AI活用事例2026年10月更新

食品製造・加工業のAI・生成AI活用事例【2026年】品質検査・賞味期限・サプライチェーンAI徹底解説

公開日: 2026/05/09
更新日: 2026/10/30
食品製造・加工業のAI・生成AI活用事例【2026年】品質検査・賞味期限・サプライチェーンAI徹底解説

この記事のポイント

食品製造・加工業のAI・生成AI活用事例を国内15以上の公表事例で整理。ニチレイフーズの分光カメラ異物検査、味の素冷凍食品の月6,800時間削減、ニチレイフーズ×日立の計画立案1/10など、数字が実績か目標かを区別し、補助金と導入手順も解説します。

食品製造・加工業のAI活用で、成果がいちばん表に出ているのは画像AIによる品質検査・異物検出と需要予測・生産計画の2つです。2026年は、生成AIを全社に広げて月6,800時間以上の業務を減らした味の素冷凍食品や、分光カメラとAIで透明なプラスチック片を見つけるニチレイフーズの新しい検査ラインなど、生成AIと製造ラインの両方で新しい事例が増えています。

一方で、賞味期限については「AIで期限を延ばした」と公表した食品メーカーの事例はまだ見当たりません。AIは期限設定の根拠となるデータを分析する役割にとどまります。本記事では、国内の食品製造・加工業で公表されている事例を、数字が「実績」か「目標」か「社内テスト」かを分けて業務別に整理します。

この記事でわかること

  • 食品製造・加工業でAI導入が進む背景(人手不足・物流2024年問題・食品ロス・異物検査の高度化)
  • 業務別(品質検査/需要予測・生産計画/賞味期限/サプライチェーン/生成AI/予知保全/HACCP)のAI活用と代表事例
  • ニチレイフーズ・キユーピー・四国化工機・ハウス食品×NEC・味の素冷凍食品・NTTデータなどの公表値と、その数字の種類(実績・目標・社内テスト)
  • 2025年の賞味期限ガイドライン改正とAIの関係、AIに任せられない範囲
  • 食品工場ならではのセキュリティ・法令上の注意点(食品表示法・景品表示法・薬機法・レシピの機密管理)
  • 「デジタル化・AI導入補助金2026」と「中小企業省力化投資補助金」の使い分けと、中小食品メーカーの導入手順

誰向けの記事か

  • 食品メーカー・食品加工業の経営層、DX推進担当者
  • 工場長、品質管理・品質保証・生産技術・SCM部門の責任者
  • 冷凍食品・惣菜・弁当・調味料・飲料などの中小メーカーで、人手不足や食品ロスに悩んでいる方
  • 食品卸・物流事業者で、受発注の予測や物流の共同化を検討している方

なお、HACCPの記録管理や衛生管理SaaSを中心に知りたい方は、食品・食品加工業のAI活用事例|HACCP自動化・需要予測・品質検査が詳しくまとまっています。本記事は製造ライン(検査・生産計画・期限設定・物流)と生成AIを中心に扱います。

食品製造・加工業でAI活用が加速している背景

食品製造工場の生産ライン。人手不足や食品ロス削減を背景にAI導入が進んでいる

食品製造・加工業でAI導入が進んでいるのは、人手不足・物流2024年問題・食品ロス削減・異物検査の高度化という4つの課題が同時に重なっているためです。ロックウェル・オートメーションが2026年10月29日に発表した「2026年スマートマニュファクチャリング報告書」では、食品・飲料メーカーの約90%がAI・機械学習を導入済みか、近く導入する予定と答えています。ただし、集めたデータのうち実際に活用できているのは約45%にとどまります(同社の発表)。導入の意欲は高いものの、データの整備が追いついていないのが現状です。

1. 慢性的な人手不足と熟練検査員の確保難

食品製造業は中小企業の割合が高く、検品・盛付・包装など人手に頼る工程が多い業界です。外観検査や異物の選別は熟練者の目に頼ってきたため、人の確保が難しくなるほど、画像AIで置き換えたいという要望が強まります。

工程の自動化では、業界をまたいだ取り組みも始まっています。TechMagicとカゴメ・キユーピー・永谷園・ニチレイフーズ・日清製粉グループ本社が参加する「未来型食品工場コンソーシアム」は、2025年1月に、原料の荷受けから秤量・投入までをロボットで自動化するプロジェクトを始めると発表しました(TechMagic発表)。これは民間企業が主導する枠組みで、国の制度ではありません。また、AIというよりロボットによる自動化の事例です。

2. 物流2024年問題とサプライチェーン再編

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用され、食品物流は輸送力の確保が課題になりました。冷凍食品大手5社(味の素冷凍食品・テーブルマーク・ニチレイ・ニッスイ・マルハニチロ)は2024年6月に物流での協働検討を発表し、共同保管・共同配送の拡大や、共通の仕組みでのデータ共有を検討しています。報道では「2025年をめどに一部地域で5社共同配送を目指す」とされています。なお、マルハニチロは2026年3月に社名を「Umios(ウミオス)」に変更しました。

