AIツール2026年10月更新

Elorian Glimpseとは?画像を見直して考えるAIモデルの性能・料金・使い方・GPT-6 Astraとの違い【2026年10月】

公開日: 2026/10/16
Elorian Glimpseとは?画像を見直して考えるAIモデルの性能・料金・使い方・GPT-6 Astraとの違い【2026年10月】

この記事のポイント

Elorian Glimpseは、米スタートアップElorianが2026年10月16日にリサーチプレビューとして公開した「視覚思考モデル」です。API料金は入力$0.60・出力$3.00で、動画の時間推論や数え上げを得意とします。仕組み、自社ベンチマークの勝ち負け、他モデルとの料金比較、データの扱いと業務で使う前の注意点を整理します。

Elorian Glimpse(エロリアン・グリンプス)は、米パロアルトのAIスタートアップElorianが2026年10月16日(米国時間)に公開した最初のモデルです。考えている途中で画像や動画に何度も戻り、拡大したり見直したりしながら答えを出す「視覚思考モデル(visual thinking model)」で、API料金は100万トークンあたり入力$0.60・出力$3.00です。

現時点ではリサーチプレビューで、ElorianのプラットフォームからAPIとチャット画面で使えます。公式は動画の時間推論・数え上げ・ロボット向けのラベル付けでGPT-6 Astraを上回る項目があるとしています。ただし、これはElorianの自社評価です。比べた12項目のうち6項目ではAstraに負けています。

この記事でわかること

  • Glimpseの仕組みと、一般的なマルチモーダルモデルとの違い
  • 公式の作業例から見た、得意なこと・苦手なこと
  • 公式ベンチマークの読み方(GPT-6 Astraに対して4勝1分6敗)
  • API料金と、GPT-6 Astra・Claude Opus 5.5・GPT-6.1 Sol・Gemini 3.8 Flashとの比較
  • 無料利用時の学習利用、米国保存など、業務で映像を入れる前に確かめたいこと
  • 使い始め方と、どんな人に合うか

画像・動画を扱うAIの技術選定をしている開発者、製造・物流・建設・メディアなどで映像データの活用を考えている担当者、新しいモデルの情報を早めに押さえておきたい情報システム部門の方に向けた記事です。生成AI全体の基本は生成AIとはで解説しています。

Elorian Glimpseの要点

Elorian公式ブログのGlimpse紹介画像。リサーチプレビューとして公開された視覚思考モデル

出典: Elorian 公式ブログ

公開から1日の時点で、公式ブログ・公式サイト・TechCrunchの報道で確かめられた内容をまとめます。

項目

内容

名称

Glimpse(開発元の名前を付けて「Elorian Glimpse」と呼ばれることが多い)

開発元

Elorian AI, Inc.(米カリフォルニア州パロアルト)

公開日

2026年10月16日(米国時間)

提供形態

リサーチプレビュー(正式版ではない)

使える場所

Elorianプラットフォーム(platform.elorian.ai)のAPIとチャット画面

公式の位置づけ

新しい種類の「視覚思考モデル」。見たものから物理世界について推論する

入力

画像・動画(公式の作業例で確認できる範囲)

出力

テキストのみ(画像生成はしない)

API料金

入力 $0.60 / 出力 $3.00(100万トークンあたり・キャッシュなし)

思考の深さ

設定できる(thinking effort)。ベンチマークは最大で測定

未公開の情報

コンテキスト長、最大出力、APIのモデルID、レート制限、パラメータ数、基盤モデル名、日本語対応

導入を考えるなら、得意分野・料金の比べ方・データの扱いの3つを先に押さえておくと判断を誤りにくくなります。

① 得意分野がはっきりしている

文章作成やコーディングの汎用モデルではありません。動画のどの瞬間に何が起きたか、画面に何がいくつあるか、ロボットがいつ物をつかんで置いたか、といった「見て確かめる」仕事に絞ったモデルです。

