AIツール2026年10月更新

Gemini Computer Useとは?Gemini 3.8 Flashで画面を自律操作するAIエージェント機能・料金・Claudeとの違いを解説【2026年10月最新】

公開日: 2026/06/29
更新日: 2026/10/11
Gemini Computer Useとは?Gemini 3.8 Flashで画面を自律操作するAIエージェント機能・料金・Claudeとの違いを解説【2026年10月最新】

この記事のポイント

Gemini Computer Useは、Geminiがスクリーンショットを見てブラウザ・モバイル・デスクトップを操作するGemini APIの組み込みツールです。2026年10月時点の推奨モデル(Gemini 3.8 Flash)、料金と2027年1月の値上げ、安全機構、GA済みのClaude Computer Useとの違いを公式情報で整理します。

Gemini Computer Useとは、Geminiが画面のスクリーンショットを見て、ブラウザ・モバイル・デスクトップ上のクリックや入力、スクロールを人の代わりに進めるGemini APIの組み込みツールです。 2026年6月24日にGemini 3.5 Flashのツールとして公開プレビューが始まり、2026年10月11日時点では公式ドキュメントの推奨モデルが Gemini 3.8 Flash に変わっています(機能そのものは引き続きプレビュー)。

6月の公開時から、前提はいくつか変わりました。

  • 推奨モデルは gemini-3.8-flash。gemini-3.5-flash は2026年10月8日に非推奨となり、呼び出しは gemini-3.6-flash へ振り替えられる
  • 第1世代の専用モデル gemini-2.5-computer-use-preview-10-2025 は2026年7月28日に提供終了
  • 料金はモデルのトークン単価どおり。Gemini 3.8 Flashは2027年1月1日から単価が2倍になる
  • Claude側は新しいツール computer_toolset_20260801 がClaude APIとGoogle Cloudで一般提供(GA)になった

この記事でわかることは次のとおりです。

  • Gemini Computer Useの仕組みと、2.5専用モデル→3.5 Flash統合→3.8 Flash推奨という世代の流れ
  • ブラウザ・モバイル・デスクトップそれぞれで実行できる操作
  • 料金の考え方と、1タスクあたりのコスト概算
  • safety_decision やプロンプトインジェクション検知などの安全機構
  • Claude Computer Use・OpenAIのcomputerツールとの違い、こんな人におすすめ/おすすめしない人

想定している読者は、画面操作の自動化をAIエージェントで組もうとしているエンジニア・PdM・情報システム担当と、「GeminiとClaudeのどちらで組むべきか」を比べたい方です。

Gemini Computer Useは2026年10月時点でもプレビュー機能です。公式は「エラーやセキュリティ上の脆弱性を含む可能性がある」と明記しており、一般提供(GA)の時期は発表されていません。本番に組み込む前に、公式ドキュメントと料金ページで最新の状態を確かめてください。

Gemini Computer Useの基本:APIのない画面もAIが操作できる

Gemini APIの公式イメージ(Google AI for Developers)

出典: Google Gemini API 公式

Computer Useは、Geminiに画面を見せて、人と同じようにUIを操作させる仕組みです。これまでのAPI連携は、操作したいサービスがAPIを公開していることが前提でした。Computer Useなら、APIのないWebサイトや社内の業務画面でも、マウスとキーボードの操作でタスクを進められます。

ただし、Geminiが自分でPCを動かすわけではありません。モデルは「この座標をクリック」「この欄に入力」といった操作を関数呼び出し(function_call)として提案するだけで、実際にブラウザを動かし、操作後のスクリーンショットを撮って返すのは開発者側のアプリです。止める・やり直すといった制御もアプリ側が受け持ちます。

提供経路は次の2つです。

  • Gemini API(Google AI Studio): 開発者が自分のアプリに組み込む
  • Gemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI): 企業向けのエージェント基盤として使う。プレビュー期間中はPython(Google Gen AI SDK)のみ対応で、Google Cloudコンソールからは使えない

一般向けGeminiアプリの機能ではない点にも注意が必要です。推奨モデル自体の性能はGemini 3.8 Flashの解説、企業向け基盤の全体像はGemini Enterprise Agent Platformの解説が参考になります。

2.5 Computer Use・3.5 Flash統合・3.8 Flash推奨の違い

検索で見つかる解説の多くは、2025年10月の2.5専用モデルか、2026年6月の3.5 Flash時点のままです。 2026年10月時点では、新しく組むなら3.8 Flash(または低コストの3.5 Flash-Lite)を選ぶのが公式の案内です。

