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Qwen3.7 Maxとは?料金・性能・Qwen3.6/3.8-Maxとの違いと使い分けを解説【2026年10月最新】

公開日: 2026/05/21
更新日: 2026/09/30
Qwen3.7 Maxとは?料金・性能・Qwen3.6/3.8-Maxとの違いと使い分けを解説【2026年10月最新】

この記事のポイント

Qwen3.7 Max(Qwen3.7-Max)は、Alibabaが2026年5月に公開した1Mコンテキストのエージェント特化モデルです。公式の確定料金、スナップショットの違い、Qwen3.6との性能差、後継Qwen3.8-Maxとの使い分けを2026年10月時点の情報で整理します。

Qwen3.7 Max(モデルID: qwen3.7-max)は、Alibabaが2026年5月に公開した、100万トークン(1M)のコンテキストを持つエージェント特化の大規模言語モデルです。現在はQwenの最上位ではなく後継のQwen3.8-Maxが登場していますが、応答が速くタスクあたりのコストも抑えやすいため、大量のテキストを処理する用途では今も有力な選択肢です。

この記事でわかること

  • Qwen3.7 Maxの基本仕様と、2026年10月時点でのQwenシリーズ内の位置づけ
  • 公式に確定した料金(リージョン別)と、OpenRouter経由の価格
  • 日付付きスナップショット(05-17 / 05-20 / 06-08 / preview)の違いと選び方
  • Qwen3.6世代との性能差、後継Qwen3.8-Maxとの使い分け
  • 業務利用で押さえるべきセキュリティ・運用上の注意点

こんな方に向けた記事です

  • すでにQwen3.7 Maxを使っていて、Qwen3.8-Maxに移行するか迷っている開発者
  • 中国系LLMをコスト重視で検証したいエンジニア・情報システム担当者
  • 5月の発表時点の情報しか追えておらず、現在の料金や仕様を確認したい方
AlibabaのQwenシリーズ公式バナー

出典: Qwen 公式サイト


Qwen3.7 Maxとは:2026年10月時点の位置づけ

Qwen3.7 Maxは、AlibabaのQwenチームが「エージェント用途のフラッグシップ」として開発したクローズドモデルです。2026年5月20〜21日のAlibaba Cloud Summit(杭州)で正式に発表されました。ただし2026年8月3日に後継のQwen3.8-Maxが一般提供(GA)となったため、現在は「一世代前のMax」という位置づけです。

公式ドキュメントでは、プログラミング、オフィス・生産性タスク、数百〜数千ステップに及ぶ長時間の自律実行に強いモデルと説明されています。

基本スペック(公式ドキュメント)

項目

内容

正式名称 / モデルID

Qwen3.7-Max / qwen3.7-max

開発元

Alibaba Qwenチーム(Alibaba Cloud)

正式発表

2026年5月20〜21日(LM Arenaには5月14日頃からプレビュー版が登場)

コンテキストウィンドウ

1,000,000トークン

最大入力

991,808トークン(思考モード時は983,616)

最大出力

131,072トークン

最大思考(推論)長

262,144トークン

入力形式

テキスト(-2026-06-08版のみ画像・動画にも対応)

出力形式

テキストのみ

ライセンス

プロプライエタリ(重みは非公開)

ファインチューニング

非対応

提供経路

Alibaba Cloud Model Studio(DashScope)API、OpenRouterなど

総パラメータ数・アクティブパラメータ数は公表されていません。

Qwenシリーズのラインナップ(2026年10月時点)

5月の発表時点から、Qwenファミリーは大きく広がりました。主要モデルを並べると、Qwen3.7 Maxの立ち位置がわかります。

モデル

公開時期

入力

定価(シンガポール・入力/出力)

重み公開

主な用途

Qwen3.6-Max

2026年4月

テキスト

$1.30 / $7.80(〜128K)

なし

前世代のMax(Preview版は10月10日に提供終了)

Qwen3.7-Max

2026年5月

テキスト(06-08版は画像・動画も可)

$2.50 / $7.50

なし

高速なテキスト処理・エージェント

Qwen3.7-Plus

2026年6月

テキスト・画像・動画

$0.40 / $1.60(〜256K)

