ChatGPT workspace agents とは?Codex搭載チーム共有AIエージェントの機能・料金・Slack統合を解説【2026年10月】

この記事のポイント
ChatGPT workspace agentsは、Codexを使ってクラウド上で動くチーム共有型のAIエージェントです。2026年7月6日から始まったクレジット課金の計算方法、Slack連携の前提、カスタムGPT廃止後の使い分けまで、2026年10月時点の公式情報をもとに整理します。
ChatGPT workspace agents(ワークスペースエージェント)は、OpenAIが2026年4月22日に発表したチームで共有して使うAIエージェントです。Codexを使ってクラウド上で動くので、作った人がPCの前にいなくても、レポート作成やSlackでの応答、接続アプリの更新といった複数ステップの作業を進められます。
2026年5月下旬にはBusiness・Enterprise・Eduで一般提供(GA)に移りました。発表時に告知された「5月6日まで無料」の期間は7月6日まで延び、7月6日からはChatGPT内で動かした実行にクレジットがかかっています。
この記事でわかることは次のとおりです。
- workspace agents とカスタムGPTの違い(カスタムGPTは廃止予定)
- 「Codex搭載」の意味と、実際にできること
- 料金の仕組み(クレジットの計算式・1回あたりの目安・試算)
- Slackで使うときの前提条件と、APIから起動する方法
- Team Tasks・Dots・ChatGPT Work との使い分け
- 導入前に管理者が確認しておくこと
この記事は、ChatGPT Business・Enterprise・Eduを契約している組織の管理者・IT担当者と、チームでAIエージェントを使い始めたい方に向けて書いています。個人向けプラン(Free・Go・Plus・Pro)では、現時点でこの機能を使えません。
ChatGPT workspace agents とは?3つのポイントで押さえる

ワークスペースエージェントは、一度作ればチームの誰でも呼び出せて、作った人がいなくても動き続けるAIエージェントです。OpenAIは公式発表で、これを「GPTsの進化形(an evolution of GPTs)」と位置づけています。
組織が定めた権限と管理の範囲内で、複雑なタスクや長時間のワークフローを処理する共有エージェント。Codexをクラウドで動かすため、利用者が離れていても作業を続けられる。コードの記述・実行、接続したアプリの利用、学んだことの記憶、複数ステップの作業の継続ができる。
(OpenAI公式発表「Introducing workspace agents in ChatGPT」の要旨)
カスタムGPTや個人向けのエージェント機能との違いは、クラウドで動き続けること、チームで共有できること、アプリを実際に操作できることにあります。
- クラウドで動き続ける: ブラウザを閉じても処理が止まらない。スケジュール実行にも対応
- チームで共有する: 作成者が共有リンクや社内ディレクトリで公開し、メンバーはChatGPTやSlackから呼び出す
- アプリに対して操作できる: Gmail・Google Drive・Google Calendar・Slack・SharePointなどの接続アプリ、カスタムMCP、Web検索を使って、読み取りだけでなく書き込みまで行う
呼び出し口はChatGPT/Slack/スケジュール/APIの4つです。ChatGPTのサイドバーにある「Agents」から作成・利用します。
提供状況の変遷
時期 | 出来事 |
|---|---|
2026年4月22日 | 研究プレビューとして公開(Business・Enterprise・Edu・Teachers)。「5月6日まで無料」と発表 |
2026年5月7日 | EnterpriseのEKM(Enterprise Key Management)ワークスペースに対応 |
2026年5月21日(米国時間) | Business・Enterprise・Eduで一般提供に移行。無料期間を7月6日まで延長 |
2026年6月3日 | API側の Agent Builder が非推奨に。移行先として Agents SDK または ChatGPT Workspace Agents が案内される |
2026年7月6日 | ChatGPT内で起動した実行(スケジュール実行を含む)のクレジット課金が開始 |
2026年9月29日 | Business向けに Team Tasks(Enterpriseは10月8日)。DevDayで Dots を発表 |
2026年10月14日 | GPT-5.5 が ChatGPT・Codex から提供終了 |
2026年10月26日(予定) | EnterpriseでカスタムGPTの新規作成が終了 |
