ビジネス活用2026年9月更新

議事録作成の自動化はいくらかかる?配布・タスク登録まで任せる費用と回収期間【2026年9月最新】

公開日: 2026/09/01
議事録作成の自動化はいくらかかる?配布・タスク登録まで任せる費用と回収期間【2026年9月最新】

この記事のポイント

議事録作成の自動化にかかる費用を、会議ツール内蔵AI(月0〜4,500円)から配布・タスク登録・CRM入力・催促まで任せるAIエージェント(初期100万円+月10万円〜)まで比較。削減時間の試算と回収期間、自動化できない会議も示します。

議事録の「作成」だけなら、Google Meet・Microsoft Teams・Zoomに内蔵されたAI(月0〜4,500円/ユーザー)で自動化でき、追加投資はほぼ要りません。配布・タスク登録・CRM反映・期限の催促まで含めた「会議後の処理」を丸ごと任せる場合は初期100万円+月額10万円〜(税別)が目安で、会議・商談の後処理に月80時間以上かかっている組織なら1年以内に回収できます。

本記事では、「AI議事録ツール○選」型の記事では扱われない、作成の後ろにある配布・タスク登録・催促の工程を1つの業務として捉え、どの規模ならどの方法を選ぶべきか、投資回収が何ヶ月になるかを数字で示します。自動化しないほうがよい会議も正直に書きます。

議事録業務のどこに時間がかかっているか

会議後の議事録作成に時間を取られる会議室の机のイメージ

「議事録は若手が書くもの」で済ませている会社ほど、実際のコストが見えていません。公開されている調査から、何にどれくらいかかっているかを確認します。

調査

分かったこと

ソースネクスト「議事録に関する意識調査」(2023年、上司500名・部下500名)

議事録1回あたりの作成時間は平均50.4分。上司の修正対応が発生する割合80%。「議事録作成のせいで会議で発言しにくい」75.8%。AI録音・文字起こしサービスの利用率は7%

キヤノンマーケティングジャパン「議事録作成業務に関する実態調査」(2022年、1,000名)

議事録作成に週平均6.13時間=年間約320時間。20代は週8.46時間。負担を感じる67.2%。AI活用を希望する人は72.6%いるのに、実際の活用率は1.4%

パーソルプロセス&テクノロジー「社内会議・ミーティングに関する実態調査」(2023年、管理職・一般社員500名)

会議の事後作業で最も時間がかかるのは管理職・一般社員とも議事録作成。議事録の課題の最多は「要約や要点の抽出が難しい」40.2%

山梨県スマート自治体研究会「議事録作成事務に関する調査」(2019年公表、県内9市町村)

年間2,412件の議事録に約7,305時間・約1,450万円1件あたり約3時間・約6,000円。支援システムで4割削減できれば年2,550時間・505万円

数字を並べると、3つの構造が見えます。

1. 書く人と直す人で二重にコストがかかっている。 作成は20代が週8.46時間と最も長く、そのうえ8割のケースで上司が修正しています。担当者の50分に、上司の確認時間が上乗せされている計算です。

2. 書く人は会議に参加できていない。 75.8%が「議事録を取っているせいで発言しにくい」と答えています。議事録係にした若手の意見が会議に出てこない、という損失は時間には表れません。

3. 困っているのは文字起こしではなく、要約と後工程。 最多の課題は「要約や要点の抽出が難しい」で、単に文字にするだけでは解決しません。加えて、AIを使いたい人が7割いても実際に使っているのは1.4〜7%です。現場は経営側の投資判断を待っています。

「作成」の後に発生する5つの工程

「AI議事録ツール○選」型の記事はここを扱いませんが、実際の議事録業務は書いて終わりではありません。現場で発生している工程を並べます。

  1. 清書と上司レビュー、差し戻し。 前述の通り8割で修正が発生します
  2. 配布。 メール、Slack、Teams、Notion、共有ドライブのいずれかに当日中に流すのが理想ですが、翌日以降にずれ込みがちです
  3. 決定事項・ToDoの切り出しとタスク登録。 Notion、Backlog、Asana、Planner、CRMなど、登録先に転記します
  4. 担当・期限の確認と催促。 次回会議までに進んでいるかを誰かが追いかけます
  5. 顧客商談の場合は、CRMへの商談記録入力とフォローメール送信。 議事録と同じ内容を別の場所にもう一度書きます

