Zapier・Makeの限界はどこか|止まった業務を自動化し直す判断基準と費用【2026年9月最新】

この記事のポイント
Zapier・Makeの限界は「判断が要る」「形の揃わないデータ」「件数で課金が跳ねる」「属人化」の4つ。公式仕様の上限値、残す・作り直す・AIエージェントに移す3択の費用、月何時間×人件費の回収試算を具体的な金額で示します。
Zapier・Makeで今きちんと回っている業務は、そのまま残すのが最も安上がりです。限界が来るのは「入力ごとに判断が要る」「PDFやメール本文など形の揃わないデータを扱う」「件数が増えて課金が跳ねる」「作った人しか触れない」の4つのどれかに当てはまる業務で、こうした業務は初期100万円+月額10万円〜(税別)のAIエージェントに移すことで自動化できます。
この記事では、Zapier・Makeの公式仕様から「どこで限界が来るか」を数字で示し、限界を迎えた業務を「残す・作り直す・AIエージェントに移す」のどれにするかを、費用と回収期間つきで整理します。Zapier・Makeを全部やめるべきだという話ではありません。月3,000円前後で回っている業務を月10万円の仕組みに置き換えるのは損だ、ということも正直に書きます。
Zapier・Makeで「限界」が来る業務の共通点

出典: Zapier 公式サイト
Zapier・Makeは、「フォームに回答が入ったらスプレッドシートに書き、チャットに通知する」のように、起きたことをそのまま次のシステムへ渡す業務には極めて強い道具です。月数千円で、エンジニアがいなくても組めます。ここに不満を持っている方はほとんどいません。
限界を感じ始めるのは、自動化の対象が「渡す」から「読んで決める」に広がったときです。現場で起きていることを、止まり方の順に並べます。
止まり方 | 現場で起きていること | 原因の種類 |
|---|---|---|
ある日突然、全部止まった | 月の途中でタスク(Zapier)やクレジット(Make)の上限に達し、月末まで全フローが動かなくなった。担当者の退職やパスワード変更でGoogleなどの接続認証が切れ、誰も気づかないまま数日分の処理が抜けた | 仕組み上の上限・認証 |
1件の例外で止まる | 取引先が送ってきた注文書の書式が少し違っただけで、エラーになり後続がすべて止まる。エラー処理を組んでいないので、直せる人が出社するまで復旧しない | 例外処理の不在 |
組めない業務が残った | 「この請求書はどの案件のものか」「この問い合わせは返金対象か」のように、内容を読んで判断する部分は自動化できず、結局人が全件確認している | 判断が要る |
月額が跳ねた | 件数が増えると、Zapierはタスク数、Makeはデータ件数×モジュール数で消費が乗算され、上位プランに上げ続けることになった | 件数に比例する課金 |
触れる人がいない | 管理画面が英語で、作った担当者以外は中身を読めない。担当者が異動したあと、動いているZapが何をしているのか誰も説明できない | 属人化 |
この「結局人が確認している」という状態は、日本の一次調査でも数字に出ています。弥生株式会社が2026年3月に公表した調査(従業員100名未満の中小企業の経理担当者515名)では、AIツールを導入した企業の課題として「最終確認は人が必要で信用しきれない」が33.4%で1位、「結局人が全件チェックしており手間が減らない」が25.4%でした。株式会社TOKIUMの2026年5月の調査(経理・財務担当946名)では、仕訳入力に月平均20.1時間かかり、66.1%が「判断基準が属人化している」と答えています。株式会社アイルの2026年8月の調査(販売管理・在庫・受発注の担当587名)では、87.2%が業務の属人化を感じ、75.0%が「担当者不在で企業活動に影響が出た」と回答しています。
Zapier・Makeで「渡す」部分を自動化しても、「読んで決める」部分と「止まったら直す」部分は人に残ります。ここが限界の正体です。
限界のサイン|1つでも当てはまれば読み進めてください
- タスクやクレジットの上限に達して、月末まで止まったことがある