2026年12月11日(予定) | EnterpriseでカスタムGPTが廃止(延期を承認された場合は2027年2月11日まで) |
なお、公式リリースノートでは「一般提供」とされていますが、製品紹介ページには「research preview」の表記が残っています(2026年10月時点)。契約や社内規程で「プレビュー機能を使ってよいか」を判断する場合は、OpenAIの営業窓口か利用規約で現在の扱いを確認してください。
AIエージェントという考え方そのものについては、AIエージェントとは?定義・できること・主要ツールで詳しく解説しています。
カスタム GPTs との決定的な違い:7項目で比較

出典: ChatGPT Learn 公式
いちばん大きな違いは、カスタムGPTが「話しかけられたら文章で答える」ものだったのに対し、ワークスペースエージェントはスケジュールやSlack・APIから起動され、アプリへの書き込みまで含めて作業を進める点です。加えて2026年9月以降は、カスタムGPTそのものが廃止に向かっているという事情もあります。
比較ポイント | カスタム GPTs | Workspace Agents |
|---|---|---|
動き方 | プロンプトに文章で応答 | 指示・スケジュール・Slack・APIから起動し、複数ステップの作業を実行 |
実行場所 | 会話の中だけ | Codexを使ったクラウド環境(離席中も継続) |
共有範囲 | 個人・組織内・GPTストア | 組織内(共有には管理者の許可が必要) |
連携ツール | Actions(API定義)経由 | 接続アプリ・カスタムMCP・Web検索・スキル |
メモリ | 会話単位 | エージェント用の永続フォルダ(利用者ごと) |
対応プラン | 個人向けプランを含む | Business・Enterprise・Edu |
今後 | 廃止予定(Enterpriseは2026年12月11日予定) | 継続提供(廃止・名称変更の発表なし) |
VentureBeatは発表時に「カスタムGPTの後継」と報じましたが、実際の移行は少し複雑です。OpenAIの移行ガイドでは、カスタムGPTの移行先は「プラグイン」と案内されています。公開済みの指示はスキルに、知識ファイルは参照ファイルに引き継がれますが、下書き・選択していたモデル・カスタムアクション・過去の会話は引き継がれません(カスタムアクションは作り直しが必要です)。
つまり「カスタムGPTを置き換えるもの」は1つではありません。指示と知識を使い回したいだけならプラグイン、チームの業務フローを自動で回したいならワークスペースエージェント、と考えると整理しやすくなります。スキルやプラグインの規格については、Agent Plugins 1.0.0とはも参考になります。
Team Tasks・Dots・ChatGPT Work との使い分け
2026年秋には、ワークスペースエージェントと似た機能が相次いで登場しました。OpenAIが関係を1つの表にまとめた資料は見当たらないため、以下は公開情報をもとに編集部で整理したものです。
機能 | 誰のためのものか | 主な起動方法 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
カスタムGPT(廃止予定) | 個人〜組織 | 会話 | 決まった指示で答えさせる(今後はプラグインへ移行) |
プラグイン | 個人〜組織 | 会話の中で呼び出す | 指示・資料・アプリ接続をまとめて使い回す |
Workspace Agents | チーム(共有) | ChatGPT・Slack・スケジュール・API | 部署の定型業務をエージェントにして全員で使う |
Team Tasks | チーム | スケジュール・イベント | チームのサービスアカウントで定期作業を回す |
Dots | 個人(1人に1体) | 常時稼働 | 個人の仕事を専用のクラウドPC・ブラウザで代行させる |
ChatGPT Work / Codex | 個人(業務・開発) | 会話・タスク依頼 | 資料作成や開発作業を任せる。クレジットはワークスペースエージェントと共通 |
それぞれの詳細は、OpenAI Dotsとは、ChatGPT Workとはで解説しています。
Codex-powered とは何か?なぜ重要なのか

「Codex-powered」とは、ワークスペースエージェントがOpenAIのCodexをクラウド上の実行環境として使っている、という意味です。文章を生成するだけでなく、コードを書いて実行し、ファイルを作り、アプリを操作できるのはこのためです。
Codexを使うことで、主に次のような作業ができます。
- コードの生成と実行: スプレッドシートの集計、データの変換、グラフ作成
- ファイルの作成・更新: レポートや下書きを作り、メモリ用フォルダに保存
- 接続アプリの操作: カレンダーの確認、ドキュメントの読み込み、Slackへの投稿
- 複数ステップの処理: 「Aから情報を集める → Bで加工する → Cに送る」をまとめて実行
