AIツール2026年10月更新

Qwen3.6-Max-Previewとは?SWE-bench Pro 1位の実力・料金と10月10日提供終了後の移行先【2026年10月】

公開日: 2026/04/27
更新日: 2026/10/07
Qwen3.6-Max-Previewとは?SWE-bench Pro 1位の実力・料金と10月10日提供終了後の移行先【2026年10月】

この記事のポイント

Qwen3.6-Max-Previewは2026年4月にAlibabaが公開したQwen3.6シリーズ最上位のプレビュー版で、2026年10月10日にAlibaba Cloudでの提供を終える予定です。SWE-bench Pro 1位の実際の意味、公式料金、Qwen3.7-Max/Qwen3.8-Maxへの移行手順をまとめました。

Qwen3.6-Max-Previewは、Alibaba Cloud(Qwenチーム)が2026年4月20日に公開した、Qwen3.6シリーズ最上位モデルのプレビュー版です。Alibaba Cloudの公告によると、Model Studioでの提供は2026年10月10日(北京時間0時=日本時間1時)に終わる予定で、置き換え先は後継の qwen3.7-max とされています。

いまから使うなら、まずQwen3.7-Maxに乗り換えるのが基本です。最新世代の性能が必要なら、現行フラッグシップのQwen3.8-Maxを選びます。「SWE-bench Pro 1位」は発表時の公式比較での結果で、その4日前に出ていたClaude Opus 4.7はこのベンチで上回っています。

この記事でわかること

  • Qwen3.6-Max-Previewがどんなモデルだったか(公開日・スペック・できないこと)
  • 10月10日の提供終了スケジュールと、Qwen3.7-Max/Qwen3.8-Maxなど乗り換え先の選び方
  • 「SWE-bench Pro 1位」など6つの1位の中身と、Claude Opus 4.7と比べたときの実際の差
  • 公式料金(リージョン別・入力長別)と後継モデルの料金
  • API・OpenRouter・Claude Codeで使っている人の移行手順

こんな人に向けた記事です

  • qwen3.6-max-preview をAPIやコーディングツールで使っていて、移行先と作業内容を知りたいエンジニア
  • 「SWE-bench Pro 1位」という評判を見て、本当の実力を確かめたい人
  • 中国系LLMを社内で使うかどうかを判断する情報システム部門・テックリード

Qwen3.6-Max-Previewとは|Qwen3.6シリーズ最上位のプレビュー版

Qwen3.6-Max-Previewは、Qwen3.6シリーズで規模・性能ともに最大の「Max」モデルを、正式版の前にプレビューとして公開したものです。 公式ブログのタイトルは "Qwen3.6-Max-Preview: Smarter, Sharper, Still Evolving" で、「開発中のモデルで、今後のバージョンでさらに改善する」と書かれていました。

Qwen公式GitHubリポジトリ(QwenLM/Qwen3)の画像

出典: GitHub(QwenLM/Qwen3)

基本情報

項目

内容

正式名称 / モデルID

Qwen3.6-Max-Preview / qwen3.6-max-preview

開発元

Alibaba Cloud(Qwenチーム)

公開日

2026年4月20日

提供形態

Qwen Studio(chat.qwen.ai)とAlibaba Cloud Model Studio(中国名: 百炼)のAPIだけ。重みは非公開

入出力

テキストのみ

コンテキスト

262,144トークン(最大入力245,760/最大出力65,536)

API仕様

OpenAI互換・Anthropic互換の両方

パラメータ数

公式には非公開(約1兆パラメータのMoEと報じられている)

提供状況

2026年10月10日にModel Studioでの提供を終える予定(置き換え先: qwen3.7-max)

公式のモデルページでは、Qwen3-MaxやQwen3.6-Plusと比べて「vibe codingの能力、コーディングエージェントの実行効率、フロントエンド開発の能力が大きく向上し、ロングテール知識の保持も強化された」と説明されていました。公式ブログで挙げられた強化点は、世界知識・指示追従・エージェント型コーディングの3つです。

重み非公開について

Qwen3.6シリーズでは、Qwen3.6-35B-A3B(4月16日)やQwen3.6-27B(4月22日)が重みを公開した一方、最上位のMax-Previewは非公開でした。ただし、Qwen2.5-MaxやQwen3-MaxもAPIだけで提供されており、「Max」系列はもともとクローズドなモデルです。Qwenとして初めてフラッグシップを非公開にしたわけではありません。