なし

コスト重視のマルチモーダル

Qwen3.7-Flash

2026年7月

テキスト・画像・動画

OpenRouterで$0.03 / $0.13

なし

大量処理・低コスト

Qwen3.8-Max

2026年8月GA

テキスト・画像・動画

$2.00 / $6.00

あり(API版とは仕様差あり)

現行の最上位。エージェント・コーディング

Qwen3.8-Max-Prime

2026年9月

テキスト・画像・動画

OpenRouterで$4.00 / $12.00

—

3.8-Maxの高速版

5月時点では「Qwen3.7-Plusは一部オープン化予定」「Flashは公開あり」と報じられていましたが、Qwen3.7世代はMax・Plus・Flashのいずれも重みが公開されていません。ローカルで動かせるQwenを探している場合は、Apache 2.0で公開されたQwen3.8-27Bなどが候補になります(詳しくはQwen3.8とはを参照)。なお、Ollamaなどで「qwen3.7」を名乗って配布されている重みは非公式のものです。

Qwenシリーズのモデル比較イメージ

スナップショットの違いとモデルIDの選び方

Qwen3.7 Maxには日付付きのスナップショットが複数あり、指定するIDによって画像入力の可否やキャッシュ対応が変わります。「Qwen3.7 Maxは画像非対応」という説明をよく見かけますが、これは既定IDの話で、-2026-06-08版は画像・動画を扱えます。

モデルID

日付

入力

特徴(公式記述の要旨)

qwen3.7-max

05-20版と同等

テキスト

既定のエイリアス。中身は将来更新される可能性がある

qwen3.7-max-2026-06-08

2026-06-08

テキスト・画像・動画

視覚理解を追加。チャート推論、文書解析、長尺動画の理解に対応

qwen3.7-max-2026-05-20

2026-05-20

テキスト

正式発表時の版。再現性を重視するならこのIDで固定

qwen3.7-max-2026-05-17

2026-05-17

テキスト

初期版。思考モードのみで、コンテキストキャッシュ非対応

qwen3.7-max-preview

—

テキスト

汎用会話向けのプレビュー版。コンテキストキャッシュ非対応

選び方の目安は次のとおりです。

  • 本番システムで出力を安定させたい → qwen3.7-max-2026-05-20 のように日付付きIDで固定する
  • スクリーンショットやPDF画像、動画も入れたい → qwen3.7-max-2026-06-08 を明示的に指定する
  • とりあえず試したい → qwen3.7-max(エイリアス)でよい
  • コストを下げるためにキャッシュを使いたい → preview版と05-17版は避ける

Qwen3.7 Maxでできること

QwenLM/Qwen3 GitHubリポジトリの公式OGP画像

出典: QwenLM/Qwen3(GitHub)

Qwen3.7 Maxの中心は、1Mトークンの長いコンテキストと、長時間のツール呼び出しを前提にしたエージェント性能です。API側の機能も一通りそろっています。

1Mトークンのコンテキスト

前世代のQwen3.6-Max(256K)から4倍に拡大しました。大規模なコードベースを丸ごと渡してのレビュー、数百ページの契約書・仕様書をまとめて読み込ませての質問応答、長いエージェントの実行ログを保持したままの作業継続などに向いています。

加えて、入力の長さによる段階料金がない点も実務では効きます。Qwen3.6-Maxは128Kを超えると単価が上がる仕組みでしたが、Qwen3.7 Maxは0〜1Mトークンまで同じ単価です。

エージェント向けの設計

Qwen公式ブログ「Qwen3.7: The Agent Frontier」では、次のような事例・特徴が紹介されています。

  • 35時間にわたる完全自律のカーネル最適化で、1,000回超のツール呼び出しを行い、幾何平均で約10倍の高速化を達成
  • 30時間経過後も性能が落ちにくい長時間タスクへの耐性
  • Claude Code、OpenClaw、Qwen Codeなど、異なるエージェント実行環境(ハーネス)でも動作する汎用性
  • MCP(Model Context Protocol)とのネイティブ統合、マルチエージェント構成への対応

ただし、いずれもAlibaba側の発表です。35時間の自律実行について、第三者による再現報告は現時点で確認できていません。エージェントの基本的な仕組みはAIエージェントとは、対応ハーネスの例はOpenClawとはやClaude Codeとはで解説しています。

API機能の対応状況(Model Studio公式)

