AIツール2026年10月更新

App Store審査ガイドライン改定|AIディープフェイク対策と隠し機能禁止(2.5.19)で開発者がやること

公開日: 2026/10/17
App Store審査ガイドライン改定|AIディープフェイク対策と隠し機能禁止(2.5.19)で開発者がやること

この記事のポイント

Appleは2026年10月16日(日本時間17日)にApp Store審査ガイドラインを改定し、AIコンテンツ生成アプリに同意のない性的画像(ディープフェイク)への対策を求め、隠し機能を禁じる2.5.19を新設しました。改定前後の条文比較、開発者の対応チェックリスト、Google Playとの違いをまとめます。

Appleは2026年10月16日(米国時間。日本時間では17日朝)にApp Store審査ガイドラインを改定しました。AI画像・動画を作るアプリも「ユーザー生成コンテンツ」の規定(1.2)の対象だと明記し、本人の同意のない性的画像(AIで作るディープフェイクを含む)を防げないアプリや、審査のあとで隠していた機能を出すアプリを、はっきり削除の対象にしています。

AI画像生成アプリそのものが禁止されたわけではありません。変わったのは「安全策を備えずに出す」「審査で機能を隠す」ことへの扱いです。

この記事でわかること

  • 改定された3か所(1.2/新設の2.5.19/セクション5)と、改定前の条文との違い
  • 改定の背景(Grokの問題、ヌード化アプリの調査、米国の規制)
  • AI画像・動画生成アプリをiOSに出す開発者が見直す項目
  • Google Playの生成AIアプリ向け要件との違い
  • 利用者・保護者が気をつけること

こんな人に向けた記事です

  • iOSでAI画像・動画生成アプリやUGC(ユーザー投稿)アプリを出している、またはこれから出す開発者・事業者
  • アプリ開発を外部に頼んでいて、審査に落ちないか気になる発注担当者
  • AIアプリを使う一般の利用者や、子どもに使わせている保護者

今回の改定の要点

ポイント

内容

1. AI生成アプリが名指しされた

1.2の対象に「AIコンテンツ生成アプリ」が入り、想定する問題に「同意のない性的画像」が加わった

2. 隠し機能は削除とアカウント停止

新設の2.5.19で、隠れた機能・審査後に有効にする機能を禁止。難読化で隠すと削除とアカウント停止の理由になる

3. App Storeの外でも逃げられない

児童の搾取などの重大なケースは、代替配信(日本の代替アプリマーケットプレイスを含む)でもブロックされる

App Store審査ガイドラインの改定で変わった3つのこと

Apple Developerのロゴ(Apple開発者向けニュースの公式画像)

出典: Apple Developer 公式

今回の改定で変わったのは、1.2(ユーザー生成コンテンツ)、2.5.19(新設)、セクション5(法的事項)の3か所です。Appleは開発者向けニュース「Strengthening App Review Guidelines against nonconsensual intimate imagery and bait-and-switch apps」で、同意のない性的画像(nonconsensual intimate imagery、以下NCII)と、おとり商法(bait-and-switch)のアプリへの対策を強める改定だと説明しています。

改定箇所

改定前

改定後

主な対象

1.2 ユーザー生成コンテンツ

UGC・SNSアプリが対象。想定する問題は知的財産の侵害と匿名のいじめ

「生成(generate)」するアプリ、AIコンテンツ生成アプリも対象と明記。NCIIを追加。安全策がない・直さない場合は Developer Code of Conduct 違反とみなされ得る

AI画像・動画生成アプリ、SNS、UGC基盤

2.5.19(新設)

似た文が2.3.1(a)の冒頭にあった

隠れた機能・非アクティブな機能・説明のない機能を禁止。難読化などで隠すと、アプリ削除と開発者アカウント停止の理由になると明記

審査後に機能を切り替えるアプリ

セクション5 法的事項

人身売買や搾取を助長するアプリは当局に通報

通報に加え、App Storeから削除し、代替配信でもブロック

人身売買・児童の搾取に関わるアプリ

英語版ガイドラインのページ末尾は「Last Updated: October 16, 2026」です。Appleはあわせて、昨年1年間で安全上の問題がある15万件超のアプリを利用者に届く前に止め、詐欺・不正で19万3,000件超の開発者アカウントを停止したと公表しています(いずれもApple自身の発表値)。