公開から提供終了までの流れ

日付

出来事

2026-04-01

Qwen3.6-Plus 提供開始

2026-04-16

Qwen3.6-Flash/Qwen3.6-35B-A3B 公開

2026-04-20

Qwen3.6-Max-Preview 公開(テキストのみ)

2026-04-22

Qwen3.6-27B 公開

2026-04-27

OpenRouterで提供開始

2026-05-20

Qwen3.7-Max 公開(置き換え先)

2026-06-08

Qwen3.7-Maxが画像の理解に対応。同じ日に3.6-Max-Previewの提供終了が告知される

2026-08-02

Qwen3.8-Max 公開(現行フラッグシップ)

2026-09-02

スナップショット qwen3.8-max-0902 公開

2026-10-09

OpenRouterでの提供期限

2026-10-10

Model Studioでの提供終了予定

出典: Model Studio 更新履歴、阿里云公告

プレビュー版のまま正式版(qwen3.6-max のようなモデルID)は確認できず、実際にはQwen3.7-Maxが正式な後継になりました。


提供終了のスケジュールと乗り換え先

Alibaba Cloud公式のQwen(通義千問)紹介ページの画像

出典: Alibaba Cloud(Qwen)

Model Studio(百炼)での qwen3.6-max-preview の提供は、2026年10月10日(北京時間0時)に終わる予定です。 Alibaba Cloudの公告「部分历史主线模型下线通知」(2026年6月8日掲載)で告知され、置き換え先には qwen3.7-max が指定されています。

押さえておきたい日付

  • OpenRouter経由: 提供期限は2026年10月9日(OpenRouterのAPIで確認)
  • Model Studio直結: 2026年10月10日 00:00(北京時間)=日本時間 10月10日 01:00
  • 公告は中国サイトに掲載されたものです。国際版(シンガポールリージョン)も同じ日時に終わるかは公式に明記されていませんが、英語版の提供終了ポリシーのページからも同じ公告にリンクされているため、国際版も対象と考えて準備するのが安全です

Alibaba Cloudの提供終了ポリシーでは、提供終了後はそのモデルのコンソール機能(Model Gallery・Experience Center)や公式ドキュメントも提供終了になるとされています。10月10日以降に qwen3.6-max-preview を指定したリクエストがエラーになるのか、自動で切り替わるのかは公開情報では確認できませんでした。呼び出しが失敗する前提で、モデルIDを先に切り替えておくのが確実です。

乗り換え先の比較

モデル

位置づけ

入力 / 出力($/100万トークン)

コンテキスト

入力

東京リージョン

重み

Qwen3.6-Max-Preview

提供終了予定

$1.30 / $7.80(128K以下)

262K

テキスト

なし

非公開

Qwen3.7-Max

公式の置き換え先

$2.50 / $7.50(Global枠は $1.65 / $4.951)

1M

テキスト・画像(2026-06-08版から)

あり

非公開

Qwen3.8-Max

現行フラッグシップ

$2.00 / $6.00(Global枠は $1.65 / $4.951)

1M

※公式ページで確認

あり

非公開

Qwen3.6-Plus

同シリーズの中位

$0.50 / $3.00(256K以下)

1M

※公式ページで確認

※公式ページで確認

非公開

Qwen3.8-27B

オープンウェイト

自前ホストのため従量課金なし

※モデルカードで確認

※モデルカードで確認

自社環境

公開(Apache 2.0)

料金はシンガポール(International)リージョンの定価です。出典: Qwen3.7-Max/Qwen3.8-Max/Qwen3.6-Plus 各モデルページ

目的別の乗り換え先

こんな状況なら

おすすめの乗り換え先

とにかく今の動作を止めずに移したい

Qwen3.7-Max(公式の置き換え先。Model StudioのClaude Code設定例でも既定のモデル)

新しく本番に組み込む・性能を上げたい

Qwen3.8-Max(現行フラッグシップ。出力単価は3.6-Max-Previewより安い)

コストを最優先したい・大半は簡単なタスク

Qwen3.6-Plus(入力 $0.50 / 出力 $3.00)