これは物流の共同化の取り組みで、AIの導入事例ではありません。とはいえ、共同化を進めるには出荷データを共通の形でそろえる必要があり、それがあとでAIによる需給予測を使うための基礎になります。

3. 食品ロス削減と賞味期限ガイドラインの改正

消費者庁・環境省が2026年6月に公表した推計では、令和6年度(2024年度)の食品ロスは461万トン(事業系237万トン・家庭系224万トン)でした(消費者庁)。事業系は前年度より約6万トン増えており、2000年度比の削減率は56.7%で、目標の60%にはまだ届いていません。

あわせて消費者庁は2025年3月に「食品期限表示の設定のためのガイドライン」を改正し、安全係数の目安だった「0.8以上」を削除しました。そのうえで「安全係数は1に近づけ、差し引く日数は0に近づけることが望ましい」と明記しています(消費者庁)。期限を必要以上に短くしないためには、保存試験や温度履歴といった科学的根拠がこれまで以上に重要になり、そうしたデータの分析にAIを使う余地が広がっています。

4. 異物検査の高度化

金属検出機やX線検査機では、毛髪や透明なビニール片・プラスチック片を見つけにくいという弱点があります。そこで、分光カメラや複数カメラとAIの画像判別を組み合わせ、従来の検査機では見つけにくかった異物を検出する取り組みが進んでいます。2026年8月には、ニチレイフーズが船橋工場で分光カメラとAIを使った原料の異物検査を稼働させました。

食品製造・加工業のAI活用領域(業務別一覧)

食品製造・加工業のAI活用は、使うAIの種類で大きく3つに分かれます。画像AI(検査)・予測/最適化AI(需要予測・生産計画・保全)・生成AI(社内業務・商品企画)です。自社の課題がどの工程にあるかと照らし合わせると、最初に検討すべき領域が絞り込めます。

領域

主な工程

AIの種類

AIの役割

期待できる効果

代表的な事例・ツール

品質検査・異物検出

原料受入・加工・包装

画像AI

良品との違いや異物を画像で判別

目視検査の負担軽減、判定のばらつき解消

ニチレイフーズ(分光カメラ)、Umios(カット野菜)、キユーピー、四国化工機、イートアンド

需要予測・生産計画

計画・受注

予測/最適化AI

出荷量の予測、ライン・人員の割り当て

欠品・廃棄の削減、計画づくりの時間短縮

ハウス食品×NEC、ニチレイフーズ×日立、DATAFLUCT

賞味期限の設定支援

品質保証

予測AI(機械学習)

保存試験・温度履歴の分析で根拠づくりを補助

期限設定の根拠強化、ロス削減の検討材料

公開事例はまだ少ない(ガイドライン改正への対応)

サプライチェーン

出荷・物流・卸

予測AI+物流の共同化

受注予測、在庫配置、共同配送の計画

物流2024年問題への対応

冷凍食品5社の物流協働、伊藤忠食品×DATAFLUCT

生成AI・商品企画

社内業務・研究開発・企画

生成AI/AIエージェント

文書作成、社内知識の検索、企画案づくり

業務時間の削減、企画期間の短縮

味の素冷凍食品(ChatSense)、NTTデータ(商品企画AIエージェント)

配合開発

研究開発

予測AI

過去の配合データから候補を提案

原料検討の時間短縮

サッポロビール×日本IBM「N-Wing★」

予知保全

設備管理

異常検知AI

振動・温度から故障の予兆を検知

突発停止とそれに伴う廃棄の削減

六花亭製菓らの実証など

HACCP・衛生管理

全工程の記録

IoT+AI

温度記録・点検の自動化、異常の通知

記録作業の削減、監査対応

衛生管理SaaS各社

1. 品質検査・異物検出AI|キユーピー・ニチレイ・四国化工機の事例

食品工場の検査・選別工程。品質検査はAI導入の効果が見えやすい領域

画像AIによる品質検査・異物検出は、食品製造・加工業で最も効果が見えやすく、事例も多い領域です。じゃがいもや野菜、豆腐のような天然素材は形や色が一つずつ違うため、「この条件なら不良」というルールを決める従来の検査機では対応しきれませんでした。そこで、良品の画像をAIに学習させ、そこから外れるものを不良として判定する方式が広がっています。

代表事例と公表値

企業

対象工程

技術・特徴

公表されている内容

数字の種類

ニチレイフーズ(2026年)

原料受入の異物検査(船橋工場、2026年8月稼働)

ソニーセミコンダクタソリューションズの普及型分光カメラ(4つの波長帯)とニチレイフーズ独自の画像処理・AI判別。装置製造はシブヤ精機

透明なプラスチック片など、原料と見分けにくい異物を検出。人の検査と組み合わせる体制で、他工場への展開も視野

効果の数値は非公表

Umios(旧マルハニチロ)