② 「Astraより94%安い」は条件つき

公式の「94%安い」は、最上位のGPT-6 Astraと比べた場合の数字です。GPT-6 Lunaのような軽量モデルと比べると、Glimpseのほうが高くなります。

③ 業務の映像を入れる前に、データの扱いを確認する

公式のプライバシーポリシーによると、無料で使う場合の入力・出力は、既定でモデルの学習に使われます。データは米国に保存されます。リサーチプレビューのため、継続提供や料金の据え置きも保証されていません。

Elorian Glimpseとは:見たものに何度も戻って考えるモデル

Elorianのチャット画面で、ドローン動画に映る建設車両の台数をGlimpseに数えさせている様子

出典: Elorian 公式ブログ

Glimpseは、推論の途中で元の画像や動画に何度も戻って確かめるモデルです。この点が一般的なマルチモーダルモデルと大きく違います。

一般的なマルチモーダルモデルは、画像を最初に一度トークン(モデルが扱う数値の列)に変換し、そのあとは文章で考えます。最初の変換で落ちた細部は、あとから取り戻せません。

Glimpseは、考えている途中で次のような動作をします(公式ブログ・TechCrunch)。

  • 画像の一部を切り出して拡大し、細部を見直す
  • 動画の特定の区間を、高いフレームレートで見直す
  • コードを実行して、長さを測ったり数を比べたりする
  • サブエージェントを起動し、別々に見た結果をまとめる

公式はこの考え方を「visual scratch space(視覚の作業領域)」と呼んでいます。人が図面を見ながら、気になるところを指でなぞったり、ルーペで拡大したりするのに近い動きです。TechCrunchは「画像について推論するのではなく、画像を使って推論する」と表現しています。

比較ポイント

一般的なマルチモーダルモデル

Glimpse

画像の扱い

最初に一度だけ読み込み、あとは文章で考える

考えている途中で何度も画像・動画に戻る

細部の確認

最初に読み取れなかった細部は取り戻しにくい

拡大・切り出し・高フレームレートの再生で見直す

道具の使い方

製品によっては外部ツールとして後から組み合わせる

コード実行・画像の変換・動画の再生を、学習の段階から一体で身につけている

向いている問い

「この画像には何が写っているか」

「何秒目に何が起きたか」「条件に合うものはいくつあるか」

なお、画像を切り出して拡大しながら考える手法そのものは新しくありません。TechCrunchは、OpenAIが2025年にoシリーズへ同様の機能を入れていたと指摘しています。Elorianの主張は、この手法を最初からモデルの軸に据えて作った点にあります。

開発元Elorianはどんな会社か

Elorianは、Google Brain・DeepMindに約14年在籍したAndrew Dai氏(CEO)と、Apple出身のYinfei Yang氏が共同創業した会社です。2026年4月にステルス状態から姿を現し、シードラウンドで5,500万ドル(評価額3億ドル)を調達しました。Striker Venture PartnersとMenlo Venturesが共同でリードし、Nvidiaや、Googleのチーフサイエンティストであるジェフ・ディーン氏も出資しています(TechCrunch・Bloomberg Law)。

Glimpseは、公開されているオープンウェイトの基盤モデルを事後学習して作られました。どの基盤モデルかは明かされていません。公式ブログは「数百基のGPUしかない」小さなチームで作ったと書いています。TechCrunchによると、比較対象のフロンティアモデルより「かなり小さい」モデルです。

※二次報道には評価額を「30億ドル」、調達額を「5,000万ドル」とするものもありますが、この記事ではTechCrunchとBloomberg系の報道にそろえています。