機能

対応

補足

Function calling(ツール呼び出し)

✅

構造化出力

✅

JSONスキーマに沿った出力

Web検索

✅

米国(US単独スコープ)リージョンでは使えない

Prefix completion

✅

コンテキストキャッシュ

✅

preview版・05-17版は非対応

バッチ推論

✅

北京リージョンのみ

思考(推論)モード

✅

画像・動画入力

△

-2026-06-08版のみ

ファインチューニング

❌

全バージョン非対応

OpenAI互換・Anthropic互換のエンドポイントでも呼び出せると複数の技術メディアが報じており、既存のOpenAI SDKのコードから移行しやすいのも利点です。


Qwen3.7 Maxの性能・ベンチマーク

Hugging Face上のQwen公式ページのOGP画像

出典: Qwen(Hugging Face)

公式ベンチマークでは、コーディングエージェントやSTEM推論で発表当時の上位モデルと互角以上のスコアを出しています。ただし比較対象は2026年5月時点の世代で、現在の海外最上位モデル(Claude Opus 5.5やGPT-6系など)との公式な直接比較は公開されていません。

公式ベンチマーク(Qwen公式ブログ掲載値)

カテゴリ

ベンチマーク

Qwen3.7 Max

公式が並べた比較対象

コーディングエージェント

SWE-bench Pro

60.6

Kimi K2.6 Thinking 59.5

Terminal-Bench 2.0

69.7

DeepSeek-V4-Pro Max 67.9 / Qwen3.6-Plus 61.6

SWE-Multilingual

78.3

—

汎用エージェント

MCP-Mark

60.8

GLM-5.1 57.5

SpreadSheet Bench v1

87.0

Claude Opus 4.6 Max 89.3(Qwen側が下回る)

YC-Bench(シミュレーション収益)

$2.08M

Qwen3.6-Plus $1.05M

STEM・推論

GPQA Diamond

92.4

Claude Opus 4.6 Max 91.3

HMMT 2026

97.1

Claude Opus 4.6 Max 96.2

表計算系のタスクではClaude Opus 4.6に届いておらず、得意・不得意がはっきりしています。

第三者評価(Artificial Analysis)の読み方

独立評価サイトのArtificial Analysisでは、2026年10月1日時点(Intelligence Index v4.3.2)でQwen3.7 Maxのスコアは29(223モデル中93位)です。一方、出力速度は約203トークン/秒で全体10位と、速さでは上位に入ります。

5月の発表直後には「56.6点・世界5位」と紹介されていましたが、これは旧版の指標による数値です。Artificial Analysisは評価項目を何度も改定しており、版が違う数値は比較できません。同じv4.3系で見ると、後継のQwen3.8-Maxは45前後で、Qwen3.7 Maxとの差は約16ポイントあります。


Qwen3.6との違い

Qwen3.6世代と比べると、エージェント性能・コンテキスト長・料金体系のいずれも改善されています。また、Qwen3.6-Max-Previewは2026年10月10日に提供終了(退役)予定と公式に告知されているため、使っている場合は移行が必要です。

比較項目

Qwen3.6(Max / Plus)

Qwen3.7 Max

コンテキスト

256K(3.6-Max)

1M

Terminal-Bench 2.0

61.6(3.6-Plus)

69.7

YC-Bench

$1.05M(3.6-Plus)

$2.08M

料金体系

入力長で2段階(〜128K / 128K〜256K)

0〜1Mまで一律

定価(シンガポール・入力/出力)

$1.30 / $7.80(3.6-Max、〜128K)

$2.50 / $7.50

提供状況

3.6-Max-Previewは10月10日退役予定

継続提供(廃止予定の告知なし)

入力単価だけを見るとQwen3.6-Maxのほうが安いものの、128Kを超える入力では3.6-Maxの単価が$2.00 / $12.00に上がります。長文を扱うほど、Qwen3.7 Maxのほうが割安になりやすい料金設計です。

参考として、旧版のArtificial Analysis指標では、Humanity's Last Examが28.9%→38.1%、Terminal-Bench Hardが43.9%→50.8%と伸びていました(現行版の指標とは比較できない数値です)。

