Claude Managed Agentsとは?機能・料金・使い方・Messages APIとの違いを解説

この記事のポイント
Anthropicが提供するクラウドホスト型AIエージェント実行基盤「Claude Managed Agents」を徹底解説。Messages API・Agent SDKとの使い分け、料金体系(2軸課金)、セルフホストサンドボックス・MCPトンネルなど2026年5月の最新機能、ZDR/HIPAA非対応の理由まで網羅。
Claude Managed Agents(クロード マネージドエージェント)は、Anthropicが提供するクラウドホスト型のAIエージェント実行基盤で、サンドボックスでのコード実行・ファイル操作・MCP連携・長時間タスクの自律処理をAPI経由で実現するサービスです。2026年4月8日にパブリックベータとして公開され、同年5月にはセルフホストサンドボックスとMCPトンネルが追加されました。
この記事では、Claude Managed Agentsの定義・コアコンセプト・できること・料金体系・始め方・Messages APIやAgent SDKとの使い分け・セキュリティ設計まで、導入判断に必要な情報をまとめています。「Messages APIと何が違うの?」「自社プロダクトに組み込めるか確認したい」「コストはどのくらいかかるか知りたい」という開発者・プロダクトマネージャーの方に向けた記事です。

出典: Claude Managed Agents 公式ドキュメント
Claude Managed Agentsとは — 概要と位置づけ

Claude Managed Agentsは、Anthropicが「大規模にクラウドホスト型エージェントを構築・デプロイするためのコンポーザブルAPIスイート」と公式に定義するサービスです。
従来のClaude API(Messages API)が「一問一答で応答するステートレスなモデル呼び出し」だったのに対し、Managed Agentsは「自分でファイルを作り、コマンドを実行し、Webを調べ、成果物を納品してくれる作業者」という位置づけです。エージェントの実行基盤(コンテナ管理・ツール実行・セッション永続化・セキュリティ境界)をAnthropicが丸ごと管理するため、開発者はインフラを自前構築せずにプロダクト開発に集中できます。
項目 | 内容 |
|---|---|
開発元 | Anthropic |
提供形態 | REST API + SDK(7言語)+ CLI(ant コマンド)+ Claude Console |
公開日 | 2026年4月8日(パブリックベータ) |
ステータス | パブリックベータ( |
アクセス条件 | 全APIアカウントでデフォルト有効(一部機能は別途リクエスト必要) |
対応SDK | Python / TypeScript / Java / Go / C# / Ruby / PHP |
公式ドキュメント | https://platform.claude.com/docs/ja/managed-agents/overview |
Claudeエコシステム内での位置づけ
Anthropicが提供するClaude関連サービスの中での位置づけを整理すると以下のようになります。
サービス | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
claude.ai / Claudeアプリ | 一般ユーザー | ブラウザ・アプリで対話。コーディング不要 |
Claude API(Messages API) | 開発者 | 単発のリクエスト/レスポンス。自前でエージェントループを構築 |
Agent SDK | 開発者 | エージェントフレームワーク。ツール実行・ループを自前管理 |
Claude Managed Agents | 開発者・企業 | フルマネージドのエージェント実行基盤。インフラはAnthropicが管理 |
Claude Code | エンジニア個人 | CLI型のコーディングエージェント(個人開発支援) |
Claude Cowork | ナレッジワーカー | デスクトップアプリ内のエージェント機能 |
Managed Agentsのターゲットは、自社プロダクトにClaude搭載のエージェント機能を組み込みたい企業や開発者です。エンジニア個人の開発支援ツールであるClaude Codeとは用途が根本的に異なります。
Claudeの全体像については「Claudeとは?機能・料金・使い方を解説」もあわせてご覧ください。
Claude Managed Agentsの4つのコアコンセプト

出典: Claude Managed Agents 公式ドキュメント
Managed Agentsは、Agent・Environment・Session・Eventsという4つの概念で構成されています。
Agent(エージェント)
使用するAIモデル、システムプロンプト、ビルトインツール、MCPサーバー、Skill.mdなどを定義するリソースです。一度作成すればIDで何度でも参照でき、複数のセッションで再利用できます。エージェントそのものは「設計図」であり、実際の処理はSessionが担います。
Environment(環境)
