AIコーディング2026年10月更新

Cursor Computer Useとは?デスクトップアプリ・iOSシミュレーターを操作する使い方と権限・注意点【2026年10月】

公開日: 2026/10/26
Cursor Computer Useとは?デスクトップアプリ・iOSシミュレーターを操作する使い方と権限・注意点【2026年10月】

この記事のポイント

Cursor Computer Useは、Cursorのエージェントがクリック・入力・スクリーンショットでデスクトップアプリやiOSシミュレーターを操作する機能です(2026年10月23日発表)。使い方、macOSの権限設定、料金、セキュリティ上の注意点、Claude Code・Codexとの違いを解説します。

Cursor Computer Useは、Cursorのエージェントがクリック・文字入力・スクリーンショットを使って、ブラウザ以外のデスクトップアプリも操作する機能です。 2026年10月23日(米国時間)に発表されました。iOSシミュレーターで自分が作ったアプリを動かし、機能が正しく動くかをエージェント自身が確かめる、という使い方が想定されています。

呼び出し方は2通りです。エージェントが必要だと判断して自動で使う場合と、プロンプトで @ から「Computer Use」を選んで明示的に頼む場合があります。macOSでは、ヘルパーアプリ「Cursor Computer Use」にアクセシビリティと画面収録の権限を与える必要があります。画面全体を見て他のアプリを操作できる強い権限なので、使う環境は分けたほうが安全です。

この記事でわかること

  • Cursor Computer Useで何ができて、何がまだできないのか
  • 既存のBrowserツール・Cloud Agents・セルフホストワーカーとの違い
  • 料金とプランの関係(The X Subscription統合後の現行プラン)
  • macOSでの使い方と、iOSシミュレーターでテストを頼むときの指示の書き方
  • 許可する権限の意味と、使い終わったあとの外し方
  • セキュリティ上の注意点、チーム・企業で使うときの確認事項
  • Claude Code・OpenAI Codex・GeminiのComputer Useとの違い

こんな方に向けて書いています

  • Cursorでネイティブアプリ・iOSアプリを開発していて、画面での動作確認をエージェントに任せたい方
  • 「Macの操作をAIに任せて大丈夫か」を判断したい方
  • チームでCursorを使っていて、Computer Useを許可するか止めるかを決める立場の方

2026年10月26日時点では、Cursorの公式changelogにComputer Useの項目はまだなく、手元のデスクトップ版(ローカルエージェント)向けの公式ドキュメントも公開されていません。公式に確認できるのは、Cursor公式Xの発表と、セルフホストワーカー向けのドキュメント「Computer use and desktop sharing」、Cloud Agentsのドキュメントです。ローカル版の細かい挙動は、公式ドキュメントが出るまで「未確認」として扱います。

Cursor Computer Useとは

Cursor公式ブログのトップ画面(Computer Useなどの新機能を発表しているCursorの公式ブログ)

出典: Cursor 公式ブログ

Cursor Computer Useは、コードを書いたエージェントがそのままアプリを起動して画面から操作し、動作を確かめるための機能です。 Cursor公式Xは「Cursor can now control your computer. Agents can drive desktop apps like the iOS Simulator to test the features they build.」と発表しています。続く投稿では「ブラウザだけでなく、コンピューター上のあらゆるアプリでクリックと入力ができる」「タスクに必要なときはCursorが自分で使う」「プロンプトで @-mention して呼ぶこともできる」と説明しています。

2026年10月26日時点でわかっている要点を表にまとめます。

項目

内容(2026年10月26日時点)

発表日

2026年10月23日(米国時間、Cursor公式X)

開発元

Anysphere(Cursor)。2026年8月にSpaceXによる買収が完了

できること

デスクトップアプリのクリック・文字入力・画面の取得(スクリーンショット)

想定用途

iOSシミュレーターやネイティブアプリで、作った機能をエージェント自身がテストする

呼び出し方

①エージェントが必要と判断して自動で使う ②プロンプトで @ → Computer Use を選ぶ

使い始め方

Cursorを最新版にアップデート

対応OS(ローカル版)

