ビジネス活用2026年10月更新

ポイントシステムの導入費用|既製サービスで足りる条件と、自社で作る範囲・会計と不正対策【2026年10月】

公開日: 2026/10/20
ポイントシステムの導入費用|既製サービスで足りる条件と、自社で作る範囲・会計と不正対策【2026年10月】

この記事のポイント

ポイントシステムの導入費用を、POS・決済の付属機能で足りる条件から整理。Square等の公式料金、ポイントの原資、契約負債と有効期限、二重付与を防ぐテスト、POS・EC連携、当社の改修100万円〜・PoC300万円〜(税別)まで解説。

1つのPOSレジや決済サービスの中でポイントを付けて使うだけなら、開発は要りません。付属のポイント機能で月2,000円〜(Square ロイヤルティ、1店舗・来店500回まで)から始められます。店舗とECの残高を1つにしたい、独自の会員ランクや付与ルールがある、経理が毎月ポイントの残高と失効を出す必要がある、という場合に、既存システムとの連携や作り込みを検討します。当社(AI革命)に頼む場合の公開価格は、既存システムの改修が100万円〜、PoC(本番前の検証)が300万円〜、本開発は個別見積です(すべて税別。クラウド・外部API・ライセンスなどの実費は別)。

もう1つ、どの方法を選んでも、付与したポイントそのもの(原資)の負担はかかります。仮定の試算では、システムの利用料よりも原資のほうが大きくなります(下の試算を参照)。

この記事は、店舗・EC・サービス業の販促責任者や事業責任者に向けて書いています。既製のポイントサービスや会員アプリを調べたものの、自社のランク・付与ルール・店舗とECの共通化ができるか分からない、という状況を想定しています。会員登録・マイページ・月額課金の仕組みを作りたい場合は、会員サイトの開発を依頼するにはが近いテーマです。

選べる方法は5つあり、費用のかかり方が違う

LINE公式アカウントのショップカード機能の画面イメージ

出典: LINEヤフー for Business 公式サイト

「ポイントシステムの導入」には、全部を作る以外の選び方があります。先に並べておきます。

方法

合う状況

費用のかかり方

① POS・決済・LINEに付いているポイント機能を使う

1つのPOSやサービスの中で付与と利用が終わる

月額(店舗数・来店数で変わる)+原資

② ポイント・会員アプリのサービス(SaaS)を契約する

アプリで会員証・クーポン・ランクを出したい。設定でルールを表せる

初期費用+月額+原資。料金を公開していないサービスもある

③ 既製サービスを残し、POS・EC・会計とのつなぎだけ作る

ポイントの画面は既製で足りるが、手入力や数字の突き合わせが残る

月額+連携の開発費+原資

④ 今の会員管理・EC・販売管理にポイント機能を追加する

自社用のシステムが既にあり、会員IDもそこにある

改修費(当社は100万円〜・税別)+原資

⑤ 自社のルールに合わせてポイントの台帳から作る

ランク・付与ルール・店舗とECの共通化・会計の数字が既製サービスの設定で表せない

開発費+運用の実費+原資(当社は本開発が個別見積。ルールや連携を先に確かめるならPoC 300万円〜)

①②で足りるなら、開発は要りません。この記事では、①②で足りるかを判断する条件と、③〜⑤を選ぶときに決めることを順に説明します。

既製サービスで足りる条件・作り込みが要る条件(確認表)

自社の状況を1行ずつ当てはめてください。右の列に当てはまる行が多いほど、③〜⑤の検討が要ります。

条件

既製サービスで足りやすい

作り込み・連携を検討する

使う場所

店舗だけ、または1つのPOS・決済サービスの店舗とネットショップ

店舗のPOSとECが別の会社のサービスで、残高を1つにしたい

付与の基準

購入金額・来店回数・特定の商品

商品・カテゴリごとの付与率、曜日・時間帯、組み合わせ購入、紹介

会員ランク

使わない、または製品のランク機能で表せる

年間購入額で翌年のランクが決まる、ランクごとに付与率や特典が変わる

付与の確定

購入時にすぐ付ける

返品できる期間が過ぎてから確定する(仮付与)