Elorian Glimpseでできること

ロボットアームの作業動画から、Glimpseが物体の枠と「つかむ・置く」の時間区切りを付けた公式の作業例

出典: Elorian 公式ブログ

Glimpseが得意なのは、動画の中の時間の流れ、数え上げ、ロボットの作業の理解です。公式ブログに載っている作業例を用途ごとに整理します。

用途

公式の作業例

業務での使い道の例

動画の時間推論

窓枠の動きを追って、列車が減速していると判定する。カメラのパンとカットを見分ける

監視・検査映像で「いつ何が起きたか」を特定する

密な動画キャプション

2分46秒の路上パフォーマンスから14のイベントを、16秒の映像から13のイベントを書き出す

動画アーカイブへの説明文・タグ付け

条件つきの数え上げ

開いているペンチだけを数える(閉じたペンチ・はさみは除く)。カメラが動く中で子犬を追って数える

在庫・部品・車両の計数

タイムスタンプ付きの計数

工事車両を、映った時刻つきで数える

建設現場・物流拠点の出入り記録

ロボット向けのラベル付け

物体に名前と枠を付け、ロボット作業の1エピソードを6つのピック&プレイスに分けて時刻を付ける

ロボット学習用データの作成

ロボットのプランナー

VLAポリシー(π0.5)の上位で、作業の段取りを決める

ロボットのタスク計画

視覚パズル

迷路、間違い探し

図面・画面の差分チェック

公式Modelsページのデモでは、7秒の無音動画と質問を入れると、タイムスタンプ付きの文章で答えが返ってきます。

ロボット関連のコストの例も公式が出しています。π0.5というロボット制御モデルのプランナーとしてLIBEROのタスクを1回こなすコストは、Glimpseが$0.035、GPT-6 Astraが$0.249でした(どちらもタスクは完了)。

公式ブログには、倒れるタイヤの縁がどちらへ動くか、線路の切替レバーを引くと何が起きるか、といった物理的な因果を説明する例も載っています。ただし公式は、これらを「レビュー済みの参考解答」と注記しています。モデルの出力をそのまま載せたものではない点に注意してください。

できないこと・まだ公開されていないこと

次の項目は、現時点ではできないか、できるかどうかが確かめられていません。

  • ロボットを直接動かすこと: 今できるのは「見て理解する・計画する」までです。アクション出力(ロボット制御)は、公式が今後の課題としています。ロボット制御そのものを担うモデルは、Figure AIのHelix-02やMistralのRobostral Navigateのような別系統です
  • 画像の生成: 出力はテキストだけです。理解と生成の両方ができるモデルは、公式が今後の方向性に挙げています
  • 日本語での利用: 公式の例はすべて英語です。日本語での質問や、日本語の字幕・看板の読み取りの精度は公開されていません
  • PDF・音声の入力: プライバシーポリシーには入力の例として音声やファイルが挙がっていますが、モデルが対応する形式としては書かれていません
  • 仕様の詳細: コンテキスト長、最大出力トークン、APIのモデルID、レート制限、入力ファイルの上限は公開されていません

公式ベンチマークの読み方:GPT-6 Astraに対して4勝1分6敗

Glimpseは一部の項目でGPT-6 Astraを上回っています。ただ、12項目全体ではAstraに負けている項目のほうが多く、どれもElorianの自社評価です。第三者による検証はまだありません。

公式ブログに載っているスコアは次のとおりです(太字は各行の最高値)。

ベンチマーク

分野

Glimpse

GPT-6 Astra

GPT-6.1 Sol

Claude Opus 5.5

Gemini 3.8 Flash

Astraとの勝ち負け

WGO Bench(操作イベント)

ロボティクス

42.70

39.42

38.91

12.34

33.99

勝ち

ERQA(空間推論)

ロボティクス

83.75

83.75

82.45

82.20

81.20

引き分け

BabyVision(細かな視覚推論)

視覚認識

95.36

97.68

97.16

—

83.25

負け

HSS(画像+動画の場面理解)

視覚認識

46.36

53.6

46.6

49.81

41.6

負け

CharXiv-R(科学グラフの推論)

