ビジネス活用2026年10月更新

業務システムのクラウド移行を依頼する前に|保守期限から逆算する移行範囲・停止時間・運用分担

公開日: 2026/10/13
業務システムのクラウド移行を依頼する前に|保守期限から逆算する移行範囲・停止時間・運用分担

この記事のポイント

社内サーバーの業務システムをクラウドへ移す前に決めること。Windows Server 2016などの保守期限からの逆算、そのまま移す・直して移す・作り直すの比較、停止時間と切戻し条件、移行後の運用分担、作業費と利用料の分け方を説明します。

この記事は、社内サーバーで自社開発の業務システム(販売・受発注・顧客台帳など)を動かしていて、サーバー機器やOS・データベースの保守期限が迫っている会社の情シス・総務の方に向けたものです。結論として、依頼の前に決めておくのは ①保守期限までに移行を終えられる方式 ②業務を止めてよい時間と、元に戻す条件 ③移行後の監視・バックアップ・OS更新を誰が受け持つか の3つです。

クラウドへ移せば保守期限の問題がなくなるわけではありません。仮想サーバーに古いOSのまま載せると、OSの期限はそのまま残ります。また、仮想サーバーのOS更新は移行後も利用者側の責任です。この記事では、方式ごとの違い、架空の小さな業務システムで作った逆算の計画表(説明用)、切替当日の判断のしかた、移行後の分担表、費用の内訳を順に示します。

データの移す範囲や照合の合格条件は「システム入れ替えのデータ移行を頼むには」、基幹システムを作り直すか延命するかの判断は「基幹システムの刷新判断」で扱っています。この記事は、アプリは大きく変えず、動かす場所を社内サーバーからクラウドへ移す場面に絞ります。

クラウド移行を会社に頼むのが合う場合・合わない場合

まず、今の状況で頼み先と方式の見当をつけます。

今の状況

合いそうな進め方

自社向けに開発したシステムで、帳票・CSV連携・権限など独自の動きがある。OSやデータベースの版も上げる必要がある

アプリの修正・データ移行・切替をまとめて開発会社に頼む(この記事の対象)

アプリには手を入れず、OS・データベースの版も今のままで期限に問題がない

サーバー構築会社やクラウド事業者の移行サービスで足りることがある

使っている機能が販売管理・会計などの標準的な業務に収まる

クラウドのSaaS(月額で使う業務ソフト)に替える方が早く安い場合がある

利用者が数人で、社内サーバーで困っていない

新しいサーバーに買い替えてOSだけ上げる(移さない)選択もある

特殊な機器(専用の読み取り装置、USBの鍵、社内の制御機器)と直接つながっている

クラウドに出すと動かない部分があるため、その部分を社内に残す構成を先に検討する

会社に頼む方がよいのは、「新しいOSやデータベースで今の帳票と連携が同じように動くか」「切替の夜に問題が出たら戻すか」を、業務を分かっている人と一緒に判断する必要があるときです。機械的にサーバーを載せ替える道具はクラウド各社が用意していますが、業務上の確認は道具だけでは済みません。

保守期限と移行完了日の比べ方

Windows ServerやSQL Serverのサポート終了日を確認できるMicrosoft Learnのライフサイクルページ

出典: Microsoft Learn 公式

まず自社のサーバーの版を確かめる

保守期限はサーバー機器・OS・データベースでそれぞれ別です。サーバーの画面で確かめるか、保守会社に問い合わせて、3つの版と期限を並べます。Microsoft 製品の主な期限は次のとおりです(Microsoft 公式のライフサイクルページで2026-10-13確認。日付は米国時間)。

製品

延長サポートの終了日

状況

Windows Server 2016

2027年1月12日

残り約3か月

Windows Server 2019

2029年1月9日

期限内

SQL Server 2016

2026年7月14日

終了済み(有償の拡張セキュリティ更新の期間に入っている。Azure の仮想サーバーへ移しても無料にはならない)

Windows Server 2012 / 2012 R2

2023年10月10日

拡張セキュリティ更新も2026年10月13日で終了

ほかの製品の期限は「基幹システムの刷新判断」の保守期限カレンダーにまとめています。

比べるのは「切替日」と期限の間の余裕

移行の完了日は「切替が終わった日」ではなく、切替がうまくいかず戻した場合に、もう一度切り替えられる日で見ます。切替の予定日と期限の間に、少なくとも予備の切替日を1回入れられるかを確かめてください。入れられないなら、次の暫定策を並行して用意します。