さらに、未完了のタスクを次回会議のアジェンダに反映する作業が続きます。工程ごとの所要時間は公開データがないため、本記事では作成の50.4分(調査値)に対し、配布・タスク登録・催促を1会議あたり20〜30分(当社の仮定)と置いて試算します。

自動化すると何がどう変わるか

会議後の配布・タスク登録が自動で流れるワークフローのイメージ

会議後の作業の流れを、自動化の前後で並べます。

現状(Before)

  1. 会議中、担当者がメモを取る(発言できない)
  2. 会議後、メモを見返して議事録を書く(50分前後)
  3. 上司に送って修正を受け、直して再送する
  4. 参加者と関係部署にメール・チャットで配布する
  5. 決定事項をタスク管理ツールやCRMに転記し、担当者と期限を入れる
  6. 次回会議の前に、期限が近いタスクを個別に催促する

自動化後(After)

  1. 会議は録音・文字起こしされ、担当者はメモを取らずに議論に参加する
  2. 会議終了後、自社の書式(決定事項・担当・期限・次回議題)に沿った議事録の下書きが自動で生成される
  3. 上司または議長が下書きを5〜10分で確認して確定する
  4. 確定と同時に、決められた配布先へ配信され、決定事項がタスク管理ツールやCRMに登録される
  5. 期限が近いタスクは、担当者へ自動で催促が届く
  6. 次回会議のアジェンダに、未完了タスクの一覧が自動で添付される

ポイントは「議事録がゼロになる」のではなく、担当者の仕事が「書く」から「読んで確定する」に変わることです。文字起こしには固有名詞の誤変換が必ず混じるため、人が確定する工程は設計上残します。「確認もゼロになる」という提案は割り引いて聞いてください。

削減時間の試算:月何時間 × 人件費 = いくらか

自社の数字に置き換えて計算できるよう、前提を明示して2つのパターンを出します。時給は年収600万円クラスの人件費相当として3,000円、1ヶ月は4.3週、AIで自動化できる割合は人の確定作業が残ることを踏まえて8割と置きます(いずれも仮定です)。

試算A:社内の定例会議だけを対象にする場合

30名規模の会社で、週10本の定例会議があるとします。

  • 1本あたり、作成50分(調査値)+配布・タスク登録・催促20分(仮定)=70分
  • 週10本 × 70分 = 週約11.7時間 → 月約50時間
  • 50時間 × 3,000円 = 月15万円/年180万円

この作業のうち「作成」部分は、後述する会議ツール内蔵AIで大半が減らせます。追加コストは0〜月5万円程度です(30名がGoogle Workspace Business Standardに新規加入した場合で月4.8万円、すでに契約済みなら0円)。一方、専用のAIエージェント(月額10万円)で会議後の処理まで8割自動化しても、削減額は月12万円、月額を引いた純便益は月2万円で、初期100万円の回収には約4年かかります。

正直に書くと、社内定例会議の議事録だけが目的なら、専用のAIエージェントは勧めません。 会議ツール内蔵AIで十分です。

試算B:商談・顧客会議の後処理まで束ねる場合

営業10名が、1人あたり週5件の商談をしているとします。

  • 週50商談。商談記録の整理+CRM入力+フォローメール作成+タスク登録に1商談あたり30分(仮定)
  • 週50件 × 30分 = 週25時間 → 月約108時間
  • 108時間 × 3,000円 = 月約32万円/年約390万円

専用のAIエージェント(月額10万円)で8割を自動化すると、削減額は月約26万円、月額を引いた純便益は月約16万円で、初期100万円は約6〜7ヶ月で回収できます。ここに試算Aの社内会議と、月次の集計・レポート配信を同じAI社員に載せれば、回収はさらに早まります。

試算A(社内定例のみ)

試算B(商談後処理まで)