データを社外に出せない・オンプレで動かしたい

Qwen3.8-27B などのオープンウェイト版を自前ホスト

日本国内にデータを置きたい

東京リージョンを選べる Qwen3.7-Max / Qwen3.8-Max

それぞれの詳細は、Qwen 3.7 Maxとは、Qwen3.8-Maxとは、Qwen3.6-Plusとは、Qwen3.8-27Bとはで解説しています。


スペックと機能|できること・できないこと

Qwen3.6-Max-Previewは、テキストだけを扱うエージェント・コーディング向けのモデルです。 Function Calling・構造化出力・Web検索などエージェントづくりに必要な機能はそろっていた一方、画像入力・バッチ推論・ファインチューニングには対応していませんでした。

対応機能(Model Studio公式モデルページ)

機能

対応

入力 / 出力

テキスト → テキスト

Function Calling

対応

構造化出力(Structured Outputs)

対応

Web検索

対応

Prefix Completion

対応

コンテキストキャッシュ(明示キャッシュ)

対応

バッチ推論

非対応

ファインチューニング

非対応

  • コンテキスト: 262,144トークン。思考モード時の最大入力は229,376、思考過程(CoT)の最大長は131,072
  • レート制限: 600 RPM・1,000,000 TPM(北京・シンガポールとも)
  • 思考モード: 考えてから答える「思考モード」と、すぐ答えるモードを切り替えられるハイブリッド型で、思考モードはデフォルトで有効

出典: Model Studio Qwen3.6-Max モデルページ

preserve_thinkingは3.6-Max-Preview専用ではない

preserve_thinking は、マルチターン会話で過去のアシスタント応答に含まれる思考過程(reasoning_content)をモデルに読み込ませるかどうかを決めるパラメータです。ツール呼び出しを何度も繰り返すエージェントで、前の判断の理由を引き継がせたいときに使います。

ただし、公式の「深い思考」ドキュメントでは、Qwen3.6-Plus・Qwen3.6-Flash・Qwen3.7系・Qwen3.8系も対応モデルに入っています。3.6-Max-Previewだけの機能ではないため、乗り換え後も同じ使い方ができます。 OpenAI互換のPython SDKでは extra_body で渡します(Java SDKは非対応)。

できないこと・注意点

  • 画像・音声・動画の入力に非対応(テキストのみ)
  • 重みが非公開のため、ローカル実行やオンプレ運用はできない
  • ファインチューニングとバッチ推論に非対応
  • コンテキストは262Kで、後継のQwen3.7-Max/Qwen3.8-MaxやQwen3.6-Plusの1Mより短い
  • 提供リージョンは北京とシンガポールだけで、東京リージョンはない
  • 出力が長くなりがち: Digital Appliedによると、Artificial Analysisの評価で使った出力トークンは約7,400万で、平均(約2,600万)の約2.8倍。トークン単価が安くても、タスクあたりのコストは高くなる場合がある

ベンチマーク|「SWE-bench Pro 1位」の正しい読み方

Scale Labs公式のSWE-Bench Proリーダーボードページの画像

出典: Scale Labs(SWE-Bench Pro)

「SWE-bench Pro 1位」は、2026年4月20日の発表時に公式が比べたモデルの中での1位です。 比較相手はClaude Opus 4.5やGLM-5.1などで(Decrypt報道)、4日前の4月16日に出ていたClaude Opus 4.7は、第三者の集計でSWE-bench Proの点数が上回っています。

公式が「1位」とした6つのベンチマーク

ベンチマーク

測っている内容

補足

SWE-bench Pro

実際のリポジトリでのバグ修正・機能追加(SWE-bench Verifiedより難しい版)

発表時の公式比較で1位

Terminal-Bench 2.0

ターミナル(CLI)操作でのタスク実行

Qwen3.6-Plusから +3.8pt

SkillsBench

エージェントのスキル活用

Qwen3.6-Plusから +9.9pt

SciCode

科学計算のコード生成

上がり幅は出典によって約+6〜11ptと食い違う

QwenClawBench

ツール利用・エージェント操作

Qwen自社のベンチマーク

QwenWebBench

Web開発・フロントエンド

Qwen自社のベンチマーク

このほか、Qwen3.6-Plusからの上がり幅として NL2Repo +5.0、SuperGPQA +2.3、QwenChineseBench +5.3、ToolcallFormatIFBench +2.8 が公表されています。注意したいのは、6つのうち2つはQwenが自分で作ったベンチマークで、すべての点数がAlibaba自身の測定だという点です(Digital Appliedは「第三者による再現はまだ」と指摘)。

Claude Opus 4.7との比較(第三者の集計)

