Siri AIとは?日本語版は10月提供・できること・対応機種・料金と1日の使用上限を整理【2026年9月最新】

この記事のポイント
Siri AIはAppleが従来のSiriを全面刷新した新世代AIアシスタントです。日本語版の提供時期、できること、対応機種、1日の使用上限と将来の有料化、Google提携の実態まで公式情報をもとに整理します。
Siri AIとは、Appleが2026年のWWDC26で発表し、iOS 27世代から提供する「全面刷新された新世代の音声・チャット型AIアシスタント」です。 従来のSiriが単発の命令をこなす音声コマンド機能だったのに対し、Siri AIはメールや写真などの個人データを横断して理解し、複数のアプリをまたいだ操作まで自分で実行します。
この記事でわかること
- 日本語版がいつ使えるようになるのか(2026年9月15日にiOS 27を入れた日本のユーザーに何が起きるか)
- Siri AIでできること・従来Siriとの違い
- 対応機種と、置いていかれる非対応端末
- 料金は無料か。2026年9月9日にAppleが公式に明記した「1日の使用上限」と「将来の有料化」まで含めてどうなのか
- 「Siri AIはGeminiで動いている」という説明がなぜ不正確なのか
- 業務端末で有効化してよいかの判断材料
想定しているのは、iPhone・Mac・iPadを使っていて「自分の端末でSiri AIが使えるのか、いつから日本語で使えるのか」を知りたい個人ユーザーと、社用端末でのApple Intelligence有効化を判断する情シス・経営者です。
特に押さえておきたいのは次の3点です。
- 日本語版は2026年10月提供予定。 9月15日にiOS 27へ更新しても、日本語環境のSiriは当面これまでのままです。英語に切り替えれば先に試せます。
- Siri AI自体は追加料金なしで使えます。ただし無制限ではありません。 サーバー処理に依存する機能には1日あたりの使用上限があり(上限値は非公開)、Appleは「拡張アクセスは有料で提供する予定」と公式に明記しています。
- 対応機種はかなり絞られます。 iPhoneは15 Pro / 15 Pro Max と16シリーズ以降のみ。iPhone 14以前と、無印のiPhone 15 / 15 Plus は対象外です。

出典: Apple Newsroom
Apple Intelligence・Siri AI・Apple Foundation Modelsの違い
この3つは別物です。混同したままだと料金や対応機種の話がすべてずれてしまいます。
名称 | 正体 | 読者にとっての意味 |
|---|---|---|
Apple Intelligence | Appleのオンデバイス+クラウドAI機能群の総称(作文支援、画像編集、ライブ翻訳、Visual Intelligenceなど) | 「OSに組み込まれたAI機能の集合体」 |
Siri AI | Apple Intelligenceを組み込んで作り直されたアシスタント本体。対話とアプリ操作の入口 | 「話しかける/打ち込む相手そのもの」 |
Apple Foundation Models(AFM 3) | 上記2つを動かす基盤モデル群。第3世代 | 「エンジン」。ユーザーが直接触る対象ではない |
提供形態はOS組み込みです。iOS 27 / iPadOS 27 / macOS 27 / watchOS 27 / visionOS 27 に含まれ、単体のWebサービスや買い切りアプリとして売られているわけではありません。ただし今回から、ホーム画面に単体の「Siri」アプリが新設される点が大きな変更です。
機能群全体の話を先に押さえたい場合は Apple Intelligenceとは?対応機種・機能一覧・プライバシーの仕組み を、OSとしてのiOS 27で何が変わるかは iOS 27 Apple Intelligence完全ガイド を参照すると全体像がつかめます。
日本語版はいつから?提供スケジュールと日本のユーザーに起きること

出典: Apple公式サイト(Siri)
Siri AIの日本語版は2026年10月にベータとして提供される見込みです。 英語版はOS配信と同時(米国時間2026年9月14日/日本のApple公式ページ表記では9月15日)に始まりますが、日本語はワンテンポ遅れます。
時期 | 何が起きるか | 状態 |
|---|---|---|
2026年9月14日(米国時間)/日本表記9月15日 | iOS 27・iPadOS 27・macOS 27・watchOS 27・visionOS 27 を一般公開。Apple Intelligence(日本語含む16言語)が使えるようになる | 公式 |