なお、ポルノは1.1.4で以前から禁止されており、実在の人物の写真から裸の画像を作る「ヌード化(nudification)」アプリも以前から規約違反だった、とAppleは説明しています。今回の改定は新しい禁止事項を作ったというより、AI生成アプリに求めることと罰則をはっきり書いたものと読むのが自然です。

ガイドライン1.2:AIコンテンツ生成アプリが対象として明記された

App Storeのアイコン(App Store審査ガイドライン公式ページの画像)

出典: Apple「App Store Review Guidelines」公式

1.2の改定で、AI画像・動画生成アプリは、SNSやUGCアプリと同じ安全策を備える必要があると明記されました。必須の4機能は変わっていませんが、AI生成アプリにもそのまま当てはまります。

改定後の英語版の条文は次のとおりです(太字は当サイト)。

Apps that enable users to create, generate, upload, share, or otherwise contribute content present particular challenges, including intellectual property infringement, nonconsensual intimate imagery, and anonymous bullying. This includes social media, user-generated content platforms, and AI content creation apps.

当サイト訳:「ユーザーがコンテンツを作成・生成・アップロード・共有するなどして投稿できるアプリには、知的財産の侵害、同意のない性的画像、匿名のいじめといった特有の問題があります。これにはSNS、ユーザー生成コンテンツ基盤、AIコンテンツ生成アプリが含まれます。」

改定前の日本語版(2026年6月8日版)は「知的財産の侵害や匿名のいじめなど」「ユーザー生成コンテンツやソーシャルネットワーキングサービスを含むアプリ」という書き方で、AI生成アプリにもNCIIにも触れていませんでした。

必須の4機能(改定前から変わらず)

必須機能

英語の条文

AI生成アプリでの具体例

不適切な内容のフィルタ

A method for filtering objectionable material from being posted to the app

性的な変換を求めるプロンプトや、実在人物の写真への服を消す指示を止める。生成された画像も表示前に判定する

通報と迅速な対応

A mechanism to report offensive content and timely responses to concerns

生成物や共有された画像に通報ボタンを置き、削除まで対応する体制を持つ

悪質な利用者のブロック

The ability to block abusive users from the service

違反を繰り返すアカウントを止める

連絡先の公開

Published contact information so users can easily reach you

被害者がアプリ外から削除を依頼できる窓口を公開する

開発者の責任が重くなった一文

もう一つの変更は、責任の書き方です。改定後の1.2には次の一文が加わりました。

Developers who fail to implement appropriate safeguards or fail to remediate identified violations after notice may be considered in violation of the Developer Code of Conduct.

当サイト訳:「適切な安全策を入れていない、または通知を受けたあとも指摘された違反を直さない開発者は、Developer Code of Conduct(開発者行動規範)に違反しているとみなされる場合があります。」

行動規範違反は、そのアプリ1本ではなく開発者アカウント単位の処分につながり得ます。Appleのニュースでは、NCIIを「事前に防ぎ、削除する(proactively prevent and remove)」ことを求めており、通報を待ってから消すだけでは足りないという書き方です。

ただし、Appleのニュースは「AI生成のものを含むNCII」と説明していますが、条文そのものには「AI-generated」という語はありません。条文にあるのは「nonconsensual intimate imagery」と「AI content creation apps」の2か所です。フィルタの精度や、通報に何時間以内に対応すべきかといった数値基準も、現時点ではガイドラインに書かれていません。

ガイドライン2.5.19:隠し機能と審査後の機能追加を禁止

新設の2.5.19は、審査では無害なアプリに見せて、承認されたあとに別の機能を出すやり方を禁じる規定です。改定後の条文は次のとおりです。

2.5.19 Don't include any hidden, dormant, or undocumented features in your app; your app's functionality should be clear to end users and App Review. Attempting to hide undocumented features in your app binary, such as through code obfuscation or other methods, is grounds for removal of your app from the App Store and termination of your developer account.