ベンチマーク

Qwen3.6-Max-Preview

Claude Opus 4.7

SWE-bench Pro

57.3

64.3

Terminal-Bench 2.0

65.4

69.4

GPQA Diamond

90.4

94.2

HLE(Humanity's Last Exam)

50.2

54.7

SimpleBench

63.0

61.7

Context Arena

88.1

46.7

出典: LLMLearner

主要なコーディング系ベンチではOpus 4.7が上で、長文の読み取り(Context Arena)や一部の推論ではQwen3.6-Max-Previewが上回っています。「発表時の比較相手には勝っていたが、同時期のOpus 4.7には主要コーディングベンチで届かない」というのが実際のところです。

Artificial Analysisでは、発表時にIntelligence Index 52で上位2〜3位に入っていました。現在のページでは「deprecated」と表示され、Qwen3.7 Maxへの移行が勧められています(指数のバージョンが変わっているため、当時の点数と今の点数は比べられません)。Opus 4.7の詳しい性能はClaude Opus 4.7とはで解説しています。

ベンチマークの数字を見るときのポイント

  • 比較相手と日付を確認する: 「1位」は、その時点で比べたモデルの中での順位
  • 自社ベンチかどうかを見る: QwenClawBench・QwenWebBenchは他社モデルと横並びで比べにくい
  • 自分のタスクで試す: Towards AIの検証では、実際のコーディングタスクでOpus 4.7やGPT-5.4に負ける場面や、出力が冗長になる傾向が報告されている

料金|公式価格はリージョンと入力の長さで変わる

Qwen3.6-Max-PreviewのAPI料金(定価)は、シンガポールリージョンで入力の長さが128K以下なら、100万トークンあたり入力 $1.30/出力 $7.80 です。 128Kを超えると $2.00/$12.00 に上がります。

Alibaba Cloud Model Studioの公式サイト画像

出典: Alibaba Cloud Model Studio

Model Studio公式料金(USD・100万トークンあたり)

リージョン

入力の長さ

入力

出力

キャッシュ作成

キャッシュ読み取り

シンガポール(International)

128K以下

$1.30

$7.80

$1.625

$0.13

シンガポール(International)

128K超〜256K

$2.00

$12.00

$2.50

$0.20

中国(北京)

128K以下

$1.238

$7.426

$1.547

$0.1238

中国(北京)

128K超〜256K

$2.063

$12.377

$2.579

$0.206

出典: Model Studio Qwen3.6-Max モデルページ(定価。期間限定の割引はコンソールで確認)

  • OpenRouter経由: 入力 $1.027/出力 $6.162(128K以下)、128K超は $1.58/$9.48。提供元はAlibabaのみで、2026年10月9日が期限
  • 無料枠: 公式ページに記載はありません。発表時に報じられた「プレビュー期間は無料」はQwen Studio(チャット)の話と考えられ、API料金とは別です
  • 以前出回っていた「OpenRouterで $1.30/$7.80」という情報は、実際にはModel Studio国際版の定価です

他モデルとの料金比較

モデル

入力

出力

3.6-Max-Previewとの差

出典

Qwen3.6-Max-Preview

$1.30

$7.80

基準

Model Studio

Qwen3.7-Max

$2.50

$7.50

入力は約1.9倍、出力はほぼ同じ

Model Studio

Qwen3.8-Max

$2.00

$6.00

入力は約1.5倍、出力は約0.8倍

Model Studio

Qwen3.6-Plus

$0.50

$3.00

約0.4倍

Model Studio

Claude Opus 4.7

$5

$25

入力 約3.8倍、出力 約3.2倍

Claude公式

既存の情報で見かける「Opus 4.7は $15/$75 で約11倍」という比較は誤りで、Opus 4.7の公式料金は $5/$25 です。なお、Anthropicの現行モデルはOpus 4.7より新しい世代に移っています(Claude Opus 5.5とはで解説)。

乗り換えでコストはどう変わるか

  • 出力が多い使い方(コード生成・長い回答): Qwen3.8-Maxなら出力単価が下がるため、同じ量でも安くなりやすい
  • 入力が多い使い方(大きなリポジトリを読ませるなど): Qwen3.7-Max/3.8-Maxは入力単価が上がる。ただし東京などのGlobal枠では $1.65/$4.951 と、3.6-Max-Previewに近い水準になる
  • コンテキストが262Kから1Mに広がる: 長い入力を一度に渡せる分、1回あたりの入力トークンが増えてコストが膨らむことがある。必要なファイルだけを渡す設計は残しておく