同日 | Siri AI 英語版(ベータ)開始。英語設定の対応デバイスのみ | 公式 |
2026年10月 | Siri AI 日本語版(ベータ)提供開始予定。フランス語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語も同時 | Apple発表・複数メディア報道 |
以降 | その他言語は「後日」。具体的時期は未定 | 公式 |
なお、Apple日本の製品ページは現時点で「Siri AIは英語から対応を開始し、年内に日本語でも利用できるようになります」という書き方をしており、月まで特定していません。「10月」は9月9日のイベント発表と各社報道に基づく情報です。数週間ずれる可能性は残る、という前提で受け止めるのが安全です。
9月15日にiOS 27へ更新した日本のユーザーはどうなるか
ここが最も誤解されやすい点です。実際に起きるのは次の3つです。
- Apple Intelligenceの多くの機能(作文支援、画像編集、ライブ翻訳など)は日本語で使えるようになる
- 一方でSiriは、日本語環境のままでは当面これまでのSiriのまま。パーソナルコンテキストもアプリ横断操作も動かない
- 今すぐ試したいなら、デバイスとSiriの言語を「English (United States)」に切り替えるという回避策がある。ただし表示言語ごと英語になるため、常用にはおすすめしにくい
また、日本語対応後も当面はベータ扱いです。Apple自身が「beta」と表記しており、応答品質や対応機能が途中で変わる前提で使うことになります。
Siri AIでできること
Siri AIの本質は「賢く答える」ことより、個人データと画面とアプリをつないで、行動まで完了させることにあります。公式・一次報道で確認できている機能は次の7つです。

出典: Apple Newsroom
1. パーソナルコンテキストの理解
メール・メッセージ・写真などを横断検索し、曖昧な依頼に答えます。「友人がメッセージで勧めてくれた店」「古いメールに埋もれたホテルの予約番号」といった、人間なら記憶を辿って探すタイプの依頼が対象です。Spotlight統合により、対応するサードパーティアプリのデータも参照範囲に入ります。
2. オンスクリーン認識
いま画面に表示されている内容について、そのまま質問できます。表示中の記事や写真について尋ね、続けて「これをカレンダーに入れて」のように次の行動へつなげられる設計です。
3. アプリ内・アプリ間のアクション実行
サードパーティアプリを含めて操作でき、複数アプリにまたがる操作を連鎖させられます。技術的な土台は App Intents で、SiriKitは非推奨化されました。つまり今後、Siriから他社アプリを呼ぶ経路はApp Intentsに一本化されます。
Appleは「30万を超えるアプリと接続」と説明しており、メディアではLINE、WhatsApp、Outlook、Audible、Notability などが例として挙がっています。ただしこれは「接続できる」であって「全機能を操作できる」ではありません。実際に何ができるかは各アプリのApp Intents実装次第です。
アプリを横断して自律的にタスクを完了させる仕組みという意味では、AIエージェントとは何か の考え方がそのままスマートフォンに降りてきた形と言えます。
4. 専用「Siri」アプリの新設
ホーム画面にSiriアプリが追加されます。吹き出し+テキスト入力欄のチャットUIで、音声・テキスト・添付ファイルを1つのスレッドで扱えます。

出典: Apple 公式サイト
会話履歴はiCloudで同期されるため、Macで始めた会話をiPhone・iPad・Apple Watch・Vision Proで続けられます。履歴の保存期間を30日/1年/無期限から選べる自動削除設定も報じられています。
5. Web検索と世界知識へのアクセス
従来のSiriのように外部検索に丸投げするのではなく、必要に応じて自分で調べて答えます。「わかりません。ウェブ検索結果です」で終わる場面が減る、というのが最も体感しやすい変化です。
6. より自然な会話
オープンエンドな質問への回答と、双方向の対話に対応します。iPhone 18 Proでは最新のオンデバイスモデルにより、話速や抑揚をカスタマイズできる表現豊かな音声が使えるとされています。
7. 外部AIの選択(Extensions)