有効期限

一律、または製品の設定で表せる

付与分ごとの期限、最終利用から延長、期間限定ポイントの併用

会員ID

1つのサービスの会員だけ

基幹システム・EC・LINE の会員IDを同じ人として扱う必要がある

経理への数字

付与・利用の件数が少なく、管理画面の集計で足りる

毎月、付与・利用・失効・残高を区分ごとに出す。監査や顧問税理士に説明する

お金を払って買うポイント

扱わない

チャージや有償ポイントを無償ポイントと併用する

確認表のほとんどが左の列なら、①②を試してください。開発の相談より先に、次の手を打つほうが費用を抑えられます。

  • 付与と利用が1つのPOSの中で終わる:そのPOSや決済サービスのポイント機能から試します
  • 使いたいルールが既製サービスの設定に入っている:作り込みと、数年分の利用料を同じ期間で比べ、利用料のほうが安ければ既製サービスのままが妥当です
  • 他社が運営する共通ポイントに加盟したい:加盟の条件は各運営会社の窓口で確かめます。自社でポイントの台帳を作る話ではありません
  • 課題が会員登録やマイページ、月額課金にある:ポイントより会員の仕組みの話です。今のWebサービスに会員・課金機能を追加する方法が近いテーマです

既製サービスの公式料金と、できること(2026-10-20 に公式ページで確認)

POSレジ・決済サービス Square のロゴ

出典: Square 公式サイト

POSや決済に付いているポイント機能のうち、公式ページで料金を確認できたものを並べます。順位づけやおすすめではなく、費用のかかり方と制約を見るための表です。

項目

Square ロイヤルティ

PayPayマイストア ライトプラン

LINE公式アカウント ショップカード

料金

店舗ごと・暦月の来店数で決まる。0〜500回 月2,000円/501〜1,500回 月8,000円/1,501〜10,000回 月12,000円。それより多い場合は営業に相談

初期費用1,980円/加盟店、月額1,980円/店舗(非実店舗は月額なし)。クーポン利用料はクーポン利用取引額の3%。スタンプカード利用料は特典の原価と同額

今回確認した公式コラムに料金の記載なし

税

ページに記載なし

税別

—

付与の仕方

購入した商品・購入金額・来店回数から選ぶ。Square のPOSレジやオンラインビジネスでの会計時に電話番号で付与

スタンプカードの特典として PayPayポイントなどを渡す

店頭のQRコードを読み取って付与

使える範囲・制約

獲得したポイントを使える範囲を自分のお店だけに限定できる(公式の記載)

自社独自のポイント残高ではなく、PayPayポイント等で還元する仕組み。原資は加盟店が負担

友だち追加が必要。1日1回まで・一定時間内の再取得の防止を設定できる

出典:Square ロイヤルティの料金、PayPayマイストア 料金、LINEヤフー for Business ショップカードの解説(いずれも2026-10-20確認)

  • Square ロイヤルティは、Square のPOSとオンラインビジネスの中で完結する場合に合います。他社のPOSや他社のECの会員と残高を共通にする方法は、確認したページに書かれていませんでした
  • PayPayマイストアは、スタンプカードの利用料とは別に、特典の原資を加盟店が負担すると書かれています。決済の手数料も別です
  • ショップカードの会員ランク、POSとの連携、外から残高を読み書きする窓口(API)の有無は、確認したページに書かれていませんでした。必要なら公式の窓口で確かめてください。LINEの会員と自社の顧客管理をつなぐ場合はLINE公式アカウントと自社の予約・顧客管理をつなぐ方法を参考にしてください
  • ポイント・会員アプリのサービス(②)は、今回調べた範囲では公式ページで料金を確認できない製品があり、比較記事の金額も記事ごとに食い違っていたため、この記事では金額を載せていません。見積を取るときは、初期費用・月額・店舗や会員数による変動・カスタマイズの費用を分けて出してもらってください
  • 各社の情報は確認日時点の公式サイトの記載です。最新は各社にご確認ください