エージェントが実行されるサンドボックスの設定テンプレートです。プレインストールする言語・パッケージ(Python、Node.js、Go等)、ネットワークアクセスのルール(全開放または特定ホスト制限)、マウントするファイルなどを定義します。Anthropicのクラウドサンドボックスとセルフホストサンドボックスのどちらかを選べます。
Session(セッション)
Agent + Environmentの組み合わせで動く実行インスタンスです。会話履歴と永続ファイルシステムを保持し、ユーザーが接続を切断しても処理が継続します。
セッションの状態は以下の4種類で、課金対象は running 状態のみ(ミリ秒精度で計測)です。
状態 | 意味 | 課金 |
|---|---|---|
| 実際に処理が走っている | 課金対象 |
| ユーザーのメッセージ待ち | 対象外 |
| 再スケジューリング中 | 対象外 |
| 終了済み | 対象外 |
Events(イベント)
アプリケーションとエージェント間でやり取りされるメッセージです。ユーザーの入力、ツール実行結果、ステータス更新などがSSE(Server-Sent Events)形式でリアルタイム配信されます。実行中のエージェントに追加イベントを送ることで、途中からの操舵・中断も可能です。
Claude Managed Agentsでできること

Managed Agentsは、コーディング・データ分析・Web情報収集・ファイル操作など幅広いタスクに対応しています。
組み込みツールセット(agent_toolset_20260401)
以下の8つのツールが最初から利用可能で、開発者がツール実行基盤を自前構築する必要がありません。
ツール名 | 機能 |
|---|---|
Bash | コンテナ内でシェルコマンドを実行 |
Read | ファイルの読み取り |
Write | ファイルの書き込み |
Edit | ファイルの編集 |
Glob | ファイルパターンマッチング |
Grep | コンテンツ検索 |
Web Search | Web検索($10/1,000件別途課金) |
Web Fetch | 指定URLのコンテンツ取得 |
MCP(Model Context Protocol)サーバー連携
GitHub、Slack、データベースなどの外部ツールプロバイダーにMCPを通じて接続できます。認証情報はCredential Vaultで管理され、エージェントが動作するサンドボックスには直接渡らない設計です。既存のMCPエコシステムをそのまま活用できる点が利点です。
MCPの概念については「AIエージェントとは?仕組み・種類・活用事例をわかりやすく解説」も参考にしてください。
長時間実行タスク
数分から数時間にわたるタスクを、ユーザーが接続を切断していても継続的に処理します。コーディングプロジェクトの構築、大量データの分析、Webリサーチの自動化など「時間のかかる処理をバックグラウンドで実行させたい」用途に対応します。
セルフホストサンドボックス(2026年5月〜パブリックベータ)
2026年5月19日に追加された機能です。エージェントループはAnthropicが管理しつつ、ツール実行のサンドボックスだけを自社インフラ上で動かす構成を取れます。自社の既存インフラを活用したい企業や、データをAnthropicのクラウド外で処理したい要件に対応します。
公式対応パートナーは以下の4サービスです。
パートナー | 特徴 |
|---|---|
Cloudflare | エッジコンピューティング環境 |
Daytona | 開発環境の自動プロビジョニング |
Modal | サーバーレスGPUコンテナ |
Vercel | フロントエンド統合型デプロイ |
なお、セルフホストサンドボックスは現時点でClaude Platform on AWS(CCU課金環境)では未対応です。また、Memory機能との併用も現時点では非対応です。
MCPトンネル(リサーチプレビュー)
2026年5月19日に発表された機能で、企業内プライベートネットワーク上のMCPサーバーを、公開インターネットに露出せずにManaged Agentsから利用できます。軽量なゲートウェイが単一のアウトバウンド接続を確立するだけで、インバウンドファイアウォールルールが不要です。エンドツーエンド暗号化対応。
ただし現時点ではリサーチプレビュー段階のため、利用には別途Anthropicへのアクセスリクエストが必要です。
リサーチプレビュー機能(申請が必要)
現時点では一般提供されていませんが、以下3つの先進機能がリサーチプレビューとして用意されています。
- Outcomes(成果物定義) — タスクの成功基準を定義し、Claudeが自己評価と反復を行う機能。公式によるとタスク成功率が最大10ポイント改善
- Multi-agent(マルチエージェント) — エージェントが他のエージェントを起動し、複雑な作業を並列処理する機能
- Memory(メモリ) — セッション間でコンテキストを保持し、過去のやり取りを踏まえた応答を行う機能
できないこと・制約
ZDR(Zero Data Retention)・HIPAA BAA — 非対応とその理由
Managed AgentsはZero Data Retentionの対象外であり、HIPAA Business Associate Agreement(BAA)にも対応していません。理由はアーキテクチャ上の制約です。
なぜ非対応か:
