AIツール2026年10月更新

Microsoft Maia 300とは?性能・Maia 200との違い・使える人をNVIDIAやTPUと比べて整理

公開日: 2026/10/13
Microsoft Maia 300とは?性能・Maia 200との違い・使える人をNVIDIAやTPUと比べて整理

この記事のポイント

Maia 300は、MicrosoftがCopilotなど自社のAIサービスの推論用に設計した第3世代のAIチップです。2027年に本番展開を始める予定で、外部向けの販売や料金はまだ発表されていません。公式の仕様、Maia 200との違い、TPU・Trainium・NVIDIAとの比較、Azure利用者への影響を、公式値と報道値を分けて整理しました。

Maia 300(正式名称 Azure Maia 300)は、MicrosoftがCopilotやGitHub Copilotなど自社のAIサービスで「推論」を動かすために設計した、第3世代のAIチップです。2026年10月12日(米国時間)に発表され、本番展開は2027年からの予定です。外部企業への販売や料金は、現時点では発表されていません。

発表の要点は次のとおりです。

  • Maia 300は、学習ではなく推論(AIが回答を生成する処理)に特化したMicrosoftの自社チップ
  • 公式は「主要なGPUシステムより1メガワットあたり40%多くトークンを処理できる見込み」としているが、比較対象のGPUは明かしておらず、第三者による検証もまだない
  • 使うのはMicrosoft自身のサービスで、Azureの利用者がチップを選んだり別料金を払ったりする形ではない(2026年10月時点)
  • 2026年11月のMicrosoft Ignite 2026で、追加の発表が予告されている

Maia 300とは:Microsoftが自社サービスのために作った推論用AIチップ

Microsoftの推論用AIチップ「Azure Maia 300」の試作チップ

出典: Microsoft 公式サイト

Maia 300は、Microsoftが自社で設計し、自社のデータセンターで使うAIアクセラレータ(AIの計算を専門に受け持つチップ)です。NVIDIAのGPUのように市場で売られる製品ではなく、Microsoftが自社のAIサービスを安く速く動かすための部品として位置づけられています。

公式ブログでは、Maia 300を「推論ファースト(inference-first)」の設計だと説明しています。ここでいう推論とは、学習を終えたAIモデルが、ユーザーの質問に答えたりコードを書いたりする処理のことです。ChatGPTやCopilotに質問して回答が返ってくるまでの計算が、推論にあたります。

Microsoftは「2027年からMaiaファミリーを数ギガワット規模で展開し、Microsoftの製品とサービスを支える主力の推論システムにする」と公式に表明しています。1ギガワットは原子力発電所1基分に近い電力なので、Maiaを一部の実験用ではなく、AIサービスを支える中心に据えるという意味の発表です。

Maiaシリーズの世代

Maia 300は3世代目にあたります。現在、本番で動いているのは2世代目のMaia 200です。

世代

発表

現在の状況(2026年10月時点)

Maia 100

2023年11月(Ignite 2023)

初代。報道では、展開は小規模にとどまったとされる

Maia 200

2026年1月26日

本番稼働中。Microsoft Copilotなどを処理している

Maia 300

2026年10月12日

2027年から本番展開の予定。まだ稼働していない

なお、Microsoftの表現は2027年の「本番展開開始」であり、「発売」ではありません。一般の企業が2027年に買えるようになるという意味ではない点に注意してください。

Maia 300でできること:動かす予定のサービス

Maia 300は、長い文章を読み込む推論、すばやい応答が求められる対話、何段階も作業を進めるAIエージェントの処理を想定して作られています。公式ブログでは、動かす予定のサービスとして次の4つを挙げています。

動かす予定のサービス

処理の内容

GitHub

何段階もの作業を自律的に進めるエージェント型のコーディング

Microsoft Foundry

企業向けにAIモデルをクラウド規模で提供する基盤

MAIチーム(Microsoft AI)

自社モデルの推論と、学習用データの生成

Dragon Copilot

医療現場で臨床医の記録作業を減らす、遅延の少ない対話

どのサービスも、利用者が増えるほど推論の計算量と電力が膨らむ種類のものです。Microsoftは、こうした処理をGPUより少ない電力でこなすことを狙っています。

Microsoftは自社開発のAIモデル「MAI」シリーズにも力を入れています。モデルとチップの両方を自社でそろえる流れについては、Microsoft MAI-Thinking-1とはや、MicrosoftがGitHub Copilot・Excelを自社AI「MAI」に切り替えた件で詳しく整理しています。

