ビジネス活用2026年10月更新

社内システムのSSO対応改修|Entra ID・Google Workspaceでログインを一本化する3つの方式と確認項目【2026年10月】

公開日: 2026/10/14
社内システムのSSO対応改修|Entra ID・Google Workspaceでログインを一本化する3つの方式と確認項目【2026年10月】

この記事のポイント

社内の業務システムをEntra ID・Google WorkspaceのSSOに対応させる改修の判断材料。直せるかの確認、3つの方式の違い、アカウントの対応付け、退職者の停止、受入試験、費用(改修100万円〜・税別)を整理しました。

Microsoft 365 や Google Workspace でシングルサインオン(以下SSO。会社のIDひとつで複数のシステムに入れる仕組み)を始めたものの、自社開発や他社に作ってもらった業務システムだけが別のID・パスワードのまま残っている会社があります。この記事は、そうした会社の情シス兼任者・管理部門長に向けて書いています。

ソースコードがあって自社で直せるWebシステムなら、システム側を会社のIDに対応させる改修が第一候補です。ログイン画面を付け替える作業そのものは大きくないこともあります。手間がかかるのは周辺の作業で、具体的には既存アカウントと会社のIDの対応付け、権限の渡し方、退職者の止め方、SSOが止まったときの入口、試験です。ソースを直せない場合は「前段に認証の仕組みを置く」「代行入力」の2方式が残りますが、どちらも退職者が入れる経路を別に塞ぐ作業が必要です。使っているのがSaaSだけなら開発は要らず、IdP(会社のIDを管理するサービス。Entra ID や Google Workspace)の標準連携で足ります。

AI革命株式会社の既存システムの改修は100万円〜(税別)です。ライセンス費などの外部利用料は別にかかります。

この改修が必要な場合、開発を頼まなくてよい場合

最初に、そもそも開発会社に頼む話なのかを分けます。発注の判断は、製品選びより先に「どのシステムを、誰が直せるか」から始まります。

今の状況

おすすめの進め方

開発の依頼

ログインを分けたいのがSaaS(勤怠・経費・CRMなどのクラウドサービス)だけ

IdPの標準連携か、IDaaS製品(SSOを提供するクラウドサービス)で設定する

不要

買ってきたパッケージ製品で、製品にSAML/OIDC対応の機能やオプションがある

製品ベンダーの手順で設定する

不要(設定作業の委託はありうる)

自社開発・他社開発のWebシステムで、ソースコードが手元にある

システム側を会社のIDに対応させる改修

必要

ソースはあるが古く、近いうちに作り直す予定

改修せず、作り直すシステムの要件にSSOを入れる

新しいシステムの開発に含める

ソースが無い・直す権利が無い・元の開発会社と連絡が取れない

調査で直せるかを確かめるか、前段方式・代行入力を検討

調査から

使う人が数名で、退職時に担当者が手で止めれば足りる

退職時の確認表を作って運用で回す

不要のことがある

SaaSだけの環境で外部に頼む場合は、設定作業の委託になります。ある事業者の公開記事では、SaaSのSSO初期設定を外部に頼む目安を「SaaS1つあたり3〜10万円」としています(BTNコンサルティング、2026-10-14確認。SaaSの設定作業の目安で、自社開発システムの改修費用ではありません)。IDaaS製品の例では、GMOトラスト・ログインの「SSOプロ」が1ユーザー月300円(税抜・12か月契約・30名以上。料金ページ、2026-10-14確認)です。開発を頼む前に、こうした選択肢で足りないかを確かめてください。