- エラー率が高くなり、Zapが自動でオフにされた通知メールを受け取ったことがある
- Zapierの分岐(Paths)が10分岐・3段で足りず、Zapを分割して管理している
- PDF・メール本文・添付Excelを人が読んで、内容を転記している
- 担当者が退職・異動したときに、接続認証が切れて止まった
- 英語の管理画面を触れるのが社内に1人しかいない
- 個人情報を含むデータが、海外のサーバーを経由していることを社内で確認していない
公式仕様で見るZapier・Makeの制限一覧(2026年9月時点)

出典: Make 公式サイト
「限界」の多くは、公式ヘルプに数字で書かれています。営業トークではなく、仕組みとして決まっている上限です。料金は米ドル建てのため、円換算は1ドル≒157円(2026年9月3日時点の参考レート)で計算しています。為替で変動します。
Zapierの制限(公式ヘルプ・料金ページより)
項目 | 制限値 | 業務への影響 |
|---|---|---|
1つのZapのステップ数 | 最大100ステップ(分岐内を含む) | 大きな業務フローは1本に収まらず、Zapを分割して管理することになる |
分岐(Paths) | 1つのPathsに最大10分岐、入れ子は3段まで。PathsはZapの最後のステップにしか置けない。無料プランでは使えない | 「取引先ごとに処理を変える」が10社を超えると組めない |
実行の遅延(ポーリング間隔=新着データを確認しに行く間隔) | 無料15分/Professional 2分/Team・Enterprise 1分 | 即時反応に対応していないアプリでは、必ずこの遅延が乗る |
大量データの保護(Flood protection) | 一度に100件以上発生すると保留。再実行は1秒1件 | 月初の一括データ、キャンペーン時の申込集中で止まる |
エラーによる自動停止 | 直近7日で20回超実行し、95%以上がエラーだとZapが自動オフ。猶予はTeam 24時間/Enterprise 72時間。無料・Professionalは猶予なし | 接続先の仕様変更で連続エラーになると、気づかないうちに止まる |
タスク上限到達 | 上限に達すると全Zapの処理が保留(次の請求サイクルまで動かない)。超過課金をオンにしても上限はプラン上限の3倍まで(例:750タスクのプランなら最大2,250)で、そこで停止 | 月の途中で全業務が止まる |
AI機能の消費(2026年6月15日〜) | AIステップはモデル階層で消費倍率が変わる。Standard 1倍/Advanced 3倍(既存ステップの移行先)/Premium 5倍(有料プランで新規作成時の既定)。1ステップが1回の実行で75タスクに達すると一時停止し、承認を求められる | AIで判断を組み込むほど、タスク消費が最大5倍に跳ねる |
実行履歴の保持 | 29〜69日(プランによる) | 監査や「いつから間違っていたか」の遡り調査に使えない |
データの保管場所 | 米国(AWSの米国東部データセンター、US-East-1)。別段の合意がない限り保管地域は選べない | 個人情報を国外で処理する扱いになる |
料金は、無料プラン(月100タスク・2ステップのみ)、Professional(年払いで月19.99ドル≒約3,100円・750タスクから)、Team(年払いで月69ドル≒約10,800円・2,000タスクから)です。月払いはそれぞれ29.99ドル・103.50ドルと割高になります。
Makeの制限(公式ヘルプ・料金ページより)
項目 | 制限値 | 業務への影響 |
|---|---|---|
1回の実行時間 | 無料5分/有料プラン40分(+猶予5分)。超えると強制中断 | 大量データの照合や重い処理は途中で切れる |
実行間隔 | 無料15分/有料1分 | 即時性が必要な業務には向かない |
同時に動かせるシナリオ | 無料は2本まで | 無料での本格運用はできない |
クレジット消費の乗算 | モジュール1実行=1クレジット。データが10件返ると、後続モジュールはそれぞれ10回実行される(公式の例:10件で合計31クレジット) | 件数が増えるほど消費が跳ね、月の途中で上限に達する |