対象

週10本の定例会議

営業10名・週50商談

現状の人件費

月15万円

月約32万円

8割自動化した削減額

月12万円

月約26万円

専用AIエージェントの月額

10万円

10万円

月の純便益

約2万円

約16万円

初期100万円の回収

約4年

約6〜7ヶ月

自社で判断するための損益分岐

  • 月額10万円を人件費で相殺するには、時給3,000円換算で月33時間以上の削減が必要です
  • 初期100万円を12ヶ月で回収するなら月8.3万円を上乗せして、月約60時間以上の削減が目安になります。人の確定作業が残る前提(自動化率8割)で逆算すると、現状の後処理に月75〜80時間かかっている計算です
  • つまり、会議・商談の後処理に月80時間以上かかっている(週15〜20本前後の会議・商談を扱っている)組織が導入のラインです

計算式は「月の会議・商談本数 × 1本あたりの後処理時間 × 時給 × 0.8 − 月額」で純便益、「100万円 ÷ 純便益」で回収月数です。たとえば後処理が月80時間なら、80時間 × 3,000円 × 0.8 − 10万円 = 月9.2万円の純便益で、100万円 ÷ 9.2万円 ≒ 約11ヶ月で回収です。自社の数字を入れてみてください。

自動化できる業務・できない業務の境界線:どの会議が対象になるか

発注してから「うちの会議では無理でした」となるのが一番の損失なので、境界線を先に示します。

自動化できる

自動化できない/要注意

Zoom・Teams・Meetなどのオンライン会議で、録音と文字起こしがデジタルに残る

対面のみで録音していない会議、録音が禁止されている会議、紙の資料が前提の会議

議事録の書式(決定事項・担当・期限)が決まっている

会議ごとに書式や粒度が変わり、毎回「何を書くか」を判断している

配布先とタスクの登録先(Slack・Notion・CRMなど)が決まっている

配布先を都度判断する、承認ルートが会議ごとに違う

定例会議・商談・進捗会議のように繰り返し発生する

取締役会・人事評価・懲戒・機密案件など、録音自体が不適切な会議

議事録の確定とタスクの担当決定を人が行う前提にできる

議事録の確定や担当の割り当てをAIに委ねたい

社名・人名・製品名などの固有名詞を辞書登録できる

方言・同時発話・雑音が多く、文字起こしの精度が確保できない環境

右側に当てはまる項目が多い場合、自動化の前にやることがあります。書式が会議ごとに違うなら、まず決定事項・担当・期限の3項目だけでも統一する。配布先が都度判断なら、会議の種類ごとに配布先を固定する。この2つが決まると、左側に移る会議が増えます。

なお、機密性の高い会議は無理に対象にしないでください。役員会や人事に関わる会議は録音しない運用のままにし、自動化は定例・商談・進捗会議から始めるのが現実的です。

実現する方法は3つある

Zoom AI(旧AI Companion)のミーティングアシスタント画面

出典: Zoom 公式

自社サービスの話に入る前に、選択肢を全部並べます。上から順に検討し、途中で足りれば止めてください。

方法1:会議ツールに内蔵されたAIを使う(月0〜4,500円/ユーザー)

すでに契約しているGoogle Workspace・Microsoft 365・Zoomに、文字起こし・要約・アクションアイテム抽出が組み込まれています。

  • Google Meet(Google Workspace Business Standard、1,600円/ユーザー/月・年契約・税別)。 「Geminiにメモを取ってもらう」機能で、要約とアクションアイテム一覧が会議終了後にGoogleドキュメントへ自動保存され、メールで通知されます。日本語に対応。なお800円のBusiness Starterではこの機能は使えません
  • Microsoft Teams(Microsoft 365 Copilot、4,497円/ユーザー/月・年契約・税別)。 録画または文字起こしを有効にすると、AIノート・フォローアップタスク・話者ごとの発言が自動生成されます。中小企業向けのCopilot Businessは年契約でキャンペーン価格2,698円、月契約3,778円です。Teams PremiumまたはCopilotのライセンスがないとAIノートは使えません
  • Zoom(Workplace有料プラン)。 有料プランにミーティング要約が追加料金なしで含まれ、要約の「次のステップ」からタスクを生成できます。2026年6月に「AI Companion」の名称は廃止され、機能は「Zoom AI」としてWorkplaceに統合されました。無料プランでは要約が月3回までです

