AI活用事例2026年10月更新

不動産管理の入居者対応を自動化する費用【2026年10月】記録・転記・オーナー報告を工数別3段階で減らす方法

公開日: 2026/09/08
更新日: 2026/10/10
不動産管理の入居者対応を自動化する費用【2026年10月】記録・転記・オーナー報告を工数別3段階で減らす方法

この記事のポイント

不動産管理の入居者対応を自動化する費用を工数別に整理。AI電話は月3,980円(税抜)〜、記録・転記・オーナー報告まで自動化する開発は既存システムの改修100万円〜(税別)。回収の試算式、費用倒れになる規模、AIで自社で進める範囲も解説。

入居者対応そのもの(現場判断や謝罪)は自動化できませんが、対応した後の「履歴入力・基幹システムへの転記・オーナー向け報告書への集約」は自動化できます。費用は、電話の一次受けを自動化するAI電話なら月3,980円(税抜)から、賃貸管理システムなら初期49,800円+月2,980円(税別)からです。記録から報告書作成までを今の管理システムにつなぐ仕組みとして開発会社に頼む場合、当社(AI革命)の公開価格では既存システムの改修が100万円〜、PoC(小さく作って効果を確かめる検証)が300万円〜です(いずれも税別。クラウドや外部APIの利用料は別)。

この記事では、記録・報告にかかっている月の時間ごとにどれを選ぶか、何時間・いくら分の人件費が浮くかの計算式、そしてどの規模だと費用倒れになるのかを整理します。ChatGPTやClaudeなどのAIを使って自社で進められる部分と、会社に頼んだ方がよい部分の分け方も書きます。

この記事が扱うのは「対応した後の記録」です

「入居者対応の自動化」という言葉は、2つのまったく違う工程に対して使われています。

  • 入口の自動化:問い合わせや入電そのものを減らす(AI電話、チャットボット、入居者アプリ、Web申請フォーム)
  • 出口の自動化:対応した後の記録・転記・オーナー報告を減らす

検索して出てくる記事の大半は入口の話です。しかし、管理会社の残業は出口側でも生まれます。電話は4分で終わっても、その後に「管理システムへ入力し、社内のExcelにも入力し、月末にオーナー報告へまとめる」という工程が残るからです。

この記事は出口側を主に扱います。入口の手段も費用比較の表に入れますが、判断の基準は「対応した後の作業が減るか」に置いています。

入居者対応のどこに時間がかかっているか

夜のオフィスで入居者対応の記録入力に使われるモニターと書類・電話機

時間を食っているのはクレーム対応と滞納対応

GMO賃貸DXが賃貸不動産管理業務の従事者200名に対して行った調査(インターネット調査/全国/2021年2月18〜22日実施/複数選択可)では、労働時間が長引く業務は次の順でした。

順位

業務

1位

クレーム対応

2位

家賃滞納者対応

3位

物件の定期点検・メンテナンス

4位

事故発生時の対応

5位

退去後のリフォーム・清掃

同調査では、クレーム対応と家賃滞納者対応だけで全体の3割を占めるとされています。同じ記事では、Vorkersのレポート(約6万8,000人の分析)をもとに、不動産・住宅関連業界の月平均残業時間は64.8時間で、全体平均の47時間を17.8時間上回るという数字も紹介されています。また、厚生労働省の平成29年雇用動向調査では、不動産業の離職率は16.5%で、14業種中4番目に高い値でした(出典:GMO賃貸DX「賃貸不動産管理業で労働時間が長引く業務」、2026年10月11日確認)。

※業務ランキングは2021年2月の調査、残業時間と離職率は同じ記事(2021年3月公開)が引用した当時の数字です(離職率は平成29年=2017年の値)。最新値ではない点にご注意ください。

「電話を取る時間」より「取った後」が積み上がる

電話対応の負荷は、モデル計算で次のように示されます(賃貸管理会社G-styleが公開している試算例です。実測値ではないため、自社の入電数に置き換えて読んでください)。

前提

値

1日の入電

50件

1件あたりの対応時間

4分

月間営業日

22日

月間の電話対応時間

約73時間

時間単価2,000円換算での月間人件費

約14.6万円

ただし、この4分は通話している時間だけです。実務では通話の後に「対応履歴を管理システムに入力する」「業者へ手配のメールを打つ」「社内の進捗管理表にも書く」「完了したらもう一度ステータスを更新する」が続きます。現場の感覚では、1件の電話に対して記録側の作業が同等かそれ以上かかることも珍しくありません。