間に合わない場合の暫定策

暫定策

中身

注意

拡張セキュリティ更新(ESU)を使う

期限後も重大なセキュリティ修正だけを受け取る Microsoft の仕組み。公式は「最終手段」と位置付けている

SQL Server 2016 の ESU は有償で、Azure の仮想サーバーへ移しても無料にならない(Microsoft 公式、2026-10-13確認)。Windows Server 2016 向けの提供条件と費用は、Microsoft か販売店に確認する

機器の第三者保守・レンタル

メーカー保守が切れた機器を別の会社に保守してもらう、または一時的に借りる

機器の故障には備えられるが、OSの期限の問題は残る

外部との接続を絞る

期限切れのサーバーをインターネットから切り離し、使う端末を限る

移行までのつなぎ。危険を下げるだけで、なくすわけではない

暫定策を取っても、移行の期限が数か月延びるだけです。暫定策を取るなら、いつまでに何を終えるかを同時に決めておきます。

そのまま移す・一部を直して移す・作り直すの比較

社内サーバーからクラウドへ、そのまま移す・一部を直して移す・作り直すの3つの道筋を表したイメージ

クラウドへの移し方は大きく3つです。AWS の移行ガイド(7つの移行方式、2026-10-13確認)の分類を、業務の言葉に置き換えると次のようになります。下の表は方式の性質を比べた説明用の整理で、期間や費用は案件ごとに変わります。

そのまま移す

一部を直して移す

作り直す

中身

今のサーバーをOS・データベースの版ごとクラウドの仮想サーバーへ載せる

OS・データベースを新しい版にし、動かない部分だけアプリを直す。データベースをクラウド事業者が管理する形に替えることもある

クラウド向けにアプリを作り直す

保守期限の問題

残る。古いOSのまま載せれば期限もそのまま

新しい版の期限まで延びる

新しい版の期限まで延びる

アプリの修正

ほぼなし

互換性の確認と部分修正

全面

業務担当者の確認

少なめ(つながり方の確認が中心)

帳票・連携・権限を一通り

全業務の受入確認

停止時間

切替の方法次第

切替の方法次第

新旧を並行で動かす期間を取りやすい

移行後の運用

社内サーバーとほぼ同じ作業がクラウド上に残る

データベースを事業者の管理に替えた部分は更新作業が減る

設計次第で減らせる

合わない場合

OS・データベースの期限が近い/すでに切れている

ソースコードが無い・直せる人がいない

保守期限まで時間がない

AWS のガイドも、大規模な移行では移行中に作り直さず、「まず移してから、移行後に作り直す」ことを勧めています。ただし、Windows Server 2016 や SQL Server 2016 のように期限が近い・切れている版は、「そのまま移す」だけでは期限の問題を持ち越します。この場合、現実的なのは OS・データベースの版を上げる「一部を直して移す」を最低限にし、作り直しは移行後に分けて考える 進め方です。作り直すかどうかを費用で比べたい場合は「システムの改修とリプレイスを比較」を参照してください。

社内の機器やネットワークに頼っている部分

クラウドへ移すと、社内のネットワークにあることを前提に動いていた部分が動かなくなることがあります。現状調査で次の項目を一覧にします。

  • 各PCにインストールしたソフトが、社内サーバーのデータベースへ直接つないでいる(クラウドへ移すと回線越しになり、画面の反応が遅くなることがある。リハーサルで実際に操作して確かめる)
  • 伝票やラベルを社内のプリンタへ直接出している
  • 共有フォルダにCSVを置き、別のソフトや Excel のマクロが読み込んでいる
  • サーバー上で夜間の定期処理が動いている(集計、バックアップ、他社へのファイル送信)
  • 取引先のシステムが、社内の固定のアドレスからの接続だけを受け付けている
  • 社内のメールサーバーやWindowsのログイン情報を使って利用者を見分けている
  • USBの鍵や専用機器でソフトの利用許可を取っている