科学

92.90

92.10

92.60

93.40

91.80

勝ち

UGC-VideoCap(短尺動画キャプション)

動画キャプション

82.66

80.32

80.41

76.35

78.33

勝ち

DREAM-1K(密な動画キャプション)

動画キャプション

76.04

79.05

77.93

72.05

70.00

負け

TOMATO(細かな時間推論)

時間推論

93.60

96.02

89.02

72.44

83.02

負け

Video-MME v2(字幕あり)

時間推論

56.68

64.06

65.27

—

59.58

負け

E.T. Bench(イベント理解)

時間推論

63.55

—

59.79

—

63.45

比較なし

FSC-147(数え上げ)

数え上げ

83.36

82.02

82.69

73.78

67.06

勝ち

CountQA(商品画像の数え上げ)

数え上げ

82.66

86.42

86.42

82.20

81.09

負け

勝ち負けの分かれ方と測定条件を見ると、数字の受け取り方が変わります。

  1. 勝っているのは、ロボットの操作イベント・短い動画のキャプション・数え上げ・科学グラフ。TechCrunchの見出し「科学グラフと短尺動画キャプションでAstraを上回った」は、勝った項目だけを取り上げたものです
  2. 場面の意味を読み取る推論は苦手。ElorianがScale AIと作った自社ベンチマークHSSでも、Astraに7ポイント以上離されています。分析記事を出したOrcaRouterは、ここから「場面が何を意味するかの推論には現時点で向かない」と読んでいます
  3. 測定の条件がそろっていない。Glimpseは思考の深さを最大にして測っています。Claude Opus 5.5とGPT-6.1 Solはhighで、一部の動画評価ではCode Interpreterを併用しています。Geminiは動画評価でVideo Agentを使っています。HSSには論文に載った数値も混ざっています

このため、「GPT-6 Astraを超えた」とひとまとめにするのは正確ではありません。より正確に言えば、「小さなモデルで、動画の細部と数え上げの一部では最上位モデルと並ぶか上回る」です。比較相手のモデルの詳細は、GPT-6 Astra(OpenAI Astra)とはとClaude Opus 5.5とはで解説しています。

Elorian Glimpseの料金:他モデルとの比較

GlimpseのAPI料金は、100万トークンあたり入力$0.60・出力$3.00です(キャッシュなしの入力)。Astraのような最上位モデルよりずっと安く、軽量モデルよりは高い価格帯にあります。

モデル

入力 / 出力($/100万トークン)

Glimpseとの差

動画の入力

Glimpse

0.60 / 3.00

—

対応(公式の作業例)

GPT-6 Astra

10 / 50

Glimpseが94%安(公式)

—

Claude Opus 5.5

4 / 20

Glimpseが85%安(公式)

非対応(テキスト・画像)

GPT-6.1 Sol

2 / 10

Glimpseが70%安(公式)

非対応(テキスト・画像)

Gemini 3.8 Flash

0.75 / 3.75(2026年末までの導入価格)

Glimpseが20%安(公式)

対応

GPT-6 Luna

0.10 / 0.50

Glimpseのほうが高い

非対応(テキスト・画像)

※他社の単価は、2026年10月時点の各社の公式情報をもとにした当サイトの既存記事で確かめた数字です。

TechCrunchは、GlimpseをHaikuやLunaのような軽量モデルより高く、SonnetやSolのような中位モデルより安い位置づけとしています。動画をそのまま入れられる点で直接の比較相手になるのは、Gemini 3.8 Flashです。Gemini 3.8 Flashの$0.75/$3.75は導入時の価格で、2027年からは標準価格に変わる予定です。軽量モデルの価格帯はGPT-6 Sol・GPT-6 Lunaとは、中位モデルとの比較はGPT-6.1 Solとはで確認できます。

料金のイメージ

仮に「1回あたり入力2万トークン・出力1,000トークン」のリクエストを1,000回送ると、単価だけで計算した費用は次のようになります。

モデル

入力(2,000万トークン)