公式の明記なし。macOSでの利用報告が中心。Windowsは未確認

料金

Computer Use単体の料金は発表されていない。プランの利用枠の中で使う形とみられる

公式ドキュメント

ローカル版は未公開。セルフホストワーカー版・Cloud Agents版は公開済み

Cursor全体の機能や料金をまだ押さえていない場合は、先にCursorとは?料金・無料枠・できることを読むと話がつながりやすくなります。

これまでのCloud Agentsと何が違うのか

新しいのは「手元のデスクトップ版のエージェントでも画面操作ができるようになった」点です。 画面操作そのものは、Cursorにはすでにありました。

  • 2026年2月24日:Cloud Agentsの新版で、エージェントが分離された仮想マシン(フルデスクトップ環境)をマウスとキーボードで操作できるようになった。成果としてスクリーンショット・動画・ログをPRに添付し、人がリモートデスクトップで操作を引き継ぐこともできる
  • 2026年9月:自分のMac・Linuxをワーカーとして登録する「Self-Hosted Machines」で、クラウドのエージェントがそのマシンのデスクトップを操作できるようになった

どちらも「クラウドから指示されたエージェントが、別の環境を操作する」形でした。10月23日の発表は、いま自分が開いているCursorのエージェントが、同じMacのアプリを操作できるようになったという意味です(複数の海外メディアの報道で一致。公式ドキュメントでの明文化は未確認)。

発表までの経緯

ローカルのデスクトップ操作は、Cursorのユーザーから要望の多い機能でした。

日付

出来事

2026年2月24日

Cloud Agents新版。分離VM+フルデスクトップ、動画・スクショ付きPR

2026年6月18日

公式フォーラムでCursorスタッフが「ローカルのデスクトップ操作はネイティブ未対応。computer-useのMCPサーバーをつなぐのが回避策」と回答

2026年9月

Self-Hosted Machines(Mac・Linuxのcomputer use)が登場

2026年9月21日

スタッフが「Agents Windowにシミュレーターのパネルはない。セルフホストのMac+computer-useワーカーで代替を」と案内

2026年10月6日

iOSアプリからローカルエージェントを遠隔操作する機能が登場

2026年10月23日

Computer Useを発表。ローカルのデスクトップ版でもデスクトップアプリ・iOSシミュレーターを操作

フォーラムには「Codexの方がこの機能があるぶん優れている」という声もあり、Claude CodeやOpenAI Codexに先を越されていた機能をようやく追いかけた形です。iOSアプリから手元のエージェントを動かす機能はCursorモバイルアプリの解説で扱っています。

Cursor Computer Useでできること・できないこと

得意なのは「GUIでしか確かめられない動作」の確認です。 一方で、実機での動作保証や、ロジック単体の検証には向きません。

できること

  • デスクトップアプリの操作:ボタンのクリック、テキスト入力、画面遷移
  • 画面の取得:スクリーンショットを撮り、表示内容を読み取る
  • iOSシミュレーターでのテスト:作ったアプリを起動し、タップ・入力して期待どおりに動くかを見る(公式Xのデモ)
  • 修正ループ:ビルド → 起動 → 操作 → スクショで確認 → 失敗ならコードを直して再ビルド、という流れをエージェントが回す
  • 自動・明示の使い分け:エージェントに判断を任せるか、@Computer Use で確実に使わせるかを選べる

できないこと・現時点の制約

制約

内容

実機の代わりにはならない

シミュレーターで通っても、タッチの感触・性能・カメラ・位置情報・Bluetoothなどは確認できない

ビルドできる環境が前提

iOSのテストには、すでにビルド・起動できるXcodeプロジェクトが必要

ロジック単体の検証には不向き

関数の戻り値やAPIのレスポンスは、ユニットテストの方が速く確実

古いビルドでは意味がない

修正前のビルドを操作しても、修正の確認にはならない

Windows対応は未確認

公式の言及なし。フォーラムにはWindowsで「Computer Useのツールが出てこない」という報告がある(ユーザー報告)

