AIツール2026年6月更新

DeepSeekとは?特徴・料金・使い方・ChatGPTとの違いを完全解説【2026年最新版】

公開日: 2026/04/19
更新日: 2026/06/19
DeepSeekとは?特徴・料金・使い方・ChatGPTとの違いを完全解説【2026年最新版】

この記事のポイント

DeepSeekは中国発の高性能LLMで、Web版は完全無料。V4-Pro/V4-Flashが最新フラッグシップ(2026年4月リリース)で1Mトークンコンテキストを世界最安水準のAPIコストで利用可能。ChatGPTとの違い・セキュリティリスク・業務利用の判断軸を最新情報で徹底解説。

DeepSeek(ディープシーク)は、中国のAIスタートアップが開発する大規模言語モデルシリーズで、Webチャット・アプリは完全無料、APIはフラッグシップモデルを世界最安水準のコストで利用できます。2026年4月にV4-Pro/V4-Flashが正式リリースされ、1Mトークンコンテキストへ大幅進化しました。一方、データが中国サーバーに保管されるため、日本の個人情報保護委員会・デジタル庁が業務利用への注意喚起を出しています。

この記事でわかること

  • DeepSeekの開発元・最新モデル(V4-Pro / V4-Flash)の概要
  • 2025年1月「DeepSeekショック」が起きた経緯と技術的背景
  • ChatGPT・Claude・Geminiとの料金・機能・セキュリティの違い
  • Web版・スマホアプリ・APIの3通りの使い方
  • 日本政府が注意喚起した理由と業務利用時の具体的な判断軸
  • ⚠️ deepseek-chat/deepseek-reasoner APIエンドポイントの2026年7月廃止予定と移行方法

「DeepSeekを業務で使っていいか判断したい」「最新V4モデルの料金を確認したい」「ChatGPTとの違いを整理したい」という方向けの記事です。

DeepSeekの公式ロゴとブランドイメージ

出典: DeepSeek 公式サイト

DeepSeekとは|開発元と基本情報

AIテクノロジーと中国発スタートアップのイメージ

DeepSeekは、2023年7月に設立された中国・杭州市のAI企業「杭州深度求索人工智能基础技术研究有限公司」が開発・公開する大規模言語モデルシリーズの総称です。中国の量的ヘッジファンド「High-Flyer(幻方量化)」創業者の梁文鋒(Liang Wenfeng)氏が立ち上げました。

項目

内容

正式社名

杭州深度求索人工智能基础技术研究有限公司

ブランド名

DeepSeek(ディープシーク)

設立

2023年7月

本社

中国・浙江省杭州市

CEO・創業者

梁文鋒(Liang Wenfeng)

出資元

High-Flyer(幻方量化)

主な事業

大規模言語モデル(LLM)の研究・開発・オープン公開

公式サイト

https://www.deepseek.com/

モデル公開先

Hugging Face(MITライセンス等)

DeepSeek社の最大の特徴は、GPT-4クラスの性能を実現しながらモデル重みをオープン公開している点です。2024年12月のV3から始まり、2025年1月のR1、2025年12月のV3.2、そして2026年4月のV4(Pro/Flash)と高頻度でモデルを更新しており、現行フラッグシップはDeepSeek-V4シリーズです。

「DeepSeekショック」と呼ばれた理由

DeepSeek-AIの研究論文(Hugging Face掲載)」世界に衝撃を与えた高性能AIモデルの研究成果

出典: DeepSeek-AI 公式 Hugging Face

DeepSeekが世界的に注目されるきっかけとなったのが、2025年1月末の通称「DeepSeekショック(Sputnik Moment)」です。推論特化モデル「DeepSeek-R1」が、OpenAI o1相当の性能を圧倒的に低い訓練コストで実現したとして市場に衝撃を与えました。

同時期に起きた出来事:

  • DeepSeekアプリが米App Storeの無料ランキング1位を獲得(ChatGPTを抜く)
  • NVIDIAの時価総額が1日で約17兆円(約6,000億ドル)相当下落。GPU大量投資モデルへの疑念が高まった
  • 訓練コスト約550万ドルでGPT-4o相当のモデルが作られたと報告(OpenAIの推定訓練コスト1億ドル以上と比較)
  • モデル重みがMITライセンスで完全公開され、誰でも商用利用・ローカル実行が可能
  • 数学ベンチマーク(AIME 2024)で正確率96.7%を記録