iOS 27 / iPadOS 27 / macOS 27 の「Extensions」により、これまでChatGPT一択だった外部AI連携先を Claude・Gemini・Grok などから選べるようになります。設定は「Apple Intelligence と Siri」内です。
ただし各社アプリ側の対応が前提で、日本でどのサービスが正式に選べるようになるかは順次対応となる見込みです。選択肢の比較検討には ChatGPT vs Gemini 比較 が参考になります。
従来のSiriと何が変わるのか
変化の本質は、「命令を実行する装置」から「文脈を持つアシスタント」への転換です。差分は次のとおりです。
比較ポイント | 従来のSiri | Siri AI |
|---|---|---|
会話の性質 | 1問1答。文脈をほぼ保持しない | 文脈を保持した双方向の対話 |
個人データの参照 | ほぼ不可 | メール・メッセージ・写真などを横断参照 |
画面の理解 | 不可 | 表示中の内容について質問・操作が可能 |
アプリ操作 | 一部の定型操作(SiriKit) | App Intentsで他社アプリを含め横断操作 |
入力方法 | 主に音声 | 音声・テキスト・添付ファイル |
履歴 | 実質なし | 専用アプリでスレッド保持、iCloud同期 |
知らないことへの対応 | 「ウェブ検索結果です」 | 自ら検索して回答 |
提供範囲 | ほぼ全iPhone | 対応機種が限定される |
使用量 | 実質無制限 | サーバー依存機能に1日の上限あり |
注目すべきは最後の2行です。機能が強くなった代わりに、使える端末と使える回数の両方に制約が入りました。 これが「新しいSiriは無条件に上位互換」とは言い切れない理由です。
対応機種一覧と、使えない端末

Siri AIはApple Intelligence対応デバイスでのみ動きます。対応の下限は世代的にかなり新しい側に寄っています。
カテゴリ | 対応モデル |
|---|---|
iPhone | iPhone 15 Pro / 15 Pro Max、iPhone 16シリーズ以降(16e・16・16 Plus・16 Pro・16 Pro Max、17e・17・17 Air・17 Pro・17 Pro Max、iPhone 18 Pro / 18 Pro Max、iPhone Duo) |
iPad | iPad mini(A17 Pro)、M1以降のiPad Air / iPad Pro |
Mac | M1以降の全Mac、MacBook Neo(A18 Pro) |
Apple Watch | Apple Watch Series 9以降、Ultra 2以降、SE(第3世代)※Apple Intelligence対応iPhoneとのペアリングが条件 |
Vision Pro | Apple Vision Pro(M2 / M5) |
AirPods | Apple Intelligence対応iPhoneと組み合わせてハンズフリー呼び出しに対応(AirPods 5 が新たに言及) |
使えない代表的な端末
- iPhone 14以前のすべてのiPhone
- iPhone 15 / 15 Plus(無印) — 同世代でもProでなければ対象外
- Intel Mac
- A17 Pro未満のiPad
ITmediaビジネスオンラインは「13億台超のiPhoneが利用できない」と報じており、既存ユーザーの大半が対象外になる構図です。高度なオンデバイス処理には12GB以上のユニファイドメモリが必要という指摘もありますが、これは報道・推測ベースでAppleが公表した要件ではありません。
なおApple Watchの下限には情報の食い違いがあります。 Apple公式(英語のNewsroom)および複数の海外メディアは「Series 9以降」としている一方、一部の日本語メディアは「Series 10以降」と記載しています。本記事は公式表記のSeries 9以降を採用していますが、購入判断に使う場合は日本語版の公式ページで最終確認することをおすすめします。
料金は無料。ただし1日の使用上限と将来の有料化がある
Siri AI本体、iOS 27、Apple Intelligenceはいずれも追加費用なしで使えます。対応デバイスを持っていれば、それ以上の支払いは現時点で不要です。 ただし「無料で無制限」ではありません。

2026年9月9日にAppleが公式に明記したこと
Appleはサポート記事「Learn about Apple Intelligence usage limits」で、サーバーモデルに依存する機能に1日あたりの使用回数制限を課すことを明らかにしました。要点は次のとおりです。