説明用の構成例:架空の小さな業務システムで作った逆算の計画表

公開できるクラウド移行の当社事例はありません。以下は、考え方を示すための架空の構成例で、実案件の計画や実績ではありません。期間はすべて仮定です。

架空の前提: 社内サーバー1台(Windows Server 2016 + SQL Server 2016)。自社向けに開発した受発注システムで、利用者30名。各PCにソフトをインストールして使う。請求書の帳票出力、会計ソフトへのCSV連携、夜間の集計処理がある。土日は業務を止められる。今日(2026年10月13日)から、Windows Server 2016 の期限(2027年1月12日)までに移す。

SQL Server 2016 はすでに期限が切れており、そのまま移すと有償の拡張セキュリティ更新を買い続けることになります。そのため、この例では「そのまま移す」は選ばず、OS・データベースを新しい版に上げて移す前提で組みます。

時期(仮定)

作業

発注側が決めること・やること

10/19〜10/30

現状調査(サーバー上のソフト、定期処理、共有フォルダ、接続先、利用者の端末の一覧)

停止できる時間帯、切替当日に業務側で判断する人を決める

11/2〜11/6

方式、移行先、OS・データベースの版を決める

クラウドの契約を自社名義で結ぶ。月額の予算を決める

11/9〜11/20

移行先の構築、新しい版で動かない部分のアプリ修正

確認に使う代表的な伝票・帳票を選ぶ

11/24〜11/27

業務担当者の動作確認(帳票、CSV連携、権限、画面の反応)

担当者の確認時間を確保する

11/28〜11/29

リハーサル1回目(データ移行にかかる時間を測る)

立ち会い

12/1〜12/4

リハーサルで見つかった問題の修正

—

12/5〜12/6

リハーサル2回目(切替から切戻しまで通しで試す)

切戻しの判断を実際に行ってみる

12/12〜12/13

本番切替

切戻し判断(次の節の表)

12/14〜1/8

移行後の観察。旧サーバーは止めずに残す

月次の締め・請求書発行など、月に1回の処理を新環境で確かめる

1/9〜1/10

予備の切替日(本番切替で戻した場合だけ使う)

—

1/12

Windows Server 2016 の延長サポート終了

—

この計画で余裕を作っているのは、予備の切替日と、月に1回しか動かない処理を確かめる観察期間です。現状調査の結果、アプリの修正が多い・ソースコードが見つからないと分かった時点で、保守期限の節で挙げた暫定策へ切り替える判断をします。

停止できる時間・リハーサル・切戻し条件の決め方

「止めてよい時間」と「失ってよいデータ」を先に決める

Microsoft の設計ガイド(ディザスター リカバリー、2026-10-13確認)では、業務を復元できるまでの許容時間(RTO)と、失ってよいデータの量を時間で表したもの(RPO)を先に決めるよう求めています。切替に置き換えると、次の2つです。

  • 何時間まで業務を止めてよいか(例: 土曜20時から日曜18時まで)
  • 戻すことになったら、どこまでのデータを入れ直してよいか(例: 切替後に入力した伝票は、手で入れ直せる数十件まで)

リハーサルで測るもの

同じガイドは災害復旧について、本番の前に本番以外の環境で手順を試すこと、元に戻す手順を別に計画すること、訓練で測った時間を計画に使うことも求めています。切替にも同じ考え方が使えます。リハーサルでは次を測り、本番の時間割に使います。

  • データ移行にかかった時間
  • 業務担当者の確認にかかった時間
  • 切戻しにかかった時間

切替当日の判断表(説明用)

上の架空の例で作った判断表です。時刻と条件は仮定です。

時刻

やること

判断する人

土 20:00

業務を止め、旧サーバーの最後のバックアップを取る

発注側の判断者

土 20:30〜

データ移行。リハーサルの実測より長めに時間を取る

委託先

日 10:00

業務担当者の確認開始(件数・金額の突合、代表伝票の帳票出力、CSV連携、権限)

業務担当者

日 15:00

切戻し判断。件数・金額が合わない/帳票が出ない/取引先との連携が通らない、のどれかが直せなければ戻す

発注側の判断者(委託先は直せる見込みを報告)

日 18:00

戻す場合はこの時刻までに旧サーバーで業務を再開できる状態にする

委託先

月 始業

新環境で業務開始。旧サーバーは止めずに残す

—

業務を再開した後に戻すと、新環境で入力したデータを旧サーバーへ入れ直す作業が生じます。業務再開後に戻せる期限(例: 月曜の正午まで)と、入れ直しの担当を決めておきます。件数・金額の照合の合格条件の書き方は「システム入れ替えのデータ移行を頼むには」で詳しく扱っています。