Managed Agentsはステートフル設計のため、サーバー側に会話履歴・サンドボックス状態・出力ファイルが保存されます。ZDRはリクエスト完了後にデータを即時削除する仕組みですが、ステートフルなセッションにはこれを適用できません。同じ理由でHIPAA BAAも対象外です。
代替手段:
セッション削除API・ファイル削除APIで個別に削除は可能です。ただし自動削除はないため、コンプライアンス要件がある場合は自社でデータ保持ポリシーを管理する必要があります。
→ 医療・ヘルスケア業界(HIPAA対応が必須の企業)にはManaged Agentsは不向きです。
Batch API割引・Fast Mode・データレジデンシー指定 — 非対応
使えない機能 | 理由 |
|---|---|
Batch API割引(50%オフ) | ステートフル・インタラクティブなセッションはバッチ処理できない |
Fast modeプレミアム | ランタイムが推論速度を管理するため適用不可 |
データレジデンシー( | Messages API専用フィールドのため |
大量のテキスト生成タスクでコストを抑えたい場合は、Messages APIのBatch APIが最適な選択肢です(50%割引)。Managed AgentsのSession runtimeコストを考慮すると、単純なバッチ処理にManaged Agentsを使うと割高になります。
Amazon Bedrock・Google Vertex AI — 非対応
Amazon BedrockやGoogle Vertex AI経由でのManaged Agents利用はできません。Claude APIへの直接アクセスが前提です。既存インフラでBedrock/Vertex AIを使っている場合、Managed Agents用に別途API設定が必要になります。
レート制限
操作種別 | 上限 |
|---|---|
作成系エンドポイント(POST) | 60リクエスト/分(組織単位) |
読み取り系エンドポイント(GET) | 600リクエスト/分(組織単位) |
Claude Managed Agentsの料金体系
Managed Agentsの料金は、トークン消費 + セッションランタイムの2軸で課金されます。
セッションランタイム料金
SKU | 料金 | 計測方法 |
|---|---|---|
Session runtime | $0.08 / session-hour |
|
コードエクゼキューション(Code Execution)のコンテナ時間費用はSession runtimeに含まれ、別途請求はありません。
モデル別トークン料金(2026年6月時点)
モデル | 入力 | 出力 | キャッシュ書き込み(5分) | キャッシュヒット |
|---|---|---|---|---|
Claude Opus 4.8 / 4.7 / 4.6 / 4.5 | $5 / MTok | $25 / MTok | $6.25 / MTok | $0.50 / MTok |
Claude Sonnet 4.6 / 4.5 | $3 / MTok | $15 / MTok | $3.75 / MTok | $0.30 / MTok |
Claude Haiku 4.5 | $1 / MTok | $5 / MTok | $1.25 / MTok | $0.10 / MTok |
MTok = 100万トークン。Web検索は$10/1,000件が別途発生します。
公式コスト計算例(キャッシュあり/なし比較)
Claude Opus 4.8を使った1時間のコーディングセッション(入力5万トークン・出力1.5万トークン)の場合:
キャッシュなし:
項目 | 計算 | 費用 |
|---|---|---|
入力トークン | 50,000 × $5 / 1,000,000 | $0.25 |
出力トークン | 15,000 × $25 / 1,000,000 | $0.375 |
セッション実行時間 | 1.0時間 × $0.08 | $0.08 |
合計 | $0.705 |
キャッシュあり(入力の4万トークンがキャッシュヒット):
項目 | 計算 | 費用 |
|---|---|---|
非キャッシュ入力 | 10,000 × $5 / 1,000,000 | $0.05 |
キャッシュリード | 40,000 × $5 × 0.1 / 1,000,000 | $0.02 |
出力トークン | 15,000 × $25 / 1,000,000 | $0.375 |
セッション実行時間 | 1.0時間 × $0.08 | $0.08 |
合計 | $0.525(約25%削減) |
ユースケース別月間コスト試算(Claude Sonnet 4.6使用)
ユースケース | 月間runningTime | ランタイム料金 | トークン料金(概算) | 月間合計(概算) |
|---|---|---|---|---|
週5日・1日1時間のコーディングタスク | 約22時間 | $1.76 | $5〜15 | $7〜17 |
24/7稼働のモニタリングエージェント | 約720時間 | $57.60 | $20〜100 | $78〜158 |
月20回のバッチ処理(各30分) | 約10時間 | $0.80 | $3〜10 | $4〜11 |
Claude Opus 4.8使用時はトークン料金が約1.7倍、Haiku 4.5では約0.3倍になります。長時間セッションが多い場合はプロンプトキャッシングの活用でトークンコストを削減できます。