- 上限の対象: Siri AI/インテリジェント写真編集(Clean Up・Extend・Spatial Reframing)/Image Playground/ショートカットのAFM 3 Cloud・AFM 3 Cloud Proモデル/Private Cloud Compute経由でApple Foundation Modelsを使うサードパーティアプリ
- 上限に達したときの挙動: 「一定のタイムアウト期間の後、その機能は再び利用可能になる」。アカウント停止ではなく一時的な待機
- 上限値: 非公開。「機能の種類、リクエストの複雑さ、システム負荷、システムポリシーなどにより変動する」とだけ記載されており、「1日◯回」という形では公表されていません
- 将来の有料化: 「これらの機能への拡張アクセスは有料で提供される予定(available for a fee)」と明記。WWDCではiCloud+の上位プランに拡張アクセスを含める方針が示されましたが、価格・課金方法・プラン別の差は未発表です
- 併せて「過度・不正・自動化・違法な利用」は調査・制限・停止の対象になる旨も利用条件に明記されています
「上位プラン=より多く使える」の予兆
すでに実装が具体化している例があります。ホームアプリのカメラ動画要約は、iCloud+のプランによってAI処理できるカメラ台数が決まっています。
iCloud+ プラン | AI処理できるカメラ台数 |
|---|---|
2TB | 最大1台 |
6TB | 最大2台 |
12TB | 最大5台 |
つまりAppleは、「Apple IntelligenceのAI処理量をiCloud+のプランに紐づける」設計を一部ですでに始めているということです。Siri AIの拡張アクセスも同じ形に落ち着く可能性が高いと見ておくのが現実的でしょう。
別途かかる費用
Extensionsで外部AI(ChatGPT / Claude / Gemini / Grok)をSiriに接続する場合、各サービスの有料プラン費用は別途です。無料枠のまま使うことも可能ですが、上位モデルを使いたい場合はそちらの課金が発生します。各社の料金体系は 生成AI料金比較 で横断的に確認できます。
Google提携とApple Foundation Models(AFM 3)の中身

出典: Apple Machine Learning Research
「Siri AIはGeminiで動いている」という説明は、正確ではありません。 ここは検索結果でも情報が混乱している部分なので、事実関係を分けて見ていきます。
第3世代Apple Foundation Models(AFM 3)の構成
区分 | モデル名 | 概要 |
|---|---|---|
オンデバイス | AFM 3 Core | 30億パラメータのdenseモデル |
オンデバイス | AFM 3 Core Advanced | 200億パラメータのスパースモデル(推論時は10〜40億パラメータのみ活性化) |
サーバー(Private Cloud Compute) | AFM 3 Cloud | 速度・効率を重視 |
サーバー | ADM 3 Cloud (Image) | 画像生成・編集用 |
サーバー | AFM 3 Cloud Pro | 最上位。NVIDIA GPU向けに最適化 |
処理はオンデバイス優先で、複雑な処理だけがPrivate Cloud Computeに渡ります。
事実として確認できること/報道どまりのこと
公式が言っていること:
- 次世代のApple Foundation Modelsは「Googleとの共同(custom-built in collaboration with Google)でカスタム構築」された
- AFM 3 Cloud Pro については、Google・NVIDIAと協業し、Private Cloud ComputeをGoogle Cloud上のNVIDIA GPUへ拡張した
- 2026年1月12日のApple・Google共同声明で、次世代Apple Foundation ModelsがGoogleのGeminiモデルとクラウド技術をベースにすると公表された
報道ベースで、Apple公式発表ではないこと:
- 「約1.2兆パラメータのカスタムGeminiモデル」「年間約10億ドル規模の契約」といった数字(Bloomberg系報道を各テックメディアが引用)
さらに注意すべき論点:
AppleInsiderは、新しいApple Foundation Modelsに「Geminiのコードは一滴も入っていない」と報じています。学習・蒸留を通じて構築されたものであり、GeminiをそのままSiriの中身に差し替えたわけではない、という整理です。