できること。 作成工程(文字起こし・要約・アクションアイテム抽出)と、会議ツール内での共有まで。

できないこと。 自社の書式への整形、会議の種類ごとの配布先の振り分け、Notion・Backlog・CRMへのタスク登録、期限の催促。

保守する人。 不要。設定を有効にするだけです。

適する組織。 議事録の作成そのものを楽にしたい全社。まずここを使い切ってください。

方法2:専用AI議事録ツールとノーコード連携を組み合わせる(月数千〜数万円)

会議ツールを横断して使える専用ツール(Notta、Rimo Voice、Otolioなど)で議事録を作り、ZapierやMake、Power Automate、Notionのエージェント機能でSlack・Notion・CRMへ流す方法です。

  • Notta。 プレミアム1,185円/月、ビジネス2,508円/月(いずれも年払い・税込)。Zoom・Teams・Meet・Webexに対応し、ビジネスは文字起こし無制限
  • Rimo Voice。 プロ4,950円/月、チーム6,600円/月(税込)。法人プランは11アカウントから要見積で、SalesforceやDynamics 365との連携があります
  • Otolio(旧スマート書記)。 料金は公式非公開(要問い合わせ)。人数課金ではなく初期費用+AIクレジット制で、タスク整理やSalesforce連携があります
  • 連携基盤。 Zapier Professionalは月19.99ドル(年払い)で750タスク/月、Makeは月9ドル(Core)、Power Automate Premiumは2,248円/ユーザー/月(税別)。Notionは2026年7月31日に「議事録の要約完了」を起点にエージェントが進捗トラッカー更新・Slack配信・チケット起票まで行う機能を公開しました(Business/Enterpriseプラン、クレジット課金)

できること。 作成に加え、「議事録ができたらSlackに投稿」「タスクをNotionに登録」といった単純な受け渡し。

できないこと。 分岐が多い処理(商談の結果によって入力項目やフォロー内容が変わる等)と例外対応。Notionのエージェント機能を検証した技術ブログでは「文字起こしの誤認識がそのままタスクに反映される」「同じ音声・同じ指示でも結果が変わる」ことが報告されており、人の最終確認は必須です。

保守する人。 社内の誰か。連携先の仕様変更でフローが止まったとき、直せる人がいないと放置されます。「誰が作って誰が直すか」を先に決めてから選んでください。

適する組織。 会議が週5〜10本程度で、Notionなど1つのツールに議事録を集約しており、社内に設定を触れる人がいる。

方法3:会議後の処理を丸ごと任せるAIエージェントを導入する(初期100万円+月10万円〜)

議事録の作成から、自社書式への整形、配布、タスク登録、CRMへの商談記録入力、フォローメールの下書き、期限の催促、次回アジェンダへの反映までを、1つの業務として設計して自動実行させる方法です。会議ツールも、Slack・Notion・CRMなどの既存システムもそのまま使い、間の作業だけを置き換えます。

できること。 上記の会議後処理すべて。加えて、同じAI社員に月次レポートの配信やデータ照合など、隣接する定型業務を載せられます。

できないこと。 議事録の確定やタスクの担当決定など、判断そのもの。重要な操作は人が承認する設計です。

保守する人。 提供側。社内にエンジニアは不要です。

適する組織。 会議・商談の後処理に月80時間以上かかっている中堅企業。社内にAIエンジニアがいない。

3つの比較

方法

費用の目安

自動化できる工程

保守する人

導入期間

会議ツール内蔵AI

月0〜4,497円/ユーザー

作成(文字起こし・要約・タスク抽出)

不要

即日

専用ツール+ノーコード連携

月1,185〜6,600円/ユーザー+連携基盤 月9ドル〜

作成+単純な配布・登録

社内の担当者

2週間〜1ヶ月

AIエージェント(シゴハヤエージェント)

初期100万円+月10〜50万円(税別)

