AI活用事例2026年7月更新

地域支援体制加算の要件をわかりやすく解説|在宅24回の実績を満たすためのポイント【令和8年度改定対応】

公開日: 2026/07/01
地域支援体制加算の要件をわかりやすく解説|在宅24回の実績を満たすためのポイント【令和8年度改定対応】

この記事のポイント

地域支援体制加算(令和8年度改定で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」に再編)の区分・点数・算定要件を最新情報で整理。難関の「在宅24回」実績要件の数え方と積み上げ方を実務目線で解説します。

地域支援体制加算は、令和8年度(2026年)調剤報酬改定で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へと名称・制度が再編され、令和8年6月1日から施行されています。区分は従来の4段階から5段階(加算1〜5)に変わり、旧「後発医薬品調剤体制加算」は廃止のうえ、後発医薬品の数量割合要件(規格単位ベース85%以上)が本加算の基礎要件に組み込まれました。

なかでも算定のハードルとして最後まで残りやすいのが、直近1年間で「単一建物診療患者が1人」の在宅薬剤管理実績を合計24回以上満たす、いわゆる「在宅24回」要件です。

この記事でわかることは次のとおりです。

  • 令和8年度改定後の区分(加算1〜5)と点数の全体像
  • 施設基準(体制要件)と実績要件の2本柱の考え方
  • 「在宅24回」要件の正確な中身・合算できる算定料・オンライン除外の扱い
  • 24回を無理なく積み上げるための実務的な逆算と体制づくり

薬局の管理薬剤師・経営者、これから在宅に参入する薬局、届出を検討中の事務担当の方に向けた内容です。制度に関わる数値は公式通知で最終確認いただく前提で、現時点で確認できる範囲を整理します。

地域支援体制加算の全体像を示す資料イメージ

地域支援体制加算とは?令和8年度改定で名称・制度が変わった

かかりつけ機能と医薬品供給体制を担う薬局のイメージ

地域支援体制加算は、薬局の「かかりつけ機能」や在宅対応・医薬品の安定供給体制を評価し、調剤基本料に上乗せして算定できる加算です。処方箋受付1回につき算定します。

もともとは2018年(平成30年度)改定で新設され、地域包括ケアシステムのなかで地域医療に貢献する薬局を評価する仕組みとして運用されてきました。そして令和8年度(2026年)改定で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ名称変更・再編され、令和8年6月1日から施行されています。主な変更点は次の3つです。

  • 区分が4段階から5段階(加算1〜5)に再編され、新たに「医薬品の安定供給体制のみ」を評価する入口区分(加算1)が新設された
  • 旧「後発医薬品調剤体制加算」が廃止され、後発医薬品の数量割合(規格単位ベースで85%以上)が本加算の基礎要件に統合された
  • OTC(要指導・一般用医薬品)の販売体制や緊急避妊薬の相談応需など、健康サポート機能に関わる施設基準が引き続き求められる

つまり、これまで「後発品体制加算」で取っていた点数の一部が本加算に取り込まれ、後発品シェアが基準未満だと入口の加算1すら算定できない構造になった、という理解が出発点になります。

記事内で「地域支援体制加算」と表記していても、現行の正式名称は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」(令和8年6月1日施行)を指します。旧要件の数値と混同しないようご注意ください。

【令和8年度】区分と点数の一覧(加算1〜5)

令和8年度改定後の点数は、加算1=27点、加算2=59点、加算3=67点、加算4=37点、加算5=59点です。調剤基本料1の薬局は加算2・3を、それ以外の薬局は加算4・5を目指す形になり、加算1は全薬局共通の入口区分という位置づけです。

区分

対象薬局

点数(目安)

特徴

加算1【新設】

全薬局共通

27点

医薬品安定供給体制+後発品85%以上のみで算定可。実績要件なしの入口

加算2

調剤基本料1の薬局

59点

加算1の要件+かかりつけ機能の実績要件を一定数クリア

加算3

調剤基本料1の薬局

67点

加算2よりさらに高い実績を満たす区分

加算4

調剤基本料1以外の薬局

37点

調剤基本料1以外の薬局向け

加算5

調剤基本料1以外の薬局

59点

実績が特に高い調剤基本料1以外の薬局向け

  • 特別調剤基本料Aを算定する薬局は、各区分とも点数が1/10(加算1=2.7点、加算2=5.9点、加算3=6.7点、加算4=3.7点、加算5=5.9点)になります。
  • ここで示した点数(27/59/67/37/59)は複数の資料で一致していますが、最終的な確定値は日本薬剤師会「調剤報酬点数表(令和8年6月1日施行)」および厚生労働省告示でご確認ください。
地域支援体制加算の区分と点数の比較表イメージ

