ビジネス活用2026年10月更新

社労士事務所の業務システムを作るには|社労士向けソフトで足りない部分・顧問先とのやり取りと手続きの進み具合【2026年10月】

公開日: 2026/10/23
社労士事務所の業務システムを作るには|社労士向けソフトで足りない部分・顧問先とのやり取りと手続きの進み具合【2026年10月】

この記事のポイント

社労士事務所の業務システムは、届出・電子申請・給与計算・マイナンバー保管を既製ソフトに任せ、顧問先との窓口と手続きの進み具合の一覧だけを作るのが基本。既製ソフトの公開価格、マイナンバーの扱い、給与ソフトとの受け渡し、作る費用を解説します。

この記事は、顧問先からの資料の受け取り、手続きの進み具合、給与計算の締めをメールとExcelで追っていて、「どの顧問先のどの手続きがどこまで進んだか」が担当者にしか分からなくなっている社労士事務所・社労士法人の代表向けです。届出の作成・電子申請・給与計算・マイナンバーの保管は既製の社労士向けソフトに任せ、作るのは「顧問先とのやり取りの窓口」と「ソフトをまたいだ進み具合の一覧」などの周りだけにするのが基本です。周りを作る場合の当社の価格は、既存システムの改修が100万円〜、PoC(試験導入)が300万円〜、本開発は個別見積です(いずれも税別。クラウド・外部サービスの利用料は別)。

既製ソフトの上位プランやオプションで足りるなら、作るより安く済みます。この記事では、どこまでが既製ソフトで足りて、どこから作る価値が出るのかを、事務所の業務ごとに振り分けて判断できるようにします。

この記事の進め方が合う場合・合わない場合

先に、開発会社に相談しなくてよい場合をはっきりさせておきます。

事務所の状況

合う進め方

まだ社労士向けソフトを使っておらず、届出を手書きやExcelの様式で作っている

まず既製の社労士向けソフトを入れる。無料試用がある製品もあるので、作る話はその後

使っているソフトに、顧問先との共有画面や手続きの進み具合を管理する機能が上位プラン・オプションとしてある

そのプランやオプションを試す。月額の差額で済むことがある

顧問先が少なく、担当者1〜2名で回っていて、進み具合は担当者の頭の中とExcelで足りている

当面は作らない。手順書と共有のExcelを整える方が安い

進み具合の一覧だけが欲しく、顧問先には見せない

kintone などの汎用ツールで、事務所内の一覧を自分たちで作れる範囲

労務ソフト・給与ソフト・助成金・スポット業務がソフトごとに分かれていて、全体の進み具合を1か所で見られない

この記事の対象。周りに一覧を作るかを検討する

顧問先ごとに資料の出し方・依頼の仕方が違い、メール・電話・チャットに依頼が散らばっている

この記事の対象。顧問先ごとの窓口を作るかを検討する

書類の回収と催促だけを自動にしたい場合は、士業の資料回収・催促を自動化する方法の記事の方が近い内容です。

事務所の業務を「既製ソフト・汎用ツール・作る」に振り分ける

社労士事務所の業務システムといっても、中身は業務ごとに分かれます。下の表は、業務ごとに「既製の社労士向けソフトで足りやすいか」「汎用ツールで足りやすいか」「作る価値が出やすいか」を整理したものです。

業務

既製の社労士向けソフト

汎用ツール(kintone・スプレッドシート等)

作る価値が出やすい場面

社会保険・労働保険の届出の作成、電子申請、公文書の取得

任せる。法改正への対応を月額に含め、追加費用なしで更新すると公式に書いている製品もある(社労夢など)

向かない

基本的に作らない(理由は後述)

給与計算・年末調整

任せる(社労士向けソフトの給与機能か、給与ソフト)

向かない

顧問先ごとに違う勤怠データの形を揃える前処理

マイナンバーの保管

任せる(専用の保管機能を使う)

置かない

作る側には持たせない(理由は後述)

顧問先からの資料・依頼の受け取り

製品によっては顧問先との共有画面・ファイル共有がある

メールフォーム・共有フォルダで足りることもある

顧問先ごとに出す資料・見え方が違う、複数ソフトの依頼を1つの窓口にまとめたい

手続きの進み具合の管理

製品によっては上位プランで一元管理できる

事務所内だけの一覧なら作りやすい

労務・給与・助成金・スポット業務をまたいで、期限・差し戻し・担当を1画面で見たい

顧問先への報酬請求

製品によっては請求書の発行・入金処理までできる

小規模なら表計算で足りる

顧問料・スポット報酬・工数を集計して会計ソフトへ渡したい

迷ったときの振り分けの基準は、法令の様式や電子申請に直接かかわる部分は既製ソフト、事務所ごとのやり方が違う部分は汎用ツールか作り込みです。

記入例(架空の事務所)