既知の不具合報告

Xcode 27のDevice Hubのシミュレーターで、クリックがタップとして入らないという報告がある(スクショは取れる。ユーザー報告で未確認)

長時間の実行

macOS 15(Sequoia)以降は画面収録の再確認が定期的に求められ、長く動かしているとスクショが止まることがある

Cursor Computer Useの強みと弱み

最大の強みは、コード編集・ターミナル・画面での確認が1つのエージェントで完結することです。 弱みは、ローカル版の承認の仕組みや対応OSがまだ文書化されていない点にあります。

強み

  • コードを書いたエージェントがそのまま動作確認まで進めるので、「書く人」と「試す人」の間で状況を説明し直す必要がない
  • 同じCursorの中で、手元(ローカル)・クラウドVM(Cloud Agents)・自分のマシン(セルフホスト)と、実行場所を選べる
  • 普段使っているエディタから @ で呼ぶだけなので、別アプリを立ち上げる手間がない

弱み

  • ローカル版の公式ドキュメントがなく、操作ごとの承認、アプリ単位の許可、停止キー、スクショの保存期間などが確認できない
  • 対象プラン・使えるモデル・対応OSが公式に示されていない
  • 毎回スクリーンショットをモデルに渡すため、通常のコード編集より利用枠を多く使いやすい(Cursor公式の消費量データはなし)
  • Claude Codeのように「操作中は他のアプリを隠す」「ターミナルをスクショから除外する」といった保護が、Cursorにあるかどうかはわからない

Browserツール・Cloud Agents・セルフホストとの違い

Cursor公式ドキュメントのBrowserツールのページ

出典: Cursor 公式ドキュメント(Browser)

Webページを試すならBrowserツール、ネイティブアプリやiOSシミュレーターならComputer Use、手元のMacを汚したくないならCloud Agentsが目安です。 Cursorには画面を操作する仕組みが複数あるので、まず「どこで、何を操作するのか」で使い分けます。

比較項目

Browserツール(@browser)

Computer Use(ローカル)

Cloud Agents

セルフホストワーカー

操作する場所

Cursor内のWebビュー

手元のMac

クラウドの分離VM

自分で用意したMac・Linux

操作できる対象

Webページのみ

デスクトップアプリ全般(iOSシミュレーター含む)

VM内のデスクトップとブラウザ

そのマシンのデスクトップ・ブラウザ

必要な準備

特になし

Cursorの更新、macOSの権限付与

Cloud Agentsが使えるプラン

agent worker --computer-use start、権限付与

手元のアプリへの影響

なし

あり(実際にクリックされる)

なし

ワーカーのマシンにあり

成果の残り方

会話内

会話内のスクショ

スクショ・動画・ログをPRに添付

スクショがチャットに返る

公式ドキュメント

あり

未公開(10月26日時点)

あり

あり

向いている用途

Webフォームや画面表示の確認

自分のMacでのネイティブアプリ・iOSアプリのテスト

並列実行、手元を使わないテスト

チーム共有のテスト用Mac、Linuxでの検証

Cloud AgentsのComputer Useは、クラウドの別のデスクトップで動きます。手元のMacのアプリを操作するわけではない点は、混同しやすいところです。Cloud AgentsやAgents Windowの全体像はCursor 3.1(Agents Window)の解説を参考にしてください。

料金と使えるプラン

Computer Use単体の料金やプラン条件は、2026年10月26日時点で公式に発表されていません。 海外メディアでは「料金変更の発表はない」と報じられており、各プランの利用枠の中で使う形と考えるのが自然です。

現行のCursorの料金は、2026年10月にThe X Subscriptionへ統合されています(cursor.com/pricing、2026年10月26日確認、米ドル・税別・月額)。

プラン

月額

利用量

Cloud Agents・Automations

備考

Free

$0

少なめ

なし

Plus

$8

基本(Grokと共有)