算定要件は「施設基準(体制要件)」と「実績要件」の2本柱

地域支援体制加算を算定するには、①施設基準(体制要件)と②実績要件の両方を満たし、地方厚生(支)局へ届出を行う必要があります。

  • 施設基準(体制要件): 開局時間、24時間対応体制、医薬品の備蓄・分譲、後発医薬品85%以上、OTC販売体制、敷地内禁煙など「地域医療を支える基盤」を評価する要件。加算1はここが中心。
  • 実績要件: かかりつけ薬剤師指導、麻薬調剤、在宅、多職種連携など「実際にどれだけ地域医療に関わったか」を回数で評価する要件。加算2〜5で区分ごとに必要な項目数が増える。

加算1は原則として実績要件がなく、安定供給体制と後発品85%以上を満たせば算定できる入口です。一方で加算2〜5は、加算1の要件に加えて、区分が上がるほど多くの実績項目をクリアする必要があります。実績は直近1年間で判定され、届出後も維持が求められる点に注意してください。

なお、区分ごとに必要な実績項目数(例:加算2は◯項目以上、加算3は◯項目以上)は資料によって記載差があり、施設基準通知(保医発)で確定させるべき部分です。ここでは断定を避け、公式通知での確認をおすすめします。

在宅24回要件とは?内容と数え方を正確に押さえる

「在宅24回」とは、直近1年間における『単一建物診療患者が1人の場合』の在宅薬剤管理の実績が合計24回以上であることを求める要件です。実績要件のなかでも達成しづらく、最後まで残りやすいのがこの項目です。

合算できる算定料(対面のみ)

24回のカウントには、以下の算定料(いずれも対面で行ったもの)を合算できます。

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急時等共同指導料
  • 居宅療養管理指導費(薬局薬剤師が行うもの)
  • 介護予防居宅療養管理指導費(薬局薬剤師が行うもの)

オンラインは除外、数え方には特例がある

  • 情報通信機器(オンライン)を用いた在宅指導は24回にカウントできません。対面実績のみが対象です。
  • 在宅協力薬局として連携して行った回数も含めてよいとされています。
  • 訪問薬剤管理指導料で定める訪問回数の上限を超えて行った分も、回数に含めてよいとされています。

「単一建物診療患者が1人」というのは、その建物に薬学的管理を行う患者が1人だけのケースを指します。医療保険(在宅患者訪問薬剤管理指導料など)と介護保険(居宅療養管理指導費など)をまたいで合算できるのがポイントで、外来中心の薬局でも積み上げの設計次第で到達を狙えます。

なお「在宅24回」が加算2〜5のどの区分で必須/選択となるかは、資料により整理が分かれています。加算4・5(調剤基本料1以外)では必須項目、加算2・3(調剤基本料1)では選択項目に含まれるとする整理が多いものの、最終的には施設基準通知で確認してください。

在宅24回要件の数え方を示すイメージ

在宅24回を実務でどう積み上げるか|逆算と合算の具体策

在宅患者を訪問して薬学的管理を行う様子のイメージ

24回は「月2件×12ヶ月=24回」で逆算するとイメージしやすく、医療保険と介護保険の算定料を合算して積み上げるのが基本戦略です。ここが多くの解説記事で薄い部分なので、実務目線で整理します。

① 月2件のペースで年間計画を立てる

年間24回は、単純化すると毎月2件の在宅対応を継続すれば到達します。単発で駆け込むより、施設や居宅の定期訪問を1〜2件安定的に持つほうが計画的です。1人の患者に月2回訪問すれば、それだけで月2回分(=年24回)に近づきます。

② 医療保険+介護保険を合算する

在宅患者訪問薬剤管理指導料(医療保険)だけでなく、居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費(介護保険)も同じ24回に合算できます。介護保険の居宅療養管理指導は月2回まで算定できるケースがあり、要介護の在宅患者を1人担当するだけでも回数を稼ぎやすくなります。

③ 「単一建物1人」のケースを意識して取る

要件は「単一建物診療患者が1人」の回数です。集合住宅で複数患者を診るケースは対象外になり得るため、一戸建てや単身居宅の患者を優先的に受ける設計にすると、要件に直結する回数を積み上げやすくなります。