どの方法でもかかる「ポイントの原資」(仮定に基づく試算)

ポイントシステムの費用というと利用料や開発費に目が行きますが、付与したポイントは、使われたときに値引きと同じ負担になります。既製サービスでも、自社で作っても変わりません。

下の表は仮定に基づく試算(説明用) です。前提は、3店舗・税抜の売上が月1,000万円・付与率1%(1ポイント1円)・付与したポイントのうち最終的に使われる割合(利用見込み率)70%です。

項目

計算

金額

毎月付与するポイント

1,000万円×1%

10万円分

そのうち使われる見込み

10万円×70%

月7万円(年84万円)

付属機能の利用料(Square ロイヤルティで、各店の来店が501〜1,500回の場合)

8,000円×3店舗

月24,000円(年288,000円・税の記載なし)

この前提では、原資の負担は利用料のおよそ3倍です。付与率を1%から2%に上げれば、原資も倍になります。どの方法を選ぶかより先に、付与率と有効期限を決めることが費用を左右します。

ポイントの会計と有効期限:システムが毎月出す数字

ポイント残高や失効額の集計をイメージした電卓とペン

経理が困るのは、ポイントの残高と失効を月ごとに説明する場面です。ここが既製サービスの管理画面の集計で足りるかどうかは、確認表の「経理への数字」の行で分かれます。

売上の一部を「まだ渡していない価値」として残す

収益認識会計基準を適用する会社では、商品を売ったときに付与し、顧客にとって重要な権利になるポイントは、別の約束として扱い、売上の一部の計上を繰り延べます。繰り延べた分は契約負債(まだ渡していない価値)として残し、ポイントが使われたときなどに売上にします。商品の販売に伴うポイントを、ポイント引当金で計上する方法は認められなくなりました。一方、来店ポイントや入会ポイントのように商品の販売に伴わないものは、引当金の対象と考えられます。他社が運営する共通ポイントを付与する場合は、その分を未払金とし、売上から除きます(TKC 連結会計コラム、2026-10-20確認)。

自社がどの会計基準で処理するかは会社によって違います。顧問税理士・監査法人に確かめてください。システムの側では、どの基準で処理しても必要な数字を出せるようにしておくことが大事です。

架空の月次台帳(説明用)

下の表は説明用の架空データです。ある月のポイントの動きを、システムが出すべき区分で並べました。

区分

ポイント数

月初の残高

250,000

当月の付与(商品の販売に伴うもの)

92,000

当月の付与(来店・入会など、販売に伴わないもの)

8,000

当月の利用

65,000

当月の失効

8,000

返品による取消

2,000

月末の残高

275,000

250,000+92,000+8,000−65,000−8,000−2,000=275,000 です。付与を「販売に伴うもの」と「伴わないもの」に分けて持っていないと、上の会計の扱いの違いに合わせられません。

利用見込み率で、繰り延べる額が変わる(仮定に基づく試算)

契約負債の額は、ポイントがどれだけ使われそうかの見積もりで変わります。前の試算と同じ、税抜売上1,000万円・付与10万ポイントで、利用見込み率だけを変えた仮定に基づく試算(説明用) です。ポイントの価値(10万ポイント×利用見込み率)と商品の価格の比で売上を分けています。

利用見込み率

ポイントの価値

契約負債(繰り延べる額)

当月の商品の売上

50%

50,000円

49,751円

9,950,249円

60%

60,000円

59,642円

9,940,358円

70%

70,000円

69,513円

9,930,487円

80%

80,000円

79,365円

9,920,635円

90%

90,000円

89,197円

9,910,803円

計算式:契約負債=1,000万円×ポイントの価値÷(1,000万円+ポイントの価値)。例えば70%なら、1,000万円×70,000÷10,070,000=69,513円です。