したがって実務的な理解としては、「GoogleのモデルとGoogle Cloudの技術を土台に、Appleが自社モデルとして作り直したものがSiri AIを動かしている」が最も事実に近い表現になります。この提携の背景をもう少し掘り下げたい場合は Siri Gemini搭載とは?新機能・提供時期・プライバシーの仕組み、発表の経緯そのものは WWDC26 AI全発表まとめ が参考になります。
使い方・設定の流れ
Siri AIは設定さえ済めば、あとは話しかけるか、Siriアプリに打ち込むだけです。手順は次のとおりです。
- 対応デバイスであることを確認する(iPhoneなら15 Pro以上、または16シリーズ以降)
- OSをiOS 27 / iPadOS 27 / macOS 27 などに更新する(2026年9月15日以降)
- 「設定」→「Apple Intelligence と Siri」を開き、Apple Intelligenceをオンにする
- 有効化には初回ダウンロードと準備時間がかかるため、Wi-Fiと電源につないだ状態で待つ
- 日本語版が提供されたら、Siriの言語が日本語のまま新しい挙動になっているかを確認する
- 必要に応じて、同じ設定画面の Extensions から外部AI(ChatGPT / Claude / Gemini / Grok など)を接続する
- ホーム画面に追加されたSiriアプリを開き、テキストや添付ファイルを使った会話を試す
10月を待たずに試したい場合
英語での先行体験は可能です。
- 「設定」→「一般」→「言語と地域」でiPhoneの言語を English (United States) に変更
- 「設定」→「Apple Intelligence と Siri」でSiriの言語も英語に設定
- Siri AIが有効になっているか確認する
ただしこの方法はOS全体の表示が英語になります。 通知も地域設定も英語基準になるため、日常的に使う端末でやると不便です。予備端末がある人向けの選択肢と考えてください。
設定前に確認しておきたいこと
- 空き容量(オンデバイスモデルのダウンロードが必要)
- 会社支給端末の場合、MDMポリシーでApple Intelligenceが制限されていないか
- 写真やメールの参照範囲に、見られたくないデータが含まれていないか
注意点と制約
便利さの裏側には、次のような制約があります。
- 日本語は2026年10月まで使えない(9月にiOS 27を入れても、日本語環境のSiriは当面これまでのまま)
- ベータ品質。Apple自身が「beta」と表記しており、機能や応答品質は変動する
- EUでは iOS・iPadOS・watchOS 向けに提供されない。デジタル市場法(DMA)対応のためで、開始時期は未定。Mac・Vision Pro向けは提供予定と報じられている
- 中国では提供されない(規制対応中)。中国での承認プロセスの経緯は Apple Intelligenceが中国で承認 で触れています
- サーバー依存機能に1日の使用上限があり、上限値は非公開。到達すると一時的に使えなくなる
- 対応機種が新しい世代に限られる。買い替えなしで使えるユーザーは限定的
- 「30万アプリ対応」を鵜呑みにしない。実際に操作できる範囲はアプリ側のApp Intents実装に依存し、対応が薄いアプリでは「起動するだけ」に近い挙動になり得る
- 将来的に一部機能が有料化される見込み。価格・時期は未発表
プライバシーと業務利用の判断ポイント
個人利用なら過度に恐れる必要はありませんが、業務端末では「有効化して終わり」にしてはいけない機能です。 理由は、Siri AIの中核であるパーソナルコンテキストが、メール・メッセージ・写真を横断的に参照する設計だからです。

出典: Apple 公式サイト
Apple側の保護の仕組み
- 処理はオンデバイス優先。複雑な処理のみ Private Cloud Compute に渡る
- Private Cloud Compute について、公式は「個人データは保存されず、Appleを含む誰もアクセスできない」と説明している
それでも確認すべき3点
- 参照範囲: パーソナルコンテキストはメール・メッセージ・写真を横断する。顧客情報や機微な取引メールが端末に入っている場合、AIの参照対象になり得る
- 会話履歴のiCloud同期: 新しいSiriアプリのスレッドはiCloudで同期され、複数デバイスに展開される。履歴の保存期間(30日/1年/無期限)を組織の方針に合わせて設定する必要がある