Maia 300の主な仕様:公式値と報道値を分けて整理

Microsoftが公開したMaia 300の主な仕様表とチップ構成図

出典: Microsoft 公式ブログ

Maia 300の公式仕様のうち、特に大きいのはメモリの量と速さです。HBM4(最新世代の高速メモリ)を8スタック、合計288GB積み、ピーク帯域は18.0TB/sです。一方、チップ1枚あたりの演算性能(FLOPS)は、公式ブログと技術ブログには数値が載っていません。

日本語のニュースでは、公式値と報道で出てきた数値が区別されずに並んでいることが多いため、ここでは出どころを分けて示します。

公式に発表された仕様

公式ブログと、Azureの技術ブログ「Deep dive into Azure Maia 300 architecture」に記載のある値です。

項目

内容

製造プロセス

演算チップレットはTSMC N2P(2nm世代)

構造

マルチチップレット(演算・メモリコントローラ・I/Oを別のダイに分ける)

メモリ

HBM4×8スタック、288GB

メモリ帯域

18.0TB/s(ピーク)

TDP(消費電力の目安)

950W

オンダイSRAM

ソフトウェアで管理する作業領域として使う(容量は非公表)

低精度の数値形式

改良版MXFP4(演算とKVキャッシュに適用)、3ビット未満での格納、ハードウェアによるデータ型の変換

ソフトウェア

SDLAと呼ぶデータフロー設計と、AIを使ったカーネル最適化。チップ単体からデータセンター全体まで同じプログラミングモデルで扱う

用語を少し補足します。HBMはチップのすぐ横に積み上げる高速メモリで、AIモデルの重みや会話の途中経過を置いておく場所です。推論、とくに長い文章を扱う推論では、計算の速さよりも「メモリからどれだけ速くデータを読めるか」が性能を左右しやすく、Maia 300はここに力を入れています。MXFP4は、数値を4ビットという少ない桁で表す形式です。精度を少し落とす代わりに、メモリと電力を大きく節約できます。

ラック単位の構成(公式)

Maia 300は、チップを96基まとめたラック(サーバー棚)単位で動かす前提で設計されています。

項目

内容

1ラックのチップ数

96基(4基入りのトレイ×24)

ラックの電力枠

167kW

ラック全体のHBM

27.6TB、帯域は合計1.7PB/s

ネットワーク

Ethernetをもとにした独自のAI向け通信方式。ラック内は電気、ラック間は光で接続

最大構成

128ラック・12,288基を1つのまとまり(スーパーポッド)として扱う

冷却

ラックの熱の80%超を液冷で処理し、残りは空冷

ラック1つで167kWという電力は、一般的なサーバーラック(数kW〜十数kW程度)の10倍以上にあたります。液冷が前提になっていることからも、AIインフラでは計算の速さと同じくらい、電力と冷却が制約になっていることがわかります。ラック単位でAIチップを売り込む動きは他社にもあり、AMD Heliosラックが近い例です。

報道で出ている数値(公式ページでは未確認)

次の値は、ITmedia、StorageReviewなどの報道で出ているものです。複数の媒体で一致しているため、Microsoftが記者向けに示した可能性はありますが、取得できた公式ブログの本文では確認できていません。

項目

報道されている値

FP4の演算性能

13.8PFLOPS級

FP8の演算性能

6.9PFLOPS級

チップ間の通信帯域

双方向3.2TB/s(StorageReview)

ホストとの接続

PCIe Gen6 x16(StorageReview)

配備数

2027年に100万個超の可能性(Reuters。Microsoftは個数を公表していない)

Maia 200との違い:メモリ帯域2.5倍、ラックの処理量は最大7倍

現在本番で稼働している第2世代チップ「Azure Maia 200」

出典: Microsoft 公式ブログ

前世代のMaia 200と比べると、Maia 300はメモリ帯域が2.5倍に増え、96基を積んだラックではトークン(AIが処理する文字の単位)の処理量が最大7倍になると公式は説明しています。演算性能の伸び(+36%)よりメモリ周りの伸びが大きく、推論向けにメモリへ重点を置いた世代と言えます。

項目

Maia 200

Maia 300

変化(公式)

発表

2026年1月

2026年10月

―

製造プロセス

TSMC 3nm

TSMC N2P(2nm世代)

―

メモリ

HBM3e 216GB

HBM4 288GB

容量+33%

メモリ帯域

7TB/s

18.0TB/s

2.5倍

TDP

750W

950W

―

システムの演算性能

FP4 10PFLOPS超(公式)