この出来事を機に、AI業界では「巨額のGPU投資=最強モデル」という前提が揺らぎ、効率的な学習アーキテクチャへの関心が世界的に高まりました。

DeepSeekの主要モデル一覧(2026年6月時点)

現行フラッグシップはDeepSeek-V4シリーズ(2026年4月24日プレビュー公開)です。Webチャット(chat.deepseek.com)のデフォルトモデルはV4-Flashに変更されています。

DeepSeek V4のDSAアーキテクチャとMixture-of-Expertsの技術イメージ

モデル

位置づけ

提供形態

リリース

ライセンス

DeepSeek-V4-Pro

現行フラッグシップ(高精度・深い推論)

API・Web(Expertモード)

2026年4月24日

未公開

DeepSeek-V4-Flash

現行標準(高速・低コスト)

API・Web(Instantモード・デフォルト)

2026年4月24日

未公開

DeepSeek-V3.2

前世代フラッグシップ

API(廃止予定)・Hugging Face

2025年12月

MIT License

DeepSeek-R1 / R1-0528

推論特化(前世代)

Hugging Face

2025年1月 / 5月

MIT License

DeepSeek-V3

前世代汎用

Hugging Face

2024年12月

MIT License

DeepSeek Coder V2

コード特化

Hugging Face

DeepSeek VL

ビジョン(画像理解)

Hugging Face

⚠️ 重要:APIエンドポイント廃止予定(2026年7月24日)

deepseek-chatdeepseek-reasonerのAPIエンドポイントは、2026年7月24日に廃止予定です。これらはV3.2へのエイリアスだったエンドポイントで、V4対応の新エンドポイントへの移行が必要です。

旧エンドポイント(廃止予定)

廃止日

移行先(V4)

deepseek-chat(V3.2 非思考モード)

2026年7月24日

deepseek-v4-flash

deepseek-reasoner(V3.2 思考モード)

2026年7月24日

deepseek-v4-pro

現在これらのAPIを利用中の開発者は、2026年7月24日までに移行対応を完了してください。

V4モデルのスペック詳細

項目

V4-Pro

V4-Flash

総パラメータ数(MoE)

1.6T(1兆6千億)

284B(2840億)

アクティブパラメータ

49B(490億)

13B(130億)

コンテキスト長

1Mトークン

1Mトークン

最大出力トークン

384K

384K

アーキテクチャ

DSA(DeepSeek Sparse Attention)

同左

Webチャットでの提供

Expertモード

Instantモード(デフォルト)

V3.2のコンテキスト長128Kと比べ、V4は1Mトークン(約75万語相当)へ大幅拡張。長文書類・大規模コードベース・長い会話履歴の処理に適しています。

DeepSeekの技術的特徴

DeepSeek-V3のベンチマーク比較チャート(主要LLMとの性能比較)

出典: DeepSeek-V3 公式GitHub

DeepSeekが「同等性能を低コストで」実現できる背景には、複数のアーキテクチャ革新があります。

Mixture of Experts(MoE)— 動的な専門家活性化

総パラメータ数のうち推論時には必要な一部のみを動的に活性化します。V4-Proは1.6兆パラメータのうち約49Bのみが稼働する設計で、全パラメータを動かす従来型と比べて計算量・メモリ使用量を大幅に削減できます。

DeepSeek Sparse Attention(DSA)— 長文処理の効率化

V4の中核技術。Attentionの計算量を従来のO(L²)からO(Lk)に削減し、長文処理のFLOPsをV3.2比で27%削減、KVキャッシュ使用量を10%まで圧縮します。「lightning indexer」と「token-selector」の2段構成で関連度の高いトークンだけを選択的に処理するため、1Mトークンの長文処理も低コストで実行できます。

Multi-head Latent Attention(MLA)— メモリ効率改善

Attention計算のKey/Valueキャッシュを潜在空間に圧縮し、推論時のVRAM消費を削減。長文コンテキストでの推論コストが下がります。

FP8混合精度学習 — 学習コスト削減

通常FP16で行われる学習を一部FP8で実行することで、学習に必要なGPU時間を圧縮しています。

DeepSeekでできること・できないこと

できること

  • 多言語対話 — 日本語・中国語・英語に標準対応。日本語の文章生成も実用水準
  • 数学・論理推論 — 数学オリンピックレベルの問題でも高精度(R1でAIME 2024正確率96.7%)。V4-Proも高い推論力を持つ
  • コーディング支援 — Python・JavaScript・SQL・Goなど主要言語のコード生成・デバッグ・説明
  • 長文処理 — V4では1Mトークンに対応。長い技術文書・契約書・コードベース全体の解析が可能
  • 要約・翻訳・文書作成 — ビジネスメール・レポート・コピーライティング
  • JSON出力・ツール呼び出し(Function Calling) — API経由でエージェント的な処理が可能
  • ストリーミング応答・コンテキストキャッシング — API機能として提供