Codex自体の機能や料金はOpenAI Codexとはで詳しく扱っています。
外部への接続範囲は、エージェントに接続したアプリや組み込みツール(Web検索など)の設定で決まります。以前の情報では「インターネット接続は既定でOFF」とされていました。一方、現在のワークスペースエージェントではWeb検索が組み込みツールとして使えるため、どこまで外部に触れるかは、作成時のツール設定と管理者のポリシーで確認してください。
10の主要機能:できること全まとめ
できることは「作る・つなぐ・任せる・見守る」の4つに分けると把握しやすくなります。以下は公式ドキュメントとOpenAI Cookbookで確認できた機能です。
1. 会話でつくるビルダー
業務内容を文章で説明するか資料ファイルを渡すと、ChatGPTがエージェントの名前・説明・指示・接続アプリ・スキルを下書きし、プレビューで試せます。Chief of Staff、Data Analysis、Customer Supportのほか、財務・営業・マーケティング向けのテンプレートも用意されています。
2. チーム共有型エージェント
新しく作ったエージェントは、最初は作成者にだけ表示されます。共有リンクを渡すか社内ディレクトリに載せると、受け取った人はそのまま会話するか、複製(フォーク)して自分用に編集できます。共有には管理者の許可が必要です。また、同じエージェントを複数人で同時に編集することはできません。
3. スケジュール実行
「Schedule」から実行時刻と追加の指示を設定します。「平日16時に当日の商談メモをまとめる」「日曜の夜に翌週の予定を整理する」といった定期実行ができます。
4. アプリ接続
Google Calendar・Google Drive・Gmail・Slack・SharePointなどのアプリと、Web検索などの組み込みツールを接続できます。対応アプリは増え続けているため、使いたいアプリが対応しているかは管理画面かOpenAIのヘルプセンターで確認してください。
5. カスタム MCP サーバー対応
既製の接続アプリにない社内システムも、MCP(Model Context Protocol)のカスタムサーバーを用意すれば接続できます。社内のデータベースや業務システムとつなぐ場合の入り口になります。
6. スキル(Skills)
指示・資料・スクリプトをひとまとめにして、作業手順を固定する仕組みです。オープンな Agent Skills 規格に準拠しており、手元にある既存のスキルをアップロードして使えます。
7. 接続ごとの認証方式
接続するアプリごとに、認証方式を選びます。
- エンドユーザー認証: 使う人が自分のアカウントで接続する。その人が見られるデータにだけアクセスする
- エージェント所有アカウント(共有認証): サービスアカウントなどで接続する。共有された人は、自分の本来の権限を超えて、そのアカウントが届く範囲にアクセスできてしまう
OpenAIは、共有認証を使う場合は専用のサービスアカウントを用意し、権限を絞ることを推奨しています。
8. メモリ
エージェントがメモ・下書き・成果物を残す永続フォルダです。前回の実行で学んだことを次の実行に生かせます。ただし、メモリは利用者ごとに分かれていて、他のメンバーとは共有されません。チーム全体の知識として残したい内容は、スキルや参照ファイルに入れておく必要があります。
9. 書き込み前の確認(Human-in-the-loop)
アプリへの書き込みアクションは、既定で「実行前に確認」になっています。作成者は「確認しない」に変えられますが、メール送信や外部へのデータ送信のような操作は確認を残しておくのが安全です。コネクタごとに読み取り専用にしたり、個別のアクションを無効にしたりもできます。管理者はワークスペース全体で読み取り専用を強制できます。
10. トレースと管理者向けの監査
実行ごとに、どのコネクタを使い、どのスキル・メモリを参照し、どう考えて進めたかをトレースで確認できます。管理コンソールではエージェントごとの実行回数・ユニークユーザー数・利用の推移を見られます。Enterprise・Eduでは、Compliance APIでエージェントの設定・変更履歴・実行履歴を取得できます。
Slack統合の詳細:呼び出し方と前提条件

Slack連携を使うと、メンバーはChatGPTを開かずにSlackのチャンネルからエージェントを呼び出せます。ただし、Slackで使うエージェントは、すべてのアプリ接続が共有認証になっている必要があります。この条件がSlack連携でいちばん見落とされやすい点です。
Slackで使えるようにする手順
ステップ | 担当 | 内容 |
|---|---|---|
1 | ChatGPT管理者 | 「workspace agents for Slack」アプリを有効にする |