利用見込み率を10ポイント動かすと、この前提では繰り延べる額が月におよそ1万円変わります。見込み率は勘ではなく、過去に付与したポイントがどれだけ使われ、どれだけ失効したかの実績から見積もります。そのためシステムには、付与した月ごとに、その後いくら使われ、いくら失効したかを追える記録が要るのです。付与・利用の合計だけを持つ作りだと、経理が毎月この見積もりを手作業で作ることになります。

有効期限の決め方で、作るものが変わる

有効期限の決め方

システムがすること

決めておくこと

付与日から一律◯か月

付与した分ごとに期限を持ち、期限の来た分を毎日失効させる。使うときは期限の近い分から減らす

失効前に知らせるか、いつ・どの方法で知らせるか

最後に買った日から◯か月

購入のたびに全残高の期限を延ばす

延長の対象になる購入(少額の購入でも延ばすか)

年度末などに一括失効

決まった日に対象の残高をまとめて失効させる

一括失効の直前に付与した分の扱い

期間限定ポイントを併用

通常ポイントと期間限定ポイントを別々に持つ

使うときにどちらから減らすか

期限の決め方を後から変えると、それまでに付与した分をどう扱うかが問題になります。会員規約の変更も伴うので、最初に決め、変える場合は法務に確かめてください。

お金を払って買うポイント・チャージを混ぜる場合

買い物に伴って無償で付けるポイントと、お金を払って買うポイント(チャージ残高)は、法律上の扱いが違います。ある事業者の照会に対して、無償で付与するポイントは対価を得て発行していないため、資金決済法の前払式支払手段に当たらず、発行保証金の供託などの義務もないと回答された例があります(経済産業省 グレーゾーン解消制度の回答、2016-07-05)。

一方、お金を払って買うポイントは前払式支払手段に当たる場合があります。自社の店だけで使える形(自家型)では、基準日(毎年3月31日・9月30日)の未使用残高が初めて1,000万円を超えると、基準日の翌日から2か月以内に発行保証金の供託や保全契約を済ませ、財務局に届け出る必要があります(関東財務局 前払式支払手段、2026-10-20確認)。

有償ポイントを扱うなら、設計の前に法務に確かめてください。システムの側で必要なのは、無償の残高と有償の残高を分けて持ち、基準日の未使用残高を出せることです。後から分けるのは難しいので、最初から分けておきます。

二重付与・不正を防ぐ設計と、受け入れ時に確かめるテスト

ポイントの不正利用対策をイメージしたキーボード上の南京錠

ポイントの不具合は、付けすぎ・戻し忘れ・使いすぎの形で出ます。2026年には、世田谷区のせたがやPayで、令和8年2月のシステム改修のあと、ポイントを計算するときの月間上限の判定が正しく行われず、3月〜5月分の付与で上限を超えたポイントが付与されていたと公表されています。区は対象者に知らせ、未回収のポイントは同意を得て回収するとしています(世田谷区 せたがやPayのポイント誤付与について、2026-10-20確認)。ルールを変える改修のあとほど、同じテストを流し直す必要があります。

下の表は、開発を頼むときに「受け入れのテストに入れてほしい」と伝える項目の例です。判定の条件を書いていますが、当社がこの表のテストを実際に行った結果ではありません。

起きる場面

何が起きるか

防ぎ方

受け入れ時に確かめること

POSの通信が切れて、同じ会計データが再送される

1回の会計に2回付与される

取引番号ごとに1回だけ受け付ける

同じ取引データを2回送り、付与が1回分だけか

返品・取消

付与したポイントが残ったままになる

元の取引にひもづけて付与を取り消す

返品データで元の付与が差し引かれ、履歴に残るか

付与したポイントを使ったあとに返品

取り消す分が残高より多い

扱いを先に決める(下の例)