できないこと・制約

制約

内容

画像生成

メインモデルには画像生成機能なし(DALL-E・Stable Diffusion相当なし)

音声会話

ChatGPT Advanced Voice Mode相当なし

動画生成

提供なし

リアルタイム検索

Web検索は限定的対応。最新情報が常に得られるわけではない

政治的トピック

天安門事件・台湾問題・ウイグル問題等は回答拒否または中国政府寄りの回答になる場合がある

日本語サポート

日本法人なし。問い合わせは英語・中国語のみ

DeepSeekの料金プラン

DeepSeekは、Webチャット・スマホアプリは完全無料、APIのみ従量課金という料金体系です。

Webチャット・スマホアプリ(完全無料)

  • 料金: 完全無料(クレジットカード不要)
  • 登録: メールアドレスまたはGoogle・Appleアカウントでサインアップ
  • 対応: 日本語インターフェース・日本語応答に対応
  • 配布: chat.deepseek.com、iOS / Androidアプリ
  • 操作モード: Instantモード(V4-Flash・高速)・Expertモード(V4-Pro・精度重視)

無料でフラッグシップモデルが使えるため、個人の検証・学習用途ではハードルが非常に低いツールです。ただし入力内容がモデル学習に利用される前提のため、機密情報の入力は避けてください。

API料金(2026年6月時点・プロモーション価格適用中)

deepseek-v4-flash(標準モデル)

課金タイプ

単価(100万トークンあたり)

入力(キャッシュミス)

$0.14

入力(キャッシュヒット)

$0.0028

出力

$0.28

deepseek-v4-pro(高性能モデル)

課金タイプ

単価(100万トークンあたり)

入力(キャッシュミス)

$0.435

入力(キャッシュヒット)

$0.003625

出力

$0.87

注意: 現在の料金は最大75%のプロモーション割引が適用された価格です。割引終了後は標準価格に移行しますが、終了時期は公式未発表です。最新料金はDeepSeek API公式料金ページで確認してください。

旧モデルの料金(廃止予定・参考)

モデル

入力

出力

廃止予定

deepseek-chat(V3.2エイリアス)

$0.28 / 1M

$0.42 / 1M

2026年7月24日

deepseek-reasoner(V3.2エイリアス)

$0.28 / 1M

$0.42 / 1M

2026年7月24日

主要AIのAPI料金比較(100万トークンあたり・参考)

サービス

モデル

入力単価

出力単価

DeepSeek

V4-Flash

$0.14

$0.28

DeepSeek

V4-Pro

$0.435

$0.87

OpenAI

GPT-4o(参考)

約$2.50〜

約$10.00〜

Anthropic

Claude Sonnet(参考)

$3.00〜

$15.00〜

Google

Gemini Pro(参考)

約$1.25〜

約$5.00〜

DeepSeek V4-Flashは、フラッグシップクラスのモデルとして世界最安水準にあります。翻訳・分類・要約などの大量バッチ処理では他社と比べてコスト差が特に大きくなります。

生成AI全般の料金比較は生成AI料金比較も参考にしてください。

DeepSeekの使い方

DeepSeekはWeb版・スマホアプリ・APIの3形態で利用できます。

Web版で使う

  1. chat.deepseek.com にアクセス
  2. メールアドレス(またはGoogle / Appleアカウント)でサインアップ
  3. 日本語でプロンプトを入力するだけで対話開始
  4. Instantモード(高速応答・V4-Flash・デフォルト)とExpertモード(深い推論・V4-Pro)を切り替えられる

スマホアプリで使う

iOS(App Store)、Android(Google Play)で公式アプリが配布されています。アカウントはWeb版と共通です。

APIで使う

開発者向けに、OpenAI互換のAPIエンドポイントが提供されています。

  1. platform.deepseek.com でアカウント登録
  2. クレジットカードまたはプリペイドクレジットを登録
  3. APIキーを発行
  4. OpenAI SDK互換でリクエスト送信
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key="<DeepSeek_API_KEY>",
    base_url="https://api.deepseek.com"
)

response = client.chat.completions.create(
    model="deepseek-v4-flash",  # または "deepseek-v4-pro"
    messages=[{"role": "user", "content": "DeepSeekの特徴を3つ教えて"}]
)
print(response.choices[0].message.content)