なし

使えるのはGrokモデルのみ

Premium

$30

Plusの4倍

あり

Claudeなどサードパーティのモデルは別途API定価で課金

Super

$100

Plusの15倍

あり

ピーク時の優先アクセス

Ultra

$200

Plusの50倍

あり

新製品・新モデルを最速で利用

Teams

$30〜/ユーザー

Plusの4〜50倍

あり

SSO、プライバシー設定の一括管理など

Enterprise

個別見積

プール

あり

自動実行・ブラウザ・ネットワークの制御、MCPのアクセス制御、監査ログ

料金面で気をつけたいのは、利用枠の減り方と使えるモデルです。

  1. 利用枠はCursorとGrokで共有し、週単位でリセットされます。 Computer Useは操作のたびにスクリーンショットをモデルに渡すため、コード編集だけの作業より枠を早く使う可能性があります
  2. Plusで使えるのはGrokモデルだけです。 Computer UseがGrokモデルで動くかどうかは、公式にはまだ示されていません
  3. CursorのOpenAIモデルは2026年11月12日で提供終了予定です。 GPT系モデルを前提にした使い方は避けたほうが無難です。詳しくはCursorでOpenAIモデルが使えなくなる件の解説にまとめています

日本円での価格や、旧プランからの乗り換えで得をするかどうかはX Subscriptionの料金解説で整理しています。

Cursor Computer Useの使い方(macOS・ローカル版)

コードエディタの画面イメージ(Cursorでエージェントに指示を出す作業)

手順は「Cursorを更新 → @ でComputer Useを選ぶ → macOSの権限を許可 → 確認だけの小さなタスクで試す」の順です。 ここで紹介する手順は、公式Xの発表と海外の開発者の解説、セルフホスト版の公式ドキュメントをもとにまとめたものです。ローカル版の公式ドキュメントが公開されたら、画面の名前や流れが変わる可能性があります。

事前に用意するもの

  • 最新版のCursor(cursor.com/download)
  • macOS(Windows・Linuxのデスクトップ版での対応は未確認)
  • iOSアプリをテストするなら、Xcodeとシミュレーター、ビルドが通る開発用のプロジェクト
  • テスト用のアカウントと、消えても困らないデータ

手順

  1. Cursorを最新版に更新して、プロジェクトを開く
  2. Agentの入力欄で @ を押し、メニューからComputer Useを選ぶ。海外の解説では、名前を本文に打つだけでは有効にならず、メニューから選ぶ必要があるとされています(公式ドキュメントでは未確認)。メニューに出てこない場合は、まだ自分の環境に配信されていない可能性があります
  3. macOSの権限を許可する。初回は「Enable Computer Use」のような案内が出ることがあります。「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」で、「Cursor Computer Use」に「アクセシビリティ」と「画面とシステムオーディオの録音」(旧「画面収録」)を許可します。再起動を求められたらCursorを開き直します
  4. 確認だけのタスクで動作を見る。最初は「画面を見て、開いているウィンドウとボタンを教えて。操作や編集はしないで」程度にとどめ、スクショが取れているかを確かめます
  5. 本番のテストを頼む。どのアプリで、何をして、何が起きれば成功かを具体的に書きます
  6. 失敗したら修正を頼み、変更後のビルドで同じ手順をやり直させる
  7. 報告をレビューする。使ったビルド、試したケース、期待と結果、合否、試していないケース、コードの差分を確認します

iOSシミュレーターでテストを頼むときの書き方

期待する結果を先に書き、成功と失敗の条件をはっきりさせるのがコツです。 「動作確認して」だけだと、エージェントは何をもって合格とするかを自分で決めてしまいます。

指示の例は次のとおりです。

@Computer Use
iOSシミュレーターでメモアプリの最新ビルドを起動して、次の2つを確認してください。
1. 「Buy coffee」と入力して保存すると、一覧のメモが1件増える
2. 空欄のまま保存しても、メモは増えない
保存できたかは、アプリを一度終了して開き直してから確認してください。
失敗したケースはスクリーンショットを付けて報告し、原因を直してから同じ手順でもう一度試してください。
送信・削除・購入など取り消せない操作はしないでください。