項目

2.5 Computer Use(2025年10月)

3.5 Flash統合(2026年6月24日)

3.8 Flash推奨(2026年9月〜)

提供形態

独立した専用モデル

通常モデルの組み込みツール

通常モデルの組み込みツール

モデルID

gemini-2.5-computer-use-preview-10-2025

gemini-3.5-flash

gemini-3.8-flash

現在の状態

2026年7月28日に提供終了

2026年10月8日に非推奨(gemini-3.6-flash へ振り替え)

Computer Useの推奨モデル(機能はプレビュー)

対応環境

ブラウザ中心

ブラウザ・モバイル・デスクトップ

ブラウザ・モバイル・デスクトップ

コンテキスト

入力128K / 出力64K

約100万トークン

入力1,048,576 / 出力65,536トークン

2026年10月9日更新のGemini API公式ドキュメントでは、Computer Useの対応モデルは次の3つです。

  • gemini-3.8-flash(推奨)
  • gemini-3.5-flash-lite(低遅延・低コスト)
  • gemini-3-flash-preview(プレビュー。Enterprise Agent Platformの資料ではブラウザのみ対応で、モバイル向けには最適化されていないと説明)

Enterprise Agent Platformの資料には3.6 Flash・3.7 Flash・3.5 Flashも対応モデルとして並んでいますが、Gemini API側では3.5 Flashと3.7 Flashが10月8日に非推奨になりました(3.7 Flashは3.8 Flashへ振り替え)。既存コードで gemini-3.5-flash を指定している場合は、動いていても中身は3.6 Flashに変わっているので、モデルIDを書き換えて動作を確かめ直すのが安全です。

なお、GitHubの公式リファレンス実装(google-gemini/computer-use-preview)の既定モデルは gemini-3.6-flash になっており、ドキュメントの推奨(3.8 Flash)と一致していません。新規に組む場合はドキュメント側の推奨に合わせるとよいでしょう。6月時点のモデルについてはGemini 3.5 Flashの解説、リファレンス実装の既定モデルはGemini 3.6 Flashの解説で確認できます。

仕組み:スクリーンショット→推論→操作のエージェントループ

Gemini API Cookbook(Google AI Studioの画面例)

出典: Gemini API Cookbook(GitHub)公式

Computer Useは「画面を見る→次の操作を決める→アプリが実行する→新しい画面を見る」の繰り返しで動きます。 公式が示すループは次のとおりです。

  1. リクエスト: computer_use ツールを有効にして、指示と現在のスクリーンショットをモデルへ送る
  2. 提案: モデルが次の操作を function_call として返す(例: click と座標)
  3. 実行: アプリがPlaywrightなどで実際にクリックや入力を行う
  4. 結果の返送: 操作後の新しいスクリーンショットを function_result に入れてモデルへ返す

ゴール(予約完了、フォーム送信など)に着くか、決めておいた上限に達するまで繰り返します。公式サンプルではターン数の上限を5に設定しています。

実装では、次の仕様が前提になります。

  • 座標は0〜999の整数で返る: 画面サイズに関係なく正規化された値なので、アプリ側で実際のピクセル位置に換算する(サンプルは「値÷1000×画面幅」)
  • すべての操作に intent が付く: 「なぜこの操作をするのか」という理由の文字列で、ログやデバッグ、あとからの監査に使える
  • 操作の種類を絞れる: excluded_predefined_functions で既定の操作を外したり、人に作業を戻す独自関数(例: yield_to_user)を足したりできる

Gemini Computer Useでできること

environment に browser・mobile・desktop のどれかを指定して、それぞれ決められた操作を実行させます。 モバイルとデスクトップはGemini 3.5 Flash以降のモデルが対象です。

環境

公式の主な操作

想定ユースケース

ブラウザ

各種クリック(シングル/ダブル/トリプル/中/右)、マウス移動・ドラッグ&ドロップ、type(任意でEnter送信)、キー操作・ホットキー、scroll、navigate・戻る・進む、wait、スクリーンショット取得

フォーム入力、価格調査、予約、Web上のデータ転記

モバイル(Android)

open_app、list_apps、クリック、長押し、入力、ドラッグ&ドロップ、キー押下、戻る、wait、スクリーンショット

アプリのUIテスト、モバイル業務の自動化

デスクトップ

ブラウザとほぼ同じ(navigate・戻る・進むを除く)