当サイト訳:「アプリに隠れた機能、休止状態の機能、説明のない機能を含めないでください。アプリの機能は、利用者にもApp Reviewにも明確である必要があります。コードの難読化などの方法で説明のない機能をバイナリ内に隠そうとすることは、App Storeからのアプリ削除と開発者アカウント停止の理由になります。」

改定前の日本語版では、同じ趣旨の文が2.3.1(a)の冒頭にありました。

アプリに隠れた機能、非アクティブな機能、明文化していない機能を含めないでください。エンドユーザーにも、App Reviewチームにも、アプリの機能が明確に伝わる必要があります。

改定後の英語版2.3.1(a)は「新しい機能や変更はNotes for Review(審査向けのメモ)に具体的に書く」という文から始まり、「隠れた機能を含めない」の部分は2.5.19に移りました。そのうえで、難読化で隠す行為を名指しし、アプリ削除とアカウント停止という処分を条文に書いています。

Appleはこの規定を「審査で用途を偽り、承認後に変える行為を以前から禁止していることをはっきりさせるもの」と説明し、例として提出版になかった機能を承認後に加えることを挙げています。報道では、サーバー側の切り替えであとからヌード化機能を出すアプリや、9to5Macが2026年7月に報じた「ブラジルのIPからだけ賭博サイトになる偽装アプリ」が背景にあるとされています。

Feature FlagやA/Bテストは使えなくなるのか

リモート設定(Feature Flag)やA/Bテスト、サーバー側での機能追加そのものが禁止されたわけではありません。Appleは現時点で、これらの扱いを明言していません。

危ないのは、審査に出していない機能をあとからフラグで有効にする使い方です。少なくとも次の運用にしておくと、2.5.19と2.3.1(a)の趣旨から外れにくくなります。

  • 審査時点で、フラグで出し分ける機能も含めて Notes for Review に具体的に書く
  • 審査担当が全機能を確かめられるよう、デモ用アカウントや設定を用意する
  • 審査に出した範囲を超える機能(特に生成内容の制限を緩める変更)は、アプリのアップデートとして審査に出し直す
  • 地域や IP で機能を大きく変える設計は、理由を説明できるものに限る

セクション5:代替配信でもブロック。日本の代替マーケットプレイスも対象

セクション5(法的事項)の改定で、極端なケースのアプリはApp Storeから削除されるだけでなく、代替配信でもブロックされることになりました。

In extreme cases, such as apps that are found to facilitate human trafficking and/or the exploitation of children, appropriate authorities will be notified and the apps will be removed from the App Store and blocked from alternative distribution.

改定前の日本語版は「人身売買や児童労働の搾取を助長するアプリなど、極端な例においては、該当する当局に通報されます」で終わっていました。改定後は「App Storeから削除」と「代替配信(alternative distribution)でもブロック」が加わっています。Appleのニュースでも、人身売買や児童の搾取に関わるコンテンツを含むアプリは、App Storeから削除し代替配信でもブロックすると説明しています。

日本の読者にとっては、日本でも代替配信がすでに始まっている点が大事です。2025年12月18日のスマホソフトウェア競争促進法(MSCA)の全面施行に合わせて、iOSでは代替アプリマーケットプレイスからのアプリ配信ができるようになりました(Apple Newsroom 2025年12月17日)。今回の改定で、「App Storeで落ちたら代替マーケットプレイスで出す」という逃げ道は、重大なケースでは使えなくなります。

一方で、代替配信のアプリが受ける公証(Notarization)は、App Reviewよりチェックの範囲が狭いとAppleは説明しています。ブロックされるのは「極端なケース」であり、App Storeの外にあるアプリがすべてApp Storeと同じ水準で確かめられているわけではありません。

改定の背景:Grokとヌード化アプリをめぐる2026年の動き

今回の改定は、2026年に入ってAIで作られた性的画像の問題が続いたことを受けたものと見られています。Appleが特定のアプリを名指しして改定したという公式の説明はありませんが、時系列で並べると流れがわかります。

時期

出来事

出典

2025年12月18日

日本でMSCAが全面施行。iOSで代替マーケットプレイスに対応

Apple Newsroom

2026年1月

Tech Transparency Project(TTP)が、App Storeに47本・Google Playに55本のヌード化アプリがあると報告(TTP調べ)

The Register ほか

2026年1月

Grokで女性や未成年の性的な画像が作られた問題を受け、米上院議員がAppleとGoogleにXとGrokの取り下げを要請

MacRumors ほか

2026年4月15日

Appleが xAI に「直さなければGrokを削除する」と非公開で警告していたと報道。最初の修正は不十分として却下

MacRumors(NBC News報道を引用)

