AIツール2026年4月更新

日本AI基盤モデル開発とは?SoftBank・NEC・Honda・Sony 1兆パラメータ物理AIを徹底解説

公開日: 2026/04/27
日本AI基盤モデル開発とは?SoftBank・NEC・Honda・Sony 1兆パラメータ物理AIを徹底解説

この記事のポイント

ソフトバンク・NEC・ホンダ・ソニーが2026年4月に設立した国産AI新会社「日本AI基盤モデル開発(Japan AI Foundation Model Development)」を、出資企業の役割・1兆パラメータ・フィジカルAI・NEDO支援・既存国産LLMとの違いまで一次情報ベースで整理します。

「日本AI基盤モデル開発(Japan AI Foundation Model Development, Inc.)」は、ソフトバンク・NEC・本田技研工業(ホンダ)・ソニーグループの4社を中核に、日本製鉄・神戸製鋼所・3メガバンクが出資して2026年4月12日に発表された、国産1兆パラメータ級「フィジカルAI」基盤モデルを開発する合弁会社です。 米中に対抗する日本主導の生成AI開発を、日本国内のデータと国内インフラのみで完結させる「ソブリンAI」戦略の中核プロジェクトに位置づけられます。

本記事でわかること:

  • 日本AI基盤モデル開発の設立経緯・出資企業・役割分担
  • 「1兆パラメータ」「フィジカルAI」の意味と、ChatGPT等の対話型AIとの違い
  • NEDO最大3,834億円・国費1兆円規模の政府支援スキーム
  • 既存国産LLM(Sarashina/PLaMo/tsuzumi/cotomi)との関係と位置づけ
  • 米中の主要モデルとの比較・日本の勝ち筋と課題
  • 2030年までのマイルストーンと、業界別に与える影響

想定読者: 製造業・自動車業界・金融機関のAI戦略担当者、国産AIに関心のあるエンジニア・投資家、生成AIの最新動向を追うビジネスパーソン。

結論:日本AI基盤モデル開発を3行で

  • 何の会社か — 国産1兆パラメータ級フィジカルAI基盤モデルを開発する、ソフトバンク主導の合弁会社(JV)。2026年4月12日設立発表、本店は東京都渋谷区。
  • 何を作るか — 工場・ロボット・自動運転・製造プロセスといった物理空間を制御するためのマルチモーダル基盤モデル。ChatGPT等の対話型AIとは目的が異なる。
  • いつ使えるか — 2026年度〜2030年度の5年計画で開発。商用実装は2030年度を目途に各出資企業の製品・サービスへ順次組み込み予定。現時点で商用APIや料金プランは未提供。

迷ったら、まずは関連記事「生成AIとは」「AIエージェントとは」も併読してください。

日本AI基盤モデル開発の基本情報

国税庁の法人番号公表サイトおよびGビズインフォで確認できる一次情報は以下のとおりです。報道で先行している情報も多いため、登記レベルで確認できる事実から整理します。

項目

内容

正式社名

株式会社日本AI基盤モデル開発(Japan AI Foundation Model Development, Inc.)

法人番号

4010401195731

本店所在地

東京都渋谷区渋谷2-24-12

法人名カナ

ニホンエーアイキバンモデルカイハツ

法人番号指定日

2026年1月9日(当初商号「竹芝準備8号株式会社」)

商号変更

2026年2月18日に「日本AI基盤モデル開発」へ

本店移転

2026年2月19日に東京都港区海岸1-7-1から渋谷区渋谷へ移転

事業発表

2026年4月12日、4社共同で正式発表

開発期間

2026年度〜2030年度の5年計画

商用実装

2030年度を目途に各出資企業の製品・サービスへ実装開始予定

設立背景

公表されている設立目的は「米中が先行する生成AI市場で、日本が主権を持つ1兆パラメータ級のフィジカルAI基盤モデルを国内データ・国内インフラのみで構築する」ことです。経済産業省が2025年12月に表明した5年間で約1兆円規模の国産AI支援(GX経済移行債活用)と同期しており、政府が標榜する「ソブリンAI(Sovereign AI)」戦略の中核に位置づけられます。

