ではありません。
官報の本文で確認できる内容
項目 | 内容 |
|---|---|
文書名 | Notice of Order Regarding Exclusion and Removal of DeepSeek Products From Federal Civilian Executive Branch Information Technology Systems and Procurements |
文書番号 | FR Doc 2026-21447、Docket No. DHS-2026-0628 |
根拠法 | 連邦調達サプライチェーン安全保障法(FASCSA、2018年)と施行規則 41 CFR 201-1 |
手続き | 連邦調達安全保障評議会(FASC)の勧告と証拠を検討したうえで、国土安全保障長官が命令 |
命令1(除外) | Hangzhou DeepSeek Artificial Intelligence Co., Ltdとその関連会社が作ったIT製品・サービスを、連邦の文民機関の調達から除外する |
命令2(撤去) | DeepSeekと関連会社の製品、さらに「DeepSeekの実装を使って作られた他社の製品・サービス」を、文民機関のITから撤去する |
問い合わせ先 | CISA(サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)のFASCSA Order Implementation Team |
影響が大きいのは命令2です。DeepSeekのアプリやAPIだけでなく、DeepSeekのモデルを組み込んで作られた他社の製品も、米連邦の文民機関では使えなくなります。
報道で伝えられている細部
命令の原本は官報の付録に画像で入っており、以下の細部は報道(TechTimes・TechCrunchほか)で確認した内容です。
- 命令はマークウェイン・マリン国土安全保障長官が2026年7月24日に署名し、10月19日に公表された
- 対象は連邦の文民行政機関(約430機関)。国家安全保障システムと機密区画情報(SCI)の施設は対象外(国防総省・国家情報長官の管轄のため)
- 新規の購入はすぐに止まる。撤去が終わるまでは、DeepSeekへの通信の監視、ログの強化、情報漏えい対策を求める
- 例外の申請期限は署名から60日以内で、公表より前の9月22日に締め切られていた
- 政府と契約している事業者は、免除がない限り、契約の履行で対象の製品を使えない(FAR 52.204-30)
- 「DeepSeekの実装を使って作られた」かどうかの判断基準を、CISAは公表時点で示していない
命令の理由について、官報の本文は書いていません。TechCrunchは、中国の法律のもとで米政府の利用者の機密データに中国当局がアクセスできるおそれがあるためと伝えています。中国外務省の毛寧報道官は「国家安全保障の概念を拡大解釈し、技術・貿易の問題を政治化することに反対する」とコメントしました。
資金調達への影響はほとんど見えない
排除命令の公表から2日後に約150億ドルの調達が報じられており、命令が今回の調達に目立った影響を与えた様子はありません。出資者のほとんどは中国の事業会社とファンドで、DeepSeekが米政府の調達から外されても出資の判断が左右されにくい顔ぶれです。
米中のAIをめぐる対立は、中国側の動きとも重なっています。中国の商務部と科学技術部は、モデルの重みを含むAI関連23項目の輸出規制案を10月16日に公表しました(中国のAI輸出規制案とは)。また、OpenAIとAnthropicは、DeepSeekなど中国企業が自社モデルの出力を無断で集めて学習に使おうとした「蒸留」の試みを報告しています。
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日本の企業と個人への影響:使い続けるかの判断のしかた

日本の企業と個人にとって、今回の資金調達も米政府の命令も、DeepSeekの利用を直接止めるものではありません。ただし、米連邦政府と取引がある企業と、DeepSeekを組み込んだ他社のサービスを使っている企業は、確認しておいた方がよい点があります。
立場別の影響
立場 | 米政府の命令の影響 | 確認すること |
|---|---|---|
個人でWebチャット・アプリを使う | なし(米連邦機関向けの命令) | 入力した内容は中国のサーバーに保存され、中国の法令が適用される点 |
日本企業が社内業務でAPIを使う | 直接はなし | 社内のデータ取り扱い規程、入力してよい情報の範囲 |
米国の連邦政府機関と契約している | あり(契約の履行で使えない) | 契約に関わる業務でDeepSeekやDeepSeek入りの製品を使っていないか |
米国の連邦機関に製品やSaaSを売っている | あり(DeepSeek入りの製品は撤去対象) | 自社製品の中でDeepSeekのモデルを使っていないか |