前世代の詳細はQwen3.6-Maxとは、Qwen3.6-Plusとはで解説しています。


後継Qwen3.8-Maxとの違いと使い分け

エージェント・コーディング・マルチモーダルではQwen3.8-Maxが大きく上回りますが、応答速度とタスクあたりのコストではQwen3.7 Maxが有利です。どちらが上かではなく、用途で使い分けるのが現実的です。

比較項目

Qwen3.7 Max

Qwen3.8-Max(0902版を含む)

Artificial Analysis Index(v4.3系)

29

45前後

GPQA Diamond

92.3

92.8

Humanity's Last Exam

40.5

43.1

Terminal-Bench 2.1

約74.5

86.6(0902版公式)〜88.8

SWE-bench Pro

60.6

67.7(0902版)

OSWorld-Verified

73.3

86.1(0902版)

出力速度(Artificial Analysis)

約203トークン/秒

約40トークン/秒

評価1タスクあたりのコスト(Artificial Analysis)

約$1.15

約$5.41

入力形式

テキスト(06-08版は画像・動画)

テキスト・画像・動画

コンテキスト / 最大出力

1M / 131,072

1M / 131,072

定価(シンガポール・入力/出力)

$2.50 / $7.50

$2.00 / $6.00

定価(東京・北京など)

$1.65 / $4.951

$1.65 / $4.951

重み公開

なし

あり(API版とは仕様差あり)

この表にはArtificial Analysisなど第三者の計測値が含まれるため、公式ブログの値(GPQA Diamond 92.4など)とわずかに異なる項目があります。

「単価」と「タスク単価」は別物

シンガポールリージョンでは、新しいQwen3.8-Maxのほうが単価は安いという逆転が起きています。ところがArtificial Analysisの評価では、Qwen3.8-Maxは出力トークンが多く、1タスクあたりのコストはQwen3.7 Maxの約4.7倍でした。単価表だけでモデルを選ぶと、実際の請求額が想定より膨らむことがあります。

知識・推論系のスコアは両者ほぼ互角で、差がつくのはツールを使う作業やコーディングです。使い分けの目安は次のとおりです。

やりたいこと

おすすめ

理由

要約・分類・翻訳など大量のテキスト処理

Qwen3.7 Max

約5倍速く、タスク単価も低い

長いドキュメントの読み込みと質問応答

Qwen3.7 Max

1Mコンテキストかつ段階料金なし

自律型のコーディングエージェント

Qwen3.8-Max

Terminal-Bench・SWE-bench Proで大差

PC操作・ブラウザ操作の自動化

Qwen3.8-Max

OSWorld-Verifiedで10ポイント以上の差

画像・動画を含む業務

Qwen3.8-Max(または3.7 Maxの06-08版)

3.8-Maxは標準でマルチモーダル対応

とにかくコストを抑えたい

Qwen3.7-Plus / Flash

Maxより大幅に安い

ローカル・オンプレミスで動かしたい

Qwen3.8のオープンウェイト版

Qwen3.7世代は重み非公開

後継モデルの詳細はQwen3.8-Maxとはで解説しています。これから新規に採用するなら、まずQwen3.8-Maxを検討し、速度とコストが合わない処理だけQwen3.7 Maxに振り分けるのが効率的です。


Qwen3.7 Maxの料金(公式確定版)

Alibaba Cloud Model Studioの公式OGP画像

出典: Alibaba Cloud Model Studio 公式サイト

5月の発表時点では「公式料金は未確定」でしたが、現在はAlibaba Cloud Model Studioの公式ページに正式な単価が掲載されています。利用するリージョンによって単価が約1.5倍違うのが最大のポイントです。

Model Studio公式料金(100万トークンあたり・USD・定価)

リージョン

入力

出力

暗黙キャッシュ入力

明示キャッシュ作成 / 読み出し

シンガポール(International)

$2.50

$7.50

$0.50

$3.125 / $0.25

米国(US単独スコープ)

$2.50

$7.50

$0.50

$3.125 / $0.25

日本(東京)・香港・ドイツ(フランクフルト)・米国(Global)

$1.65

$4.951

北京と同額

北京と同額

中国(北京)

$1.65

$4.951

$0.33

$2.063 / $0.165

  • バッチ推論(北京のみ): 入力$0.825 / 出力$2.475
  • 無料枠: シンガポールリージョンで100万トークン(90日間有効)
  • 入力長による段階料金はなし
  • 公式ページの金額は定価で、期間限定のプロモーションは含まれません(適用中の割引はコンソールで確認)