2 | Slack管理者 | Slack側で ChatGPT Agents アプリを許可する。Enterprise Gridでは、組織レベルの承認とワークスペースレベルの接続の両方が必要 |
3 | Slack管理者 | ユーザーグループの管理を全ユーザーに許可する |
4 | エージェント作成者 | アプリ接続をすべて共有認証にし、Slackチャンネルに追加する |
呼び出し方のパターン
呼び出し方 | 使い方の例 |
|---|---|
Slackで依頼する | チャンネルでエージェントに「今週の問い合わせを分類して」と頼む |
スケジュール実行 | 毎週月曜の朝に、週次サマリーを作ってチャンネルに投稿させる |
API起動 | 社内システムのイベントをきっかけにエージェントを動かし、結果をSlackで共有する |
共有認証が前提になることの意味
共有認証では、Slackでエージェントを呼び出した人の権限ではなく、エージェントに接続したアカウントの権限でデータにアクセスします。たとえば、経理フォルダにアクセスできるアカウントで接続したエージェントをSlackの全社チャンネルに置くと、本来そのフォルダを見られない人もエージェント経由で中身を引き出せてしまいます。
Slackに置くエージェントは、読み取り専用・必要最小限の範囲のサービスアカウントから始めるのが現実的です。設定の詳細は ChatGPT agents app in Slack(OpenAI公式・英語) で確認できます。
Enterpriseでは、2026年9月末からSlackとMicrosoft Teamsで「@ChatGPT」を呼び出せるようにもなりました。こちらは個人の質問に答える用途で、チームの定型業務を回すワークスペースエージェントとは役割が異なります。Slack上で動く他社のAIエージェントとの比較には、Slack Codeとはも参考になります。
APIからエージェントを起動する

出典: OpenAI Developers 公式ドキュメント
ワークスペースエージェントは、公式のAPIから外部システムで起動できます。ただし、APIでできるのは「起動」と「状態確認」までで、エージェントの回答本文はAPIでは受け取れません。結果はChatGPTの会話画面で確認します。
項目 | 内容(公式ドキュメントより) |
|---|---|
エンドポイント |
|
認証 |
|
リクエスト本文 |
|
再試行 |
|
応答 |
|
状態確認(ベータ) |
|
アクセストークンは、管理者が Admin > Permissions & roles で個人アクセストークンの作成を許可したうえで、Admin > Access tokens から「Workspace Agents」スコープで発行します。このトークンはWorkspace Agents APIの専用です。レート制限は2026年10月時点で公式ドキュメントに記載がありません。
API側の Agent Builder が2026年6月に非推奨となり、移行先の1つとしてワークスペースエージェントが案内されています。Agent Builderで作ったフローを移す場合も、「回答をAPIで受け取れない」点は設計の段階で考えておく必要があります。
APIで起動できるといっても、試しに動かすことと、自社の業務で動かし続けることの間には差があります。承認の手順、止めたいときの停止、失敗したときの再実行までを含めて運用するなら、AIエージェントの本番導入で追加する開発範囲で、どこに追加の開発が必要になるかを確認しておくと見積もりのずれを防げます。
料金・プラン:誰が使える?7月6日からのクレジット課金

ワークスペースエージェントを使えるのはBusiness・Enterprise・Eduです。席の料金とは別に、2026年7月6日からは実行ごとに使ったトークン量に応じてクレジットが減る仕組みになっています。1回の実行にかかる固定料金はありません。
利用できるプラン(2026年10月時点)
プラン | 席の料金 | Workspace Agents |
|---|---|---|
Free・Go・Plus・Pro(個人向け) | — | 使えない |
Business(Standard席) | $20/ユーザー/月(年払い・2名以上)、月払いは$25 | 使える(既定でON) |
Business(Premium席) | $100/ユーザー/月(年払い)・$125(月払い)と報じられている | 使える(Premium席での扱いの違いは未発表) |
Enterprise | 個別見積もり | 使える(既定でOFF。管理者が有効にする) |
Edu | 個別見積もり | 使える |
個人向けプランの料金はChatGPTの料金プラン解説にまとめています。Business Premium席の価格は第三者の報道をもとにしているため、契約前に ChatGPT公式の料金ページ で確認してください。発表時に対象だったTeachersプランは、一般提供の告知では対象に挙がっておらず、現在の扱いは確認できていません。