決めた扱いどおりになるか

店舗とECで同じ会員が同時に使う

残高を超えて使われる

利用の確定を1か所(ポイントの台帳)で行う

同じ会員で同時に2件の利用を送り、残高を超えないか

担当者が手でポイントを付ける

自分や知人への不正な付与

手動付与できる人を限り、上限・承認・操作の記録を付ける

権限のない担当では付与できないか。誰がいつ付けたか残るか

付与ルール・上限を変える

上限を超えて付与される

変更前後で同じテストを流す。上限を超えた付与を毎日検出する

上限ちょうど・上限を1円超える取引で、期待どおりの付与になるか

店頭にQRコードを掲示して付与

撮影したQRを来店していない人が使う

1日1回・一定時間内の再取得の制限(LINE ショップカードには設定がある)

同じ会員が制限内に2回読み取ったとき、2回目が弾かれるか

使ったあとの返品をどう扱うか(架空の例・説明用)

会員Aが10,000円の買い物で100ポイントを受け取り、そのポイントを含めて別の買い物で80ポイント使いました。そのあと、最初の10,000円の買い物を返品します。残高は20ポイントで、取り消すべき100ポイントに80ポイント足りません。

扱い方

会員から見ると

会社が決めること

残高をマイナス80にする

次に付いたポイントから差し引かれる

マイナスのまま退会したときの扱い

返金額から80円を差し引く

返金が9,920円になる

店頭とECで同じ扱いにできるか。会員規約への記載

20ポイントだけ取り消し、80ポイントは会社の負担にする

不利益はない

何度も繰り返す人への対応

どれが正しいという決まりはありません。決めないまま作ると、店舗とECで扱いが分かれたり、問い合わせのたびに担当者が判断したりすることになります。

POS・EC・会員管理とのつなぎ方

店舗のタブレット型POSレジと決済端末

店舗とECの残高を1つにするときは、最初に、ポイントの残高をどこで持つか(台帳をどこに置くか)を決めます。POSにもECにも残高があると、どちらかの数字が必ずずれます。台帳を1か所に置き、POSやECからは「付与してほしい」「使いたい」を送る形にするのが基本です。

決めること

選び方の例

決めないと起きること

会員IDの対応

POSの会員番号・ECの会員ID・LINEのユーザーIDを、1人の会員に結び付ける表を持つ。電話番号やメールで結び付けるなら、重複や変更のときの扱いも決める

同じ人が2人として数えられ、ランクや残高が分かれる

取引の送り方

即時(API。他のシステムからデータを読み書きする窓口)か、日次のCSVファイルか

日次のCSVだと、店舗で付いたポイントを当日ECで使えない

通信が切れたとき

店舗の会計は止めず、付与は保留して後で送る。利用は残高を確かめられないので受けない、など

店頭で会計が止まる、または残高を超えて使われる

会計への受け渡し

月末に、上の月次台帳の区分で会計ソフトに渡す

経理が管理画面から手で集計する

使っているPOSやECが、取引データを外から読めるか(APIやCSVの出力があるか)で、作れるものが決まります。APIが無いPOSでも、CSVの出力があればつなげることがあります。方法ごとの考え方は、CSV連携の開発とAPI連携の開発を依頼するときの2本にまとめました。会員の情報を1か所にまとめる話が中心なら、顧客管理システムをオーダーメイドで作る前にも参考にしてください。

会員の電話番号や購買履歴は個人情報です。誰が会員の情報と履歴を見られるか(本部・店長・店舗スタッフ)を分け、見た記録を残すところまで開発の範囲に入れてください。

見積の前に決めておく付与ルール表(記入例・説明用)

作る会社に見積を頼む前に、次の表を埋めておくと、見積の前提がそろいます。記入例は説明用の架空の会社のものです。

項目

記入例(説明用)

決めないと起きること

付与の基準

税抜の購入金額100円ごとに1ポイント

税込か税抜か、クーポン値引き後か前かで、店舗とECの付与がずれる

付与の対象外

送料・ギフト包装・セール品

対象外の商品をPOSとECで別々に管理することになる

会員ランク

前年1〜12月の購入額5万円以上で翌年ゴールド(付与率2倍)