- 外部AI連携時のプライバシー境界: ChatGPT / Claude / Gemini / Grok に処理を渡した先は各社のプライバシーポリシーが適用され、Apple Intelligenceの保証は及ばない。業務データを扱う場合、ここが最大のリスクポイント
情シス向けの判断チェックリスト
確認項目 | 判断の目安 |
|---|---|
端末に機密データがあるか | 顧客情報・未公開情報があるなら、パーソナルコンテキストの扱いを先に決める |
MDMで制御できるか | Apple Intelligenceの有効/無効を組織ポリシーで統制できるかを確認 |
外部AI連携を許可するか | 許可するなら対象サービスを限定し、法人契約側のデータ取り扱い条件を確認 |
会話履歴の保存期間 | 短め(30日)を既定にし、必要な部門だけ延長する運用が無難 |
ログの扱い | 監査対象にするか、そもそも業務利用を禁止するかを明文化 |
AIアシスタントを業務に入れる際の一般的なリスクについては 生成AIとは?仕組み・種類・活用例・注意点 でも扱っています。
他のスマホ標準AIアシスタントとの違い
Siri AIの独自性は「OSと個人データに最も深く入り込んでいること」、弱点は「対応端末と言語の制約」です。

出典: Apple 公式サイト
比較ポイント | Siri AI | Gemini Intelligence(Android) | ChatGPTアプリ |
|---|---|---|---|
提供元 | Apple | OpenAI | |
提供形態 | OS組み込み+専用アプリ | OS・Googleサービス統合 | 単体アプリ |
個人データ参照 | メール・メッセージ・写真を横断 | Googleサービス中心に横断 | 基本は会話内とメモリ機能の範囲 |
アプリ横断操作 | App Intents経由で対応 | 対応が進行中 | 連携範囲は限定的 |
処理場所 | オンデバイス優先+Private Cloud Compute | クラウド中心 | クラウド中心 |
日本語対応 | 2026年10月予定 | 対応済み | 対応済み |
費用 | 無料(サーバー機能に1日の上限、将来有料枠あり) | 無料枠+有料プラン | 無料枠+有料プラン |
主な制約 | 対応端末が限定的。EU・中国で未提供 | 端末・地域により機能差 | OS標準の操作系には入り込めない |
使い分けの目安は次のとおりです。
- 自分の端末内の情報を探す・端末を操作させたい → Siri AI
- 検索やGoogleサービスとの連携を重視する → Gemini Intelligence(Android)
- 長文の作成・思考の壁打ちを重視する → ChatGPTやClaudeなどのチャット型AI。OS寄りの連携も ChatGPTがMacのメッセージを操作可能に のように個別に進んでいます
- 家の中の機器を音声で操作したい → Gemini for Home のようなホーム特化アシスタント
こんな人におすすめ
- iPhone 15 Pro以降/16シリーズ以降を使っていて、端末内の情報検索に時間を取られている人:メール・メッセージ・写真の横断検索が最も効く場面です
- Apple製品を複数台使っている人:会話履歴がiCloud同期されるため、Mac→iPhoneの引き継ぎが自然に成立します
- 音声でアプリ操作まで完了させたい人:運転中・料理中など、手が塞がる場面での価値が大きい
- 英語環境に抵抗がなく、新機能を早く試したい人:9月時点から先行して体験できます
- これからiPhoneを買い替える予定がある人:対応機種を選ぶ判断材料として、今が最も情報が揃っているタイミングです
おすすめしない人・今は見送るべき人
- iPhone 14以前、またはiPhone 15 / 15 Plus(無印)を使っている人:Siri AIのために買い替える価値があるかは、10月以降の日本語版の実力を見てからで十分です
- 日本語環境だけで使いたい、かつ待てない人:10月までは実質的に従来Siriのままです
- EU・中国在住でiPhone中心に使っている人:提供対象外、または時期未定です
- 機密情報を大量に扱う業務端末で使いたい人:パーソナルコンテキストの参照範囲と外部AI連携の境界を決めずに有効化すべきではありません
- 1日に大量のAIリクエストを投げる使い方を想定している人:サーバー依存機能には上限があり、業務の定常フローに組み込むと途中で止まるリスクがあります
- 安定した完成品を求める人:当面はベータであり、仕様変更が入る前提です
よくある質問(FAQ)