DeepSeekを組み込んだ他社SaaSを使う | 米政府関連の業務がなければ直接はなし | どのモデルを使っているか、提供元に確認しておく |
オープンウェイトを自社サーバーで動かす | 米政府関連の業務がなければ直接はなし | 米政府関連の業務がある場合、「DeepSeekの実装を使った製品」に当たるかは判断基準が未公表 |
日本では、2025年2月に個人情報保護委員会がDeepSeekの利用について注意を呼びかけ、デジタル庁は各府省庁に業務での利用を控えるよう求めました。どちらも法律で禁止したものではありません。2026年10月時点でこれらが更新されたかは確認できていないため、公的機関や自治体の仕事をしている企業は、発注元の方針を確かめておくと安心です。
業務で使うときのチェックリスト
- 米国の連邦政府機関と直接・間接に取引があるか
- 自社の製品やサービスにDeepSeekのモデルを組み込んでいるか(オープンウェイトを含む)
- 使っているSaaSやAIツールが、裏側でDeepSeekのモデルを使っていないか
- 公式APIに送るデータに、個人情報や取引先の機密が含まれていないか
- オープンウェイトを自社の環境で動かして、データを外に出さない方法を取れないか
- DeepSeekが使えなくなったときに、別のモデルへ切り替える手順を決めてあるか
DeepSeekのAPIはOpenAI形式とAnthropic形式の両方に対応しています。そのため、接続先のURLとモデル名を変えるだけで別のモデルにも切り替えられる作りにしておくと、規制や料金が変わったときに対応しやすくなります。オープンウェイトのモデルを自社の業務システムに組み込む場合や、API経由でつなぐ場合の進め方と費用の目安は、AI開発の費用相場にまとめています。
調達でAPIの料金やサービスは変わるか
今回の調達について、APIの料金やサービスを変えるという公式の発表はありません。2026年10月23日時点の公式料金は次のとおりです(1Mトークンあたり米ドル)。
モデルID | 中身 | 入力(キャッシュあり) | 入力(キャッシュなし) | 出力 |
|---|---|---|---|---|
| DeepSeek-V4.1-Flash-1017 | オフピーク $0.003/ピーク $0.006 | $0.15/$0.30 | $0.60/$1.20 |
| DeepSeek-V4-Pro-0813 | $0.022/$0.044 | $0.66/$1.32 | $1.98/$3.96 |
出典: DeepSeek API Docs「Models & Pricing」
ピーク時間は平日の日本時間10:00〜13:00と15:00〜19:00(中国の祝日を除く)で、それ以外のオフピークはピークの半額です。8月の料金改定の経緯はDeepSeek API値上げ、上位モデルはDeepSeek V4 Proとはで解説しています。
利用者に直接関わる近い予定として、Search API・Fetch APIをDeepSeek Harness・Claude Code・Codex経由で呼び出す場合の課金が、2026年11月1日0時(北京時間、日本時間1時)から始まります。料金は成功1,000回ごとに$0.75です(DeepSeek Harnessとは)。
昇騰16万個への投資で推論の能力が増えれば、混雑の解消や値下げにつながる可能性はあります。ただしこれは報道からの推測で、DeepSeekが約束しているものではありません。
中国AI企業・米国勢との資金規模の比較
150億ドルは中国のAI企業としては突出した規模ですが、OpenAIやAnthropicと比べるとまだ大きな差があります。
企業 | 主な資金調達・時価総額 | 時期 | 出典 |
|---|---|---|---|
DeepSeek | 約150億ドル(報道)。プレ評価額約740億ドル | 2026年10月 | Bloomberg・Reuters |
DeepSeek(前回) | 約74億ドル。ポスト評価額約520億ドル | 2026年6月 | 日経・Caixin |
Moonshot AI(Kimi) | 20億ドル。評価額200億ドル | 2026年5月 | TechCrunch |
Manus | 5億ドル超 | 2026年10月初め | TechCrunch |
Zhipu AI(Z.ai) | 香港上場。時価総額約290億ドル | 2026年1月上場 | TechCrunch |
MiniMax | 香港上場。時価総額約72億ドル | 2026年1月上場 | TechCrunch |
OpenAI/Anthropic | それぞれ累計1,000億ドル超を調達 | — | Bloomberg(Investing.com) |