同じ情報を2回打ち込んでいる

管理会社の実務でよく指摘されるのが二重入力です。賃貸管理システムに入力した後、社内の進捗管理用Excelに同じ情報をもう一度入力する。打つ量が増えるほどコピペミスや打ち間違いが増え、契約書や請求書では金額・契約期間の記載漏れ、入居者名の誤りが発生する、という指摘があります。

これはベンダー側も認識している課題で、たとえば賃貸管理システム間のデータ連携(Realsaber⇄GMO賃貸DX)が2026年1月15日に開始され、二重入力の解消が売り文句になっています。裏を返せば、連携していないシステムの間では、今も手で二度打ちが起きているということです。

1人あたりの担当戸数

負荷の目安として、業界では「営業1人当たりの管理戸数は約600戸」という試算例や、「管理戸数5,146戸を16人で対応(1人あたり約320戸)」という事例が紹介されています。賃貸住宅管理業法上の業務管理者の配置については、「従業員5〜6名につき1名」が最多で66.0%、戸数を基準にすると「201〜500戸につき1名」が25.3%、「501〜1,000戸につき1名」が24.1%という分布が示されています。

この記事では、1人が300〜600戸を見ていて、そこに記録・転記・報告の作業が乗っている状態を前提に試算します。

オーナー報告書は月末に一気に来る

入居者対応記録の最終的な出口が、オーナー向けの月次・年次報告です。所要時間については「500戸で半日、1,000戸で3〜4日かかる」という指摘があります(業界メディアで引用されている数値で、一次情報を確認できていないため目安として扱ってください)。より小さい規模では、木造アパート12室の月次レポート作成に5時間かかっていたという事例(2025年9月)もあります。

自動化後の数字としては、1,000戸規模で月10時間かかっていた報告書作成が30分になった(単純計算で月9.5時間、年約114時間の削減)、年間のオーナーレポート工数が240時間から48時間へといったケースが紹介されています。いずれも業界メディア等で紹介されている数字で、一次情報は確認できていません。

入居者対応の記録は、法律でオーナーへの報告が義務づけられている

ここが投資判断で最も見落とされる点です。入居者対応の記録は「残しておいたほうがよい社内資料」ではなく、法律上オーナーへ報告する義務がある内容の材料です。

定期報告義務(賃貸住宅管理業法 第20条)

賃貸住宅管理業者は、管理業務の実施状況を定期的に委託者(オーナー)へ報告しなければならないと定められています。

  • 報告のタイミング:管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごと、および契約期間の満了後、遅滞なく
  • 管理業務報告書の記載事項(施行規則で定められた次の3点)
  1. 報告の対象となる期間
  2. 管理業務の実施状況
  3. 賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況および対応状況

苦情については、発生日時・申出者の属性・内容・対応状況を記録しておく必要があります。つまり「クレームの電話を受けて対応した」という事実は、記録として残っていなければ報告書に書けません。

なお、委託者の承諾があれば電磁的方法(PDFの送付など)での交付が可能です(施行規則第40条)。

ただし、誤解されやすい点として、報告書は「交付して説明する」ことまでが義務とされており、説明は対面・オンライン会議・電話などで行う必要があります。つまり、自動化できるのは報告書の作成と交付までで、オーナーへの説明そのものは人が行うという前提で設計してください。裏を返せば、月末に人手を取られている「履歴を集めて報告書の形に整える」工程は、法令上まったく問題なく自動化できます。

帳簿の備付け義務(賃貸住宅管理業法 第18条)

  • 営業所・事務所ごとに業務に関する帳簿を備え付け、委託者ごとに記載する
  • 記載事項:委託者の商号・氏名/契約年月日/対象となる賃貸住宅/受託した管理業務の内容/報酬の額/特約その他参考事項
  • 各事業年度の末日で閉鎖し、閉鎖後5年間保存する(施行規則第38条第3項)
  • 電子計算機のファイルや磁気ディスク等への記録で、帳簿への記載に代えることができる(必要に応じて紙面に明確に表示できることが条件)

これらに違反した場合、明示的な罰金というより業務改善命令・業務停止命令の対象となり得るという位置づけです。条文の詳細は国土交通省の賃貸住宅管理業法ポータルサイトで確認できます。

この記事の結論に直結する点

つまり、記録・転記・報告の自動化は「事務の効率化」ではなく、法定報告の材料を確実に揃える仕組みづくりです。担当者の記憶と手入力に依存している限り、記録の抜けは業務改善命令のリスクに直結します。投資判断をするときは、削減できる人件費だけでなくこのリスクの低減分も勘定に入れてください。

自動化すると何がどう変わるか

入居者から設備トラブルの連絡が入ってから、オーナー報告に載るまでの流れを比べます。

工程

今(手作業)