古いシステムを直すか作り直すかで迷っている場合は、システムの改修とリプレイスの比較で判断の材料を整理しています。

まず確かめる「システム側を直せるか」

方式を選ぶ前に、次の6点を確かめます。社内で答えが出ない項目は「不明」のままで構いません。不明な項目が多いほど、改修の前に調査が必要になります。

確かめること

確かめ方

答えが「いいえ」「不明」のとき

ソースコードが手元にあるか

社内のサーバー、Git等の管理場所、納品物のCD/ファイル

前段方式・代行入力を検討するか、元の開発会社に問い合わせる

ソースを直す権利があるか

開発委託契約の著作権・利用許諾の条項

元の開発会社に改修を依頼するか、権利の扱いを確認する

元の開発会社に連絡がつくか

保守契約の有無、直近の問い合わせ履歴

他社による調査・引継ぎを検討する

Webブラウザで使うシステムか

利用者がブラウザでURLを開いて使っているか

端末に入れて使うソフトは、ログインの作り方が違うため調査で確認する

ログイン処理がどこにあるか

ログイン画面のURL、ユーザー表(DB)の場所、パスワードの保存方法

調査で特定する

使っている言語・フレームワークと、そのバージョン

開発時の資料、サーバーの設定

古い場合、ログイン部品を入れる前にバージョンを上げる作業が要ることがある

ソースが手元になく元の開発会社とも連絡が取れないときは、開発会社を変えてシステムを引き継ぐときの調査の頼み方を先に読むと、何を揃えればよいかが分かります。

3つの方式の違いと、合う状況・合わない状況

OpenID Connectを策定するOpenID Foundationのロゴ

出典: OpenID Foundation 公式

既存の社内システムをSSOにつなぐ方式は、大きく3つです。Microsoft は、アプリが対応していれば OpenID Connect(OIDC)、OIDCを使わない既存アプリはできるだけ SAML、HTMLのログイン画面があるアプリはパスワードベース(代行入力)、ヘッダー認証のアプリはヘッダーベース、という順で選ぶよう案内しています(Microsoft Learn「SSO の展開を計画する」、2026-10-14確認)。OIDCとSAMLはどちらも「IdPがログインを確かめ、結果をシステムに渡す」ための決まりごとで、新しく作るならOIDC、既存の部品がSAMLに対応しているならSAML、という程度の違いと考えて構いません。

①システム側をOIDC/SAML対応に改修

②前段に認証の仕組みを置く

③代行入力(パスワードベースSSO)

直す場所

システムのログイン処理

システムの手前の入口。システムは「入口から渡された利用者名」を信じる形に設定

直さない。利用者のブラウザがIDとパスワードを自動入力

合う状況

ソースがあり直す権利がある。Webシステム

ソースは直せないが、「入口から渡された利用者名でログインする」設定ができるシステム。社員が社外(自宅・出先)から使う

ソースを直せず、②も使えない。ログイン画面がブラウザにある

合わない状況

ソースが無い、直す権利が無い

システムへの直接の通り道を塞げない。利用者のほぼ全員が社内LANから使う(Microsoft は同じネットワーク内からの通信には推奨していない)

退職者の停止を確実にしたい。利用者にブラウザ拡張を入れられない

退職者を会社のIDで止められるか

止められる(ローカルのパスワードを廃止した場合)

止められる(直接の通り道を塞いだ場合)

会社のIDを止めても、システム側のIDとパスワードは残る

残る抜け道と追加の作業

ローカルログインを残すなら、その入口の管理

入口を通らない直接アクセスを塞ぐ(後述)

利用者に本当のパスワードを知らせない運用、定期的な変更

Entra ID で必要なライセンス

無料版にもSSOは含まれる(価格ページの記載)。グループ単位で割り当てるならP1以上

アプリケーションプロキシ(社内システムの前段)はP1またはP2

無料版で可。利用者にマイアプリのブラウザ拡張(Edge/Chrome)が必要

ライセンスの区分は Microsoft Learn「Microsoft Entra ライセンス」とユーザーとグループの割り当て、代行入力の拡張機能はパスワードベースSSOの構成で確認しました(いずれも2026-10-14確認)。

②前段方式の注意点:直接の通り道を塞ぐ

前段方式(Entra のアプリケーションプロキシとヘッダーベースSSO)は、システムを直さずに済むのが利点です。一方で Microsoft は、ヘッダーで利用者名を受け取るアプリへのアクセスを、許可された経路からの通信だけに制限するよう注意しています(ヘッダーベース SSO の構成、2026-10-14確認)。入口を通らずにシステムへ直接届く通り道が残っていると、利用者名を偽った通信で入られるおそれがあるためです。制限の方法として、同じページはシステムのサーバーのファイアウォールやIP制限を挙げています。