複数のデスクトップアプリをまたぐ作業

Googleの公式ブログは、用途として長時間の業務自動化、ソフトウェアの継続的なテスト、専門アプリでの知識作業(例: アプリの機能一覧の分類、ドキュメントのアクセシビリティ監査)を挙げています。紹介された利用企業はBrowserbase、Browser Use、UiPathです。

実務で候補になりやすい作業は次のとおりです。

  • データ転記: APIのない旧システムの画面から、別システムの入力フォームへ写す
  • 定型の予約・申込: 会議室、出張手配、各種サービスの申込フロー
  • Webリサーチ: 複数サイトを回り、条件に合う情報を集める
  • UIテスト: WebアプリやAndroidアプリの画面操作テスト

一方、モデル単体では画面を動かせないため、ノーコードで完結するツールではありません。無料枠では使えず、課金を有効にしたプロジェクトが必要です。

Geminiアプリ・Chromeのエージェント機能とは別物

「GeminiがPCを操作する」という話題には、別の製品が混ざりがちです。

機能

対象

使い方

Gemini Computer Use(API)

開発者・企業

Gemini API/Enterprise Agent Platformから呼び出し、自分のアプリに組み込む

Gemini Spark

一般ユーザー(報道では米国のAI Ultra加入者向けベータ)

Geminiアプリ(macOS版など)のエージェント機能。ローカルのファイルやアプリを操作

Gemini in Chromeの自動ブラウズ

一般ユーザー

Chromeブラウザの機能として、Web上の作業を代行

アプリ側のエージェントについてはGemini Sparkの解説にまとめています。

ベンチマーク:第三者集計ではClaudeが上位(※Google公式値は未確認)

2026年10月時点で、Gemini 3.8 FlashのComputer UseについてGoogleが公表したベンチマーク値は確認できていません。 第三者のまとめでは、画面操作の指標OSWorld 2.0でClaude Opus 5が上位に出ています。

モデル

OSWorld 2.0(第三者集計)

Claude Opus 5

75.4%

GPT-5.6 Sol

62.6%

Gemini 3.8 Flash

59.0%

Gemini 3.7 Flash

50.6%

出典: Vellum、Lindy のまとめ(公式発表での裏付けは未確認)

6月時点で出回っていた「OSWorld-Verified: GPT-5.5 78.7 / Gemini 3.5 Flash 78.4 / Claude Opus 4.7 78.0」は二次情報の数値で、Google公式ブログの本文にも数値は載っていませんでした。指標がOSWorld-VerifiedからOSWorld 2.0に変わっているため、新旧の数値を並べて比べることはできません。

数値の読み方としては、「成功率ではClaudeの上位モデルが先行し、Gemini Flashは単価の安さで勝負する」と捉えるのが妥当です。画面操作はリクエストの回数が多くなるので、成功率と単価の両方を自社のタスクで試して決めるのが確実です。

料金:追加料金はないが「スクリーンショットのトークン」が積み上がる

Computer Useに専用の料金はなく、使うモデルの通常のトークン単価で課金されます。 ただし、毎ステップのスクリーンショットが入力トークンとして加算されるので、ステップ数が多いタスクほど費用がかさみます。

Gemini API料金ページの単価は次のとおりです(2026年10月11日時点、100万トークンあたりUSD)。

モデル

入力

出力(思考トークン含む)

キャッシュ入力

Batch / Flex

gemini-3.8-flash(2026年12月31日まで)

$0.75

$3.75

$0.075

入力$0.375 / 出力$1.875

gemini-3.8-flash(2027年1月1日から)

$1.50

$7.50

$0.15

入力$0.75 / 出力$3.75

gemini-3.5-flash-lite

$0.30

$2.50

$0.03

入力$0.15 / 出力$1.25

gemini-3-flash-preview

$0.50

$3.00

$0.05

入力$0.25 / 出力$1.50

費用を見積もるときは、次の点を外さないようにしてください。

  1. 無料枠では使えない: 料金ページのツール一覧で、Computer UseのFree Tierは「Not available」
  2. 3.8 Flashは2027年1月に単価が2倍: 年をまたぐ導入計画では、2027年以降の単価で試算しておく
  3. 思考トークンも出力として課金される: Thinkingを high にすると出力が増える
  4. Enterprise Agent Platformも同じ単価: カスタムメタデータラベルを付ければ、Computer Use分の費用を切り分けて把握できる