カット野菜の目視検品

ロビットと共同開発したAI検査装置。2025年4月から導入

従来の画像検査機では見つけにくかった自然由来の異物や規格外品に対応

数値は非公表

キユーピー

原料(ダイスポテト)の検査

Googleの機械学習基盤とブレインパッドを活用した良品学習型のAI検査装置

装置を安く提供し、食品業界の「協調領域」として広げる方針

方針・取り組み

四国化工機

豆腐の割れ・欠けの判定「STI-ALPS」

日本IBMの支援(IBM Maximo Visual Inspection)。複数カメラで上面・側面・底面などを検査

2021年6月に阿南食品工場で稼働

稼働の事実

イートアンド(大阪王将)

冷凍餃子の検品

AIとセンシング技術

「ギョーザを1秒で検品」と日経が報道(2023年7月)。異物混入や個数不足を防ぐ

報道

HACARUS(ベンダー)

食品パッケージの外観検査

少ない良品画像から学習

2025年11月に提供開始

製品提供

出典: ニチレイフーズ(PR TIMES)/日経(Umios・当時マルハニチロのリリース)/Google Cloud(キユーピー)/IT Leaders(四国化工機)/イートアンド 工場紹介

これらの事例はいずれも、人の検査を完全になくすことをうたっていません。ニチレイフーズも、AIの検査と人の検査を組み合わせる体制をとっています。

キユーピーが業界全体への展開を方針化している理由

キユーピーは、食品の安全を競争ではなく業界全体で協力する「協調領域」と位置づけ、AI検査装置を他社にも安く提供する方針を示してきました。異物混入の事故は1社だけでなく業界全体の信頼を損なうため、検査の水準を業界でそろえる意味があります。中小メーカーにとっては、大手が開発した検査の仕組みを利用できる可能性がある領域です。

食品検査で「良品学習」の方式がうまくいく理由

食品の不良品は種類が多いうえに、発生する数が少ないため、不良品の画像を大量に集めるのは困難です。良品の画像を学習させて、そこから外れたものを見つける方式なら、集めにくい不良サンプルに頼らずに済みます。自社で外観検査を検討するなら、良品の画像を、照明・季節・原料の産地による違いも含めて十分に集める計画から立ててください。

注意点:装置単体ではなくライン統合で評価する

検査AIは、装置単体の検出性能だけで判断しないことが大切です。搬送・はじき出し・記録の保管・トレーサビリティまで含めたライン全体で評価します。回収や保健所への対応では「なぜ不良と判定したか」の説明を求められることがあるため、判定の記録と画像を一定期間保管できる構成にしておくと安心です。

2. 需要予測・生産計画AI|ハウス食品×NEC・ニチレイ×日立の事例

包装された食品の生産工程。需要予測AIは欠品と廃棄の両方を減らす狙いがある

需要予測・生産計画のAIは、欠品と廃棄ロスを同時に減らすことと、計画をつくる担当者の負担を減らすことが主な目的です。食品は賞味期限があるため作りすぎると廃棄になり、少なすぎると欠品になります。そのため、予測の精度がそのまま利益に影響します。

代表事例と効果

事例

仕組み・特徴

公表されている内容

数字の種類

ハウス食品グループ × NEC

ハウス食品・ハウスウェルネスフーズ・サンハウス食品の3社の需給・生産管理を統合。NEC「需給最適化プラットフォーム」で需要を予測

欠品件数50%削減・製品/資材の廃棄ロス10%削減・管理業務の工数60%削減を目指す(2021年11月発表)

目標値

ニチレイフーズ × 日立製作所

1工場で最大16兆通りある組み合わせから、ラインごとの生産品目・量と作業者のシフトをAI(機械学習+数理最適化)が立案

従来の約1/10の時間で計画を立案。2020年1月から4つのモデル工場で順次運用し、国内工場へ展開する方針(2020年2月発表)

実績(立案時間)

栃木県の食品ロス削減実証(2024年度)

アイスなどの製造会社で、人が行っていた需要予測をAIに置き換え

出荷数予測の誤差が平均約17%低減

実証の結果

伊藤忠食品 × DATAFLUCT

食品卸の受注数予測AI

実証で実用レベルの精度を確認。2026年10月に営業支援AIエージェントの検証開始を発表

実証

出典: NEC/日立製作所/栃木県 成果報告(PDF)/DATAFLUCT(PR TIMES)

ハウス食品の50%・10%・60%という数字は、2021年に発表された削減目標です。他社の記事では実績のように紹介されていることもありますが、導入を検討するときは目標と実績を分けて受け止めてください。小売側のAI発注(ローソンなど)については、コンビニのAI活用の記事で取り上げています。

「需要予測」と「賞味期限/鮮度予測」を混同しない

需要予測と賞味期限の予測は、別のプロジェクトとして進めます。

  • 需要予測:市場でどれだけ売れるか・出荷されるかを予測する。使うデータは出荷・受注実績、気温、販促など。発注と生産計画に使う
  • 賞味期限の設定支援:製品の品質がいつまで保てるかを推定する。使うデータは保存試験・温度履歴・微生物検査値など。期限表示の根拠に使う