Q. Siri AIを使うために、iPhoneを買い替える必要はありますか?
A. 使っている端末がiPhone 14以前、またはiPhone 15 / 15 Plus(無印)なら買い替えが必要です。ただし日本語版は10月からベータとして始まるため、急いで判断するより、実際の日本語での挙動を確認してから決める方が損をしにくいでしょう。
Q. Siri AIをオフにすることはできますか?
A. Apple Intelligence自体を「設定」→「Apple Intelligence と Siri」からオフにできます。業務端末で参照範囲に懸念がある場合は、まずオフの状態から検討し、必要な機能だけ段階的に有効化する運用が現実的です。
Q. 上限に達したらSiriが完全に使えなくなりますか?
A. いいえ。Appleは「一定のタイムアウト期間の後に再び利用可能になる」と説明しています。また上限の対象はサーバー処理に依存する機能であり、オンデバイスで完結する処理は影響を受けにくい構造です。
Q. 有料版はいつ、いくらで出ますか?
A. 2026年9月時点で価格・開始時期ともに未発表です。Appleは「拡張アクセスを有料で提供する予定」と述べ、WWDCではiCloud+の上位プランに含める方針が示されました。ホームアプリのカメラ台数がiCloud+プラン別に決まっている前例からも、iCloud+統合型になる可能性が高いと見られます。
Q. Siri AIとChatGPTアプリは、どちらか一方に絞るべきですか?
A. 役割が違うため併用が合理的です。端末内の情報検索とアプリ操作はSiri AI、長文作成や調査はチャット型AI、という分担が自然です。Extensionsを設定すれば、Siriから外部AIへ渡すこともできます。
Q. Apple WatchだけでSiri AIは使えますか?
A. いいえ。Apple Intelligence対応iPhoneとのペアリングが条件です。対応の下限はApple公式表記でSeries 9以降(Ultra 2以降、SE第3世代)ですが、日本語メディアで表記が分かれているため、購入前に公式ページで確認してください。
Q. Siri AIはGoogleのGeminiそのものですか?
A. 違います。Appleは「Googleとの共同でカスタム構築した」と説明しており、Siri AIを動かしているのはApple Foundation Models(AFM 3)です。GeminiのモデルとGoogle Cloudの技術が土台にある一方、Geminiがそのまま組み込まれているわけではないと報じられています。
まとめ
Siri AIは、単発の音声コマンド機能だったSiriを、個人データと画面とアプリをつないで行動まで完了させるアシスタントへ作り直したものです。2026年9月時点で押さえるべき点は次の5つです。
- 日本語版は2026年10月提供予定。9月にiOS 27へ更新しても、日本語環境のSiriは当面これまでのまま
- 対応機種はiPhone 15 Pro以降/16シリーズ以降。iPhone 14以前と無印のiPhone 15 / 15 Plus は対象外
- 追加料金はかからないが無制限ではない。サーバー依存機能に1日の使用上限(値は非公開)があり、拡張アクセスは将来有料で提供される予定
- 「Geminiで動いている」は不正確。Googleとの共同でカスタム構築されたApple Foundation Models(AFM 3)が実体
- 業務端末では有効化前に判断が必要。参照範囲・iCloud同期される履歴・外部AI連携時のプライバシー境界の3点を確認する
判断を進める上では、機能群の全体像を Apple Intelligenceとは で、OS側の変更点とExtensionsの詳細を iOS 27 Apple Intelligence完全ガイド で補完すると、買い替えや有効化の可否を一通り検討できます。
このツールを自社の毎月の業務に組み込むと何が変わるか、ご提案します
業務を1つ送るこの記事の著者

AI革命
編集部
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