無料期間は終了、7月6日から課金
期間 | 扱い |
|---|---|
2026年4月22日〜7月5日 | 追加料金なし(当初は5月6日までの予定が延長) |
2026年7月6日〜 | ChatGPT内で起動した実行(スケジュール実行を含む)にクレジットがかかる |
Slackなど ChatGPT の外で起動した実行 | 7月時点では無料プレビューを続けると報じられた。終了日は未発表で、現在の扱いは公式の料金表で確認が必要 |
クレジットの計算方法
1回の実行で使うクレジットは、次の式で決まります。
クレジット =(入力トークン ÷ 100万 × 入力単価)+(キャッシュ済み入力 ÷ 100万 × キャッシュ単価)+(出力トークン ÷ 100万 × 出力単価)
OpenAIの料金表に載っている単価(100万トークンあたりのクレジット)は次のとおりです。
モデル | 入力 | キャッシュ済み入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
GPT-5.6(ワークスペースエージェントの料金表に記載) | 100 | 10 | 500 |
公式の料金表では、GPT-5.6で動かした一般的な実行1回あたり5〜25クレジットが目安とされています。ワークスペースエージェントで選べるモデルの一覧はプランや時期で変わるため、作成画面で確認してください。7月の課金開始時に示されていたGPT-5.5の単価(125/12.5/750)は、GPT-5.5が10月14日に提供終了したため使えません。GPT-5.5を指定していたスケジュール実行は差し替えが必要です。詳しくはGPT-5.5の提供終了と影響をご覧ください。
試算:1回あたり・1か月あたりの目安
GPT-5.6の単価で、規模の違う3つの実行を編集部で試算しました。実際のトークン量は、接続アプリから読み込むデータ量や作業の長さで大きく変わります。
実行の規模 | 入力 | キャッシュ済み入力 | 出力 | 1回あたり | 平日に毎日1回(月20回) |
|---|---|---|---|---|---|
小(短い要約) | 1万 | 2万 | 2千 | 約2.2クレジット | 約44クレジット |
中(週次レポート程度) | 2万 | 8万 | 5千 | 約5.3クレジット | 約106クレジット |
大(複数アプリを横断) | 8万 | 30万 | 2万 | 約21クレジット | 約420クレジット |
OpenAIは1クレジットあたりの金額を公表していません。そのため、円での正確な見積もりは事前に出せません。まずは少数のエージェントで1〜2週間動かし、管理コンソールで実際の消費量を見てから、対象業務を広げる進め方が確実です。
クレジットの管理方法
プラン | 仕組み | 管理できること |
|---|---|---|
Business | 席に一定の利用分が含まれる。Workspace Agents・Codex・ChatGPT Work・ChatGPT for Excel などが同じクレジットプールを共有。足りない分はクレジットパック(12か月有効)を購入 | 使用量アラート、自動チャージ。自動チャージをOFFにすると、上限に達した時点で止まる |
Enterprise・Edu | 契約で共有プールを設定 | 使用量アラート、超過の上限(0にすると超過を完全に止める)、グループ別の支出ルール |
注意したいのは、エージェント単位の予算上限やアラートは、現時点では用意されていない点です。管理はワークスペース単位で行います。1つのエージェントが想定以上にクレジットを使っても、そのエージェントだけを自動で止める仕組みはありません。また、Codexや ChatGPT Work と同じプールを使うため、開発チームの消費が多い月はエージェントに回せる分が減ります。Codex側の利用制限についてはCodex・ChatGPT Workの5時間制限で解説しています。
できないこと・現時点の制約(重要)
導入を決める前に、次の制約を確認しておきましょう。特に「回答をAPIで受け取れない」「エージェントごとの予算上限がない」「Slackは共有認証が前提」の3つは、運用設計に直接影響します。
制約 | 内容 |
|---|---|
個人向けプランでは使えない | Free・Go・Plus・Proは対象外 |
APIで回答本文を受け取れない | 起動と状態確認のみ。結果はChatGPTの会話で確認する |
エージェント単位の予算上限がない | アラート・上限はワークスペース単位でしか設定できない |
1クレジットの金額が非公開 | 円での事前見積もりが難しい |
Slackでは共有認証が必須 | 使う人ごとの権限に合わせたアクセス制御がしにくい |
同時編集ができない | 1つのエージェントを複数人で同時に編集できない |
メモリは利用者ごと | チーム全体で共有されるメモリではない |
Businessは権限設計の自由度が低い | 独自ロールのRBACやSCIMグループ同期がない。細かい権限設計が必要ならEnterprise |