データ転送量 | 無料512MB/有料は10,000クレジットあたり5GB | ファイルを多く扱う業務は転送量で先に上限に当たる |
ファイルサイズ | 5MB/100MB/250MB/500MB/1,000MB(プラン順) | 大きなPDFや画像は扱えない |
不完全実行の保存領域 | 領域が満杯になると、Makeがシナリオを無効化しスケジュールを停止 | 「エラーを溜めたまま放置」すると、ある日勝手に止まる |
ログの保持 | 既定30日(Enterpriseは延長可) | 1ヶ月より前の処理内容を遡れない |
データの保管場所 | AWS上のEU/米国ゾーン(組織単位で選択)。日本の保管地域はない | 同上 |
料金は、無料(月1,000クレジット)、Core(年払いで月9ドル≒約1,400円)、Pro(月16ドル≒約2,500円)、Teams(月29ドル≒約4,550円)で、いずれも月10,000クレジットからです。月払いは年払いより15%以上高くなります。なお、課金単位の呼び名は2025年に「オペレーション」から「クレジット」に変わっています。
数字にならない構造的な限界
上の表に出てこない、もっと本質的な限界が2つあります。
1つ目は、「if-then」で書けない判断は組めないことです。Zapier・Makeは「Aが起きたらBをする」の道具です。「この注文書の品番は、うちの商品マスタのどれに当たるか」「この問い合わせは営業に回すべきか、サポートに回すべきか」といった、入力ごとに文脈を読む判断は、条件分岐をいくら重ねても書ききれません。
2つ目は、各実行が独立していて、前回のことを覚えていないことです。「先月も同じ取引先から同じ間違いがあった」「この案件は前回、特別対応した」といった経緯は、標準機能では扱えません。補助機能(Zapier Tables、Makeのデータストア)で擬似的に持てますが、設計と保守の負担が増えます。
限界を迎えた業務を自動化し直すと何がどう変わるか
Zapier・Makeに残す部分と、AIエージェントに移す部分を分けると、業務の流れは次のように変わります。3つとも当社によく相談される種類の業務で、作業時間は例です。
業務 | 今の状態(Zapier・Make+人) | 自動化し直したあと |
|---|---|---|
注文書(PDF添付メール)の基幹システム登録 | メール受信→保存までは自動。中身を読んで品番・数量を基幹システムに入力するのは人(月20時間) | AIが注文書を読み取り、商品マスタと照合して登録。品番が特定できないものだけ担当者に確認を求める |
請求書PDFと発注データの照合 | 請求書を1つのフォルダに集めるまでは自動。金額・案件との突き合わせは人が目視(月25時間) | AIが金額・日付・案件を突き合わせ、差異があるものだけ一覧にして通知。一致したものは承認待ちに回す |
問い合わせフォームの一次振り分け | 全件をチャットに通知するところまで自動。誰が対応するかは人が読んで判断(月15時間) | AIが内容を読んで担当部署へ振り分け、回答案を下書き。返金など影響の大きい判断は人の承認を残す |
ポイントは、Zapier・Makeを捨てないことです。「メールを受け取る」「フォルダに保存する」「チャットに通知する」は今のまま残し、「読んで決める」部分だけをAIエージェントに差し替えます。Zapier・Makeからの受け渡しはWebhook(システム間の連絡窓口)で行えるため、既存のZapやシナリオを作り直す必要はありません。
もう1つ変わるのは、「止まったときに誰が直すか」です。Zapier・Makeでは、止まったことに気づくのも直すのも社内の担当者です。当社のAIエージェントでは、判断できない案件や処理が完了しなかった案件があった時点で止めて担当者に通知し、技術的なエラーの調査・復旧と軽微なルール調整は月額の範囲内で当社が行います。担当者の仕事は「自分で実行して直す」から「上がってきた結果を確認して承認する」に変わります。
削減できる時間と金額の試算|月何時間×人件費で回収期間を出す