④ 協力薬局連携・上限超過分も活用する

在宅協力薬局として連携した回数や、訪問回数上限を超えて行った分も含めてよいとされています。近隣薬局との連携や、緊急訪問への対応も、要件充足の観点では前向きに位置づけられます。

積み上げ方法

使う算定料

目安ペース

ポイント

医療保険の定期訪問

在宅患者訪問薬剤管理指導料

月1〜2件

単一建物1人のケースを優先

介護保険の居宅療養

居宅療養管理指導費 等

月1〜2回

医療保険と合算OK

緊急・共同対応

緊急訪問・緊急時等共同指導料

随時

発生分をもれなく記録

協力薬局連携

各訪問指導料

随時

連携分も回数に算入可

ポイントは、「24回を年度末に慌てて作る」のではなく、定期の在宅患者を1〜2人安定的に持ち、医療・介護を合算しながら月2件ペースで積み上げることです。オンライン分はカウントできないため、対面訪問の体制を確保できるかが分かれ目になります。

実績要件の主な項目(令和8年度の考え方)

加算2〜5では、かかりつけ機能に関する実績項目を区分ごとに一定数以上満たす必要があります。代表的な項目は次のとおりです(回数の基準は直近1年間・処方箋受付回数に応じた計算が基本。数値は公式通知で要確認)。

実績項目

評価される取り組み

時間外・夜間・休日等加算の実績

必要な時間帯に対応できる体制

麻薬の調剤実績

麻薬小売業者免許と適切な指導体制

重複投薬・相互作用等防止加算等

服薬安全性を確保する専門的介入

かかりつけ薬剤師指導料等の実績

かかりつけ機能の中核。必須扱いになりやすい

外来服薬支援料の実績

服薬管理が困難な患者への支援

服用薬剤調整支援料

ポリファーマシー対策・減薬支援

単一建物診療患者1人の在宅薬剤管理(24回)

在宅対応の実績。本記事の主題

服薬情報等提供料に相当する実績

医療機関への情報提供・多職種連携

小児特定加算の算定実績

小児への適切な薬学的管理

多職種連携会議への出席

地域ケア会議等への参加

区分が上がるほど、これらの項目を多くクリアする必要があります。自局が「どの項目なら現実的に積み上げられるか」を棚卸しし、届出する区分を決めるのが実務の流れです。

実績要件と施設基準の一覧イメージ

施設基準(体制要件)のポイント

加算2以上では、実績要件に加えて医薬品の備蓄・供給、開局体制、健康サポート機能などの施設基準を満たす必要があります。主な体制要件は次のとおりです。

  • 開局時間・時間外対応: 一定の開局時間を確保し、休日・夜間を含む時間外でも調剤・在宅に対応できる連絡体制を整える
  • 後発医薬品の数量割合: 規格単位ベースで85%以上(令和8年度で本加算の基礎要件に統合)
  • 医薬品の備蓄・分譲: 一定の備蓄品目数を確保し、他薬局への分譲など安定供給に協力する
  • OTC・健康サポート機能: 要指導・一般用医薬品の販売体制、緊急避妊薬の備蓄・相談応需
  • 敷地内禁煙: 薬局敷地内でたばこ・喫煙器具を販売しない
  • 流通改善への対応: 単品単価交渉の原則化・返品適正化など流通改善ガイドラインの遵守

これらは「地域住民が安心して利用できる薬局」としての基盤を評価するもので、加算1(入口区分)でも安定供給に関わる部分は求められます。

自局はどの区分を狙うべきか|判断の目安

まずは加算1(入口区分)を確実に押さえ、そのうえで実績が積み上がる薬局は加算2〜5を目指す、という順序で考えると整理しやすくなります。

  1. 後発品85%以上を満たしているか → 満たしていなければ、まず後発品シェアの改善が最優先(満たさないと加算1も不可)
  2. 調剤基本料1か、それ以外か → 加算1なら全薬局共通。実績を積むなら、調剤基本料1は加算2・3、それ以外は加算4・5を狙う
  3. 在宅の定期患者を確保できるか → 在宅24回を満たせる見込みがあれば、上位区分(特に加算4・5)が視野に入る
  4. かかりつけ・多職種連携の実績があるか → 実績項目を棚卸しし、届出できる区分を決める