自動化後

① 一次受け

担当者が電話に出る/メール・アプリで受ける

一次受けは人のまま。あるいはAI電話・Webフォームで受け、内容がテキストで残る

② 内容の整理

通話メモを頭の中で整理してから入力

受信内容を定型の項目(発生日時・物件・部屋番号・申出者・内容・緊急度)に自動整形

③ 管理システムへの入力

担当者が手入力

整形済みデータを基幹システムへ自動転記

④ 社内Excelへの入力

同じ情報を再度手入力

転記元が1つになり、二重入力が消える

⑤ 業者手配・進捗更新

メールを打ち、完了したらステータスを手で更新

手配メールの下書きを自動作成。完了報告の受信でステータスを自動更新

⑥ 未完了案件の把握

担当者が表を見て気づく

対応漏れ・期限超過を自動抽出して担当者に通知

⑦ オーナー月次報告

月末に履歴を拾い集めて報告書を作成

蓄積された記録から報告書のドラフトを自動生成。人は確認して送るだけ

①と⑤の判断部分を人に残すことが重要です。全自動で入居者に返信させたり、費用負担の判断をAIにさせたりはしません。減らすのは②③④⑥⑦の「打ち込みと集計」です。

削減できる時間と金額の試算

自社の数字を当てはめられるよう、モデルケースで計算します。この節の数字はすべて説明用の仮定に基づく試算で、実測ではありません。

モデル:管理1,000戸・入居者対応の担当者3名

作業

月あたりの時間

根拠

入居者対応の履歴入力・基幹システムへの転記

約25時間

1日50件・1件4分の入電モデルから記録部分を按分した推計値

オーナー向け月次報告への集約・作成

約10〜20時間

「1,000戸で月10時間」「500戸で半日/1,000戸で3〜4日」という記述より

合計

約35〜45時間

これを時給3,000円(給与に社会保険料の会社負担分を含めた換算)で金額にすると、次のようになります。

項目

月

年

記録・転記・報告にかかっている人件費

約10.5万〜13.5万円

約126万〜162万円

自動化で7割削減できた場合の削減額

約7.4万〜9.5万円

約88万〜113万円

開発を頼む場合の回収期間(仮定に基づく試算)

記録・転記・報告の仕組みを、今の管理システムにつなぐ形で開発会社に作ってもらう場合を計算します。

前提

値

初期費用

100万円(当社の「既存システムの改修」の開始価格。税別)

月の運用費

1万〜3万円と仮定(クラウド・AIのAPI利用料と保守。構成と保守の範囲で変わります)

月の削減額

7.35万〜9.45万円(上の表の「7割削減」。表では約7.4万〜9.5万円)

回収月数の式

初期費用 ÷(月の削減額 − 月の運用費)

回収月数

約12〜23ヶ月(100万円 ÷ 8.45万円 ≒ 11.8ヶ月/100万円 ÷ 4.35万円 ≒ 23.0ヶ月)

ただし100万円の範囲で収まるのは、今の管理システムにCSVやAPIといったデータの出入り口があり、対象を件数の多い問い合わせ種別に絞った場合です。複数のシステムをまたいだ照合や、オーナーごとの報告フォーマットまで含めると、PoC(300万円〜)で効果を確かめてから本開発に進む形になり、本開発の費用は別に見積もりになります。仮に初期費用の合計が300万円なら、同じ削減額でも回収に約36〜69ヶ月(300万円 ÷ 8.45万円〜4.35万円)かかります。人件費の削減だけを理由にするなら、1,000戸規模では割に合わないことがあります。

金額が動くのは「増員を回避できるとき」

実際に金額を大きく左右するのは別の観点です。

判断のポイント

金額インパクト

記録・転記・報告の人件費削減

月7.4万〜9.5万円程度(上のモデルの1,000戸規模・7割削減の仮定)

管理戸数を増やしても担当者を増やさずに済む

1名分の年間人件費(給与に会社負担の社会保険料などを足した額。自社の数字で計算)

苦情記録の抜けによる法令リスクの低減

金額換算は困難だが、業務改善命令は事業継続に直結

離職による引き継ぎコストの回避

属人化した記録が担当者と一緒に消える事態を防げる

1人あたり300〜600戸という目安で割ると、管理戸数が1,000戸増えれば約1.7〜3.3人分の担当が必要になる計算です。記録・転記・報告の工数が戸数に比例して増えない状態を作れれば、この増員を1名分でも減らせる可能性があります。仮に1名分の人件費を年400万円とすると、初期費用100万〜300万円に年12万〜36万円の運用費(上の仮定)を足しても、1年分の人件費を下回ります。