ここが最も大事な判断材料です。Zapier・Makeで限界を迎えた業務が、人件費で月10万円に届かない規模のもの1つだけなら、AIエージェントに移しても元は取れません。 正直に計算します。
前提は、人件費を時給3,000円換算(社会保険料など会社負担分を含めた目安)、AIエージェントの費用を初期100万円+月額10万円(税別・10名規模の構成)とします。
単一業務の場合(元が取れない例)
TOKIUMの調査にある「仕訳入力 月20.1時間」を1つだけ自動化する場合、削減額は月20時間×3,000円=月6万円です。月額10万円を下回るため、初期費用はいつまでも回収できません。この規模なら、Zapier・Makeのままで人の確認を残すか、手作業を続けるほうが安く済みます。
複数業務を束ねる場合(元が取れる例)
前の章の3業務をまとめて移す場合です。
業務 | 月の作業時間 | 時給3,000円換算 |
|---|---|---|
注文書の読み取りと基幹システム登録 | 20時間 | 6万円 |
請求書の照合 | 25時間 | 7.5万円 |
問い合わせの一次振り分け | 15時間 | 4.5万円 |
合計 | 60時間 | 月18万円(年216万円) |
- 月の純削減額:18万円 − 月額10万円 = 8万円
- 初期費用の回収:100万円 ÷ 8万円 = 約12.5ヶ月
- 2年目以降:年間96万円の純削減
さらに、Zapier・Makeの運用にかかっている「見えない時間」も足せます。接続認証の更新、エラー時の復旧、接続先の仕様変更への追従に月5時間かかっていると仮定すると1.5万円で、純削減は9.5万円、回収は約10.5ヶ月に縮みます。この5時間は当社の仮定なので、御社の実績に置き換えてください。
30名規模の場合
月額20万円の構成になるため、対象業務を月100時間以上(月30万円相当)束ねる必要があります。純削減10万円で、回収は約10ヶ月です。
計算式は次の1本です。御社の数字を入れて、回収期間を出してみてください。
回収月数 = 初期費用100万円 ÷(月の削減額 − 月額10万円)
月の削減額が10万円を下回るなら、現時点では移さないほうが正解です。後述する「境界線」で、束ねられる業務がほかにないかを先に確認してください。
自動化できる業務・できない業務の境界線
「Zapier・Makeで十分」「AIエージェントに移す価値がある」「どちらでも無理」の3列で整理します。御社の業務を当てはめてください。
観点 | Zapier・Makeで十分(残す) | AIエージェントに移す価値がある | どちらも向かない |
|---|---|---|---|
入力の形 | 毎回同じ形式(フォーム、CSV、システムの通知) | PDF・メール本文・書式のばらつくExcelなど、形が揃わない | 紙・FAX・対面が前提で、デジタル化されていない |
処理の中身 | 「Aが起きたらBに書く」の転記・通知 | 内容を読んで分類・照合・下書きする | 最終的な決裁そのもの(承認・契約判断) |
判断の性質 | 正解が1つに決まる(ルールで書ける) | 判断ルールは言葉で説明できるが、条件分岐では書ききれない | 毎回例外で、担当者本人も基準を説明できない |
件数 | 月数百件以下で安定 | 件数が増え続け、課金が跳ねている | — |
経緯の扱い | 前回のことを覚えている必要がない | 「前回どう処理したか」を踏まえる必要がある | — |
間違いの影響 | 小さい(通知が1件飛ばない程度) | 中程度。要確認分だけ人が見ればよい | 大きい(人の承認を外せない) |
費用感 | 月1,400〜16,250円 | 初期100万円+月10万円〜 | — |
3列目の「どちらも向かない」は重要です。株式会社アイルの調査では、販売管理・受発注の現場で48.0%が紙、35.4%がFAXを使っています。紙で届く注文書をスキャンする運用に変えれば2列目に移りますが、その運用変更なしにAIだけ入れても動きません。また、「最終決裁をAIに委ねたい」という相談は当社ではお断りしています。AIエージェントが担うのは「読んで、整えて、決裁できる状態にする」までです。