このステップで「現実的に狙える区分」を見極め、足りない実績を計画的に埋めていくのが基本です。

在宅体制が整わない薬局の選択肢

薬剤師の確保・外部リソース活用で在宅体制を整えるイメージ

在宅24回のネックが「訪問できる薬剤師の確保」にある場合は、常勤採用にこだわらず外部リソースで補完する選択肢があります。特に常勤薬剤師が1名の薬局では、外来調剤を止めずに在宅へ出ることが物理的に難しく、「算定したいのに体制が整わない」状況に陥りがちです。

こうした薬局では、必要な日・必要な時間だけ薬剤師を確保できるスポット型のマッチングサービスを活用し、在宅訪問だけを外部の薬剤師に依頼する方法があります。正社員雇用よりも人件費リスクを抑えつつ、月2件ペースの訪問を継続しやすくなるため、24回要件を計画的にクリアする一手になります。

弊社(AI革命株式会社)でも、小規模薬局の在宅体制づくりを支援する薬剤師マッチングの取り組みを行っています。人手不足で在宅の届出に踏み切れない薬局は、外部リソースの活用も含めて検討してみてください。

こんな薬局は加算取得を積極的に狙うべき

  • 後発医薬品85%以上をすでに満たしている、または近く達成できる
  • 在宅の定期患者を1〜2人継続的に持てる(または持つ計画がある)
  • かかりつけ薬剤師指導や多職種連携の実績を積み上げられる
  • 調剤基本料1で、加算2・3の実績項目を現実的にクリアできる

一方でこんな薬局は無理に上位区分を狙わなくてよい

  • 後発品シェアがまだ85%に届いておらず、まず基礎要件の改善が必要
  • 在宅の対面訪問体制をどうしても確保できず、24回の見込みが立たない
  • 実績項目が全体的に不足しており、当面は加算1(入口区分)の維持が現実的
  • 処方箋枚数・スタッフ体制から見て、上位区分の実績維持が負担になる

無理に上位区分を届け出て実績を維持できなくなると、かえって取り下げリスクがあります。まずは加算1を確実に押さえ、体制が整うにつれて段階的に上位を狙うのが堅実です。

よくある質問(FAQ)

Q. 在宅24回はオンライン(情報通信機器)でもカウントできますか?
A. できません。24回に含められるのは対面で行った在宅薬剤管理の実績のみで、情報通信機器を用いたものは除外されます。

Q. 医療保険と介護保険の在宅実績は合算できますか?
A. できます。在宅患者訪問薬剤管理指導料などの医療保険分と、居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費などの介護保険分を合算して24回を数えます(いずれも「単一建物診療患者が1人」の対面分)。

Q. 後発医薬品の割合が基準に届かないと算定できませんか?
A. 令和8年度改定で後発医薬品の数量割合(規格単位ベース85%以上)が基礎要件に統合されたため、基準未満だと入口の加算1も算定できません。まずは後発品シェアの改善が前提になります。

Q. 「地域支援体制加算」と「地域支援・医薬品供給対応体制加算」は違うものですか?
A. 同じ加算です。令和8年度(2026年)改定で名称が「地域支援・医薬品供給対応体制加算」に変更されました(令和8年6月1日施行)。旧「後発医薬品調剤体制加算」は廃止され、本加算に統合されています。

Q. 在宅協力薬局として連携した回数も24回に含められますか?
A. 含めてよいとされています。また、訪問回数の上限を超えて行った分も回数に算入できるとされています。詳細な取り扱いは疑義解釈・施設基準通知で確認してください。

まとめ|最新の要件を正確に押さえ、在宅24回は計画的に積み上げる

地域支援体制加算は、令和8年度改定で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ再編され、区分は5段階(加算1〜5)に、後発品85%が基礎要件になりました。算定は施設基準(体制要件)と実績要件の両方+地方厚生局への届出が前提です。

最大の関門である「在宅24回」は、医療保険+介護保険の算定料を合算し、単一建物1人の対面訪問を月2件ペースで積み上げるのが現実的な攻略法です。オンライン分はカウントできないため、訪問できる薬剤師をどう確保するかが分かれ目になります。人手が足りない場合は、スポット型の外部リソース活用も選択肢に入ります。

制度に関わる点数・区分別の必要項目数などは改定で変わり得るため、最終的な数値は厚生労働省の告示・通知、日本薬剤師会「調剤報酬点数表(令和8年6月1日施行)」、届出先の地方厚生(支)局で必ずご確認ください。

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

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