判断の目安:管理戸数が横ばいで、記録工数が月20時間程度なら、賃貸管理システムやAI電話で十分です。これから戸数を伸ばす計画があり、記録・転記・報告が月35時間を超えているなら、記録・報告の仕組みを作る開発を検討する価値があります。

自動化できる業務・できない業務の境界線

入居者対応のすべてが自動化できるわけではありません。むしろ、できない部分をはっきりさせるほど導入は成功します。

自動化できる

自動化できない・向かない

問い合わせ内容を定型の項目に整形して記録する

漏水・火災・鍵紛失など緊急対応の現場判断そのもの

メール・チャット・Webフォームの受信内容を基幹システムへ転記する

感情的なクレームの二次対応・謝罪訪問

対応履歴を集計してオーナー向け月次報告書のドラフトを作る

立ち退き・法的紛争など法務判断を伴う対応

苦情の発生日時・申出者・内容・対応状況を法定の項目で蓄積する

紙で受け取った書類や、対面・電話のみで完結する記録

対応漏れ・期限超過の案件を抽出して担当者に通知する

修繕費の負担割合や減額交渉の可否など最終決裁

管理システム・Excel・メールの間でデータを突き合わせる

毎回例外判断が発生し、ルールを言葉にできない案件

判定の条件はシンプルで、次の3つを満たす業務が自動化に向きます。

  1. 毎日・毎週・毎月くり返し発生する
  2. 入力も出力もデジタルで完結する(紙・対面が前提の工程が途中に挟まらない)
  3. 判断のルールを言葉にできる(「◯◯なら△△部署へ」と書ける)

逆に、最終判断そのものをAIに委ねたいという発想で導入すると、ほぼ確実に失敗します。自動化するのは判断ではなく、判断の前後にある「集める・整える・打ち込む・まとめる」です。

うまくいかない典型パターン

次のパターンは手段を問わず共通して起きます。着手前に自社が該当していないか確認してください。

  • 入力先を決めないまま自動化した:賃貸管理システムと社内Excelの両方を残したまま自動化すると、同期のズレを直す新しい作業が生まれます。減るどころか増えます。先に記録の入力先を1つに決めてください
  • 例外処理まで作り込もうとした:全案件の100%を自動化しようとすると要件が膨らみ、費用も期間も倍になります。件数の多い上位3〜4種類の問い合わせだけを対象にし、残りは人が処理する形が最も早く効果が出ます
  • 現場に相談せず決めた:記録のルールは担当者の手の中にあります。管理職だけで要件を決めると、稼働後に「実際はそう入力していない」が次々出てきて作り直しになります

入居者対応を自動化する5つの方法

賃貸管理システムを提供するITANDIの公式ロゴ

出典: ITANDI 公式サイト

手段は大きく5つあります。入口(問い合わせを減らす)と出口(記録を減らす)とで、効果のある手段がまったく違う点に注意してください。費用と、効果が出る工程をそのまま並べます。

手段

初期費用

月額

効果が出る工程

向いている規模

① 賃貸管理システム

49,800円(税別)〜

2,980円/6,980円/12,480円(税別)※プランによる。他社は月17,600円(税別)〜、月5万円〜も

出口(記録の一元管理)

全規模。まずここから

② AI電話・自動応答(IVR)

プランにより無料〜

0円(月30着電まで)/3,980円/6,480円/10,480円(税抜・月払)+電話番号維持費・従量課金

入口(一次受けの削減)

入電が多い全規模

③ コールセンター代行

要問合せ

対応時間帯(夜間・24時間)と月の件数で決まる。規定件数を超えると1件ごとに追加料金がかかる契約もあるため、各社に見積を取って比べる

入口(夜間・休日の一次受け)

夜間対応を人に任せたい会社

④ RPA(決まった画面操作をソフトに代行させる仕組み)

クラウド型10万円程度(不要な場合も)/デスクトップ型50万〜100万円

クラウド型は1人あたり月5,000円〜2万円/デスクトップ型は月1万〜5万円から

出口(決まった画面操作の代行)

操作手順を完全に固定できる会社

⑤ 管理システムにつなぐ仕組みの開発(受託開発)

当社の場合、既存システムの改修100万円〜/PoC 300万円〜(税別)。本開発は個別見積

開発会社に払う月額は契約による。クラウド・AIのAPI利用料は実費

出口(記録・転記・報告の一括自動化)