実現する方法は3つある
限界を迎えた業務への打ち手は3つあり、それぞれ合う条件が違います。当社はAIエージェントを提供していますが、1つ目・2つ目のほうが正解になる業務も多くあります。
方法1:Zapier・Makeに残したまま改善する
多くの「止まった」は、設定の見直しで減らせます。
- エラー処理を組む:Makeならエラーハンドラー(エラー時の動きを決めておく機能)、Zapierならエラー時の通知ステップを追加し、1件の例外で全体を止めない
- 前処理で形を揃える:ZapierのFormatter(データ整形機能)、MakeのIterator/Aggregator(複数件を1件ずつに分ける・1つにまとめる機能)で、件数の乗算と表記ゆれを吸収する
- 先頭で件数を絞る:フィルターを最初に置き、不要なデータに課金しない
- 接続認証の管理を個人から切り離す:共有アカウントで接続し、退職・パスワード変更で止まらないようにする
- プランを上げる:Team(Zapier)なら実行間隔1分・エラー猶予24時間・共有ワークフローが使える
費用は月1,400円〜16,250円程度(プランによる)。合うのは、判断が要らず、件数が安定している業務です。合わないのは、「読んで決める」部分が残っている業務で、こちらはどれだけ設定を工夫しても人の確認がなくなりません。
なお、タスク課金そのものが問題なら、n8n(ワークフロー1回=1実行で数え、ステップ数は問わない。クラウド版は年払いで月20ユーロから。自社サーバーに置く版は無料)やMicrosoft Power Automate(Premiumが1ユーザー月2,248円)といった選択肢もあります。ただし、n8nの自社運用はサーバーの保守とセキュリティ責任が自社に移り、Power Automateの無人型(ボット1体あたり月22,488円)はRPAに近い設計の手間がかかります。いずれも「判断が要る」問題は解決しません。
方法2:API連携を自社開発する(受託開発・社内エンジニア)
Zapier・Makeを介さず、システム同士を直接つなぐプログラムを作る方法です。事業会社の公開価格(GXO)では、単一システムとの連携が30〜100万円(1〜4週間)、複数システムの連携が100〜300万円(1〜3ヶ月)、業務フロー全体の連携が300〜600万円(2〜6ヶ月)、保守が月12〜33万円です。中小企業向けの小規模な自動化(Google Apps Scriptなど、スプレッドシートを動かす簡易プログラム)なら10〜30万円という公開例もあります。
AIzen(AI・DXコンサル)は、移行を検討するラインを「月額2万円を超え、かつ同じ業務を3年以上続ける見込み」とし、Zapierで年25万円かかっていた連携をAPI連携に置き換えて年5万円以下にし、初期60万円を2年4ヶ月で回収した例を公開しています。
合うのは、仕様が固定で件数が多く、長期間変わらない連携です。合わないのは、判断が要る業務(プログラムでもif-thenであることは変わらない)、社内にエンジニアがおらず保守を頼めない場合、連携先のシステムが頻繁に変わる場合です。
方法3:AIエージェントに移す
「読んで決める」部分をAIに任せ、通知・保存・転記はZapier・Makeや既存システムに残す方法です。事業会社が公開している相場(GXO、アイドマ・ホールディングス、DX-KINGの3社でほぼ一致)は、既製のSaaS型が初期0〜30万円+月数千円〜10万円、業務に合わせて組むノーコード・API連携型が初期50〜300万円+月10〜50万円、フルカスタム開発が初期300〜1,500万円以上+月30〜100万円以上です。
合うのは、境界線の表の2列目に当たる業務で、かつ複数の業務を束ねて月10万円以上の削減が見込める場合です。合わないのは、単一の小さな業務、紙が前提の業務、最終決裁を委ねたい場合です。
費用の目安

3つの方法と、当社の価格を同じ表に並べます。すべて税別、米ドル建てのものは1ドル≒157円で換算しています。
方法 | 初期費用 | 月額 | 導入期間 | 判断が要る業務 |