結果が毎回同じとは限らない | LLMの性質上、同じ条件でも出力が変わることがある |
大量の単純処理は割高になりやすい | 実行ごとにトークンを使うため、決まった処理の繰り返しはRPAやZapierのほうが安く済むことが多い |
以前は「EKMを有効にした環境では使えない」とされていましたが、2026年5月7日のEnterpriseリリースノートでEKM対応が告知されています。EKMを使っている組織は、対応範囲の詳細を担当窓口で確認してください。
プロンプトインジェクション(読み込んだ文書やWebページに仕込まれた指示でエージェントが乗っ取られる攻撃)への対策は組み込まれていますが、OpenAI自身が管理者向け資料で「リスクをなくすものではない」と明記しています。
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向いている業務 vs 向いていない業務:導入判断フレーム
向いているのは、手順がある程度決まっていて、判断・要約・文書化が入り、人が最後に確認できる業務です。OpenAIも、まず読み取り中心で、人が最終確認できる反復業務から始めることを勧めています。
向いている業務
業務タイプ | 具体例 |
|---|---|
定期的なレポート作成 | 週次KPIのまとめ、月次の営業レポートを作ってSlackに投稿 |
複数ツールをまたぐ情報収集 | カレンダー・メール・ドライブから商談前の資料をまとめる |
判断が入る文書作成 | 議事録からアクションを抜き出し、担当者別のメール下書きを作る |
申請・依頼の一次審査 | ソフトウェア利用申請を確認してITチケットを起票する(公式の利用例) |
フィードバックの振り分け | 製品への要望を分類して担当チームに回す(公式の利用例) |
問い合わせの一次分類 | 受信した問い合わせをカテゴリ別に分けて担当部署に回す |
向いていない業務
業務タイプ | 理由 |
|---|---|
毎回手順が変わる業務 | 手順が決まっているほど結果が安定する |
数値を100%正確に扱う必要がある業務 | 計算や転記の誤りが起こり得る。確定した財務数値は人が確認する |
大量の単純な繰り返し処理 | クレジットがかさむ。ZapierやPower Automateのほうが安い |
法的・コンプライアンス上の最終判断 | 提案として使うのはよいが、決めるのは人 |
即時の応答が必要な処理 | バックグラウンドで動くため、応答時間は保証されない |
APIで結果を受け取って次の処理に渡したい業務 | 回答本文をAPIで取得できない |
小さく始めるのが基本です。最初から外部へのメール送信や本番データへの書き込みを自動化せず、読み取りと下書き作成から始めましょう。
Zapier・Power Automate との使い分け
ワークスペースエージェントがあればZapierが要らなくなるわけではありません。多くのチームでは両方を使い分けることになります。決まった処理を確実に回すのはZapierやPower Automate、内容を読んで判断・要約・文書化する部分はワークスペースエージェント、という分担です。
比較ポイント | Workspace Agents | Zapier / Power Automate |
|---|---|---|
得意なこと | 判断・要約・文章作成が入る作業 | ルールで決まる定型フロー |
結果の安定性 | LLMの性質上、毎回少しずつ変わる | 同じ入力なら同じ結果 |
大量処理のコスト | 実行ごとにトークン分のクレジットを消費 | 処理件数あたりの費用は低め |
作り方 | 文章で業務を説明する | トリガーとアクションを組み合わせる |
向いている場面 | 文書作成、情報整理、判断を伴う処理 | データ転送、通知、単純な条件分岐 |
たとえば「フォームの回答をスプレッドシートに転記し、担当者に通知する」まではZapierに任せ、「回答の内容を読んで優先度を付け、返信文の下書きを作る」部分だけをワークスペースエージェントに任せる、という組み合わせが現実的です。
管理者向け:導入前の準備チェック
ワークスペースエージェントは、管理者の設定が済まないとユーザー側では使い始められません。Businessは既定でONですが、EnterpriseはOFFになっているため、管理者が有効にする必要があります。
導入の2段階
ステップ1: 管理者側の準備(IT管理者・情報システム担当)
- 契約プランの確認(Business・Enterprise・Edu)
- Enterpriseの場合は、ワークスペースエージェントを有効化
- 使ってよい接続アプリの選定と、読み取り専用にするかどうかの方針決め
- 共有認証用のサービスアカウントを用意し、権限を最小限に絞る
- エージェントの共有を許可する範囲を決める(共有には管理者の許可が必要)