扱うデータも責任を持つ部署(営業・生産か品質保証か)も違うため、1つのAIでまとめて解決しようとしないことがポイントです。

中小食品メーカーが現実的に始められる方法

大手のように専用システムを作れなくても、クラウド型の需要予測サービスで小さく試すことはできます。どのサービスを選ぶかより先に、少なくとも1年分(季節変動を見るなら2〜3年分)の出荷・受注データを電子化して、品目コードをそろえておくことが大切です。データがExcelファイルごとにばらばらだと、どのサービスを選んでも精度は出ません。

3. 賞味期限・鮮度予測AI|2025年ガイドライン改正への対応

瓶詰めの保存食品。賞味期限の設定には保存試験などの科学的根拠が求められる

賞味期限の分野では、AIは期限を決める主体ではなく、期限設定の根拠づくりを手伝う道具です。2026年10月時点で、「AIを使って賞味期限を延ばした」と公表した食品メーカーの事例は見当たりません。賞味期限の延長を発表した例(2026年の守山乳業、はごろもフーズなど)はありますが、AIがどの程度関わったかは公表されていません。

制度面の最新動向(2025〜2026年)

  • 2025年3月:消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」を改正。安全係数「0.8以上」の目安を削除し、安全係数は1に近づけ、差し引く日数は0に近づけることが望ましいと明記
  • 消費者庁の考え方:根拠なく1に近づけるのではなく、製造時のばらつきや流通中の温度など外的な変動要素を考慮した科学的根拠に基づいて設定する。設定するのは表示に責任を持つ事業者自身(意見募集への回答より)
  • 年月表示:賞味期限が3か月を超える食品は、年月日ではなく年月で表示できる。農林水産省も食品ロス削減のため年月表示への切り替えを進めている
  • 2026年6月:令和6年度の食品ロス推計(461万トン)を公表。事業系の削減率は目標に届いていない

ガイドラインの改正で、期限を短めに設定して安全を優先するやり方を見直す方向が示されました。そのぶん、期限の根拠となる試験データをどれだけ持っているかが問われるようになっています。

賞味期限予測AIの実装イメージ

公開事例はまだ少ないものの、機械学習を使う場合は次のような構成が考えられます。

  • 入力データ:保存試験の結果、保管・輸送中の温度履歴(IoT温度ロガー)、湿度、微生物検査値、官能評価、原料ロット情報
  • 分析内容:温度条件ごとの品質劣化の傾向、ロットや季節によるばらつきの把握
  • 出力:期限設定を検討するための推定値と、そのばらつきの幅

運用で欠かせないのは、AIの推定値と実際の検査値を照らし合わせられる記録を残すことです。AIの出力は判断材料の一つとして扱い、最終的な期限は品質保証の責任者が保存試験の結果をもとに決めます。

注意点:AI判定の食品安全責任は事業者にある

食品表示法上、期限を設定する責任は表示に責任を持つ事業者にあります。AIの出力だけを根拠に期限を延ばし、品質事故や回収が起きれば、その責任はすべて事業者が負います。賞味期限に関しては「AIで期限が延びる」と考えるのではなく、期限の根拠となる試験データの整理と分析を効率化する道具と位置づけてください。

4. サプライチェーン・物流|冷凍食品5社の物流協働と卸の予測AI

冷凍食品のサプライチェーンのイメージ。大手5社が物流の協働を検討している

出典: 味の素冷凍食品 公式サイト

食品のサプライチェーンでは、個々の会社がAIを導入する前に、業界全体で物流を共同化する動きが先に進んでいます。AIの役割は、卸やメーカーの受注・出荷予測を担うところから広がり始めています。

代表事例

取り組み

参加企業

内容

状況

冷凍食品大手の物流協働

味の素冷凍食品・テーブルマーク・ニチレイ・ニッスイ・マルハニチロ(現Umios)

共同保管・共同配送の拡大、物流現場の生産性向上、共通の仕組みでのデータ共有を検討

2024年6月に協働検討を発表。「2025年をめどに一部地域で共同配送を目指す」と報道(5社での開始状況は未公表)

伊藤忠食品 × DATAFLUCT

食品卸と予測AIベンダー

受注数予測AIの実証から、営業支援AIエージェントの検証へ

2026年10月発表。12月から現場で検証予定

ハウス食品グループ × NEC

製造グループ3社

需給・生産管理の統合と需要予測

2021年発表(目標値あり)

出典: 日経(冷凍食品5社)/LOGISTICS TODAY

冷凍食品5社の取り組みは物流の共同化であり、AIの事例ではありません。なお、5社のうち味の素冷凍食品・ニチレイ・ニッスイの3社は、以前から南九州や北陸などで共同物流を行ってきた実績があります。

物流共同化が「個社AI」より先に来る理由

トラックの積載率は、1社がAIで配車を工夫するよりも、複数社の荷物をまとめたほうが大きく改善します。冷凍食品5社は、商品やブランドといった競争する部分と、物流のように協力できる部分を分けて、後者で手を組んでいます。中小メーカーも、自社だけでAIによる物流の仕組みを作るより、共同配送網や卸の仕組みに出荷データをつなぐほうが現実的な場合が多いでしょう。物流の現場のAI活用については運輸・物流のAI活用事例、卸側の動きは卸売・商社のAI活用事例で紹介しています。