6月時点でよく引用されていた「入力$1.50 / 出力$9.00」はGemini 3.5 Flashの料金です。同モデルは非推奨となり、料金ページからも外れています。

1タスクあたりの概算(仮定つき)

Gemini 3.8 Flashのスクリーンショット1枚あたりのトークン数は、料金ページに記載がありません。そこで、モデル間で条件をそろえた仮の数字で試算します。

  • 仮定: 1タスク20ステップ、1リクエストの入力が平均1万トークン(指示・スクリーンショット・履歴の合計)、出力が平均300トークン
  • 合計: 入力20万トークン、出力6,000トークン

モデル

1タスクの概算

1,000タスクの概算

Gemini 3.5 Flash-Lite

約$0.08

約$75

Gemini 3.8 Flash(2026年内)

約$0.17

約$173

Gemini 3.8 Flash(2027年〜)

約$0.35

約$345

Claude Haiku 5.5

約$0.02

約$23

Claude Sonnet 5.5

約$0.46

約$460

Claude Opus 5.5

約$0.92

約$920

実際の消費量は、画面の解像度、履歴をどこまで送るか、思考トークンの量、失敗してやり直した回数で大きく変わります。Claude側はツール定義だけで1リクエストあたり約4,500入力トークンかかるため、この仮定より膨らむこともあります。表は桁の目安と考え、自社のタスクで1件流してから実測値で見積もり直してください。

このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します

初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)

開発について相談する

使い方・始め方の流れ

Browserbase公式サイトのイメージ(エージェント向けブラウザ基盤)

出典: Browserbase 公式サイト

近道は、GitHubの公式リファレンス実装(google-gemini/computer-use-preview)を動かしてから、自分の用途に合わせて手を入れることです。 実行環境はローカルのChrome(Playwright)とBrowserbaseの2つから選べます。

  1. APIキーを用意する: Google AI StudioでAPIキーを発行し、課金を有効にする(無料枠では使えない)
  2. 隔離した環境を用意する: 操作させるブラウザは、サンドボックス化したVMやコンテナ、権限を絞ったブラウザプロファイルで動かす
  3. リファレンス実装を入れる: git clone → Python仮想環境 → pip install -r requirements.txt → playwright install-deps chrome と playwright install chrome。環境変数 GEMINI_API_KEY が必須で、Browserbaseを使う場合は BROWSERBASE_API_KEY と BROWSERBASE_PROJECT_ID も設定する
  4. モデルを指定する: 既定値は gemini-3.6-flash なので、公式推奨の gemini-3.8-flash に切り替えて試す
  5. 安全制御を組み込む: safety_decision が require_confirmation を返したときに人の承認を挟む処理と、ターン数の上限を入れる

既知の問題として、OSによってはPlaywrightで一部の <select> ドロップダウンがスクリーンショットに写らないことがあり、READMEではBrowserbaseの利用を勧めています。Enterprise Agent Platformで使う場合、プレビュー期間中の対応はPython SDKのみで、REST例は global ロケーションです。

一般的な生成AIのAPI利用と違い、モデルが返す操作を実行するアクションハンドラは自分で書く必要があります。エージェントの基本的な考え方はAIエージェントとは何かの解説で確認できます。

安全機構と注意点:プレビューの段階で「やってはいけないこと」

画面を直接操作できる分、誤操作や乗っ取りの被害も大きくなります。 Googleは重要な意思決定・機微なデータ・取り返しのつかない操作には使わないよう求めており、重要なタスクには人の監督が必要だとしています。

内蔵の安全判定(safety_decision)

モデルが危険と判断した操作では、function_call の引数に safety_decision(explanation と decision を持つオブジェクト)が付きます。判定は「通常どおり許可」「require_confirmation(確認が必要)」「ブロック」の3通りです。

  • require_confirmation が返ったら、ユーザーに確認し、承認された場合だけ function_result に safety_acknowledgement を付けて返す
  • ブロックされたら、その操作を止めて処理を中断する
  • 判定の対象になるカテゴリは、金融取引、機微データの変更、メッセージ送信、アカウント作成、データ変更、同意管理、規約への同意の7つ

disabled_safety_policies(例: ["data_modification"])で一部の判定を緩められますが、公式の説明では「希望を伝える」程度の扱いで、モデルはそれでも require_confirmation を返すことがあります。承認処理は必ずアプリ側に実装しておきましょう。