なお、停止時間をゼロにすることは約束できません。AWS のガイドも、停止時間は切替の方法次第としています。

移行後の監視・バックアップ・更新は誰が持つか

AWSの責任共有モデルの図。データ・アプリ・OS設定は利用者側、ハードウェアや基盤はAWS側の責任

出典: AWS 公式サイト

クラウドに移すと、サーバー機器やデータセンターの管理はクラウド事業者が受け持ちます。一方で、AWS の責任共有モデル(2026-10-13確認)は、仮想サーバーでは OSの更新、入れたアプリの管理、通信を許す範囲の設定は利用者の責任 としています。社内サーバーで保守会社に任せていた作業が、移行後に宙に浮きやすいのはここです。

下の表は、仮想サーバーへ移した場合の分担の例です(説明用)。委託先がどこまで受け持つかは契約で決めます。

作業

発注側

委託先(開発会社・保守会社)

クラウド事業者

クラウドの契約と利用料の支払い

◎(自社名義を推奨)

—

請求

管理者アカウントと権限の管理

◎ 持ち主

作業用の権限を受け取る

—

止まったら気づく仕組み(監視)と通知先

通知を受ける人を決める

設定する

機器側の障害を知らせる

バックアップの設定

残す期間を決める

設定する

仕組みを提供する

バックアップからの復元テスト

結果を確認する

年に何回かを決めて実施する

—

OS・データベースの更新

更新日を承認する

適用する

事業者が管理するデータベースに替えた場合はその部分を受け持つ

アプリの不具合調査・改修

依頼する

対応する

—

サーバー機器・データセンター

—

—

◎

社内のPC・回線・ルーター

◎

—

—

データベースをクラウド事業者が管理する形に替えると、表の「OS・データベースの更新」の一部が事業者側へ移ります。逆に、仮想サーバーに載せただけなら、社内サーバーのときとほぼ同じ作業が残ります。依頼する前に、この表のどの行を委託先に受け持ってもらうかを決めておくと、移行後の保守の見積も比べやすくなります。移行後の保守費用の考え方は「システム保守費用の相場と範囲の比べ方」も参考になります。

自社でAIを使って進められること・会社に頼む方がよいこと

ChatGPT や Claude などのAIを使えば、社内で進められる準備は少なくありません。

自社でAIを使って進められること

会社に頼む方がよいこと

サーバーに入っているソフト、定期処理、共有フォルダ、接続先の一覧づくり(画面の写しや設定の書き出しをAIに整理させる)

新しいOS・データベースで帳票・連携・権限が同じように動くかの確認と修正

移行手順書・社内への停止連絡の下書き

リハーサルの実施と、切替当日に直せるか戻すかの見極め

クラウド各社の料金ページを読み、構成ごとの月額を試算する

移行後の監視・バックアップ・OS更新を、責任を持って続けること

AIに設定情報を渡すときは、パスワードや顧客データを含めないでください。

費用の目安|作業費とクラウド利用料を分ける

クラウド移行の費用は2つに分けて見ます。開発会社に払う 移行の作業費 と、クラウド事業者に払う実費の クラウドの利用料 です。

当社に頼む場合の作業費

頼む内容

当社の価格(税別)

一部を直して移す(OS・データベースの版上げに伴うアプリ修正、データ移行、切替)

既存システムの改修として 100万円〜

作り直して移す

本開発として個別見積

現状調査だけを先に頼む

有償。着手前に範囲と金額を示して合意を取る

移行後の保守(監視・障害対応・改修)

範囲と対応時間・費用を個別に提案

クラウドの利用料、OS・データベースのライセンス、外部サービスの利用料は実費で、上の金額に含みません。改修100万円〜は既存システムを直す作業の開始価格で、作り直しの費用ではありません。サーバーを載せ替えるだけでアプリの確認が要らない場合は、前に書いたとおりクラウド事業者や構築会社の移行サービスの方が合うことがあります。依頼の形と価格は受託開発のサービスページに載せています。

今の社内サーバーのシステムをクラウドへ移す範囲と停止時間を相談する

クラウド利用料の例(公開料金ページより)

仮想サーバー1台の月額の例です。データの保存容量、バックアップの保存料、データベースのライセンスで変わるため、正確な金額は各社の料金計算ツールで確かめてください。