年の途中で入会した人、返品で基準を割った人の扱いが決まらない

付与の確定

店舗は購入時に確定。ECは発送から14日後に確定

返品のたびに取消が発生し、使ったあとの返品が増える

有効期限

最後に買った日から1年

失効させる日と、失効前の知らせ方が決まらない

利用の単位

1ポイント1円、100ポイント以上から

店舗とECで使える最小単位が違う

手動付与

店長のみ、1回500ポイントまで。超える分は本部の承認

誰でも付けられる状態になる

会計の区分

販売に伴う付与/来店・入会の付与/有償ポイントを分ける

月次の数字を後から分け直せない

今のポイントの移行

紙のスタンプカード・旧システムの残高を、締めの日に引き継ぐ

新旧の両方で使われる

費用の目安:当社の価格と、別にかかるもの

既製サービスは月額が続き、開発は最初に大きくかかって、その後は運用の実費が続きます。比べるときは同じ期間で並べてください。例えば、上の試算と同じ3店舗で Square ロイヤルティ(各店501〜1,500回)を5年使うと、利用料は8,000円×3店舗×60か月=144万円です(仮定に基づく試算。税の記載なし。原資は含みません)。既製サービスの月額は、サーバーの運用や機能の更新を提供元が受け持つ前提の料金です。開発する場合は、保守・機能追加・障害対応・サーバーの費用を別に見込む必要があります。

当社に頼む場合の公開価格は次のとおりです(税別)。

依頼の形

価格

合う状況

含むもの

含まないもの

既存システムの改修

100万円〜

④ 今の会員管理・EC・販売管理にポイント機能を足す、③ 既製サービスとのつなぎを今のシステムに加える

合意した範囲の開発とテスト

クラウド・外部API・ライセンスなどの実費、ポイントの原資

PoC(本番前の検証)

300万円〜

⑤ のうち、ランク・付与ルール・店舗とECの共通化が本当に動くかを先に確かめたい

決まりが複雑な部分(付与・取消・残高の確定・連携)を、本番に近い条件で動かして確かめる

本番システムの完成(PoCの価格は本番完成の価格ではありません)

本開発

個別見積

⑤ 自社のルールに合わせたポイントの台帳と、POS・EC・会計とのつなぎを作る

要件を決めたうえでの設計・開発・データ移行・テスト

上記の実費、ポイントの原資

ポイント製品の会社や比較サイトの公開記事にも費用の相場は載っていますが、出典や税込・税別、前提の条件がそろっておらず、記事ごとに数字が食い違っていたため、この記事では使っていません。数字を比べるより、確認表と付与ルール表で自社の前提をそろえるほうが確実です。当社の価格の詳しい条件は既存システムの改修・PoCの価格と進め方に載せています。業務システム全般の見積の内訳は業務システム開発の費用相場と見積内訳で詳しく書いています。

説明用の構成例:3店舗とECの残高を1つにする場合

当社にはポイントシステムの開発実績として公開できるものがありません。下は実際の案件ではなく、説明用の構成例です。

  • 状況:3店舗は同じ会社のPOS(取引データを日次でCSVに出せる)、ECは別の会社のカートサービス(注文の確定・キャンセルを外から受け取れる)。会員はPOSの会員番号とECの会員IDが別々。経理は毎月、ポイントの残高を手で集計している
  • 段階1:ポイントの台帳を1か所に作り、会員IDの対応表を作る。POSは日次CSV、ECは注文ごとに取り込む。月次台帳の区分で経理に数字を渡す。ここで、付与・取消・残高が今の手集計と一致するかを確かめる
  • 段階2:店舗でもその場で残高を確かめて使えるよう、POSとの受け渡しを即時に近づける(POSの提供元が外から読み書きできる窓口を出しているかで、できることが決まる)
  • 段階3:会員ランクと付与率の変更、失効前の知らせを足す。ルールを変えるたびに、上の二重付与のテストを流し直す