ZhipuとMiniMaxの株価は、上場後の高値から大きく下げていると報じられています。DeepSeekの評価額がそのまま上場時の時価総額になるとは限りません。
各社のモデルは、Kimi K3とは、GLM-5.3とは、MiniMax M2.7とはで解説しています。Manusについては、Metaによる買収を中国当局が差し止め、テンセント主導で買い戻された経緯をMetaのManus買収を中国NDRCが差し止めにまとめています。
DeepSeekを使い続けてよい人・見直した方がよい人
資金調達で会社の資金面の不安は小さくなりましたが、データの扱いと米国の規制は以前と変わらず、新たに米政府の命令が加わりました。使い方と取引先によって判断が分かれます。
こんな人は使い続けて問題になりにくい
- 個人で、公開されても困らない内容の文章作成や調べものに使う
- 社内の業務で、個人情報や機密を入れないルールを決めたうえでAPIを使う
- オープンウェイトのモデルを自社の環境で動かし、データを外に出さずに使う
- 安いAPI料金を重視していて、別のモデルに切り替える準備もしてある
こんな場合は見直しをおすすめします
- 米国の連邦政府機関と契約している、または連邦機関向けに製品・SaaSを売っている
- 顧客の個人情報や取引先の機密を、公式のWebチャットやAPIにそのまま入れている
- 官公庁・自治体の仕事で、発注元がDeepSeekの利用を認めているか確認していない
- DeepSeekが使えなくなったときの代わりを決めていない
まとめ
- DeepSeekは約1,000億元(約150億ドル、約2.3兆〜2.4兆円)を調達すると報じられている。DeepSeekと出資者は公式発表をしておらず、10月23日時点で完了も確認されていない
- 中心の出資者はCATLとテンセントで、ほかにGeely・Meituan・Midea・NetEaseなど15社超。調達前の評価額は約5,000億元(約740億ドル)と報じられている
- 上海・科創板への上場は、2026年末までに予備審査を申請し、2027年に上場する計画と報じられている。正式な申請はまだ確認できない
- 米DHSの排除命令は官報で確認できる確定事項。対象は米連邦の文民機関で、DeepSeekを組み込んだ他社製品も撤去の対象になる
- 日本の企業と個人の利用を直接止めるものではない。米連邦政府と取引がある企業と、DeepSeek入りの製品を扱う企業は自社の状況を確認しておく
- 調達によるAPI料金の変更は発表されていない。直近では11月1日にSearch/Fetch APIのHarness・Claude Code・Codex経由の課金が始まる
資金調達の完了や上場申請、CISAによる判断基準の公表があれば、内容が変わる可能性があります。業務で使う場合は、DeepSeekの公式発表と米連邦官報を合わせて確認してください。
よくある質問
DeepSeekの株は今買えますか?
買えません。DeepSeekは非上場で、上海・科創板への上場は早くても2027年と報じられています。今回の調達は招待された事業会社とファンドだけが参加するもので、一般の投資家は参加できません。中国国内で上場した後も、科創板の個別株を日本から売買できるかは証券会社によって違います。
米国では個人がDeepSeekを使うと違法になりましたか?
なっていません。今回の命令は、米連邦の文民機関の調達とIT環境を対象にしたもので、民間企業や個人の利用を禁じてはいません。米国の企業で働く人は、勤務先が業務での利用をどう定めているかを確認しておくとよいでしょう。
日本政府はDeepSeekを禁止していますか?
法律で禁止はしていません。2025年2月に個人情報保護委員会が利用時の注意を呼びかけ、デジタル庁が各府省庁に業務での利用を控えるよう求めた、という段階です。民間企業での利用は、それぞれの会社の判断に任されています。
テンセントの「元宝(Yuanbao)」など、DeepSeekのモデルを使った他社のアプリも米国の命令の対象ですか?
米連邦の文民機関に対しては、「DeepSeekの実装を使って作られた他社の製品・サービス」も撤去の対象と官報に書かれています。ただし、どこまでが該当するかの判断基準はCISAがまだ示していません。日本の民間企業や個人が他社のアプリ経由で使う場合は、米政府関連の業務でなければ直接の対象にはなりません。
150億ドルの調達で、DeepSeekのモデルはオープンウェイトのまま公開され続けますか?
公式な方針の発表はありません。報道では調達資金の使い道にオープンモデルへの投資が含まれるとされていますが、上場後もモデルの重みを公開し続けるかは、DeepSeekが今後どう説明するかを見る必要があります。
このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します
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