公式は相対値のみ

+36%

ラック密度

―

1ラック96基

2倍

ワットあたり性能

―

―

2.5倍超

ラック単位のトークン処理量

―

―

最大7倍

状況

本番稼働中

2027年から本番展開

―

Maia 200の値は2026年1月の公式発表、Maia 300の値は2026年10月の公式ブログと技術ブログによるものです。「7倍」はチップ1枚の比較ではなく、96基を積んだラック全体での比較です。

Maia 200は、現在すでにMicrosoft Copilotの本番処理を担っています。Teams、Copilot、Coworkに組み込まれたAI機能では、主要なGPU基盤と比べて1ワットあたり最大1.7倍のトークンを処理していると公式は説明しています。GitHub CopilotとMicrosoft Foundryも、2026年末までにMaia 200での処理に広げる予定です。

Maia 300の強み

Maia 300の強みは、推論に必要なメモリの量と速さ、そして電力あたりの処理量にあります。公式が主張している内容を整理すると、次のようになります。

  • 電力あたりの処理量:主要なGPUシステムと比べて、1メガワットあたり40%多くトークンを処理できる見込み
  • メモリ帯域:HBM4で18.0TB/s。公式は「ワットあたりのHBM帯域で業界トップ」としている
  • 大規模な連結:最大12,288基を1つのまとまりとして扱え、巨大なモデルや長い文章の推論を分担できる
  • チップからサービスまで自社でそろう:チップ、サーバー、ネットワーク、冷却、ソフトウェアまで自社で設計し、Copilotなど自社サービスに合わせて調整できる

最後の「自社でそろう」点は、Microsoftにとって特に大きな意味を持ちます。AIサービスの原価の多くは推論の計算コストです。自社チップで電力あたりの処理量を上げられれば、Copilotなどの提供コストを下げたり、同じ電力でより多くの利用者をさばいたりできます。電力の確保が難しくなっているいま、「1メガワットあたりのトークン数」は、AI企業の競争力を測る重要な指標になっています。

Maia 300の弱みと制約

一方で、Maia 300には現時点で次の制約があります。とくに誤解されやすいのは、「外部企業はまだ使えない」ことと「数値の多くはMicrosoft自身の見込み」であることです。

  • 外部の企業は直接使えない:公式ブログ・技術ブログのどちらにも、Azureの顧客がMaia 300を購入する、インスタンスとして選ぶ、社内に設置するといった提供方法は書かれていない
  • まだ動いていない:本番展開は2027年から。2026年10月時点で動いているのはMaia 200
  • 学習向けではない:推論を優先した設計で、大規模なモデルの学習には、引き続きNVIDIAやAMDのGPUが併用される見通し
  • 第三者の検証がない:「40%」「7倍」はMicrosoftの見込み。独立したベンチマークはまだ出ていない
  • 比較対象が不明:「主要なGPUシステム」が具体的にどの製品を指すのかは非公表で、NVIDIAの最新製品と数値で直接比べることはできない
  • 非公表の項目が多い:チップ単体の演算性能、SRAMの容量、トランジスタ数、展開する地域やデータセンター、生産数、価格

セキュリティ面についても、Maia 300に固有の機能(機密コンピューティングや暗号化など)は、今回の公式発表では触れられていません。チップが変わっても、データの扱いはAzureや各サービスの既存の利用規約・データ保護方針に従うと考えるのが妥当です。

このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します

初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)

開発について相談する

料金と提供形態:Maia 300は誰が使えるのか

Maia 300を搭載するMicrosoft独自サーバーのレンダリング画像

出典: Microsoft 公式サイト

Maia 300の料金は発表されていません。そもそも外部向けに販売・貸し出しをするという発表がないため、「Maia 300の料金プラン」というものは現時点では存在しません。

利用者の立場で整理すると、次のようになります。

利用者

Maia 300との関係(2026年10月時点)

Microsoft Copilot、Microsoft 365 Copilotの利用者

裏側で動くチップが将来Maiaに置き換わる可能性がある。チップを選ぶ必要はなく、別料金もない

GitHub Copilotの利用者

エージェント型コーディングがMaia 300で動く予定と公式が明言。使い方は変わらない

Microsoft Foundryでモデルを使う企業

モデル提供の基盤としてMaia 300が使われる予定。料金への影響は未発表

AzureでGPUインスタンスを借りている開発者

当面の影響はない。Maia 300を選べるインスタンスは発表されていない

AIチップを自社で調達したい企業

Maia 300は買えない。NVIDIAやAMD、他社クラウドの専用チップが選択肢になる

参考までに、Maia 200については2026年1月に、開発者・AIスタートアップ・研究者向けのSDKプレビュー(PyTorchとの統合、Tritonコンパイラ、シミュレーターなど)が案内されました。Maia 300向けのSDKや開発者プログラムは、今回の発表には含まれていません。