サービス

構成

月額

確認日・注意

AWS Lightsail

Linux・2vCPU・メモリ8GB

44米ドル

2026-10-13確認。税の記載なし。円での支払額は為替で変わる

同上

Windows・2vCPU・メモリ8GB

74米ドル

同上。Windows はOSのライセンス分だけ高い

さくらのクラウド

2コア・メモリ4GB

4,620〜4,950円(税込)

2026-10-13確認。ページ内の5つの料金表で金額が違う(表とゾーンの対応はページに書かれていない)。ディスクとWindowsのライセンス料はこのページに記載がなく、別に確認が必要

この表から分かるのは、同じ大きさでも Windows かどうかで月額が変わること、OS以外にディスクやライセンスの費用が加わることです。社内サーバーより安くなるかは、サーバーの買い替え費用・保守契約・電気代と5年で比べないと分かりません。削減できるとは限りません。

相談の前に揃えておくと早いもの

当社の初回相談は無料・30分(オンライン)です。要件が決まっていなくても大丈夫です。今のシステムと保守期限を伺い、自社でAIを使って進める部分と任せる部分を一緒に切り分けます。相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします。次のものがあると話が早く進みます。

  • サーバーのOS・データベースの版と、保守期限が分かる書類(保守契約書や見積など)
  • 利用者の人数と、使っている部署
  • 業務を止められる時間帯(曜日・時刻)
  • 連携しているもの(会計ソフト、取引先、プリンタ、共有フォルダ)の一覧
  • ソースコード・仕様書・元の開発会社の連絡先の有無

パスワードなどの本番の認証情報、顧客データは相談の段階では送らないでください。

よくある質問

中小企業向けの情報セキュリティ対策ガイドラインを公開しているIPA(情報処理推進機構)

出典: IPA 公式サイト

Q1. 元の開発会社と連絡が取れず、ソースコードも手元にありません。それでもクラウドへ移せますか?

ソースコードが無くても、サーバーごと載せ替えることはできる場合があります。ただし、新しいOSやデータベースで動かない部分が見つかったときに直せません。まずソースコードの所在と、改修してよい権利を確かめます。進め方は「システム引き継ぎで開発会社を変更するには」で扱っています。

Q2. クラウドの契約は、自社と委託先のどちらの名義にするべきですか?

自社名義を勧めます。委託先の名義だと、委託先を替えるときや契約を終えるときに、サーバーとデータの移し替えが必要になります。自社で契約し、委託先には作業に必要な権限だけを渡す形にすれば、管理者アカウントと請求を手元に置いたまま作業を頼めます。

Q3. 移行だけを頼み、移行後の保守は今の保守会社に頼めますか?

できます。その場合、移行を頼む会社に、構成図・切替手順書・アカウントの一覧・バックアップと復元の手順を成果物として納めてもらう契約にしてください。これらが無いと、保守会社は移行後の構成を一から調べ直すことになります。

Q4. 顧客の個人情報を含むシステムをクラウドに置いても大丈夫ですか?

データを置く国や地域、通信と保存の暗号化、誰がデータを見られるかを、契約前に確かめます。クラウドの設定やアカウント管理で何を確認するかは、IPA の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」の付録「クラウドサービス安全利用の手引き」が参考になります。自社の取引先との契約で保管場所の条件がある場合は、その条件も確認してください。

Q5. 社内サーバーの機器だけが保守切れで、OSとデータベースはまだ期限内です。急いで移す必要はありますか?

OSの期限が数年先なら、急ぐ理由は主に機器の故障リスクです。機器の第三者保守やレンタルでつなぎながら、OSの期限に合わせて移行を計画する選択もあります。ただし、つなぎの期間に機器が壊れた場合に何日で復旧できるかは、保守会社の条件で確かめておいてください。

Q6. 年末年始の休みに切り替えるのはよい選択ですか?

業務を長く止められる点は利点です。一方で、委託先・保守会社・取引先の窓口も休みのことがあり、問題が出たときに連絡が取れない恐れがあります。年末年始に切り替えるなら、関係する会社の対応可否を先に確かめ、休み明けの月次処理まで観察期間を取ってください。


今の社内サーバーのOS・データベースの版、保守期限、止められる時間帯を伺い、移行の範囲と方式の候補、費用の目安を整理します。初回相談は無料・30分(オンライン)で、相談後に相談メモをお送りします。

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編集部

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