作成〜配布〜タスク登録〜CRM入力〜催促まで

提供側

1〜2ヶ月

費用の目安【2026年9月時点】

Google WorkspaceのGemini AI機能の公式イメージ

出典: Google Workspace 公式

金額を1か所にまとめます。会議ツール・専用ツールは公式サイトで確認できた価格のみ載せています。

会議ツール内蔵AI

製品・プラン

料金

議事録関連の機能

Google Workspace Business Standard

1,600円/ユーザー/月(年契約・税別)

Geminiによる要約・アクションアイテム・自動保存・メール通知

Microsoft 365 Copilot(大企業向け)

4,497円/ユーザー/月(年契約・税別)※対象のMicrosoft 365プランが別途必要

TeamsのAIノート・フォローアップタスク

Microsoft 365 Copilot Business

2,698円/ユーザー/月(年契約・キャンペーン価格・税別)、月契約3,778円

同上

Zoom Workplace 有料プラン

追加料金なし(プラン料金に含まれる)

ミーティング要約、次のステップからのタスク生成

専用AI議事録ツール・連携基盤

製品・プラン

料金

Notta プレミアム/ビジネス

1,185円/2,508円(月あたり・年払い・税込)

Rimo Voice プロ/チーム

4,950円/6,600円(月・税込)、法人は要見積

Otolio

要問い合わせ(初期費用+AIクレジット制)

Zapier Professional

19.99ドル/月(年払い)・750タスク/月

Make Core

9ドル/月

Power Automate Premium

2,248円/ユーザー/月(税別)

Notion Custom Agents

Business/Enterpriseプランに加えてクレジット課金

会議後処理を丸ごと任せるAIエージェント

項目

内容

初期費用

100万円(税別)

月額

10〜50万円(税別)。処理量連動で、10名規模なら月10万円、30名規模なら月20万円。月1,000万〜1.2億トークン(AIが読み書きする文字量の単位)の処理枠込み

導入期間

標準1〜2ヶ月

社内の体制

AIエンジニア不要。重要な操作は人が承認する設計

当社のシゴハヤエージェントは、この初期100万円+月額10〜50万円という実額を先に出しています。前章の試算で言えば、営業10名・週50商談の後処理まで束ねる会社なら初期費用の回収は約6〜7ヶ月、社内定例会議だけなら約4年なので、後者の会社には会議ツール内蔵AIをお勧めしています。

議事録の下流にある工程は、それぞれ単体でも自動化の対象になります。商談記録の入力だけを先に解決したい場合はCRM入力の自動化、商談後のメールを止めたい場合はフォローメールの自動化、会議で使う集計資料まで含めるなら月次レポートの自動化を参考にしてください。

実際にやった事例

守秘契約のため社名は伏せますが、当社が実際に構築した2件を、議事録の下流工程という観点で紹介します。

インフラ企業のケース:商談の記録・メール・報告を一続きにした

課題。 法人営業の担当者が、商談後にCRMへの活動記録、顧客へのお礼・確認メール、社内向けの案件報告という3つを別々に書いていました。同じ商談の内容を3回書いている状態で、記録が翌週にずれ込むことも常態化。月末の案件レビューでは、営業部長が個別にヒアリングして情報を埋めていました。

作ったもの。 商談の文字起こしを受け取り、(1)CRMの活動記録を自社の項目定義に沿って下書き、(2)決定事項・次アクション・期日を反映した顧客向けメールを下書き、(3)週次で案件ごとの進捗差分を要約して営業部長に配信、という3工程を一続きで実行する専用のAI社員を構築しました。CRMは既存のものをそのまま使い、書き込み先だけを接続しています。

何がどう変わったか。 営業の作業は「3つ書く」から「1つの下書きを確認して承認する」に変わり、商談1件あたりの記録関連作業が十数分から数分に短縮されました。記録の当日提出率が上がったことで、案件レビュー前の部長ヒアリングがほぼ不要になっています。議事録で言えば、「作成」ではなく「配布・登録・報告」を自動化したことが効いた事例です。

調剤薬局のケース:判断は人、転記と配信はAIに分けた

課題。 複数のシステムをまたぐ定型のデータ照合と、月次の集計・報告資料の作成に、担当者が毎月まとまった時間を取られていました。作業の手順は決まっているのに、システムをまたぐため手作業でしか回せない状態でした。