受発注・在庫データの連携が次の課題

需要予測AIを生かせるかどうかは、受発注・在庫・出荷のデータが同じ品目コードでつながっているかで決まります。EDI、販売管理、生産管理、倉庫管理がそれぞれ別のシステムで動いている会社では、AIを入れる前のデータ連携に最も工数がかかります。受発注・在庫・出荷のデータを既存のソフトとつないでシステム化する場合は、どこまでを新しく作り、どこからを既存のパッケージに任せるのかという範囲を最初に決めることが重要です。ロット管理や賞味期限での引き当てといった食品業界特有の事情に詳しい会社に頼むべきかどうかも含めて、受発注システムの開発を依頼するにはで整理しています。

5. 生成AI・商品開発|味の素冷凍食品・NTTデータ・サッポロビールの事例

サッポロビールのイメージ。配合開発AIや生成AIの活用が進む食品・飲料の商品開発領域

出典: サッポロビール 公式サイト

食品業界の生成AI活用は、2026年に入って「全社の業務効率化」と「商品企画のAIエージェント」の2つの方向で事例が増えています。一方、よく紹介されるサッポロビールの「N-Wing★」は、生成AI(大規模言語モデル)ではなく、過去の配合データから候補を出す予測AIです。この2つを分けて理解すると、自社でどちらを導入すべきか判断しやすくなります。

代表事例

事例

AIの種類

活用内容

公表されている効果

数字の種類

味の素冷凍食品

生成AI(法人向け「ChatSense」)

パート・派遣を含む全従業員に導入。社内ガイドライン「生成AI利用4か条」を策定し、全7回のハンズオン研修を実施。研究開発では過去のレシピを学習させた専用AIを利用し、70以上の業務テーマで活用

社内利用率80%超(2025年3月〜)、月6,800時間以上の業務削減(2025年12月時点)

実績

NTTデータ

生成AI/AIエージェント

食品・飲料・消費財向けの「商品企画特化型AIエージェント」。戦略の整理からアイデア出し、ネーミング・売上予測・コンセプト画像まで一貫して支援。2026年7月提供開始

コンセプト案を約150秒で生成(従来の商品企画は6〜9か月)

製品仕様(導入企業は非公表)

サッポロビール × 日本IBM「N-Wing★」

予測AI(生成AIではない)

約170製品・約1,200種の配合と700種以上の原料データを学習。商品のコンセプトを入力すると推奨の配合・香料を出す。2022年11月に本格導入

原料検討の時間が約75%減。商品第1号は「サッポロ 男梅サワー 通のしょっぱ梅」(2023年7月発売)

社内テスト

伊藤忠食品 × DATAFLUCT

AIエージェント

卸の営業支援

2026年12月から現場で検証予定

検証段階

出典: 味の素冷凍食品 発表資料(PDF)/NTTデータ/サッポロビール(PDF)

味の素冷凍食品の事例で参考になるのは、効果の数字よりも進め方です。IT部門が外部のコンサルタントに頼らずに推進し、利用ルールの整備、研修、全従業員への展開、専用AIの構築という順番で進めています。生成AIそのものの仕組みは生成AIとは、自分で作業を進めるタイプのAIについてはAIエージェントとはで解説しています。

生成AIでできること・できないこと(食品製造の場合)

生成AIに任せやすい業務

人が判断を残すべき業務

議事録・報告書・作業手順書の下書き

賞味期限の設定、品質の合否判定

過去のレシピや試作記録、社内規程の検索

試作・官能評価、最終的な配合の決定

商品コンセプトやネーミングの案出し

食品表示(原材料・アレルゲン)の確定

問い合わせ対応文の下書き

広告・販促物の表現チェック(景品表示法・薬機法)

海外の規制や論文の要約

取引先との契約や価格の決定

食品分野で生成AIを使うときに必ず押さえる4つのリスク

  1. レシピ・配合の機密管理:レシピ、配合比率、仕入先は営業秘密です。無料版のチャットAIに直接入力せず、入力内容が学習に使われない法人契約や専用の環境を使います
  2. 食品表示法・景品表示法・薬機法:生成AIで商品説明や広告コピーを作るときは、効能を言い過ぎていないか、機能性表示の範囲を超えていないかを必ず人が確認します
  3. もっともらしい誤り:生成AIが出したレシピ案や数値には誤りが含まれることがあります。試作と官能評価は省略できません
  4. 社内資料がそのまま外に出るトラブル:販促物の作成に社内資料を読み込ませ、その出力を確認せずに掲載してしまうと、社外に出してはいけない情報が漏れるおそれがあります。公開前に人が確認する工程を決めておきます