記録工数が月35時間超/戸数拡大中

①の金額は賃貸管理システム「ReDocS」の料金です(月額はITreviewの料金ページで2026年10月11日に確認。初期費用は比較サイトに載っている金額です)。②の金額はAI電話「IVRy」の料金ページで2026年10月11日に確認しました。③は料金の示し方がサービスごとに違うため、金額は載せていません。

補足しておくべき点がいくつかあります。

  • ①の賃貸管理システムは、入れれば二重入力が消えるとは限りません。管理システムとは別に社内Excelを運用している場合、そこが残ります。また月3万円のシステムを5年使えば総額180万円を超えるため、「安いから」で選ぶと結局高くつく場合があります。
  • ITANDI・いい生活・GMO賃貸DXなどの主要システムは料金が非公開(管理戸数に連動する個別見積)です。推測の金額を載せると判断を誤らせるため、ここでは金額を書いていません。管理戸数を伝えれば見積もりはすぐ出るので、必ず直接取り寄せてください。
  • ④のRPAの費用は比較メディアに掲載されている相場であり、ベンダーの公表価格ではありません。RPAは画面の位置やレイアウトが変わると止まるため、基幹システムの改修が入る予定がある会社にはおすすめしません。
  • ②③は出口の作業をほとんど減らしません。AI電話で入電を7割減らせても、残り3割の対応記録と、AI電話が受けた内容の管理システムへの転記は残ります。
  • ⑤には、開発して自社で持つ形のほかに、AIエージェントを月額で運用する外部サービスを使う形もあります。社内に仕組みを持ちたくない場合はそちらが合うこともあります。どちらの形でも、下の「契約前に確認すべき4点」は同じです。

現実的な組み合わせは、「①管理システムを基本にして、入電が多ければ②か③を足し、記録・転記・報告が重いなら⑤を足す」です。①を飛ばして⑤から入ることは、通常おすすめしません。

AIを使って自分たちで進められる部分と、会社に頼む部分

ChatGPT・Claude・Copilotなどの生成AIは、記録の整形や報告文の下書きを十分にこなします。表計算ソフトの自動処理(マクロやスクリプト)も、AIに聞きながらであれば社内で作れる範囲が広がっています。次のように分けると、外に頼む範囲を小さくできます。

自分たちで進めやすい部分

会社に頼んだ方がよい部分

通話メモを7項目(発生日時・物件・部屋番号・申出者・内容・緊急度・対応状況)に整えるAIへの指示文を作る

今の管理システムとデータを出し入れする方法の調査(API・CSV・画面操作のどれが使えるか、利用規約上できるか)

1ヶ月分の記録をAIで集計し、オーナー報告の下書きを作る

担当者・拠点ごとに見られる記録の権限と、入居者の個人情報をAIに渡す範囲の設計

社内Excelへの二重入力をやめ、記録の大元から自動で表を作るマクロ

例外(緊急対応・法務・費用負担)を人に回す分岐と、誤った分類を見つけるテスト

オーナー報告フォーマットの統一案を作る

実際の記録での検収、管理システムの仕様変更に合わせた修正、法定の5年保存を満たす保存方法の設計

左側を自社で進めてから相談すると、頼む範囲が狭まり、費用も下がりやすくなります。AIで作った試作がすでにある場合は、それを生かして、残す部分と直す部分を分けることもできます。

どの手段を選ぶ場合でも、契約前に確認すべき4点

ここはどのベンダーに頼む場合でも共通です。見積書を受け取る前に、次の4つを必ず聞いてください。

  1. 既存の賃貸管理システムからデータを取り出せるか。CSVで書き出せるか、外部連携の窓口があるかを、システムのベンダーに直接確認します。ここが閉じていると、後から手段が大きく制限されます
  2. どの作業が何時間減るのか、件数ベースで答えてもらう。「効率化できます」ではなく「月◯件の記録入力が◯時間減ります」と言えないベンダーは、自社の業務を理解していません
  3. 5年使ったときの総額で比べる。月3万円のシステムは5年で180万円です。初期費用が高い手段と比べるときは、必ず同じ年数に揃えて計算します
  4. やめるときに記録を持ち出せるか。蓄積した入居者対応履歴は法定報告の材料です。解約時にデータを丸ごとエクスポートできるかを、契約前に書面で確認してください

4番目は特に見落とされます。管理業務の帳簿は閉鎖後5年間の保存が必要なため、乗り換え時にデータが取り出せないと、法令上の要件を満たせなくなります。

費用の目安

AI革命のロゴ

出典: AI革命 受託開発

規模別の推奨構成

管理戸数

記録・転記・報告の月間工数

おすすめの構成

初期

月額

〜500戸

〜月10時間

賃貸管理システムのみ

5万円前後

3,000〜1.3万円

500〜1,000戸

月10〜30時間

賃貸管理システム+AI電話

5万円前後

1万〜3万円

1,000〜3,000戸

月30〜60時間

上記+記録・報告の仕組みの開発

100万円〜(既存システムの改修の場合)