この指示で押さえているのは次の点です。

  • 開き直して確認させる:保存直後のスクショだけでは、データが本当に保存されたかはわからない
  • ビルドを指定する:修正したら、必ず新しいビルドで試させる
  • やってはいけない操作を書く:取り消せない操作を明示的に禁止する
  • 既知のバグを先に再現させる:初めて使うときは、原因がわかっているバグをエージェントが再現できるかで精度を測ると判断しやすい

うまく動かないとき

症状

確認すること

@ のメニューにComputer Useが出ない

Cursorが最新版か。最新版でも出ないなら、まだ配信されていない可能性がある

クリックや入力が効かない

「アクセシビリティ」の許可が「Cursor Computer Use」に付いているか

スクショが真っ黒・取れない

「画面とシステムオーディオの録音」の許可が「Cursor Computer Use」に付いているか

権限を付けたのに効かない

Cursor本体やターミナルに付けていないか。付け直したあとにCursorを再起動したか

長時間動かすと途中で止まる

macOS 15以降の画面収録の再確認ダイアログが出ていないか

シミュレーターのタップだけ入らない

Xcode 27 Device Hubで同様の報告あり。従来のシミュレーターで試す

許可する権限:何を許可していて、どう外すのか

Computer Useに必要なのは、macOSの「アクセシビリティ」と「画面とシステムオーディオの録音」の2つです。 どちらも、他のアプリを操作し、画面全体を見ることを許す強い権限です。

権限

何に使われるか

許可すると何ができるようになるか

アクセシビリティ

マウス操作・キーボード入力

他のアプリのボタンを押す、文字を打つ

画面とシステムオーディオの録音(旧「画面収録」)

スクリーンショットの取得

画面に表示されているものをすべて見る

権限は「Cursor Computer Use」に付ける

セルフホスト版の公式ドキュメントでは、権限はヘルパーアプリ「Cursor Computer Use」に付けるよう明記されています。ターミナル、シェル、Cursor本体、Cursor Agent Helperに付けても効きません。 ローカル版も同じヘルパーを使うとみられます。

セルフホスト版の公式ドキュメントに載っているヘルパーの情報は次のとおりです。

  • 置き場所:~/.cursor/cursor-computer-use/Cursor Computer Use.app
  • Bundle ID:co.anysphere.cursor-computer-use
  • 初回起動時に downloads.cursor.com から自動で取得される

権限は署名に結び付いているため、ヘルパーをコピーしたり再署名したりすると許可が外れます。macOSの大型アップデートやCursorの更新でヘルパーが入れ替わったら、権限がまだ有効かを確かめてください。なお、macOSのプライバシーデータベースを直接書き換える方法や、SIP(システム整合性保護)を無効にする方法はサポートされていません。

使い終わったら外す

常に許可したままにしておく必要はありません。「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「アクセシビリティ」と「画面とシステムオーディオの録音」で、「Cursor Computer Use」のスイッチをオフにすれば止められます。毎日使うのでなければ、テストのときだけオンにする運用が安全です。

セキュリティ上の注意点

Cursorのロゴ(Cursor公式セキュリティページの画像)

出典: Cursor 公式セキュリティページ

一番の注意点は、画面に映っているものがモデルへの入力になりうることです。 そのうえで、承認の仕組みがまだ公式に説明されていないため、使う環境と頼む作業の範囲を自分で絞る必要があります。

画面に映ったものはCursorに送られうる

セルフホスト版の公式ドキュメントによると、ワーカーは実行中にファイルの内容・ターミナルの出力・差分・スクリーンショットなどをCursorに送ります。ローカル版のスクショがどこに、どれだけの期間保存されるかは未確認です。メール、チャット、パスワードマネージャー、ネットバンキングなど、プロンプトに貼り付けられないものは、Computer Useを使う前に閉じておきましょう。

画面上の文字によるプロンプトインジェクション

Webページやアプリの中に「この指示に従え」といった文章があると、エージェントがそれを指示と取り違えて動く可能性があります。これをプロンプトインジェクションと呼びます。Cursor公式のセキュリティ方針でもプロンプトインジェクションへの備えに触れていますが、自動実行の仕組み(Run Modes)については「ベストエフォートで、厳密なセキュリティ境界ではない」と説明しています。