2026年4月

TTPの追跡調査で、App Storeの検索候補や広告がヌード化アプリへ誘導していたと指摘

9to5Mac ほか

2026年5月19日

米国 TAKE IT DOWN Act のプラットフォーム義務(有効な削除依頼から48時間以内の削除)について、FTCの執行が始まる

Orrick

2026年7月17日

サンフランシスコ市検事が、AppleとGoogleにヌード化アプリの削除を要求

TechCrunch

2026年8月25日

Google Playが、生成AIアプリのNCII対策の審査要件を改めて告知

Android Developers Blog

2026年10月16日

AppleがApp Store審査ガイドラインを改定(1.2/2.5.19新設/セクション5)

Apple Developer News

TTPの報告後、Appleが削除したアプリの本数は報道によって15本・24本・28本と食い違っており、正確な数はわかっていません。Grokをめぐる訴訟や規制の流れは「Grok CSAM訴訟とnudification規制」で詳しく扱っています。Grokの画像・動画生成機能そのものは「Grok Imagineとは」も参考になります。

実在の人物を画像生成に使う機能は、ほかの大手サービスでも見直しが続いています。Metaが@メンションで実在人物を画像に入れる機能を撤回した例は「Meta Muse Imageとは」、Googleが地図上のAI画像生成を撤回した例は「Google Earth AI画像生成の撤回」で紹介しています。

日本語版ガイドラインはまだ改定前(2026年6月8日版)

2026年10月17日時点で、Appleの日本語版App Store審査ガイドラインは「最終更新日:2026年6月8日」のままで、今回の改定は反映されていません。2.5.19もまだ載っていません。

審査で使われるのは改定後の内容と考えるのが安全です。日本語版だけを読んで判断すると、1.2の対象拡大や2.5.19の罰則を見落とします。改定後の条文は英語版ガイドラインで確かめてください。この記事の日本語訳は当サイトによるもので、Appleの公式訳ではありません。

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違反したときの処分の流れ

Appleのロゴ(Apple Developer Program使用許諾契約ページの公式画像)

出典: Apple Developer Program License Agreement 公式

処分は、条文上はコンテンツ削除の要請から始まり、重大または繰り返しの違反では開発者アカウントごと失うところまで進みます。

段階

内容

根拠

1. 削除の要請

Appleが違反コンテンツを見つけた場合、削除を求める

1.2

2. 改善計画の提出

ガイドラインへの準拠を改善する計画を出すよう求める

1.2

3. アプリの削除

改善が確認できるまで、アプリがApp Storeから外される場合がある

1.2

4. 行動規範違反の扱い

安全策がない、通知後も直さない場合は Developer Code of Conduct 違反とみなされ得る

1.2(今回追加)

5. 即時削除・除名

悪質または繰り返しの違反は、App Storeからの即時削除と Apple Developer Program からの除名の理由になる

1.2

隠し機能の場合

難読化などで機能を隠すと、アプリ削除と開発者アカウント停止

2.5.19(新設)

極端なケース

当局への通報、App Storeからの削除、代替配信でのブロック

セクション5

除名やアカウント停止になると、問題のアプリだけでなく、同じアカウントで出しているほかのアプリにも影響します。受託開発で顧客名義のアカウントから出している場合は、顧客の事業全体に響く点に注意が必要です。

すでに公開中のアプリにいつまでに対応すべきか、猶予期間があるかは、現時点でAppleから説明がありません。次のアップデートの審査で新しい基準が当てはめられると考えて準備しておくのが無難です。

AI画像・動画生成アプリの開発者が見直す7項目

AI生成機能を持つiOSアプリは、1.2の必須4機能に加えて、入力・出力の両方のフィルタ、外部AIへのデータ送信の同意、審査への説明を見直す必要があります。

No.