プロンプトインジェクション対策

画面操作AIは、Webページに仕込まれた悪意ある指示(間接プロンプトインジェクション)に狙われやすい仕組みです。Geminiは敵対的な学習でこのリスクを下げているほか、enable_prompt_injection_detection: true を指定すると検知機能が有効になり、検知した時点でタスクを止めます。

この検知は既定ではオフ(false)です。 明示的に有効にしないと働かないので、設定漏れに注意してください。対象はGemini 3.5 Flash-Lite以降のモデルで、3.8 Flashも含まれます。

多層防御(defense-in-depth)

Googleが推奨する対策は次のとおりです。

  • 隔離: サンドボックス化したVM・コンテナ、権限を絞ったブラウザプロファイルで動かす
  • 人の確認: 購入・ログイン・CAPTCHAなど、確認が必要な場面をシステム指示で決めておく
  • アクセス制御: 開いてよいサイトの許可リスト/拒否リストを用意する
  • 入力のチェック: 入力のサニタイズとガードレールを入れる
  • 記録と上限: 詳細なログを残し、毎回きれいな状態から始め、ターン数に上限を設ける

プレビューの段階での実務判断

  • 送金や契約締結など、取り返しのつかない操作は任せない。 人が見ている状態で、失敗しても困らない作業から始める
  • 本番の顧客データや実際の支出に組み込む前に、GAになったかどうかを確認する。 2026年10月時点でGA時期は未発表
  • AIエージェント全般のリスク管理はAIエージェントのセキュリティガイドも参考にしてください

PoCで動いたエージェントを自社の業務で使い続けるには、承認待ちの扱い、異常時の停止、失敗したタスクの再実行まで作り込む必要があります。どこまで開発が増えるかはAIエージェントの本番導入で追加する開発範囲で整理しています。

Claude Computer Use・GPT系との違い

Claude Computer Useの公式イメージ(カーソルで画面を操作する図)

出典: Anthropic 公式

2026年10月時点では「GeminiはAndroid操作とFlashの単価、ClaudeはGA済みの安定性と成功率」という分かれ方です。 6月時点との大きな違いは、Claude側の新しいツールがGAになったことと、ClaudeにHaiku 5.5という低単価の選択肢が加わったことです。

項目

Gemini Computer Use

Claude Computer Use

提供元

Google(Google DeepMind)

Anthropic

提供状況

プレビュー(GA時期未発表)

computer_toolset_20260801 がClaude APIとGoogle CloudでGA(Amazon Bedrock、Microsoft Foundryなどは旧版ツールのベータ)

主な対応モデル

Gemini 3.8 Flash(推奨)、3.5 Flash-Lite、3 Flash(プレビュー)

Opus 5.5、Sonnet 5.5、Haiku 5.5、Opus 5、Sonnet 5、Opus 4.8 など

API料金(入力/出力、100万トークン)

3.8 Flash: $0.75 / $3.75(2027年〜 $1.50 / $7.50)、3.5 Flash-Lite: $0.30 / $2.50

Haiku 5.5: $0.10 / $0.50(プロンプト10万トークン以下)、Sonnet 5.5: $2 / $10、Opus 5.5: $4 / $20

無料枠

なし(有料枠のみ)

API従量課金

対応環境

ブラウザ・モバイル(Android)・デスクトップ

デスクトップ/仮想ディスプレイ中心(Android用の公式操作はなし)

インジェクション対策の既定

検知は既定オフ(enable_prompt_injection_detection で有効化)

スクリーンショットなどを調べる分類器が既定でオン

特徴的な機能

全操作に理由(intent)が付く、座標は0〜999で正規化

画面の一部をフル解像度で見る zoom、ブラウザ専用の browser_toolset_20260801 もある

リファレンス実装

google-gemini/computer-use-preview(Playwright/Browserbase)

anthropic-quickstarts の computer-use-demo(Docker)

出典: Gemini API: Computer Use、Claude: Computer use tool、Claude: Pricing

選び方の目安は次のとおりです。

  • Androidアプリを操作したい/Googleの基盤(Gemini API・Google Cloud)にそろえたい → Gemini Computer Use
  • GAの機能で組みたい/成功率を優先したい → Claude Computer Use(Sonnet 5.5・Opus 5.5)
  • 単価をとにかく下げたい → Claude Haiku 5.5とGemini 3.5 Flash-Liteを、自社タスクの成功率で比べる
  • インジェクション対策を既定で効かせたい → Claude。Geminiを使う場合は検知を明示的に有効にする