|---|---|---|---|---|
Zapier Professional(年払い) | 0円 | 約3,100円〜(750タスク) | 即日 | 不可 |
Zapier Team(年払い) | 0円 | 約10,800円〜(2,000タスク) | 即日 | 不可 |
Make Core/Pro/Teams(年払い) | 0円 | 約1,400円/2,500円/4,550円〜(10,000クレジット) | 即日 | 不可 |
n8n Cloud Starter/Pro(年払い) | 0円 | 20ユーロ/50ユーロ | 即日 | 不可 |
Power Automate Premium | 0円 | 1ユーザー2,248円 | 数日〜 | 不可 |
API連携の自社開発(GXO公開価格) | 30〜600万円 | 保守12〜33万円 | 1週間〜6ヶ月 | 不可 |
AIエージェント SaaS型(相場) | 0〜30万円 | 数千円〜10万円 | 数日〜数週間 | 限定的 |
AIエージェント ノーコード・API連携型(相場) | 50〜300万円 | 10〜50万円 | 1〜3ヶ月 | 可 |
AIエージェント フルカスタム開発(相場) | 300〜1,500万円以上 | 30〜100万円以上 | 3ヶ月〜 | 可 |
シゴハヤエージェント(当社) | 100万円 | 10〜50万円(10名規模10万円/30名規模20万円) | 1〜2ヶ月 | 可 |
当社のシゴハヤエージェントは、上の表では「ノーコード・API連携型」の帯に入ります。月額は処理量に連動し、10名規模で月10万円、30名規模で月20万円で、AIの処理枠(月1,000万〜1.2億トークン)を含みます。Zapier・Makeのように件数が増えたら翌月止まる、AIを混ぜたら消費が5倍になる、という構造ではありません。
料金表を見て「Zapierの月3,100円と比べて高い」と感じたなら、その感覚は正しいです。前述のとおり、Zapier・Makeで回る業務はZapier・Makeに残してください。当社に移す意味があるのは、月10万円を超える人件費がかかっている「読んで決める」業務だけです。
実際にやった事例|調剤薬局のケース

当社が支援した調剤薬局のケースです(守秘のため社名は非公開です)。Zapier・Makeで組もうとすると、書式のゆれで止まるか、店舗の数だけシナリオを作ることになる、典型的な種類の業務でした。
課題
複数店舗を展開する調剤薬局で、レセプトコンピュータ(保険請求用のシステム)、在庫管理システム、本部の集計用Excelが別々に動いていました。各店舗のスタッフが日次で在庫の受払いを在庫管理システムに入力し、週次で本部提出用のExcelに転記していました。問題は、Excelの書式が店舗ごとに微妙に違うことです。項目名が「錠数」「数量」「個数」と店舗によってばらつき、列の並びも揃っていませんでした。本部側では転記そのものより、この書式のゆれを整える作業に毎週時間を取られていました。
この業務をZapier・Makeで自動化しようとすると、店舗ごとに分岐を作って書式を読み替えるか、書式を全店で統一させるかのどちらかになります。前者は店舗が書式を少し変えるたびにエラーで止まり、後者は現場に負担を強いて結局守られません。「読み替えられるものは読み替え、無理なものだけ人に聞く」という動きは、条件分岐では書けませんでした。
作ったもの
各店舗から上がってくるファイルとシステム上のデータを自動で取得し、本部の集計フォーマットに揃えて統合する仕組みを構築しました。項目名の表記ゆれはルールを定義して吸収し、ルールで判断できないデータだけを「要確認」として本部担当者のチャットに通知する設計です。統合後は差異チェックまで自動で行い、結果を日次レポートとして関係者に配信します。店舗が書式を少し変えても、エラーで止まるのではなく、解釈できる範囲は処理し、できない部分だけ人に回します。
何がどう変わったか