- 使用量アラート・自動チャージ・超過上限の設定(エージェント単位の上限はないため、ワークスペース全体で管理)
- Slackで使う場合は、ChatGPT側とSlack側の両方でアプリを許可
- APIで使う場合は、アクセストークン発行の許可と保管ルールの整備
- Enterprise・Eduでは、Compliance APIで監査ログを取得する体制づくり
- 書き込み前の確認を外してよい操作・外さない操作の線引き
ステップ2: ユーザー側の準備(各担当者)
- エンドユーザー認証の接続アプリは、各自のアカウントで認証する
- エージェントを作ったら、まずプレビューで試し、トレースで動きを確認してから共有する
確認ゲートの推奨設定
リスク区分 | 操作の例 | 推奨設定 |
|---|---|---|
高 | 社外へのメール送信、本番データへの書き込み、支払いに関わる処理 | 必ず実行前の確認を残す |
中 | 社内Slackへの投稿、カレンダー登録、社内文書の更新 | 運用開始直後は確認を残し、安定してから見直す |
低 | 読み取りだけの情報収集、下書き作成 | 確認なしでもよい(出力の確認は必要) |
セキュリティ・ガバナンス機能
OpenAIは、ビジネスプランのデータ(接続アプリから取得したデータを含む)を既定でモデルの学習に使わないとしています(OpenAI Enterprise privacy)。そのうえで、ワークスペースエージェント特有の注意点は「共有認証による権限の広がり」「書き込み操作」「プロンプトインジェクション」の3つです。
押さえておきたい4つのポイント
1. 共有認証は権限が広がる
共有認証で接続したエージェントは、使う人の本来の権限を超えてデータにアクセスできます。サービスアカウントを使い、必要な範囲だけに権限を絞りましょう。
2. 書き込み前の確認は外さない
書き込みアクションは既定で「実行前に確認」です。手間に感じても、外部に影響する操作では確認を残しておくほうが安全です。
3. プロンプトインジェクション対策は万全ではない
対策は組み込まれていますが、OpenAIはリスクがなくなるわけではないと明記しています。外部のメールやWebページを読ませるエージェントほど、書き込み権限を絞る必要があります。
4. 監査はプランで差がある
管理コンソールでの利用状況の確認はできますが、Compliance APIでエージェントの設定・変更履歴・実行履歴を取得できるのはEnterprise・Eduです。監査要件が厳しい組織はEnterpriseを前提に検討してください。
他社のエージェント統制の考え方と比べたい場合は、Microsoft Agent 365とはやMicrosoft Copilot Coworkとはも参考になります。
先行導入企業の事例

OpenAIは2026年4月22日の発表時に、先行して導入した企業として次の各社を挙げています。数値はいずれも2026年4月の発表時点のものです。
企業 | 業種 | 発表時に示された内容 |
|---|---|---|
SoftBank | 通信 | 年間80万時間の生産性向上を見込むと試算 |
Rippling | HR SaaS | HR領域の業務の自動化 |
BBVA | 金融 | 規制の厳しい金融業務での活用 |
Better Mortgage | 住宅ローン | ローン関連の文書処理 |
Hibob | HR SaaS | HRソフトウェアと組み合わせた活用 |
発表時には、ソフトウェア申請の審査、製品フィードバックの振り分け、週次の指標レポート、見込み客への連絡、取引先リスクの管理といった利用例も紹介されています。どれも「部署で繰り返し発生し、手順がある程度決まっている業務」で、個人が単発で使う場面ではない点が共通しています。
こんな組織・担当者におすすめ / おすすめしない
積極的に使うべき
- ChatGPT Business・Enterprise・Eduを契約済みの組織
- 週次・月次のレポートや会議準備に毎回同じ手間がかかっている部署
- Google Workspace・Slack・SharePointなど、複数のツールから情報を集める業務がある
- 接続アプリの権限やサービスアカウントを管理できるIT担当者がいる
- カスタムGPTを業務で使っていて、廃止を前に移行先を検討している
- Zapierなどで定型処理は自動化済みで、判断を伴う部分も任せたい
見送るか慎重に検討すべき
- 個人向けプラン(Free・Go・Plus・Pro)のユーザー(そもそも使えない)
- 円での費用見積もりを事前に固めないと予算を通せない組織(1クレジットの金額が非公開)
- 部署ごとに細かく予算を分けて管理したい組織(エージェント単位の上限がない)
- 個人ごとの権限に厳密に沿ったアクセス制御を、Slack上でも求める組織
- 結果をAPIで受け取り、別システムに自動で渡したい用途が中心
- 毎回100%同じ結果が必要な業務(確定した財務数値や法的文書の最終版など)
よくある質問(FAQ)