OpenAIは、現行ガイドでGPT-6 Astraには「モデルがPlaywrightなどのコードを書いて操作する」方式を勧めており、従来の computer ツールも引き続き使えます(ツールの例は gpt-6.1-sol)。詳しくはOpenAI CodexのComputer Use解説をご覧ください。Claude側の詳細はClaude Computer Useの解説とClaude Opus 5.5の解説、両社の総合比較はClaudeとGeminiの比較記事にまとめています。

こんな人・組織におすすめ / おすすめしない人

プレビューであることを受け入れ、安全制御を自分たちで作れるかどうかが分かれ目です。

おすすめの人・組織

  • APIのない業務システムやWebサイトの操作を自動化したい企業・チーム
  • AndroidアプリのUIテストや操作の自動化をしたい(Claudeには公式のAndroid操作がない)
  • すでにGemini APIやGoogle Cloudを使っていて、同じ基盤で画面操作も試したい
  • サンドボックス化や人の承認フローを自分たちで設計・実装できる開発体制がある
  • 失敗しても困らない業務で、PoCから始められる

おすすめしない人・組織

  • 送金や契約締結など、取り返しのつかない操作を人の確認なしで自動化したい
  • 無料で試したい(Computer Useは無料枠の対象外)
  • ノーコードで完結させたい(アクションハンドラの実装が必要)
  • GAの機能と確定した料金でないと導入できない(その場合はGA済みのClaudeが候補)
  • 2027年1月の値上げ後の単価を見込まずに、長期の予算を組もうとしている

よくある質問(FAQ)

Q. Gemini Computer Useは無料で使えますか?

A. 使えません。料金ページでは、Computer UseのFree Tierは「Not available」です。課金を有効にしたうえで、使うモデルの通常のトークン単価(3.8 Flashなら2026年内は入力$0.75 / 出力$3.75)がかかります。

Q. いま gemini-3.5-flash で動かしているコードはどうなりますか?

A. 2026年10月8日に非推奨となり、呼び出しは gemini-3.6-flash へ振り替えられています。モデルの中身が変わっているので、gemini-3.8-flash にIDを書き換え、操作の成功率と費用を測り直すのが安全です。

Q. 2.5 Computer Useはまだ使えますか?

A. 専用モデル gemini-2.5-computer-use-preview-10-2025 は2026年7月28日に提供終了しました。公式は移行先としてGemini 3.8 Flashなどを案内しています。

Q. 日本語のWebサイトや業務画面も操作できますか?

A. 公式ドキュメントに言語の制限は書かれていませんが、日本語UIでの精度についての公式データも見当たりません。日本語の入力欄や全角文字が多い画面では、自社の対象画面で試してから判断してください。

Q. RPAとは何が違いますか?

A. RPAは決められた手順をそのとおりに繰り返すため、画面のレイアウトが変わると止まりやすい一方、動きは予測しやすく費用も一定です。Computer Useは画面を見て次の操作を判断するので変化に強いものの、毎回の結果が同じになるとは限らず、リクエストごとに費用がかかります。手順が固まった定型作業はRPA、判断が入る作業や画面がよく変わる作業はComputer Use、という分け方が現実的です。

Q. Geminiアプリから使えますか?

A. Computer Useは開発者・企業向けのAPI機能で、Geminiアプリには入っていません。アプリでPC操作を任せたい場合は、Geminiアプリのエージェント機能「Gemini Spark」が近い位置づけです。

まとめ

Gemini Computer Useは、Geminiがスクリーンショットを見て、ブラウザ・モバイル・デスクトップの操作を提案し、アプリ側がそれを実行して進めるGemini APIの組み込みツールです。2026年6月にGemini 3.5 Flashのツールとして公開プレビューが始まり、10月時点では推奨モデルがGemini 3.8 Flashへ移りました。2.5専用モデルは提供終了、3.5 Flashは非推奨です。

  • 料金: 追加料金はないが無料枠では使えず、3.8 Flashは2027年1月に単価が2倍になる
  • 安全性: safety_decision の承認処理は必須で、インジェクション検知は自分でオンにする必要がある
  • Claudeとの違い: Android操作とGoogle基盤との相性はGemini、GA済みの安定性・成功率・既定の防御はClaude

まずは隔離した環境で、失敗しても困らない作業から試し、成功率と1タスクあたりの費用を実測してから導入範囲を決めるとよいでしょう。プレビュー機能のため仕様は変わりやすく、採用を決める前に公式ドキュメントで最新の状態を確認してください。

このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します

開発について相談する

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します