Claude全体の料金体系については「Claude料金を徹底比較|無料・Pro・Max・Team・APIの違い」で詳しくまとめています。
Claude Managed Agentsの始め方
Managed Agentsを使い始めるには、Claude Console(GUI)・ant CLI・SDKの3つの方法があります。
方法1: Claude Console(GUI)
最も手軽な方法です。console.claude.com にアクセスし、GUI上でエージェント名・使用モデル・ビルトインツール・MCP接続などを設定するだけでエージェントを作成できます。非エンジニアでも操作しやすく、プロトタイピングに最適です。
方法2: ant CLI(開発者向け)
# macOS(Homebrew)
brew install anthropics/tap/ant
# Linux(バイナリ)
curl -fsSL https://cli.claude.com/install.sh | sh
# Go install
go install github.com/anthropics/anthropic-cli/cmd/ant@latestant agents create、ant sessions start などのコマンドでエージェント作成からセッション管理まで実行できます。
方法3: SDK(Python / TypeScript等)
7言語のSDKが提供されています。Pythonでの最小構成例:
import anthropic
client = anthropic.Anthropic()
# エージェント作成
agent = client.agents.create(
model="claude-sonnet-4-6-20260401",
name="my-agent",
instructions="あなたは親切なアシスタントです。",
tools=[{"type": "agent_toolset_20260401"}]
)
# セッション開始
session = client.sessions.create(agent_id=agent.id)
# メッセージ送信
response = client.sessions.turn(
session_id=session.id,
messages=[{"role": "user", "content": "こんにちは!"}]
)いずれの方法でも、現時点ではリクエストにベータヘッダー managed-agents-2026-04-01 が必要です。SDKを使う場合は自動で付与されます。
Messages API・Agent SDKとの使い分け

出典: Claude Managed Agents 公式ドキュメント
Claude APIの利用方法はMessages API・Agent SDK・Managed Agentsの3段階に分かれています。選択ミスは後からの修正コストにつながるため、自社の要件で事前に整理することが重要です。
3つの一覧比較表
比較項目 | Messages API | Agent SDK | Managed Agents |
|---|---|---|---|
概要 | モデルへの直接プロンプト | エージェント構築フレームワーク | フルマネージド実行基盤 |
最適用途 | 単発テキスト生成・チャット | カスタムエージェントループ | 長時間実行・非同期タスク |
実行形態 | ステートレス(リクエスト単位) | 開発者が管理 | ステートフルセッション |
ツール実行 | 自前で実装が必要 | SDKが支援 | サンドボックスで自動実行 |
インフラ管理 | ユーザー側 | ユーザー側 | Anthropicが管理 |
MCP連携 | 自前構築 | SDK経由で接続 | 組み込みサポート |
コスト構造 | トークンのみ | トークンのみ | トークン + $0.08/時間 |
Batch API割引 | 利用可(50%オフ) | 利用可 | 不可 |
ZDR / HIPAA BAA | 対応可 | 対応可 | 非対応 |
Bedrock/Vertex AI | 対応 | 対応 | 不可 |
カスタマイズ性 | 最大 | 高い | 制限あり |
Messages APIが適するケース
- 即時応答が必要なチャットボット・カスタマーサポート
- テキスト生成・要約・翻訳などの単発タスク
- エージェントループを完全に自前で制御したい場合
- Bedrock / Vertex AI経由での利用
- HIPAA対応が必要な業務・医療系アプリケーション
Agent SDKが適するケース
- 自社インフラで完全にエージェントを制御したい場合
- ツール実行基盤は既に持っているが、エージェントフレームワークだけが欲しい場合
- ローカル環境でのプロトタイプ開発(自社ファイルシステムへ直接操作)
- 複数のLLMを組み合わせたいケース
補足(2026年6月時点): Agent SDKのクレジットは2026年6月15日以降、サブスクリプション専用クレジットに変更される予定です。本番環境での大規模利用にはManaged Agentsへの移行が費用対効果の観点で有利になるケースがあります。
Managed Agentsが適するケース
- エージェント実行基盤をゼロから構築するコストを省きたい場合
- 長時間実行タスク(コーディング・データ分析・Webリサーチ)を安全に実行したい場合