⚠️ deepseek-chat/deepseek-reasonerは2026年7月24日廃止予定。既存コードはdeepseek-v4-flash/deepseek-v4-proに書き換えてください。

オープンウェイトをローカル実行する

Hugging Face(deepseek-ai)から重みをダウンロードして自社GPU環境で動かせます。V3・R1・V3.2はMITライセンスで商用利用・派生モデル作成が自由です(V4のライセンスは現時点未確認)。

完全ローカル実行であればデータを中国サーバーに送信せず済むため、機密性の高い業務での現実的な選択肢になります。ただしフルサイズのV3.2(671B)でもH100クラスのGPUが複数枚必要で、V4-Proはさらに規模が大きくなります。

DeepSeekとChatGPT・Claude・Geminiの違い

DeepSeek・ChatGPT・Claude・Geminiの主要生成AIモデル比較

主要な生成AIとDeepSeekの違いを、料金・データ管理・機能の観点で整理します。

比較項目

DeepSeek(V4-Flash)

ChatGPT

Claude

Gemini

開発元

DeepSeek(中国)

OpenAI(米国)

Anthropic(米国)

Google(米国)

API入力単価(参考)

$0.14

約$2.50〜

$3.00〜

約$1.25〜

Web版料金

完全無料

無料〜$20/月

無料〜$20/月

無料〜$19.99/月

オープンウェイト

あり(MIT・V3.2以前)

なし

なし

一部(Gemma系)

データ保管先

中国

米国

米国

米国

学習オプトアウト

不可(Web/アプリ)

可能

デフォルトで学習しない

可能

APIコンテキスト長

1M トークン(V4)

128K〜

最大200K

最大2M

日本語品質

実用水準

高い

非常に高い

高い

画像生成

なし(メイン)

あり

なし

あり

日本語サポート

なし

あり

あり

あり

ジェイルブレイク耐性

低い(要注意)

高い

高い

高い

コスト最重視ならDeepSeek V4-Flash

V4-Flashの入力$0.14は、フラッグシップクラスのモデルとして最安水準です。翻訳・要約・分類など「大量処理したい」用途で圧倒的なコスト優位性を発揮します。

汎用性・エコシステムならChatGPT

GPTs・音声機能・画像生成など周辺機能の幅広さと豊富なサードパーティ連携が強みです。詳しくはChatGPTとはをご覧ください。

長文処理・自然な日本語ならClaude

日本語の自然な文章生成と長文コンテキスト理解ではClaudeに優位性があります。詳しくはClaudeとはをご覧ください。

Google連携・検索統合ならGemini

Google検索・Workspace・Androidとの深い統合がGeminiの強みです。詳しくはGeminiとはをご覧ください。

生成AIの選び方全般については生成AIツールおすすめ比較も参考にしてください。

DeepSeekのセキュリティリスクと業務利用の判断軸

DeepSeekのデータ保管先と業務利用時のセキュリティリスク

DeepSeekは技術的に魅力的なモデルですが、業務利用では複数のリスクが存在します。日本政府も公式に注意喚起を出しています。

日本政府・機関の公式対応

機関

対応内容

時期

個人情報保護委員会

「中国国内のサーバーに保存され同国の法令が適用される」と公式注意喚起

2025年2月3日

デジタル庁(幹事会事務局)

「機密情報の入力禁止・リスク評価の実施」を各省庁に通達

2025年2月6日

トヨタ自動車

社内利用を全面禁止

2025年2月

ソフトバンク

業務用端末でのアクセス・ダウンロードを規制

2025年2月

三菱重工業

社員からの利用申請を却下

2025年2月

リスク1:データが中国に保管される

DeepSeekの公式プライバシーポリシーには、ユーザー情報が「中華人民共和国にある安全なサーバーに保存される」と明記されています(公式プライバシーポリシーより)。

収集されるデータ:チャット履歴・入力テキスト・IPアドレス・デバイス識別子・キーストロークパターン・位置情報(IPベース)など。

中国の「個人情報保護法」「サイバーセキュリティ法」「国家情報法」が適用されるため、当局がデータ提供を求めた場合に企業が拒否しにくい法的構造があります。

リスク2:入力内容のモデル学習利用(オプトアウト不可)