確認すること

対応の目安

関係する規定

1

実在人物の顔写真を入力できるか

できるなら、性的な変換や服を消す指示を入力側で止め、生成結果も表示前に判定する

1.1.4/1.2

2

通報・ブロック・連絡先公開・迅速な対応がそろっているか

生成物ごとの通報ボタン、違反アカウントの停止、アプリ外から連絡できる窓口を用意する

1.2

3

生成物を公開・共有できるか

共有できるならUGCアプリとしての運用(監視・削除の体制)が必要

1.2

4

顔写真を外部の画像生成APIに送るか

送る相手(サードパーティのAIを含む)をはっきり示し、明示的な同意を取る

5.1.2(i)

5

未成年が使えるか

年齢レーティングを適切に設定し、確認済みまたは申告された年齢で利用を制限する

1.2.1(a) ほか

6

リモート設定で機能を出し分けるか

出し分ける機能も Notes for Review に具体的に書く。審査後に未申告の機能を有効にしない

2.3.1(a)/2.5.19

7

削除依頼に対応する手順があるか

被害者からの依頼を受け付け、確認・削除・記録まで回せる手順を決めておく

1.2

特に見落としやすいのが1と4です。画像生成モデルに最初から入っている安全フィルタだけに頼ると、言い換えたプロンプトや画像の加工で抜けられることがあります。入力(プロンプトとアップロード画像)と出力(生成画像)の両方に自前の判定を置く設計にしておくと、後から指摘を受けたときにも説明しやすくなります。画像生成モデル側の安全策の考え方は「ChatGPT Images 2.0とは」も参考になります。

会社でAI生成機能を組み込んだアプリを作る場合は、外部の生成APIに送るデータの範囲や、ログ・生成物の保管先といった社内のセキュリティ要件を先に決めておくと、審査対応での手戻りが減ります。構成の選び方は「生成AIのセキュリティ要件と社内導入の構成」で整理しています。生成AI全般のリスクは「生成AIのセキュリティリスクと対策」にまとめています。

Google Playの生成AIアプリ要件との違い

Android Developersのロゴ(Android開発者向け公式サイトの画像)

出典: Android Developers 公式

AppleとGoogleはどちらもNCIIを作れるAIアプリを認めていませんが、書き方に違いがあります。Appleは「アプリに何を備えるか」を条文で示し、Googleは「審査で何を出すか」まで具体的に示しています。両方のストアに出すなら、Google側の要件に合わせて資料を作っておくとApple側の説明にも使えます。

比較項目

Apple App Store(2026年10月16日改定)

Google Play(2026年8月25日の告知)

根拠となる規定

審査ガイドライン 1.1.4/1.2/2.5.19/セクション5

Sexual Content Policy/AI-Generated Content Policy/App Promotion policy

求められる対策

フィルタ、通報と迅速な対応、ブロック、連絡先公開。NCIIの事前防止と削除

入力と出力の両方に自前のモデレーションを置くことを推奨。モデル標準の安全フィルタだけに頼らない

審査で出すもの

新機能・変更を Notes for Review に具体的に記載

有料機能・地域限定機能も含めて全AI機能を使えるテスト用アカウント、試した安全プロンプトや境界ケースの資料

隠し機能への対応

2.5.19で禁止。難読化で隠すとアプリ削除とアカウント停止

申請時だけでなく公開後も継続して審査

広告

今回の改定では広告について触れていない

第三者が作った広告でも開発者が責任を負う

違反時の処分

削除要請→改善計画→アプリ削除→除名。重大なものは代替配信でもブロック

アプリ停止。NCIIで停止されたアプリはGoogle全体で収益化・広告を止められる

Googleの要件の詳細はAndroid Developers Blogで公開されています。Googleは「nudify」「undress」のような指示をモデルが拒否することを審査担当に示すよう求めており、この確認はApple向けのテストケースとしてもそのまま使えます。

利用者・保護者が気をつけること

利用者にとって今回の改定は、App Storeで配信されるAI画像アプリの安全策が強まる方向の変化です。ただし、すべての問題アプリがすぐ消えるわけではないため、使う側でも確かめておきたい点があります。

  • 通報と削除依頼の窓口があるか:アプリ内に通報ボタンがあるか、運営者の連絡先が公開されているかを、使う前に見ておく
  • 顔写真をどこに送るか:写真を外部のAIサービスに送るアプリは、送信先と同意を求める画面が出るはず。説明なく送るアプリは避ける
  • App Store以外から入れるアプリ:代替マーケットプレイスのアプリは、公証のチェックがApp Reviewより範囲が狭い。子どもの端末では、インストール元を保護者が把握しておく
  • 自分や家族の画像が悪用されたとき:生成元・共有先のアプリで通報し、App Storeのアプリなら Apple の「問題を報告する」からも連絡する。被害が大きい場合は、警察の相談窓口(#9110)や法務省の人権相談も選択肢になる