- サンドボックス・Vault認証管理をAnthropicに任せたい場合
- 自社SaaSにエージェント機能を組み込みたい場合
公式推奨フロー: Anthropicは「Agent SDKでローカルプロトタイプ → 本番環境でManaged Agentsに移行」という開発フローを推奨しています。まずAgent SDKで素早く検証し、本番グレードになったらManaged Agentsに移行するのが標準的な進め方です。
セキュリティ設計の仕組み

出典: Claude Managed Agents 公式ドキュメント
エージェントに自律的な実行権限を与えるため、セキュリティ設計はManaged Agentsの核となる部分です。
Brain / Hands の分離アーキテクチャ
OS設計パターンに基づく仮想化アプローチを採用しています。
- Brain(頭脳): Claudeの推論エンジン。ステートレスで、コンテナ内部には存在しない
- Hands(手): ツール実行のサンドボックス。
execute(name, input) → stringの統一インターフェースで制御される - Session(セッション): 追記専用のイベントログ。コンテキストをClaudeのウィンドウ内ではなくログに保存する
この分離により、仮にサンドボックス内で問題が発生してもClaudeの推論エンジンには影響しません。また、公式エンジニアリングブログによると、この設計によりp50 TTFTが約60%短縮、p95 TTFTは90%以上短縮されています(コンテナはツール呼び出し時に初めてプロビジョニングされるため、推論は即座に開始)。
Credential Vault(認証情報ボールト)
外部サービス(GitHub、Slack等)への認証情報はAnthropic管理のVaultに保管されます。エージェントが動作するサンドボックスには認証情報が直接渡らず、ツール実行時にVaultから一時的に取得される仕組みです。プロンプトインジェクション攻撃による認証情報漏洩リスクを低減するための設計です。
ネットワーク制御
Environmentの設定で、ネットワークアクセスを2モードから選択できます。
モード | 説明 | 推奨用途 |
|---|---|---|
| すべての外部通信を許可 | 開発・検証環境 |
|
| 本番運用 |
restricted モードでは、MCPサーバーのドメインも allowed_hosts に含める必要があります。含めない場合、ツールが暗黙に失敗するため注意が必要です。
導入事例

Managed Agentsは、パブリックベータ公開前のプライベートベータ段階から複数の大手企業が活用しています。
企業 | 活用内容 | 成果 |
|---|---|---|
Notion | ワークスペース内でClaude直接タスク委任(コーディング・コンテンツ生成・プレゼン作成) | 数十の並列タスク処理を実現 |
楽天(Rakuten) | プロダクト・営業・マーケ・経理の各部門にSlack/Teams連携エージェントを展開 | 各エージェントを1週間以内でデプロイ完了 |
Asana | AI Teammates(プロジェクト管理ワークフロー内エージェント)。タスク受け取り→成果物作成→人間レビュー | プロジェクト管理の自動化を実現 |
Sentry | デバッグエージェント「Seer」。自動パッチ生成機能付き | 数週間でデプロイ完了 |
これらの事例はプライベートベータ段階の結果です。パブリックベータとなった現在は、より多くの企業が導入可能になっています。
こんな方におすすめ / おすすめしない方
Managed Agentsがおすすめな方
- 自社SaaSにエージェント機能を組み込みたい開発チーム — コンテナ管理・セッション管理・セキュリティ境界の自前構築なしに、APIベースでClaudeエージェントを実装したい場合
- エージェント基盤の構築コストを削減したいCTO・テックリード — インフラ設計に数週間〜数ヶ月かけられないが、本番グレードのエージェントが必要な場合
- 長時間実行タスクを安全に自動化したいチーム — データ分析・コーディング・Webリサーチなど数分〜数時間かかる処理をバックグラウンドで実行したい場合
- Claudeの能力を深く活用したい企業 — コーディング・長文処理・構造化出力などClaude Opus/Sonnetの強みを活かしたエージェントを構築したい場合
おすすめしない方
- 即時応答が必要なチャットボットを作りたい方 — セッション管理のオーバーヘッドがあるため、Messages APIが適している
- マルチLLM対応が必要な方 — Claude以外のモデル(GPT-4、Gemini等)も組み合わせたい場合は、OpenAI Agents SDKやLangGraphを検討すべき
- AWS Bedrock / Google Vertex AI経由での利用を前提にしている方 — 現時点ではClaude API直接利用のみ対応
- HIPAA対応が必須の医療・ヘルスケア企業 — ZDR・HIPAA BAA非対応のため、Messages APIを直接利用する構成が必要
- 本番安定稼働を最優先にしたい方(ベータリスクを許容できない) — パブリックベータのため仕様変更リスクあり。安定性重視なら正式版リリースを待つ選択もある
よくある質問(FAQ)
Q1. Managed AgentsとClaude Codeは何が違う?