なお、2026年4月22日締切のNEDO公募「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」(後述)への応募が見込まれており、採択されれば2026年度予算で1提案あたり最大3,834億円という、国内AI支援としては過去最大級の単一拠出を受ける可能性があります。

出資企業と役割分担

日本AI基盤モデル開発は、4社の中核+追加出資企業による「製造業×金融×通信×半導体」の連合体です。各社の役割は明確に分業されており、単なる出資ではなく自社データと事業実装まで含めた共同開発体制になっています。

企業

区分

役割

ソフトバンク

中核4社

AI基盤モデル開発主導/GPU計算基盤・データセンター提供/代表取締役輩出

NEC

中核4社

AI基盤モデル開発主導/エンタープライズAI実績・AIスパコン・セキュリティ技術

ホンダ(本田技研工業)

中核4社

完成モデルを自動運転・モビリティロボティクス・工場制御へ実装

ソニーグループ

中核4社

ロボティクス・ゲーム・エンターテインメント・半導体(イメージセンサー)へ実装

日本製鉄

追加出資

製造プロセスデータ提供・出資

神戸製鋼所

追加出資

製造プロセスデータ提供・出資

三菱UFJ銀行

追加出資

金融データ・資金面での後押し

三井住友銀行

追加出資

同上

みずほ銀行

追加出資

同上

プリファードネットワークス(PFN)

開発協力

GENIAC採択実績・国産LLM「PLaMo」開発実績を活用した技術協力

報道ベースでは「4社が十数%ずつ出資」とされていますが、正確な出資比率および代表取締役の氏名は2026年4月時点で未公表です。社長にはソフトバンクで国産生成AI「Sarashina」開発を指揮してきた幹部が就任する見込みと報じられています。

4社が組んだ意義

出資企業の組み合わせは、フィジカルAI開発に必要な3要素を網羅しています。

  • 計算インフラとAI開発力 — ソフトバンク(堺データセンター、NVIDIA GB200 NVL72搭載液冷基盤)、NEC(AIスパコン)、PFN(既存LLM実装ノウハウ)
  • 学習データ — ホンダの自動運転走行データ、ソニーのロボティクス・センサーデータ、日本製鉄/神戸製鋼の製鉄プロセス制御ログ、3メガバンクの金融データ
  • 実装先・出口 — ホンダの自動運転車、ソニーの汎用ロボット/ゲーム/半導体、製造業各社の工場設備、銀行業務

この「データを持つ企業」と「実装先を持つ企業」が同じ顔ぶれであるのが本JVの特徴です。データを学習に提供し、できあがったモデルを自社事業で使うという閉じたエコシステムを作る設計になっています。

「1兆パラメータ」「フィジカルAI」の意味

ここを誤解すると記事の半分が無駄になるので先に整理します。日本AI基盤モデル開発が目指すのは「ChatGPTの日本版」ではありません。

1兆パラメータの位置づけ

パラメータ数はモデル規模の代表的な指標で、一般的にパラメータが多いほど複雑な処理が可能とされます。日本国内の代表的な国産LLMと比べると、1兆パラメータは桁が一つ違う水準です。

モデル

パラメータ数(公表値ベース)

開発主体

NEC cotomi

約130億

NEC

NTT tsuzumi 2

約300億

NTT

PFN PLaMo(2.0系)

数百億クラス

プリファードネットワークス

SB Intuitions Sarashina2-8x70B

約4,600億(MoE)

ソフトバンク子会社

日本AI基盤モデル開発(目標)

約1兆

本JV

米OpenAI GPT-5系(推定)

1兆超(非公開)

OpenAI

つまり国内では既存最大のSarashinaを2倍以上引き離す規模であり、米中の最先端水準に並ぶことを目標にしています。なお、Dense(密結合)で1兆パラメータを実現するのか、Mixture-of-Experts(MoE、複数の専門家モデルを切り替える方式)で実現するのかといったアーキテクチャは2026年4月時点で未公表です。