自社チップで推論コストが下がれば、将来的にCopilotやFoundryの料金に影響する可能性はあります。ただし、値下げなどについてMicrosoftは何も発表しておらず、現時点で料金が変わると考える根拠はありません。

AzureやCopilotを使う企業への影響

AzureやMicrosoft 365を業務で使っている企業が、Maia 300に合わせて今すぐ何かをする必要はありません。チップの切り替えはMicrosoftの内部で進むもので、利用者が触るのはこれまでどおりCopilotやFoundryの画面とAPIです。

業務利用の観点でまず意識しておきたいのは、AIの処理能力の供給が増える方向にあることです。ここ数年、GPUの不足や電力の制約が、クラウドAIの利用枠や応答速度に影響してきました。Microsoftが2027年から数ギガワット規模で推論基盤を増やすことは、Copilotやエージェント機能を全社に広げたい企業にとって、長い目で見て追い風になり得ます。

もう1つは、モデルとインフラの選択肢がMicrosoftの中で増えていることです。Maia 200上ではOpenAIのモデル、Microsoft自社のMAIモデル、主要なオープンソースモデルが動いています。Microsoft、OpenAIのモデル、自社開発モデルの関係については、OpenAI × Microsoft 新パートナーシップ完全解説や、Microsoft Build 2026とは?自社AIモデル7本にまとめています。Microsoftのモデルについては、Microsoft-Decision-1とはもあわせて参考にしてください。

FoundryのAPIなどを通じて、新しいモデルを自社の業務システムに組み込むときは、どのモデルを選ぶかよりも、既存のデータや業務フローとどうつなぐか、開発と運用にいくらかかるかが課題になりがちです。進め方と費用の目安は、既存システムにAIを組み込む方法で整理しています。

TPU・Trainium・NVIDIAとの違い

Maia 300とGoogle TPU・AWS Trainiumの大きな違いは、外部に提供されているかどうかです。GoogleのTPUとAWSのTrainiumは、それぞれのクラウドで顧客が借りられます。一方、Maia 300は今のところMicrosoftの自社サービス専用です。NVIDIAはチップそのものを各社に販売する立場で、MicrosoftもNVIDIAやAMDのGPUを調達し続けています。

チップ

開発元

メモリ

メモリ帯域

主な用途

外部への提供

Maia 300

Microsoft

HBM4 288GB

18TB/s

推論

なし(自社サービス用)

Maia 200

Microsoft

HBM3e 216GB

7TB/s

推論

SDKプレビューのみ

TPU7x(Ironwood)

Google

HBM 192GB

約7.37TB/s

推論・学習

Google Cloudで提供

Trainium3

AWS

HBM3e 144GB

4.9TB/s

学習・推論

AWSで提供

Rubin(Vera Rubin NVL72)

NVIDIA

HBM4 288GB

約22TB/s(報道ベース)

学習・推論

各クラウド・メーカー経由で販売

Maia・TPU・Trainiumの値は各社の公式情報によります。NVIDIA Rubinの値は、CES 2026での発表を伝えた報道によるものです。演算性能は、各社でFP4・FP8・MXFP8など数値形式や条件がそろっていないため、表には入れていません。単純に数字を並べて優劣をつけることはできない点に注意してください。

ラック単位でも比べ方が違います。Reutersによると、Maia 300のラックが96基・約167kWなのに対し、NVIDIA GB300のラックは72基・約142kWです。

自社チップでNVIDIAへの依存を減らそうとする動きは、Microsoftだけのものではありません。Googleの次世代TPUはTPU v8 Sunfish/Zebrafishとはで、OpenAIがBroadcomと共同開発する推論チップはOpenAI×Broadcom「Jalapeño」とはで解説しています。クラウド各社のチップをAI企業がどう調達しているかは、OpenAI × AWS 戦略パートナーシップ(Trainium)やAnthropicとGoogleの2,000億ドル契約(TPU)が参考になります。推論専用チップをめぐる買収の動きはAMDがTaalasを買収で紹介しています。