Claude Codeはエンジニア個人がCLI上で使うコーディングエージェントです。Managed Agentsは企業・開発者が自社プロダクトにAPI経由で組み込むためのエージェント実行基盤です。Claude Codeはエンジニア本人の開発を支援するツール、Managed Agentsは自社サービスのユーザーに向けてエージェント機能を提供するためのインフラ、という違いがあります。
Claude Codeの詳細は「Claude Codeとは?できること・料金・使い方を解説」をご参照ください。
Q2. 無料で試せる?
Anthropic APIのアカウントがあれば、パブリックベータとして利用を開始できます。ただし、利用に応じたトークン料金 + セッションランタイム料金($0.08/時間)が発生します。新規APIアカウント向けの無料クレジット(時期により変動)が付与される場合があるため、Anthropic公式サイトで確認してください。
Q3. 日本語で使える?
はい。Claudeのモデル自体が日本語に対応しているため、システムプロンプトやユーザーメッセージを日本語で記述すれば日本語で応答します。公式ドキュメントにも日本語版が用意されています。
Q4. 既存のMessages API利用から移行すべき?
必ずしも移行が必要なわけではありません。即時応答が主なユースケースならMessages APIのままで問題ありません。長時間実行タスク・ファイル操作・Web情報収集を含む自律実行が必要になった場合に、Managed Agentsへの移行を検討するのが合理的です。公式も「Agent SDKでプロトタイプ → Managed Agentsで本番」という段階的移行を推奨しています。
Q5. セッションの最大実行時間に上限はある?
2026年6月時点の公式ドキュメントには、セッションの最大実行時間に関する明確な上限は記載されていません。ただしセッションランタイムは running 状態で課金されるため、コスト管理は自社で実施する必要があります。長時間放置セッションにはタイムアウト処理の実装を推奨します。
Q6. 「Claude Agent」という名称でプロダクトを出しても問題ない?
公式ブランディングガイドラインによると、「Claude Agent」「Claude」(Agentsラベルがある場合)「{製品名} Powered by Claude」は許可されています。一方、「Claude Code」や「Claude Code Agent」という名称はManaged Agentsでの利用を含めても禁止されています。API統合パートナーはこのルールに従う必要があります。
Q7. ベータ版はいつ正式版になる?
2026年6月時点では正式なタイムラインは公表されていません。ベータ期間中はAPIの仕様変更が発生する可能性があるため、本番導入時はバージョン管理と変更通知の確認を推奨します。
まとめ — Claude Managed Agentsの要点
Claude Managed Agentsは、エージェント実行基盤の構築コストを削減し、API一本でクラウドホスト型エージェントを自社プロダクトに組み込めるサービスです。2026年5月には企業内プライベートインフラへの対応(セルフホストサンドボックス・MCPトンネル)も追加され、エンタープライズ利用の選択肢が広がっています。
- 何者か: Anthropicが提供するフルマネージドのAIエージェント実行基盤(パブリックベータ)
- 何ができるか: サンドボックスでのコード実行・ファイル操作・Web検索・MCP連携・長時間タスクの自律実行・セルフホストサンドボックス(2026年5月〜)
- 料金: トークン料金 + セッションランタイム($0.08/時間、
running状態のみ)の2軸課金 - 強み: インフラ構築不要・Vault認証管理・高速TTFT(p50で約60%短縮)・7言語SDK対応
- 注意点: Claude専用・Claude API直接利用のみ・ZDR/HIPAA BAA非対応・Bedrock/Vertex AI不可・ベータ版
Messages API・Agent SDKとの使い分けは「自社でどこまでインフラを管理したいか」と「どんなタスクをエージェントに実行させたいか」で決まります。公式推奨は「Agent SDKでローカルプロトタイプ → Managed Agentsで本番」という段階的アプローチです。
AIエージェント全体の選び方については「AIエージェントとは?仕組み・種類・活用事例をわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
この記事の著者

AI革命
編集部
AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。
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