API費用の抑え方は生成AI APIの利用料を削減する方法でまとめています。


移行手順|API・OpenRouter・Claude Codeで使っている場合

基本の作業は「モデルIDを qwen3.7-max か qwen3.8-max に置き換えて、事前にテストする」だけです。 API仕様(OpenAI互換・Anthropic互換)は同じなので、接続先のURLやSDKを変える必要は基本的にありません。

ステップ1: 使っている場所を洗い出す

Alibaba Cloudの提供終了ポリシーでは、Model Monitoringのページで対象モデルを使っているか確認するよう案内されています。あわせて、コード・環境変数・設定ファイルの中から qwen3.6-max-preview という文字列を検索して、呼び出し元をすべて洗い出します。

ステップ2: 置き換え先でテストする

公式も「切り替える前に、置き換え先モデルで業務への影響をテストする」よう求めています。次の点を確認しておくと安心です。

  • いつも使うプロンプトで、出力の質・長さ・形式が変わらないか
  • Function Callingや構造化出力のJSONが、これまでどおりパースできるか
  • 1回あたりのトークン数と料金がどう変わるか

ステップ3: モデルIDを切り替える(OpenAI互換API)

from openai import OpenAI
import os

client = OpenAI(
    api_key=os.environ["DASHSCOPE_API_KEY"],
    base_url="https://dashscope-intl.aliyuncs.com/compatible-mode/v1",  # 国際版(シンガポール)
)

response = client.chat.completions.create(
    model="qwen3.7-max",  # 旧: "qwen3.6-max-preview"
    messages=[
        {"role": "user", "content": "このPython関数のテストを書いてください。"},
    ],
    extra_body={
        "preserve_thinking": True,  # マルチターンで過去の思考過程を引き継ぐ場合
    },
)
print(response.choices[0].message.content)

APIキーとエンドポイントのリージョンはそろえる必要があります。東京リージョンなど別のリージョンに移す場合は、そのリージョン用のAPIキーとエンドポイントをコンソールで確認してください。

ステップ4: OpenRouter経由の場合

OpenRouterの qwen/qwen3.6-max-preview は10月9日が期限で、Model Studioより1日早く使えなくなります。モデル指定を qwen/qwen3.7-max や qwen/qwen3.8-max-0902 などに変えてください。OpenRouterでの参考価格は、qwen3.7-maxが入力 $1.475/出力 $4.425、qwen3.8-max-0902が $2/$6 です(2026年10月時点)。OpenRouterの仕組みはOpenRouterとはで解説しています。

OpenRouterのQwenモデル一覧ページの画像

出典: OpenRouter(Qwen)

ステップ5: Claude Codeから使っている場合

Claude CodeのようなAnthropic仕様のクライアントは、Anthropic互換のエンドポイント(/apps/anthropic) に接続します。OpenAI互換の compatible-mode/v1 では動きません。

# 国際版(シンガポール)の例
export ANTHROPIC_BASE_URL="https://dashscope-intl.aliyuncs.com/apps/anthropic"
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="<DASHSCOPE_API_KEY>"
export ANTHROPIC_MODEL="qwen3.7-max"   # 旧: qwen3.6-max-preview
claude

Model Studioの公式Claude Codeドキュメントでは、現在 https://{WorkspaceId}.ap-southeast-1.maas.aliyuncs.com/apps/anthropic のようにワークスペースIDを含むURLが案内されています。設定例では、メインのモデルに qwen3.7-max、軽いタスク(Haiku相当)に qwen3.6-flash が使われています。APIキーとURLのリージョンが合っていないと401エラーになると明記されているので、コンソールで発行したキーとURLを必ずそろえてください。

出典: Model Studio Claude Code ドキュメント

Claude Code自体の使い方はClaude Codeとはで解説しています。Cline・OpenCodeなどほかのツールも、設定画面のモデル名を置き換えれば同じように移行できます。


このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します

初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です。改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)

Qwen3.6シリーズの中での位置づけ

Hugging Face上のQwen公式組織ページの画像

出典: Hugging Face(Qwen)