Web版・アプリ版では、ユーザーの入力テキストが自動的にモデル学習に利用されます。現時点で学習除外(オプトアウト)の設定は提供されていないため、機密情報・顧客データの入力は実質禁忌です。

リスク3:中国国家情報法による当局提供の可能性

中国国家情報法(2017年)第7条により、中国の組織・個人は国家情報活動への協力義務を負います。DeepSeekが保有するデータは、当局から要請があった場合に提供を拒否しにくい環境にあります。

リスク4:ジェイルブレイク耐性の低さ

Cisco社の調査では、DeepSeek-R1への有害プロンプトの攻撃成功率が100%と報告されています(GPT-4は約26%)。不特定多数のエンドユーザーが直接触れるサービスへの組み込みには慎重な判断が必要です。

リスク5:外部機関が指摘するコード上の懸念

カナダのサイバーセキュリティ企業Feroot Securityの調査(2025年2月・ABCニュース報道)では、DeepSeekのコードに中国政府系サイト「CMPassport.com」へのデータ送信の可能性がある機能が発見されました(DeepSeek公式は公式コメントを出していません)。またモバイルアプリでApp Transport Security(ATS)が無効化されているとの報告もあります。

セキュリティ改善の動き:SOC 2 Type II認証取得(2025年12月)

DeepSeekは2025年12月にSOC 2 Type II認証を取得しています。セキュリティ・可用性管理についての第三者監査認証であり、一定の改善の動きとして注目されます。ただしデータ保管先が中国であること・中国法の適用という根本的なリスク要因は変わりません。

利用形態ごとのリスク比較

利用形態

データ送信先

学習利用

中国法適用

リスク評価

Web版・スマホアプリ

DeepSeek社(中国)

される(オプトアウト不可)

直接適用

最大

API直接利用

DeepSeek社(中国)

要規約確認

直接適用

Microsoft Azure等経由

クラウドプロバイダ

プロバイダ規約準拠

プロバイダによる

オープンウェイトをローカル実行

自社環境

なし

なし

機密情報・顧客データを扱う業務では、ローカル実行か信頼できるクラウドプロバイダ経由が現実的な選択肢です。

生成AI全般のセキュリティリスクについては生成AIセキュリティリスク解説で詳しく整理しています。

海外の主な規制・制限措置(参考)

台湾(政府機関での利用禁止)、イタリア(一時停止措置)、米国(国土安全保障省が懸念表明)など複数の国・地域で規制が導入されています。各国の状況は随時変化するため、最新情報を確認してください。

こんな方におすすめ

以下に当てはまる方には、DeepSeekは有力な選択肢になります。

  • コストを最重視する開発者・スタートアップ — V4-Flashは世界最安水準。他社フラッグシップより大幅に安いケースが多い
  • 大量バッチ処理を行う用途 — 翻訳・分類・要約パイプラインでコスト優位が際立つ
  • 数学・コーディング・論理推論タスクを重視する人 — V4-Proの推論力は世界トップクラス
  • オープンウェイトでローカル実行したい企業 — V3・R1・V3.2はMITライセンスで自社GPU環境にデプロイ可能
  • 個人利用・検証・学習目的 — Web版・アプリは完全無料で日本語対応
  • 1Mトークンの長文処理が必要な用途 — V4では契約書全体・大規模コードベースの一括処理が可能

特に、自社GPU環境でV3.2以前のモデルをローカル実行する場合は、データを外部に出さずに業務でも活用できる可能性があります。

こんな方には向かない

次に当てはまる方には、他のツールの優先的な検討をおすすめします。

  • 機密情報・顧客データを入力する業務利用者 — Web版・API直接利用はデータが中国に送信される
  • 公的機関・自治体・規制業種(金融・医療・防衛など) — デジタル庁の注意喚起対象。コンプライアンス対応困難
  • エンドユーザー向けにAIサービスを公開する事業者 — ジェイルブレイク耐性が低く有害応答リスクの管理が難しい
  • 画像生成・動画生成が必要なクリエイター — メインモデルはテキスト中心
  • 日本語サポートを重視する法人 — 日本法人なし。問い合わせは英語・中国語のWebフォームのみ
  • 中国関連トピックの中立的な分析が必要な人 — 政治的に敏感なトピックで回答が制限される

これらに該当する場合は、ClaudeとはChatGPTとはを比較検討することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. DeepSeekは無料で使えますか?