下は、顧問先60社・職員5名の架空の事務所で振り分けた記入例です。実在の事務所の例ではありません。

業務(架空)

今のやり方

振り分け

理由

入退社の届出・算定基礎届

社労士向けソフトで作成・電子申請

既製のまま

困っていない

給与計算(顧問先20社分)

顧問先から勤怠のExcelがメールで届き、担当が給与ソフト用に手で整える

作る(前処理)

顧問先ごとにExcelの形が違い、整える作業が担当者1名に偏っている

顧問先からの依頼・資料

メール・電話・チャットに散らばる

作る(窓口)

依頼の見落としが起きている。顧問先ごとに見える範囲を分けたい

進み具合の確認

担当ごとのExcel。代表が口頭で聞いて回る

作る(一覧)か汎用ツール

給与と届出とスポット業務をまたいで見たい

報酬請求

会計ソフトで手入力

既製のまま

月60件程度で回っている

自分の事務所で同じ表を埋めると、作るべき範囲がかなり絞れます。表の「今のやり方」と「困っていること」が書ければ、相談の材料としても十分です。

既製の社労士向けソフトで足りる範囲

社労士事務所向けクラウドソフト「オフィスステーション Pro」のロゴ

出典: オフィスステーション Pro 公式サイト

社労士向けソフトは複数の会社が提供しており、届出の作成・電子申請・台帳・給与計算・顧問先との共有画面などを持っています(東京都社会保険労務士会・東京社会保険労務士協同組合の社労士業務支援ソフト見本市2026 出展製品一覧、2026-10-23 確認)。ここでは、公式サイトで機能や料金の示し方を確認できた3製品を例に、既製で足りる範囲を示します。並びは五十音順で、順位やおすすめではありません。

製品(提供会社)

公式サイトで確認できた主な機能

料金の示し方

オフィスステーション Pro(エフアンドエム)

届出・電子申請、顧問先の登録枠と事務所の利用者IDによるプラン、オプションで給与計算・事務組合・協定届と就業規則・台帳の編集履歴

公式に金額を公開(下の費用の節を参照)

社労夢(エムケイシステム)

帳票の作成・電子申請、給与計算、顧問先との共有画面(ネットde顧問。LIGHT プランでは使えない)。手続きの進み具合の管理は LIGHT プランでは使えず、HOUSE プランを「手続きの進捗を一括管理したい」事務所向けと案内。マイナンバーの保管は別製品(MYNABOX)として案内

金額は公開なし。利用機能による個別見積。60日間の無料試用、初回契約1年

Lunoma(日本シャルフ)

届出・電子申請、給与計算(年末調整まで)、マイナンバーの暗号化・業務ごとの権限・アクセスログ、顧問先への報酬請求と入金処理

金額はページに記載なし。見積

出典: オフィスステーション Pro 料金、社労夢、日本シャルフ 社労士事務所向けシステム(いずれも2026-10-23 確認)。各社の情報は確認日時点の公式サイトの記載です。最新は各社に確認してください。

この表から、進み具合の管理、顧問先との共有、報酬請求も、製品やプランによっては既製で用意されていることが分かります。作ることを考える前に、今のソフトの上位プラン・オプションで何ができるかを提供会社に確かめてください。

電子申請を自分で作らない方がよい理由

資本金1億円を超える法人などの「特定の法人」は、社会保険の算定基礎届・月額変更届・賞与支払届、雇用保険の資格取得届・資格喪失届、労働保険の年度更新の申告書などを電子申請で出す必要があり、社労士が代わって手続きする場合も対象です(日本年金機構、厚生労働省 特定法人の電子申請義務化Q&A 問1・問11、いずれも2026-10-23 確認)。申請の経路は e-Gov のWebサイトか、e-Gov の電子申請APIに対応したソフトで、外部のソフトから申請や状況の照会ができるAPIの仕様はe-Gov Developerで公開されています。

技術的には自分で電子申請の仕組みを作ることもできます。ただ、様式の改正やAPIの仕様変更に合わせて直し続ける必要があり、既製ソフトはその手間を月額に含めています。電子申請を自作して浮く月額より、直し続ける費用の方が大きくなりやすいので、電子申請と届出の作成は既製ソフトに任せ、作るのはその周りにするのが現実的です。