承認の仕組みがまだわからない

Cursorでは、ターミナルのコマンドは既定で承認制、MCPはツールの呼び出しごとに承認する設定になっています。しかしComputer Useの操作が1回ごとに承認制なのか、アプリ単位で許可できるのかは公式に説明されていません。Claude Codeのように「アプリごとにセッション単位で承認」「Escキーで即停止」といった仕組みがあるかもわからないため、エージェントが止まらない前提で準備しておくのが無難です。

安全に使うためのチェックリスト

  • エージェント用に別のmacOSユーザー、または仮想マシン・テスト用のMacを使う
  • メール・チャット・パスワードマネージャー・ネットバンキングは閉じる
  • タスクは小さく具体的に(どのアプリで、何をするか)
  • 「送信」「削除」「購入」など取り消せない操作がある画面は避け、テスト用アカウントと使い捨てデータで試す
  • 外部のWebページや他人が書いた文章を表示する画面では、指示の乗っ取りに注意する
  • クリックで通ったからといって、コードが正しいわけではない。差分はいつもどおりレビューする
  • 使い終わったら権限をオフにする

PC操作をAIに任せること全般のリスクは、Claude Computer Useの解説でも公式の安全策と合わせて整理しています。

セルフホストワーカーで使う場合(公式ドキュメントあり)

Cursor公式ドキュメントのCloud Agentsのページ

出典: Cursor 公式ドキュメント(Cloud Agents)

手順まで公式に確認できるのは、自分のMac・LinuxをCursorのクラウドエージェントのワーカーとして使うセルフホスト版です。 チームでテスト用のMacを共有したい場合や、手元のMacを操作させたくない場合に向いています。Cursorのデスクトップアプリ自体はワーカーのマシンに入っていなくても動きます。

agent update
agent worker --computer-use start
agent worker --pool gpu --computer-use start   # プールを指定する場合
agent worker debug                             # ヘルパーの有無を確認(権限の状態は確認しない)

macOSとLinuxでは、準備するものと使える機能が違います。

比較項目

macOS

Linux

操作の方式

ヘルパー「Cursor Computer Use」

X11ディスプレイ

準備

ヘルパーにアクセシビリティと画面収録を許可

xdotool・ffmpeg・X11ユーティリティ。画面がないサーバーなら tigervnc-standalone-server と xfce4

使う画面

ログイン中のデスクトップ

--display :0 で既存の画面を使うか、管理用デスクトップを自動作成

人が画面を見る・引き継ぐ

不可

可(--share-desktop、view / view_and_control)

動作確認は、cursor.com/agents から「ブラウザを開いてページを表示し、スクショを撮って」というタスクを送り、チャットにスクショが返ってくればOKです。iOSシミュレーターと組み合わせる場合、Cursorのスタッフはセルフホストのmacに加えて、Xcode用のMCPサーバー(XcodeBuildMCP)を併用する方法も案内しています。

チーム・企業で使うときの確認事項

企業の管理者は、チーム設定でComputer Useをオフにできます。 セルフホスト版の公式ドキュメントでは、Enterpriseの管理者がチーム設定の「MCP Configuration」にある「Computer Use」スイッチで無効にできる(既定はオン)と明記されています。オフにすると、ワーカーを --computer-use 付きで起動しても使えません。ローカル版にも同じスイッチが効くかは未確認なので、導入前に管理画面とサポートで確かめてください。

ほかに確かめておきたい項目をまとめます。

確認項目

内容

権限の配布

画面収録の許可はMDMプロファイルで自動許可できない(本人の承認が必要)。アクセシビリティのサイレント許可はmacOS 26.2から非推奨

画面に映る情報

社外秘のアプリや顧客データを開いたまま使わせない運用ルール

成果物の公開範囲

Cloud AgentsがGitHubのPRに埋め込むスクショ・動画は、推測されにくいものの認証なしで見られるURLになる(公式明記)