出力(100万トークン)

合計

Glimpse

$12

$3

$15

Gemini 3.8 Flash

$15

$3.75

$18.75

GPT-6.1 Sol

$40

$10

$50

Claude Opus 5.5

$80

$20

$100

GPT-6 Astra

$200

$50

$250

ただし、これは単価の比較にすぎません。同じ動画でもモデルによってトークン数の数え方は違います。Glimpseは画像や動画を何度も見直すうえ、思考の深さを上げると出力トークンも増えます。実際の費用は、自社のデータで試して確かめる必要があります。

無料枠・プラン

項目

現時点の状況

無料で試す

公式ブログに「無料で試す」導線あり。無料枠の量は公開されていない

キャッシュ入力の料金

公開されていない

チャット画面の月額プラン

料金表は見つからない

法人向け

大量利用・自社データでの評価・導入支援・調達審査は営業窓口(sales@elorian.ai)

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)

Elorian Glimpseの使い方

Elorianのロゴ。GlimpseはElorianプラットフォームのAPIとチャット画面で使える

出典: Elorian 公式

Glimpseは、Elorianのプラットフォーム(platform.elorian.ai)でアカウントを作ると、チャット画面とAPIで使えます。現時点で確かめられた手順は次のとおりです。

  1. アカウントを作る: platform.elorian.aiにアクセスし、登録します。Googleアカウントでもログインできます。利用できるのは16歳以上です
  2. チャット画面で試す: 画像や動画をアップロードし、「何秒目に何が起きたか」「条件に合う物はいくつあるか」のように具体的に聞きます
  3. APIで組み込む: プラットフォームでAPIキーを発行して使います。APIのモデルIDやリクエストの形式を説明した公開ドキュメントは、2026年10月17日時点で見つかりませんでした。プラットフォーム内の案内に従ってください
  4. 思考の深さを調整する: 精度を優先するなら深く、費用と速さを優先するなら浅く設定します。ベンチマークの数値は最大の設定で出たものです

なお、公式ブログとサポートページは「APIとチャット画面で今日から使える」「早期アクセスの順番待ちリストは受付終了」としています。一方、TechCrunchなど一部の報道は、チャット画面を「順番待ち」と書いていました。アカウントによって使える範囲が違う可能性があります。

うまく使うためのコツ

  • 問いを「時刻」や「数」で聞く: 「この動画を説明して」より「作業員がヘルメットを外したのは何秒目か」のほうが、Glimpseの得意分野に合います
  • 英語で試してから日本語を比べる: 日本語の精度は公開されていません。同じ問いを英語と日本語で投げて差を見ておくと、業務に使えるか判断しやすくなります
  • 他モデルと同じ素材で比べる: 公式ベンチマークは自社評価です。自社の映像で、Gemini 3.8 FlashやGPT-6 Astraと答えを並べて確かめるのが確実です

業務で使う前に確かめたいこと:データの扱いと規約

Glimpseに業務の映像を入れる前に、データがどう扱われるかを必ず確かめてください。公式のプライバシーポリシーと利用ポリシー(どちらも2026年10月12日更新)には、企業が気にするべき点がいくつかあります。