フィジカルAIとは何か

フィジカルAI(Physical AI)は、NVIDIAの定義では「実世界を理解し、モータースキルを使って相互作用するモデル」、NEDOの定義では「言語・画像・動画・音声に加え、物理特性など実空間の情報も統合的に扱える」マルチモーダルAIを指します。

従来の生成AIとフィジカルAIの違いは以下のとおりです。

観点

従来の生成AI(ChatGPT等)

フィジカルAI

主な入力

テキスト・画像

テキスト・画像・動画・音声・センサーデータ・物理特性

主な出力

文章・画像・コード

ロボットの動作指令・自動運転の制御信号・工場設備の制御

主な用途

対話・要約・コーディング支援

自律機械の制御・実世界タスクの実行

代表例

GPT-5、Claude Opus、Gemini

NVIDIA Cosmos、Figure AI、Unitree、トヨタ Woven AI WAVE

日本AI基盤モデル開発が狙うのは後者です。学習データも国内で蓄積された産業データ(工場稼働ログ、品質検査画像、ロボット動作ログ、自動運転走行データ、製鉄プロセス制御ログなど)が中心であり、汎用的な対話AIサービスとしての展開は現時点で計画に含まれていません。

このため「日本版ChatGPT」「日本版Claude」と捉えるのは誤りで、位置づけとしてはNVIDIA Cosmosや米Figure AIに近いと理解するのが正確です。

政府支援スキーム(NEDO 1兆円・3,834億円)

日本AI基盤モデル開発の最大の追い風は、経済産業省・NEDOが用意する大規模支援です。これも誤解されやすいので公募スキームの中身を整理します。

経産省の1兆円支援枠

経済産業省は2025年12月、5年間で約1兆円規模の国産AI開発支援を本格表明しました。財源はGX(グリーン・トランスフォーメーション)経済移行債で、CO2削減を伴う産業投資が対象になります。フィジカルAIは工場・物流・モビリティといった脱炭素と直結する分野であり、この支援枠と整合的です。

NEDO公募「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」

具体的な支援の入口として、NEDOが2026年度に公募を実施しました。

  • 公募名: AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業
  • 応募締切: 2026年4月22日
  • 2026年度予算: 1提案あたり最大3,834億円(国内AI支援としては過去最大級の単一拠出)
  • 構成: 「開発枠」(NEDO知財保有)と「探究枠」(日本版バイ・ドール適用)の両方を含めることが必須

公募の3つの開発項目

公募要件として、以下3項目を一体的にカバーすることが求められています。

  1. 基盤的能力開発 — 知識理解、論理推論、指示理解
  2. マルチモーダル対応 — 画像・動画・音声・物理特性の統合処理
  3. フィジカルAI対応 — 実世界タスク適用に向けた拡張性・評価技術

加えて、CO2排出削減(GX推進)、国内研究開発拠点保有、情報管理体制の充実が要件として課されており、これは外資系クラウドへの依存を排する「ソブリンAI」設計と整合します。

なお、本JVがこの公募に応募する見込みであるとは複数メディアで報じられていますが、採択は確定ではありません。公募は競争的であり、採択結果は別途公表されます。本JVは国内の本命候補と見られていますが、満額3,834億円を受領するかどうかは採択結果次第です。

GENIACとの関係

GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)は、NEDO・経産省が2024年から続けてきた生成AI支援プロジェクトです。PFNやSB Intuitions(ソフトバンク子会社)が過去サイクルで採択されており、本JVはGENIACの後継/拡張的プロジェクトとして位置づけられます。GENIACで蓄積された人材・GPU・データセットを引き継いで1兆パラメータ級フィジカルAIへ発展させるイメージです。

既存国産LLMとの位置づけ

「結局、Sarashina/PLaMo/tsuzumi/cotomiと何が違うのか?」という疑問は多くの読者が抱くはずです。同じ国産AIでも狙いが異なるため、整理しておきます。

モデル/JV

開発主体

用途の主軸

規模感

性質

日本AI基盤モデル開発(本JV)

ソフトバンク・NEC・ホンダ・ソニー4社

フィジカルAI(工場・ロボット・自動運転)

1兆パラメータ目標

国家プロジェクト

Sarashina

SB Intuitions(ソフトバンク子会社)