作るなら対象になる4つの範囲

業務アプリを自分で作れる汎用ツール「kintone」のロゴ

出典: kintone 公式サイト

既製ソフトで足りない部分は、事務所ごとのやり方が出るところです。作る場合は、次の4つのどれに当たるかを先に決めると、範囲と費用を絞れます。

作る範囲

何をする仕組みか

決めておくこと

① 顧問先とのやり取りの窓口

顧問先が依頼を出し、資料を上げ、事務所からの不足資料の連絡を受ける画面。顧問先ごとに自社の情報だけが見える

顧問先側で使う人(人事担当・経営者)、依頼の種類、出してもらう資料の一覧、顧問先が見てよい範囲

② ソフトをまたいだ進み具合の一覧

労務ソフト・給与ソフト・助成金・スポット業務の案件を1画面に並べ、期限・担当・差し戻し・止まっている理由を見る

手続きの段階の名前(受付・資料待ち・作成中・申請済み・完了など)、期限の決め方、誰が更新するか

③ 給与計算の前処理

顧問先ごとに形の違う勤怠データを、給与ソフトが読めるCSVの形に揃え、明らかな誤りを知らせる

顧問先ごとのデータの形、チェックする項目(日数・時間の上限、未入力など)、誤りを見つけたときの戻し方

④ 報酬請求と工数の集計

顧問料・スポット報酬・かかった時間を集計し、請求書や会計ソフトへのデータにする

報酬の決まり方、工数を誰がいつ入れるか、会計ソフトに渡す形

①の窓口を作るときに一番手間がかかるのは、画面よりも顧問先ごとの見え方を分けることです。A社の担当者がB社の資料や従業員情報を見られない仕組みにし、そうなっていることを試験で確かめる作業までを開発の範囲に含めます。窓口の一般的な作り方は顧客ポータルの開発の記事でも扱っています。

②の一覧は、顧問先に見せないなら kintone などの汎用ツールで事務所の職員が作れる範囲です。kintone はスタンダードコースが1ユーザー月1,800円(税抜、10ユーザーから)で、顧問先など社外の人を招く場合はゲストユーザーのオプションが別にかかります(kintone 料金、2026-10-23 確認)。汎用ツールと既存ソフトをつなぐ考え方はkintoneと既存システムの連携の記事を参照してください。

顧問先のマイナンバーと個人情報をどう扱うか

マイナンバー制度を所管するデジタル庁のロゴ

出典: デジタル庁 公式サイト

社労士事務所のシステムで、他の業種と一番違うのはここです。顧問先が社労士に手続きを任せるのは、個人番号を扱う事務の委託にあたります。個人情報保護委員会のガイドラインでは、従業員100人以下の事業者に認められている簡略な安全管理措置(中小規模事業者の特例)について、「委託に基づいて個人番号関係事務又は個人番号利用事務を業務として行う事業者」は対象から除くとしています(特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)、2026-10-23 確認)。

つまり、職員5名の小さな事務所でも、マイナンバーを扱う仕組みには標準の安全管理措置が前提になります。アクセスできる人の限定、利用者の識別と認証、外部からの不正アクセスの防止、漏えいを防ぐ暗号化、アクセスの記録とその確認などです。

このことから、作る仕組みについて次の設計が考えられます。

確認すること

考え方

作る窓口・一覧にマイナンバーを持たせるか

持たせない設計を基本にする。マイナンバーは既製ソフトの専用の保管機能に置き、窓口や一覧には顧問先名・手続きの種類・段階・期限だけを置く。持たせると、その仕組み全体が標準の安全管理措置の対象になる

顧問先から番号を集める必要がある場合

既製ソフトや提供会社の従業員情報の収集サービスに集める経路を使い、自作の窓口では番号を受け取らない

開発会社が個人番号に触れるか

ガイドラインでは、委託を受けた者が再委託するには委託者の許諾が要る。開発・保守の会社が個人番号に触れる形になると、この再委託にあたり得る。触れない設計にするか、触れるなら顧問先の許諾と契約を整える。どちらにあたるかの最終判断は事務所と専門家で行う