Qwen3.6シリーズは、APIで使う「Max-Preview・Plus・Flash」と、重みを公開した「35B-A3B・27B」の2つに分かれます。 提供終了の対象はMax-Previewで、Plusなどほかのモデルは今回の公告の対象として確認されていません(各モデルの提供状況は公式ページで確認してください)。

モデル

公開日

重み

特徴

Qwen3.6-Max-Preview

4月20日

非公開

シリーズ最上位。テキストのみ・262K。10月10日に提供終了予定

Qwen3.6-Plus

4月1日

非公開

1Mコンテキストの中位モデル。普段使いのメイン向け

Qwen3.6-Flash

4月16日

非公開

軽くて安いモデル。Claude Codeの軽量タスク用にも使われる

Qwen3.6-35B-A3B

4月16日

公開

MoE(総35B・アクティブ3B)。手元のGPUで動かせる

Qwen3.6-27B

4月22日

公開

Dense構成。コーディング向けのオープンモデル

画像や音声も扱いたい場合は、マルチモーダル対応のQwen 3.5-Omniなども選択肢になります。


メリット・デメリット

Qwen3.6-Max-Previewの良さは「フラッグシップ級の性能をClaude Opus 4.7の約3分の1の単価で使えたこと」でした。 一方、テキストのみ・262Kコンテキスト・日本リージョンなし・プレビュー版のまま提供終了という制約があり、いま新しく採用する理由はほとんどありません。

メリット(公開当時)

  • 単価が安い: 入力 $1.30/出力 $7.80 で、Claude Opus 4.7($5/$25)の約3分の1
  • エージェント・コーディングに強い: 発表時の公式比較でSWE-bench Proなど6つのベンチマークで1位
  • 既存ツールにつなぎやすい: OpenAI互換とAnthropic互換の両方のAPIがある
  • エージェント機能がそろっている: Function Calling・構造化出力・Web検索・コンテキストキャッシュ

デメリット・制約

  • 10月10日に提供終了予定: 本番システムに残しておけない
  • テキストのみ: 画像・音声・動画は扱えない(Qwen3.7-Maxは6月8日版から画像の理解に対応)
  • 262Kコンテキスト: 後継や3.6-Plusの1Mより短い
  • 日本リージョンなし: 北京とシンガポールのみ
  • 出力が長くなりがち: タスクあたりのコストが見た目の単価より高くなることがある
  • 重み非公開: オンプレ運用・ファインチューニングはできない

こんな人におすすめ/おすすめしない人

10月以降、Qwen3.6-Max-Previewを新しく使い始めることはおすすめしません。 いま使っている人は、状況に合わせて次のように移行先を決めてください。

こんな人は急いで移行を

  • 本番システムやバッチ処理で qwen3.6-max-preview を呼んでいる人 → 10月10日(OpenRouterは9日)より前に qwen3.7-max へ切り替えてテストする
  • Claude Code・Cline・OpenCodeでモデルとして設定している人 → 設定ファイルのモデル名を置き換える
  • 性能を上げたい・新しく組み込みたいチーム → Qwen3.8-Maxを選び、Qwen3.7-Maxと比べて決める
  • 日本国内にデータを置きたい企業 → 東京リージョンがある3.7-Max/3.8-Maxに移るよい機会

3.6-Max-Previewを選ぶ必要がない人

  • 画像・音声も扱いたい人 → テキストのみだったため、マルチモーダル対応の後継やほかのモデルを選ぶ
  • コーディング精度を最優先する人 → 同時期のClaude Opus 4.7のほうがSWE-bench Proの点数は上。現在はさらに新しい世代のClaudeやGPT-5.5、Gemini 3.1 Proも比較候補になる
  • データを社外に出せない組織 → Qwen3.8-27Bなどオープンウェイト版の自前ホストを検討する
  • 当時の性能を記録として知りたいだけの人 → 移行作業は不要。公式モデルページは提供終了後に閲覧できなくなる可能性があるため、必要な数値は早めに控えておく

ほかの中国系フラッグシップと比べたい場合は、GLM-5.1とは、Kimi K2.6とは、DeepSeek V4とはも参考になります。


日本企業が移行時に確認すべきこと

移行先を決めるときは、性能や料金だけでなく「データをどこで処理するか」「規約で何が決まっているか」を確認してください。 3.6-Max-Previewは北京とシンガポールでしか提供されていませんでしたが、後継のQwen3.7-Max/Qwen3.8-Maxは東京リージョンも選べます。