段階1を、既存のシステムに手を入れる形で始めるなら改修(100万円〜)、新しく台帳を作るならPoC(300万円〜)か本開発(個別見積)の範囲になります。期間はPOS・ECの提供元の対応で変わるため、ここでは書きません。

自社でAIを使って進められる部分と、頼んだほうがよい部分

ChatGPT や Claude などのAIを使えば、社内でもかなりのところまで進められます。

自社でAIを使って進めやすいこと

  • 付与ルール表の下書きと、例外(返品・セール・紹介・ランク変更)の洗い出し
  • 既製サービスの料金ページや機能一覧を読ませて、確認表の行ごとに足りるかの当たりをつける
  • 会員規約のポイントの条項の下書き(最終確認は法務に)
  • 簡単なポイント台帳の試作

会社に頼んだほうがよいこと

  • POS・EC・会員管理の、今の取引データの送られ方(取引番号、取消の送られ方、再送の有無)の調査
  • 同じ取引に2回付かない、同時に使っても残高を超えない、という仕組みと、そのテスト
  • 会員IDの名寄せと、旧システムや紙のカードからの残高の移行
  • 手動付与の権限・承認・操作の記録と、会員の個人情報を見られる範囲の設計
  • ルールを変えたあとに、変更前と同じ結果になるかを確かめる仕組み

AIで作った試作がある場合も、捨てる必要はありません。認証、データの権限、テスト、障害からの復旧、運用を確かめ、残す部分と直す部分を分けて本番に移すことができます。自社でAIを使って作り続け、難しい部分だけを頼む進め方も選べます。

当社に相談できること(対応範囲と公開している実績)

当社は、業務システムの新規開発・既存システムの改修、CSVやAPIでの連携、クラウドサービスとの連携、会員の認証と権限、決済サービスを使った会員・課金、他社が作ったシステムの調査・引継ぎ、データ移行に対応できます。使っているPOSやEC、言語や製品を理由にお断りすることはありません。CSV・API・画面操作のどの方法でつなぐかは、今の環境を伺って一緒に決めます。

ただし、ポイントシステムや小売・ECの開発実績として公開できるものはありません。公開している実績は次の2件で、ポイントとは業務が違います。似ているのは仕組みの部分です。

  • 通信事業の、数万件の請求情報の取込・集計・確認画面(大量の取引を取り込み、集計し、人が確認する流れ)
  • 薬局の、複数店舗・数千人分の記録管理と権限・確認工程(店舗ごとに見られる範囲を分け、確認の手順を組み込む流れ)

ポイントの場合も、POSやECの取引を取り込んで月次の数字に集計し、店舗ごとの権限で手動付与や会員の情報を扱う、という組み立ては近くなります。

今のポイントの運用と使っているPOS・EC・会員管理を共有して、作る範囲を相談する

初回相談は無料・30分(オンライン)です。要件が決まっていなくても大丈夫です。相談後に、業務の棚卸し表・効果の見立て・簡易モックと、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモを無料でお送りします。簡易モックは画面のイメージで、動くシステムではありません。

相談の前にそろえておくと早い情報

すべてそろっていなくても相談できます。手元にあるものだけで構いません。

  • 店舗の数、ECの有無、会員のおおよその数
  • 使っているPOS・EC・会員管理・LINE公式アカウント・会計ソフトのサービス名
  • 上の確認表で「作り込み・連携を検討する」に当てはまった行
  • 付与ルール表のうち、決まっている項目と迷っている項目
  • 今のポイントの運用(紙のカード・既製サービス・Excelの集計)と、困っている操作
  • 試した既製サービスと、合わなかった点
  • AIで作った試作や、既存システムの仕様書があるかどうか

会員の個人情報や実際の購買データ、システムのパスワードやAPIキーは、相談フォームに書かないでください。

よくある質問

Q. 紙のスタンプカードから切り替えるとき、お客さんの手元に残っているスタンプはどうしますか?

切り替えの期間を決め、その間に来店した人のカードを新しい会員の残高に移す方法と、紙のカードは期限まで使えるようにして並行させる方法があります。並行させる場合は、紙と新しいシステムの両方で同じ特典を受け取られないよう、移した紙のカードに印を付けるなどの運用を決めておきます。移した残高は、どの会計の区分に入れるかも経理と決めておいてください。