もう1つの注意は、アプリケーションプロキシが社外から社内のシステムを使うための仕組みだという点です。同じページで Microsoft は、システムと同じネットワーク内からの通信にはこの仕組みを推奨しておらず、社内での一般的な利用には別製品の Microsoft Entra Private Access を案内しています。社員のほとんどが社内LANから使うシステムなら、②より①の改修を先に検討します。

③代行入力の注意点:システム側のパスワードが残る

代行入力は、Entra ID が利用者の代わりにIDとパスワードを入力する仕組みです。資格情報は暗号化して保存されますが、システム側のアカウントとパスワードはそのまま残ります。会社のIDを止めても、パスワードを知っている退職者はシステムのログイン画面から直接入れます。代行入力を選ぶ場合、管理者がパスワードを設定して本人に知らせない運用と、定期的な変更が欠かせません。情報処理学会 第79回全国大会(2017年)の発表でも、代行入力の仕組みは内部に生のパスワードを持つ必要があるためリスクが高いと整理されています(田崎ほか「パスワードを保持しない代行入力システムによる SSO の実現」、2026-10-14確認)。

Google Workspace をIdPにする場合

Google Workspace では、管理コンソールの「カスタム SAML アプリ」で社内システムを登録するか(Google Workspace 管理者ヘルプ)、システム側で Google のOIDC(Googleアカウントでログイン)に対応させる(Google for Developers「OpenID Connect」)のが基本です(いずれも2026-10-14確認)。どちらも①の「システム側の改修」にあたります。カスタムSAMLアプリの設定は特権管理者が行い、設定の反映には最長24時間ほどかかると案内されています。カスタムSAMLアプリを使えるエディションは、確認した公式ページに記載がなかったため、契約中のエディションで管理コンソールに項目があるかを確かめてください。

なお、Google Workspace の「カスタム OIDC プロファイル」(2025年11月18日に一般提供。Google Workspace Updates、2026-10-14確認)は、外部のIdPで Google にログインするための機能で、社内システムを Google のIDでログインさせる用途とは向きが逆です。

前段方式・代行入力をこの記事で公式に確かめたのは Entra ID の機能です。Google Workspace だけの環境でこの2方式を考える場合は、使う予定のIDaaS製品の仕様で確認してください。

既存アカウントと会社のIDの対応付け

改修で時間がかかりやすいのが、システムにいる既存のアカウントを、IdP側の誰に結びつけるかの棚卸しです。

メールアドレスで結びつけたままにしない

「同じメールアドレスの人を同じ人とみなす」のは一見簡単ですが、OIDCの仕様では、利用者を一意に特定できると保証されるのは「発行元(iss)」と「利用者番号(sub)」の組だけで、メールアドレスや表示名を一意の識別子に使ってはならないとしています(OpenID Connect Core 1.0 5.7、2026-10-14確認)。Entra ID も、メールアドレスや preferred_username は変わることがあるため権限の判断やユーザーデータの保存に使わず、変わらない番号(oid)を使うよう案内しています(ID トークンの要求のリファレンス)。Google も、メールアドレスではなく sub を使うよう書いています(Google for Developers「OpenID Connect」)。

実務では、最初の対応付けの候補探しにはメールアドレスを使い、確認できたらIdP側の変わらない番号をシステムのユーザー表に保存する、という2段階にします。こうしておけば、結婚による改姓やドメイン変更でメールアドレスが変わっても、別人扱いになったり、他人のアカウントに入れたりしません。

対応付け表の記入例(説明用・架空データ)

以下は架空の会社の受注管理システムで棚卸しをした場合の例です。実在の人物・案件ではありません。

システムのログインID

システム上の氏名

システムのメール

IdP側で見つかった人

判定

対応

yamada

山田 太郎

yamada@example.co.jp

山田 太郎(同じメール)