Q. 「5月6日まで無料」はもう終わっていますか?
A. はい。無料期間は7月6日まで延長されたあと終了し、2026年7月6日からChatGPT内で起動した実行にクレジットがかかっています。Slackなど ChatGPT の外から起動した実行は、7月時点では無料を続けると報じられましたが、現在の扱いは公式の料金表で確認してください。
Q. カスタムGPTは廃止されますか?
A. はい。Enterpriseでは2026年10月26日に新規作成が終わり、12月11日に廃止される予定です(延期が認められた場合は2027年2月11日まで)。OpenAIの移行ガイドでは、移行先は「プラグイン」とされています。定型業務を自動で回したい場合は、プラグインではなくワークスペースエージェントとして作り直すことになります。
Q. Free・Plusユーザーが似たことをするには?
A. ワークスペースエージェントは使えません。個人で業務を任せたい場合は、ChatGPTのエージェント機能や、個人向けの常時稼働エージェントである Dots の提供状況を確認するのが近道です。チームで使いたい場合は Business プランが入り口になります。
Q. 1回の実行でどれくらいクレジットを使いますか?
A. OpenAIの料金表では、GPT-5.6で動かした一般的な実行1回あたり5〜25クレジットが目安です。読み込むデータが多いほど増えます。1クレジットの金額は公表されていないため、少数のエージェントで試して実際の消費量を確かめるのが確実です。
Q. Slackなしでも使えますか?
A. はい。ChatGPTの画面から作成・実行でき、スケジュール実行やAPIからの起動もできます。Slackは呼び出し口の1つで、必須ではありません。
Q. EKMを有効にしていても使えますか?
A. 2026年5月7日のEnterpriseリリースノートで、EKMを使うワークスペースへの対応が告知されています。発表直後は非対応とされていましたが、その後に対応が追加された形です。どの機能まで使えるかの細かな範囲は公開情報では確認しきれないため、OpenAIの担当窓口で確認してください。
Q. 社内の独自システムともつなげられますか?
A. カスタムMCPサーバーを用意すれば接続できます。ただし、Slackで使うエージェントは共有認証が前提になる点と、エージェントの回答をAPIで受け取れない点を踏まえて設計する必要があります。
まとめ:ワークスペースエージェントで変わること
ChatGPT workspace agents は、AIを「話しかけて答えをもらう道具」から「チームの業務の一部を任せる担当者」に近づける機能です。2026年10月時点では一般提供に移り、7月6日からはクレジット課金が始まっています。カスタムGPTの廃止が近づいたいま、チームの定型業務を任せる先として現実的な選択肢になっています。
導入を検討するときは、次の点を押さえておくと判断しやすくなります。
- 使えるのは Business・Enterprise・Edu(個人向けプランは不可)。Businessは既定でON、Enterpriseは管理者が有効化
- 無料期間は終了。2026年7月6日からトークン量に応じたクレジット課金(GPT-5.6で1回あたり5〜25クレジットが目安、1クレジットの金額は非公開)
- クレジットはCodex・ChatGPT Workと同じプールを共有し、エージェント単位の上限はない
- Slackで使うにはアプリ接続をすべて共有認証にする必要があり、権限の広がりに注意
- APIで起動はできるが、回答本文はAPIで受け取れない
- カスタムGPTは廃止予定(移行先はプラグイン)。業務フローを自動で回すならワークスペースエージェント
- 読み取りと下書き作成から小さく始め、書き込み前の確認は残しておく
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AI革命
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