確認する点

公式の記載

業務での注意

学習への利用

無料で使う場合、入力・出力・フィードバックは既定でモデルの学習と改善に使われる

社外秘の図面、監視カメラの映像、人の顔が映る動画を無料枠で入れない

有料・APIの扱い

契約によって条件が違う場合があるとだけ書かれ、既定値は書かれていない

有料で使う前に営業窓口で書面の条件を確かめる

人による確認

守秘義務を負う社員や委託先が、入力と出力の一部を確認することがある

個人情報や機密を含む素材は避ける

学習の停止

privacy@elorian.aiへのメールで申し出る

設定画面で切り替えられるかは確かめられていない

保存期間

「合理的に必要な期間」とだけあり、期限は決まっていない

削除の手続きを事前に確かめる

保存場所

米国でホスティング

個人情報を含む映像は、個人情報保護法の外国にある第三者への提供のルールを確認する

性能情報の公開

同意なしにベンチマークや性能の情報を公開することを禁止

自社で比べた結果を社外の記事や資料に出す前に許可を取る

提供の安定性

リサーチプレビュー

SLA・継続提供・料金の据え置きは保証されていない

特に見落としやすいのが、性能情報の公開を禁じる規定です。自社で検証した結果を技術ブログや登壇資料で公開したい場合は、事前にElorianの同意が必要です。

利用規約の本文はJavaScriptで表示されるページにあり、出力の権利・準拠法・リサーチプレビューの免責の内容は確かめられていません。契約前には必ず本文を確認してください。生成AIを社内で使うときの全般的な注意は、生成AIツールおすすめでも整理しています。

業務で使うなら、まずPoCから

ターゲットとして想定されているのは、大量の動画を持つ企業です。TechCrunchは、ロボティクス企業、研究所、メディア、クリエイティブ企業を挙げています。日本企業なら、次のような使い方が考えられます。

  • 製造: 検査工程の映像から、異常が起きた時刻と部品を特定する
  • 建設: 現場カメラの映像から、重機や作業員の出入りを時刻つきで記録する
  • 物流: 倉庫の映像で、棚の荷物やパレットの数を数える
  • メディア: 過去の動画アーカイブに、場面ごとの説明とタグを付ける
  • ロボット開発: 作業映像に「つかむ・置く」の区切りと時刻を付け、学習データを作る

いずれも、まずは機密性の低い素材で精度と費用を測るPoC(試験導入)から始めるのが安全です。PoCで手応えがあり、新しいモデルを自社の業務システムに組み込む段階に進むときは、組み込み方と費用の目安を既存システムにAIを組み込む方法で確かめておくと、社内で進め方を決めやすくなります。

他のAIモデルとの違いと使い分け

Glimpseは汎用モデルの置き換えではなく、「映像を細かく見る仕事」を任せる専門のモデルです。文章・コード・資料作成まで含めた全体の作業は、汎用モデルと組み合わせるのが現実的です。

やりたいこと

向いているモデル

理由

動画の何秒目に何が起きたかを特定したい

Glimpse

動画区間の見直しが仕組みの中心。単価も安い

条件つきで物を数えたい

Glimpse(自社データで要検証)

FSC-147では首位。商品画像のCountQAではAstraが上

ロボット作業の映像にラベルを付けたい

Glimpse

WGO Benchで首位。公式の作業例もある

場面の意味や状況を総合的に判断したい

GPT-6 Astra

HSSでGlimpseを7ポイント以上上回る

長い動画を字幕も含めて理解したい

GPT-6.1 Sol/GPT-6 Astra

Video-MME v2で上位

動画も扱える汎用モデルを、実績のある基盤で使いたい

Gemini 3.8 Flash

正式版(GA)で、仕様・ドキュメントが公開されている

日本語の文章作成・コーディングが中心

Claude Opus 5.5/GPT-6.1 Sol

Glimpseは文章作業向けではなく、日本語の対応も未公開

ロボットを直接動かしたい

ロボット制御モデル(Helix-02など)

Glimpseのアクション出力は開発中

Glimpseはサブエージェントを起動・調整できるため、AIエージェントの中で「見る担当」として組み込む使い方とも相性がよいモデルです。たとえば、汎用モデルが全体の段取りを決め、映像の確認だけをGlimpseに任せる、という分担です。思考の深さを調整してコストと精度を合わせる考え方は、GPT-6 Astraのreasoning effortとも共通しています。