社内で使う生成AIツールの選び方は生成AIツールおすすめ比較、情報漏えい対策は生成AIのセキュリティリスクを参考にしてください。

中小食品メーカーが取り組みやすい順序

生成AIは、社内の文書業務→社内情報の検索→商品企画の補助→配合データの活用の順に広げると失敗しにくくなります。最初の段階は法人向けのクラウドサービスで始められ、大きな初期投資はかかりません。配合データを活用する段階になると、データの整理と専用の環境が必要になるため、最初の段階で効果を確かめてから投資を判断するのが安全です。

同じ業種で、どの業務から開発に手を付けるかを整理します

初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)

6. 予知保全AI|六花亭製菓の実証と導入の考え方

六花亭の公式ロゴ画像。製菓工場の設備で予知保全AIの実証を行った

出典: 六花亭 公式サイト

食品工場では、冷凍機・包装機・充填機・オーブンなどが突然止まると、製造途中の製品がそのまま廃棄になります。予知保全AIは、振動・温度・電流などのセンサーデータから故障の予兆を見つけ、計画的に部品を交換できるようにする取り組みです。

代表事例

  • 六花亭製菓らの実証:オーブンのモーターやファンに振動センサーを取り付け、AIで故障の予兆を検知する実証を2018年に始めました(MONOistの報道)
  • 振動センサーと異常検知の組み合わせ:製造業向けには、回転部品の振動データから異常の度合いを数値化するサービスが複数あります。食品工場でも、連続して稼働する包装機や搬送設備のように、止まると影響が大きい設備が候補になります

予知保全は食品業界に限らず製造業全体で事例が多いため、他業界の事例は製造業のAI活用事例が参考になります。

予知保全はデータ蓄積に1年以上かかる前提

予知保全AIは、正常に動いているときのデータをある程度ためないと、異常を判別できません。導入してすぐに効果が出るものではなく、センサーの設置、データ収集、基準値の設定、通知のしきい値の調整を繰り返す期間が必要です。まずは止まると影響が大きい設備を3〜5台に絞って始めるのが現実的です。

7. HACCP・衛生管理AI|温度記録・点検の自動化

厚生労働省のロゴ画像。HACCPに沿った衛生管理は食品等事業者に義務付けられている

出典: 厚生労働省 HACCP(ハサップ)

HACCPに沿った衛生管理は、2021年6月から原則としてすべての食品等事業者に義務づけられています。この分野でAI・IoTが活躍するのは、温度記録や点検記録の自動化と、異常があったときの通知です。

  • 冷蔵・冷凍設備の温度をセンサーで自動記録し、基準を外れたらスマートフォンに通知する
  • 紙の点検表をタブレット入力に切り替え、記録漏れや後からの書き換えを防ぐ
  • 小売では、ベイシアが富士通と組んで冷蔵・冷凍設備の温度点検を自動化し、2026年5月までに全店舗へ広げる計画を発表していました

記録をどれだけ減らせるかは、現場の設備や記録項目によって大きく変わります。HACCP記録の電子化や衛生管理SaaSの比較は、食品・食品加工業のAI活用事例で詳しく扱っています。

食品業界AIの導入状況と政策動向

中小機構のロゴ画像。デジタル化・AI導入補助金など中小企業向けの支援制度を運営している

出典: 中小機構 公式サイト

投資を判断する前に、業界調査と国の支援制度を確認しておきます。市場規模の予測は調査会社によって大きく異なるため、本記事では国内の実態がわかる調査と制度に絞って紹介します。

業界調査で見る導入状況

  • 導入状況:食品・飲料メーカーの約90%がAI・機械学習を導入済みまたは導入予定。ただし、データを実際に活用できている割合は約45%(ロックウェル・オートメーション、2026年10月)
  • AIを使う工程の割合:回答企業は、現在の約37%から2030年には60%を超えると見込んでいる(同調査)
  • 海外の市場予測:食品・飲料分野のAI市場については海外の調査会社が数十%の年平均成長率を予測していますが、金額も成長率も調査ごとに大きく異なります。1つの数字を業界の公式値として扱うのは避けてください

中小食品メーカーが活用できる2026年の制度

制度

内容

向いている投資

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)

通常枠:1〜3プロセスで5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下。補助率は原則1/2以内(条件を満たすと2/3以内)。ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)が対象

需要予測・生産管理・HACCP記録などのソフトウェアやクラウドサービス

中小企業省力化投資補助金(一般型)

人手不足に対応する設備投資を支援。補助上限は従業員数で変わる

AI検査装置、搬送・包装ロボットなどの設備

AI事業者ガイドライン 第1.2版(総務省・経済産業省、2026年3月)

AIエージェントやロボットなど現実で動くAIについての記述を追加。法的な拘束力はない

社内でAIを使うときのルールづくりの参考

デジタル化・AI導入補助金2026は、2026年3月30日に受付が始まり、回ごとに締切が設けられています。2026年10月30日時点で公式の事業スケジュールに載っている通常枠の直近の締切は2026年12月1日(火)17:00です(公式スケジュール)。今後の締切は随時発表されるため、申請前に必ず公式サイトで確認してください。省力化投資補助金(一般型)は、2026年10月30日時点で次回の公募日程はまだ発表されていません。申請の流れや対象経費はデジタル化・AI導入補助金2026 活用ガイドで詳しく解説しています。