作ったもの。 各システムからのデータ取得、突合、差分の抽出、報告フォーマットへの整形、関係者への配信までを毎月自動実行する仕組みを作りました。差分のうち判断が必要なものだけを一覧にして人に回す設計です。

何がどう変わったか。 担当者の作業が「全件を突合する」から「AIが挙げた例外だけを見る」に変わり、月次のリードタイムが短縮されました。判断はすべて人が行うという線引きを最初に決めたことが、現場に受け入れられた最大の理由です。議事録の自動化でも、「確定は人、配布と登録はAI」という線引きの置き方は同じです。

録音・文字起こしを始める前に決めておくこと

会議の録音・文字起こしを行うマイクとスマートフォンのイメージ

議事録の自動化は、ほぼ必ず会議の録音・文字起こしから始まります。ツール選定より先に、社内で次の4点を決めてください。後から揉めるのはここです。

  • 録音の同意。 会議招待に「本会議はAIで録音・文字起こしを行います」と明記し、社外参加者には冒頭でアナウンスして断れる余地を残す
  • 対象外の会議を先に決める。 役員会・人事・懲戒・機密案件は最初から除外し、定例・商談・進捗会議から始める
  • ベンダーに確認する4点。 ①会話データをAIの学習に使わないこと ②データの保存場所(国内か海外か)と保存期間 ③社内での閲覧範囲を制御できること ④暗号化と操作ログの有無
  • 固有名詞の辞書と確定者。 社名・人名・製品名を辞書に登録し、議事録を確定する人(議長か上司か)を会議の種類ごとに決める

AIに業務を任せるときの考え方はAIエージェントとは何か、Teams中心の組織ならMicrosoft 365 Copilotエージェントの解説もあわせてご覧ください。

導入までの流れと期間

会議後処理を丸ごと任せるAIエージェントを構築する場合、標準で1〜2ヶ月です。

期間

やること

発注側の負担

1〜2週目

会議の棚卸し。会議の種類、現在の書式、配布先、タスクの登録先、誰が確定しているかを洗い出す

議事録を書いている担当者2〜3名へのヒアリング(各1時間程度)

2〜3週目

ルールの確定。対象にする会議・除外する会議、統一する書式、配布先、確定者、録音同意の文言を決める

部門責任者の意思決定1回

3〜5週目

会議ツール・Slack・Notion・CRMとの接続、自社書式への整形とタスク登録の作り込み、過去の録音での精度確認

出力サンプルの確認

5〜7週目

実際の会議で並走検証。人が書いた議事録とAIの下書きを突き合わせ、固有名詞辞書と書式を調整

担当者数名が2〜3週間並走

7〜8週目

本番運用開始。確定者と催促のルールを周知

最初に決めておくと早く進むのは、「AIの下書きを誰がいつ確定するか」の1点です。ここが曖昧なまま作ると、確定されない下書きが溜まり、配布もタスク登録も止まります。

自社の会議が適用範囲に入るかどうかの判断だけでも構いません。シゴハヤエージェントの詳細と相談窓口はこちらからご確認いただけます。

よくある質問

Q. 部署によってZoom・Teams・Google Meetがバラバラです。統一しないと自動化できませんか。

A. 統一は不要です。会議ツールごとに文字起こしを受け取り、下流の書式整形・配布・タスク登録を共通化する設計にすれば、3つが混在したまま運用できます。ただし、会議ツール内蔵AIだけで済ませたい場合は、ツールごとに要約の書式が違うため、配布先で「どの会議の議事録か分かりにくい」という問題が残ります。混在している会社ほど、下流を共通化する価値が大きい、と考えてください。

Q. 対面の会議が多く、録音していません。この場合は対象外ですか。

A. 録音禁止の会議は対象外ですが、録音が「していないだけ」なら方法があります。会議後に議長か担当者がスマホに2〜3分の音声メモ(決定事項・担当・期限)を吹き込む運用にすれば、そこから議事録の下書き・配布・タスク登録は自動化できます。「書く」より「話す」ほうが圧倒的に速いためです。紙のメモを撮影して読ませる方式は精度が安定しないため、お勧めしていません。