確認チェックリスト

  1. リージョン: どのリージョンのエンドポイントにデータを送るか。東京リージョンを選べるか
  2. 規約・DPA: 入力データの学習利用の有無、保存期間、再委託先。今回の調査ではAlibaba Cloudのデータ利用規約の詳細までは確認できていないため、契約前に必ず規約とDPA(データ処理契約)を確認する
  3. データの分類: 送る予定のデータが社内規程でどのレベル(公開/社内/機密/規制対象)にあたるか
  4. モデルの寿命: プレビュー版や日付付きスナップショットは、今回のように数か月で提供終了になることがある。切り替え手順と代わりのモデルをあらかじめ決めておく
  5. ログと監査: 利用ログをどこに、どれだけの期間残すか

今回の件から言えるのは、プレビュー版を本番に組み込むなら、モデルIDを設定ファイルや環境変数にまとめて、すぐ差し替えられるようにしておくことの大切さです。AIコーディングで気をつけたいリスク全般はAIコーディングのセキュリティリスク、中国製AIの広がりについては中国製AIモデルがOpenRouter利用の60%超えも参考にしてください。


よくある質問(FAQ)

Q1. Qwen Studio(chat.qwen.ai)のチャットでは、10月10日以降も3.6-Max-Previewを選べますか?

公告はModel Studio(API)での提供終了についてのもので、Qwen Studioのチャットでの扱いは公開情報では確認できませんでした。チャットでは新しいモデルが順次追加されているため、使えなくなっても最新のQwenモデルで代わりができます。

Q2. Qwen3.6-Plusも同じ日に使えなくなりますか?

今回確認できた公告の置き換え対象は qwen3.6-max-preview と qwen3-max-preview です。Qwen3.6-Plusは公式ページに料金が掲載されたままで、提供終了の告知は確認できていません。ただし将来の提供終了はありうるので、Model Studioの提供終了ポリシーのページを定期的に確認するのがおすすめです。

Q3. 移行するとき、APIのコードはどれくらい直す必要がありますか?

同じModel Studioの中で移るなら、多くの場合はモデル名の文字列を変えるだけです。エンドポイントのURL・SDK・preserve_thinking などのパラメータはそのまま使えます。ただし、出力の長さや書き方は変わることがあるので、出力をプログラムで処理している部分はテストが必要です。

Q4. 「Qwen3.7-Max-Preview」と「Qwen3.7-Max」はどちらを選べばいいですか?

本番で使うなら、正式版の qwen3.7-max を選んでください。公告で置き換え先として指定されているのも正式版です。プレビュー版は今回と同じように、比較的早く提供終了になる可能性があります。

Q5. 日本語の性能はどうでしたか?

Alibabaは日本語専用のベンチマーク結果を公表していませんでした。日本語でも使えますが、移行先を選ぶときも、実際の業務で使う日本語の文書やプロンプトで試してから決めるのが確実です。

Q6. 3.6-Max-Previewで作ったプロンプトは後継モデルでもそのまま使えますか?

基本的にはそのまま使えます。ただし3.6-Max-Previewは出力が長くなりがちだったため、「簡潔に」などの指示を入れていた場合、後継モデルでは回答が短くなりすぎることもあります。出力の長さを見ながら指示を調整してください。


まとめ

  • Qwen3.6-Max-Previewは、2026年4月20日に公開されたQwen3.6シリーズ最上位のプレビュー版。テキストのみ・262Kコンテキスト・重み非公開で、OpenAI互換とAnthropic互換のAPIで使えた
  • Model Studioでの提供は2026年10月10日に終わる予定(OpenRouterは10月9日まで)。公式の置き換え先は qwen3.7-max
  • 「SWE-bench Pro 1位」は発表時の公式比較での話。同時期のClaude Opus 4.7はSWE-bench Proで57.3対64.3と上回っている
  • 料金はシンガポールで入力 $1.30/出力 $7.80(128K以下)。Claude Opus 4.7($5/$25)の約3分の1だった
  • 移行先は、とりあえず止めずに移すならQwen3.7-Max、性能や新規導入ならQwen3.8-Max、コスト重視ならQwen3.6-Plus。東京リージョンを選べるのも後継の利点

いま3.6-Max-Previewを使っているなら、まずは使っている箇所を洗い出し、置き換え先でテストしてからモデルIDを切り替えましょう。

関連記事

このツールを自社のシステムや業務にどう組み込むか、ご提案します

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します