一致

IdPの番号を保存して紐付け

sato_h

佐藤 花子

sato.h@old-example.co.jp

鈴木 花子(新ドメイン・改姓後)

メール不一致

本人と所属長に確認し、手で紐付け

uketsuke

受付用

uketsuke@example.co.jp

該当者なし(共有アカウント)

共有

使っている人ごとの個人アカウントに分けるか、廃止

tanaka

田中 一郎

tanaka@example.co.jp

該当者なし(2025年に退職)

退職済み未停止

移行前に停止。操作履歴は残す

gaichu01

外注 A社

a-sha@partner.example

該当者なし(社外の委託先)

IdP未登録

IdPにゲストとして登録するか、ローカルログインを例外で残すか決める

kanri

管理者

admin@example.co.jp

該当者なし(システム管理用)

管理用

SSOが止まったとき用の入口として扱いを決める(後述)

この表で「判定」が「一致」以外の行は、移行の前に人が決める必要がある項目です。こうした行が多いほど、改修の前の棚卸しに時間がかかります。

権限(ロール)をIdPで渡すか、システム側で持つか

SSOにすると「誰が入れるか」はIdPで決められます。残るのは「入った人が何をできるか」をどこで決めるかです。

IdPのグループ・アプリロールで渡す

システム側で持つ

併用

仕組み

IdPで所属させたグループやロールを、ログイン時にシステムへ渡す

これまでどおりシステムの管理画面で利用者ごとに設定

入口(使ってよいか)はIdP、細かい権限はシステム

合う状況

権限が部署・役職で決まり、種類が少ない

権限が案件ごと・取引先ごとに細かく分かれている

権限は細かいが、使ってよい人の出し入れはIdPでまとめたい

異動時の手間

IdPのグループを変えれば反映

システムの管理画面でも変更が必要

入口はIdP、細かい権限はシステムで変更

注意点

グループ数の上限(下記)、グループ単位の割り当てに必要なライセンス

IdPで止めた人の権限設定が残る。棚卸しが二重

どちらで何を決めるかを文書にしておく

公式で確かめた、設計に影響する制約は次のとおりです(すべて2026-10-14確認)。

  • Entra ID でアプリにグループ単位で割り当てるには P1 または P2 が必要で、入れ子のグループ(グループの中のグループ)には割り当てが引き継がれません(ユーザーとグループの割り当て)。無料版では利用者を1人ずつ割り当てます
  • Entra ID では、ひとりの利用者が所属するグループがSAMLで150、OIDC等のトークンで200を超えると、グループ情報がログイン結果に載らなくなり、別途取りに行く作りが必要になります(ID トークンの要求のリファレンス)
  • Entra ID の「アプリロール」はアプリの登録に属するため、テナントに固有のグループよりもアプリと一緒に扱いやすく、セキュリティグループをアプリロールに割り当てることもできます(アプリロールを追加する)
  • Google Workspace のカスタムSAMLアプリで渡せるグループは最大75です(Google Workspace 管理者ヘルプ)

退職・異動時の止め方と、SSOが止まったときの入口

アカウントの自動作成・停止に使われるSCIMのロゴ

出典: SCIM 公式サイト

「SSOにすれば退職者対策が終わる」わけではありません。どの操作で、どこまで止まるかを分けて確認します。

操作・状態

止まるもの

止まらないもの・残るもの

IdPで利用者を無効化、またはアプリの割り当てを外す

次回以降のSSOでのログイン

システムに残っているログイン状態(セッション)は、システム側の有効期限まで続くことがある

システムのローカルログイン(ID・パスワード)を廃止

IdPを通らない直接ログイン

管理用に残した入口

代行入力を使っている

IdPからの自動入力

システム側のパスワードそのもの。本人が知っていれば直接入れる

SCIM(IdPからシステムに利用者の追加・停止を自動で伝える仕組み)を実装

システム側のアカウントも自動で無効化

Entra ID の同期は約40分ごとのため、即時ではない

SCIMの同期間隔と無効化の伝え方は Microsoft Learn「SCIM エンドポイントを構築し、ユーザー プロビジョニングを構成する」で確認しました(2026-10-14確認)。SCIMを実装するかどうかは、利用者数と、退職者のアカウントがシステムに残ることをどこまで許せるかで決めます。システム側のログイン状態の有効期限を短くする、IdPで止めたことをシステムが次の操作時に確かめる、といった作りも選べます。OIDCでログアウトするときは、システム側のログイン状態も消す必要があると Microsoft は案内しています(Microsoft ID プラットフォームでの OIDC)。