上記の利用料+クラウド・APIの実費など

3,000戸〜/拠点複数

月60時間〜

上記+複数システム間のデータ照合まで開発

PoC 300万円〜+本開発(個別見積)

上記の利用料+クラウド・APIの実費など

※1,000戸以上の行の初期費用は当社(AI革命)の公開価格(税別)です。他社に頼む場合は各社の見積を確認してください。

当社(AI革命)に開発を頼む場合の費用

当社の受託開発の公開価格は次のとおりです。

項目

金額(すべて税別)

既存システムの改修

100万円〜

PoC(小さく作って効果を確かめる検証)

300万円〜(PoCの開始価格で、本番システムの完成価格ではありません)

本開発

個別見積

別にかかるもの

クラウド・外部API・ライセンス等の実費

初回相談

無料・30分・オンライン

入居者対応の記録・報告であれば、今の賃貸管理システムとメールを残したまま、整形・転記・報告の下書きの部分だけを作る形から検討します。どの依頼の形に当たるかは、管理システムのデータの出入り口(API・CSV)と、対象にする問い合わせの種類で決まります。

管理システムとのCSV・API連携、確認用の画面や帳票、担当者ごとの権限、他社が作ったシステムの調査・改修にも対応できます。ただし、不動産管理システムとの連携の実績は、現時点でご紹介できるものがありません。

費用倒れになるケースをはっきり書いておきます

  • 管理戸数500戸未満で、記録工数が月10時間程度 → 賃貸管理システム(月3,000円〜)で十分です。開発費は回収できません
  • 記録がすべて紙・電話メモで、デジタル化されていない → まず記録をデジタルに載せる段階からです。この状態でご相談いただいても、最初にお伝えするのは「入力先を1つに決めてください」という話になります
  • 管理戸数が横ばいで増員の予定もない → 人件費削減だけでは、上の試算で回収に1〜2年、PoCから本開発に進む規模なら3年以上かかります。おすすめしません

公開できる当社の実績と、不動産管理への当てはめ方

不動産管理業での開発実績は、現時点でご紹介できるものがありません。業種は違いますが、公開している実績のうち、記録の取込・管理と確認の工程が近いものを2つ挙げます。どちらも匿名で、効果の数字は公開していません。

通信事業:数万件の請求情報の取込・集計・確認画面

数万件規模の請求情報を取り込んで集計し、担当者が確認する画面を作りました。賃貸管理に置き換えると、複数のシステムやファイルに散った対応記録を取り込み、オーナーごとに集計し、人が確認してから報告に回す流れに近い構造です。

薬局:複数店舗・数千人分の記録管理、権限、確認工程

複数店舗にまたがる数千人分の記録を管理し、誰がどの記録を見られるかの権限と、記録を確認する工程を作りました。賃貸管理では、拠点・担当者ごとの閲覧範囲と、入居者の個人情報を含む記録の確認手順に当たります。

どちらにも、人が確認する工程を入れています。不動産管理の記録・報告に当てはめられるかどうかは、今の管理システムと記録の形式を見てから判断します。

依頼するときの進め方

デジタル化・AI導入補助金の公募要領を公開する中小企業庁の公式ロゴ

出典: 中小企業庁 公式サイト

期間は対象にする業務と、今の管理システムのデータの出入り口によって変わるため、ここでは順番を示します。

段階

やること

御社の作業

① 初回相談(無料・30分・オンライン)

対象業務・使う人・今のシステムを伺い、自社でAIを使って進める部分と頼む部分を切り分ける。相談後に相談メモをメールでお送りする

業務の流れ、使っている管理システム名、困っている操作を伝える(秘密情報・入居者の実データは送らない)

② 記録の棚卸し

記録の件数・種別・入力先・報告フォーマットを洗い出す。そもそも開発すべきかどうかの判断もここで行う

記録の項目と月の件数を確認する

③ 範囲と金額の合意

依頼の形(既存システムの改修/PoC/本開発/調査のみ)と範囲、金額を示して合意する

範囲の確認

④ 開発

管理システム・メール環境との接続と、整形・転記・報告の下書きの仕組みを作る

仕様の確認

⑤ 並行運用・検収

実際の記録で手作業と並べて動かし、誤りを直す

出力結果の確認

⑥ 本番運用

稼働後の修正・追加をどこまで保守として受けるかは、契約前に決める

通常業務

②の棚卸しが最も重要です。「この種類の問い合わせはどこに記録するか」「オーナー報告に何を載せるか」が社内で言葉になっていないと、この整理自体が業務の見直しになります。逆に言えば、ルールを言葉にできない業務は自動化できません。