顧問先ごとの見え方

顧問先の担当者は自社の情報だけ、事務所の職員は担当の顧問先だけ、など権限の段階を決め、試験で確かめる

ログインの保護

二要素認証、退職した職員のアカウント停止、管理者権限を持つ人の限定

アクセスの記録

誰がいつどの顧問先の情報を見たかを残し、定期的に確認する

社会保険労務士法は、社労士本人と事務所の職員に秘密を守る義務を定めています。マイナンバー以外の氏名・住所・給与・健康に関する情報も、顧問先から預かった秘密として、同じ権限の考え方で扱います。

止まったときの備え

既製ソフトでも作った仕組みでも、止まることはあります。2023年6月には、社労士向けクラウドサービスがランサムウェア攻撃を受け、約2カ月にわたって十分にサービスを提供できなかったと報じられました(日本経済新聞 2023年9月7日)。特定の製品の良し悪しではなく、どの仕組みにも起こり得ることとして、次を決めておきます。

  • ソフトが止まったとき、期限の近い手続きの一覧をどこで見るか(一覧を定期的に書き出しておくか)
  • 顧問先への連絡手段をソフトの外にも持っておくか
  • 作った窓口・一覧が止まったとき、元のメールとExcelに戻す手順

給与ソフト・電子申請ソフトとのデータの受け渡し

社会保険の電子申請の受付先である日本年金機構のロゴ

出典: 日本年金機構 公式サイト

周りに仕組みを作ると、既製ソフトとのデータの受け渡しが必ず出てきます。つなぎ方は、相手のソフトが何を用意しているかで3つに分かれます。

つなぎ方

どういうものか

向いている場面

気をつけること

公開API

ソフトが外部の仕組み向けに公開している窓口を通して、データを自動でやり取りする

進み具合や顧問先の情報を毎日自動で揃えたい

ソフトがAPIを公開しているか、事務所の契約プランで使えるかを提供会社に確認する。仕様変更への追従が要る

CSVの書き出し・取り込み

ソフトの画面からCSVを書き出し、作った仕組みに取り込む(逆も同じ)

給与計算の前処理、月1回の集計

書き出しは人の操作が残る。列の並びが変わったときに気づける仕組みにする

画面操作の自動化

人が画面で行う操作を、ソフトウェアに代わりにさせる

APIもCSVも無い場合の最後の手段

画面が変わると止まる。ソフトの利用規約で認められているかを確認する

社労士向けソフト各社がどのようなAPIやCSVを公開しているかは、公式の料金・製品ページでは確認できませんでした。今使っているソフトの提供会社に、APIの有無・CSVで書き出せる項目・契約プランでの利用条件を聞くのが最初の作業です。当社は公開API・CSV・画面操作のどれでつなぐ場合も対応できます。どれを使うかは、相手のソフトの条件と、更新の頻度・件数を見て一緒に決めます。

費用の目安

既製の社労士向けソフト(公開価格の例)

公式に金額を公開しているオフィスステーション Pro の料金です(料金ページ、2026-10-23 確認。税込)。

項目

ライト

スタンダード

プレミアム

月額

11,000円

16,500円

27,500円

登録料(初回のみ)

110,000円

220,000円

1,650,000円

事務所の利用者ID

1

2

5

顧問先の登録枠

20社

100社

200社

  • 1顧問先あたり従業員1,000名まで。ライトはオプションを追加できない
  • オプションの例: 利用者IDの追加 月2,200円、顧問先枠50社ごと 月5,500円、給与計算は登録料110,000円+月額(顧問先1社3,300円〜50社22,000円)
  • 料金は顧問先の数と利用者IDの数で階段状に上がる。枠を超えるとプランの変更が要る

前の節の架空の事務所(顧問先60社・職員5名)に当てはめると、たとえばスタンダード(月16,500円)に利用者IDを3つ足して月23,100円、登録料220,000円という計算になります(説明用に料金表から計算した値。税込。実際の見積は提供会社に確認してください)。社労夢・Lunoma は金額を公開していないため、比べる場合は見積を取ります。

周りを作る場合の依頼の形

既製ソフトで足りない部分を作る場合、当社では次の3つの形で受けています(既存システムの改修・PoCの価格と進め方)。

依頼の形

価格(税別)

社労士事務所での使いどころの例

含まないもの

既存システムの改修

100万円〜

今の社労士向けソフト・給与ソフトを残したまま、給与計算の前処理や、CSV・APIで進み具合を集める一覧を作り足す。他社が作った事務所のシステムの調査・改修も含む

クラウド・外部サービス・ソフトの利用料

PoC(試験導入)