SSOが止まったときの管理者用の入口

ローカルログインを全部閉じると、IdPの障害や設定ミスのときに、管理者もシステムに入れなくなります。Entra ID 自体については、Microsoft が緊急アクセス用アカウントを2つ以上用意し、条件付きアクセスのブロックから外し、少なくとも90日ごとに使えるかを確かめるよう推奨しています(緊急アクセス用アカウントを管理する、2026-10-14確認)。

社内システム側の入口について公式の推奨はないため、ここは設計の判断になります。考え方の例は次のとおりです。

  • ローカルの管理者アカウントを1つだけ残し、それ以外のローカルログインは閉じる
  • その入口は社内ネットワークや特定の端末からだけ使えるようにし、二要素の確認を付ける
  • 使われたら関係者に通知が届くようにし、パスワードは封印して保管する
  • 年に数回、実際に入れるかを確かめる日を決める

もう1つ見落としやすいのが、SAMLの署名証明書の期限です。Entra ID の既定では3年で、期限が切れるとログインできなくなるため、更新の手順と通知先を決めておくよう案内されています(SSO の展開を計画する)。

説明用の構成例:社員80名の受注管理システムを Entra ID につなぐ

Entra IDのシングルサインオン設定手順を公開しているMicrosoft Learnのロゴ

出典: Microsoft Learn 公式

ここでは、作業の順番を示すために架空の例を置きます。当社の実績ではなく、期間や効果も示しません。

前提(架空): 社員80名。Microsoft 365 Business Premium を契約済み(Entra ID P1 を含む)。受注管理システムは以前に他社が作ったWebシステムで、PHPで書かれており、ソースコードと改修の権利は自社にある。ログインはシステム独自のID・パスワード。営業・事務・管理職・システム管理者の4種類の権限がある。

順番

作業

主に担当する人

完了の確かめ方

1

ソース・ユーザー表・ログイン処理の場所の確認、方式の決定(この例では①OIDC対応の改修)

開発会社

方式と、採らなかった方式の理由が文書になっている

2

既存アカウントの対応付け表を作る(上の記入例の形式)

情シス担当と各部署

「一致」以外の行すべてに対応が決まっている

3

権限の渡し方を決める(この例では、入口と4種類の権限を Entra ID のアプリロールで渡す)

情シス担当と開発会社

誰がどのロールかの一覧が承認されている

4

Entra ID にアプリを登録し、システムをOIDCに対応させる。利用者番号の保存、ログイン結果の検証、ログアウト時の処理を実装

開発会社(登録作業は情シス担当と共同)

試験環境で、IdPのアカウントでログインできる

5

退職時の止め方を決める(この例では、割り当て解除+システム側のログイン状態の有効期限を短くする。SCIMは利用者数から見送り)

情シス担当と開発会社

退職時の手順書が更新されている

6

管理者用の入口を決め、それ以外のローカルログインを閉じる設定を用意

開発会社

管理者用の入口の使い方と保管方法が文書になっている

7

受入試験(次の章)

情シス担当(開発会社が手順を用意)

試験表の全項目が合格

8

利用者への案内と切替日の決定。切替後しばらくはローカルログインに戻せるようにしておく

情シス担当

戻す手順と判断する人が決まっている

ログインの付け替え(順番4)については、他社の技術ブログでも、PHP製の社内システムを Entra ID とOIDCでSSO化した例が「それほど難しい内容ではない」と紹介されています(EXTECH 技術ブログ)。時間がかかりやすいのは、表の2・3・5・6・7のような社内での確認と決定です。