「NVIDIA離れ」と言えるのか

Maia 300の発表は「NVIDIA依存からの脱却」と報じられることがありますが、正確には「推論の主力を自社チップに移す」動きです。Microsoftは2026年7月にもAMDとのAzure AI/HPCの拡張を発表しており、GPUの調達をやめるわけではありません。学習にはGPU、推論の大部分には自社チップ、という役割分担を目指していると読むのが実態に近いでしょう。

Maia 300の情報を追うべき人・気にしなくてよい人

Maia 300は「使い方を覚えるツール」ではないため、立場によって情報の重要度が大きく変わります。

こんな人におすすめ(情報を追う価値が大きい)

  • AIインフラ、半導体、データセンターの動向を追っている人
  • Azureを中心にAI基盤を組んでいて、将来の処理能力や料金の見通しを立てたい企業のIT担当者
  • Copilot、GitHub Copilot、Foundryを全社に広げる計画がある企業
  • NVIDIA、TSMC、HBMメーカーなど、関連企業の事業環境を見ている投資家やアナリスト
  • 生成AIの原価や電力の問題を調べている人

おすすめしない人(今は気にしなくてよい)

  • CopilotやChatGPTを日常業務で使うだけの個人ユーザー(使い勝手は変わらない)
  • 今すぐ自社で使えるAIチップやGPUを探している人(Maia 300は購入もレンタルもできない)
  • AzureのGPUインスタンスで開発している人(当面の影響はない)
  • AIモデルの学習環境を検討している人(Maia 300は推論向け)

今後の予定:Ignite 2026で追加発表の予定

Maia 300のサーバーと液冷設備を組み込んだラックシステム

出典: Microsoft 公式サイト

Microsoftは公式ブログで、2026年11月17〜20日に開かれるMicrosoft Ignite 2026(サンフランシスコとオンライン)で、戦略とMaiaの進捗をさらに説明すると予告しています。

今後確認したい主なポイントは次のとおりです。

  • Maia 300を外部の顧客が使える形(インスタンスやSDK)で提供するかどうか
  • 展開する地域とデータセンター(日本リージョンを含む)
  • チップ単体の公式な演算性能
  • 「40%」の比較条件や、第三者によるベンチマーク
  • CopilotやFoundryの料金・利用枠への影響

よくある質問

Maia 300はいつから使われますか?

公式には、2027年から本番展開を始めるとされています。具体的な月や、どのサービスから順に使われるかは発表されていません。2026年10月時点で本番稼働しているのは、前世代のMaia 200です。

AzureでMaia 300のインスタンスを選べますか?

現時点では選べません。公式発表に、Azureの顧客がMaia 300を直接選ぶ提供方法は書かれていません。Maia 300はCopilotやFoundryなど、Microsoftのサービスの裏側で使われる予定です。

Maia 300でAIモデルの学習はできますか?

Maia 300は推論を優先した設計で、公式の用途も推論が中心です。MAIチームの学習用データの生成には使われる予定ですが、大規模なモデルの学習は引き続きGPUが中心になると見られます。

「13.8PFLOPS」という数値は公式ですか?

ITmediaやStorageReviewなど複数の媒体が報じていますが、Microsoftの公式ブログと技術ブログの本文では確認できていません。公式に示されているのは「システムの演算性能がMaia 200比で+36%」という相対値です。

日本のデータセンターにも導入されますか?

展開する地域は発表されていません。Maia 200は米国、欧州、オーストラリアへの展開が進んでいると報じられていますが、Maia 300の日本リージョンへの導入は未定です。

Maia 300のおかげでCopilotは安くなりますか?

料金への影響は発表されていません。自社チップで推論コストが下がれば値下げや利用枠の拡大につながる可能性はありますが、現時点でそうなると判断できる材料はありません。

まとめ

Maia 300は、MicrosoftがCopilot、GitHub Copilot、Microsoft Foundryなど自社のAIサービスの推論を担わせるために設計した、第3世代のAIチップです。HBM4を288GB積み、メモリ帯域は18.0TB/s。前世代のMaia 200と比べてメモリ帯域は2.5倍、ラック単位のトークン処理量は最大7倍になると公式は説明しています。

ただし、本番展開は2027年からで、外部への販売や料金は発表されていません。「GPUより1メガワットあたり40%多い」という主張も、比較対象と第三者による検証が明らかになるまでは見込みとして受け止めるのが妥当です。

AzureやCopilotの利用者が今すぐ対応すべきことはありません。2026年11月のIgnite 2026で、外部提供の有無や展開地域が明らかになるかを確認しておきましょう。

参照した公式情報

このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します

開発について相談する

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します