東京リージョンの単価はモデル個別ページで通貨表記が揺れることがあるため、契約前にコンソールで実際の請求単価を確認してください。

OpenRouter経由の価格(2026年10月1日時点)

モデル

入力

出力

キャッシュ読み出し

qwen/qwen3.7-max

$1.475

$4.425

$0.295

qwen/qwen3.8-max-0902

$2.00

$6.00

$0.25

qwen/qwen3.7-plus

$0.32

$1.28

$0.064

qwen/qwen3.7-flash

$0.03

$0.13

$0.006

OpenRouterのQwen3.7 Maxは、5月の掲載時($2.50 / $7.50)より値下がりしています。ほかのルーターでも定価の半額前後で提供している例がありますが、プロモーションの期限・条件は公表されていないため、長期の予算計画は定価ベースで見積もるほうが安全です。OpenRouterの仕組みはOpenRouterとはで解説しています。

コスト試算の例

入力100万トークン・出力20万トークンを処理した場合の定価ベースの試算です(キャッシュ・割引なし)。

条件

計算

合計

Qwen3.7 Max(シンガポール)

$2.50 + $7.50×0.2

$4.00

Qwen3.7 Max(東京)

$1.65 + $4.951×0.2

約$2.64

Qwen3.8-Max(シンガポール)

$2.00 + $6.00×0.2

$3.20

1ドル=150円で換算すると、東京リージョンのQwen3.7 Maxで約400円です。ただしQwen3.7 Maxは出力が長めになる傾向があり(Artificial Analysisは「やや冗長」と評価)、実際の出力量はプロンプト設計で大きく変わります。max_tokens の上限設定や、思考モードを使う処理の絞り込みでコストを管理してください。


強みと弱み

Qwen3.7 Maxの強みは「速さ」「長いコンテキスト」「一律料金」、弱みは「最新世代より劣るエージェント性能」と「クローズドであること」です。

観点

強み

弱み

速度

出力約203トークン/秒と高速(Artificial Analysis)

—

コンテキスト

1Mトークン、段階料金なし

—

エージェント性能

5月時点では上位クラス

後継3.8-MaxにTerminal-Bench・OSWorldで大差をつけられている

料金

東京リージョンは$1.65 / $4.951と比較的安い

シンガポールでは後継より単価が高い

マルチモーダル

06-08版で画像・動画入力に対応

既定IDはテキストのみ。画像・音声の生成は不可

出力の傾向

—

出力が長くなりがちで、実コスト・待ち時間が増えやすい

導入形態

OpenAI互換APIで移行しやすい

重み非公開でセルフホスト・ファインチューニング不可

安定性

—

あるルーターの計測でエラー率3.80%(3.8-Max-0902は0.66%)という報告あり

日本語

多言語対応をうたう

日本語性能の定量評価は公開されていない


Qwen3.7 Maxの使い方

本格的に使うならAlibaba Cloud Model StudioのAPI、手早く試すならOpenRouterが便利です。

方法1:Alibaba Cloud Model Studio(公式API)

  1. Alibaba Cloudのアカウントを作成し、Model Studioを有効化する
  2. 利用するリージョンを選ぶ(日本からなら東京、無料枠を使うならシンガポール)
  3. コンソールでAPIキーを発行する
  4. OpenAI互換エンドポイントに、モデルIDを指定してリクエストする

Python(OpenAI SDK)での呼び出し例です。エンドポイントのURLはリージョンによって異なるため、コンソールに表示される値に置き換えてください。

from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key="YOUR_DASHSCOPE_API_KEY",
    base_url="https://dashscope-intl.aliyuncs.com/compatible-mode/v1",  # リージョンに応じて変更
)

resp = client.chat.completions.create(
    model="qwen3.7-max-2026-05-20",  # 再現性重視なら日付付きIDで固定
    # model="qwen3.7-max-2026-06-08",  # 画像・動画を入力する場合
    messages=[{"role": "user", "content": "この仕様書の要点を3つにまとめてください。"}],
    max_tokens=2000,
)
print(resp.choices[0].message.content)