受入試験で確かめる項目

受入試験の確認項目をチェックリストに書き出す様子

発注前にこの表を用意しておくと、何をもって完成とするかを開発会社と合わせやすくなります。以下は試験の項目と合格条件の例で、実際に試験した結果ではありません。

試験

手順

合格条件

他人の権限が見えない

営業ロールの利用者でログインし、管理職向けの画面のURLを直接開く

開けない

停止した利用者が入れない

IdPで割り当てを外した利用者でログインする

ログインできない

ログイン中に止めた場合

ログイン中の利用者をIdPで止め、決めた有効期限を過ぎてから操作する

操作できない

ローカルログインが閉じている

旧ログイン画面のURL・旧IDとパスワードで試す

入れない(管理者用の入口を除く)

直接の通り道がない(②の場合)

入口を通らずにシステムのURLへ通信する

届かない

ロールの変更が反映される

IdPでロールを変え、ログインし直す

新しいロールの画面だけが見える

メールアドレスが変わっても同じ人

試験用アカウントのメールアドレスを変えてログインする

同じユーザーとして、同じデータが見える

社外の利用者の扱い

決めた方法(ゲスト登録など)で委託先がログインする

決めた範囲だけが見える

SSOが止まったとき

IdPを使わずに管理者用の入口からログインする

管理者だけが入れ、通知が届く

証明書の更新(SAMLの場合)

手順書どおりに試験環境で証明書を差し替える

更新後もログインできる

権限まわりの試験は、利用者の種類が増えるほど行数が増えます。社外の顧客や会員にログインさせる仕組みは設計の考え方が別なので、顧客ポータル開発の記事を参照してください。スマホや社外から使うときの権限は業務システムのスマホ対応の記事で扱っています。

費用の考え方:改修費と外部利用料を分ける

SSO対応の費用は、開発会社に払う改修費と、IdPなどの外部利用料に分けて考えます。自社開発システムのSSO改修について、前提を揃えて比べられる公開相場は今回の調査では見つからなかったため、相場の断定はしません。

当社の価格(すべて税別)

依頼の形

価格

SSO対応で範囲に入る作業の例

既存システムの改修

100万円〜

ログイン処理の改修、利用者番号の保存、権限の対応付け、ローカルログインの整理、試験の手順と実施

本開発

個別見積

作り直しの中でSSOに対応する場合

PoC

300万円〜

試作で方式を検証する段階の価格で、本番の完成価格ではありません

改修の金額は、利用者の種類と権限の数、SCIMを実装するか、ローカルログインをどこまで閉じるか、古いバージョンを上げる作業が要るか、試験の行数で変わります。

改修費に含まれないもの(外部利用料)

項目

公開価格(2026-10-14確認)

補足

Entra ID P1

1ユーザー月1,049円相当(年間契約・年払い)

Microsoft 365 Business Premium・E3 などに含まれる。公式の価格ページに税込・税抜の表記はないため、購入時に確認

Entra ID P2

1ユーザー月1,499円相当(年払い)

Microsoft 365 E5 などに含まれる

Entra ID 無料版

0円

Microsoft 365 などに含まれる。SSOは含まれる。グループ単位の割り当て・アプリケーションプロキシは不可

仮定に基づく試算として、社員80名で Entra ID P1 を単体で買う場合、1,049円×80名×12か月=1,007,040円で、年に約100.7万円相当です。すでに Business Premium や E3 を契約していれば、P1 の追加購入は不要です。グループ単位の割り当てや前段方式を使わないなら、無料版の範囲で始められる場合もあります。

当社が対応できるのは、他社が作ったシステムの調査・引継ぎ・改修と、認証・権限・社外利用者の分離を含む開発です。言語やフレームワークを理由にお断りすることはありません。ただし、Entra ID・Google Workspace・特定のIDaaS製品について、当社の受託実績や認定パートナーの資格を示すことはできません。また、改修によってセキュリティ認証の取得や法令への適合を保証するものではなく、第三者による侵入試験も含みません。