Webチャット(chat.deepseek.com)とiOS / Androidアプリは完全無料です。クレジットカードの登録も不要で、メールアドレスだけで使い始められます。APIのみ従量課金(V4-Flash: 入力$0.14/1M・出力$0.28/1M)です。

Q2. DeepSeekは日本語に対応していますか?

対応しています。Web版・アプリのインターフェースおよび応答とも日本語で利用可能です。日本語の生成品質も実用水準ですが、日本固有の最新情報や文化的なニュアンスの精度では、ClaudeやChatGPTに分があるケースもあります。

Q3. DeepSeekはChatGPTと比べて何が違いますか?

最大の違いは料金・ライセンス・データ保管先の3点です。DeepSeekはAPI単価がChatGPTより大幅に安く、過去モデルのウェイトがMITライセンスでオープン公開されています。一方でデータ保管先が中国であること、画像生成等の機能が弱いこと、日本語サポートがないことが主な違いです。

Q4. 業務でDeepSeekを使っても大丈夫ですか?

機密情報・顧客データを扱う業務利用は推奨されません。日本の個人情報保護委員会(2025年2月3日)とデジタル庁(2025年2月6日)が公式に注意喚起を出しています。機密性の低い社内タスクや、自社GPU環境でV3.2以前のモデルをローカル実行する場合は検討の余地があります。

Q5. deepseek-chatdeepseek-reasonerはいつまで使えますか?

2026年7月24日に廃止予定です。それ以降はdeepseek-v4-flash(旧deepseek-chat相当)またはdeepseek-v4-pro(旧deepseek-reasoner相当)への移行が必要になります。移行前に動作確認とコードの書き換えを済ませてください。

Q6. DeepSeek V4の主な変更点は何ですか?

主な変更点は次のとおりです。①コンテキスト長が128K→1Mトークンへ大幅拡張、②V4-Pro(高精度)とV4-Flash(高速・低コスト)の2モデル体制、③DSAアーキテクチャによる計算効率向上(V3.2比FLOPs27%削減)、④Webチャットに「Instantモード」「Expertモード」が追加されインターフェースが刷新。

Q7. オープンウェイトをローカル実行するには何が必要ですか?

V3.2(671Bパラメータ)のフルサイズ実行にはH100クラスのGPUが複数枚必要です。V4のフルサイズはさらに規模が大きく要確認です。研究・検証用途であれば量子化モデル(GGUF形式等)もコミュニティが公開しています。推論サービス経由(DeepInfra・SiliconFlow・Microsoft Azureなど)の利用も選択肢です。

Q8. DeepSeekのセキュリティは改善されていますか?

2025年12月にSOC 2 Type II認証を取得しており、セキュリティ・可用性管理の第三者監査を受けています。ただしデータ保管先が中国であること・中国法の適用という根本的なリスク要因は変わっていないため、日本政府の注意喚起も継続中です。

まとめ|DeepSeekは「用途と利用形態の選択」で価値が出るAI

DeepSeekは圧倒的な低コスト・高い推論性能・オープンウェイト公開という3点で業界の常識を変えたAIです。2026年4月のV4リリースでコンテキスト長が1Mトークンへと大幅拡張され、さらに実用性が高まっています。一方でデータ保管先が中国であること、日本政府の公式注意喚起、ジェイルブレイク耐性の低さなど、業務利用には独自の判断が必要です。

用途別の利用判断まとめ

用途

推奨レベル

理由

個人学習・検証

✅ 積極活用

完全無料で高性能。リスク許容できる

コスト重視のAPI開発

✅ 積極検討

V4-Flashは世界最安水準の料金

大量バッチ処理

✅ 積極検討

コスト優位が特に際立つ用途

機密情報なしの社内タスク

⚠️ 条件付き

機密情報を含まない範囲内で

機密情報・顧客データを扱う業務

❌ 非推奨

データが中国に送信される

公的機関・規制業種

❌ 非推奨

政府注意喚起あり。コンプライアンス対応困難

ローカル実行(V3.2以前)

✅ 積極検討

データ送信なし。MITライセンスで商用利用可

⚠️ 開発者への重要注意: deepseek-chatdeepseek-reasonerのAPIエンドポイントは2026年7月24日廃止予定です。deepseek-v4-flashdeepseek-v4-proへの移行を早めに進めてください。

ChatGPT・Claude・Geminiとの詳細な比較は生成AIツールおすすめ比較を、料金の詳細は生成AI料金比較をご覧ください。中国系AIの最新動向(Qwen 3.5-Omniなど)も合わせて追うと、生成AI全体の構造変化を捉えやすくなります。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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