本部の担当者が週次で行っていた整形・集計作業がなくなり、確認と例外対応だけの運用になりました。店舗側の転記作業も不要になっています。担当者の仕事は「自分の手で実行する」ことから「上がってきた結果を確認して承認する」ことに変わりました。加えて、週次でしか把握できなかった在庫の差異が日次で分かるようになり、発注のタイミングを早められています。作業時間の削減より、判断が早くなったことのほうが評価されました。
医療機関やインフラ企業でも、複数システムをまたぐ照合・転記の自動化を手がけています。同じ種類の業務は、システム間のデータ転記の自動化、Excel集計の自動化、CRM入力の自動化でそれぞれ詳しく解説しています。
導入までの流れと期間

出典: AI革命 公式サイト
標準で1〜2ヶ月です。Zapier・Makeをすでに使っている会社は、業務の流れがZapやシナリオの形で残っているため、棚卸しが早く進みます。
段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
① Zap・シナリオの棚卸し(無料相談) | 動いているZap・シナリオの一覧、月のタスク・クレジット消費、止まった履歴、人が手を入れている箇所を確認。削減額と回収期間の試算を提示 | 1〜2週間 |
② 残す・移すの切り分けと見積 | 境界線の表に当てはめ、AIエージェントに移す業務だけを対象にする。Zapier・Makeに残す業務も明確にし、必要ならプランの引き下げも提案 | 1週間 |
③ 構築 | 判断ルールを文章に落とし、AIエージェントを構築。既存のZap・シナリオは止めずに、Webhookで受け渡す接続を作る | 3〜5週間 |
④ 並走運用 | 今の運用(Zapier・Make+人)とAIエージェントを同時に動かし、結果を突き合わせる | 2週間 |
⑤ 本稼働 | 突き合わせで差異がなくなってから切り替え。移した部分のZap・シナリオをオフにし、タスク消費が減った分プランを下げる | — |
①の段階で、削減額が月10万円に届かないと分かった場合は「今のZapier・Makeを改善してください」とお伝えして終わります。契約が発生するのは②の見積に合意してからです。相談はシゴハヤエージェントのページから受け付けています。
よくある質問
Q1. Zapierが突然止まりました。まず何を確認すべきですか?
順番は4つです。(1) Zap履歴で、ステータスが「保留(held)」か「エラー」かを見る。保留ならタスク上限、エラーなら接続先の問題です。(2) 管理画面のタスク使用量を見て、上限に達していないか確認する。(3) 接続設定(Connections)で、GoogleやCRMの認証が切れていないか確認する。担当者のパスワード変更や退職が原因のことが多いです。(4) Zapierからの「Zapがオフになりました」というメールを探す。7日で95%以上がエラーだと自動でオフになるため、接続先の仕様変更が起きていないかを疑ってください。保留になった処理は消えてはおらず、上限が回復すれば再実行できます。
Q2. Makeのクレジットが月の途中で切れました。どうすればよいですか?
短期の対処は、追加クレジットの購入(1,000または10,000単位)か、自動購入をオンにすることです。根本の対処は消費の見直しです。Makeはデータ件数×モジュール数で消費が乗算されるため、シナリオの先頭にフィルターを置いて不要な件数を落とす、Aggregatorで複数件を1つにまとめてから後続に渡す、実行間隔を1分から15分に広げる、の3つで大きく減らせます。それでも毎月切れるなら、その業務は件数の増え方がツールに合っていません。
Q3. Zapier・Makeを残したまま、AIエージェントを併用できますか?
できますし、それが標準の構成です。「フォームに入ったら通知する」「ファイルをフォルダに保存する」といった単純な受け渡しはZapier・Makeに残し、「保存されたファイルを読んで基幹システムに登録する」といった判断を含む部分だけをAIエージェントが受け持ちます。Zapier・MakeからはWebhookで呼び出せるため、既存のZapを1ステップ足すだけで接続できます。全部を移すより、費用も期間も小さく済みます。
Q4. データが米国やEUのサーバーに保管されるのは、日本の会社として問題ですか?