ソースの有無や直す権利が分からない段階では、「調査のみ」も「調査+改修」もご相談いただけます。最初にソースコード・仕様書・環境情報の有無と利用権を確認します。受託開発の対応範囲と価格もあわせてご覧ください。改修全般の費用の内訳はシステム改修の費用で整理しています。

相談の前に揃えておくと早い情報

次の情報があると、30分の初回相談で、どの方式が候補になりそうかまで話を進めやすくなります(可否を確かめるには、ソースや環境を見る調査が別に要ることがあります)。すべて揃っていなくても構いません。

  • SSOにつなぎたいシステムの名前と用途、使っている人数(部署ごとの概数)
  • 会社のIDとして使っているもの(Entra ID / Google Workspace)と、Microsoft 365 などの契約プラン名
  • ソースコードの有無、元の開発会社と保守契約の有無
  • ブラウザで使うシステムか、端末に入れて使うソフトか
  • 権限の種類(例: 営業・事務・管理職・管理者)と、社外の利用者がいるか
  • 共有アカウントや退職者のアカウントが残っていそうか
  • 困っていること(退職者の停止漏れ、パスワードの使い回しなど)

パスワード・本番の接続情報・実際の利用者一覧などの秘密情報は、相談の段階では送らないでください。

初回相談は無料・30分(オンライン)です。要件が決まっていなくても大丈夫です。今のシステムと困っている操作を伺い、自社でAIを使って進める部分と任せる部分を一緒に切り分けます。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。

今のシステムをSSOに対応できるか相談する

よくある質問

Entra ID と Google Workspace の両方を使っています。どちらにつなげばよいですか

社員全員が持っていて、退職時に必ず止める運用になっている方につなぐのが基本です。システムを両方に対応させることもできますが、1人の社員がIdPごとに別のアカウントとして現れるため、対応付けと停止の確認が二重になります。

多要素認証(スマホでの確認など)はシステム側で作る必要がありますか

SSOにした場合、多要素認証はIdP側で掛けられるため、システム側で作る必要はありません。Entra ID は無料版にも多要素認証が含まれます。場所や端末に応じて確認を変える「条件付きアクセス」は P1 以上が必要です(Microsoft Learn「Microsoft Entra ライセンス」、2026-10-14確認)。

元の開発会社に頼むべきか、別の会社に頼むべきか迷っています

元の開発会社に連絡がつき、保守契約もあるなら、まず元の会社に見積を取るのが自然です。ログイン処理の場所や過去の改修の経緯を知っているためです。連絡がつかない、見積が出ない、権利関係が分からない場合は、別の会社による調査から始めます。比べるときは、試験の項目と完成の条件を同じ表で示してもらうと違いが分かります。

改修している間も、今のID・パスワードでログインできますか

できるように進めます。試験環境でSSOを確かめてから本番に入れ、切替日を決めて案内します。切替後しばらくはローカルログインに戻せる状態を保ち、戻す判断を誰がするかも先に決めておくと安心です。

SSOにすれば、パスワード漏えいの心配はなくなりますか

システムごとのパスワードが減るので使い回しは防ぎやすくなりますが、心配がなくなるわけではありません。会社のIDが1つ漏れると、つないだシステムすべてに入られるおそれがあります。IdP側の多要素認証と、管理者用の入口の管理が前提になります。

端末に入れて使うソフトや、スマホアプリでもSSOにできますか

できる場合がありますが、Webシステムとはログイン画面の作り方が違うため、ソフトの作りを調べてから方式を決めます。ブラウザで使う部分とアプリの部分が混ざっているシステムも、調査で切り分けます。

社外の委託先やパートナーも同じシステムを使っています

IdPにゲストとして登録してSSOに入れるか、ローカルログインを例外として残し、使える範囲を絞るかを決めます。例外として残す場合は、そのアカウントの停止を誰がいつ確かめるかも決めておきます。


社内の業務システムだけがSSOから外れている状態は、どの方式を取れるかを確かめれば、改修の範囲と費用の枠が見えてきます。ソースの有無が分からない段階からでも構いません。

今のシステムをSSOに対応できるか相談する

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

開発について相談する

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します