日本語対話・業務利用

最大4,600億(MoE)

法人API提供開始済み

PLaMo

プリファードネットワークス

日本語汎用LLM

数百億クラス

GENIAC採択

tsuzumi

NTT

軽量・低消費電力日本語LLM

約300億

NTTグループ提供

cotomi

NEC

エンタープライズ業務特化

約130億

NEC法人向け

本JVは「対話用LLM」ではなく「フィジカルAI基盤モデル」を作るため、既存の国産LLMの上位互換ではなく、別レイヤーの製品と捉えるのが正確です。

ただし開発資産は連続的です。ソフトバンクのSarashina、PFNのPLaMoで蓄積された人材・トークナイザー・日本語データ・分散学習ノウハウが本JVに引き継がれる可能性が高く、ゼロからの開発ではありません。

参考: ClaudeとはChatGPTとは — 対話型AIの代表例。日本AI基盤モデル開発は同じ「LLM」でも別の競争領域を狙う設計です。

海外との比較:日本の勝ち筋と弱点

フィジカルAI領域では、米国・中国・日本がそれぞれ異なる戦略をとっています。日本AI基盤モデル開発を世界地図に置いてみましょう。

国・主体

規模感

戦略

強み

米OpenAI(GPT-5系)

推定1兆超

汎用対話・推論

計算資源・人材・先行優位

米Anthropic(Claude)

非公開

安全性・エージェント

推論力・コーディング

米NVIDIA Cosmos

World Foundation Models

フィジカルAI開発の基盤提供

GPU・シミュレーション

米Figure AI / 1X

ロボット特化

ヒューマノイド汎用ロボット

ハードウェアと統合

中国(DeepSeek/Qwen/Hunyuan等)

数千億〜兆クラス

オープンソース・低価格

コスト・実装スピード

日本AI基盤モデル開発

1兆目標

製造業データ特化+データ主権

産業データの厚み

日本の競争優位

日本がフィジカルAIで勝ち筋を持つとされる理由は、データとハードウェアの両方を握っているためです。

  • 製造業データの蓄積 — トヨタ・ファナック・ダイキン等が数十年蓄積した工場稼働・品質管理・ロボット制御データ
  • ロボット工学・センサー技術 — ソニーのイメージセンサー世界シェアトップ
  • 自動車産業 — ホンダの自動運転実証データ、トヨタ系のWoven AI WAVE
  • セキュアな国内インフラ — ソフトバンクの堺データセンター、北海道苫小牧

これらは米中スタートアップが容易には手に入れられない非対称な強みです。

想定される弱点・課題

一方で、複数メディアが指摘する課題も明確です。

  • AI人材不足 — 100人体制は世界最大手(OpenAI数千人、Anthropic数千人)と比べて小規模
  • 2030年実用化目標の楽観性 — 米中の進化スピードが速く、追いつけないリスク
  • 官民連携プロジェクトの過去の失敗例 — 「日の丸OS」「日の丸検索エンジン」など過去の教訓
  • データ品質・標準化の難しさ — 各社の産業データ形式統一に時間がかかる
  • GPU調達と電力 — H100/B200級GPU数万基規模を必要とする可能性
  • ガバナンス — 4社+複数業界の意思決定スピード

これらは記事を読む側もフラットに理解しておくべき論点です。

2026年〜2030年のマイルストーン

5年計画は単年度ごとに「ステージゲート審査」が行われる仕組みで、節目で進捗が公表される見込みです。現時点でわかっている時系列を整理します。

時期

出来事

2025年12月

経産省が5年で約1兆円の国産AI支援を本格表明

2026年1月9日

「竹芝準備8号株式会社」として法人番号指定

2026年2月18日

商号を「日本AI基盤モデル開発」に変更、本店渋谷へ移転

2026年3月31日

NEDO公募説明会開催

2026年4月12日

4社共同で新会社設立を正式発表

2026年4月22日

NEDO公募応募締切

2026年度〜2030年度

5年計画で開発実施。毎年度ステージゲート審査

2030年度(目途)