レート制限はリージョンで大きく異なります。公式では、北京などがRPM 30,000・TPM 500万〜1,000万なのに対し、シンガポール・東京などはRPM 60〜600・TPM 100万程度です。大量のバッチ処理を東京リージョンで回す場合は、上限に達しないか事前に確認してください。

方法2:OpenRouter経由

Alibaba Cloudのアカウントを作らずに試せます。モデル名は qwen/qwen3.7-max です。

curl https://openrouter.ai/api/v1/chat/completions \
  -H "Authorization: Bearer $OPENROUTER_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "qwen/qwen3.7-max",
    "messages": [{"role": "user", "content": "こんにちは"}]
  }'

2026年10月1日時点では、OpenRouter上のQwen3.7 Maxはテキスト入力のみです。画像を扱いたい場合はModel Studioで06-08版を指定するか、Qwen3.8-Maxを選んでください。

方法3:Qwen Chat(ブラウザ)

5月の発表時はQwen Chat(chat.qwen.ai)でプレビュー版を無料で試せました。現在のQwen ChatではQwen3.8-MaxやQwen3.7-Plusなどが案内されており、Qwen3.7 Maxを選べるかは確認できていません。ブラウザで試したい場合は、表示されるモデル一覧を確認してください。

Qwen Chatのチャット画面とモデル選択欄

出典: Qwen Chat 公式サイト


セキュリティ・運用上の注意点

業務で使う場合は、「データがどこで処理されるか」と「モデルがいつまで使えるか」の2点を先に確認してください。

データ保護とセキュリティ対策のイメージ

データの処理場所とリージョン選択

APIはAlibaba Cloudのインフラで処理され、選んだリージョン(東京・フランクフルト・シンガポール・北京など)によってデータの処理場所が変わります。北京リージョンを使う場合は、中国のデータセキュリティ法などが適用される可能性を考慮する必要があります。

確認事項

内容

個人情報

顧客・従業員の個人情報を入力する場合、日本の個人情報保護法の越境移転ルールに沿った対応が必要になることがある

機密情報

営業秘密・技術情報を入力してよいか、社内ルールで事前に決めておく

適用規約

APIはAlibaba Cloudの規約、Qwen ChatはQwenの利用規約・プライバシーポリシーが適用される

監査可能性

クローズドモデルのため、重みや学習データの監査はできない

判断が難しい場合は、法務・情報セキュリティ部門や専門家に確認してください。中国製モデルを取り巻く状況は中国製AIモデルの台頭でも整理しています。

モデルの廃止に備える

Model Studioの廃止ポリシーでは、退役が告知されるとレート上限が段階的に引き下げられ、退役日以降はAPI呼び出しが失敗するとされています。2026年10月1日時点の公式告知にQwen3.7 Maxは含まれていませんが、Qwen3.6-Max-Previewは10月10日で退役します。

  • 本番システムでは日付付きスナップショットでモデルを固定する
  • qwen3.7-max のようなエイリアスは中身が更新される可能性があると理解しておく
  • Alibaba Cloudの退役告知を定期的に確認し、移行先(Qwen3.8-Maxなど)での動作を事前に検証しておく

今からQwen3.7 Maxを選ぶべきか:判断の目安

新規に導入するならまずQwen3.8-Maxを検討し、速度やタスク単価が合わない処理にQwen3.7 Maxを使う、という組み合わせが現実的です。すでにQwen3.7 Maxを使っている場合は、次の表で判断してください。

現在の状況

おすすめの対応

テキスト中心の大量処理で、速度と費用に満足している

Qwen3.7 Maxを継続(日付付きIDで固定)

エージェントがツール操作で失敗しやすい、コーディング精度を上げたい

Qwen3.8-Maxへ移行を検証

画像・動画を扱う必要が出てきた

06-08版に切り替えるか、Qwen3.8-Maxへ移行

シンガポールリージョンで使っていて、単価を下げたい

東京リージョンへの変更、またはQwen3.8-Maxを試算

性能よりコストを優先したい

Qwen3.7-Plus / Flashに切り替え

Qwen3.6-Max-Previewを使っている

10月10日までにQwen3.7 MaxかQwen3.8-Maxへ移行

オンプレミス運用が必須になった

Qwen3.8のオープンウェイト版を検討


こんな人におすすめ / おすすめしない人

Qwen3.7 Maxがおすすめな人

  • 大量のテキストを速く処理したい開発者:出力速度が速く、タスクあたりのコストを抑えやすい
  • 長いドキュメントを扱う業務の担当者:1Mコンテキストで、入力が長くても単価が変わらない
  • 東京リージョンでAPIを使いたい企業:$1.65 / $4.951と、同クラスの海外モデルより安く使える場面がある
  • すでにQwen3.7 Maxで安定稼働しているチーム:無理に移行せず、日付固定で使い続ける選択肢がある