法的な判断は専門家に確認していただく前提で、確認事項として整理します。Zapierは米国(AWS US-East-1)、MakeはEUまたは米国のゾーンにデータを置き、日本の保管地域はありません。個人情報を含むデータが通る場合、個人情報保護法の「外国にある第三者への提供」に当たらないかを社内で確認しておく必要があります。取引先との契約や社内規程で「国外保管を禁止」している場合は、その業務はZapier・Makeに載せられません。当社では構築時に、データの保管場所とAIの学習に使われない構成であることを契約で確認したうえで設計します。詳しくはAIエージェントのセキュリティ対策にまとめています。
Q5. Zapを作った担当者が退職しました。英語の画面を引き継ぐにはどうすればよいですか?
3つやってください。(1) 動いているZap・シナリオの一覧を作り、それぞれ「何を、いつ、どこからどこへ」を日本語で1行ずつ書く。Zapierには説明欄があるので、そこに残す。(2) 接続認証(Connections)の名義を確認する。退職者個人のGoogleアカウントで接続しているZapは、アカウント停止と同時に止まります。共有アカウントに切り替えてください。(3) 「止まっても困らないZap」と「止まると業務が止まるZap」に分ける。後者だけを、残す・作り直す・移すの判断対象にしてください。当社に相談いただく場合も、この一覧があると棚卸しが1週間短くなります。
Q6. AI by ZapierやMakeのAIエージェント機能を使えば、外部のAIエージェントは不要ではありませんか?
「1ステップだけ判断を挟む」なら十分な場合があります。たとえば問い合わせ本文から緊急度を3段階に分類する、程度の処理です。ただし2つ注意があります。Zapierは2026年6月15日からAIステップの消費がモデル階層で1〜5倍になり(有料プランで新しく作るステップは既定が5倍)、1ステップが75タスクに達すると一時停止して承認を求められます。Make AI Agentsは全プランで使えますが、2026年2月に公開された新版はオープンベータで、機能や料金が変わる可能性があります。「業務全体を任せて、例外だけ人に回す」規模になると、タスク消費と設計の手間が急に増えます。線引きは、AIに渡す判断が1ステップで済むか、前後の照合や経緯の参照まで含むかです。
Q7. n8nを自社サーバーに置けば、タスク課金の問題は消えますか?
課金の問題は消えます。n8nの自社運用版は無料で、ワークフロー1回=1実行で数えるためステップ数の乗算もありません。代わりに、サーバーの用意・更新・バックアップ・セキュリティ対応の責任が自社に移ります。社内にエンジニアがいない会社では、これが新しい属人化になります。また、n8nもif-thenの道具である点は同じで、「読んで決める」問題は解決しません。エンジニアがいて、判断の要らない大量連携をやりたい会社には良い選択肢です。
Q8. IT導入補助金などは使えますか?
制度は年度ごとに対象や締切が変わるため、この記事では断定しません。相談時点での公募状況を確認したうえで、使える可能性があればご案内します。補助金ありきで対象業務を広げるより、回収期間の式で「補助金なしでも回収できる業務」を選ぶほうが、結果的に失敗しません。中小企業向けの制度の考え方は中小企業のAI自動化で扱っています。
Zapier・Makeの限界に突き当たっている方へ
Zapier・Makeの限界は、ツールの欠陥ではなく「渡す」道具に「読んで決める」仕事をさせようとしたときに現れます。渡す部分は今のまま残し、読んで決める部分だけを別の仕組みに移す。これが最も安く、最も早い解決です。
- PDF・メール本文・書式のばらつくファイルを、人が読んで転記している
- 「結局人が全件確認している」業務が2つ以上ある
- それらの作業時間を足すと、月30時間を超えている
この3つに当てはまるなら、シゴハヤエージェントで初期100万円+月額10万円(税別・10名規模)から自動化し直せ、試算上は1年前後で投資を回収できます。当てはまらない場合は、正直に「今のZapier・Makeを改善したほうがよい」とお伝えします。
まずは、今動いているZap・シナリオの一覧と、人が手を入れている箇所、月の作業時間をお聞かせください。削減額と回収期間の試算、残す・移すの切り分けを、無料でご提示します。
補助金の枠内で導入できる範囲を試算します
補助金前提で相談するこの記事の著者

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