完成モデルを各出資企業の製品・サービスへ実装開始

実用化の定義が「モデル完成」なのか「製品実装」なのかは報道により記述が揺れていますが、いずれにしても本JVの成否は2027〜2028年頃の中間ステージゲート審査の結果で見えてくる見込みです。

業界別に与える影響

「自社の業務にどう関係するのか?」を整理します。日本AI基盤モデル開発が完成すると、以下の業界で活用が想定されます。

自動車・モビリティ

ホンダが完成モデルを自動運転・モビリティロボティクスに実装します。日本国内の走行データを国産モデルで学習させることで、海外モデルに依存しない自動運転スタックが構築できる可能性があります。関連: 自動車業界のAI活用事例

製造業

日本製鉄・神戸製鋼の製鉄プロセスデータ、各種工場稼働データを学習させることで、国内製造業の生産性向上・品質予測・設備故障予知への応用が期待されます。

ロボティクス・エンターテインメント

ソニーがロボティクス・ゲーム・半導体(イメージセンサー)への実装を担います。汎用ロボットや業務用ロボットの動作生成に活用される見込みです。

金融

3メガバンクの参画は、金融データを用いた業務自動化や、フィジカルAIの社会実装に必要な資金面のバックアップが目的です。直接的な金融AIサービスというより、産業全体の資金循環を整える役割と理解されます。

個人ユーザー

率直に言えば、本JVは個人向け対話AIではないため、個人ユーザーが直接APIや有料プランで使う設計にはなっていません。個人で生成AIを使う目的なら、対話型AIのClaudeChatGPTGeminiを選ぶべきです。 本JVが影響するのは、将来的に個人が乗る車・使う家電・働く工場が国産フィジカルAIで動く、という形になります。

こんな企業・人に関係がある

本JVの動向を追うべき層を整理しました。

関係が大きい企業・人

  • 製造業のAI戦略担当者 — 自社データ提供・将来的な実装パートナーとして関係する可能性
  • 自動車・モビリティ業界の技術者 — 自動運転スタック・車載AIの将来像に直接影響
  • ロボティクス・エンタメ業界 — ソニー実装が及ぶ領域
  • 金融機関 — 3メガバンクが出資するため、金融データの利活用方針に注目
  • 国産AIに関心のあるエンジニア — Sarashina/PLaMoの延長線上にある国家プロジェクトとして就職・転職観点でも注視
  • 政府・自治体のAI政策担当 — ソブリンAI戦略の中核プロジェクトとして政策動向を読む基準になる

直接的な関係が小さい人

  • 個人で対話AIを使いたいユーザー — 本JVは対話AIではないため、ChatGPT・Claude等の選択を変える必要はない
  • AIで業務効率化したい中小企業 — 2030年度の実装開始までは直接利用できないため、当面は既存の対話型AI・AIエージェントを活用する方が現実的

よくある質問(FAQ)

Q1. 日本AI基盤モデル開発は「日本版ChatGPT」ですか?

いいえ。本JVが開発するのはフィジカルAI(工場・ロボット・自動運転を制御するためのマルチモーダル基盤モデル)であり、汎用的な対話型AIサービスとしての展開は計画に含まれていません。位置づけとしてはNVIDIA Cosmosや米Figure AIに近く、ChatGPT・Claude・Geminiの直接的な競合ではありません。

Q2. なぜソフトバンクが主導しているのですか?

ソフトバンクは2025年に堺データセンター(旧シャープ液晶パネル工場)取得、NVIDIA GB200 NVL72搭載液冷AI計算基盤稼働、累計2兆円規模のGPU投資計画など、国内最大規模のAI計算インフラを整備しています。さらに子会社SB Intuitionsで国産LLM「Sarashina」を開発しており、計算基盤・人材・既存LLMの3点で先行優位を持っているためです。

Q3. SB Intuitionsの「Sarashina」とは何が違うのですか?