300万円〜

顧問先の窓口を、一部の顧問先で試して、見え方の分離・依頼の流れ・職員の負担が想定どおりかを確かめる

全顧問先への展開。PoCの価格は本番の完成価格ではない

本開発

個別見積

窓口・進み具合の一覧・報酬請求をまとめて作る、既存のデータを移す、並行して動かす期間を含む

同上

見積の金額は、つなぐソフトの数とつなぎ方(APIがあるか、CSVだけか)、顧問先ごとの見え方の段階の数、顧問先側の利用者の数、移すデータの量で変わります。既製ソフトの月額と比べると、作る費用はかなり大きいことが分かります。作るのは、次の試算のように、今の手作業や見落としの費用がそれを上回る場合です。業務システム全体の費用の考え方は業務システム開発の費用相場の記事も参考になります。

手作業の時間の試算(仮定に基づく試算)

作るかどうかは、今の手作業にどれだけ時間がかかっているかを自分の事務所の数字で出すと判断しやすくなります。下は、前の節と同じ架空の事務所(顧問先60社・職員5名)の仮定です。社労士事務所の手続き1件あたりの時間について公的な統計は見つからなかったため、数字はすべて仮定です。

作業(架空の例)

計算

月の時間

進み具合を確かめる(担当者への確認、Excelの更新)

5名 × 1日15分 × 20日

25時間

顧問先への不足資料の連絡と、届いた資料の振り分け

月40件 × 1件10分

約6.7時間

給与計算の前に、顧問先の勤怠データを給与ソフトの形に整える

20社 × 1社30分

10時間

合計

約41.7時間

時給3,000円(社会保険料などを含めた仮定の人件費)で計算すると、月約12.5万円、年約150万円です。仕組みを作っても人の確認は残るので、仮に半分が減るとすると、月約6.3万円・年約75万円の削減になります。この場合、既存システムの改修(100万円〜)を頼むと、回収に約16か月(100万円÷月6.3万円)かかり、外部サービスの利用料や保守の費用を足すとさらに延びます。

この試算から、まず今のソフトの上位プランやオプションで減らせる分を減らし、残った時間で作るかを決めるのが順番だと言えます。一方で、算定基礎届(令和8年度は2026年7月10日が期限。日本年金機構、2026-10-23 確認)や年末調整の時期に、見落としや期限切れが起きている場合は、時間だけでなくその損失も並べて比べてください。

自社でAIを使って進められる部分と、会社に頼む部分

いまは、ChatGPT や Claude などのAIを使って、代表や職員がかなりの作業を自分で進められます。全部を外に頼む前に、自分たちで進める部分を分けておくと、依頼の範囲と費用を絞れます。

作業

事務所でAIを使って進めやすい

会社に頼む価値がある

進み具合の一覧

手続きの段階や項目をAIと相談して決め、kintone やスプレッドシートで事務所内の一覧を作る

複数のソフトから自動で状況を集め、期限が近いものを知らせる仕組みにする

顧問先への連絡

不足資料の催促や、手続きの案内の文面を作る

顧問先ごとに見え方を分けた窓口を作り、他社の情報が見えないことを試験で確かめる

勤怠データの整形

架空のデータで、Excelの形を揃える手順を試す

顧問先ごとの形の違い・誤りの知らせ・やり直しまで含めて、毎月安定して動く形にする

ソフトとのつなぎ方

提供会社の公開資料を読ませて、何が取れそうかを整理する

認証・権限・仕様変更への追従まで含めて、動く連携を作る

マイナンバー・個人情報

扱わない(AIのサービスに顧問先の実データを貼らない)

誰がどの情報に触れられるかの設計、作る仕組みに番号を持たせない設計、止まったときの手順

会社に頼む価値があるのは、主に顧問先ごとの見え方の分離、既製ソフトとの受け渡し、止まったときの手順です。事務所でAIを使って作った一覧や試作がある場合は、それを残して本番で使える形に直す依頼もできます。

説明用の構成例(当社の社労士事務所の実績ではありません)

当社には、社労士事務所の公開できる事例はありません。以下は、作る範囲を考えるための説明用の構成例です。

状況(架空): 顧問先60社・職員5名。社労士向けソフトで届出と電子申請、給与計算は顧問先20社分を給与ソフトで受託。依頼はメール・電話・チャットに散らばり、進み具合は担当ごとのExcel。

残す

作り足す

作らない(今のまま・自分たちで続ける)

社労士向けソフト(届出・電子申請・マイナンバーの保管)、給与ソフト、会計ソフト

①給与計算の前処理(顧問先ごとの勤怠データを揃え、誤りを知らせる) ②ソフトから書き出したCSVを集める進み具合の一覧 ③顧問先ごとの依頼の窓口(マイナンバーは持たせない)