補助金を使う場合の注意

IT導入補助金は令和8年度(2026年度)から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わっています。通常枠の補助率は1/2以内です。令和6年10月〜令和7年9月の間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した事業者は、2/3以内になります。補助額は業務プロセス数によって分かれ、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です(事務局の通常枠のページ、2026年10月11日確認)。

対象になるのは、事務局に事前登録されたITツールを、登録済みのIT導入支援事業者と組んで申請する場合です。自社専用に作る仕組みが対象になるかは、そのツールと依頼先が登録されているかで決まるため、補助金を前提にするなら、見積の前に依頼先へ確認してください。

締切は回ごとに公表されます。2026年10月11日に事務局のスケジュールページを確認した時点では、掲載されている締切は2026年10月30日(金)17:00(交付決定は2026年12月10日予定、事業実施期間の終了は2027年5月31日予定)でした。それ以降の回は事務局のページで確認してください。

資金繰りで注意すべきなのは入金のタイミングです。費用はいったん全額を自社で支払い、補助金が入るのは事業完了後に実績報告を出してからの精算払いになります。締切から交付決定までで約1〜1.5ヶ月、そこから開発・稼働・実績報告を経るため、着手から入金まで半年以上を見ておくのが安全です。補助金をあてにした資金計画は組まないでください。最新の要件は中小企業庁の公募要領で必ず確認してください。

要件が決まっていなくても相談できます

「月末のオーナー報告に3日かかっている」という状態からで大丈夫です。初回相談は無料・30分(オンライン)。今の管理システムと困っている操作を伺い、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安を相談メモでお返しします。開発が合わないと判断した場合は、その理由と代わりの方法(賃貸管理システムやAI電話の活用など)を相談メモに書きます。

→ 入居者対応の記録・報告をどこまで仕組み化できるか相談する

よくある質問

Q1. 既存の賃貸管理システム(ITANDI・いい生活・賃貸革命など)を入れ替える必要はありますか。

必要ありません。むしろ入れ替えないことを前提に設計します。既存の管理システムを記録の大元として残したまま、その前後の「整形して入れる」「集めてまとめる」を自動化するのが基本形です。システムの入れ替えはデータ移行と現場の再教育が発生し、それだけで数ヶ月かかります。自動化の話とシステム移行の話は分けて進めてください。既存システムに外部連携用の窓口(API)が用意されていない場合でも、CSVの書き出し・取り込みや、画面操作を経由した接続を検討します。

Q2. 電話で受けた内容も自動で記録できますか。

通話音声そのものを扱うには、AI電話や録音・文字起こしの仕組みを別途組み合わせる必要があります。月3,980円(税抜)程度から使えるサービスがあるため、電話が多い場合は先にそちらを入れるのが合理的です。一方、担当者が通話後に短くメモを打つ運用にすれば、そのメモから整形・転記・報告集約まで自動化できます。完全な音声自動化にこだわるより、「メモは人が3行打つ、その先は全部自動」のほうが早く安く立ち上がります。

Q3. オーナーごとに報告書のフォーマットが違うのですが対応できますか。

対応できます。フォーマットが複数あること自体は問題になりません。ただし、「このオーナーにはこの項目を載せる」というルールが言葉で説明できることが条件です。ルールが担当者の頭の中にしかなく、毎回その場で判断している場合は、まずそこを整理する作業から入ります。フォーマットが多い場合は、全オーナー共通の項目と、オーナーごとに変える項目に分けて整理します。

Q4. 入居者の個人情報をAIに扱わせても問題ありませんか。

どの手段を選ぶ場合でも、確認すべき点は共通して3つです。①入力したデータがAIの学習に使われない契約になっているか、②個人情報を伏せ字にしてから渡す処理が入っているか、③誰がいつ何を見たかの記録が残るか。無料版や個人向けプランは①を満たさないことがあるため、業務で使うなら法人向けの契約を選んでください。これは自社で導入する場合も、どのベンダーに頼む場合も同じです。

当社が開発する場合は、この3点を御社の情報セキュリティ規程に合わせて設計し、担当者・拠点ごとに見られる記録を分ける権限と、その確認を開発の範囲に含めます。また、賃貸住宅管理業法の帳簿は電子的な記録での保存が認められていますが、閉鎖後5年間の保存要件を満たす形で設計する必要があるため、保存場所と保存期間は要件を決める段階で必ず確認します。