Sarashinaは日本語対話・業務利用向けLLM(最大4,600億パラメータ、MoE方式、法人向けAPI提供開始済み)です。一方、日本AI基盤モデル開発が狙うのはフィジカルAI(1兆パラメータ目標、物理空間制御特化)です。用途も規模も異なるレイヤーの製品で、Sarashinaの開発資産(人材・GPU・日本語データ)は本JVに引き継がれる可能性が高いものの、置き換える関係ではありません。

Q4. NEDOから3,834億円が必ずもらえるのですか?

いいえ。NEDO公募は競争的審査であり、本JVが応募する見込みであるとは複数メディアで報じられていますが、採択は確定ではありません。3,834億円は2026年度予算で1提案あたりの上限額です。本JVは国内の本命候補と見られていますが、採択結果と受領額は別途公表される予定です。

Q5. いつから商用利用できますか?

2030年度を目途に、各出資企業の製品・サービスへ実装開始予定です。現時点(2026年4月時点)で商用APIや料金プランは未公表で、外部企業が自由に呼び出せるサービスとしての提供形態は決まっていません。直接利用というより、ホンダの自動運転車・ソニーのロボット・製造業の工場制御システムなどの裏側で動く形での社会実装が中心になる見込みです。

Q6. SB OpenAI Japanとは別の会社ですか?

はい、別会社です。ソフトバンクは2025年11月にOpenAIと「SB OAI Japan」を別途設立しており、こちらはOpenAIモデルの日本国内提供が目的です。一方、日本AI基盤モデル開発は国産モデルを国内データのみで開発することを目的としており、両者の関係性は2026年4月時点で公表されていません。狙う領域とパートナーが異なる別プロジェクトと理解するのが正確です。

Q7. 米Anthropic・OpenAIとの提携はないのですか?

本JV単体では国産モデル開発が目的のため、米国系AIベンダーとの直接的な技術提携は現時点で公表されていません。ただし、ソフトバンクは別途OpenAIと提携し、NECは2026年4月にAnthropicと戦略的提携を発表(Anthropic × NEC 戦略的提携)しており、出資各社はそれぞれ別ルートで海外大手と関係を持っています。

Q8. 個人投資家として注目すべき点はありますか?

本JV自体は非上場の合弁会社ですが、出資各社(ソフトバンク、NEC、ホンダ、ソニーグループ、日本製鉄、神戸製鋼所、3メガバンク)の業績・株価には中長期で影響する可能性があります。短期的にはNEDO採択結果(2026年度内)、中期的には2027〜2028年の中間ステージゲート審査が判断材料になります。

まとめと関連記事

日本AI基盤モデル開発(Japan AI Foundation Model Development)は、ソフトバンク・NEC・ホンダ・ソニーを中核とする国産1兆パラメータ級フィジカルAI基盤モデルのJVであり、「日本版ChatGPT」ではなく「日本版NVIDIA Cosmos/Figure AI」と捉えるのが正確です。NEDO最大3,834億円・国費1兆円規模の支援を背景に、2030年度の商用実装を目指して2026年度から5年計画で開発が進みます。

本JVの動向は今後数年単位でアップデートが発生する見込みです。代表取締役の正式発表、NEDO採択結果、年度ごとのステージゲート審査の結果、初期モデルのアーキテクチャ公表など、節目ごとに本記事も更新していく予定です。

情報ソース(一次〜準一次):

  • 国税庁法人番号公表サイト/Gビズインフォ(法人番号 4010401195731)
  • NEDO「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」公募
  • 経済産業省 GENIAC(生成AI基盤モデル開発加速プロジェクト)
  • 日経新聞、時事通信、共同通信、ITmedia AI+、ビジネス+IT、Ledge.ai 各社報道(2026年4月12日付)
  • NVIDIA「What is Physical AI?」、NVIDIA Cosmos公式
  • SB Intuitions「Sarashina mini API」プレスリリース、Preferred Networks 生成AI基盤モデル事業ページ

なお、4社の公式プレスリリース原文の直接確認には限りがあったため、本記事は日経・時事・共同通信・ITmedia等の主要メディア複数の整合性が取れた情報のみを採用しています。代表取締役名・出資比率・モデル名・アーキテクチャ等の未公表情報は、確定情報が公開され次第更新します。

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この記事の著者

AI革命

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編集部

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