Q. ポイントアプリを作るのと、LINEやWebの画面で済ませるのと、どちらがよいですか?

アプリはアプリストアの審査や更新の手間がかかり、お客さんにインストールしてもらう必要があります。会員証の表示と残高の確認が中心なら、LINE公式アカウントやWebの画面で足りることもあります。プッシュ通知の頻度、店頭での読み取りのしやすさ、オフラインでも使う必要があるかで決めてください。アプリにする場合も、ポイントの台帳と付与のルールは画面とは別に作ります。

Q. 他社が運営する共通ポイントに加盟するのと、自社ポイントを作るのは何が違いますか?

共通ポイントは、他の加盟店でも貯めて使えるので、使える場所が広くなります。一方、付与した分は運営会社に支払う形になり、会計上も自社ポイントとは扱いが違います(未払金として売上から除く)。ランクや付与のルールは運営会社の決まりに沿う部分があるため、加盟条件と合わせて運営会社に確かめてください。自社の店で繰り返し買ってもらうことが目的か、ほかの加盟店のお客さんに来てもらうことが目的かで考えると整理しやすくなります。

Q. ポイントの付与率を店舗ごとに変えてもよいですか?

システムとしては作れます。ただし、店舗とECで残高を共通にしている場合、付与率が違うとお客さんへの説明が難しくなり、問い合わせのもとになります。店舗ごとに変えるなら、どの店舗で買ったときの率が適用されるか(ECで注文して店舗で受け取る場合など)を付与ルール表に書いてください。キャンペーンで付与率を大きく上げる場合は、景品表示法の扱いが条件によって変わるため、事前に法務に確かめてください。

Q. ポイントシステムを入れたあと、毎月どんな費用がかかりますか?

既製サービスなら月額の利用料と、付与したポイントの原資です。自社で作る場合は、システムを置くクラウドの利用料、外部サービス(SMSやメールの送信、地図など)の利用料、ドメインや証明書、問い合わせ対応や修正の保守費に、原資が加わります。見積の段階で「開発費」「毎月の実費」「保守の範囲」を分けて出してもらい、原資は別の行で見込んでおいてください。

Q. 既製サービスで始めて、あとから自社のシステムに移せますか?

移せますが、移すときに困らないよう、最初から会員ごとの残高と付与・利用の履歴を外に出せるか(CSVの出力やAPIがあるか)を確かめてください。残高だけしか出せないと、付与した分ごとの有効期限や、利用見込み率の見積もりに使う履歴を引き継げません。

ポイントの仕組みの作り方を相談する

付属機能で足りるか、ポイントのサービスで足りるか、既存システムとのつなぎや作り込みが要るかは、使う場所・付与のルール・会員ID・経理に渡す数字で決まります。確認表で迷った行や、付与ルール表で決めきれない項目があれば、そこから一緒に整理します。

今のポイントの運用と使っているPOS・EC・会員管理を共有して、作る範囲を相談する

初回相談は無料・30分(オンライン)です。要件が決まっていなくても大丈夫です。相談後に、業務の棚卸し表・効果の見立て・簡易モックと、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモを無料でお送りします。簡易モックは画面のイメージで、動くシステムではありません。

依頼範囲と費用の目安を30分で整理します

この記事の著者

AI革命

AI革命

編集部

AI革命株式会社の編集部です。最新のAI技術動向から実践的な導入事例まで、企業のデジタル変革に役立つ情報をお届けしています。豊富な経験と専門知識を活かし、読者の皆様にとって価値のあるコンテンツを制作しています。

AI・システム開発は、開始価格を公開しています

既存システムの改修 100万円〜・PoC 300万円〜(税別)。相談内容を送っていただくと、2営業日以内に担当者からご返信します