管理機能

Enterpriseでは自動実行・ブラウザ・ネットワークの制御、MCPのアクセス制御、監査ログが使える

開発元の変化

2026年8月にSpaceXによる買収が完了。データの扱いや契約条件の変化はCursor × SpaceX 買収の解説を参照

社内アプリのUIテストをエージェントに任せられるようになっても、AIで作った試作を社内の実データや既存システムにつないで業務で使う段階では、認証や権限の設計、テスト環境と本番環境の分離、運用・保守の担い手を別に決める必要があります。その段階で何を整えるかはAIで作ったアプリを開発会社へ引き継ぐにはにまとめています。

Claude Code・OpenAI Codex・GeminiのComputer Useとの違い

ClaudeがPCの画面を見て操作するComputer Useのデモ画面

出典: Anthropic 公式サイト

Cursorは「コードを書いたエージェントがそのまま試す」ことに寄せた機能です。承認の仕組みや対応OSは、Claude Codeの方が公式ドキュメントで詳しく説明されています。 各社のComputer Useを、2026年10月時点で確認できた情報で比べると次のようになります。

比較項目

Cursor

Claude Code / Claudeアプリ

OpenAI Codex

Gemini

提供形態

Cursorのエージェント機能

Claude Code(CLI)・Claudeデスクトップアプリ

Codexアプリ(デスクトップ)

Gemini APIの組み込みツール

操作する場所

手元のMac(ローカル)、クラウドVM、セルフホスト

自分のPC

自分のPC

開発者が用意する環境

対応OS

ローカル版は未公表(macOS中心)。セルフホストはmacOS・Linux

デスクトップアプリはmacOS・Windows。CLIはmacOSのみ

macOS・Windows(Windowsは2026年5月29日対応、前面で動かす方式のみ)

開発者の実装による

利用条件

未公表(料金変更の発表なし)

Pro / Max(Team・Enterpriseは対象外)

ChatGPTの有料プランに含まれるCodexの利用枠

APIのトークン課金

提供状態

発表直後。ローカル版のドキュメントは未公開

リサーチプレビュー

提供中(一部地域は対象外との報道あり)

プレビュー

承認・安全策

ローカル版は未公表。Enterpriseはチーム設定でオフ可

アプリごとにセッション単位で承認、操作中は他アプリを隠す、Escで停止

操作の承認をスマホのChatGPTアプリからも行える(詳細はOpenAI公式で確認を)

安全判定(safety_decision)を開発者側で処理

選び分けの目安は次のとおりです。

  • Cursorで開発していて、作った機能の動作確認まで任せたい → Cursor Computer Use
  • ターミナル中心で開発していて、安全策が文書化されている方がよい → Claude Code(Claude Computer Useの解説)
  • Windowsで使いたい、コーディング以外のPC作業も任せたい → OpenAI Codex(Codex Computer Useの使い方)
  • 自社のアプリに画面操作の自動化を組み込みたい → Gemini Computer Use(Gemini Computer Useの解説)

エディタそのものをどちらにするかで迷っている場合は、Cursor vs Claude Code 比較が判断材料になります。

Cursor Computer Useはこんな人におすすめ/おすすめしない人

iOSアプリやネイティブアプリを作っていて、画面での確認を手作業で繰り返している人には試す価値があります。 反対に、Windows中心の人やWebアプリだけを作っている人は、今すぐ使う理由は薄めです。

こんな人におすすめ

  • iOSアプリ・macOSアプリなどネイティブアプリをCursorで開発している
  • 「直して、ビルドして、シミュレーターで触って確かめる」の繰り返しに時間を取られている
  • GUIでしか再現しないバグを、エージェントに再現・修正させたい
  • テスト用のMacやmacOSユーザーを分けて用意できる

おすすめしない人

  • Windowsがメインの環境(2026年10月26日時点で対応が確認できない)
  • 顧客情報や社外秘の画面を常に開いている端末しかない
  • Webアプリだけを作っていて、Browserツールで十分に確認できる
  • テストしたいのが関数やAPIの挙動で、ユニットテストで済む
  • 公式ドキュメントで承認の仕組みが確認できるまで待ちたい(業務端末での利用を決める立場の人を含む)