食品製造・加工業でAIを導入する際の注意点

食品工場のAI導入でつまずきやすいのは、技術選びよりも現場の環境、データの整備、法令への対応、セキュリティです。

1. 食品工場特有の環境制約

  • 水・油・粉じんが多いため、防水・防じん仕様のカメラやセンサーが必要になり、一般的なIoT機器より費用がかかる
  • 毎日洗浄(CIPなど)する設備では、配線や筐体の設計まで含めて検討する
  • 古いラインに後から機器を付けるのは難しい場合が多く、ラインの更新時期に合わせて導入すると無理がない

2. データ整備の壁

  • 異物や不良品のサンプルが少なく、画像に正解を付ける作業に手間がかかる
  • 生産管理や温度記録が紙のままなら、AIの前にまず電子化が必要
  • 品目コードがシステムごとに違うと、需要予測も在庫の最適化も精度が上がらない

3. 法令・コンプライアンス

領域

注意点

食品衛生法・HACCP

電子記録でも書き換えを防ぎ、保存期間を決めておく。最終的な責任は事業者

食品表示法

期限設定の責任は事業者。原材料・アレルゲン表示をAIで作る場合は必ず二重チェック

景品表示法

生成AIが作った広告コピーの誇大表現(優良誤認)に注意

薬機法

機能性表示の範囲を超えて「〇〇に効く」と訴求すると違法になるおそれ

個人情報保護法

作業者の映像や行動データを扱う場合は、利用目的を明示する

営業秘密の管理

レシピ・配合・仕入先は、学習に使われない設定の法人契約や専用環境でのみ扱う

4. セキュリティ・改ざん防止

  • 検査装置やセンサーをネットワークにつなぐときは、工場の制御系ネットワークと事務系ネットワークを分け、外部から接続できる機器とアカウントを最小限に絞る
  • 装置メーカーが遠隔保守のために使う接続口は、侵入の入り口になりやすい。誰がいつ接続できるかを管理しておく
  • HACCP記録の電子化では、誰がいつ入力・修正したかの履歴を残す

5. AI任せにできない領域

  • 食品の安全に関する最終判断(出荷の可否、期限の設定、逸脱が起きたときの判断)は人が行う
  • AIの判定根拠を説明できない構成は、回収時の説明で困る
  • 生成AIの出力(レシピ案・広告コピー・表示)は、人が確認する工程を必ず残す

中小食品メーカー向け|2026年に踏み出す3ステップ

売上数億〜数十億円規模の中小食品メーカーなら、データの電子化→1工程での試験導入→効果が出た工程から広げるという順番が現実的です。

ステップ1:HACCP記録と販売・生産データの電子化(〜半年)

  • 温度記録や点検表をクラウドサービスで電子化する
  • 受注・出荷・生産実績を、同じ品目コードで毎月出力できるようにする
  • 社内の文書業務には法人向けの生成AIを導入し、利用ルールを先に決める

ステップ2:補助金を活用した1工程の試験導入(半年〜1年)

  • ソフトウェア中心の需要予測・生産管理ならデジタル化・AI導入補助金、検査装置やロボットなら省力化投資補助金を検討する
  • 対象は1工程に絞り、3〜6か月で効果を測る(検査なら見逃し率と検査人員、需要予測なら予測誤差と廃棄量)
  • 受発注や在庫のデータを既存の販売管理とつなぐ必要がある場合は、この段階で範囲を決めておく

ステップ3:効果が出た領域から段階展開(1年〜)

  • 効果が確認できた工程から、隣の工程や他の工場に広げる
  • 生成AIは、社内の文書業務から商品企画・配合データの活用へ段階的に広げる
  • 工場のネットワーク分離やアクセス管理など、セキュリティの見直しも同時に進める

投資の進め方の目安:初年度はデータの電子化と基盤づくり、2年目に1工程での試験導入、3年目から横展開という時間軸にしておくと、うまくいかなかった場合の損失を抑えられます。

食品製造・加工業のAI活用がおすすめな企業

次の項目に当てはまる企業は、AIへの投資の優先度を上げる価値があります。

  • 外観検査や異物の選別を目視に頼っている工程があり、検査員の確保に苦労している
  • 廃棄ロスや欠品が経営課題になっていて、出荷データが1年分以上電子化されている
  • 賞味期限を安全側に短く設定していて、保存試験のデータを持っている
  • 冷凍機・充填機・包装機などの突発停止が年に数回ある
  • 商品開発や生産計画が特定の担当者に頼っていて、その人が退職すると困る
  • 社内の文書業務が多く、生成AIを全社で試す体制(IT担当・ルールづくり)を作れる

おすすめしない・慎重に判断すべき企業

  • 記録が紙のままで、電子化に手をつける予定がない企業(まずデータづくりから)
  • 従業員がごく少なく、導入後の調整や改善を担当する人を置けない事業者
  • 多品種少量生産で1品目の生産量が極端に少ない企業(画像AIの学習データが集まりにくい)
  • 食品表示・薬機法のチェック体制がないまま、生成AIで広告コピーを大量に作ろうとしている事業者
  • 「AIを入れればすぐ人を減らせる」と考えている経営者(現場の協力が得られず定着しない)
  • レシピや配合を無料のチャットAIにそのまま入力している組織(まず利用ルールの整備から)

よくある質問(FAQ)

Q1. 中小食品メーカーでもAI導入は現実的ですか?