Q. 社名や製品名が誤変換されます。どう防ぎますか。

A. 固有名詞の誤変換は、どのツールでも発生します。対策は2つで、①社名・人名・製品名・社内用語を辞書に登録する ②金額・期日・人名は人が確定時に目視する、です。辞書は導入時に一括登録し、以後は誤変換が出るたびに追加します。並走検証の2〜3週間で誤変換の大半は辞書に載るため、本番開始後の確認時間は議事録1本あたり5〜10分に収まるのが目安です。

Q. 社外の参加者がいる会議で、録音の同意はどう取ればよいですか。

A. 会議招待の本文に録音・文字起こしを行う旨と目的(議事録作成)を明記し、会議冒頭でも一言告知して、断る選択肢を示すのが基本です。相手が拒否した会議はその回だけ手書きに戻す運用を決めておきます。あわせて、議事録目的で録音した音声を評価や研修、AIの学習に流用しないことを社内ルールに明文化してください。目的外利用が、後から信頼を失う典型的な原因です。

Q. Notionのエージェント機能で足りるのではないですか。

A. Notionに議事録を集約している組織なら、まずそれを試すのが正解です。2026年7月末に「議事録の要約完了」を起点に進捗トラッカー更新・Slack配信・チケット起票まで動く機能が公開されています。足りなくなるのは、CRMや基幹システムなどNotionの外に書き込む工程が増えたとき、商談の結果によって処理を分岐させたいとき、そして「誰が直すか」が決まらないときです。Notionの使い方はNotion AIの使い方ガイドも参考にしてください。

Q. 導入後に議事録の書式や配布先を変えたら、作り直しになりますか。

A. なりません。書式・配布先・タスク登録先は業務ルールとして定義してあるため、項目を足す・配布先を変える程度の変更は運用の範囲で対応します。作り直しに近くなるのは、会議ツールやCRMを別製品に乗り換えたときです。その場合も接続部分の差し替えで済むよう、会議ツール・CRMと業務ルールを分けて作っています。

Q. 会議の音声データはどこに保存され、誰が見られますか。

A. 保存場所と閲覧範囲は、契約前に書面で確認すべき項目です。確認するのは、保存される国、保存期間、削除の手続き、社内で閲覧できる人の制御、操作ログの有無の5点です。どの提供元を選ぶ場合も、この5点に書面で答えられないなら候補から外してください。役員会や人事に関わる会議は、そもそも録音しない運用にすることを推奨しています。

Q. 議事録以外の業務も、同じ月額で載せられますか。

A. 載せられます。月額は処理量に連動する10〜50万円の範囲で、商談記録のCRM入力、フォローメールの下書き、月次レポートの配信、データ照合などを同じAI社員に順次追加していくのが一般的です。最初から全部を対象にすると検証が長引くため、まず議事録の作成・配布・タスク登録で始め、精度が安定してから範囲を広げることをお勧めしています。

まとめ:まず自社がどの段階にいるかを確認する

  • 議事録の作成そのものを楽にしたい → 会議ツール内蔵AI。Google Workspace Business Standardなら1,600円/ユーザー/月、Zoom有料プランなら追加料金なし。今日から使えます
  • 議事録をSlackやNotionに流すところまで自動にしたい。社内に設定を触れる人がいる → 専用ツール(月1,185円〜)+ノーコード連携(月9ドル〜)
  • 配布・タスク登録・CRM入力・催促まで含めて、会議と商談の後処理に月80時間以上かかっている → 会議後処理を丸ごと任せるAIエージェント。初期100万円+月額10〜50万円(税別)、1〜2ヶ月で稼働

議事録の作成から配布・タスク登録・CRM反映・期限催促までを一続きの業務として自動実行させたい場合は、当社のシゴハヤエージェントが対応範囲です。営業10名・週50商談の規模なら、初期費用の回収は約6〜7ヶ月が目安です。

自社の会議が適用範囲に入るかどうかの見極めからご相談いただけます。適用外と判断した場合は、その理由と代わりの進め方(会議ツール内蔵AIで十分、など)をお伝えします。

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