対応を急ぐべき開発者・影響が小さい開発者

今回の改定で対応を急ぐべきかどうかは、「実在の人物の画像を扱うか」「生成物を他人と共有できるか」「機能を審査後に切り替えるか」の3点でほぼ決まります。

対応を急ぐべき開発者

  • 顔写真の加工・着せ替え・アバター生成など、実在人物の写真を入力できるAIアプリを出している
  • 生成した画像や動画をアプリ内で公開・共有できる
  • 外部の画像生成APIを使い、ユーザーの写真をそのまま送っている
  • リモート設定で機能を出し分けていて、審査時の Notes for Review に書いていない機能がある
  • 地域やIPによって、アプリの中身を大きく変えている

影響が小さい開発者

  • 文章の要約や翻訳など、画像・動画を生成しないAI機能だけを持つアプリ
  • 生成物が本人の端末の中だけで完結し、人物写真を入力に使わないアプリ
  • 1.2の必須4機能をすでに備え、審査のたびに新機能を具体的に申告している

AI画像生成アプリの新規開発をおすすめしない事業者

通報への対応や削除依頼の処理を続ける体制を用意できない事業者は、実在人物の写真を扱うAI画像生成アプリを出すこと自体を見直したほうがよいでしょう。条文上、安全策がないことや通知後に直さないことは行動規範違反とみなされ得るため、リリース後の運用まで含めて考える必要があります。

よくある質問

AI画像生成アプリは、今後App Storeに出せなくなりますか?

出せます。今回の改定はAI生成アプリを禁止するものではなく、NCIIを防ぐ安全策を求め、機能を隠すことを禁じるものです。文章から風景やイラストを作るアプリなども、1.2の必須4機能を備えていれば引き続き審査に出せます。

改定はいつから適用されますか?既存のアプリはどうなりますか?

ガイドラインの最終更新日は2026年10月16日です。既存のアプリに猶予期間があるかどうかは、現時点でAppleは説明していません。公開済みのアプリでも、問題が見つかれば削除要請の対象になり得るため、次のアップデートを待たずに点検しておくのが安全です。

Feature FlagやA/Bテストを使うと2.5.19違反になりますか?

Appleはフラグの扱いを明言していないため、使うこと自体が違反とは言えません。判断の分かれ目は、審査担当がその機能を把握できるかどうかです。審査に出していない機能をあとから有効にする使い方は、2.5.19の「隠れた機能」とみなされるおそれがあります。

代替アプリマーケットプレイスで配信すれば、App Storeの規約は関係ありませんか?

関係します。今回の改定で、児童の搾取などの極端なケースは代替配信でもブロックされると明記されました。また、代替配信のアプリも公証を受ける必要があります。公証の対象範囲はAppleの公証に関するガイドラインで確かめてください。

日本ではディープフェイクを直接取り締まる法律はありますか?

2026年10月時点で、ディープフェイクそのものを直接対象にした国の法律は確認できていません。実在の人物の性的な画像を作って広めた場合は、わいせつ物頒布、名誉毀損、児童ポルノ禁止法など、既存の法律で扱われるケースが多いとされています。海外ではEUのAI法が生成コンテンツの透明性義務を定めており、動向は「EU AI法の執行」で解説しています。

まとめ

Appleは2026年10月16日のApp Store審査ガイドライン改定で、AIコンテンツ生成アプリを1.2の対象として明記し、同意のない性的画像(AIディープフェイクを含む)を事前に防ぎ削除することを求めました。新設の2.5.19では隠し機能と審査後の機能追加を禁じ、セクション5では重大なケースを代替配信でもブロックするとしています。

AI画像・動画生成アプリの開発者がまずやることは3つです。入力と出力の両方に性的な変換を止める仕組みを置くこと、通報・ブロック・連絡先・削除対応をそろえること、出し分ける機能も含めて Notes for Review に具体的に書くことです。日本語版ガイドラインはまだ改定前の2026年6月8日版なので、条文は英語版で確かめてください。

AppleのAI関連の動きは「Apple Intelligenceとは」でもまとめています。

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AI革命

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編集部

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