Q5. 導入後に管理戸数が増えたら費用は上がりますか。

開発して自社で持つ仕組みの場合、開発会社に払う費用は作る範囲で決まり、管理戸数そのものには連動しません。増えるのは、処理する記録の量に応じたクラウドやAIのAPI利用料(実費)です。そのため、担当者を増やさずに管理戸数を増やすほど、1戸あたりの費用は下がります。この記事で「増員回避が金額インパクトの本体」と書いたのはこの理由です。一方で、拠点や報告フォーマットの追加は改修になるため、範囲と費用を決めてから進めます。

Q6. 社内にシステムに詳しい人がいませんが運用できますか。

運用はできますが、誰が直すかを先に決めておく必要があります。報告フォーマットの変更、担当者の異動、新しい問い合わせ種別の追加は、稼働後に必ず起きます。開発会社に頼む場合は、稼働後の修正をどこまで保守として受けるかを契約前に確認してください。社内で続けたい場合は、AIを使って社内で直せる部分(AIへの指示文や集計表)と、会社に任せる部分(管理システムとの接続や権限)を分けて作る方法もあります。正直にお伝えすると、社内にAIやノーコードツールを扱える方がいる会社であれば、まずは自分たちで作ったほうが安く済みます。月次報告の下書き程度であれば、表計算ソフトの自動処理機能とAIで作れる範囲です。

Q7. 効果が出なかった場合、途中でやめられますか。

段階を分けて進めれば、途中で止める判断ができます。たとえばPoCで対象を件数の多い問い合わせ種別に絞って試し、削減できる時間が見込みに届かなければ本開発に進まない、という判断です。支払った開発費は戻りませんが、本開発の前に続けるかどうかを決められます。また、この記事の試算で「回収できない」に当たる規模であれば、初回相談の段階で賃貸管理システムやAI電話など、開発以外の方法をお伝えします。

Q8. 自分たちで作る場合、どこから手を付ければよいですか。

外注せずに進めるなら、順番は決まっています。まず入力先を1つに決めることです。賃貸管理システムと社内Excelの両方に入力している状態のまま自動化しても、二重入力は残ります。どちらを記録の大元にするかを決め、もう一方は大元から自動で作る形に変えてください。ここまでは表計算ソフトの自動処理機能や、既存システムのCSV書き出しでも実現できます。

次は記録の項目を固定することです。発生日時・物件・部屋番号・申出者・内容・緊急度・対応状況の7項目を必ず埋めるルールにするだけで、月次報告の作成時間は目に見えて減ります。自由記述のメモだけで運用していると、月末に文章を読み返す作業が発生するためです。この2つを終えた段階でまだ工数が重いなら、そのときに外部の手段を検討すれば十分です。

まとめ:まず「記録に何時間かかっているか」を測ってください

判断の順序はシンプルです。

  1. 入居者対応の記録・転記・オーナー報告に、月何時間かかっているかを測る(1ヶ月分で十分です)
  2. 月10時間程度 → 賃貸管理システム(初期5万円前後+月3,000円〜)で十分
  3. 月10〜30時間 → 賃貸管理システムに加えて、入電が多ければAI電話(月3,980円〜)を追加
  4. 月35時間以上、かつ複数システムに情報が散っている → 管理システムにつなぐ仕組みの開発を検討する段階
  5. これから管理戸数を伸ばす計画がある → 人件費削減ではなく増員回避で投資判断する

4番と5番に当てはまり、「月末のオーナー報告に数日かかっている」「同じ情報を2回打っている」という状態であれば、一度ご相談ください。

AI革命の受託開発では、今の賃貸管理システムを残したまま、入居者対応の記録の整形・管理システムへの転記・対応漏れの検知・オーナー月次報告の下書き作成を、御社のルールに合わせて作ることができます(不動産管理システムとの連携の実績は現時点でありません)。

  • 費用:既存システムの改修100万円〜、PoC 300万円〜、本開発は個別見積(税別。クラウド・外部APIの実費は別)
  • 初回相談は無料・30分(オンライン)。要件が決まっていなくても大丈夫です
  • 相談後に、依頼範囲の候補・進め方・費用の目安をまとめた相談メモをお送りします
  • 自社でAIを使って進める部分と、任せる部分を一緒に切り分けます。開発が合わない場合は、その理由と代わりの方法を相談メモに書きます

現在の管理戸数・使っている管理システム名・記録と報告に月何時間かかっているかをお知らせいただければ、そもそも開発すべきかどうかから一緒に判断します。

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