届出の作成、報酬請求、催促の文面づくり

この例では、まず①②を既存システムの改修として作り、③は数社の顧問先で試してから、全顧問先に広げるかを決めます。

複数の拠点・多くの人の記録を、権限を分けて管理し、確認の工程を入れるという作りは、当社の公開実績(薬局の複数店舗・数千人分の記録管理、権限、確認工程)と近い部分があります。ただし業界も業務も違い、社労士事務所での実績として示すものではありません。

相談の前に揃えておくもの

最初の相談で依頼の範囲を早く絞るために、次のものがあると話が進みます。

  • 顧問先の数、給与計算を受けている顧問先の数、職員の数
  • 使っているソフトの名前とプラン(社労士向けソフト・給与ソフト・会計ソフト・連絡に使っているツール)
  • 上の振り分け表の「今のやり方」と「困っていること」を、業務3〜5つ分
  • 手続きの段階をExcelで管理しているなら、その表の見出し(列の名前)だけ
  • 事務所でAIを使って作った一覧や試作があれば、その有無

顧問先の実データ・マイナンバー・本番のログイン情報は送らないでください。

当社の初回相談は無料・30分(オンライン)で、要件が決まっていなくても大丈夫です。自社でAIを使って進める部分と、任せる部分を一緒に切り分けます。相談後に、業務の棚卸し表・効果の見立て・簡易モックと、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモを無料でお送りします(簡易モックは画面のイメージで、動くシステムではありません)。

今の業務と使っているソフトを伺い、既製ソフトで足りる範囲と作る範囲を相談する

よくある質問

今使っている社労士向けソフトを別の製品に乗り換えれば、作らずに済みますか?

済むことはあります。進み具合の一元管理や顧問先との共有画面を持つ製品・プランもあるためです。ただし乗り換えには、顧問先や従業員の台帳データの移行、職員と顧問先が操作に慣れる期間、契約期間の縛り(初回契約1年などの条件がある製品もある)がかかります。乗り換えで解決する範囲と、周りを作り足して解決する範囲を、両方の見積で比べるのが確実です。

顧問先の側にも、使い方を覚えてもらう必要がありますか?

窓口を作る場合は必要です。顧問先の人事担当者が依頼や資料の提出に使うため、画面が分かりにくいと結局メールに戻ります。顧問先が使う画面は項目を絞り、最初は数社で試して、問い合わせの多い箇所を直してから広げる進め方が安全です。顧問先側で別の労務クラウドを使っている場合は、そちらからデータをもらう方が早いこともあります。

作った仕組みは、法改正のたびに直す必要がありますか?

届出の様式や電子申請を既製ソフトに任せ、作る範囲を窓口・一覧・前処理に絞っていれば、法改正で直す部分は少なくなります。直す必要が出やすいのは、給与ソフトの取り込みの形が変わったとき、手続きの種類や段階を増やしたいときです。保守をどこまで頼むか(問い合わせ対応・不具合の修正・小さな変更)は、作る前に範囲と費用を決めておきます。

開発した仕組みのソースコードやデータは、事務所のものになりますか?

契約の内容で決まります。顧問先の情報を預かる事務所としては、データをいつでも書き出せること、開発会社を変えても引き継げること、契約が終わったときのデータの消し方を、契約の前に確認してください。どの開発会社に頼む場合も、見積の段階でこの3点を書面で確かめておくと安心です。

予算が100万円に届かない場合、何から始めればよいですか?

まず今のソフトの上位プラン・オプションと、kintone などの汎用ツールで、事務所内の進み具合の一覧を作ることから始めてください。数か月使うと、どの段階で止まりやすいか、どの顧問先とのやり取りに時間がかかるかが記録として残ります。その記録があると、後で作る範囲を決めるときに無駄な機能を省けます。

社労士法人で複数の事務所(支店)がある場合、何が変わりますか?

職員が見てよい顧問先の範囲を、事務所ごと・担当ごとに分ける必要が出ます。本部が全体の進み具合を見たい一方で、支店の職員には担当の顧問先だけを見せる、といった権限の段階を決めることが、作る範囲の中心になります。既製ソフトのID数・顧問先枠の上限にも当たりやすいので、その料金と並べて比べてください。

今の業務と使っているソフトを伺い、既製ソフトで足りる範囲と作る範囲を相談する

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します