おすすめしない人

  • 最高水準のエージェント・コーディング性能が必要な人:Qwen3.8-Maxや、Claude Opus 5.5・GPT-6などの最新世代を検討したほうがよい
  • オンプレミス・セルフホストが必須の企業:重みが公開されていないため不可能
  • ファインチューニングで自社向けに調整したい人:全バージョン非対応
  • 中国系クラウドへのデータ送信が社内規程で禁止されている企業:リージョンを選んでもAlibaba Cloud経由になる
  • 表計算の処理が中心の人:公式値でもSpreadSheet BenchでClaude Opus 4.6を下回る

よくある質問(FAQ)

Q. 「Qwen 3.7 Max」と「Qwen3.7-Max」は同じモデルですか?

A. 同じモデルです。公式の表記は「Qwen3.7-Max」、APIのモデルIDは qwen3.7-max ですが、メディアやSNSでは「Qwen 3.7 Max」「Qwen3.7 Max」とも書かれます。なお「Qwen3.7-Max-Preview」はプレビュー段階の別スナップショット(qwen3.7-max-preview)を指します。

Q. Qwen3.7 Maxはいつまで使えますか?

A. 2026年10月1日時点では、公式に廃止予定は告知されていません。一部の第三者サイトでは「非推奨」と表示されることがありますが、公式の根拠ではありません。ただ後継が出ている以上、いずれ退役する可能性は高いため、Alibaba Cloudの告知を確認しながら移行の準備を進めておくと安心です。

Q. 日本から使う場合、どのリージョンを選べばよいですか?

A. 単価と通信の近さを重視するなら東京リージョン($1.65 / $4.951)が有力です。ただし東京リージョンはレート上限が低めなので、大量処理では上限を確認してください。100万トークンの無料枠を使いたい場合はシンガポールリージョンが対象です。

Q. Qwen3.7 Maxを自分のPCで動かせますか?

A. 動かせません。Qwen3.7世代は重みが公開されていないため、API経由でのみ利用できます。ローカル実行したい場合はQwen3.8-27B(Apache 2.0)などのオープンウェイトモデルが候補です。Ollamaなどで「qwen3.7」を名乗る重みは非公式のものなので注意してください。

Q. 画像を生成できますか?

A. できません。Qwen3.7 Maxの出力はテキストのみで、画像を入力として読み取れるのも06-08版だけです。画像生成には別系統のモデルを使います(例: Qwen-Image 3)。


まとめ

Qwen3.7 Maxは、1Mコンテキストと長時間のエージェント実行を売りに2026年5月に登場したAlibabaのモデルです。2026年10月時点では後継のQwen3.8-Maxが最上位になりましたが、速度とタスクあたりのコストでは今も優位があります。

ポイント

内容

位置づけ

一世代前のMax。現在の最上位はQwen3.8-Max

コンテキスト

1Mトークン(最大出力131,072)、段階料金なし

料金(定価)

シンガポール$2.50 / $7.50、東京など$1.65 / $4.951

スナップショット

画像・動画を入れるなら06-08版、本番は日付付きIDで固定

Qwen3.6との差

Terminal-Bench 2.0で61.6→69.7、コンテキスト4倍。3.6-Max-Previewは10月10日退役

Qwen3.8-Maxとの差

エージェント・コーディングは3.8が大幅に上。速度・タスク単価は3.7が有利

注意点

重み非公開、ファインチューニング不可、データ処理場所と廃止告知の確認が必要

これから導入するならまずQwen3.8-Maxを検討し、大量のテキスト処理のように速さと費用が効く部分にQwen3.7 Maxを使う構成がおすすめです。ほかの生成AIツールと比べたい場合は生成AIツールおすすめ比較もあわせてご覧ください。

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