公式で確認できていること/まだ確認できていないこと

Cursor公式のChangelog(更新履歴)ページの画像

出典: Cursor 公式Changelog

発表直後の機能なので、「公式に書かれていること」と「報道や利用者の情報」を分けて判断するのが安全です。

区分

項目

公式で確認できる

発表(公式X)、自動で使う/@ で呼ぶの2方式、iOSシミュレーターのデモ、セルフホスト版の手順・権限・データ送信・管理者スイッチ、Cloud AgentsのComputer Use、現行料金

報道・解説ベース

ローカル版で使えるようになったこと、料金変更なし、@ メニューから選ぶ必要があること、初回の「Enable Computer Use」表示

未確認

ローカル版の対応OS(Windows・Linux)、対象プラン、使えるモデル、操作ごとの承認やアプリ単位の許可、停止キー、スクショの保存期間、管理者スイッチがローカル版に効くか、対応バージョン

よくある質問

Q. Computer Useを使うと、Macのすべてを乗っ取られるのですか?

権限上は、画面全体を見て、どのアプリでもクリック・入力できる状態になります。エージェントが勝手に無関係な作業を始めるわけではありませんが、指示があいまいだったり、画面上の文章に誘導されたりすると、想定外のアプリを触る可能性はあります。別のmacOSユーザーやテスト用のMacを使い、使い終わったら権限をオフにすると影響範囲を小さくできます。

Q. 無料プランやPlusプランでも使えますか?

2026年10月26日時点で、どのプランで使えるかは公式に示されていません。Plusは使えるモデルがGrokに限られるため、Computer UseがGrokで動くかどうかにも左右されます。手元のCursorで @ のメニューにComputer Useが出るかで確かめるのが確実です。

Q. Androidエミュレーターも操作できますか?

公式の説明はiOSシミュレーターを例にしていますが、「あらゆるアプリでクリックと入力ができる」とされているので、画面に表示されているAndroidエミュレーターも対象になると考えられます。フォーラムでは、Androidエミュレーターではクリックが入るという利用者の報告があります。

Q. Cloud AgentsのComputer Useとローカル版は、どちらを使えばいいですか?

手元のMacで作業中のアプリをすぐ試したいならローカル版、手元のMacを触らせたくない・複数の作業を並行させたい・動画付きでPRに結果を残したいならCloud Agentsが向いています。ただしCloud AgentsはクラウドのVMで動くため、手元にしかないアプリや設定は使えません。

Q. 企業として、社員のCursorでComputer Useを使わせないようにできますか?

Enterpriseプランでは、管理者がチーム設定の「MCP Configuration」にある「Computer Use」スイッチをオフにできます(セルフホスト版の公式ドキュメントに明記)。ローカル版にも効くかは未確認なので、導入前にCursorのサポートで確認してください。macOS側では、画面収録の許可をMDMで配布できないため、権限の付与は本人の操作になります。

まとめ

Cursor Computer Useは、Cursorのエージェントがデスクトップアプリ・iOSシミュレーターを画面から操作し、作った機能を自分で試すための機能です。2026年10月23日に発表され、手元のデスクトップ版でも画面操作ができるようになりました。

  • 呼び出し方は、エージェントの自動判断か、@ → Computer Use での明示指定の2通り
  • macOSでは、ヘルパー「Cursor Computer Use」にアクセシビリティと画面収録を許可する(Cursor本体やターミナルではない)
  • Webページの確認ならBrowserツール、手元を使わないならCloud Agentsと使い分ける
  • 料金変更の発表はないが、スクショを使うぶん利用枠を多く使いやすい
  • 承認の仕組み・対応OS・対象プランはまだ公式に説明されていない。別ユーザーやテスト用のMacで、小さなタスクから試す

ローカル版の公式ドキュメントが公開されたら、承認の仕組みと対応環境を確かめてから業務の端末に広げるのが現実的です。PCを操作するAIエージェントの全体像はAIエージェントとはで整理しています。

参考にした公式情報

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AI革命

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