現実的です。ただし、最初の投資先はAIそのものよりデータの電子化です。温度記録や出荷実績が電子化されていれば、クラウド型の需要予測や生成AIは少ない初期費用で試せます。検査装置のような設備投資は金額が大きくなるため、省力化投資補助金などの公募時期に合わせて計画すると負担を抑えられます。

Q2. 賞味期限予測AIはすぐに導入できますか?

「賞味期限予測AI」という完成したパッケージ製品は、現時点ではほとんど見当たりません。2025年のガイドライン改正で科学的根拠に基づく設定が求められるようになり、保存試験や温度履歴のデータを機械学習で分析する取り組みは考えられます。ただし、AIの結果だけで期限を延ばすことはできず、保存試験による裏づけが必要です。

Q3. AI判定の品質検査で誤判定が出た場合、責任はどうなりますか?

食品の安全に関する責任は事業者にあり、AIのベンダーに移るわけではありません。誤判定に備えて、判定結果と画像の保管、しきい値を変更したときの記録、人による抜き取り検査を運用に組み込んでおきます。導入契約では、精度の保証範囲や再学習の対応についても確認しておくと安心です。

Q4. レシピや配合をChatGPTに入力しても大丈夫ですか?

無料版や個人向けプランへの入力は避けてください。法人向けプランやAPIでは、入力が学習に使われない設定を選べるサービスが一般的です。それでも、どの情報を入力してよいかを社内ルールで決めておく必要があります。味の素冷凍食品は「生成AI利用4か条」を作り、研修とあわせて全従業員に展開しています。

Q5. 物流2024年問題はAIだけで解決できますか?

AIだけでは解決できません。積載率の改善は、冷凍食品5社のような物流の共同化の効果が大きく、AIは受注・出荷予測や配車計画でそれを支える役割です。中小メーカーは、共同配送網や卸の仕組みに出荷データをつなぐところから始めると効果が出やすくなります。

Q6. 生成AIと従来のAI(画像検査・需要予測)は何が違いますか?

生成AIは文章や画像を作るAIで、議事録の作成、社内情報の検索、企画案づくりが得意です。画像検査や需要予測は、決まった対象を判別したり数値を予測したりするAIで、製造ラインに組み込んで使います。食品製造では、事務・企画には生成AI、ラインと計画には画像AI・予測AIと使い分けるのが基本です。

Q7. 補助金「デジタル化・AI導入補助金2026」の申請はどう始めればよいですか?

事務局に登録された「IT導入支援事業者」と、補助対象として登録されたツールを選んで、一緒に申請します。締切は回ごとに設定されており、2026年10月30日時点で公式スケジュールに載っている通常枠の直近の締切は2026年12月1日17:00です。申請にはGビズIDプライムの取得なども必要なため、締切の1か月以上前から準備を始めてください。

関連記事

食品製造・加工業のAI活用をさらに詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

まとめ|品質検査から始め、需要予測・物流連携へ広げる

食品製造・加工業のAI活用は、画像AIによる品質検査が最も効果を確かめやすい最初の取り組みです。そこから需要予測・生産計画、物流との連携へと広げるのが現実的な進め方です。生成AIは製造ラインとは別に、社内の文書業務から少ない初期費用で始められます。

  • 品質検査:ニチレイフーズの分光カメラ(2026年8月稼働)、Umiosのカット野菜検査、キユーピーの良品学習、四国化工機の豆腐検査。いずれも人の検査と組み合わせて運用している
  • 需要予測・生産計画:ニチレイフーズ×日立は計画の立案時間を約1/10に短縮(実績)。ハウス食品×NECの欠品50%減などは目標値
  • 賞味期限:2025年のガイドライン改正で科学的根拠が重視されるようになった。AIは根拠づくりを補助する道具で、期限を決めるのは事業者
  • サプライチェーン:冷凍食品5社は物流の共同化が中心。AIは卸やメーカーの受注・出荷予測から広がっている
  • 生成AI:味の素冷凍食品は月6,800時間以上の業務を削減(実績)。利用ルール・研修・専用AIの順で全社に広げた進め方が参考になる

中小食品メーカーは、データの電子化→補助金を使った1工程の試験導入→横展開の順で進めると、無理のないペースで投資できます。AIの性能を比べる前に、データの電子化と法令に対応できる体制を整えることが、導入の成否を分けます。

同じ業種で、どの業務から開発に手を付けるかを整理します

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します