Elorian Glimpseはこんな人におすすめ

こんな人におすすめ

  • 画像・動画を大量に扱うアプリやサービスを作っている開発者
  • 製造・建設・物流で、監視や検査の映像から「いつ・何が・いくつ」を取り出したい担当者
  • 動画アーカイブへの説明文やタグ付けの費用を下げたいメディア・制作会社
  • ロボット学習用のデータ作りや、ロボットの作業計画を試したいロボティクス企業・研究者
  • 最上位モデルの費用を抑えつつ、映像の細部を見る精度を上げたい人

おすすめしない人

  • 日本語の文章作成・要約・コーディングが主な用途の人(汎用モデルのほうが合う)
  • 本番システムでSLA・継続提供・料金の据え置きが必要な人(リサーチプレビューのため)
  • 社外秘や個人情報を含む映像を、契約条件を確かめずにすぐ入れたい人
  • ロボットを直接動かすモデルや、画像を生成するモデルを探している人
  • 仕様書(コンテキスト長・レート制限など)がそろわないと設計できない人

よくある質問

Elorian Glimpseは日本から使えますか?

公式サイトには、日本からの利用を制限する記載も、日本向けの案内も見当たりません。データは米国で保存されます。日本語での利用精度は公開されていないため、業務で使う場合は日本語の素材で試してから判断してください。

「Elorian」と「Glimpse」はどう違いますか?

Elorianは会社名(Elorian AI, Inc.)で、Glimpseはその会社が出した最初のAIモデルの名前です。検索では両方をつなげて「Elorian Glimpse」と呼ばれることが多くなっています。

Glimpseはオープンソース(オープンウェイト)ですか?

いいえ。オープンウェイトの基盤モデルを事後学習して作られていますが、Glimpse自体の重みは公開されていません。使えるのはElorianのプラットフォームのAPIとチャット画面です。

ChatGPTやGeminiに画像を入れるのと何が違いますか?

一般的なモデルは、画像を一度読み込んだあとは文章で考えます。Glimpseは考えている途中で画像・動画に戻り、拡大や再生をしながら確かめます。動画の短い瞬間や、細かい条件での数え上げで違いが出やすいと公式は説明しています。ただし、場面の意味の理解ではGPT-6 Astraのほうがスコアが高い項目もあります。

自社で比べたベンチマーク結果をブログで公開してもいいですか?

Elorianの利用ポリシーは、同意なしにベンチマークや性能の情報を公開することを禁止しています。社外に出す前に、Elorianの許可を取る必要があります。社内の検討資料として使う範囲がこの規定に当たるかは書かれていないため、心配な場合は契約前に確認してください。

今後どうなる予定ですか?

公式は、マルチモーダルを前提にした事前学習、理解と生成の両方ができるモデル、ロボット向けのアクション出力を今後の方向性に挙げています。TechCrunchによると、Dai CEOは「来年はすべての視覚推論テストで首位を取る」と話しています。正式版の時期は発表されていません。

まとめ

Elorian Glimpseは、画像や動画に何度も戻って確かめながら考える「視覚思考モデル」です。2026年10月16日にリサーチプレビューとして公開されました。

  • 得意なこと: 動画の時間推論、条件つきの数え上げ、ロボット作業のラベル付けと計画
  • 料金: 入力$0.60・出力$3.00(100万トークンあたり)。GPT-6 Astraより94%安く、Gemini 3.8 Flashより20%安い。軽量モデルよりは高い
  • 性能: 自社評価でGPT-6 Astraに4勝1分6敗。場面の意味の理解や長い動画の理解ではAstraが上
  • 注意点: 無料利用だと入力が学習に使われる。データは米国保存。性能情報の公開には同意が必要。仕様の多くが未公開

映像を細かく見る仕事が多いなら、まずは機密性の低い素材で、Gemini 3.8 FlashやGPT-6 Astraと並べて試す価値があります。リサーチプレビューのため、仕様・料金・提供範囲は今後変わる可能性があります。

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

この記事の著者

AI革命

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編集部

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